カテゴリー: WEC (FIA世界耐久選手権)

  • ポルシェ 919ハイブリッド、WEC公式テストで3556 kmを走破

    ポルシェ 919ハイブリッド、WEC公式テストで3556 kmを走破

    ポルシェは、ポール・リカール・サーキットにおいて2日間にわたって開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)の公式テストで、LMP1カテゴリーに参戦する新開発の919ハイブリッドの集中的なテストを行った。

    ポルシェ チームが他のWEC参戦チームとテストを行うのは今回が初めてのことで、異なるクラスの速度差を体感できる最初の機会でもあった。

    1周5.791 kmのポール・リカール・サーキットでは、LMP1車両が記録した全クラスを通した最速ラップ(1分41秒289、ポルシェ919ハイブリッド、ブレンドン・ハートレー)と、最も遅いGTカーのタイム差は約20秒だった。また、これに先立ち数日前にも同サーキットで2台の91ハイブリッドを使用したプライベートテストも行った。

    金曜日と土曜日の2日間、ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組(カーナンバー14)とティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組(カーナンバー20)は、合計614周(3,556 km)を走破。彼らは、数え切れないほどのドライバー交代の練習をしたほか、エンジニア達と車両のセッティングをさらに煮詰めた。

    チーム監督であるアンドレア・ザイドルは「WEC主催者であるFIAによる素晴らしい運営のもと、この公式テストでは予定していたプログラムを完了することができました。プライベートテストでは6時間分のレース距離を2本カバーするのと同等の耐久テストを行うことが出来ましたが、今日は予選を想定したテストも実施しました。チームワーク、パフォーマンスや信頼性など、あらゆる面で順調な仕上がりを見せました。ただし、ライバル達は多くのノウハウがあるので、一夜にして彼らのアドバンテージに追い付くことができないことはわかっています。4月20日のシルバーストンで開催されるシーズン開幕戦まで、やるべき仕事がまだ多く残されています」と述べた。

    サーキットの外では、もうひとつの重要な発表があった。ポルシェ919ハイブリッドは、6メガジュールクラスのホモロゲーションを取得。これは、1周当たりブーストに使用できる回生した電力を定義するもの。また各メガジュールクラスにより、1周回当たりに使用できる燃料の量も規定される。

    LMP1テクニカル・ディレクターであるアレクサンダー・ヒッチンガーは「最適なメガジュールクラスを決定するには、複雑な計算が必要です。簡単に言えば、車両全体のコンセプトで許容される範囲内で可能な限り大きく強力なエネルギー回生システムを設計しました。これにより6メガジュールクラスに適合する回生エネルギーを発生させることができます」と述べた。

    ポルシェAG取締役会長のマティアス・ミューラーおよび研究開発担当取締役のヴォルフガング・ハッツは、サーキットにおいてLMP1プロジェクトの責任者を務めるフリッツ・エンツィンガーからプロジェクトの進捗に関する情報を直接収集した。

    各ドライバーのコメント

    ロマン・デュマ(カーナンバー14)
    「私達は大きな進歩を遂げました。公式テストでは事前に抱いていた期待をさらに超える結果を出せたと思っています。しかし、周囲からの期待は絶大なものです。ここでの歓迎ぶりには感動しました。しかし、次の目標への集中力を切らさないようにしています。それは、シルバーストン6時間レースを完走することです」

    ニール・ジャニ(カーナンバー14)
    「私達の開発速度は、ここポール・リカールに吹くミストラルの風と同じほど速いものでした。全体的に、良好な結果が得られました。問題は解決できましたし、新たな問題も見付かりましたが、現在その解決に取り組んでいます。ロマンとマルクとの息もぴったりです。セッティングに関しては、これまでと同じ方向で調整を続けます」

    マルク・リーブ(カーナンバー14)
    「あらゆる点で、チームにとってよいテストとなりました。そして、車両間の速度差を実際に体験できたのも非常に重要なポイントです。シルバーストンでは、これはさらに厳しさを増すでしょう。ポール・リカールは非常に長いサーキットであり、全車が同時に走行していた訳ではありませんから」

    ティモ・ベルンハルト(カーナンバー20)
    「もちろん昨年6月のシェイクダウンと現在との比較というだけでなく、さらに重要なのはチームスピリットとチームが一丸となって働くという点でも、今回のテストは最も重要なものとなりました。特に、3モデルすべてが揃ったLMP1カーがほぼ同レベルで仕上がってきていることが証明された今回のテスト結果は、ファンにとっても非常によい知らせとなるはずです」

