カテゴリー: 角田裕毅

  • 角田裕毅 F1イタリアGP初日は10番手「ストレートモードをつい忘れてしまう」

    角田裕毅 F1イタリアGP初日は10番手「ストレートモードをつい忘れてしまう」

    角田裕毅は、2026年F1第13戦イタリアGP初日の走行を終え、レーシングブルズでFP1を12番手、FP2を10番手で終えた。FP1では2026年仕様のストレートモードへの対応に苦戦する場面もあったが、FP2までに改善を進め、「かなり満足しています」と手応えを語った。

    今季2度目のレーシングブルズでのレースとなる角田裕毅は、FP1で27周を走行して1分24秒571を記録。FP2では29周を重ね、1分23秒455までタイムを縮めてトップ10に入った。

    金曜日にはエネルギーの使い方についてもさまざまなパターンを試し、決勝を見据えた重要なデータを収集した。

    FP1は「少しまとまりを欠いていました」
    角田裕毅は初日の走行について、全体としては楽しめたとしながらも、FP1では自身の走りにやや混乱があったと振り返った。

    「全体的には今日を楽しめました。FP1は僕自身としては少しまとまりを欠いていました。ストレートモードについて少し苦戦していて、昨年とはかなり違います」

    特に角田裕毅が挙げたのが、2026年仕様で変化したストレートモードの扱いだった。昨年より検知や作動のポイントが増えており、ターン11の手前では対応を忘れてしまうことがあったという。

    「昨年より検知するポイントというか、作動するポイントが増えているので、ターン11の手前でストレートモードのことをつい忘れてしまうんです」

    それでも走行を重ねるにつれて対応を進め、FP2を終えた段階ではマシンの方向性について前向きな感触を得た。

    「いくつかチャレンジはありましたが、それでも最終的にはかなりうまくいったので、現状にはかなり満足しています。まだいくつか整理しなければならない部分はありますが、いい方向性は見えています」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) イタリアグランプリ

    エネルギー配分が決勝の重要ポイント
    モンツァでは長いストレートが続くため、2026年型F1マシンでは電気エネルギーをどこで使うかも大きなテーマとなる。

    FP2では角田裕毅がマックス・フェルスタッペンやアンドレア・キミ・アントネッリらと近い位置で走行する場面もあり、複数台が接近した状態でエネルギー配分によってどのような違いが生まれるのかを実際に試した。

    「難しいと思います。エネルギーデプロイメントの差は、どのチームにもあると思います。だから、どこでブーストを使うのか、そういった部分が非常に重要になります」

    ストレートの長いモンツァでは、限られた電気エネルギーをどの地点で投入するかによって、攻撃だけでなく防御にも違いが生じる。角田裕毅は金曜日に複数の使い方を試し、その違いを体感できたことを収穫として挙げた。

    「今日は本当にいろいろなことを試すことができました。デプロイメントの違いについても学ぶことができましたし、チームにとっても僕自身にとっても、いい学習になりました」

    FP2で10番手 リンドブラッドとの差は0.106秒
    FP1を12番手で終えた角田裕毅は、FP2ではソフトタイヤで1分23秒455を記録して10番手まで順位を上げた。

    レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドは1分23秒349で7番手。角田裕毅との差はわずか0.106秒で、レーシングブルズは2台そろってトップ10に入った。

    角田裕毅はFP2でさまざまなセットアップやエネルギーの使い方を試しながら29周を走行。初日の課題を把握したうえで、土曜日に向けて改善すべきポイントも明確になったとしている。

    「明日の予選を楽しみにしていますし、マシンをどの位置につけられるのか見てみたいです」

    FP1ではストレートモードへの対応に苦戦した角田裕毅だが、FP2ではトップ10に入り、初日を前向きな感触で終えた。モンツァ特有のエネルギーマネジメントについても実戦を想定した確認を進めており、土曜日は残された細部を仕上げ、予選でレーシングブルズの競争力をどこまで引き出せるかが焦点となる。

  • 角田裕毅 F1イタリアGPも「ルーキーのような感覚」最大の課題はエネルギー管理

    角田裕毅 F1イタリアGPも「ルーキーのような感覚」最大の課題はエネルギー管理

    角田裕毅は、2026年F1第13戦イタリアGPでレーシングブルズから今季2度目の代役出場を迎える。前戦オランダGPですでにVCARB-03を経験しているものの、モンツァでは複雑なエネルギーマネジメントへの対応が必要になるため、「ルーキーのような感覚」で週末に臨むと語った。

    ザントフォールトでは急きょ出場が決まり、スプリント形式の限られた走行時間のなかで11位まで順位を上げた角田裕毅。

    今回はシミュレーターで事前準備を進める時間があった一方、長いストレートを持つモンツァでは2026年F1マシン特有のバッテリー使用とエネルギー配分が大きな課題になるという。

    正式決定は水曜日「シミュレーターの途中で聞いた」
    角田裕毅がイタリアGPへの出場を正式に知らされたのは、水曜日だった。

    「実際に聞いたのは昨日です。念のためシミュレーターには乗っていました。本当に午後の途中まで分からなくて、セッション中に『OK、走ることになった。じゃあ通常のレースウイークと同じようにシミュレーター作業を続けよう』という感じでした」

    前戦オランダGPへの出場が決まった際、角田裕毅はギリシャのビーチで休暇を過ごしていた。そこから急いでザントフォールトへ向かい、ほとんど準備期間がない状態で2026年型レーシングブルズに乗り込んだ。

    今回は状況が異なる。アイザック・ハジャーが欠場を続ける可能性を想定し、角田裕毅はザントフォールト後からトレーニングを継続。ファエンツァのエンジニアとも作業し、シミュレーターでモンツァへの準備を進めていた。

    「かなり落ち着いていて、普通のレースウイークのようでした。オランダのときより準備できていたと思います。前回は突然すべてが決まりましたけど、今回はアイザックが負傷してから準備していました」

    「たぶん2026年に入ってから一番健康的に過ごした1週間でした! 本当に準備できていますし、これまで以上に準備が整っていると感じています」

    ザントフォールトで得たアラン・パーメインからの信頼
    準備不足に加え、スプリント形式で通常よりプラクティス時間が少ない厳しい条件だったザントフォールトで、角田裕毅は決勝11位。ポイント獲得まであと一歩に迫った。

    そのパフォーマンスについて、レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインからも好意的な評価を受けたという。

    「間違いなくポジティブでした。デブリーフのあとにも『今シーズン頑張ってください。楽しかったです』みたいなことを言ったんですけど、アランから『また君が必要になるかもしれない。来週も必要になるかもしれないから準備しておいて』と言われました」

    角田裕毅は、その言葉からチーム内での信頼が高まったことを感じ取った。

    「レースのあと、彼からもう少し信頼してもらえたと感じました。もし僕が本当に悪い走りをしていたら、この世界では何が起きるか分からないですし、今週走るために呼ばれていなかった可能性もあります。だから、すごくポジティブだったと思います」

    モンツァではエネルギー配分が一気に難しくなる
    一方で、今回のイタリアGPにはザントフォールトにはなかった大きな難題が待っている。

    2026年F1マシンでは電気エネルギーの役割が従来より大幅に増えており、ドライバーはバッテリーをどこで使い、どこで回生するかをラップ全体で管理する必要がある。特に長い全開区間が続くモンツァでは、その影響が顕著になる。

    「オランダは幸運にも、エネルギー管理という意味では最も簡単なサーキットのひとつだったと思います。そのおかげで、かなりスムーズにマシンへ適応できました」

    「でも今回はエネルギーデプロイメントという意味では最も難しいサーキットです。シミュレーターでも、それがどれほど違うのかをすでに経験しましたし、このレギュレーション特有の難しさが本当に出てきます」

    モンツァでは単純にアクセルを踏み続ければ速いわけではない。ラップ全体のエネルギー量を考えながら、場合によっては通常より早く減速したり、エネルギー回収を優先したりする必要がある。

