カテゴリー: WEC (FIA世界耐久選手権)

  • トヨタ、2戦連続で最前列から決勝レースへ (WEC第2戦)

    トヨタ、2戦連続で最前列から決勝レースへ (WEC第2戦)

    5月2日(金)、FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースの予選が行われた。

    ウェットから徐々に乾いていく難しいコンディションの下、予選終了直前まで激しく順位が入れ替わるタイムアタック合戦が繰り広げられ、TS040 HYBRIDは#8が最前列2番手グリッドを獲得。#7はその後方4番手につけ、明日の6時間レース決勝に臨む。

    トヨタ・レーシングは、変わりやすいコンディションに翻弄されたスパ6時間レースの予選セッションで、2戦連続となる最前列グリッドを獲得した。

    開幕戦で勝利を挙げ、選手権をリードする、アンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミのTS040 HYBRID #8が、セッション終了間際までトップタイムを守っていたが、最後に惜しくもポルシェにかわされ、最前列2番手グリッドとなった。

    アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴の#7は4番手。共に濡れた路面でウェット用タイヤで予選をスタートしたが、中盤にはスリックタイヤに履き替え、タイムを上げていった。

    昨年から、WECの予選システムは2人のドライバーがそれぞれ最低2周以上のタイムアタックを行い、ベスト2周ずつの計4周平均タイムで争われる。

    #7はサラザンと中嶋がドライブ。序盤溝のないハイブリッド・インターミディエイトタイヤでアタックしたサラザンは予選終盤再び中嶋からステアリングを受け継いでコックピットに収まり、更なるタイムアップを果たした。

    #8も同様に、ブエミが最初にアタックしたが、デビッドソンのタイムアタック終了後、再びブエミがドライブし、好タイムをマークした。

    ブエミがタイムアタックを終え、セッション終了を示すチェッカーフラッグが振られた時には、#8はトップタイムを守っていた。しかし、まだタイムアタックを終えていなかった#14ポルシェがこのタイムを上回り、ポールポジションを獲得した。トヨタ・レーシングは、ポルシェのプロトタイプカーレース復帰後初のポールポジション獲得に祝福を送りたい。

    この日は、2時間ずつ2回の公式練習走行で始まり、最初の公式練習セッションから降雨に見舞われ、早速、変わりやすいことで有名な「スパ・ウェザー」の洗礼を受けることとなった。

    トヨタ・レーシングは1回目の公式練習セッションで多くの周回を重ね、6人のドライバー全員がウェットタイヤを装着して走行。#7が2番手、#8が3番手タイムをマークした。

    公式練習2回目には、コンディションが良くなり、チームはドライでのセットアップを試した。ラップタイムもコンディションの改善と共に着実に向上していった。

    公式練習では2度にわたって短い赤旗中断があったが、TS040 HYBRIDは2台共に40周以上と多くの周回をこなし、チームのトータルでは1000km以上を走破した。この公式練習セッションでは#8が2番手、#7が4番手となった。

    明日3日(土)午後2時半(日本時間午後9時半)に6時間にわたる決勝レースのスタートが切られる。

    TS040 HYBRID #7:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    公式練習第1回目:2番手(2分15秒415)42周
    公式練習第2回目:4番手(2分01秒292)41周
    予選:4番手(平均2分03秒177)

    ステファン・サラザン:
    奇妙な予選だった。WECの予選フォーマットでは通常2度も運転はしない。しかし、そのどちらでもトラフィックが問題だった。LMP1を追い抜きにかかるのがいつもトラフィックに見舞われる場所で、そのせいでタイムを失った。レースのように前車を捕まえに行ったのだが、上手く行った時もあればそうでない時もあった。とにかく今日はトラフィックが問題だった。しかし、このコースで我々のTS040 HYBRIDは好調で、レースでは当然勝ちに行く。

    中嶋一貴:
    今日はいつもの予選とはちょっと違った。状況はトリッキーで、リズムを掴むのが非常に難しかった。私がステファン・サラザンからステアリングを受け継いだ時にはコースが乾き始め、スリックタイヤでタイムアタックに臨んだ。しかし、ベストタイムを記録することは出来なかった。ただ、その後ステファンに再びステアリングを託し、好タイムを出せたおかげで4番手のグリッドを獲得することが出来た。このスタート順位なら十分に勝利を狙えると信じている。

    TS040 HYBRID #8:
    (アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
    公式練習第1回目:3番手(2分15秒467)40周
    公式練習第2回目:2番手(2分00秒638)44周
    予選:2番手(平均2分01秒836)

    アンソニー・デビッドソン:
    予選セッションのかなりの部分でトップタイムを守り続けていたので、ポールポジションを獲れなかったのは何とも残念だ。しかし我々は、ベストを尽くすことが出来たし、良い状態だと思う。セバスチャンは最後にもう一度タイムアタックへ挑み、平均ラップタイムを上げてくれた。我々はやるべきことを全てやった感じもあり、少々胸が痛い。明日は多くのポイントとトロフィーを獲得出来るよう、そちらに集中する。

    セバスチャン・ブエミ:
    ポールポジションを獲りたかったので少々残念だ。ポルシェはうまくまとめたと思う。祝福したい。今は、明日何が出来るかを見極めることだ。最前列からスタート出来るのは実に嬉しいことなので、出来る限りプッシュして行きたい。この予選セッションは最後まで厳しい戦いだった。ポールポジションの位置を守り続け、最後の瞬間にそれを失ったのは残念だが、それもレースだ。

  • トヨタ:WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間レース プレビュー

    トヨタ:WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間レース プレビュー

    トヨタは、4月20日(日)に行われたFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦シルバーストン6時間レースで初めての1-2フィニッシュを果たすというシーズンの好スタートを切った。

    チャンピオンシップをリードすることとなったトヨタは、その勢いを保ち、第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースを戦うべくベルギー・アルデンヌの森へ向かう。

    最高のデビューを飾ったTS040 HYBRIDは、ハイブリッドシステムと空力などの改良により、前年型を大きく上回る1000馬力を誇りながらも、燃費は25%の削減を果たしている。

    スパ・フランコルシャン・サーキットは、チームの本拠地であるドイツ・ケルンのトヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)からわずか120km程の場所に位置しており、第5戦の富士6時間レースと共に、スパ6時間レースもトヨタ・レーシングにとってのホームレースと言える。