    ブレンドン・ハートレー(カーナンバー20)
    「初めてポルシェのワークスドライバーとしての参加したことと、ル・マン・プロトタイプのトップクラスで走れたことは、感動的な体験でした。テストプログラムではもちろんトップタイムを出すはことが一番大切なことではなかったのですが、私にとっては嬉しいことでした」。

    マーク・ウェバー(カーナンバー20)
    「このテストは大きな節目となりました。初めて2台の919ハイブリッドを投入したため、作業を担当するクルーは膨大な量の仕事をこなす必要がありました。その甲斐あってテストはスムースに運び、クルーにとって長い週末の努力が報われました。走行するたびに順調な仕上がりになっていますが、これはとても励みになりました。ポール・リカールのコースレイアウトは、このクルマに非常によく合っているようです。シルバーストンでどれくらいのパフォーマンスを発揮できるか、今から愉しみにしています」

    同じくポール・リカールでのテストに参加したGTE-Proカテゴリーに参戦するポルシェのワークスチーム「ポルシェチームマンタイ」もプログラムを順調に消化。2日間に渡るすべてのセッションでカーナンバー92のポルシェ911 RSRはトップタイムを記録した。

    シーズン直前となる今回のテストでは、マルコ・ホルツァー/フレデリック・マコウィッキ/リヒャルト・リーツが470馬力を誇るヴァイザッハ生まれのGTマシンのステアリングを握った。このトリオは、もう1台の911 RSRを駆るチームメイト、イェルク・ベルクマイスター/パトリック・ピレ/ニック・タンディとともに、シルバーストン(イギリス)で行われるシーズン開幕戦に臨む。

    昨年のル・マン24時間レースで見事ワンツーフィニッシュを果たした919 RSRは今シーズン、すでにデイトナ24時間とセブリング12時間で2連勝を飾っている。

  • アウディ R18 e-tron クワトロ、人間工学に優れた新コクピットを採用

    アウディ R18 e-tron クワトロ、人間工学に優れた新コクピットを採用

    2014年シーズンの新型アウディ R18 e-tron クワトロのコンセプトは、人間工学的な面でも進化している。

    コクピットの操作系が、これまで以上にロジカルな配列となり、機能が向上しシートポジションも改善。この結果、FIA世界耐久選手権(WEC)を闘うアウディのファクトリードライバーへの負担が大幅に軽減された。

    今日のレースではドライバーがレース中に行う作業が増えている。これまでと同じレベルで安全性の確保、スピードの制御、そして正確なドライビングに注意を払うだけでなく、これからは燃費を向上させる作業も求められる。

    今シーズンから、レギュレーションで1ラップあたりの最大燃料消費量規制が実施され、違反はペナルティの対象となる。仕事量が増えたドライバーの集中力を保つために、操作の負担を軽減する必要がある。

    これについて、アウディスポーツ技術部門リーダーのDr. マーティン・ミュルメイアーは「2014年シーズン開幕前から、ドライバーへの負担軽減策について検討を重ねてきました。その結果、ペダル類からステアリングホイールの機能、そして操作パネルに至るまで、コクピットのあらゆる部分を一新することになりました。さらにレギュレーションの変更にともなってシートポジションも刷新されています」と説明。

    革新的な変化は、足もとから始まった。クラッチペダルを廃止し、クラッチ操作はステアリングホイールに取り付けたパドルで行うようにした。アウディ ファクトリードライバーのルーカス・ディ・グラッシは、この方式のアドバンテージについて「別カテゴリーのマシンで、既にこの方式を経験していますが、これまでよりクラッチ操作が簡単になりました」とコメント。

    インパネやステアリングホイールの操作系も新しくなった。アウディスポーツLMPプロジェクトリーダーのクリス・レインケは「ドライバーが頻繁に操作するものは、ステアリングから手を離さずに操作出来るようにしました」と説明。このために新しく開発されたマルチファンクション ロータリースイッチが、ステアリングホイールに装着された。ドライバーは、2つのプッシュボタンを操作するだけで、マシンのバランス調整に重要な、トラクションコントロールとブレーキ制動力配分の機能を切り替えることが出来る。タンク内の燃料が消費され、マシンのバランス調整が必要となった際、ドライバーは各機能を簡単かつ頻繁に調整出来る。

