カテゴリー: ウィリアムズ・レーシング

  • F1ドライバーの「肉弾戦」が減少 アルボン「今はメンタルの戦い」

    F1ドライバーの「肉弾戦」が減少 アルボン「今はメンタルの戦い」

    アレクサンダー・アルボンは、2026年のF1ではドライバー同士の「フィジカルな戦い」よりも「メンタルの戦い」の比重が大きくなり、ホイール・トゥ・ホイールで必要とされてきた重要な攻防のスキルが失われつつあると感じている。

    2026年に導入された新たなエネルギーマネジメントは、ドライバーがオーバーテイクを組み立てる方法を大きく変えた。

    エネルギーマネジメントが左右する2026年F1の攻防
    こうした問題が特に顕著なのは、オーストラリアのアルバート・パーク、日本の鈴鹿、イギリスのシルバーストン、ベルギーのスパ、イタリアのモンツァといった「エネルギー不足」になりやすいサーキットだ。

    一方、モナコ、ハンガリーのハンガロリンク、オランダのザントフォールトなどは「エネルギーリッチ」なサーキットとされ、マシンは継続的にエネルギーを回収し、それをデプロイすることができる。

    プレシーズンには、こうした新たな要求が「高速のチェス」に例えられていた。ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンはさらに踏み込み、以前ならライバルとの間で仕掛けられた特定の「駆け引き」が、現在ではできなくなっていると説明した。

    「フィジカルな戦いという意味では、メンタルの戦いの方が上回るようになったと思う。今はエネルギーマネジメントが非常に大きな部分を占めている」

    アルボンはRacingNews365を含むメディアにそう語った。

    「より戦術的になったと思う。昨年までにも戦術的な要素はあったけど、できるのは基本的にDRSを使った駆け引きだった。例えば、わざとペースを落としてDRSラインの前で相手を先に行かせるようなことだ」

    「オーバーテイクされないためにできることは当時もあった。でも今は、ファクトリーでGPSデータを分析して、周囲のマシンが何をしているのかを予測しながら、僕たちが何をできるのか、どのモードスイッチを変更すべきなのかについて、すぐにフィードバックを受けているような状態だ」

    「いろいろな意味で戦術的ではある。でも同時に、どうすることもできないと感じることもある。もうディフェンスすること自体ができないような場合もあるんだ」

    アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ・レーシング)

    「本当の意味でのディフェンス技術がない」
    アルボンはさらに、現在のF1レギュレーションによって、バトルのなかでドライバーがディフェンス能力を発揮する機会が制限されていると指摘した。

    「本当の意味でのディフェンス技術というものがない。オーバーテイクするときの速度差があまりにも大きいからだ」

    「以前はブレーキングで抜かなければならなかったし、レーシングラインを外してマシンを走らせなければならなかった。クリーンエアを得たり、ダーティエアのなかを走ったりする必要もあった。僕はそういうものが恋しい」

    「ただ、戦術という意味では、今年は昨年よりもはるかに多くの時間をHPP(メルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズ)との話し合いに費やしている」

    2026年のF1では、ドライバー自身のブレーキングやライン取りによる直接的な攻防だけでなく、バッテリーの残量やデプロイのタイミング、さらにはファクトリーから送られるデータを活用した戦術が重要性を増している。アルボンにとって、その変化はレースをより戦術的にする一方で、ドライバーが自らの技術でポジションを守る余地を減らすものでもある。

  • カルロス・サインツJr. マドリンク酷評への責任を否定「僕が関わる前に設計済み」

    カルロス・サインツJr. マドリンク酷評への責任を否定「僕が関わる前に設計済み」

    カルロス・サインツJr.は、初開催となったF1スペインGPで批判を浴びたマドリンクのレイアウトについて、自身に責任はないと反論した。イベントのアンバサダーに就任した時点で、コースはすでに設計され、FIAの承認も受けていたと説明している。