    このため、スパでは多くのTMG従業員が、2台のTS040 HYBRIDに初めて声援を送ることになる。

    前戦同様、TS040 HYBRID #7はアレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴の3名が、また、開幕戦で勝利を飾った#8はアンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミの3名がステアリングを握る。

    2日間のコンパクトな日程で開催される今大会、5月2日(金)は2時間の公式練習セッションが午前9時(日本時間午後4時)と午後2時15分(同午後9時15分)の2回に渡って実施された後、午後8時(同3日午前3時)よりLMPクラスの予選が行われる。6時間の決勝レースは3日(土)午後2時30分(同午後9時30分)にスタートが切られる。

    木下美明 チーム代表:
    富士スピードウエイと同じく、スパはTMGにとってホームレースであり、全従業員と応援してくださるファンの皆さんのためにも、良い結果を出そうと、とても気合いが入っている。シルバーストンの週末のような、非常に拮抗した、予断を許さぬエキサイティングな戦いになるだろう。チャンピオンシップにとっても、ファンにとっても見どころの多いものになるに違いない。シルバーストンでは勝つことが出来たが、スパは全く異なるタイプのサーキットであり、ここでも最高のパフォーマンスが引き出せるよう、持てる力の全てを尽くす。

    アレックス・ブルツ (TS040 HYBRID #7):
    シルバーストンは、チームにとっては、良い結果を出せたということよりも、TS040 HYBRIDについてもっと知り、どうすればベストに持って行けるかを学べた点で、非常に大切なワンステップだった。この新世代LMP1カーはとても複雑で、レースの週末にやるべきことが多い。スパでは、全てのコース上での活動が2日間に集約されるので、チームにとってはさらに厳しいものになる。我々は最前列で戦うべく、全てを正しい方向に持っていけるように時間を使わなければならない。スパではたくさんのファンとTMGの仲間が来てくれるはずなので、彼らが喜んでくれるような戦績をあげられるよう、全力で戦う。

    ステファン・サラザン (TS040 HYBRID #7):
    スパでのレースは本当に楽しく、私にとっては、いつもシーズンのハイライトだ。今年は特に四輪駆動となるTS040 HYBRIDを走らせることになり、待ち切れない。3つのLMP1ワークスチームは、性能面で非常に拮抗しているので、この週末も素晴らしい戦いになると思う。我々はシルバーストンで最高のスタートを切ることが出来、#8のチームメイトと共に表彰台に上れたのは最高だった。スパでの目標が、同様の成果を達成することであるのは明らかだ。できる限りプッシュし、それが出来ると信じている。

    中嶋一貴 (TS040 HYBRID #7):
    チームとして最高の結果を得られたシルバーストンから、すぐにレースに戻れるのは良いことだ。我々はTS040 HYBRIDについて多くを学んだし、シルバーストンでレースを戦ったことは、今週末のスパへ向けた準備として有用なものとなるだろう。スパは天候が変わりやすく、それがレースに大きな影響を及ぼすことは過去のレースでも経験している。それだけに、車両のセットアップとタイヤについてだけでなく、天候にも注意を払い続けなくてはならない。しかし、雨が降っても降らなくても、この週末もエキサイティングなものになると思うし、多くの観衆がレースを楽しんでくれることを望んでいる。

    アンソニー・デビッドソン (TS040 HYBRID #8):
    スパはクラシックなサーキットで、本当に大好きだ。改修は重ねられているが、ドライブするのに素晴らしいコースであることは変わりなく、特にプロトタイプカーで走るのは最高だ。シルバーストンでの勝利の興奮はまだ冷めておらず、再びレースを戦うのが待ち切れない。2週間というのはそういう意味でもちょうどいい休息期間だ。望みうる最高のシーズンスタートを切ることが出来、我々は大きな自信を得たが、厳しい戦いの中にいることは分かっており、再び完璧な週末にすることを目標に準備を整える必要がある。

    ニコラス・ラピエール (TS040 HYBRID #8):
    私はスパの大ファンであり、昨年は純粋に楽しむために、スパ24時間レースに参戦したくらいだ。それだけに再びスパに行くのが待ち切れない。特に、TS040 HYBRIDでスパのレースを戦うというのは、素晴らしい経験になると期待している。このレースはル・マン24時間レースを前にした最後のレースであり、とても重要な週末となる。好結果だけでなく、6月へ向けての準備もしなくてはならない。#8での初レースで勝利を挙げられたことは私にとっても素晴らしい経験で、それを再現したいと思っている。またハードなバトルになると思うが、準備は出来ている。

    セバスチャン・ブエミ (TS040 HYBRID #8):
    シルバーストンの前は、どのレースカーに競争力があるのか判断するのは難しかったが、第1戦を終えた今、我々のTS040 HYBRIDは勝てるパフォーマンスを持っているが、その差は非常に小さいということが分かった。このことはファンにとってはとてもエキサイティングだが、チームにとっては非常にチャレンジングだということを意味している。しかし我々にとってはこのようなレベルでの競争こそが好ましいものであり、全力を尽くして今週末も勝利を狙う。スパを走るのはいつでも特別な経験だ。我々がシルバーストンで見せたような追い抜きを見せられたら、最高のレースになるだろう。

  • 中野信治、WEC第2戦も所属チームが参戦を見送り

    中野信治、WEC第2戦も所属チームが参戦を見送り

    中野信治の所属するミレニアム・レーシングが、WEC第2戦となるスパ・フランコルシャン6時間レースも欠場することになった。

    ミレニアム・レーシングは、財政難とみられる理由でWEC開幕戦シルーバストンを欠場していた。

    中野信治は自身のTwitterで「チームがスパへの参戦も見送る決定を下しました。開幕戦以降チームも問題の解決に向けて懸命に動き続けていたのですが。」と投稿。

    「今期共に戦う予定であったドライバー全員が大きなショックを受けています。僕自身もテストからトップタイムを叩き出し絶好調でした。この決定は余りに大きな衝撃です。悔しい。」

  • ポルシェ、919ハイブリッドがデビュー戦で3位表彰台 (WEC開幕戦)

    ポルシェ、919ハイブリッドがデビュー戦で3位表彰台 (WEC開幕戦)

    ポルシェは、シルバーストンで行われた世界耐久選手権(WEC)の第1戦で919ハイブリッドがついにレースデビューを果たし、3位でフィニッシュした。

    ポルシェ919ハイブリッドは、シルバーストン(イギリス)で開催された6時間におよぶ激しいレースで、デビュー戦にして表彰台を獲得。ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組は、ポルシェ919ハイブリッドで1周5.891 kmのサーキットを165周し、3位入賞を果たした。