    角田裕毅にとって、その感覚はまだ自然なものではない。

    「マネジメントだったり、早めにブレーキを踏んだり、そういうことをたくさん練習しないといけません。シミュレーターではすごく変な感覚でした。もっと速く走れると分かっているのに、そうしてはいけないんです。そうするとラップ全体では遅くなってしまうので。そこが僕にとって最大のチャレンジになると思います」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) イタリアグランプリ

    決勝では他車との駆け引きがさらに難題
    予選の1周だけであれば、フリー走行で実際の挙動を確認しながら自分自身の走りに集中できる。しかし決勝では、単純なラップタイムだけではなく、他車との位置関係を踏まえてバッテリーを使う必要がある。

    オーバーテイクのためにエネルギーを使うのか、後方車を防ぐために残すのか。使用したあとにマシンがどのような状態になるのかまで予測しながら戦うことになる。

    「レースコンディションではもっと難しくなると思います。他のマシンとのエネルギーマネジメントを使った戦略的なバトルは僕は経験していませんし、他のドライバーたちはオーバーテイクやディフェンスのためにバッテリーを使ったあと、マシンがどうなるのかも分かっていると思います」

    「僕はシミュレーターでしか知りませんし、オランダはおそらくエネルギーの影響が一番小さいところでした」

    2026年シーズンを戦い続けてきた他のドライバーは、上海やスパ・フランコルシャンなど長いストレートを持つサーキットですでに実戦経験を積んでいる。それに対し、角田裕毅にとって2026年型F1マシンでモンツァを走るのは初めてだ。

    「ショートランについては、それほど心配していません。フリー走行がありますし、何が必要なのか確認できます。自分自身だけに集中することもできます」

    「でもレースでは先を読んで動かないといけないですよね。そこはオランダ以上に準備しておかなければいけない部分です」

    「またルーキーのよう」Q3進出とポイント獲得を目標
    それでも、角田裕毅はザントフォールトから一歩前進することを目指している。理想は予選Q3進出と決勝でのポイント獲得だ。

    レーシングブルズはイタリアGPにアップデートも投入する予定で、角田裕毅もその効果を楽しみにしている。

    「FP1で、このエネルギー関連が実際にどれくらい難しいのか確認したいです。本当にまだ分かりません。でもマシンのペースはいいと思いますし、ここにはアップデートも持ち込むので、それを見るのも楽しみです」

    角田裕毅は、ザントフォールトでの自身を「ルーキーのようだった」と振り返る。そして2戦目となる今回も、別の意味で同じ姿勢が必要になると考えている。

    「オランダは本当に、ルーキーみたいな感じでレースに入ったと思います。できるだけ多くのことを学ぼうとしていました。スプリント形式だったので時間もすごく限られていました」

    「今回もエネルギーデプロイメントなど、たくさん練習しないといけません。1周のなかでも我慢しなければいけないところがあります。自分ではルーキーのような感覚ですし、すべてを学んで、チームから指示されたことをひとつも取りこぼさないようにしたいです」

    モンツァでは過去5年間で一度も満足できる結果なし
    角田裕毅にとって、モンツァで結果を残したい理由はもうひとつある。これまでF1でイタリアGPとの相性に恵まれてこなかったからだ。

    「ここではいい結果を出したいです。今まで一度もいい結果を残せていません。5年間で3回リタイアして、2回はスタートすらできませんでした。ここで何が起きているのか分からないですけど、今回こういうチャンスをもらえたので、今度こそ幸運になることを願っています」

    前戦ザントフォールトでは、準備不足という条件を乗り越えて11位まで走った角田裕毅。モンツァでは準備時間こそ増えたものの、今度は2026年F1レギュレーションを象徴する複雑なエネルギーマネジメントという新たな課題に直面する。

    経験不足を本人が「ルーキー」と表現するなか、FP1からどこまで早く学習を進められるか。それがQ3進出、そして今季初ポイントを狙うイタリアGPの鍵となりそうだ。

  • 角田裕毅 2027年F1復帰へ他チームから接触「電話はあった」

    角田裕毅 2027年F1復帰へ他チームから接触「電話はあった」

    角田裕毅は、2027年のF1レギュラーシート獲得に向けて他チームから接触があったことを明かした。F1オランダGPでレーシングブルズから復帰し、急きょ実戦に臨みながらも印象的なパフォーマンスを見せたことで、その将来を巡る動きにも変化が生まれ始めているようだ。

    F1イタリアGPを前に行われたインタビューで、角田裕毅は当初「まだ他チームから電話はない」と冗談交じりに答えていたが、その後、実際には「電話があった」と告白。

    具体的な相手については明かさなかったものの、2027年にF1グリッドへ戻ることが最優先の目標だと改めて強調した。

    「電話はあった」2027年に向けて動き
    インタビュアーから「ザントフォールトの後、来年に向けて他チームから電話はあった?」と尋ねられた角田裕毅は、最初は笑いながらこう答えた。

    「いいえ、まだないです。なのでフリーです(笑)。でも、そういう電話が来たらうれしいですね。ぜひ聞きたいですけど、まだないです」

    しかし、ザントフォールトで慣れていないマシンに乗りながら印象的なパフォーマンスを見せたことを踏まえ、2027年の目標について改めて質問されると、角田裕毅は先ほどとは違う答えを口にした。

    「実は、そうですね。ちょっと電話はありました」

    インタビュアーが「電話はあったんだね」と確認すると、角田裕毅は交渉がまだ具体的な決定に至っているわけではないと説明した。

    「はい。でも、まだ何かが決まったわけではないです。ただ、少なくともいい方向には進んでいると思います」

    「もちろん僕の第一目標はF1にいることです。なので、どうなるか見てみたいですね」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) イタリアグランプリ

    モンツァも「自分を証明する」重要な一戦
    角田裕毅は、今季中にさらにF1へ出場する可能性についても含みを持たせた。アイザック・ハジャーの欠場に伴い、ザントフォールトに続いてモンツァでもレーシングブルズをドライブする角田裕毅にとって、今回のイタリアGPは2027年に向けた重要なアピールの場となる。

    「あと数レースあるかもしれないですし、もしかしたら1レースだけかもしれません。そこは分からないです」

    「でも、このモンツァも自分を証明するためのいいレースだと思っています。ベストを尽くしますし、それが来年F1に戻るための将来につながってくれればと思っています」

    電話の相手は明かさず「父です(笑)」
    当然ながら、インタビュアーは角田裕毅が明かした「電話」の詳細を追及した。

    「どんな電話だった?」と聞かれると、角田裕毅は「普通のものですよ。お互いを知ったり、状況がどうなっているのかを確認したり、そういう感じです」と説明した。

    さらに「誰から?」と聞かれると、角田裕毅は一瞬の間を置いてこう答えた。

    「父です(笑)」

    その場には笑いが起こり、インタビュアーも「それはうまいね。誰かは教えてくれないということだね」と返した。

    角田裕毅は接触したチーム名を伏せたものの、「状況を確認する」ための話し合いが行われたことは認めている。ザントフォールトで突然のF1復帰を果たし、続くモンツァでも実戦機会を得たことは、2027年のシート争いにおいて大きな意味を持つ。

    現時点で何も決まってはいない。それでも角田裕毅自身が「いい方向に進んでいる」と語ったように、F1復帰を目指す動きは水面下で始まっている。イタリアGPは、その可能性をさらに広げるための重要な一戦となる。

  • フェルナンド・アロンソ 角田裕毅のF1復帰を絶賛「来年も走ってほしい」

    フェルナンド・アロンソ 角田裕毅のF1復帰を絶賛「来年も走ってほしい」

    フェルナンド・アロンソが、2026年F1オランダGPでレーシングブルズから復帰した角田裕毅のパフォーマンスを絶賛した。限られた走行時間で決勝11位まで追い上げた角田裕毅について「驚異的な走りだった」と称え、2027年もF1グリッドで走る姿を見たいと語った。

