リアム・ローソン レッドブルF1の“不文律”破りフェルスタッペンに真っ向勝負

リアム・ローソン レッドブルF1の“不文律”破りフェルスタッペンに真っ向勝負

リアム・ローソンは、F1オランダGPの決勝スタート直後にチームメイトのマックス・フェルスタッペンへ果敢に仕掛けた。その姿勢について、元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは「最大限の敬意」を示している。

アイザック・ハジャーの負傷によりレッドブル・レーシングから1戦限りで出場したローソンは、4列目でフェルスタッペンのひとつ後方からスタート。

序盤から4度のF1ワールドチャンピオンに対して遠慮することなく勝負を挑み、レッドブル内にあるとされる“不文律”を意に介さないような走りを見せた。

ローソンがフェルスタッペンに真っ向勝負
スタート直後、フェルスタッペンはルイス・ハミルトンとの接触によって2輪を芝生に落とし、ローソンはその隙を突いて接近した。

ローソンはターン3でフェルスタッペンのアウト側にマシンを並べ、大胆なオーバーテイクを試みた。しかし、フェルスタッペンも簡単にはポジションを譲らず、ローソンの進路を封じた。

レッドブルではフェルスタッペンが明確なエースとして位置づけられており、チームメイトが必要以上に激しくレースを仕掛けないという“不文律”があるとみられている。それでも、ローソンは1戦限りのチームメイトを相手に躊躇しなかった。

F1TVで解説を務めたジョリオン・パーマーは、その場面を見ながらローソンらしい積極性を称賛した。

「ローソンがチャンスを狙っている。なんてことだ、ターン3のアウト側からマックス・フェルスタッペンを抜こうとしている! 無理だ!」

「ローソンには最大限の敬意を払うよ。彼は仕掛けることを決してためらわないよね。その日だけのチームメイトに対して大技が決まるか試していた。まあ、長くは続かなかったけどね」

フェルスタッペンはその後、オープニングラップ終盤にクラッシュしてリタイア。結果としてローソンがレッドブルの上位フィニッシュへの期待を背負うことになった。

リアム・ローソン vs マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

クルサード「自分の役割を思い出した」
一方、元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、ローソンが最終的にはフェルスタッペンとの直接対決から引いたことに注目した。

チャンネル4のハイライト番組でクルサードは、ローソンが途中で自分がレッドブルに1戦限りで起用された立場であることを思い出したように見えたと語った。

「彼は1戦限りのチャンスだということを忘れているね。フェルスタッペンと少し接触して、それから『ああ、チームメイトだった。ちゃんと後ろについていかないと』という感じになった」

ローソンにとって今回のオランダGPは、単なる代役参戦以上の意味を持つ一戦だった。ハジャーの負傷によって巡ってきた機会は、今後のレッドブルでの立場を再びアピールする重要なチャンスでもあった。

それだけに、チームの絶対的エースであるフェルスタッペンとの接触によって両者がレースを失うような事態は避ける必要があった。

チャンドック「フェルスタッペンが誰がボスか示した」
Sky Sports F1の解説者カルン・チャンドックも、ターン3での攻防を分析。フェルスタッペンがローソンに対し、レッドブルでの力関係を明確に示した場面だったと指摘した。

「最初のコーナーを立ち上がるところでは、接触する寸前まで近づいていた。そして次のいくつかのコーナーでもリアムは彼についていった。ターン3ではアウト側から仕掛けようとしている」

「そこでフェルスタッペンは『いやいや、僕が示してやる』という感じで、少しステアリングを開いた。接触したとき、彼はリアム・ローソンに対して、このチームのボスが誰なのかをかなり明確に示した」

それでもローソンはすぐには諦めず、可能性を探り続けたという。

「リアムはそのまま勝負しようとしたけど、最終的には『分かった。ここではリスクを取り除いて後ろにいよう』と判断したんだ」

1戦限りの代役で7位フィニッシュ
フェルスタッペンとの本格的な接触事故は、ローソンにとって最悪の結果になりかねなかった。ハジャーの負傷によって突然巡ってきたレッドブル復帰の機会は、自身の将来を左右する重要なアピールの場でもあったからだ。

それでもローソンはスタート直後から守りに入ることなく、フェルスタッペンを相手にオーバーテイクを狙った。パーマーが評価したのも、まさにその攻撃的な姿勢だった。

最終的にローソンは7位でフィニッシュ。急きょ決まった1戦限りのレッドブル復帰でポイントを獲得し、フェルスタッペンにも臆することなく仕掛ける積極性と、必要な場面ではリスクを抑える判断力の両方を示す週末となった。