    もうひとつの人間工学的な進化は、新しいレギュレーションから生まれた。今年からコクピットのサイズとシートの設置位置が変更され、ドライバーに多くのメリットをもたらした。これまでは比較的フラットな姿勢でドライブしていたが、これからは上半身を起こした姿勢でドライブすることになる。「新しいシートポジションでは、前方の視界が広くなりました。さらに、サイドウインドーを通じての横方向の視界も広がりました。これにより、ライバルとバトルする時の負担が大幅に軽減されると思います」と、ルーカス・ディ・グラッシと述べた。

    新型アウディ R18 e-tron クワトロは燃費性能だけでなく、人間工学的な面でも従来モデルから大きく進化した。アウディモータースポーツ代表のDr. ヴォルフガング・ウルリッヒは「新型モデルが持つ人間工学的な進化は、ドライバーが集中力を保ってドライブするために大きく役立っています。これにより、ドライバーの能力が遺憾なく発揮されるのはもちろんのこと、より確かなアクティブセイフティが生まれました」と述べた。

  • GP2王者ファビオ・ライマー、レベリオンからWECに参戦

    GP2王者ファビオ・ライマー、レベリオンからWECに参戦

    GP2王者のファビオ・ライマーは、2014年のWEC世界耐久選手権でレベリオン・レーシングのLMP1カーを走らせることになった。

    レベリオンとの契約は、ファビオ・ライマーは金曜日と土曜日にポール・リカールで開催されたWEC公式テストに続いて発表された。

    テストでは、ファビオ・ライマーは、旧型のロータ・トヨタ/B12/60の一台を走らせていた。

    レベリオンのチームマネージャーを務めるバート・ヘイエンは「我々はプロトライプのドライビング能力を評価するためにロータ・トヨタLMP1で彼をテストしたかった」と述べた。

    「ドライビング面とエンジニアとのフィードバックという点でテストは非常にポジティブだったし、シーズンにむけて契約に合意したと言えることを嬉しく思っている」

    ファビオ・ライマーは、テストでP1カーに適応できたと述べた。

    「たくさんのラップを走れたし、クルマで自分のドライビングスタイルを見つけ始めていた」とファビオ・ライマーはコメント。

    「多くの自信を得られているし、もっとプッシュできると思う。でも、それらのクルマでベストなドライビングをするまでにはやらなければならない作業がたくさんあるとわかっている」

    レベリオン・レーシングは、オレカが製造するレベリオン R-Oneがまだ完成しておらず、4月10日の開幕戦シルバーストンでは旧型車で参戦するとみられている。

    関連:ファビオ・ライマー、GP2のチャンピオンを獲得

  • ポルシェ、WEC公式テストでトップタイム

    ポルシェ、WEC公式テストでトップタイム

    WEC世界耐久選手権の公式テストが、28日〜29日の2日間フランスのポール・リカール・サーキットで行われ、今年からLMP1クラスに復帰するポルシェがトップタイムを記録した。

    2014年のLMP1クラスでは、アウディ、トヨタ、そしてポルシェという3つのワークスチームが激突。4月20日のWEC開幕戦シルバーストン6時間レースにむけて公式テストが行われた。

    2日間の最速タイムを記録したのは、#20 ポルシェ 919ハイブリッドのブレンドン・ハートレー。両日にトップタイムを記録したハートレーは、金曜日の午後に1分41秒289を記録した。同じ#20に乗るティモ・ヘルハルトとマーク・ウェバーも初日に1分42秒台を記録している。

    2番手タイムは、#2 アウディ R18 e-tron quattroのアンドレ・ロッテラーが記録した1分42秒073。3番手タイムは#14 ポルシェ 919ハイブリッドのロマン・デュマの1分42秒126だった。

    トヨタ TS040ハイブリッドは、#7が金曜日の午後に1分42秒356を記録して4番手タイム。5番手には#1 アウディ、6番手は#8 トヨタという結果だった。

    各ファクトリーチームは、テストのタイムを重要視しておいらず、各々がそれぞれのテストと開発プログラムを実施していたと主張。

    3つのメーカーが、走らせたマシンは空力構成も異なっていた。ポルシェはローダウンフォース仕様、トヨタは一台がル・マン向けの空力構成、もう一台がスプリント仕様、そしてアウディはハイダウンフォース仕様を走らせていた。