    マドリードで初めて開催されたF1スペインGPは、決勝でオーバーテイクが極めて少なかったことから、コースレイアウトに厳しい批判が集まった。

    そのなかでニコ・ロズベルグは日曜日、「カルロス・サインツがアンバサダーなんだから、カルロス・サインツを批判しないとね」と冗談交じりに語っていた。

    サインツJr.「僕が契約した時にはすでに設計されていた」
    しかし、ウィリアムズのカルロス・サインツJr.は、当初のサーキット設計には一切関与していなかったと強調した。

    「僕がアンバサダー契約を結んだときには、コースの設計はすでに終わっていて、FIAからも承認されていた」

    「何らかの形で関わりたかったので、本当に腹が立った」

    日曜日の決勝が隊列のまま進む展開となったことを受け、主催者側はすでにコース変更の可能性を認めている。F1とFIAも今後の改修について協議に加わっている。

    サインツJr.は、大幅なレイアウト変更ではなく、本格的なオーバーテイクポイントをひとつ設けるだけでも状況は大きく改善すると考えている。

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    「必要なのはオーバーテイクポイントひとつ」
    「理想的な状況なら、ターン5で何かできないか試すべきだと思う。そこが無理ならターン1で何かをする必要があるし、ターン1でも無理ならターン13で何ができるか検討する必要がある」

    「バクーやマカオのような優れた市街地サーキットには、非常に長いストレートの先にオーバーテイクポイントがひとつしかないこともある。そうしたオーバーテイクポイントを追加できる可能性がどこにあるのか、そしてそれが実現可能なのかを確認する必要がある」

    「それができれば、このコースにとって非常に大きな助けになると思う。初開催のイベントとして見れば、それ以外の部分は成功だったと思うからだ」

    「素晴らしいサーキットだし、訪れるには素晴らしい街だ。運営も素晴らしかった……足りなかったのはオーバーテイクポイントだけだ」

    元F1ドライバーのシュトゥックは擁護
    一方、元F1ドライバーのハンス=ヨアヒム・シュトゥックは、Servus TVでマドリンクについてより肯定的な見方を示した。

    「そもそも新しいサーキットが今でも建設されているというのは素晴らしいことだ」

    「それは重要なことだ。市街地サーキットは少し多すぎるが、バンクのついたコーナーは新しい試みだった」

    マドリンクでは初開催を終えた段階で、オーバーテイクの難しさが最大の改善点として浮上した。アンバサダーを務めるサインツJr.は当初の設計への関与を否定する一方、ターン5、ターン1、ターン13を候補に挙げ、今後の改善に向けた具体的な方向性を示している。

  • ウィリアムズF1育成の中村紀庵ベルタ 2027年FIA F3昇格 トライデントから参戦

    ウィリアムズF1育成の中村紀庵ベルタ 2027年FIA F3昇格 トライデントから参戦

    ウィリアムズ・ドライバー・アカデミーに所属する中村紀庵ベルタが、2027年にFIA F3へステップアップし、トライデント・モータースポーツから参戦することが決定した。

    18歳の中村紀庵ベルタは、2026年のフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権(FREC)で3勝を含む8度の表彰台を獲得し、ランキング3位でシーズンを終えた。その実績を評価され、ウィリアムズの育成プログラムから引き続き支援を受けながら、次のステップとなるFIA F3に挑む。

    F4王者からFRECを経てFIA F3へ
    日本とスロバキアにルーツを持つ中村紀庵ベルタは、2023年にF4東南アジア選手権でシングルシーターデビューを果たした。

    2024年にはF4 UAE選手権でランキング2位を獲得。そして2025年には飛躍のシーズンを迎え、F4選手権とイタリアF4で立て続けにタイトルを獲得した。

    2026年はフォーミュラ・リージョナルへとカテゴリーを上げ、フォーミュラ・リージョナル・ミドルイースト・トロフィーを制覇。さらにFRECでは3勝を挙げ、合計8回の表彰台を記録してランキング3位に入った。

    その結果、2027年はトライデントからFIA F3に参戦することになった。

    トライデントは若手育成で高い実績を持ち、2025年のFIA F3王者ラファエル・カマラやランキング2位のフレディ・スレーターも、FRECから同チームを経てF3へステップアップしている。中村紀庵ベルタも同じルートをたどることになる。

