ルイス・ハミルトンは、2026年F1スペインGPの予選でQ3最初のアタックを終えて暫定ポールポジションに立ちながら、最終的に4番手に後退した。最後のアタックでは期待したグリップを得られず、チェッカー後の無線で「怪しいタイヤだった」と疑問を呈した。
フェラーリのハミルトンは、最終アタックでマシンのバランスが変化し、アンダーステアに苦しんだと説明。さらに、予選で上位に立ったライバル勢とのパワー差にも言及し、「僕たちには匹敵できない」と語った。
FP3のクラッシュから予選で復調
ハミルトンにとって土曜日は順調なスタートではなかった。FP3では最終コーナーへのブレーキングでロックアップし、そのままバリアにクラッシュ。フロントウイングを大きく破損した。
ハミルトンは当初、損傷したマシンをピットまで持ち帰ろうとしたが、フェラーリからコース上にマシンを止めるよう指示された。このクラッシュによって走行時間を失ったものの、その影響を引きずることなく予選では速さを取り戻した。
Q1ではチームメイトのシャルル・ルクレールとともにミディアムタイヤを使用して突破。Q2を経て進出したQ3では、最初のアタックでトップタイムを叩き出し、暫定ポールポジションに立った。
しかし、最後のアタックでは状況が変わった。ハミルトンもタイム自体はわずかに更新したものの、周囲がさらに大きくタイムを伸ばし、ランド・ノリス、キミ・アントネッリ、マックス・フェルスタッペンに逆転を許した。
最終的にハミルトンは1分32秒013で4番手。5番手のルクレールとの差はわずか0.006秒だった。
「怪しいタイヤだった」
チェッカーを受けた後、ハミルトンは無線で最後に使用したタイヤについて率直な言葉を口にした。
「怪しいタイヤのセットだった。みんなごめん。すべてを出し切ったよ」
予選後、ハミルトンはQ3最初のアタックと最後のアタックでマシンの感触が大きく異なっていたと説明した。
「Q3の1回目はマシンがかなり素晴らしく感じられた。でも、最後のラップではそれ以上のグリップもパワーもなかった」
「2回目のラップも最初と同じくらい良かった。タイムもほとんど同じだったし、たしか0.05秒くらいは速かったと思う」
異変を感じたのは、最後のアタックラップに入る直前だったという。
「なぜか最後のラップに入るとき、最終コーナーを回ったところでアンダーステアが出た。それで『フロントタイヤがまだ入っていないのかもしれない』と思った」
「実際にはリアのグリップが増えて、そのぶんラップ全体を通してアンダーステアが強くなっていた」
ハミルトンはフェラーリの公式コメントでも、最終アタックをうまくまとめられなかったことが順位を落とす要因になったと振り返った。
「セッションは僕たちが望んでいた結果では終わらなかったけど、全体としては堅実なパフォーマンスだった。マシンはずっといい感触だった」
「Q3最初のラップは強かったけど、最後のアタックではすべてをうまくまとめることができず、それでいくつかポジションを失った」
「4番手は僕たちが本来いられたと思う位置ではないけど、このセッションから得られるポジティブな部分もある」

上位勢とのパワー差にも言及
一方、ハミルトンは最後のタイヤだけを予選4番手の理由として挙げているわけではない。予選後のインタビューでは、上位勢とのパワー差についても踏み込んだ。
FP3でのクラッシュについて尋ねられると、「FP3については特に何も言うことはない。大したことではない。予選はかなり良かった」と答え、そのうえで現在のフェラーリの競争力について語った。
「全体的にはかなりいい感触だった。僕たちが前にいる2つの強力なエンジンと戦うためには、すべてを出し切る必要がある」
「彼らは予選になるとエンジンを上げるのか何なのか分からないけど、僕たちにはそれに匹敵することができないように見える」
「もっと努力しなければならない。だから、もっと努力しないといけない」
Q3最初のアタックでは暫定ポールに立っただけに、ハミルトンにとって4番手という結果には悔しさが残った。それでも、決勝ではタイヤのデグラデーションが大きな要素になると予想している。
「走っていて素晴らしいサーキットだ。明日は一貫性とタイヤマネジメントが重要になる。デグラデーションが大きな要素になる可能性があるから、しっかりレースを遂行して、訪れるすべてのチャンスを最大限に生かすことに集中する」
暫定ポールから4番手に後退したハミルトンは、最後のタイヤで生じたバランス変化に加え、上位勢とのパワー差も課題として指摘した。追い抜きが難しいとみられるF1スペインGP決勝では、タイヤマネジメントを含めたレース運びが順位を上げる鍵となりそうだ。