    テストの結果は、ターボディーゼルのアウディと、ガソリンエンジンのポルシェとトヨタの燃料配分もさらに混乱させた。FIAとACIは新規約に基づいてテスト前に燃料を配分したとしているが、それらを公表はしていない。

    1つの結論としては、先週ポール・リカールでテストを行っていたポルシェの信頼性。2台の919ハイブリッドは、第5セッションの最後に#14にエンジントラブルが発生するまで大きな問題なく走行した。

  • トヨタ、2014年LMP1カー「TS040 HYBRID」を発表

    トヨタ、2014年LMP1カー「TS040 HYBRID」を発表

    トヨタは、2014年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)を戦う新型ハイブリッド・レーシングカー『TS040 HYBRID』を初めて披露すると共に、ドライバー編成の変更を発表した。

    南フランスのポールリカール・サーキットで発表されたTS040 HYBRIDは、自然吸気のV型8気筒3.7リットルガソリンエンジンによる520馬力に、ハイブリッド・パワーによる480馬力が加えられ、1000馬力が4輪駆動で路面へと伝えられる、世界で最も進化したハイブリッド・レーシングカーである。

    ドライバーの編成は、昨シーズンから若干変更となり、#7がアレックス・ブルツ、ステファン・サラザンと中嶋一貴、#8がアンソニー・デビッドソンとニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミというチーム編成となる。

    新たなトヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)は、特に燃料消費量を規制するWEC新技術規則に合わせて開発された。また、動力系統や空力、ドライビングスタイルも多岐にわたって見直され、燃料消費量は2013年シーズンのTS030に比べて25%の削減を目標としている。

    今シーズンは流量計により燃料の消費量がモニターされ、レース中、3ラップの平均燃料消費量が規定を上回った場合には、ペナルティが科せられる。1ラップあたりの燃料消費量は、各チームの申告したハイブリッド使用率によって決まるが、トヨタ・レーシングはルマン1ラップあたり6MJ(注)のハイブリッドシステムを採用することに決定した。

    また、油脂類に関するチームのオフィシャルパートナーであるトタル社(仏)との共同作業により、トヨタ・レーシングのエンジニアは、さらなる効率とパフォーマンスを見いだした。

    新たな規則により、トヨタ・レーシングはより多くのハイブリッド・パワーを得ることとなった。減速時には、モーターを兼ねる発電機(モーター・ジェネレーター・ユニット:略称MGU)と従来型ブレーキの組合せにより減速すると共に、MGUにより回生されたエネルギーはインバータを介して日清紡製のスーパーキャパシタに蓄えられる。一方、加速時には、回生エネルギーが逆方向に移動し、前後のMGUから、合計で480馬力のパワーアシストが得られる。(フロント用MGUとインバータはAISIN AW製、リア用MGUとインバータはDENSO製。)

    4輪駆動のハイブリッド・パワーは、自然吸気V型8気筒エンジンと組み合わされ、このどちらも新世代の市販車向け技術を開発しているトヨタ自動車東富士技術研究所のモータースポーツユニット開発部で生み出された。

    既にTS030 HYBRIDの開発で得られた技術は、トヨタの市販ハイブリッド車へ活かされている。このようにWECでの技術開発は市販車に直結しており、サーキットから一般道へと技術がフィードバックされることが期待されている。トヨタは1997年のプリウス発売開始以来、これまでに600万台を超えるハイブリッド市販車を販売してきた。

    TS040 HYBRIDの車体の設計・開発・製造および参戦活動の全てをドイツ・ケルンのトヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)が行っている。TS030 HYBRIDの進化版となるTS040 HYBRIDは、車両規則変更に合わせて全幅が10cm縮められると共に、一連の安全装備が備え付けられた。

    TS040 HYBRIDの車体デザインについては、特に空力的な面で多くの努力が払われ、空気抵抗の低減は燃費向上に寄与している。また2013年シーズンに比べて5cm細くなるタイヤにより低下する路面グリップを補うべく、ダウンフォースも増加している。

    TMGが持つ最新鋭の風洞による大規模な開発により、空力効率の高いデザインがなされた。また、最新の複合素材を用いた設計および製造工程により、シャシーは非常に軽量なものとなっている。

    さらに、TMGにおける集中的なシミュレーションとコンピュータ解析によりTS040 HYBRIDのデザインは最適化され、実際のコースデータと高性能なコンピュータの計算を元に各要素のテストが行われている。