    角田裕毅は、負傷したアイザック・ハジャーに代わってレッドブル・レーシングに昇格したリアム・ローソンの代役として、オランダGPでレーシングブルズからF1に復帰。

    フリー走行は1セッションしか経験できない状況から予選に臨み、決勝ではポイント獲得まであと一歩となる11位でフィニッシュした。

    アロンソはF1公式SNSのインタビューで、角田裕毅の復帰戦について高く評価した。

    「裕毅は本当に素晴らしかった」とアロンソはコメント。

    「彼にとって信じられないほど素晴らしい週末だったと思う。フリー走行は1回しか走っていないのに、そこからすぐ予選に臨んで、決勝ではあと少しでポイントというところまでいった」

    「だから、裕毅は本当に驚異的な走りをしたと思う。ある意味、僕たちはグリッドに彼がいないことを寂しく感じているし、彼のキャラクターも恋しい」

    さらにアロンソは、今回のスポット参戦だけにとどまらず、角田裕毅が今後もF1でレースを続けることを期待していると語った。

    「今回の2戦だけではなく、もっと多くのレースに出てほしいし、来年も走ってくれることを願っているよ」

    角田裕毅はオランダGPに続き、今週末のイタリアGPでもレーシングブルズから出場する。2027年のF1シートを巡る状況が注目されるなか、2度のF1ワールドチャンピオンであるアロンソから寄せられた高い評価は、角田裕毅にとって大きな後押しとなりそうだ。

  • レーシングブルズF1 イタリアGPで空力アップデート投入 角田裕毅が引き続き出場

    レーシングブルズF1 イタリアGPで空力アップデート投入 角田裕毅が引き続き出場

    レーシングブルズは、2026年F1第13戦イタリアGPに向けて新たな空力アップデートを投入する。モンツァはチームにとってホームレースであり、左手首の負傷から回復途上にあるアイザック・ハジャーに代わって、角田裕毅が引き続きマシンをドライブする。

    前戦オランダGPで急きょレーシングブルズに復帰した角田裕毅について、チーフテクニカルオフィサーのティム・ゴスは適応力を高く評価。モンツァでも問題なくマシンに適応できるとの自信を示した。

    2026年F1マシンで迎えるモンツァの新たな課題
    「2026年シーズンのヨーロッパラウンドは、モンツァで行われるイタリアGPへと続く。我々VCARBにとってホームレースだ」

    ティム・ゴスはそう語り、モンツァ特有の要求について説明した。

    「モンツァは長いストレート、強いブレーキングゾーン、シケイン、そしていくつかの中高速コーナーで知られている。伝統的に、各チームはコーナリングスピードとストレートスピードのバランスを最適化するため、低いダウンフォースレベルを選択してきた。しかし、2026年にレギュレーションが大幅に変更されたことで、このサーキットはまったく新しい課題をもたらすことになる」

    2026年のF1ではパワーユニットの電動化比率が大幅に高まり、ストレートの長いモンツァでは、単純な最高出力だけでなく電気エネルギーをいかに効率良く使うかが重要になる。

    「サーキットの特性として、依然としてパワーユニットの性能と空力効率が重要になる。しかし、今シーズンはハイブリッド化がさらに進んでいるため、ストレートでのスピードを最大化するために、パワーユニットの電気系コンポーネントのエネルギー効率を最適化することが我々の焦点になる」

    ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム イタリアグランプリ

    空力アップデートで効率改善を狙う
    レーシングブルズはイタリアGPに向け、VCARB-03にさらなる空力アップデートを投入する。

    特に重要になるのが、コーナリング時に必要なダウンフォースと、ストレートでドラッグを減らして最高速を伸ばす性能の両立だ。

    「シャシーについては、さらにいくつかの空力アップデートを導入する。全体的なパフォーマンスを引き上げることに加えて、コーナリングモードからストレートモードへ移行した際の揚抗比を改善することが目的だ」

    2026年型F1マシンではアクティブエアロが導入されており、コーナリングモードとストレートモードを使い分ける。高速区間の比率が非常に高いモンツァでは、この切り替えを含めた空力効率がラップタイムを大きく左右することになる。

    C3からC5の最もソフトな組み合わせ
    ピレリはイタリアGPにC3、C4、C5という最もソフト寄りの3種類のコンパウンドを持ち込む。

    ゴスは3種類すべてが決勝で使用可能な選択肢になると予想し、タイヤデグラデーションの管理次第で1ストップと2ストップの両方が考えられるとしている。

    「ピレリは最もソフトな組み合わせとなるC3、C4、C5を持ち込む。いずれもレースで使用可能な選択肢になるはずだ。タイヤのデグラデーションを各チームがどれだけうまく管理できるかによって、戦略は1ストップまたは2ストップになると考えている」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    角田裕毅がイタリアGPでも続投
    レーシングブルズでは、ハジャーが左手首の負傷から引き続き回復を進めているため、角田裕毅がイタリアGPでも出場する。

    角田裕毅は前戦オランダGPで急きょレーシングブルズに復帰。限られた準備期間のなかでVCARB-03への適応を進めた。

    ゴスは、その適応ぶりを高く評価している。

    「パッケージから最大限のパフォーマンスを引き出す方法を見つけるため、忙しい週末になると予想している。アイザックがまだ手首の負傷から回復しているため、裕毅が引き続き我々のマシンをドライブする」

    「彼は先週、見事に適応してくれた。今週末も同じように適応してくれることを我々はまったく疑っていない」

    レーシングブルズにとってホームレースとなるイタリアGPでは、角田裕毅のさらなる適応とともに、新しい空力アップデート、そしてモンツァ特有の長いストレートに合わせた電気エネルギーの使い方が重要なポイントとなる。

  • 角田裕毅 F1イタリアGPもレーシングブルズから参戦 ハジャー欠場で続投決定

    角田裕毅 F1イタリアGPもレーシングブルズから参戦 ハジャー欠場で続投決定

    角田裕毅が、2026年F1第13戦イタリアGPでもレーシングブルズから出場することが決まった。レッドブル・レーシングは、左手首を負傷しているアイザック・ハジャーの欠場を正式に決定し、リアム・ローソンを再び代役として起用する。

    ハジャーはサマーブレイク終盤に左手首を骨折し、前戦オランダGPを欠場。レッドブルは9月2日(水)まで回復状態を見極めていたが、モンツァで復帰させるにはリスクがあると判断した。

    これにより、ローソンがハジャーに代わってマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務め、角田裕毅が再びレーシングブルズのシートに収まる。

    角田裕毅が2戦連続でレーシングブルズから出場
    レッドブルはイタリアGPを前に、ハジャーの欠場とローソンの起用を正式発表した。

    「リアムはモンツァで行われるイタリアGPでマックスとともに走る。一方、アイザックはサマーブレイク中に負った手首の負傷から、引き続き順調な回復を見せている」

    「チームは彼のリハビリを注意深く見守っており、競技復帰について不必要なリスクを冒すことはない。一日も早い回復を願っている」

    この決定によって生じるもうひとつのドライバー変更が角田裕毅の起用だ。

    角田裕毅は2026年シーズンをレッドブルのリザーブドライバーとして過ごしていたが、ハジャーが欠場したオランダGPでレーシングブルズからF1復帰。今回も同じ体制が採用され、ローソンがレッドブルに移り、空いたレーシングブルズのシートを角田裕毅が担当する。

    つまりイタリアGPでは、レッドブルがフェルスタッペンとローソン、レーシングブルズが角田裕毅とアービッド・リンドブラッドという布陣になる。

    レッドブルがハジャーのモンツァ復帰を見送った理由
    ハジャーについては、イタリアGPでの復帰を目指して回復が進んでいた。しかし、レッドブルは水曜日に行われた最終的な状態確認を経て、まだF1マシンでレースを戦わせるべき段階ではないと判断した。

    特に懸念材料となるのがモンツァのレイアウトだ。

    モンツァは時計回りのサーキットであり、右コーナーでは左手首に大きな負荷がかかる。高速域から強烈なブレーキングを行う場面も多く、まだ完全に治癒していない骨折箇所を悪化させる可能性がある。

