カテゴリー: WEC (FIA世界耐久選手権)

  • トヨタ、同タイムながら惜しくもポールポジションを逃す (WEC第6戦)

    トヨタ、同タイムながら惜しくもポールポジションを逃す (WEC第6戦)

    FIA世界選手権第6戦の上海6時間レースの予選、トヨタ・レーシングはかつてないほどの接戦を繰り広げたが、惜しくもポールポジションを逃した。

    ドライバーズ選手権でトップを走っているTS040 HYBRID 8号車のアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミの二人は、ポルシェ14号車と4周平均で1000分の1秒まで全く同じトップタイムを記録したが、同タイムの場合、先にベストラップを記録した方を優位とするため、2番手からのスタートとなった。

    7号車をステファン・サラザンと共に駆るアレックス・ブルツと中嶋一貴は、トップから0.234秒差の平均タイムをマークし、2列目4番手から決勝スタートを切る。

    予選は降雨が心配される中、少々の雨粒はあったが、過去の2シーズン、上海で2度ポールポジションを獲っている7号車のブルツと、8号車のデビッドソンは、コースがまだ乾いている内にスリックタイヤでセッションをスタートした。

    2台のTS040 HYBRIDは予選開始からコンスタントにタイムを刻み、ポールポジション獲得に向けて周回を重ねた。ブエミに交替した時点での8号車の順位は3番手、中嶋がブルツからドライブを引き継いだ時点で7号車は4番手だった。中嶋は3周のタイムアタックを終え、セッション終了間際までピットレーンで待機しつつ、結局4番手のグリッドに落ち着いた。

    予選では2人のドライバーが最低2周、合計4周のタイムアタックをこなす必要があり、それぞれのドライバーが記録した最速2周の平均タイムの合計でグリッド順位が決められる。チェッカーフラッグが振られ予選が終了した時点で、8号車はポルシェ14号車と全く同じ平均タイムを記録していた。

    しかし、4周の平均タイムで、ベストラップを先に記録した方を優位とする規則のため、8号車は、残念ながらポールポジション獲得とはならず、最前列2番手からのスタートとなった。

    明日2日(日)の決勝レースは、現地時間午前11時(日本時間正午)に6時間のスタートが切られる。

    TS040 HYBRID 7号車:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    公式練習3回目: 3番手(1分48秒859) 24周
    予選:  4番手(平均1分48秒534)

    アレックス・ブルツ:
    僅かコンマ数秒届かず4番手となってしまいましたが、重要なのは決勝レースです。レースは6時間と長丁場ですし、上位争いは僅差の戦いとなるはずです。予選のスタート直前に弱い雨がありましたが、コース路面は問題なく、TS040 HYBRIDの感触も悪くありませんでした。我々は決勝レースのために、それぞれ最低限のアタックラップでタイヤを温存するという判断を下しました。

    中嶋一貴:
    我々にとっては良い予選でした。セットアップの面で進歩を遂げられたと考えており、TS040 HYBRIDには満足しています。もう少しタイムを詰めることも出来たと思うので、その面では若干残念なところもありますが、その分も明日巻き返します。決勝レースでの我々の競争力は高いと思いますので、良いバトルが出来ることを楽しみにしています。

    TS040 HYBRID 8号車:
    (アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)
    公式練習3回目: 2番手(1分48秒417) 23周
    予選:  2番手(平均1分48秒300)

    アンソニー・デビッドソン:
    4周平均で全く同タイムという結果となり、ポールポジションを逃したのは残念ですが、彼らの1周目は驚くべきタイムでした。我々にとっては今季最高の予選とは言えませんでしたが、そこから学ぶこともあると思います。いくつかの理由で1周目はグリップを得るのに苦戦し、スピードも足りませんでした。そのため、平均ラップを向上させるために、追加のアタックラップを走ることになりました。全体的に見れば、我々はタイムを向上させましたが、それ以上にライバルが頑張ったと言うことです。彼らはポールポジションにふさわしい走りでした。明日は良いレースが出来そうです。

    セバスチャン・ブエミ:
    もちろん、ポールポジションを逃したのは残念です。信じられないほどの接近戦でしたが、ライバルのポルシェを祝福したいと思います。ポールポジション獲得のボーナスポイントは欲しかったですが、僅か1ポイント差です。明日の決勝レースはもっと多くのポイントを獲得出来る場として、そこに集中します。我々は良い状況にあると思っています。