    このような最新技術により、コースでの実走テストよりもさらに効率的な開発が可能となり、TMGのエンジニアは、より長い時間をかけて、TS040 HYBRIDのシャシーやレイアウトなど全ての面で最適化を進めることが出来た。

    TS040 HYBRIDは今年1月21日にフランスのポールリカール・サーキットで実走テストを開始し、その後ヨーロッパ内で12日間、計18,000kmにおよぶテストをこなした。ポールリカール・サーキットで明日から行われるWEC合同テストの後、チームは開幕戦のシルバーストン6時間レース(4月20日決勝)へ向けてさらに1回のテストを予定しているが、この開幕戦で、トヨタ・レーシングはライバルのアウディ、ポルシェと初めてレースを戦うこととなる。

    木下美明 (チーム代表)
    我々の夢であるル・マン24時間レースでの勝利と世界チャンピオン獲得へ向け、FIA世界選手権で3年目のシーズンを戦うのを非常に楽しみにしている。チャレンジングな新規則により、もっとも市販車に近い技術を必要とするトップレベルのモータースポーツとして、この耐久レースシリーズの存在価値は高まっている。また、ポルシェという新たなライバルを迎え、この2年間戦ってきたアウディと同様に、共に戦うのを楽しみにしている。我々はWECに参戦してきたこの2年間、非常に多くのことを学んでおり、その全てを新しいTS040 HYBRIDに注ぎ込んだ。TS040 HYBRIDはトヨタがこれまでにサーキットで戦ってきたレーシングカーの中で最も技術的に進んだ車両といえる。我々のレースプログラムから得られたデータや知識、技術の進化が、将来的に素晴らしい市販車両開発に活かされ、トヨタの様々な活動の中で貢献出来ることが非常に重要だと考えている。

    村田久武 (ハイブリッド・プロジェクト・リーダー 兼モータースポーツユニット開発部部長)
    我々のトヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)は、規則変更に伴い、大幅に強化された。新規則では大幅な燃費向上を迫られたが、戦闘力維持のためには、我々はもちろん、エンジンパワーを維持していきたい。燃料消費を抑えるために出力を抑えることは、あり得ない。我々はさまざまな可能性を検討したが、最適な解決方法はハイブリッドシステムの性能向上をしながら、エンジン排気量を上げて熱効率を更に改善することだった。我々はエネルギー回生でのハイブリッドシステムを6MJ以上とするのは、重量増によってラップタイプへの影響を受けるというマイナス面があると考えた。減速時のエネルギー量を、全てリアのみで回生するのは十分ではない。このため、規則によってハイブリッドの使用が前/後どちらか1軸に限定される以前の、2007年から2011年まで開発を進めていた4輪回生・力行のハイブリッドシステム概念に還ったのだ。我々は今や、1000馬力もの強力なパワーを手に入れ、かつ、システムは目標重量に収めることもできた。これがライバル相手にどんな戦いを見せてくれるのか、楽しみだ。

    パスカル・バセロン (テクニカルディレクター)
    我々は、ACOが2012年央に新規則概要を発表した時から、すぐに初期開発とシミュレーションを始め、昨年はできる限りリソースを、このTS040 HYBRIDの開発に充てた。空力とシャシー設計のコンセプトとしては、TS040 HYBRIDは新規則で規定される車両寸法を考慮し、WEC参戦後の2年間で学んだものを反映したTS030 HYBRIDの進化型である。新しい規則は、常に挑戦を生み、シャシーと駆動系に関する大幅な規則変更で、2014年に向けては、同時にたくさんのものを変えなければいけないというのが、一大チャレンジであったと思う。主要な変更点は、更に強力なハイブリッドシステムを作ると同時に、最低重量の45kg削減に伴う大幅な軽量化も成し遂げなければいけないという、非常に厄介なものだった。実際それは本当に悩みの種だったが、軽量素材の活用と効率的設計を最大限に取り入れ、我々は目標を達成した。

  • ポルシェ、2台の919ハイブリッドによるテストを完了

    ポルシェ、2台の919ハイブリッドによるテストを完了

    ポルシェは、金曜日のWEC世界耐久選手権の公式テストを前に、今週ポール・リカールで2台の919ハイブリッドで初めてテストを実施した。テストは、2014年の正式カラーリングで919ハイブリッドが走る初の機会ともなった。