    レースは豪雨のため、予定の6時間の24分前にレッドフラッグで終了し、919ハイブリッドはセーフティカーの先導のもとマーク・ウェバーのドライブでフィニッシュした。

    もう一台の919ハイブリッドをドライブしたロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組は、テクニカルトラブルにより1時間15分でリタイヤしている。

    総合優勝は、トヨタ・レーシングのセバスチャン・ブエミ(スイス)/アンソニー・デビッドソン(イギリス)/ニコラ・ラピエール(フランス)組が獲得した。

    ヴォルフガング・ハッツ (ポルシェAG 研究開発担当役員)
    「本当に誇らしく感じています。このレースは、耐久レースのトップクラスへの正式なカムバックとなるものでした。準備、オペレーション、ピットおよび2台のポルシェ919ハイブリッドのコックピットでも、非常によく統制が取れていました。レースそのものも興味深く、技術的に大きな自由度が与えられているにも関わらず、というより与えられているためなのか、WECの新レギュレーションはしっかりと機能していることがわかりました。3メーカーが、3種類の革新的なハイブリッドシステムで、最高レベルのエキサイティングな戦いを展開するのです。個人的な意見を言わせてもらえるなら、これこそがロードカーの開発に寄与するモータースポーツだと思います」

    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「プロジェクトは全体的にごく初期の段階にあるため、レースでのペースについては私はあまり心配していません。カーナンバー14のリタイヤには、私たち全員がフラストレーションを感じましたが、カーナンバー20は、6時間を通してまったくトラブルがありませんでした。初戦から表彰台に上がれたことはとってすばらしい結果であり、今夜は全員がぐっすりと眠れるのではないかと思います」

    アレクサンダー・ヒッチンガー (LMP1テクニカル・ディレクター)
    「このまったく新たなテクノロジーの複雑さを考えると、1台とはいえレースを完走したことは非常にポジティブな結果です。カーナンバー20のポルシェ919ハイブリッドは、トラブルなしで走行しました。これから、カーナンバー14のリタイヤの原因をしっかりと調査しなければなりません」

    アンドレア・ザイドル (LMP1チーム監督)
    「私達は強力なチームで、オペレーションサイドでは複雑な仕事はありませんでした。このサーキットとヴァイザッハでプロジェクトに関わったメンバー全員に感謝しています。カーナンバー20のポルシェ919ハイブリッドの3位入賞で、2013年6月のシェイクダウン以来の多大な努力が十分に報われました。レース中は、私達は適切な判断を下し、ドライバー達も困難な状況でもまったくミスをしませんでした。全員が最高の仕事をしました」

    ティモ・ベルンハルト (#20 ポルシェ919ハイブリッド)
    「これ以上望むことができないほどの結果です。ル・マン・プロトタイプへのポルシェ復帰第1戦にして表彰台獲得、というのはすばらしいとしか表現できません。完走と適切な判断が非常に重要でした。それにより膨大なデータを収集しました。よいスタートを切ることができ、前を行くライバル達に遅れずついていくことができました。雨が降り出したとき強さを発揮し、あっという間に差を詰めることができました。私のピットストップで、インターミディエートのタイヤを選択しましたが、これは正しい判断でした。結果としてこれは完璧な決断でした。チーム全員に本当に感謝しています。ここまで、長い道のりでした」

    ブレンドン・ハートレー (#20 ポルシェ919ハイブリッド)
    「ポルシェのワークスドライバーとして、初めてのスティントを終えピットに戻り、クルマをマークに渡したときは、何ともいえない感動がありました。スティントの中盤は、フロントウインドウに雨粒がつく難しいものでした。路面がウエットなのか、ラインはドライなのか、判断するのが困難でした。トラフィックに関してはリスクを冒さないようにし、タイヤにも注意していました。初仕事がうまくいき、嬉しいです」

    マーク・ウェバー (#20 ポルシェ919ハイブリッド)
    「私達にとって、すばらしい日になりました。ここに到達するまでにチームおよびファクトリーの全員が注いだ大きな努力の中で、わずかながらでも役割を果たすことができ嬉しく思っています。ティモとブレンドンも、並外れたドライビングを見せました。もう1台の919ハイブリッドは残念でしたが、日が悪かっただけのことです。ドライバー全員にとって、見極めにくい条件の厳しいレースでしたし、スリックタイヤに小雨というのは決して簡単ではありません。私達はいくつかの危険を回避することができ、難しい局面を乗り越えることができました。今日のレースはすばらしい経験となり、非常に多くのことを学びました。ピットストップでのタイヤのチョイスは完璧でした」

    ニール・ジャニ (#14ポルシェ919ハイブリッド)
    「最初、よいスタートを切ることができたのですが、第1コーナーで曲がりきれず、順位を下げてしまいました。アンダーステアの問題があり、そのため前走車についていくのが難しかったのです。24周目に左のフロントホイールにトラブルが発生し、再度ピットに戻らなければなりませんでした。チームが16分以下でクルマをコースに戻してくれましたが、これはすばらしい仕事です。しかし、30周目で別の問題でリタイヤせざるを得なかったのが残念です」

    ポルシェ WEC 世界耐久選手権

    関連:
    ・トヨタ、WEC開幕戦で参戦初のワン・ツー・フィニッシュ
    ・アウディ、WEC開幕戦はダブルリタイア

  • アウディ、WEC開幕戦はダブルリタイア

    アウディ、WEC開幕戦はダブルリタイア

    アウディは、シルバーストンで開催された2014年のFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦で卓越したパフォーマンスを発揮したものの、その後に大きな不運に見舞われた。

    2台のアウディ R18 e-tron クアトロはドライバーに怪我はなかったものの深刻なクラッシュを喫し、リタイアとなった。

    アウディは、燃費規制が一層厳しくなった新しいスポーツカー時代の幕開けに優れた技術力を結集して臨み、WEC開幕戦を順調に滑り出した。今年からルーカス・ディ・グラッシ(ブラジル)をメンバーに加えた、ゼッケン1号車を駆る昨年のワールドチャンピオン、トム・クリステンセン(デンマーク)とロイック・デュバル(フランス)は、土曜日に行われた予選でファステストラップをマークした。