  • トヨタ:WEC第6戦 上海6時間レース プレビュー

    トヨタ:WEC第6戦 上海6時間レース プレビュー

    トヨタは、全8戦で戦われているFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦上海6時間レースに、現在首位に立っている選手権のリードをさらに広げるべく全力で臨む。

    チームは第5戦富士6時間レースで1-2フィニッシュを飾り、ホームコースでの3連覇を果たした。この結果、トヨタはマニュファクチャラーズ選手権で8ポイント差の首位に立ち、上海へと向かう。

    富士で今季3勝目を挙げ、ドライバーズ選手権首位の座を守ったTS040 HYBRID#8のドライバー、アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミは、今回も2名で走る予定。ニコラス・ラピエールは、都合により今シーズンの残りのレース出走をとりやめることとなった。

    アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴のドライブするTS040 HYBRID #7は、上海での過去2戦でポールポジションを獲得しており、3年連続ポールポジションを目指す。

    昨年の上海6時間レースはポールポジションこそ獲得したものの、不満の残る結果となってしまった。#8が勝利へ向け好走を見せていたが、サスペンションのダメージによりリタイアを余儀なくされてしまった。#7は終盤タイヤのパンクに見舞われ、2位に終わった。

    しかし、トヨタ・レーシングは上海での優勝トロフィーをケルンの本拠地に飾っている。ブルツとラピエールのドライブした#7が2012年の活躍のひとつとして上海で勝利をもたらしたからである。

    四輪駆動から1000馬力を発揮するトヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)は今年、25%の燃費削減を果たしながらも更なるパワーを得ており、16のコーナーを持つ1周5.451kmの上海国際サーキットには適していると思われる。

    上海6時間レースのスケジュールは、10月31日(金)に午前10時45分と午後3時半(日本時間の午前11時45分と午後4時半)からの1時間半にわたる2度の練習走行が行われる。11月1日(土)は午前9時半(同午前10時半)から1時間の最終練習走行の後、午後1時55分(同午後2時55分)からLMPクラスの予選が25分間で実施され、6時間の決勝レースは11月2日(日)午前11時(同正午)にスタートが切られる。

    木下美明 チーム代表:
    「富士6時間耐久レースでの1,2位という結果は大きな自信になったが、今週のレースも世界選手権タイトル獲得に向け、これまで以上に気を引き締めて臨む。今まで、特に上海ではトヨタTS030 HYBRIDは非常に速かった。今年のモデルTS040 HYBRIDもそれに劣らない力を発揮してくれると期待している。もちろん富士の後、我々の強力なライバルも更に進化しており、レースは非常に厳しい戦いになると思う。我々も、全力でレースに臨みたい」

    アレックス・ブルツ(TS040 HYBRID #7):
    「このサーキットには良い思い出があり、上海戦は楽しみにしている。コースレイアウトが私のドライビングスタイルによく合っているので、運転のリズムに乗り易い。それに、ここでは2012年にはポール・トゥ・ウィン、昨年もポールポジションを獲得したという好戦績を残している。このサーキットはTS040 HYBRIDの特性に合っていると思うので、期待している。富士での1-2フィニッシュは最高の弾みになったので、残るレースも全開で頑張る」

    ステファン・サラザン(TS040 HYBRID #7):
    「また中国で走ることにとても興奮している。いくつかの高速コーナーや面白い要素があって、このコースは好きだ。昨年のレースはついていない結果となったが、それまでは良い戦いをしていたし、#7と#8の2台のTS030 HYBRIDは非常に速く、強かった。特にアレックスは速かった。我々はシーズンを通じて高い競争力を見せ続けて来たし、この週末もまた勝てると自信を持っている。我々の目標は世界選手権でのライバルに対するリードを広げることだ。出来る限りプッシュする」

    中嶋一貴(TS040 HYBRID #7):
    「上海を最後に走ったのは2009年で、LMP1でここを走るのは初めて(2012・2013年はブルツとラピエールの2名で参戦)なので、上海に戻って来るのがとても嬉しい。ここは非常にトリッキーなコースで、攻略法を覚えるのは容易ではない。タイヤにも厳しく、周回遅れの車両の処理も難しいだろう。我々のTS040 HYBRIDがこのコースで速いことは知っているので、また勝てるように頑張る。そして、ここが、2つの世界選手権タイトル獲得のために、とても重要なレースになるだろう。シーズンも終盤戦に入るので、それだけに大量ポイントの獲得が大切になる」