    ハジャーを無理に復帰させた結果、負傷を悪化させれば、イタリアGPだけではなく2026年シーズンの残りのレースにも影響しかねない。そのためレッドブルは、1戦の復帰を急ぐよりも完全な回復を優先した。

    ローソンはオランダGPで7位 代役として結果
    ローソンにとっては2戦連続となるレッドブルでのレース出場となる。

    前戦オランダGPでは、突然の代役起用ながらRB22をドライブして7位でフィニッシュ。6ポイントを獲得し、限られた準備時間のなかで代役として求められた役割を果たした。

    2025年にレッドブルで短期間を過ごした後、レーシングブルズへ戻ったローソンにとって、今回の2戦は自身の評価を改めて高める機会にもなっている。

    一方で、これがそのまま2027年のレッドブル昇格につながるとは限らない。

    ドイツ誌『Auto Motor und Sport』の報道では、レッドブル内部ではハジャーとの契約延長に向けた動きが進んでおり、その将来について近く決定が下される可能性があるという。

    ハジャーは2025年のレーシングブルズでのルーキーシーズンを経て、2026年にレッドブルへ昇格。フェルスタッペンのチームメイトとして高い評価を得ており、チームが長期的な戦力として残す方向に傾いているとみられている。

    角田裕毅に再び訪れたF1アピールの機会
    そして今回の決定は、角田裕毅にとっても重要な意味を持つ。

    角田裕毅はオランダGPで約8カ月ぶりとなるF1実戦復帰を果たし、予選ではQ2に進出して12番手。Q3進出を果たしたチームメイトのリンドブラッドとの差はわずか0.102秒だった。

    決勝では11位でフィニッシュし、ポイントには届かなかったもののリンドブラッドを上回った。長期間レースから離れ、VCARB-03で初めてグランプリを戦うという条件を考えれば、短期間で競争力を取り戻した週末だったと言える。

    特に予選後には「限界を探す感覚を取り戻した」と手応えを語り、決勝後にも「できることはすべてやりました」と振り返っていた。

    その直後にイタリアGPでも出場機会が巡ってきたことで、今度は前戦で得た感覚をそのまま次のグランプリへ持ち込むことができる。

    これは角田裕毅にとって大きな違いだ。

    オランダGPでは急きょ実戦に戻る形だったが、モンツァではすでにVCARB-03で予選と決勝を経験した状態からスタートできる。マシンへの理解だけでなく、エンジニアとのコミュニケーションやセットアップの方向性という面でも、前戦より準備された状態で週末を迎えられる。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) イタリアグランプリ

    2027年F1シート争いへモンツァでも存在感を示せるか
    さらに角田裕毅にとって重要なのが、2027年のF1シートをめぐる状況だ。

    レーシングブルズではローソンとリンドブラッドがレギュラードライバーを務めている一方、F2ランキング首位を走るニコラ・ツォロフもF1昇格候補として存在している。

    ツォロフがF2タイトルを獲得すれば、規則上F2に残留することはできない。レッドブルは2027年に向けてスーパーフォーミュラやインディカーを含む別カテゴリーで経験を積ませる選択肢も検討していると報じられている。

    ローソンについてもレーシングブルズの2027年シートが完全に保証されているわけではなく、レッドブル系4台をめぐるドライバー市場は依然として流動的だ。

    そこへ再び実戦機会を得た角田裕毅が加わる。

    オランダGP後、角田裕毅は2027年のF1シートを求めていることを隠さず、「Call me, please!(僕に電話してください!)」と各チームに向けてアピールした。

    実際、オランダGPでの走りを受けて、角田裕毅が2027年のハースのドライバー候補として再び検討対象に入ったとの報道も出ている。つまり、今回のモンツァでの出場はレーシングブルズのシートだけを争う機会ではない。

    角田裕毅にとって重要なのは、現在のF1パドックに対して、自身がブランクを経てもすぐに競争力を発揮できるドライバーであることを示し続けることだ。

    ザントフォールトでは約8カ月の実戦ブランクを経ながら、予選でリンドブラッドに0.102秒まで迫り、決勝ではそのリンドブラッドを上回った。モンツァでも同様に結果を残せれば、オランダGPでのパフォーマンスが一過性ではなかったことを証明できる。

    しかも今回は、VCARB-03で1戦を経験した直後の連戦となる。角田裕毅にとっては、オランダGP以上のパフォーマンスを期待できる条件が整っている。

    ハジャーの回復を最優先したレッドブルの判断によって実現した2戦連続の代役体制。ローソンが再びレッドブルでフェルスタッペンと組む一方、角田裕毅にはモンツァでも自身のF1キャリアを左右し得る重要なアピールの機会が与えられた。

    2027年のグリッドを目指す角田裕毅にとって、イタリアGPは単なる代役としての2戦目ではない。ザントフォールトで取り戻した感覚と評価を、具体的な結果へつなげられるかが注目される。

  • 角田裕毅 オランダGPで評価を上げ2027年ハースF1候補に再浮上

    角田裕毅 オランダGPで評価を上げ2027年ハースF1候補に再浮上

    角田裕毅が、2027年のF1復帰に向けて再びハースのドライバー候補に浮上している。オランダGPでレーシングブルズから緊急参戦し、限られた準備時間のなかで見せたパフォーマンスによって、パドックでの評価を改めて高めたようだ。

    F1公式サイトのローレンス・バレットによれば、角田裕毅はオリバー・ベアマンのチームメイト候補として再び検討対象に入っているという。

    ハースではエステバン・オコンの2027年シートが不透明となっており、角田裕毅にとってF1復帰への有力なルートとなる可能性が出てきた。

    オランダGPの緊急参戦でF1復帰へアピール
    角田裕毅に突然チャンスが巡ってきたのは、夏休み中にアイザック・ハジャーが手首を負傷したことがきっかけだった。レッドブル・レーシングはハジャーの代役としてリアム・ローソンを起用し、空いたレーシングブルズのシートにはリザーブドライバーを務めていた角田裕毅が入った。

    角田裕毅にとっては2025年最終戦アブダビGP以来となるF1実戦であり、2026年型マシンでレースウイークを走るのは初めてだった。しかもオランダGPはスプリントフォーマットで、通常よりもフリー走行が少ない。レーシングブルズのVCARB 03をシミュレーターで初めて試したのもレース直前の水曜日だった。

    それでも角田裕毅はセッションを重ねるごとにマシンへの理解を深めた。グランプリ予選ではQ1を突破し、Q2では12番手。チームメイトのアービッド・リンドブラッドとの差をわずか0.102秒まで縮めた。

    決勝ではピエール・ガスリーとポイント圏内を争い、最終的には11位。ポイント獲得こそ逃したものの、長期間F1の実戦から離れ、初めて扱うマシンだったことを考えれば、その適応力は強い印象を残した。

    角田裕毅自身もオランダGP終了後、短期間で自分の力を示すことができたとの手応えを語った。

    「自分に何ができるかは分かっていますし、今回の1レースと数セッションだけでも、パドックの多くの人たちに自分が何をできるかをかなり示せたと思います」

    「ポイント近くで戦うことができました。もちろんポイントを獲れればもっと良かったですけど、そのためにできることはすべてやったと思っています」

    さらに2027年については、「僕のマネージャーと、来年のラインナップをまだ決めていない他のチーム次第です。僕を起用したいかどうかですね。でも、起用するべきだと思います!」とアピールしている。

    ハースの2027年候補に角田裕毅が再浮上
    オランダGP前まで、角田裕毅のF1復帰への道は決して広いとはみられていなかった。インディカーへの転向も選択肢として取り沙汰されるなか、2027年のF1グリッドでは各チームのラインナップが次々と固まりつつある。