    中村紀庵ベルタ FIA F3選手権

    「F3デビューに向けて大きな自信になる」
    中村紀庵ベルタは、ウィリアムズの支援を受けながらFIA F3へ昇格できることへの喜びを語った。

    「ウィリアムズのプログラムから引き続きサポートを受けながら、F3へステップアップできることをうれしく思います」

    「FRECで力強いシーズンを終え、F3でこれほど競争力のあるチームに加入する機会を得られたことは、来年のF3デビューに向けて大きな自信になります。ここまで来るために力を貸してくださったすべての皆さんに心から感謝しています」

    ウィリアムズ「次世代に機会を生み出している証」
    ウィリアムズのスポーティングディレクターを務めるスヴェン・スメーツも、アカデミー所属ドライバーの新たな昇格を歓迎した。

    「キーンがルーキーシーズンに向けてトライデント・モータースポーツからF3へステップアップする姿を見ることができるのは、我々にとって誇らしい瞬間だ」

    スメーツは今回の昇格について、ウィリアムズのドライバー育成プログラムが「次世代の才能あるドライバーに機会を生み出している」ことを示すものだと評価している。

    ウィリアムズ育成で次のステップへ
    ウィリアムズはF1チームの将来を見据え、アカデミーを通じて若手ドライバーの発掘と育成を進めている。中村紀庵ベルタにとって、FIA F3への昇格はその育成過程における重要な一歩となる。

    F4でタイトルを獲得し、フォーミュラ・リージョナルでも結果を残してきた18歳は、2027年からF1への登竜門のひとつであるFIA F3に舞台を移す。

    ラファエル・カマラやフレディ・スレーターも歩んだFRECからトライデントへのルートを経て、中村紀庵ベルタがFIA F3でどのような結果を残すかが注目される。

  • ウィリアムズF1が「頭文字D」とコラボ 限定コレクションを来週発売

    ウィリアムズF1が「頭文字D」とコラボ 限定コレクションを来週発売

    ウィリアムズF1が、日本の人気モータースポーツ漫画・アニメ「頭文字D(Initial D)」とのコラボレーションを発表した。両者による新たなカプセルコレクションが、来週発売される。

    ウィリアムズはSNSを通じて今回のコラボレーションを予告。「Start your engines(エンジンを始動せよ)」との言葉とともに、頭文字Dがアトラシアン・ウィリアムズF1チームの世界にやって来ると発表した。

    「エンジンを始動せよ。頭文字Dがアトラシアン・ウィリアムズF1チームの世界にやって来る。そして間もなく、あなたもそれを身に着けることができる。まったく新しいカプセルコレクションが来週、Sector Zeroに登場する」

    現段階では具体的な商品ラインナップやデザイン、発売日時などは明らかにされていない。ウィリアムズはファンに対し「今回のドロップで何を見たい?」と問いかけており、詳細については今後順次公開されるとみられる。

    ウィリアムズ・レーシング 頭文字D

    「頭文字D」は、しげの秀一氏による漫画を原作とし、主人公の藤原拓海とトヨタ・スプリンタートレノ(AE86)を中心に、公道での走りを描いた作品だ。日本のみならず海外でも高い知名度を持ち、自動車文化を象徴する作品のひとつとなっている。

    ウィリアムズは2026年、F1での活動だけでなく、ファッションやエンターテインメントを通じたファンとの接点も拡大している。今季のチームウェアおよびライフスタイルコレクションはNew Eraが手掛けており、これまでにも限定コレクションを展開してきた。

    世界的な人気を持つF1と、日本発のストリートレーシング作品として世界的な支持を集める頭文字D。その両者がどのようなデザインで融合するのか、来週公開されるコレクションに注目が集まりそうだ。

  • アレクサンダー・アルボン ウィリアムズF1のアップデート切望「一刻も早く必要」

    アレクサンダー・アルボン ウィリアムズF1のアップデート切望「一刻も早く必要」

    アレクサンダー・アルボンは、2026年F1スペインGPを15位で終え、ウィリアムズが次戦アゼルバイジャンGPで投入するアップデートについて「一刻も早く必要だ」と語った。