    アンソニー・デビッドソン(TS040 HYBRID #8):
    「マニュファクチャラーとドライバーの両選手権でリードを保って上海に向かえるのは素晴らしいことだ。シーズン終了時点でこのポジションにいられるよう全力を尽くす。昨年はレースをリードしながらも技術的トラブルでリタイアしており、私個人にとって上海はやり残した仕事といえる。今年は必ず勝利し、この仕事をやり遂げるつもりだ。我々はまだ富士の勝利の余韻に浸っているが、気持ちを入れ替え、必ず選手権タイトルを獲得するつもりで残り3戦に立ち向かう」

    セバスチャン・ブエミ(TS040 HYBRID #8):
    「昨年の上海のレースは、トラブルでリタイアするまで最高の流れだった。予選でポールポジションを獲得し、決勝レースでは最初からリードした。我々のTS030 HYBRIDは明らかに最速だった。この素晴らしい思いを胸に、今年もレースを楽しんで来たい。上海サーキットはTS040 HYBRIDに適したコースだと思うので、今年も良いレースが期待出来る。ポールポジションからスタートして1,2位でゴールした富士6時間は理想的なレースだったが、この勢いを活かし、世界選手権タイトル獲得へ向け戦う。残り3戦が勝負だ」

  • ポルシェ 919ハイブリッド:ステアリングホイール解説

    ポルシェ 919ハイブリッド:ステアリングホイール解説

    ポルシェのワークスチームからFIA世界耐久選手権(WEC)のル・マン・プロトタイプ・クラス1(LMP1)に参戦する919ハイブリッドは、ステアリングホイールで各種のセッティングを行うことができる。

    ドライバーは両手でコンピューターを操作することができる。彼らは、ポルシェが製造した最も複雑なレーシングカーを制御するために、ステアリング上24個のボタン/スイッチと裏側6つのパドルを操作しなければならない。

    一般的にはステアリングホイールと呼ばれているが、919ハイブリッドのそれは多くのレーシングカーと同じように円形ではなくフラットな矩形で、これはドライバー交代に必要なスペースを確保するための形状。この形状でなければ、特にマーク・ウェバーやブレンドン・ハートレーなど長身のドライバーは、長い脚を迅速に収めるために苦労することになる。

    ポルシェ 919ハイブリッド ステアリングホイール

    中央の大型ディスプレイは、ドライバーに多くの情報を提供する。情報には、速度、選択ギア、選択中のエンジンマネージメント、リチウムイオンバッテリーの充電状態(前輪を駆動するためにどのくらいの電気エネルギーを使用できるか)が含まれる。919ハイブリッドでは、フロントアクスルの電気モーターが後輪を駆動する2リッター4気筒ターボエンジンをアシストする。左上のコントロールボタンで表示される情報を選択し、右グリップのコントロールボタンで夜間にディスプレイの輝度を下げる。同様に左グリップのコントロールボタンは、ピット無線の音量調節用で、右上の4つめのロータリースイッチはフロントワイパーの作動間隔を変更するためのもの。

    ステアリングホイールのボタン/スイッチは、ドライバーがレースで確実に操作できるように、慎重に配置されている。最も頻繁に使用するボタンは、親指が届くように上部外端に沿って配置されている。最も頻繁に使用する右上のブルーボタンは、ヘッドライトフラッシャー。これは、WECにおいて、速いプロトタイプが遅い車両を追い越す前に警告用に使用する。一度押すとヘッドライトが3回点滅する。当然、昼間はヘッドライトの点滅を確認するのが難しいので、ドライバーはほとんど親指をそこに置いたままになる。

    左上のレッドボタンも使用頻度が高く、バッテリーからエレクトリックパワーを引き出すときに使用する。いわゆる「ブースト」。ドライバーは追い越すためにブーストできるが、1周のエネルギー量は規定されているので、パワーの割り当てには注意が必要。ル・マンの1周で使用できるエネルギー量は6MJで、短い距離のサーキットでは変わってくる。トラフィックから抜け出すために周回の途中でエネルギーを消費すると、ストレートの最後で使えなくなる。

    左右のさらに内側には、駆動力を前輪と後輪にバランス良く配分するために、フロントとリアのトラクションコントロールを調節するプラスとマイナスのスイッチがある。イエロー、ブルー、ピンクのこれらのスイッチは、それほど頻繁に使用されることはない。