    翌日にはアンドレ・ロッテラー(ドイツ)が、レースでのファステストラップをマーク。新しい規制をクリアした後も、依然としてアウディのマシンが素晴らしいパフォーマンスを持つことが証明された。

    6時間で闘われた決勝レースの序盤は非常にスリリングな展開となり、レース開始から22分後には、予選4番手からスタートしたロッテラーがトップに躍り出た。しかし、その後降り続いた雨により、コースコンディションは最悪の状態となり、不運にもルーカス・ディ・グラッシがウェット路面でスリップし、ガードレールに激突。グラッシは、何とか自力でピットまで戻ったが、モノコックに大きな損傷を受けていたため、アウディスポーツ・チームヨーストは、1号車をリタイアさせる苦渋の決断を下した。

    そして34周目に、今度はアンドレ・ロッテラーがスリップしてグラベルトラップに捉えられてた。オフィシャルのマシン回収を待つ間に、ゼッケン2号車はトップから4ラップのギャップを喫した。その後、ブノワ・トレルイエ(フランス)にバトンタッチされたマシンは4番手でレースに復帰したものの、いまだ雨が降り続く中にあって、装着されていたタイヤは、インターミディエイトだった。12周後、トレルイエは高速コーナーでグリップを失ってコースアウト。アウディ R18 e-tron クアトロはフロントセクションに自力ではピットに戻れない程の大きなダメージを負った。

    アウディはこれら2つの不幸な出来事により、WECレースで初めて、出場した2車両がともにリタイアを喫するという厳しい状況に直面した。これほどまで厳しい結果を喫したのは、2011年にロードアトランタで開催されたプチ ル・マン大会以来。それ以降、アウディ R18は全24大会で13勝を獲得(優勝確率54%)という素晴らしい好成績を残してきた。

    2週間後には、スパ・フランコルシャン(ベルギー)でWEC第2戦が開催される。アウディスポーツとアウディスポーツ・チームヨーストのメンバーには、時間との厳しい闘いが幕を開けた。チームメンバーは、第2戦までに1号車と2号車を完璧に修復し、かつル・マンでフィリップ・アルブカーケ(ポルトガル)とマルコ ボナノミ(イタリア)が駆る、第3のアウディ R18 e-tron クアトロを製作する必要もある。

    Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒ (アウディモータースポーツ代表)
    クラッシュにより2台とも失ったことは、痛恨の極みです。ル・マン プロトタイプカーのレースをノーポイントで終えたのは、2011年のロードアトランタ大会以来のことです。レース序盤で発揮したパフォーマンスは素晴らしかったと思っています。しかし、雨が降り始めた時、自分たちが立てた気象予想にこだわり過ぎ、レインタイヤへの交換を決意するまで、あまりに長い時間を掛けてしまいました。振り返ってみれば、これは多大なリスクを背負う行為であり、我々の戦略ミスでした。このミスにより、2台ともコースアウトを喫するという多大な損失を被ることになりました。ルーカス(ディ グラッシ)のマシンは、レースを継続出来ないほど大きなダメージを負っていました。アンドレ(ロッテラー)のマシンはレースに復帰出来ましたが、大きな遅れを余儀なくされていました。我々は、インターミディエイト タイヤを装着したブノワ トレルイエが無事に走ってくれることを祈っていましたが、その願いは果たされず、再びスリップを喫してしまいました。2台のマシンの損傷は非常に深刻で、次戦のスパ大会に向け、チームは一丸となって難しい局面を乗り越えなければなりません。

    クリス・レインケ (LMPプロジェクトリーダー)
    レースウィークの前半は、我々が思い描いていた通りの展開でした。何もかもが上手く運び、予選だけでなく決勝レースでも、ファステストラップをマークしました。2台ともリタイアとなったのは遺憾ですが、尋常ならざる状況が原因であったことが、せめてもの救いだと考えています。しかし、今回の不運が、より一層チームを一丸とさせ、次戦のスパに向けた準備に持てるパワーを存分に発揮出来るようになったと考えています。

    ラルフ・ユットナー (アウディスポーツ・チームヨーストのテクニカルディレクター)
    すべてのマシンがリタイアしてノーポイントでレースを終わるという、最悪のシナリオとなってしまいました。路面コンディションは本当に厳しく、タイヤ選択は非常にリスキーなものでしたが、我々は持てる技術と経験のすべてを使って、何とか完走させようと努力していました。2台ともリタイアし、レースが半分しか終わってないのに撤収を始めるとは、まったく想定外の出来事でしたが、マシンのパフォーマンスは素晴らしかったと間違いなく断言できるのが、せめてもの好材料です。これまで行ってきた新しいレギュレーションへの万全の対策が功を奏し、さらに多くのことを学ぶことが出来ました。チームメンバーにとって、2台のマシンを新たに準備するのは、過酷な作業になります。次戦のスパまでに時間はありませんが、我々はそれを成し遂げ、次こそは優勝を狙います。

    関連:
    ・トヨタ、WEC開幕戦で参戦初のワン・ツー・フィニッシュ
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  • トヨタ、WEC開幕戦で参戦初のワン・ツー・フィニッシュ

    トヨタ、WEC開幕戦で参戦初のワン・ツー・フィニッシュ

    トヨタは、FIA世界耐久選手権(WEC)第1戦シルバーストン6時間レースでTS040 HYBRID #8が優勝。#7が2位で続き、トヨタ・レーシングは新型TS040 HYBRIDのデビュー戦をチームにとってWEC参戦初となる1-2フィニッシュで飾った。

    1000馬力を誇るパワーを4輪駆動で路面に伝えるTS040 HYBRIDは、アンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミの3人が駆る#8が圧倒的な速さを見せた。同車はレース序盤に首位に立つと、その後は一度もポジションを譲ることなく、2014年シーズンの開幕戦を制した。

    変わりやすい天候に苦しみながらも、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴の#7が2位で続き、トヨタ・レーシングはWEC参戦初となる、1-2フィニッシュを飾った。

    コースコンディションは完全なドライからヘビーウェットコンディションまで、めまぐるしく変わった。最後は予定されていたチェッカーフラッグの時間まで30分程を残して、豪雨により赤旗が出され、レースはその時点で終了となった。

    レースはスタート直後から激しい順位争いが繰り広げられたが、ポールポジションからスタートを切った#7のブルツは首位をキープ。#8のブエミも5番手スタートから1周目に3位へと順位を上げた。