    初開催となったマドリンクで、ウィリアムズは週末を通して厳しい戦いを強いられた。アルボンは現状のマシンから引き出せるものは最大限引き出したと考えているものの、中団勢と本格的に争うには依然としてペースが不足していると認めた。

    「予選ラップを何周も続けているようだった」
    アルボンはF1スペインGP決勝を振り返り、15位という結果が現在のウィリアムズにとって現実的な最大値だったと説明した。

    「難しいレースだったし、僕たちにとって厳しい週末だった。でも、今日望めたのはおそらくこれが最大限だったと思う」

    「アストンマーティンの2台とハースの1台を上回ることが、現実的に僕たちが最大化できるところだった。だから、それが今日の成果だった。でも、中団でちゃんと戦うにはまだ離れすぎているし、かなり厳しかった」

    アルボンはレース後のインタビューでも、マシンのペース不足を強調した。

    「正直、難しいレースだった。予選ラップを何周も何周も続けているような感覚だったのに、それでも十分に速くなかった」

    マドリンクでは追い抜きが難しく、純粋なペース不足を抱えるウィリアムズにとって順位を上げる機会は限られていた。チーム代表のジェームス・ボウルズも「今週末はペースがなかった」と認め、アルボンについては「週末を通してよくやったし、今日のマシンで達成できたベストの結果だった」と評価している。

    バクーでアップデート投入「一刻も早く必要」
    ウィリアムズにとって次の焦点は、アゼルバイジャンGPで投入予定のアップデートとなる。

    「バクーでアップデートが入る。うまくいけば、中団勢に対して僕たちを前進させて、少なくともその戦いの中に入れるようになると思う」

    アルボンは、そのアップデートを待ち望んでいるかと聞かれると、期待の大きさを隠さなかった。

    「そうだね。一刻も早く必要だよ。アップデートが必要なんだ」

    さらに、バクー市街地サーキットの特性そのものにも期待を寄せている。

    「バクーは普段なら僕たちに合っているサーキットでもある。だから、どうなるか見てみよう」

    ただし、アルボンは今回のアップデートだけでウィリアムズの勢力図が大きく変わるとは考えていない。

    「現実的には、完全に僕たちを前へ押し上げるほど大きなものではないと思う。でも、残念ながら僕たちの優先順位は来年へと移っている」

    「今年は中団のチームが普段より多くのアップデートを投入していて、開発競争がものすごく速いペースで進んでいる。そこは僕たちが改善することに集中している部分だ」

    アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ・レーシング)

    ボウルズも「バクーで小さな一歩」
    ジェームス・ボウルズも、アゼルバイジャンGPで予定しているアップデートがウィリアムズに一定の改善をもたらすことを期待している。ただし、シーズン終盤まで厳しい状況が続くとの見通しも示した。

    「非常に難しい一日だった。我々には今週末、ペースがなかった。幸い、バクーでは小さなステップが入るが、それでも年末まで厳しい戦いになるだろう」

    ウィリアムズは2027年に向けた開発へ重点を移しつつある一方、2026年シーズン残りのレースで中団勢との差を少しでも縮めることを目指している。

    マドリンクで「予選ラップを何周も続けても速さが足りなかった」というアルボンにとって、バクーはアップデートの効果を確認する重要な週末となる。もともとウィリアムズと相性が良いとみるサーキットだけに、新パーツが中団争いへ戻るきっかけになるかが注目される。

  • カルロス・サインツJr. アロンソとの接触で責任否定「無線で訴えられてペナルティ」

    カルロス・サインツJr. アロンソとの接触で責任否定「無線で訴えられてペナルティ」

    カルロス・サインツJr.は、2026年F1スペインGP決勝でフェルナンド・アロンソと接触した一件について、自身に大きな責任があったとの見方を否定した。5秒のタイムペナルティを科されたサインツJr.は、アロンソが無線で訴えたことが裁定につながったとの考えを示した。