    さらに下のオレンジボタンは、ドリンクシステム(左)と、トランスミッションのニュートラルボタン(右)。左下のレッドボタンは、フロントウインドウウォッシャーで、右側のレッドボタンは、速度が制限されているピットレーンを走行するときに使用するスピードリミッター。

    中央上部には無線コミュニケーションのグリーンボタン(左)と、OKボタン(右)がある。ドライバーは、OKボタンを使用してピット無線を介して要求のあったセッティングの変更を実施したことを伝える。ロータリースイッチを使用するセッティングの変更は、片方の手をステアリングホイールのグリップから放す必要があるため通常はストレートで行う。

    「マルチ」と呼ばれる2つのロータリースイッチは互いに連携している。左側はABC設定、右側は数値設定。エンジンマネージメントやフューエルマネージメントのプログラムは、A2やB3など文字と数字の組み合わせによって指示される。他の3つのロータリースイッチは、ブレーキバランスのプリセレクト、トラクションコントロールのウェットコンディションまたはドライコンディションのセッティング、およびハイブリッドプログラムに使用する。

    スイッチは夜間でも簡単に識別できるように、ドライバーのヘルメットに取り付けたブラックライトランプに反応する蛍光カラーが使用されている。

    ステアリングホイールはカーボン製で、グリップハンドルは滑り止めラバーで覆われている。パワーステアリングシステムにより、細いグリップにもかかわらずドライバーはステアリングを問題なく操作することができる。ステアリングホイール裏側には6つのパドルが配置されている。中央のパドルはギアチェンジに使用し、右パドルを引くとシフトアップ、左パドルを引くとシフトダウンする。左右が同じ機能をもつ一番下のパドルはクラッチ操作用。右コーナーか左コーナーかによって、使いやすいほうを選択することができる。左上のパドルはブースト用で、ドライバーは好みでフロントのボタンかこのパドルを使用することができ、右上のパドルによってエネルギーの回生を手動で作動させることができる。ドライバーはハンドブレーキをかけるような感覚で、運動エネルギーから得た電気エネルギーをバッテリーのリザーバーに供給できる。

  • ジェンソン・バトンのマネージャー、ポルシェとの交渉を認める

    ジェンソン・バトンのマネージャー、ポルシェとの交渉を認める

    ジェンソン・バトンのマネジャーを務めるリチャード・ゴッダードは、ジェンソン・バトンがマクラーレンのシートを失った場合、2015年はル・マンのスポーツカーシリーズに転向する可能性があるとし、ポルシェと話し合いをしていることを認めた。

    2014年シーズンも残り3レースとなったが、マクラーレンは、まだ来季のドライバーラインアップを公表していない。マクラーレンは、フェラーリ離脱が濃厚とされるフェルナンド・アロンソと交渉していると報じられている。

    リチャード・ゴッダードは「マクラーレンは、自分たちがどうするつもりなのかわかっていないし、ラインなップがどうなるかも知らない」と Daily Mail にコメント。

    「ジェンソンは、非常に競争力のあるレーシングドライバーであり、レースをしたがっている。F1の後方グリッドに座るには優秀すぎる。F1で競争力のあるマシンに乗るか、別のところでそれを見つけるかだ」

    同紙によると、ジェンソン・バトンはすでにポルシェと話し合いを行っているという。

    ル・マン24時間レースを含む世界耐久選手権でポルシェを駆るドライバーには、かつてジェンソン・バトンと共にF1を戦ったマーク・ウェバーがいる。

    「世界耐久選手権は勢力を増している素晴らしいシリーズであり、そこで戦うマークは多くを加えている」とリチャード・ゴッダードは述べた。

    現在、現役F1ドライバーの中で最も経験豊富なジェンソン・バトンは263戦に出走し、15勝を記録している。

  • トヨタ、1-2フィニッシュでホームレース3連覇 (WEC第5戦富士)

    トヨタ、1-2フィニッシュでホームレース3連覇 (WEC第5戦富士)

    トヨタは、富士スピードウェイで行われたFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦富士6時間耐久レースで1、2位を独占。ホームレースである日本ラウンドで2012年の参戦以来、無敵の3連勝を打ち立てた。優勝はアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミが駆ったTS040 HYBRID #8。

    富士のレースで過去2連勝を挙げているTS040 HYBRID #7は、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴のドライブで僅差の2位に入った。