    2台のTS040 HYBRIDは、雨が降り始める40分過ぎ前後まで、首位争いを展開。雨が降り始めた中での最初のピットインで、#7がウェットタイヤを、#8は溝の無いインターミディエイトタイヤを選択した。

    ピットアウト後まもなく雨は小降りとなり、インターミディエイトタイヤを選択した#8のブエミは首位に立つと、TS040 HYBRIDの4輪駆動ハイブリッドシステムの利点も活かし、後続に大きな差を付けて行った。

    #7のブルツは、路面が乾いていく中でウェットタイヤのグリップが低下し、3位に後退して中嶋へとドライバー交代。中嶋は急速に乾いていく路面へ向け、スリックタイヤを選択した。

    #7のすぐ後にピットへ向かった#8も同様にスリックタイヤへと交換し、ラピエールに交代。#8が着実に首位を走行する一方で、#7の中嶋は2位へと順位を上げ、レースが折り返しを過ぎた時点で、#7をサラザンへと託した。

    その後、セーフティカーが導入されたことで、バトルは一旦中断。2位に1周差をつけて首位を走行していた#8は、このチャンスを活かしてラピエールからデビッドソンへとドライバーチェンジを行った。

    レースが残り1時間になるころ、コースは激しい雨に見舞われ、TS040 HYBRIDは2台揃ってウェットタイヤへと交換。ドライバーは#7がサラザンから中嶋へ、#8はデビッドソンからブエミへと交代し、最後の1時間へと臨んだ。

    しかし、雨はさらに強さを増し、チェッカーまで残り40分ほどで再びセーフティカーが導入された。数周のセーフティカーランの後、レース続行は不可能な状況と判断され、短縮終了が決定された。これにより、トヨタ・レーシングは参戦15戦目にして6勝目を挙げることとなった。昨年の最終戦バーレーンで勝利を挙げているトヨタ・レーシングにとっては、シーズンをまたいでの2連勝となる。

    #8のドライバーは表彰台の頂点で、1905年から続く伝統のRAC(英国王立自動車倶楽部)ツーリスト・トロフィーを授与され、デビッドソンはまた、イギリス人レーシングドライバーズクラブメンバーの最高位ドライバーに送られるリチャード・ロイド・トロフィーを獲得した。

    シーズンの第2戦となるスパ・フランコルシャン6時間レースは、2週間後の5月3日(土)にベルギーで開催される。

    木下美明 チーム代表:
    今シーズン開幕戦のシルバーストン6時間レースでトヨタ・レーシングが1、2位表彰台という、最高のスタートを切ることが出来た。チーム全員の努力に感謝している。TS040 HYBRIDの開発に我々は冬の間全力を傾けてきたが、その努力が報われて、とても嬉しい。ここシルバーストンで、信じられないくらい多くの観客を前に、最高の雰囲気の中で、ライバルとの素晴らしいレースを見てもらえたことを誇りに思う。今日の天候は非常に不安定だったが、我々は慎重にレースを進め、戦略も見事に当たった。チームのスタッフ全員がこの結果を嬉しく思っているが、アウディ、ポルシェとの戦いは非常に接近しているだけに、次戦スパも気を抜くことなく、全力でチャレンジしたい。

    TS040 HYBRID #7:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    決勝レース:2位、166周、ピットストップ6回、最速ラップ:1分44秒326

    アレックス・ブルツ:
    非常に厳しいレースだった。レース環境が目まぐるしく変わったが、自分を試し、このコンディションをマスターするには最高の環境だった。1位、2位を獲得し、選手権をリード出来たことは、トヨタ・レーシングにとっては最高の出来だった。チームにとってここまで最高の成績が得られるとは夢のようだ。しかし、戦いは非常に接近しており、これから先も厳しいレースが続くはずだ。とにかく手を抜かないでプッシュし続けなければならない。

    ステファン・サラザン:
    トヨタ・レーシングにとって最高のシーズン開幕になった。チームは素晴らしい仕事をしてくれたし、チームメイトのドライバーも難しいコンディションの中で素晴らしいレースをしてくれた。スタートではアレックスがリードし、一貴も最高の走りをした。私も良いスティントを走ることが出来たと思う。リスクを犯さず完走を目指し、その結果表彰台を獲得出来、ポイントを稼ぐことが出来た。これは重要なことだ。チームにとって最高の一日だった。

    中嶋一貴:
    今日は良い仕事が出来たので満足している。厳しい天候にもかかわらず可能な限りプッシュしたが、#8とのギャップが1分以上開いた時にはこれ以上は困難だと悟った。チームにとっては最高の一日で、素晴らしいシーズンのスタートになった。チーム全員がむしゃらに働いた結果としての初めての1−2フィニッシュを誇りに思う。自分たちを褒めたい。

    TS040 HYBRID #8:
    (アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
    決勝レース:1位、167周、ピットストップ6回、最速ラップ:1分44秒646

    アンソニー・デビッドソン:
    私の地元のレースで勝てた素晴らしい週末となった。チームはこの週末、素晴らしい仕事をしてくれた。もし、ドライコンディションであれば、アウディとポルシェと激しい戦いになっていたと思うが、雨が来ることは分かっていたし、ウェットコンディションへ向けてのチームの的確な対応が功を奏した。我々はタイヤ選択も正しく、レース運びも完璧だったことが勝因となった。また、ツーリスト・トロフィーとリチャード・ロイド・トロフィーを獲得出来たことも格別だ。 本当に素晴らしい成果で、この上ない週末となった。

    ニコラス・ラピエール:
    この週末の戦いは、拮抗して始まったが今日は2台が異なる戦略でレースに臨んだ。そして、その戦略が見事に合って、チーム全員にとって素晴らしいシーズンのスタートを切ることが出来た。さらに、最後まで何が起こるか分からない中でも十分なマージンを持っていた。 戦略上、チームが良い仕事をしてくれたことが結果に結びついた。シーズン開幕戦はいつも特別だが、今日の勝利は特に誇りに思う。それは、勝利だけでなくツーリスト・トロフィーを獲得し名前を刻めたことだ。