    マドリンクで初開催されたF1スペインGPで、ウィリアムズのサインツJr.とアストンマーティン・ホンダのアロンソがコース上で接触。

    アロンソのマシンはダメージを負い、スチュワードはサインツJr.に5秒のタイムペナルティを科した。

    接触はアロンソがサインツJr.にオーバーテイクを仕掛けた際に発生した。両者が接近した状態でターン5へ向かい、サインツJr.とアロンソのマシンが接触。アロンソは直後の無線で強い不満を示した。

    しかし、サインツJr.はレース後、接触について自身に非があったとは考えていないと説明した。

    「特に言うことはない。右に曲がるあのコーナーの性質によるものだと思う。彼が無線で訴えて、それで僕にペナルティが科された。こういうケースではいつもそうなる」

    サインツJr.はこの時点でマシンにダメージを抱えており、安定性にも苦しんでいたという。

    「安定性がほとんどなくて、マシンをコース上にとどめておくのがすごく難しかった」

    そのうえで、接触が起きたターン5は2台が並んで通過するにはスペースが限られており、同様のインシデントが起こりやすいコーナーだと指摘した。

    「あのコーナーでは、これからもこういう接触は起こると思う。1台分のスペースしかなくて、2台分はない。右に曲がりながらミラーを見て、そのあと左に曲がることはできないから、前を見なければならない。フェルナンドが僕の横にいたとは思っていない」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    一方のアロンソはサインツJr.とは異なる見方を示している。接触後には無線で強く反応し、レース後にも高速域でのサインツJr.の動きを「不必要だった」と批判した。

    スチュワードは最終的にサインツJr.に5秒のタイムペナルティを科したが、サインツJr.はコーナーの特性に加え、ダメージによってマシンの安定性を失っていたことを説明。さらに、接触時にはアロンソが自分の横まで並んでいたとの認識もなかったとして、裁定への不満を隠さなかった。

    母国スペインのドライバー同士による接触となったが、アロンソがサインツJr.の動きを問題視したのに対し、サインツJr.はレーシングインシデントに近いものだったとの立場を示しており、両者の見解は最後まで食い違った。

  • カルロス・サインツJr. 角田裕毅との接触を説明「リスクを冒してしまった」

    カルロス・サインツJr. 角田裕毅との接触を説明「リスクを冒してしまった」

    カルロス・サインツJr.は、2026年F1スペインGP決勝のスタート直後に角田裕毅と接触した場面について説明し、ポジションを上げようと「リスクを冒してしまった」と振り返った。

    ウィリアムズのサインツJr.は20番グリッドから好スタートを切ったものの、ターン1で角田裕毅のレーシングブルズと接触。

    この一件でマシンのフロアなどにダメージを負い、以降は大幅にダウンフォースを失った状態での走行を強いられ、最終的に43周目でレースを終えた。

    地元マドリードで初開催されたF1スペインGP。後方グリッドからのスタートとなったサインツJr.は、蹴り出しで複数のマシンをかわしてポジションを上げた。

    しかし、集団が密集した状態でターン1に進入すると、前方のマシンが相次いで減速。サインツJr.はブレーキングで対応しきれず、角田裕毅と接触した。

    「スタートはかなり良くて、3台か4台を抜くことができた」とカルロス・サインツJr.は振り返った。

    「でも、そのあとターン1ですごく混雑した。前にはハードタイヤを履いているマシンが多くて、ブレーキングで少しマシンを失って角田に接触してしまった」

    サインツJr.は別の取材でも、後方から少しでも順位を上げようと積極的に攻めたことが接触につながったと認めている。

    「残念ながらターン1で、できるだけ多くのポジションを上げようとしてリスクを冒してしまい、接触してマシンに少しダメージを負った」

    「かなり密集していて、ターン1ではみんなが激しくブレーキングしていた。集団がターン1への進入であれほど減速したことで、少し不意を突かれてしまった」

    接触自体は大きなものではなかったが、サインツJr.のウィリアムズには深刻な影響が残った。

    「軽い接触だった。でも、今のマシンではそれだけでもかなり影響がある」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    サインツJr.によれば、角田裕毅との接触によってフロアが損傷し、その後は大幅なダウンフォース不足に陥ったという。