    2台のTS040 HYBRIDは3位以下のライバルに1周の差を付け、マニュファクチャラーズ選手権でもアウディを逆転、8ポイント差の首位に立った。

    ドライバーズ選手権の順位は、勝利を得た#8のアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミがチームメイトで今回欠場したニコラス・ラピエールに26ポイント差を付けてトップ、ラピエールの背後にはアウディ#2のドライバー達が29点差で続いている。

    昨年のレースは大雨に祟られて僅か16周で終了したが、今年は天気にも恵まれ、気温は摂氏14度と涼しい気候ではあったが、コース上では熱を帯びた激しい戦いが繰り広げられた。

    ポールポジションからスタートを切った#8のブエミは、1コーナーで後続から軽く追突され3位へと後退したが、1000馬力を4輪で駆動するトヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)のパフォーマンスにも助けられ、1周目の間にライバルを抜き返し、首位でストレートへと戻って来た。

    中嶋もスタート直後の激しいバトルの中で順位を上げ3位へ躍進。ライバルのポルシェ#20が早めのピットインを行ったこともあり、レース序盤にして2台のTS040 HYBRIDが1-2体制となり、後続との差を広げていった。

    スタートからまもなく1時間になろうかというタイミングでチームは1回目のピットストップを行い、#7はサラザン、#8はデビッドソンへとドライバーチェンジ。タイヤも交換し、首位争いに復帰した。

    他クラスの車両により混雑したコース上での首位争いを繰り広げながらも、3秒ほどの差で連なったまま周回を重ねた2台のTS040 HYBRIDは、両ドライバー共に2回のスティントを問題なくこなし、3位以下との差を約1周近くまで広げた。

    レースが半分ほどを消化したところで、ブエミが#8のコクピットへと戻り、#7もブルツがステアリングを握り、後半戦も2台のTS040 HYBRIDによるレースの支配が続いた。

    ライバルに1周以上の差をつけたことで、この週末、最大のポイントを獲得することを目標に、チームは慎重なタイヤ戦略を採り、ドライバーもコース上の周回遅れを用心深くクリアしていった。

    その後、#8はデビッドソン、#7は中嶋が再びステアリングを引き継ぎ、さらに、#7は最後の1時間をサラザンへと託し、2台のTS040 HYBRIDは、この週末、富士スピードウェイに集まった5万1千人のファンの前で、1-2フィニッシュという最高の結果でチェッカーフラッグを受けた。

    WECは、来月11月にシリーズ終盤の3戦をこなすクライマックスを迎える。11月2日(日)には第6戦上海6時間レース、そして第7戦はバーレーン、最終戦はブラジル・サンパウロで行われる。

    木下美明 チーム代表:
    ホームレースで1-2フィニッシュを果たしたチームとドライバーを本当に誇りに思う。ここ富士では過去2連勝を挙げているが、今年の勝利は格別だ。多くの人が、ホームレースということに特別なプレッシャーを感じるかと尋ねてきた。しかし、実際には特別なサポートを感じていただけだった。全てのファン、富士スピードウェイの方々、それから今週末にこのような勇気を与えてくれたトヨタの仲間たちに感謝したい。TS040 HYBRIDはこの週末、本当に強かった。この力を今シーズンの残り3レースでも出せるように努めたい。

    TS040 HYBRID #7:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    決勝結果: 2位 236周、ピットストップ6回、最高ラップタイム:1分27秒887

    アレックス・ブルツ:
    ホームレースで1-2フィニッシュ出来たことは本当に素晴らしいし、予想もしていなかった。非常に攻略の難しいコースだが、タイヤの選択とセットアップで課題を上手く克服出来た。これが、今日この結果を得るチャンスになった。このような1-2フィニッシュを果たせ、ファン、トヨタの仲間たち、そしてチームと喜びを分かちあえた。これで絶対の確信をもって、次戦中国に臨める。

    ステファン・サラザン:
    トヨタとチーム全体にとって輝かしい結果で、本当に素晴らしい。チームは良い仕事をこなし、1,2位独占は最高の戦績だ。2台のTS040 HYBRIDが一緒にゴールを目指し、本当に僅差でレースを終えた。再び表彰台に上れたのは、本当に幸せだ。ここ富士での目標はマニュファクチャラーズ選手権でリードを奪うことだった。今、その目標を達成出来た。ル・マンとオースティンでのフラストレーション後、我々にとって、偉大な結果になった。次なる勝利を目指す。