    しかし、ザントフォールトでの緊急参戦が状況を変えた。

    F1公式サイトのローレンス・バレットは情報筋の話として、角田裕毅がハースの2027年シートをめぐって「再び候補に入った」と伝えている。

    ハースではベアマンの残留が有力視される一方、オコンの将来は確定しておらず、そのシートをめぐって複数の候補が浮上している。

    角田裕毅にとって追い風となるのは、小松礼雄が以前からその能力を評価していることだ。ハースは過去にも角田裕毅の獲得に関心を示したとされており、レッドブル側が2026年のドライバー選択を検討していたことから実現には至らなかった。

    今回のオランダGPは、角田裕毅にとって小松礼雄をはじめとするハース首脳陣に自身の実力を改めて示す機会になった。

    一方、小松礼雄は2027年のドライバー決定を急ぐつもりはないとして、現行ドライバーのパフォーマンスを見極めながら判断する姿勢を示している。

    「我々はまったく急いでいません。今はオリーとエステバンという2人のドライバーに集中し、彼らから最大限を引き出そうとしています」

    「彼らに何ができるかは分かっています。オリーはそれを何度も示していますし、エステバンもマシンに満足しているときに何ができるかは分かっています」

    角田裕毅 ハースF1チーム

    カマラ、フォルナローリ、平川亮らもハースのシート争い
    もっとも、角田裕毅が2027年ハースの最有力候補になったというわけではない。

    ハースは将来の選択肢を幅広く検討しており、ラファエル・カマラ、レオナルド・フォルナローリ、平川亮らも候補として名前が挙がっている。3人はポルティマオで行われたハースのTPC(旧型車テスト)にも参加しており、チームは複数のドライバーを評価している。

    カマラはハースにパワーユニットを供給するフェラーリと契約している。一方、平川亮はハースのタイトルスポンサーであるトヨタとの結びつきが強い。

    フォルナローリにはそうした直接的な後ろ盾はないものの、所属するマクラーレンがF1シート獲得に向けてハースに競争力のある条件を提示する用意があるとも伝えられている。

    そのなかで角田裕毅が持つ大きな武器は、すでに豊富なF1経験を備えていることだ。オランダGPでは2026年型マシンをそれまで一度もドライブしていなかったにもかかわらず、限られた走行時間のなかでリンドブラッドに迫り、決勝でもポイント圏内を争った。

    若手ドライバーの将来性を取るのか、それとも即戦力としての経験を重視するのか。ハースにとって2027年のドライバー選択は、その判断も重要なポイントになりそうだ。

    2027年F1復帰へハースが重要な選択肢に
    角田裕毅にとっては、2027年のF1グリッドに残された選択肢そのものが限られつつある。

    上位チームではすでにラインナップが固まり、ウィリアムズとアルピーヌも2027年の体制を決めている。アウディ、キャデラック、レーシングブルズについても、現行ラインナップを維持する可能性が高いとみられている。

    そのため、現時点ではハースが角田裕毅にとってF1レギュラー復帰を実現するうえで最も重要な選択肢のひとつとなる。

    オランダGPの前にはインディカーへの転向も取り沙汰され、F1復帰への道が狭まりつつあるように見えた角田裕毅。しかし、ハジャーの負傷によって突然巡ってきた一度のチャンスを生かし、ほとんど準備のない状態から2026年型マシンでポイント圏内を争うパフォーマンスを披露した。

    その走りによって、角田裕毅は再び2027年のF1ドライバー市場で存在感を高めた。以前から角田裕毅を評価してきた小松礼雄率いるハースが最終的にどの選択を下すのか。オランダGPでの好走は、角田裕毅のF1復帰への道を再び開く重要なアピールとなった。

  • 角田裕毅も続けるか F1で逆境から評価を取り戻した7人の復活劇

    角田裕毅も続けるか F1で逆境から評価を取り戻した7人の復活劇

    2026年F1オランダGPでレーシングブルズから電撃復帰を果たした角田裕毅は、決勝11位という結果以上に、その走りによって再び自身の存在をパドックに印象づけた。

    2025年限りでレッドブル・レーシングのレギュラーシートを失い、2026年はテスト兼リザーブドライバーとして過ごしてきた角田裕毅。しかし、アイザック・ハジャーの負傷によってリアム・ローソンがレッドブル・レーシングに招集されると、その空席を埋める形でレーシングブルズのマシンをドライブする機会が巡ってきた。

    「今日はできることをすべてやりましたし、本当に楽しめました」

    決勝でポイントまであと一歩の11位に終わった角田裕毅は、レース後にそう振り返った。

    この一戦だけで2027年のF1レギュラー復帰につながるかはまだ分からない。それでもF1の歴史を振り返れば、代役出場や復帰戦、あるいは厳しい状況で見せた一度の鮮烈なパフォーマンスが、その後のキャリアを大きく変えた例は少なくない。

    F1公式サイトは、角田裕毅のザントフォールトでの復帰をきっかけに、逆境から評価を取り戻した代表的なドライバーたちを紹介している。

    角田裕毅も続けるか ニコ・ヒュルケンベルグのケース

    ■ ニコ・ヒュルケンベルグ 代役出場からF1復帰への道を切り開く
    2026年オランダGPで角田裕毅より数ポジション前の8位でフィニッシュしたニコ・ヒュルケンベルグは、まさに代役出場によってF1キャリアを再生させた代表例だ。

    ヒュルケンベルグは2019年末にルノーのシートを失い、2020年はF1のレギュラーシートを持っていなかった。

    しかし、その2020年にレーシングポイントのセルジオ・ペレスとランス・ストロールが相次いで新型コロナウイルスに感染したことで、ヒュルケンベルグに代役出場の機会が巡ってきた。

    最初のシルバーストンではマシントラブルにより決勝をスタートできなかったものの、翌週に同じサーキットで行われた70周年記念GPではメルセデス勢に続く予選3番手を獲得。決勝でも7位に入った。

    さらにニュルブルクリンクでは急きょ招集されながら、最後尾から8位まで追い上げる走りを披露した。

    こうしたパフォーマンスを受け、レーシングポイントは2021年にヒュルケンベルグを正式なリザーブドライバーに起用。その後、2022年にも2戦で代役出場を果たし、F1パドックで存在感を維持し続けた。

    そして2023年、ハースからF1フル参戦に復帰。さらにザウバーを経てアウディへ移籍し、2026年まで第一線で活躍を続けている。

    代役として結果を残し続けたことが、事実上ヒュルケンベルグのF1キャリアをもう一度つなぎ直したと言える。

    ■ カルロス・サインツJr. 虫垂炎手術から2週間後に優勝
    カルロス・サインツJr.はF1から離脱した経験こそないものの、2024年シーズンを極めて特殊な状況で迎えていた。

    開幕前、ルイス・ハミルトンが2025年からフェラーリへ加入することが電撃発表され、サインツJr.はシーズンが始まる前から年末でチームを去ることが決まっていた。

    さらに第2戦サウジアラビアGPでは虫垂炎に見舞われ、手術を受けたため欠場。当時F2に参戦していたオリバー・ベアマンが代役を務めた。

    それでもサインツJr.は、わずか2週間後のオーストラリアGPで復帰した。

    予選では2番手を獲得し、決勝ではフェラーリを勝利へと導いた。

    手術直後とは思えないそのパフォーマンスは、サインツJr.の能力を改めて証明するものとなった。

    すでにフェラーリ離脱が決まっていたことで2025年のシートを探す立場に置かれていたサインツJr.だが、その後は複数チームから獲得候補として注目を集め、最終的にウィリアムズへの移籍を決断した。

    厳しい状況に置かれた直後に勝利という最大級の結果を残したことで、自らの市場価値を再確認させたレースだった。

    角田裕毅も続けるか アラン・プロストのケース

    ■ アラン・プロスト 1年休養から復帰初戦で勝利
    フェラーリとの関係悪化によって一度F1を離れながら、復帰後すぐに頂点へ戻ったドライバーがアラン・プロストだ。