    セバスチャン・ブエミ:
    この結果を本当に喜んでいるし、TS040 HYBRIDのシーズン初レースで我々が勝てたことは、チームにとっても大きな自信になった。コンディションは最後には非常に難しいものとなり、完全なウェットで、セーフティカーの後ろについて走るのすら大変だった。しかし、全体としては、TS040 HYBRIDの状態は良かったので、この後のシーズンへの自信にもなった。とはいえ、戦いは非常に拮抗しており、スパでもまた良い戦いが出来ることを願っている。この結果は嬉しいが、次のレースに向けて、すぐに気持ちを切り換えなければいけない。

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    ・アウディ、WEC開幕戦はダブルリタイア
    ・ポルシェ、919ハイブリッドがデビュー戦で3位表彰台 (WEC開幕戦)

  • トヨタ、WEC開幕戦の予選でポールポジションを獲得

    トヨタ、WEC開幕戦の予選でポールポジションを獲得

    トヨタは、2014年FIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦シルバーストン6時間レースの予選で、僅差の争いの末にポールポジションを獲得した。

    アレックス・ブルツと中嶋一貴が予選アタックを担当し、ステファン・サラザンは待機となったTS040 HYBRID #7は、わずか0.005秒差でトップタイムをマークした。

    アンソニー・デビッドソンとニコラス・ラピエールがタイムアタックし、セバスチャン・ブエミがピットから見守った#8号車は、全8戦のシーズン開幕戦を5番手からスタートすることとなった。#8は予選の直前に行われた公式練習第3回目で、スーパーキャパシタの交換のため、ほとんど走行することが出来なかった。

    昨年同様、WECの予選は各車2人のドライバーが、それぞれ最低2周のタイムアタックを行う必要があり、それぞれのドライバーの最速2周、計4周の平均ラップタイムで競われる。

    ブルツとデビッドソンが25分の予選セッション開始と同時にコースイン。LMP1クラスを戦うトヨタ/アウディ/ポルシェの3マニュファクチャラーによる、非常に僅差でのポールポジション争いになることが明らかとなった。

    それぞれのドライバーが2周ずつのアタックを終えた後、#7は中嶋、#8はラピエールへと交代。

    コース上の混雑とタイヤの摩耗もあり、ポールポジション争いは激しさを増した。中嶋はファイナルラップまで安定したタイムを刻み、僅差ながらポールポジションを獲得。ラピエールはコース上の混雑に阻まれ、5番手タイムとなった。

    6時間の決勝レースは明日20日(日)の正午(日本時間午後10時)にスタートが切られる。トヨタ・レーシングはこれまでの1年半で達成したWECでの5勝という記録を更に伸ばすべく決勝レースに挑む。

    TS040 HYBRID #7:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    公式練習第3回目:6番手(1分43秒997)22周
    予選:1番手(平均1分42秒774)

    アレックス・ブルツ:
    ポールポジションにはいささか驚いたが、接近戦になる事は分かっていた。驚いた理由は我々のTS040 HIBRIDのパフォーマンスを信じていなかったと言うことではなく、ここに来るまでセッティングに関して実に多くの意見交換や議論があったからだ。そこで下した結論が正しく有効に働いたとこは明らかだ。一貴のアタックは強烈で、最高だった。とにかく我々はTS040 HYBRIDが安定して走る様に仕上げ、それは今のところ確認出来ている。だが、レースで勝つことが我々の目標であることは言うまでもない。

    中嶋一貴:
    シーズン幕開けのレースでポールポジションを獲得出来たことはこの上なく嬉しい。ライバルとのタイム争いは非常に接近していたので、最後のアタックは死にものぐるいだった。心配は6〜7周も走り込んでいるタイヤだったが、アレックスがタイヤを労って走ってくれていたので、予選後までグリップを失うことはなかった。最高のタイムアタックが出来たと思うし、トラフィックも上手くかわせた。ポールポジションを獲得出来たということはチームにとって最高の結果で、これまでの苦労が実を結んだといえる。明日のレースは全力を尽くす。

    TS040 HYBRID #8:
    (アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
    公式練習第3回目:5番手(1分43秒835)3周
    予選:5番手(平均1分43秒189)

    アンソニー・デビッドソン:
    とにかく、チームがポールポジションを獲得出来たのが良かった。7号車の仲間は素晴らしい走りをしたし、TS040 HYBRIDがこのペースで走るところを見るのも本当に嬉しい。我々の8号車は、昨日の朝からちょっとしたトラブルのため全て順調というわけではなかった。昨日の朝から予選に入るまで1周も走っていなかった。路面がずいぶんと変わっており、TS040 HYBRIDも同様だった。新品タイヤから最高の性能を引き出して走るのは非常に難しかったが、自分の走りには満足している。期待出来るのはTS040 HYBRIDが速さを取り戻しつつあることだ。

    ニコラス・ラピエール:
    チームがポールポジションを獲り、ここでの性能が分かって嬉しい。アレックスと一貴にはおめでとうと言いたい。残念ながら我々のTS040 HYBRIDは、今朝走れなかったのでその影響もあり、ベストラップを叩き出すには至らなかった。また、セットアップも少し違うものを選んでいたことも影響している。しかし、明日は長いレースになるし、望みうる最高の結果に向け、プッシュして行く。明日は雨になるようで、何が起こるかわからないが、エキサイティングなレースになるだろう。

  • トヨタ TS040 HYBRID、開幕戦の公式練習初日をトラブルなく完了

    トヨタ TS040 HYBRID、開幕戦の公式練習初日をトラブルなく完了

    トヨタは、2014年FIA世界耐久選手権(WEC)シーズンの開幕戦シルバーストン6時間レースへ向けてレースウィーク初日となる公式練習セッションを終えた。

    1000馬力を発揮し、昨年に比べて25%の燃費削減を実現した新型TS040 HYBRIDは、公式練習初日をトラブルフリーで終えた。チームはこのセッションを最大限に活用し、週末へ向けての準備を続けている。

    今日行われた2回90分間の公式練習セッションで、アレックス・ブルツとステファン・サラザン、中嶋一貴組の#7は各々のセッションで5番手と3番手タイム。アンソニー・デビッドソンとニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミ組の#8は3番手と5番手につけた。

    シーズン最初の公式セッションとなったこの日、好天に恵まれたが風の強い中で、正午直前に1回目のセッションが開始された。ブルツとブエミがそれぞれのTS040 HYBRIDをドライブし、シルバーストン・サーキットでの最初のラップを刻んだ。

    セッション前半からチームはセットアップの評価を行い、両ドライバー共に忙しく走行を重ねた。セッション中盤に#7はブルツからサラザンへと交代。まもなく#8も、この日35歳の誕生日を迎えたデビッドソンがステアリングを引き継いだ。

