アストンマーティンのランス・ストロールが、2026年F1第13戦イタリアGPの予選でQ1敗退を喫し、現行の3セッション制予選が導入された2006年以降で初めて「Q1敗退100回」に到達したドライバーとなった。
ストロールはモンツァで22番手に終わり、最後尾で予選を終えた。チームメイトのフェルナンド・アロンソとの差は0.1秒弱だったが、アロンソはセッション終盤に最後のアタックを行うことができなかった。
アストンマーティンは前戦オランダGPでアップデートされたホンダ製パワーユニットが投入され、ハンガリーGPで導入した大規模アップデートを補完する改良も加わった。しかし、高速区間の比率が高いモンツァではパワー面の弱点が顕著に表れる結果となった。
AMR26はメルセデス勢と比較して最高速で一貫して約20km/h遅く、Q1ではピエール・ガスリーのアルピーヌからラップタイムで約2.6秒遅れた。
ストロール自身も、この結果に驚きはなかった。
「予想していた通りだった。エンジンだ」
「僕たちは3秒遅れている。だから明日は集団についていくことはできないだろう」
決勝についても厳しい見通しを示し、アストンマーティンの2台がレースで大きく挽回することは難しいとの認識を示した。
デビュー戦から始まったQ1敗退の記録
ストロールが初めてQ1で敗退したのは、ウィリアムズからF1デビューを果たした2017年オーストラリアGPだった。このときはQ2進出最後の枠を獲得したマーカス・エリクソンから約0.9秒遅れて予選を終えた。
しかし、続く中国GPではQ3進出を果たして巻き返した。決勝はオープニングラップでセルジオ・ペレスと接触してリタイアしたものの、その後、母国カナダGPでF1初ポイントを獲得。さらにアゼルバイジャンGPでは3位に入り、初表彰台を獲得した。
キャリアの中では予選で大きな結果も残している。レーシングポイント時代の2020年トルコGPでは、ウエットコンディションで強さを発揮して自身初のポールポジションを獲得。この2020年シーズンは年間を通して一度もQ1敗退がなかった。
一方、Q1敗退回数が最も多かったシーズンのひとつが、ウィリアムズで苦戦した2018年だ。この年は15回のQ1敗退を記録した。
近年もアストンマーティンの競争力低下に伴って予選序盤で苦戦するケースが増え、2025年には再び15回のQ1敗退を記録。そして2026年はイタリアGPまで13戦すべてでQ1を突破できておらず、通算回数がついに100回に達した。

ランス・ストロール Q1敗退回数
2017年:12回
2018年:15回
2019年:14回
2020年:0回
2021年:7回
2022年:12回
2023年:7回
2024年:5回
2025年:15回
2026年:13回
合計100回という数字は、2006年にF1がQ1、Q2、Q3からなるノックアウト方式の予選を導入して以来、ストロールが初めて到達した記録となる。
2020年にはポールポジションを獲得した実績を持つストロールだが、2026年は開幕から13戦連続でQ1敗退。アストンマーティンとホンダが抱えるパワー面の課題が露呈したモンツァで、望まぬ形でF1史に名前を刻むことになった。