    ポルシェは、月曜日から水曜日までの3日間にわたってテストを実施。ポール・リカールは、金曜日と土曜日に行われる2日間の“プロローグ”テストの開催地でもある。

    ポルシェは、3日間で6名のドライバーで4,756kmを走破したと報告。走行は信頼性問題によって“数回”影響を受けたと述べた。

    「テストはクルー全員にとって非常にチャレンジングなものだった」とチーム監督であるアンドレア・ザイドルは述べた。

    「6時間レースに備えてレース週末をシミュレーションすることが目的だった。我々にとって非常に重要な経験だった」

    「テストでは信頼性を改善しなければならないことを教えられた。我々は正しい方向に進んでいる」

    アンドレア・ザイドルは、2日間の公式テストを“レース特有のプロセスならびに2台のクルマのセットアップの微調整”に利用すると付け加えた。

    ポルシェ 919ハイブリッド

  • アウディ、2014年LMP1カーのカラーリングを披露

    アウディ、2014年LMP1カーのカラーリングを披露

    アウディは、2014年にWEC世界耐久選手権に参戦するLMP1カー「アウディ R18 e-tron quatorro」のカラーリングを披露した。

    アウディの2014年WECシーズンは、豪華なショーで幕を開けた。新型アウディ R18 e-tron quattroはレースコースではなく、一般公道でル・マン初走行を行った。

    過去9回の優勝でル・マン24時間レース最多優勝記録を持つアウディファクトリードライバーのトム クリステンセンが、街の中心部に位置するサン・ジュリアン大聖堂からサーキットまでのルートをドライブした。

    革新的なAudi R10 TDIのワールドプレミアで、2006年にパリでの公道走行を体験しているトム・クリステンセンは「1997年からル・マンで闘い続けている私でも、こんな経験は初めてのことで、すごくエキサイティングです」とコメント。

    この異例の演出は、出場者が自分のレーシングカーを運転してサーキットに向かっていたかつてのル・マンを彷彿とさせただけでなく、アウディの最新マシンが多くの人々を驚かせることにもなった。

    昨年12月のワールドデビュー時にはブラックにレッドのアクセントが施されていた新型アウディ R18 e-tron quattroのボディは、この日、まったく新しいカラーリングで登場。ホワイト、シルバー、レッド、そしてブラックを使った新しいカラーリングは、フレッシュで豊かな表情を演出している。

    アウディでモータースポーツ等のデザインマネージャーをしているダーク・ヴァン・ブラッケルは「このカラーリングはたくさんの事柄を象徴しています。メインカラーであるシルバーは、過去のレースでの輝かしい成功を強調していますが、落ち着いた色合いにしたことで、アウディの紳士的なイメージも表現しています。シルバーの次に多く使われているホワイトは、シルバーとの抜群のハーモニーを通じて、非常に軽快な雰囲気を醸し出すと共に、ハイブリッドシステムを表現、非常に複雑なパワートレイン テクノロジーを表しています」と説明。ボディの輪郭は、プリント基板に張り巡らされた電子回路を抽象的に表現している。

    次に多いのがブラック。ブラックは、非常に明確な幾何学的形状を持つ、前後ウイング、フェンダー、ボディサイドに使われている。

    ダーク・ヴァン・ブラッケルは「マットブラックを使うことで、グロスホワイトとの絶妙なコントラストが生まれています。ブラックは、軽量設計を表現しています。エンジンカバーの大型フィンをブラックにしたことで、背骨にも似たイメージを表現しています」と付け加えています。そしてアウディのパフォーマンスカラーである特徴的なレッドが、見た目を完璧にしています。塗装を反射性の高い仕上げとしたことで、アウディのロゴやゼッケンナンバーなどを目立たせていますし、全体の中で唯一、前後方向に使われています。レッドの使い方についてダーク ヴァン ブラッケルは「反射性の高い仕上げにしたので夜間は特に見栄えがして、観客の眼に一層印象的に映ります。前後方向に使うことで、ル・マンの象徴であるスピードも表しています。ホイールにも部分的にレッドが使われています。このレッドは、ホイールが回転することで、とてもダイナミックな効果を発揮します」と説明。