    TS040 HYBRIDはトラブルなく、順調に公式練習第1回目のセッションを完了。共に約200kmの距離を走破した。

    公式練習第2回目のセッションも1回目と同様の作業が続けられた。#7の中嶋がタイヤの評価に集中する一方で、#8はブエミがセットアップ作業を続けた。#7はその後サラザン、ブルツと交代し、#8は終盤にラピエールがドライブ。2台のTS040 HYBRIDは共にこの日400km以上を走り切った。

    明日19日(土)は午前9時(日本時間午後5時)から1時間に渡って公式練習第3回目が行われ、公式予選は午後12時35分(同午後8時35分)より25分間で実施される。6時間の決勝レースは20日(日)正午(同午後8時)にスタートする。

    TS040 HYBRID #7:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    公式練習第1回目:5番手(1分45秒066)33周
    公式練習第2回目:3番手(1分44秒097)46周

    アレックス・ブルツ:
    とても長かった冬を終え、ついにレースの現場に立つことが出来て嬉しい。晴天時のシルバーストンは本当に良いコースだ。新しい燃料規則が定められたため、意識を改めなくてはならず、それに順応する必要がある。これだけパフォーマンスが接近しているというのは非常に興味深い。どのマニュファクチャラーがベストポジションにつくのかはまだ分からないが、ファンにとってもとても面白い状況だろう。しかしそれは我々にとれば、目標であるライバルとの争いを勝ち取るために、さらにハードな努力を続ける必要があるということを意味する。

    ステファン・サラザン:
    シルバーストンに再び来られたことを喜んでいる。最初のセッションでは異なるセットアップを試し、その後、一貴がロングラン走行を実施したことで、いくつかの貴重な情報が得られた。私は2回目のセッションでチェックのために一度ドライブしただけだ。風の状況はわずかに変わったが、コースコンディションは最初のセッションよりも向上していた。これまでのところ、全てが上手く行っている。いつも通り、データを解析して明日の予選に向けての準備を行うことになる。

    中嶋一貴:
    今日は全てが順調だった。2回目のセッションでロングランを担当したが、調子も良く、車両のバランスにも満足している。ロングランでのタイヤの摩耗具合をチェック出来たので、決勝レースの戦略を立てる上でも有用な情報となるだろう。ラップタイムから何が読み取れるのかは分からない。我々はそれぞれの車両のプログラムに則って全て作業をこなしてきた。全体的に良い初日であり、明日の予選への準備が出来ていると共に、目標も明確だ。

    TS040 HYBRID #8:
    (アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
    公式練習第1回目:3番手(1分44秒661)37周
    公式練習第2回目:5番手(1分45秒329)36周

    アンソニー・デビッドソン:
    シルバーストンで、地元のファンの前に戻ってくることが出来て嬉しい。TS040 HYBRIDの感触は良好で、バランスに関する作業をこなしたが、全てが上手く進んでいる。我々はアウディとポルシェと良い勝負をしているように感じられ、面白いレースになると思う。天候は重要な要素であり、レインコンディションになれば、ハイダウンフォースなセッティングについて考慮する必要があるだろう。全体的に見れば良い一日で、車両の信頼性も高い。決勝レースへ向けて良い兆候だ。

    ニコラス・ラピエール:
    私は最初のセッションではドライブしなかったが、アンソニーとセバスチャンが多くの周回をこなしてくれた。2回目のセッションでドライブしたが、新型TS040 HYBRIDでこのコースを走るのは非常に面白かった。最良のバランスを得るべく様々なセッティングを試し、決勝レースでの戦略を最適化するために多くの作業をこなした。予選で最善を尽くせば、良い位置につけられると思う。

    セバスチャン・ブエミ:
    今日のテストは順調に進んだ。異なる仕様のタイヤと様々なセットアップオプションを試すなど、全てのプログラムを完了した。今日得られたデータを使って、予選、そして決勝レースに向けて更にパフォーマンスを向上させることになるだろう。我々がどの位置にいるのかを判断するのはまだ少し早いが、予選後には我々のポジションについての答えが出るはずだ。非常に接近した戦いになると思っており、それだけに日曜日までハードワークを続けなくてはならない。

  • 中野信治、所属チームがWEC開幕戦への参戦を見合わせ

    中野信治、所属チームがWEC開幕戦への参戦を見合わせ

    中野信治が今年WECへの参戦を予定しているミレニアム・レーシングが、WEC開幕戦シルバーストンの参戦を見合わせた。

    「ご報告です」と中野信治は自身のTwitterに投稿。「今週末にシルバーストンにて開幕するWECへの参戦をチームが急遽見合わせることになってしまいました。チームに関するクリティカルな問題によるものですがここで詳しくは書けません。ただこの問題は既に解決に向かっており次戦スパからは予定通り参戦予定です」

    「順調に準備を進めてこられていただけに、チーム、そしてドライバー全員にとっても本当に厳しい決断です。ただ今は前を見続けるしかないと思っています。下を向いたら悔しくて泣いてしまいそうなので。開幕戦を楽しみにしてくれていた皆さんごめんなさい」

  • トヨタ、新型TS040 HYBRIDのデビュー戦へ向けて準備万端

    トヨタ、新型TS040 HYBRIDのデビュー戦へ向けて準備万端

    トヨタは、今週末の2014年FIA世界選手権(WEC)開幕戦、シルバーストン6時間レースで、1000馬力を発揮する新たなTS040 HYBRIDのデビュー戦を迎える。

    新しいTS040 HYBRIDは、トヨタの画期的な4輪駆動ハイブリッド技術を採用し、ル・マン24時間レースを含む、今季のWECシリーズ全8戦へ向けた準備として25,000km以上のテスト走行を終えている。

    開幕戦シルバーストンでは、ハイダウンフォース仕様のTS040 HYBRIDが投入される予定で、この仕様は6月のル・マン24時間レース用に、最高速を重視したローダウンフォース仕様と比べ、最高速よりも空力的なグリップを重視している。

    TS040 HYBRIDの#7はアレックス・ブルツとステファン・サラザン、中嶋一貴の3名が、 #8はアンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエールとセバスチャン・ブエミの3名がドライブする。

    トヨタ・レーシングはこれまで2回出場したシルバーストン戦でどちらも表彰台フィニッシュを果たすと共に、昨年は予選で1-2番手を獲得した。今回はもちろん、新たなシーズンの完璧なスタートを切るべく、優勝を目指す。

