アンドレア・キミ・アントネッリは、F1オランダGPのスプリント予選で5番手となった。SQ1でコースオフした際にマシンのフロアを大きく損傷し、その後はダウンフォースを失った状態で走っていたことを明かした。
メルセデスのチームメイト、ジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得する一方、アントネッリは0.227秒差の5番手。
それでも、フロアに「いくつか穴」が開き、一時は大幅なパフォーマンス低下を抱えていたことを考えれば、ダメージを最小限に抑えた結果だった。
SQ1のコースオフでフロアを損傷
アントネッリはSQ1最初のタイムアタックで、終盤のコーナーへの進入時にリアを失い、そのままグラベルへ飛び出した。マシンはグラベル上を滑りながらコースへ復帰したが、その際にフロアが損傷した。
アントネッリはピットへ戻り、メルセデスは短時間で損傷状況を確認。可能な限りの応急修理を施したものの、完全に元の状態へ戻すことはできなかったという。
「コースオフした後、フロアにいくつか穴が開いていた」
アントネッリはSky Sportsにそう説明した。
「ピットに戻ったとき、最初は25ポイント分のロスがあると言われた。チームができる限り修復してくれたけど、それでもダメージは残っていた。特に低速ではかなり苦戦した。でも、仕方ない」
ここでいう「25ポイント」は空力性能を示すダウンフォースの指標であり、フロア損傷によってマシン本来の空力性能を大きく失っていたことを意味する。
「少し進入速度が高すぎた」
アントネッリはコースオフについて、自らのミスだったことも認めている。
「最初のラップの最後のコーナーで、少し進入速度が高すぎた。それでリアを失ってグラベルに入ってしまった。それだけだ」
一度大きくマシンを乱したうえ、フロアにもダメージを負ったことで、その後のスプリント予選では再び限界まで攻めるための自信を取り戻すことも簡単ではなかった。
「もちろん、自信を取り戻していくのは簡単ではなかった。それでもかなり近いところにはいられたし、明日また挑戦する」
実際、アントネッリはダメージを抱えながらSQ1を突破し、最終的にSQ3まで進出。ポールポジションを獲得したラッセルとの差を0.227秒にとどめた。

ダメージを抱えたままスプリントへ
土曜日のスプリントでは5番グリッドからスタートする。フロアのダメージを抱えた状態でのレースとなるが、アントネッリは上位争いを諦めていない。
「できる限りいいレースをしたい。もちろん、前はものすごく接近しているので、オーバーテイクは簡単ではないと思う。それでも、ダメージがある状態でもできる限りのことをする」
スプリント終了後には通常の予選に向けてマシンを修復できるため、そこから改めて仕切り直す考えだ。
「その後、予選に向けてマシンをきちんと直して、もう一度挑む」
ヴォルフ「20ポイントを失っていた」
メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフも、アントネッリのフロア損傷が大きなものだったと説明した。
「キミはフロアに穴が開いたことで20ポイントを失った。ただ、我々はそこを補修することができ、その後は完全な状態に見えた」
アントネッリが当初伝えられた「25ポイント」に対し、ヴォルフは「20ポイント」としているが、いずれにしても無視できない規模の空力損失だったことが分かる。
一方でヴォルフは、最終的な5番手という結果について、フロア損傷だけが原因だったわけではないとも指摘した。
「本当に僅差だ。ギャップは非常に小さい。彼はターン11への進入で少しミスをして、プッシュしすぎた。こういう状況では、タイムはすぐに失われてしまう」
FP1ではトップタイムを記録していたアントネッリだけに、スプリント予選でもポールポジション争いに加わるだけの速さはあった。SQ1でのひとつのコースオフがフロア損傷につながり、その後のセッション全体に影響を及ぼした形だ。
それでも大きな空力ロスを抱えながら5番手を確保し、ラッセルとの差を0.227秒に抑えたことは、アントネッリとメルセデスの基礎的な速さを示す結果でもある。まずはダメージを抱えた状態で臨むスプリントを乗り切り、その後の予選では修復されたマシンで改めて上位を狙う。
