フェラーリF1 チームオーダー方針転換か バスール代表が検討を示唆

フェラーリF1 チームオーダー方針転換か バスール代表が検討を示唆

フェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールは、2026年F1イタリアGPを経て、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールの間でチームオーダーを導入する可能性について話し合う考えを示した。

これまでバスールは、シーズン途中で一方のドライバーを優先することに慎重な姿勢を貫いてきた。しかし、モンツァでルクレールがリタイアし、ハミルトンとのポイント差が36点に拡大。

さらに決勝1周目には両者が接触する場面もあり、フェラーリは今後のタイトル争いを見据えてドライバー間の運用を改めて検討する局面を迎えている。

モンツァの1周目でハミルトンとルクレールが接触
チームオーダーをめぐる議論が再び注目された直接のきっかけは、F1イタリアGP決勝のオープニングラップだった。

ハミルトンは第1シケインのターン1でルクレールのイン側に入り、ターン2ではアウト側に並んだ。しかし、ルクレールとの攻防でコース外のグラベルへ押し出される形となり、ハミルトンは10番手まで順位を落とした。

これによってフェラーリは、2台を使って戦略的にレースを組み立てる機会を事実上失った。その後、ルクレールは次の周にクルバ・アルボレート(パラボリカ)で激しくクラッシュし、レースを終えている。

レース後、バスールは1周目の一件について、まずドライバー本人たちと話をしたいとの姿勢を示した。

「ルイスとは2秒くらい話したが、シャルルとはまったく話していない。だから、この件について話し合う時間はまだなかった」

何が起きたと考えているのかと問われても、バスールは評価を控えた。

「いや、まず君たちと話すより先に、彼らと話をしたい」

チームオーダーに慎重だったバスール
バスールはこれまで、ハミルトンとルクレールのどちらかを明確に優先するチームオーダーの導入には慎重だった。

その考えを説明する際には、前年のマクラーレンを例に挙げている。シーズンの同じ段階でオスカー・ピアストリを明確に優先していれば、結果としてマックス・フェルスタッペンにF1ドライバーズタイトルを渡すことになっていた可能性があるというのがバスールの見方だった。

つまり、タイトル争いの可能性を持つ2人のドライバーがいる段階で、早々に一方へチームのリソースを集中させることにはリスクがあるという考えだ。

フェラーリもこれまで、ハミルトンとルクレールを基本的に対等な立場で競わせてきた。

スクーデリア・フェラーリ

ハミルトンとルクレールの差は36ポイント
しかし、F1イタリアGPを終えて状況は変化しつつある。

ルクレールがモンツァでノーポイントに終わったことで、ハミルトンのリードは36ポイントまで拡大した。シーズンが終盤へ向かうなか、この差はフェラーリがドライバーズ選手権を戦ううえで無視できないものになりつつある。

そのためバスールは、これまでの慎重な姿勢から一歩踏み込み、今後のチームオーダーについてハミルトン、ルクレールと話し合う可能性を示唆している。

一方で、ハミルトン自身はチームオーダーを導入するのであれば、すでにタイミングを逸しているとの考えを持っている。

フェラーリにとって問題となるのは、単純な36ポイントという数字だけではない。モンツァではスタート直後に2台が直接争ったことでハミルトンが大きく順位を落としており、タイトル争いが佳境に入るなかで同様の事態を繰り返すリスクも浮き彫りになった。

バスールはイタリアGP直後の段階では具体的なチームオーダー導入を明言していない。それでも、まず両ドライバーと話し合う姿勢を示したことは、これまで対等な競争を重視してきたフェラーリが今後の運用を再検討する可能性を示すものとなった。