    「接触でフロアを傷めてしまって、そこからはダウンフォースを1周あたりほぼ1秒分失っていた。最終的にはリタイアしなければならなかった」

    実際、ウィリアムズはレース後、サインツJr.のマシンがターン1で角田裕毅と接触した際に右側のエンドプレートとフロアにダメージを負ったと説明している。

    サインツJr.はダメージを抱えながらレースを続行したものの、本来のパフォーマンスを発揮することはできず、43周目にリタイア。母国マドリードで迎えた初のF1スペインGPは厳しい結果に終わった。

    一方の角田裕毅は接触後もレースを続け、14位でフィニッシュ。サインツJr.にとっては、20番手から順位を挽回しようと積極的に臨んだスタートだったが、その攻めが裏目に出る形となり、ターン1での接触がレース全体を大きく左右することになった。

  • カルロス・サインツJr. F1スペインGPで3グリッド降格 ボッタスを予選で妨害

    カルロス・サインツJr. F1スペインGPで3グリッド降格 ボッタスを予選で妨害

    2026年F1第14戦スペインGPで、ウィリアムズのカルロス・サインツJr.に3グリッド降格ペナルティが科された。

    サインツJr.はマドリンクで行われた土曜日の予選Q1で、アタックラップ中だったキャデラックのバルテリ・ボッタスを妨害したとスチュワードに判断された。サインツJr.は予選17番手、ボッタスは20番手に終わり、ともにQ2進出を逃していた。

    ターン7でボッタスを妨害
    問題となったのはQ1終盤のターン7での場面だった。スチュワードは予選後、サインツJr.とボッタスの双方から事情を聴取し、オンボード映像やデータを確認した。

    スチュワードは、ウィリアムズが55号車のサインツJr.に対し、77号車のボッタスがアタックラップで接近していることを伝えておらず、サインツJr.も接近するマシンに道を譲るための行動を取らなかったと指摘した。

    そのうえで「55号車が77号車を不必要に妨害した」と結論づけ、サインツJr.に3グリッド降格ペナルティを科した。

    これにより、予選17番手だったサインツJr.は、日曜日に57周で争われる初開催のF1スペインGP決勝でグリッド降格処分を受けることになった。

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    サインツJr.「ピットウォールから何の連絡もなかった」
    サインツJr.はペナルティ決定前、Q1敗退について、複数の問題が重なったセッションだったと振り返っていた。

    「それほどクリーンなセッションではなかった。2つか3つ問題があって、最終的にQ2へ進むために必要だった、おそらく0.005秒を失った」

    「ストレートで少しパフォーマンスが足りなかったことも組み合わさっていた。あのラップを見返すと、コンマ数秒というところだった」

    さらに、最後のアタックに早めに出たことに加え、ボッタスを妨害したことにも言及した。

    「最後のランにかなり早く出たこともあったし、バルテリを妨害してしまった。今聞いたところでは、ピットウォールから何の連絡もないまま彼を妨害してしまったようだ」

    「僕たちにとって最もクリーンなセッションではなかった。それでもかなりいいラップは走れたけど、残念ながらQ2へ進むには十分ではなかった」

    母国スペインで迎えた初開催のマドリンクで、サインツJr.は予選Q1敗退に加えてグリッド降格という厳しい結果を背負って決勝に臨むことになった。

  • カルロス・サインツJr. F1初開催マドリンクの“マシンキラー”説に疑問「F3の話」

    カルロス・サインツJr. F1初開催マドリンクの“マシンキラー”説に疑問「F3の話」

    カルロス・サインツJr.は、2026年F1スペインGPで初開催を迎えるマドリンクについて、ウィリアムズのジェームス・ボウルズ代表が表現した“マシンキラー”という評価に慎重な見方を示した。

    事前に行われたFIA F3のテストでは2日間で19回もの赤旗が発生し、3台のシャシーと6台のサスペンションが損傷。だが、サインツJr.は、それがそのままF1マシンにも当てはまるかどうかは実際に走ってみなければ分からないと考えている。

    「マシンキラーは今のところF3の話」
    マドリンクではF1初開催に先立ってF3による2日間のテストが実施されたが、そこで相次いだアクシデントが大きな話題となった。