    今回のイベントで新型アウディ R18 e-tron quattroは、新しいカラーリングだけが衝撃的だったわけではない。テクノロジーの新時代幕開けとも言える、新型パワートレインの基本データが公開された。簡潔に述べれば、これまで以上に燃費を向上させるため、V6 TDIエンジンの排気量が、従来の3.7リッターから4リッターにアップ。多くのエネルギー リカバリーシステムをテストした結果、アウディは最大2メガジュールまでエネルギー回生するクラスでのル・マン参戦を決めた。

    フロントアクスルに装着されているモーター ジェネレーター システム(MGU)で回生されたエネルギーは、フライホイール エネルギー ストア システムに蓄積。

    アウディモータースポーツ代表のDr. ヴォルフガング・ウルリッヒは「我々は、広範囲におよぶテストの結果から、今回のコンセプトを選択しました。より効率的なエネルギー消費、サイズ、重量、エネルギー変換の効率、レスポンス、ドライバビリティ、効率的な戦略展開の可能性などを、最適なバランスで実現しつつ、ル・マンで最も重要な耐久性をも満足させられるとの考えから、このコンセプトを選択しました」と述べた。

    AUdi R18 e-tron quatorro アウディ R18 eトロン クワトロ 画像アウディ R18 e-tron quatorro

  • トヨタ、TS040 HYBRIDを3月27日に発表

    トヨタ、TS040 HYBRIDを3月27日に発表

    トヨタは、2014年のWEC参戦マシン『TS040』を3月27日(火)にフランスのポール・リカールで発表することを明らかにした。

    トヨタは、2014年のWEC世界耐久選手権を2台のTS040 HYBRIDで全戦を戦うことが決定している。

    2014年もドライバーラインナップに変更はないが、チーム編成を変更。これまで7号車を担当していたニコラス・ラピエールは、今年は8号車に移り、一方、ステファン・サラザンが8号車から7号車に移る。

    これにより、ドライバー編成は、7号車がアレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴となり、8号車がアンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミとなる。

    TS040 HYBRIDの発表会には上記6名のドライバー全員が参加する予定となっている。

  • ポルシェ 919ハイブリッド&911 RSR:技術詳細

    ポルシェ 919ハイブリッド&911 RSR:技術詳細

    ポルシェは、2014年の世界耐久選手権(WEC)のトップカテゴリーに参戦するポルシェ919ハイブリッドをジュネーブ国際モーターショーにおいてワールドプレミアした。

    ジュネーブの展示ブースには、この革新的なハイブリッドプロトタイプに加えポルシェ911 RSRも展示され、両車両ともル・マン24時間レースがシーズンのハイライトとなるWECの全8戦に参戦する。

    ポルシェAGの会長であるマティアス・ミューラーは「ル・マン用プロトタイプの開発できわめて重要だったのは、このクラスに新たに課されたエネルギー効率に関する革命的なレギュレーションでした。2014年シーズンで勝利するのは最速の車両ではなく、規定された量のエネルギーで最も長く走れる車両です。そして、まさにこれこそが自動車メーカーが挑戦しなければならない課題です。919ハイブリッドは、私達にとって最速の移動研究室であり、これまでポルシェが製造した中で最も高度なレーシングカーです」と述べた。

    ポルシェ919ハブリッドの卓越した効率性は、バランスに優れた総合コンセプトの成果。エンジンをはじめとして、エネルギー回生システム、さらにシャシーと駆動系、エアロダイナミクス、さらにドライバーのエルゴノミクスに至るまで、個々のコンポーネントの積み重ねが抜群に効率的なユニットを形成している。

    ポルシェ919ハブリッドのエンジンは、コンパクトなV型4気筒ガソリンエンジンで、これはシャシーのロードベアリング機能も果たす。この排気量2.0リッターのエンジンは未来志向のダウンサイジングフィロソフィの最先端を行く小型・軽量のエンジンで、ダイレクト・フューエル・インジェクションおよびシングルターボチャージャーを備え、最高回転数は9000 rpmで、約500 PSの最高出力を発揮する。

    さらに、ポルシェ919ハブリッドには、2種類のエネルギー回生システムが搭載されている。特に注目すべきなのは、排気ガスの流れでジェネレーターを駆動し、排気ガスの熱エネルギーを回収する全く新しいシステム。もうひとつのシステムは、918スパイダーですでに使用されているもの。フロントアクスルのジェネレーターが、ブレーキング時に発生する運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。この電気エネルギーは、リチウムイオンバッテリーに蓄積され、ドライバーが必要とするときに電気モーターでフロントアクスルを駆動する。これにより、919ハイブリッドは、一時的に4WDで走行する。