    中嶋一貴:
    TS040 HYBRID #8のメンバーを祝福したい。彼らは本当に良い仕事をして、チームにとって最高の結果を得た。マニュファクチャラーズ選手権も素晴らしい結果だ。日本のファンとサポーターの前で勝利することが出来て嬉しい。実はWECでスタートドライバーを担当するのは初めてだった。2台の燃費戦略は異なっており、それをこなすのは若干難しかったが、スタート直後の混乱にも巻き込まれることなく、ペースも良かったと思う。本当に良い一日になった。

    TS040 HYBRID #8:
    (アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)
    決勝レース:1位 236周、ピットストップ6回、最高ラップタイム:1分27秒815

    アンソニー・デビッドソン:
    全てが完璧なレースであり、トヨタ・レーシングにとって完璧な週末だった。チームの皆の頑張りで、最強のTS040 HYBRIDと、完璧な戦略、それにピットストップもバッチリ決まった。ホームレースでの1-2フィニッシュ以上に望むものはない。チームにとって、ここ富士での3連覇は格別だ。ドライバーズ選手権でのリードを更に広げ、マニュファクチャラーズ選手権でも首位を奪還したので、チームとしてもこれ以上言うことはない。すべての人々、特に、この週末熱心に応援してくれたトヨタの人たちには特にお礼を言いたい。

    セバスチャン・ブエミ:
    1-2フィニッシュを成し遂げ、ドライバーとマニュファクチャラーの2つの選手権をリードしながら富士を後にするというのは格別な気分だ。スタートではタイヤを温めるのが少し難しく、そのため激しい戦いにさらされた。最初の周回は大変だったが、その後はレースを制することができた。アンソニーとチームの皆は良い仕事をしてくれた。正直言って、これほどリード出来るとは思わなかったが、これはハードワークの成果だ。今はこの瞬間を味わいたいが、すぐに次のレースへと切り替えなえればならない。今日の戦績はシーズン残りへの良い兆候だ。

  • ポルシェ、3位表彰台を獲得 (WEC第5戦富士)

    ポルシェ、3位表彰台を獲得 (WEC第5戦富士)

    ポルシェのワークスチームから世界耐久選手権(WEC)にエントリーする919ハイブリッドは、今シーズン2度目となるポディウムフィニッシュを富士スピードウェイにて開催された6時間耐久レースで達成した。

    WECの第5戦として開催された富士でのレースは大きな混乱も無くドライコンディションの中、進んだ。ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー20)のティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組は見事3位でゴール。マーク・ウェバーは 1:27.759 (12周目)でファステストラップも記録している。

    カーナンバー14 の919ハイブリッドをドライブするロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組は続いて4位でチェッカーを受けた。

    マルク・リープがスタートドライバーを務めたカーナンバー14 はオープニングラップを4位で終えた後、36ラップを周回して3位にあがりジャニに交代した。ニール・ジャニは73周目にタイヤ交換を行い、110ラップした時点でロマン・デュマにステアリングを託した。ロマン・デュマは147ラップ目にタイヤ交換と給油をして3位でコースに戻った。最終スティントの184ラップでは3位に浮上したが、220ラップ目にピットストップを行い4位でクルマをゴールまで運んだ。

    カーナンバー20はスタートからしばらくトップ争いを繰り広げたが、スローパンクチャーによりピットストップを余儀なくされる。ダブルスティントを1セットのタイヤで走りきった後、84周でティモ・ベルンハルトにシートを譲った。ティモ・ベルンハルトもダブルスティントを担当し122周でタイヤ交換および給油を行い、ブrネンドン・ハートレーに交代。919ハイブリッドは197周目に最後のタイヤ交換および給油を行う。見事、重責を果たした形のブレンドン・ハートレーは3位でチェッカーを受けた。

    ヴォルフガング・ハッツ (ポルシェAGの研究開発担当役員)
    「このレースにおける目標は達成いたしました。2台は完走し、そのうち1台は表彰台にのりました。序盤はトップ争いにも絡み力強いパフォーマンスを見せて、3位と4位を獲得出来たのです。このレースで見せたように、今後も進歩しつづけます」

    フリッツ・エンツィンガー (ポルシェAG LMP1プロジェクト トップ)
    「素晴らしい結果です。何よりも今週末に我々が遂げた大きな進歩を誇らしく思います。金曜日は大変な思いをしましたが、セッションごとに改善を重ねて見事な予選、そして決勝ではしっかりと結果につなげることができました」