    テストでは計19回の赤旗が提示され、3台のシャシーが破損したほか、6台にサスペンションの損傷が発生。これを受け、ボウルズはマドリンクについて「マシンを壊すサーキット」と警告していた。

    しかし、ウィリアムズのドライバーであり、地元マドリード出身でもあるサインツJr.は、この評価をF1にもそのまま当てはめるのは早いと語った。

    「“マシンキラー”というのは、今のところF3マシンについての話だと思う」

    「F1でも“マシンキラー”になるのかどうかは、これから見てみないと分からない」

    一方で、マドリンクそのものが非常に難しいサーキットになることには疑いを持っていない。

    サインツJr.はすでにウィリアムズのシミュレーターで新コースを走行しており、その難易度は予想以上だったという。

    「はっきりしているのは、非常に複雑で、とてもスペクタクルなサーキットだということだ」

    「シミュレーターで走った後、僕たちはみんな、その複雑さに驚いた。どれだけ難しくなるのかということにも驚かされた」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    F3テストでは19回の赤旗
    マドリンクの難しさを象徴しているのがF3テストでのアクシデントの多さだ。

    2日間を通じて10人のドライバーがウォールに接触し、ターン5~6の高速シケインやブラインドとなるターン7、ウォールに囲まれたターン17など、特定の1カ所だけではなくコース各所で事故が発生した。

    そのため、F1でもドライバーが限界を探る金曜日のフリー走行から赤旗や黄旗が相次ぐ可能性が指摘されている。

    サインツJr.自身も、F3テストの結果とコースレイアウトを踏まえ、F1スペインGPではセーフティカーや赤旗、予選での黄旗が発生する可能性が高いと予想している。

    最大の特徴「ラ・モヌメンタル」
    マドリンクを象徴するセクションが、大きなバンク角を持つ「ラ・モヌメンタル」だ。

    24%のバンクを備えたこのコーナーでは長時間にわたって高いGがかかり、ボウルズはタイヤだけでなく油圧系を含むマシン全体にとって大きな試練になると指摘している。

    ピレリの分析でも、その負荷の大きさが示されている。ラ・モヌメンタルでタイヤに加わるエネルギーは、同じくバンクを持つザントフォールトのコーナーより20~30%高くなると予想されている。

    それでもサインツJr.は、こうした難しさをマドリンクの欠点とは考えていない。むしろ新しいF1サーキットに独自の個性を与える要素として前向きに捉えている。

    「少なくとも、その点ではキャラクターがあって、難しさのあるサーキットになると思う。ただカレンダーに追加されただけのサーキットではない」

    「もし難しすぎるとか、どこかのコーナーや縁石を変えなければならないということになれば、これから何年かかけて改善していく時間はある」

    マドリンクがF3だけでなくF1にとっても本当に“マシンキラー”となるのか。それともF1ドライバーとF1マシンなら問題なく攻略できるのか。サインツJr.が指摘するように、その答えはF1スペインGPの最初のフリー走行で明らかになりそうだ。

  • ウィリアムズF1 スペインGPで1981年FW07C復刻カラーのFW48を投入

    ウィリアムズF1 スペインGPで1981年FW07C復刻カラーのFW48を投入

    ウィリアムズF1は、2026年F1スペインGPでFW48に特別カラーリングを施して参戦することを発表した。1981年にマドリード近郊のハラマ・サーキットを走ったFW07Cをモチーフとし、白、グリーン、ネイビーを組み合わせた歴史的なデザインを現代のF1マシンに蘇らせる。

    F1がマドリードで開催されるのは1981年以来。ウィリアムズにとって今回の特別カラーは単なる復刻ではなく、過去の成功から蓄積してきた知識や経験を未来の成長につなげるというチームの姿勢を表現したものだ。