    マクラーレンからフェラーリへ移籍したプロストは、1990年にアイルトン・セナとタイトルを争ったものの、鈴鹿での接触によって王座を逃した。

    1991年になるとフェラーリの競争力が低下し、プロストはチームを公然と批判するようになる。

    両者の関係は急速に悪化し、当時3度のF1ワールドチャンピオンだったプロストはシーズン終了を待たずにフェラーリを解雇された。

    1992年に競争力のあるシートを確保する時間は残されておらず、プロストは1年間F1を休養することになった。

    しかし、「教授」と呼ばれたプロストのキャリアはそこで終わらなかった。

    1993年にウィリアムズからF1へ復帰すると、開幕戦南アフリカGPでポールポジションを獲得。そのまま復帰初戦を勝利で飾った。

    その後もシーズンを通じてさらに6勝を挙げ、通算4度目のF1ワールドチャンピオンを獲得した。

    1年間レースから離れていたドライバーが復帰直後からタイトルを獲得した例は、F1史でも特筆すべきカムバックのひとつである。

    ■ ミカ・サロ シューマッハの代役で評価を一変
    ミカ・サロもまた、代役出場をきっかけにF1キャリアを再構築したドライバーだ。

    1994年終盤にロータスからF1デビューしたサロは、その後ティレルやアロウズで戦ったものの、1999年にはレギュラーシートを失った。

    だが、BARのリカルド・ゾンタが負傷したことで3戦の代役出場を担当すると、その後さらに大きなチャンスが訪れる。

    フェラーリのミハエル・シューマッハがシルバーストンでの事故で脚を骨折し、サロがその代役として起用された。

    フェラーリでの初戦オーストリアGPは9位だったが、次戦ドイツGPでは4番グリッドからスタートし、一時はレースをリードした。

    最終的にはF1タイトルを争っていたチームメイトのエディ・アーバインを前に出し、自身は2位でフィニッシュ。これがサロにとって初表彰台であり、F1キャリア最高位となった。

    その後モンツァでも表彰台を獲得し、フェラーリのコンストラクターズタイトル獲得に貢献した。

    サロの走りはザウバーにも評価され、2000年には再びF1のレギュラーシートを手にした。

    シューマッハという絶対的エースの代役という大きなプレッシャーの中で結果を残したことが、サロのキャリアを再び動かした。

    ■ バルテリ・ボッタス 苦悩の2018年から「ボッタス2.0」へ
    バルテリ・ボッタスの場合、F1のシートを失ったわけではなかった。しかし2018年シーズンは、そのキャリアの中でも特に厳しい1年となった。

    2017年にメルセデスへ加入しF1初勝利を挙げたボッタスだったが、2018年は未勝利に終わり、ドライバーズ選手権でも5位まで後退した。

    一方、チームメイトのルイス・ハミルトンはタイトルを獲得。ボッタスは後に、この時期に精神的に非常に厳しい状態に陥り、F1を辞めることまで考えたと明かしている。

    それでも冬の間に立て直しを図り、2019年開幕戦オーストラリアGPで強烈な反撃を見せた。

    予選ではハミルトンに次ぐ2番手だったが、スタート直後に首位を奪取。そのまま約20秒もの大差を築いて圧勝した。

    チェッカー後、ボッタスは無線で前年に向けられた批判への強烈なメッセージを発した。

    後に本人は、それが「前年からたまっていたフラストレーションが全部出たものだった」と振り返っている。

    「ボッタス2.0」と呼ばれるようになった2019年は4勝を挙げ、ドライバーズ選手権2位。ボッタスにとってF1キャリア最高のシーズンとなった。

    ■ ケビン・マグヌッセン 1年離脱から復帰初戦5位
    ケビン・マグヌッセンも、突然巡ってきた復帰のチャンスを最大限に生かした。

    2017年から2020年までハースで戦ったマグヌッセンだったが、チームが2021年にニキータ・マゼピンとミック・シューマッハというルーキー2人を起用したことでF1のシートを失った。

    その後はスポーツカーなど別カテゴリーへ活動の場を移していた。

    ところが2022年開幕直前、ハースはマゼピンとの契約を解除。その後任としてマグヌッセンを呼び戻した。

    F1から1年以上離れていたにもかかわらず、復帰戦となったバーレーンGPで予選7番手を獲得すると、決勝では5位に入った。

    当時ハース代表だったギュンター・シュタイナーは、その走りを強烈な言葉で「バイキングのカムバック」と表現した。

    同年のサンパウロGPではさらに驚きのポールポジションを獲得。マグヌッセンとハースの関係は2024年末まで続いた。

    F1を一度離れたドライバーが、ほぼ準備期間なしで復帰し、初戦からトップ5に入ったインパクトは大きかった。

    角田裕毅も続けるか セルジオ・ペレスのケース

    ■ セルジオ・ペレス シート喪失決定後にF1初優勝
    セルジオ・ペレスの2020年サクヒールGPも、1レースによってキャリアの流れが大きく変わった象徴的な例だ。

    2011年にザウバーからF1デビューしたペレスは、マクラーレンを経てフォース・インディアへ加入。その後チームがレーシングポイントへと姿を変えてからも長年残留していた。

    しかし、2021年からチームがアストンマーティンへ改称するのを前に、4度のF1ワールドチャンピオンであるセバスチャン・ベッテルの加入が決定。契約を残していたペレスはシートを失うことになった。

    それでもペレスはシーズン終盤に結果で自らをアピールした。

    トルコGPで2位に入ると、その2戦後のサクヒールGPではさらに劇的なレースを演じる。

    1周目の接触によって最後尾まで後退したものの、そこから猛烈な追い上げを開始。最終的にはF1初優勝を達成した。

    メキシコ人ドライバーのF1勝利は、1970年のペドロ・ロドリゲス以来だった。

    すでに翌年のシートを失うことが決まっていた時期に挙げたこの勝利は、ペレスの評価を決定的に高めた。

    その後レッドブル・レーシングが2021年のドライバーとしてペレスを起用。そこから4シーズンにわたってチャンピオンチームの一員として戦うことになった。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    ■ 角田裕毅も「一度のチャンス」でF1復帰への流れを変えられるか
    ヒュルケンベルグ、サロ、マグヌッセンのように代役出場を足掛かりにシートを取り戻したケースもあれば、プロストのように休養後すぐ勝利してタイトルまで獲得した例もある。

    サインツJr.やボッタス、ペレスも、キャリア上の厳しい局面で鮮烈なパフォーマンスを見せることで自身の価値を改めて証明した。

    角田裕毅が2026年オランダGPで置かれていた状況も、それらと重なる部分がある。

    レッドブル・レーシングのシートを失った後もF1を離れず、リザーブとしてチャンスを待ち続けた。そして突然訪れたレーシングブルズでの復帰戦で、短い準備期間ながら決勝まで戦い抜いた。

    11位という数字だけを見れば華々しい結果ではない。しかしF1で次のシートをつかむために重要なのは、与えられた機会の中で何を示したかでもある。

    過去の「復活劇」が証明しているように、わずか1戦の走りがドライバーの将来を変えることはある。

    ザントフォールトで再びF1マシンに乗った角田裕毅にとっても、この一戦が本格的なグリッド復帰へ向けた最初の一歩になる可能性は十分に残されている。

  • レッドブルF1 ローソンのイタリアGP起用で新プラン ハジャーはFP1で負傷確認へ

    レッドブルF1 ローソンのイタリアGP起用で新プラン ハジャーはFP1で負傷確認へ

    レッドブル・レーシングは、アイザック・ハジャーの手首の負傷をめぐり、F1イタリアGPでリアム・ローソンを再び起用する可能性を残している。

    ハジャーがモンツァで復帰した場合でも、金曜フリー走行1回目(FP1)で状態を確認し、継続が難しければFP2からローソンに交代するというプランが検討されているという。

    この場合、ローソンが所属するレーシングブルズには代役が必要になる。具体的なドライバーは報じられていないものの、オランダGPでは同じ状況で角田裕毅がレーシングブルズに復帰しており、再び起用される可能性が考えられる。