    ヴァイザッハの開発センターでは、200名以上もの従業員から成る新たなチームを編成し、ル・マン・プロトタイプの開発および実用化に取り組んできた。LMP1のトップであるフリードリッヒ・エンツィンガーは「私達は2年半でインフラを構築、チーム編成をし、きわめて高度なレーシングカーを完成させましたが、トップを行くライバル達のレースにおける経験に多大な敬意を払っています。最初のシーズンの目標は単純明快です。それは、それぞれのレースで完走し、競争力をつけることです」と述べた。

    ロマン・デュマ(フランス)、ニール・ジャニ(スイス)およびマルク・リーブ(ドイツ)がカーナンバー14のポルシェ919ハイブリッドをドライブする。また、カーナンバー20の車両には、ティモ・ベルンハルト(ドイツ)、ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)およびマーク・ウェバー(オーストラリア)が乗り込む。

    ポルシェでは、最大のエネルギー効率による最高のスポーツ性能の追求は、「インテリジェントパフォーマンス」というブランドの中核コンセプトに集約される。これは、919ハイブリッドと911 RSRのボディにはっきりと描きこまれている。プロトタイプだけが革新的であるだけではない。ポルシェの象徴911は、常にモータースポーツでの開発から直接のフィードバックを受け続け、その7代目も大きな成功を収めている。後輪駆動の911 RSRは、インテリジェントな軽量構造とさらに洗練されたエアロダイナミクスが特徴。これらにより、ラップタイムが短縮されるだけでなく、燃費も向上している。

    470 PSを発揮する911 RSRは、2013年に登場。昨シーズンは、ル・マン24時間レースでクラス1-2フィニッシュを決め、2014年1月には米国デイトナで開催された伝統の24時間レースでクラス優勝を果たした。もうひとつのポルシェのワークスチームであるポルシェ チーム・マンタイは、4月に開幕する世界耐久選手権シリーズに2台の911 RSRで参戦する。ドライバーを務めるイェルク・ベルクマイスター(ドイツ)、マルコ・ホルツァー(ドイツ)、フレデリック・マコヴィエッキ(フランス)およびパトリック・ピレ(フランス)は、世界各地で全7戦開催される世界選手権で競う。各レースは6時間におよぶ。さらに、ル・マンでは、リヒャルト・リーツ(オーストリア)およびニック・タンディ(イギリス)がドライバーとして加わる

    ポルシェのモータースポーツ部門のトップであり、ポルシェGTモータースポーツおよびすべてのカスタマースポーツプログラムの責任者でもあるハルトムート・クリステンは「ポルシェは、当社の歴史で最も大規模なモータースポーツプログラムで2014年シーズンをスタートします。私達は現在、合計20名のワークスドライバーを擁しています。WECのワークスチームに加え、チュードル・ユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップにおいてポルシェ カーズ ノースアメリカチームから2台のワークス911レーシングカーが投入されます」と説明しています。さらにクリステンは、「今回はじめて911 RSRをカスタマーチームにも提供します」と付け加えた。

  • ショパール、ポルシェのオフィシャル・タイミング・パートナーに就任

    ショパール、ポルシェのオフィシャル・タイミング・パートナーに就任

    ポルシェは、ショーパールがLMP1のポルシェ チームと2台の911 RSRを擁するポルシェ チーム・マンタイの両方のワークスチームに「ポルシェ モータースポーツ・オフィシャル・タイミング・パートナー」として参加することを発表した。

    スイスの腕時計メーカーであるショパール(Chopard)は、「エクセレンスの追求」を掲げており、これはポルシェの本質と完全にマッチする。

    ショパールの歴史は、1860年にスイスのジュラ地方のソンヴィリエでルイ-ユリス・ショパールが生産した高精度の時計で始まり、1937年には拠点をジュネーブに移転。1963年、ドイツのフォルツハイムのカール・ショイフレがショパールのオーナーとなり、今日まで家族経営を維持している。現在、彼の子供であるキャロラインとカール-フレドリッヒが共同社長を務めている。

    スポーティさと完璧な時間管理の共存がレースに対する強い情熱へとつながり、これは1988年に「ミッレミリア」モデルが発表されて以来、ブランドのポートフォリオに組み入れられている。