    FW48の特別仕様は、スペインGPをホームレースとして迎えるカルロス・サインツJr.によってマドリード中心部で披露された。

    1981年FW07Cを現代のFW48で再現
    今回のカラーリングの原点となったFW07Cは、ウィリアムズが1981年シーズンに投入したマシンだ。

    当時のウィリアムズはF1を代表するトップチームへと成長しており、アラン・ジョーンズとカルロス・ロイテマンを擁してシーズンを戦った。FW07Cは白を基調にグリーンとネイビーを配したカラーリングが特徴で、ウィリアムズは同年にコンストラクターズ選手権を制覇した。

    1981年にはマドリード近郊のハラマ・サーキットでスペインGPが開催されており、それが今回までマドリードで行われた最後のF1レースだった。

    約45年を経てF1がスペインの首都へ戻る2026年、ウィリアムズはFW48にFW07Cを想起させる白、グリーン、ネイビーのカラーを採用。1981年と2026年という2つの時代を視覚的につないだ。

    チームは今回のプロジェクトに「未来への最速の道は、自分たちがどこから来たのかを知ること」というメッセージを掲げている。

    それは過去の成功を懐かしむだけではない。FW07Cを開発したエンジニアから現在FW48を準備するスタッフまで、世代を超えて受け継がれてきた知識、仕事の進め方、革新性、精密さ、チームワークが現在のウィリアムズを形作っているという考えが込められている。

    ウィリアムズ・レーシング スペイングランプリ

    1981年の「カルロス」から2026年のカルロス・サインツJr.へ
    1981年と2026年のウィリアムズには、もうひとつ興味深いつながりがある。

    1981年にハラマを走ったウィリアムズのドライバーのひとりはアルゼンチン出身のカルロス・ロイテマンだった。そして2026年、マドリードに戻ってきたウィリアムズには、もうひとりの「カルロス」であるカルロス・サインツJr.がいる。

    スペイン出身のサインツJr.にとって、新設されたマドリンクで開催されるスペインGPはホームレースとなる。

    特別カラーリングをまとったFW48は、スペインGPに先立ってマドリード中心部のカジャオ広場に設置されたウィリアムズのファンゾーンで公開され、サインツJr.も登場した。

    ジェームス・ボウルズ「過去のすべてがトップ復帰への糧になる」
    ウィリアムズF1代表のジェームス・ボウルズは、チームが目指しているF1のトップ争いへの復帰と、その長い歴史は切り離せないものだと語った。

    「グリッドの最前線に戻るという我々の使命は、これまでに成し遂げてきたすべてのことからインスピレーションを得て、それを糧とし、そこから学びながら進めている」

    「アトラシアンのこの特別カラーリングを通じて、それを祝えることを非常に誇りに思っている。ハラマにいた当時のチームと、目的を明確にした協力体制、より進化した技術革新、そして本物の創造性によって現在我々が築こうとしているチームをつなぐものだ」

    ボウルズはFW48の仕上がりにも満足している。

    「マシンは素晴らしい。マドリードを走る姿を見るのが本当に待ちきれない」


    アトラシアン「最高のチームは歴史をショーケースに飾らない」
    ウィリアムズのタイトルパートナーであるアトラシアンの共同創業者兼CEO、マイク・キャノン=ブルックスも、今回のカラーリングには過去の知識を現在の仕事へ生かすという考えが込められていると説明した。

    「最高のチームは、自分たちの歴史をトロフィーケースに入れて飾ったりはしない。それを日々の仕事のなかに直接取り入れる」

    「それこそが、このカラーリングに込められた考えだ。そして、我々がソフトウェア開発について考える方法でもある。チームが何年にもわたって蓄積してきた知識は、壁に飾って見栄えを良くするだけではなく、明日の意思決定を本当に速くするものでなければならない」

    ウィリアムズは1970年代後半からF1で数々の成功を積み重ね、1980年代から1990年代にかけて黄金期を築いた。1981年のコンストラクターズタイトルは、その歴史を形成した初期の大きな成功のひとつだった。

    そして2026年、F1が約45年ぶりにマドリードへ戻るタイミングで、その時代を象徴するFW07Cのカラーリングも復活する。ウィリアムズにとってFW48の特別カラーは、過去へのオマージュであると同時に、再びF1のトップを目指す現在のチームと歴史を結びつける象徴となる。