    ハジャーはサマーブレイク最終週、通常のトレーニングの一環として行っていたボクシングで手首を負傷し、小さな骨折を負ったとみられている。オランダGPを欠場したことでローソンが急きょレッドブルに復帰し、決勝7位という結果を残したが、9月4~6日に開催されるイタリアGPまでにハジャーが完全に回復する保証はない。

    ハジャーに「可能な限り長く」回復の時間
    The New Zealand Heraldの報道によれば、レッドブルはハジャーに対し、イタリアGP出場の可否を判断するまで「可能な限り長く」時間を与える方針だという。

    ハジャーはオランダGPでも出走自体は可能だったとされるが、MotoGPのマルク・マルケスからアドバイスを受けたうえで、大事を取って欠場を選択した。レッドブルとしても、無理に復帰させて負傷を悪化させることは避けたい考えだ。

    現時点では、ローソンはモンツァでレーシングブルズに戻ることが基本線となっている。しかし、ハジャーの回復状況次第では、再びレッドブルのRB22をドライブする可能性がある。

    さらにレッドブルは、ハジャーが一度復帰した場合に備えた別のプランも用意しているという。

    FP1でハジャーが走行 継続困難ならローソンに交代
    報道によると、レッドブルが想定する「最悪のケース」では、ハジャーをまずイタリアGPのFP1に出走させ、実際にF1マシンを運転した際に手首がどこまで耐えられるかを確認する。

    そこでハジャーが週末を続行するのは難しいと判断した場合、FP2からローソンをレーシングブルズからレッドブルへ移すというものだ。

    ただし、FP1終了後にローソンを別チームへ移して出走させるには、FIAの承認が必要になると報じられている。そのためレッドブルは、このシナリオを緊急時の選択肢として準備しつつ、まずはハジャーが問題なく復帰できることを期待している。

    ハジャーの手首をめぐっては、復帰を急いで再び痛めた場合、2026年シーズンの残りを欠場する可能性まで懸念されているという。モンツァでの走行は、単に痛みに耐えられるかではなく、その後のレースを含めて悪化するリスクがないかを見極める重要なテストになる。

    ローソン移籍ならレーシングブルズは角田裕毅が候補
    もうひとつの焦点は、ローソンが週末途中にレッドブルへ移った場合、レーシングブルズの空いたシートを誰が埋めるのかという点だ。

    The New Zealand Heraldの報道では、ローソンに代わってレーシングブルズを走るドライバーまでは明らかにされていない。しかし、その場合の有力な選択肢となるのが角田裕毅だ。

    オランダGPでも、ハジャーの欠場によってローソンがレッドブルへ移ったことでレーシングブルズのシートが空き、角田裕毅が代役としてF1レースに電撃復帰した。今回も同じ構図になれば、再び角田裕毅がレーシングブルズをドライブする可能性がある。

    つまり、ハジャーがFP1を走ったものの継続できなかった場合、FP2以降はレッドブルがマックス・フェルスタッペンとローソン、レーシングブルズが角田裕毅とアービッド・リンドブラッドという布陣になることも考えられる。

    ただし、これは現時点で正式に発表されたプランではない。まずハジャーの状態を確認したうえで、週末途中にローソンをレッドブルへ移すことについてFIAの承認を得る必要があり、それに伴うレーシングブルズ側のドライバー変更についても調整が必要になる。

    ローソンはオランダGPで7位 予選ではフェルスタッペンに0.115秒差
    一方、ローソンにとってオランダGPでの代役出場は、自身の評価を高める結果となった。

    ローソンは急きょレッドブルに呼び戻され、RB22をドライブ。決勝では7位でフィニッシュした。マシンの現在の競争力を考慮すれば、現実的に狙える上位に近い結果だった。

    予選Q3ではフェルスタッペンとの差をわずか0.115秒に抑えた。

    しかもローソンがRB22への適応に使えたのは、シミュレーターでの1セッションと実車でのFP1だけだった。スプリント・フォーマットだったため準備時間は極めて限られており、スプリント予選ではSQ1からSQ2にかけて変化したコンディションへの対応に苦戦した。

    スプリントでもレーシングブルズのリンドブラッドを攻略できなかったが、突然の招集と準備時間を考えれば、その後の予選と決勝で示したパフォーマンスは評価できるものだった。

    角田裕毅ではなくローソンを選んだレッドブル
    オランダGPの代役起用では、レッドブルのリザーブドライバーを務める角田裕毅ではなく、レーシングブルズでレースに出場しているローソンが選ばれた点も注目された。

    ローソンは2025年に2戦だけレッドブルで走った経験を持つ。その後レーシングブルズへ戻ったものの、ハジャー欠場時には再びトップチームから声がかかった。

    オランダGPで7位を獲得したことで、その判断にも結果で応えた形だ。

    一方、ハジャーがオランダGPを無理に走らず欠場できたことは、レッドブル内での立場が安定していることの表れとも受け取れる。チームは1戦の結果を優先して負傷を悪化させるのではなく、今後を見据えて回復を優先させた。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    イタリアGPがローソンと角田裕毅の再出番につながる可能性
    現段階でレッドブルが望んでいるのは、ハジャーがイタリアGPで通常通り復帰し、週末を最後まで走り切ることだ。

    しかし、モンツァでFP1を走った段階で手首に問題が生じれば、ローソンが再びRB22に乗る可能性が浮上する。そしてローソンがレッドブルへ移れば、オランダGPと同様に角田裕毅がレーシングブルズへ戻るという玉突きのドライバー変更が再び起きる可能性もある。

    オランダGPでは限られた準備時間ながら決勝7位まで持ち込んだローソン。ハジャーの回復次第では、ザントフォールトでの一度限りとされたレッドブル復帰がモンツァでも続き、それが角田裕毅にとっても再びF1レースを戦うチャンスにつながる可能性がある。

  • 角田裕毅 F1公式が「勝者」に選出 オランダGP電撃復帰で高評価

    角田裕毅 F1公式が「勝者」に選出 オランダGP電撃復帰で高評価

    2026年F1第12戦オランダGPを終え、F1公式サイトがザントフォールトで評価を高めた6組の「勝者」と、厳しい週末を過ごした5組の「敗者」を選出。急きょレーシングブルズからF1復帰を果たした角田裕毅が「勝者」のひとりに選ばれた。

    F1公式サイトのコレスポンデント、ローレンス・バレットは、角田裕毅について2026年型マシンを一度もドライブしていなかったにもかかわらず「ブランクを感じさせなかった」と高く評価。

    決勝は11位で惜しくもポイントを逃したが、2027年のフルタイムシート獲得を目指すタイミングで「非常に印象的なパフォーマンス」だったと評した。

    以下、F1公式が選んだ6組の勝者と5組の敗者を掲載する。

    勝者:ランド・ノリス
    ランド・ノリスは、スプリントでジョージ・ラッセルに勝利を争うことができなかったため、ポールポジションからオランダGP決勝を制することができるのか、自身でも確信を持てずにいた。

    しかし、決勝では再スタートでキミ・アントネッリに先行を許したものの、中盤のハードタイヤで誰にも真似できないペースを発揮。アントネッリを抜き返し、さらにフェラーリのルイス・ハミルトンもオーバーテイクして首位を奪還した。

    これでノリスは2026年にアントネッリ以外で唯一となる2連勝を達成。F1通算13勝目で、そのうち10勝がポールポジションからの勝利となった。また、2021年にザントフォールトがF1カレンダーへ復帰して以降、すべてのオランダGPでポールシッターが優勝する記録も継続した。

    ドライバーズ選手権首位のアントネッリとは83ポイント差があり、ノリス自身はタイトル争いについて語ろうとはしなかった。それでも、ノリスとマクラーレンが現在のフォームを維持できれば、タイトル防衛の可能性は高まっていく。

    敗者:マックス・フェルスタッペン
    4度のF1ワールドチャンピオンが最後の地元オランダGPで再び特別な走りを見せることを期待し、ザントフォールトにはオレンジ色のファンが詰めかけた。しかし、その期待は1周目を走り切る前に消えた。