    TS040 HYBRIDは2014年の新車両規則に従い、更にパワフルになった。3.7リットル自然吸気ガソリンエンジンから生み出される520馬力に、新たなハイブリッドシステム(THS−R)が発揮する480馬力が加えられると同時に、消費燃料は昨年までのTS030 HYBRIDに比較して25%低減されることとなった。

    TS040 HYBRIDの減速時には、前後車軸に取り付けられたモータージェネレータが、一般的なメカニカルブレーキとの組み合わせで制動力を生み出すと同時にエネルギーを回収し、スーパーキャパシタに蓄積する。加速時には、モータージェネレータはその役目を反転させ、モーターがパワーブーストを行う。

    昨年までと異なり、TS040 HYBRIDはコース上のいかなる場所でもエネルギーの回生/力行を行うことが出来る。これにより、チームはこのハイブリッド技術を、燃費に振るか性能に振るか、戦略的な選択が出来るようになった。

    ドライバーがシルバーストン・サーキットでこの最新鋭技術を駆使する最初の機会となるのは、18日(金)11:55(日本時間19:55)と15:55(同23:55)からそれぞれ90分ずつの練習走行セッション。19日(土)は9:00(同17:00)から1時間の最終練習走行セッションを経て、12:35(同20:35)から25分間でLMPクラスの予選が行われる。決勝は20日(日)正午(同20:00)に6時間レースのスタートが切られる。

    木下美明 チーム代表:
    プレシーズンテストを全て終えて迎える開幕戦シルバーストンは、どのレースカーが速いのか、真のジャッジが下される最初のレースとなる。それは非常にエキサイティングな瞬間であり、その瞬間を何ヶ月も想い続けてきた。チームはこのレースのために、信じられないほどハードな作業をこなしてきており、必ずそれが報いられると信じている。我々はパフォーマンスと信頼性の目標を掲げてきたが、それがレースにおいてどのレベルか分かることになる。3つのマニュファクチャラーがLMP1クラスで戦うことで、エキサイティングなシーズンになると思う。それはファンにとっても素晴らしいニュースであり、我々チームにとっても良いプレッシャーになる。我々はこれまでにないほど十分な準備をして来ており、日曜日にどのようなレースが繰り広げられるのか、とても楽しみだ。

    アレックス・ブルツ (TS040 HYBRID #7):
    冬の間にやって来たことが、我々の望むトップレベルに十分かどうかがシルバーストンで明らかになる。我々はTS040 HYBRIDで多くの周回を重ね、素晴らしい進歩を遂げてきた。TS040 HYBRIDで用いられている技術、特にハイブリッドシステムは驚くべきものであり、これをドライブ出来るというのは本当に光栄だ。我々は十分な準備をして来たと思っているが、過剰な自信は禁物だ。シーズンのスタートを勝利で飾るためのチャンスを最大にするためにも、シルバーストンでの週末が全て順調に行く必要がある。

    ステファン・サラザン (TS040 HYBRID #7):
    TS040 HYBRID #7での初めてのレースであり、アレックス、一貴と共に初めてレースウィークを戦うのが楽しみだ。チームの誰もが開幕戦を迎えて興奮していると思う。新しい車両規則と、新しいマニュファクチャラーの参戦により、今季は大きな挑戦となる。しかし、我々は十分に準備をして来ており、ライバルを迎え撃つ用意も出来ている。昨年の最終戦で私はトヨタ・レーシングでの初勝利を挙げたが、その記憶が冬の間も私の士気を高めてくれた。今季も初戦シルバーストンから更なる勝利を狙って行きたい。

    中嶋一貴 (TS040 HYBRID #7):
    レースに戻るのは嬉しいし、TS040 HYBRIDがシルバーストンでどれだけのパフォーマンスを発揮出来るか見るのを待ち切れない。シルバーストンは私にとって好みのサーキットの一つであり、とても良く知っている。あの楽しいコースで、4輪駆動の1000馬力を経験するというのはどのようなものなのか、そしてライバルとの直接対決も、非常に楽しみだ。今年の選手権争いは非常にハイレベルなものになるだろうし、その中に加われるのはエキサイティングだ。もちろんこれはチーム全員にとって大きな挑戦であり、開幕戦から出来る限りハードにプッシュしていくつもりだ。

    アンソニー・デビッドソン (TS040 HYBRID #8):
    シルバーストン6時間レースを、ずっと楽しみにしていた。私にとって母国でのレースであり、トヨタ・レーシングにとっては重要なシーズンの開幕戦だ。全ての開発とテストを終え、開幕戦はどのチームが優勢なのか、本当の力が明らかになる。我々は冬の間もハードワークを続けて来た。TS040 HYBRIDは昨年の車両に比べても、大きな進歩を遂げたと思っている。昨年最終戦バーレーンで味わった勝利はまだ記憶に新しい。それだけに、この週末、更なる勝利へ向けての意欲に満ちている。

    ニコラス・ラピエール (TS040 HYBRID #8):
    シーズン最初のレースであると共に、私にとっては#8のドライバーとしてアンソニー、セバスチャンと共に戦う初めてのレースとなる。もともと我々は良い関係を築いていたが、それは冬の間に更に強固なものとなった。私は#7で4勝を挙げているが、今度はそのチームがレースを戦う相手になるというのは不思議な気分だ。しかし、これらはチームのための決断であり、重要なのはトヨタ・レーシングとしてシルバーストンで好結果を勝ち取ることだ。プレシーズンテストが順調に進んだこともあり、私はこのチームが十分な競争力を持っていることに自信があるし、LMP1クラスのバトルがどのようなものになるのか、パドック全体が注目している。

    セバスチャン・ブエミ (TS040 HYBRID #8):
    私にとって耐久レース2年目のフルシーズンとなるが、過去12ヶ月で多くのことを学んだ。2014シーズンに向けて良い準備が出来たと感じているし、チームも良い状態にあると思う。もちろんそれはシーズンの成功を保証するものではないが、自信と、シルバーストンへ向けての高い期待をもたらしてくれる。間違いなくタフな戦いになるだろうが、我々には素晴らしいハイブリッド技術があり、その走りは必ず見る人を驚かせるだろう。そしてそれはシーズン開幕戦で好結果を得るための大きな原動力になるはずであり、それこそが今週の目標だ。