    フェルスタッペンは濡れた路面の最終コーナーで白線に触れたことでレッドブルの挙動を乱し、そのままバリアへクラッシュした。本人にけがはなかったものの、これまでオランダGPで一度も2位より下で終えたことがなかった記録は途絶えた。

    今季の1周目リタイアはモナコGPに続いて2度目。ドライバーズランキングは6位となり、選手権首位との差は130ポイントまで広がった。

    勝者:キミ・アントネッリ
    好スタートでノリスを抜き、決勝の一部をリードしたアントネッリにとって、今季7勝目につなげられなかったことには多少の失望が残ったはずだ。

    しかし、一歩引いて週末全体を見れば、選手権リーダーにとって再び成功と言える内容だった。FP1ではトップタイムを記録したものの、スプリント予選でフロアを損傷して以降は劣勢となり、決勝前までの3つの競争セッションではチームメイトのラッセルに上回られた。

    それでも大量ポイントが懸かった決勝では立て直し、力強い走りでラッセルのひとつ前となる2位でフィニッシュ。選手権リードを今季最大となる59ポイントまで拡大した。

    これで11戦連続で少なくとも1周をリード。次戦は母国イタリアGPとなる。エンジンコンポーネント交換によるグリッド降格ペナルティが予定されているとはいえ、好結果を手にモンツァへ向かう。

    敗者:ウィリアムズ
    ウィリアムズにとって、ザントフォールトは再び苦しい週末となった。カルロス・サインツJr.とアレクサンダー・アルボンのどちらもポイント争いに加われず、11チーム中10番手の速さまで後退したように映った。

    予選でQ2へ進んだのはアルボンだけで、サインツJr.をわずか0.022秒上回った。アルボンがサインツJr.に予選で勝ったのは今季3度目だった。

    決勝ではアルボンが序盤に4つポジションを上げたものの、徐々に後退。14番手を争うなかでサインツJr.と接触した。

    サインツJr.はこの接触について自身の責任を認めた。ただし、両者とも互いに腹を立てていたわけではなく、それ以上に大きな懸念となったのは、下位ポジションをチームメイト同士で争わなければならないほどマシンの根本的なペースが不足していたことだった。

    勝者:フェルナンド・アロンソ
    アストンマーティンは2戦連続でシャシーのアップデートを投入し、さらにホンダもパワーユニットをアップグレードしたが、スプリント予選ではSQ1、通常予選でもQ1を突破できず、日曜日を前に状況は決して明るくなかった。

    しかし、決勝ではフェルナンド・アロンソが見事なレースを披露した。ソフトタイヤで34周に及ぶ第1スティントを走り切り、1ストップ戦略を成立させて9位でフィニッシュした。

    アロンソにとって今季2度目のポイント獲得となり、自身とアストンマーティンの獲得ポイントは3点となった。厳しいシーズンを送ってきたチームが明確な上昇軌道に乗りつつあるとの期待を高める結果となった。

    敗者:ハース
    ハースにとっては、1周のペースでもロングランのペースでも苦戦する厳しい週末となった。

    オリバー・ベアマンは予選20番手に終わり、チームにとって今季最低の予選結果となった。決勝でも状況は好転せず、わずか2周でリタイア。今季3度目のDNFとなった。

    チームメイトのエステバン・オコンは、決勝では予選時よりもややペースが劣るように見え、ポイント争いに加わることができないまま52周目にリタイアした。

    これによりハースは2024年モナコGP以来となるダブルDNFを喫した。

    ランド・ノリス(オランダGP勝者)

    勝者:角田裕毅
    角田裕毅は、負傷したアイザック・ハジャーの代役としてリアム・ローソンがレッドブルへ昇格したことで、急きょレーシングブルズのF1シートに呼び戻された。しかも、2026年型マシンを一度もドライブした経験がない状態での復帰だった。

    しかし、角田裕毅にブランクを感じさせるところはなかった。コースに出た瞬間から速さを示し、すべての競争セッションを通じてルーキーのチームメイト、アービッド・リンドブラッドに近いパフォーマンスを見せた。

    予選では12番手を獲得し、10番手のリンドブラッドからわずか2つ後ろにつけた。決勝ではポイント獲得が見える位置まで浮上し、元チームメイトで友人でもあるピエール・ガスリーに対して鮮やかなオーバーテイクを成功させた。

    終盤にガスリーの逆転を許し、最終的には11位。惜しくもポイントには届かなかった。

    それでもF1公式は、2027年のフルタイムシートを探している角田裕毅にとって「非常に印象的なパフォーマンス」だったと評価。突然の復帰、そして2026年型マシン未経験という難しい条件のなかで、自らの存在価値を示す週末となった。

    敗者:バルテリ・ボッタス
    バルテリ・ボッタスには、なかなか流れが向いてこない。ザントフォールトではまずまずの週末を送り、予選ではチームメイトのセルジオ・ペレスを上回った。

    ペレスは実験的にマシンへ複数の変更を施したものの、それがうまく機能しなかった。ボッタスがペレスを予選で上回るのは、これで4戦連続となった。

    決勝の第1スティントも悪くなく、ウィリアムズからそれほど離されずに走っていた。しかし、今季の多くのレースと同様に、レースが進むにつれてその勢いは失われていった。

    最後はリアウイングに影響を及ぼす油圧系の問題によってリタイア。これで直近7戦のうち5戦でリタイアし、2026年通算では6度目のDNFとなった。これより多くのリタイアを喫しているのはランス・ストロールだけだ。

    勝者:リアム・ローソン
    角田裕毅と同様、リアム・ローソンもハジャーの負傷によって突然、大きな役割を任された。レーシングブルズからレッドブルへ昇格し、フェルスタッペンのチームメイトとしてオランダGPに臨んだ。

    ローソンには2026年型F1マシンの経験があり、好調な走りを続け、ミッドフィールドで最も力強いドライバーのひとりとして存在感を高めていた。

    それでも、前年にわずか2戦でシートを失ったレッドブルへ戻るという状況は簡単なものではなかった。

    しかし、12カ月前とは違うドライバーになったことを結果で示した。予選ではフェルスタッペンから0.1秒強の差につけ、決勝では見事な7位フィニッシュを達成した。

    これでポイント獲得は7戦連続。突然巡ってきたレッドブルでのチャンスをしっかりとものにした。

    敗者:ガブリエル・ボルトレト
    ガブリエル・ボルトレトはザントフォールトで速さを示し、スプリントとグランプリの両方で予選トップ10入りを果たした。

    しかし、スプリントでは9位となり、わずかにポイント獲得を逃した。

    決勝ではスタートでポジションを落とし、さらに1周目に360度スピンを喫して4つのポジションを失い、18番手まで後退した。

    そこから挽回を試みたものの、ポイント圏内まで戻ることはできず、最終的には13位。週末を通じて示していた速さを結果につなげることができなかった。

    勝者:ニコ・ヒュルケンベルグ
    ボルトレトとは対照的に、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグは日曜日に大きな成果を挙げた。

    まず1周目には、目の前でスピンしたボルトレトを驚異的な反応で回避。その後は力強いペースを発揮するとともにタイヤをうまく管理し、トップ10圏内へと順位を上げていった。

    最終的には8位でフィニッシュし、アウディのF1における自己最高順位に並んだ。

    ヒュルケンベルグ自身にとっても2戦連続のポイント獲得となった。それ以前の10戦では一度もトップ10でフィニッシュできていなかっただけに、流れを変える結果となった。

    オランダGPでは優勝したノリスや選手権リードを広げたアントネッリだけでなく、突然の代役起用という難しい状況に置かれた角田裕毅とローソンもF1公式の「勝者」に選ばれた。一方、地元で1周目にリタイアしたフェルスタッペンや、速さを結果につなげられなかったウィリアムズ、ハースらにとっては厳しいザントフォールトとなった。