    アンドレア・ザイドル (LMP1チーム監督)
    「3位と4位は最良の出来といって良いでしょう。クルマもチームも優れたパフォーマンスを発揮しました。現場に居るスタッフだけでなくヴァイザッハに残った皆と一緒に勝ち取った成績です。デビューから5レースにして、初めて2台ともトラブル無くレースを完走しました。ゼッケン20は戦略面でも上手くいきました。ゼッケン14のドライバーは素晴らしい走りをしてくれました。ワンツーフィニッシュで完勝したトヨタにも拍手を送ります」

    ロマン・デュマ (カーナンバー14)
    「3位と4位を獲得したことがチームにとって重要です。しかし、まだまだやるべきことはたくさんあります。919ハイブリッドのポテンシャルはこんなものではありません」

    ニール・ジャニ (カーナンバー14)
    「トリッキーなコンディションの中、ダブルスティントを1セットのタイヤで走り切りました。他者を抜かす際にラインを外すとタイヤがすぐにタイヤカスを拾ってしまうと、なかなかキレイな状態には戻らなかったのです。スティント後半には、路面状況は悪化していきました」

    マルク・リーブ (カーナンバー14)
    「スタートとフィニッシュを担当しました。最初の周では何度もポジションが入れ替わりました。幸いなことにトラブルとは無縁で、後半は特にGTクラスの車両をパスする際には注意を払いました。タイヤのでグレーションは思ったほどではなかったのですが、それでもダブルスティントでは大きな負担になりました。しかし919ハイブリッドは間違いなく進歩しています」

    ティモ・ベルンハルト (カーナンバー20)
    「トラブル無くダブルスティントを終えました。しかし早い段階でタイヤ交換を行いライバルたちと争うことがなかったため、レース中のリズムを失ったのも事実です。タイヤマネージメントには手こずりましたが、2度目の表彰台を獲得しました。これ以上、何を望むことがあるのでしょうか?メカニックとエンジニアに感謝しています」。

    ブレンドン・ハートレー(カーナンバー20)
    「レースを楽しむことができました。ポルシェのワークスドライバーとして2度目のポディウムは素晴らしい経験となりました。スタート直後のスローパンクチャーにも関わらず、チームはレース中ほとんどをダブルスティントでこなしました。チームメイトのマークとティモを誇りに思います。我々ドライバーはチームとともに急激に成長できました。このままで行けば初勝利にも近づけるでしょう。クルマも素晴らしく、ここでは大きく2歩前進したと言ってよいと思います」

    マーク・ウェバー (カーナンバー20)
    「良いスタートでトヨタにプレッシャーを掛けることができました。しかし左リヤがパンクし、優勝のチャンスが遠のいたのです。交換したタイヤでダブルスティントを走行しましたが、このピットストップでタイムを失いました。ティモとブレンドンの素晴らしいドライビングで3位を獲得することが出来ました」

  • トヨタ、ホームコースでポールポジション獲得 (WEC第5戦富士)

    トヨタ、ホームコースでポールポジション獲得 (WEC第5戦富士)

    富士スピードウェイで開催されているFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦富士6時間耐久レースは、10月11日(土)に予選を行い、トヨタ・レーシングが今季第3戦より3戦連続、“ホーム”富士では2年ぶりとなるポールポジションを獲得した。

    アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミの駆るTS040 HYBRID #8が予選最後のアタックで2番手に0.043秒差の差をつけてポールポジションを獲得。リードしているドライバーズ選手権で、ボーナスポイントを得て2位との差を12ポイントへと広げた。

    また、2位につけるマニュファクチャラーズポイントでも、首位アウディとの差を17ポイントへと縮め、明日のシリーズ第5戦決勝に臨むこととなった。

    過去2年の富士6時間耐久レースを制しているTS040 HYBRID #7は、アレックス・ブルツと中嶋一貴が予選アタックを担当。4番手グリッドを獲得し、ステファン・サラザンを加えた3人で、明日の決勝で3連覇を目指す。

    WECの予選は、2名のドライバーが最低2回のアタックラップをこなし、それぞれ2人のベスト2周のタイム、計4周の平均タイムで決勝レースのグリッドを決定する。

    #7のブルツと#8のデビッドソンは、コース上の混雑を避けるため、予選でのコースインを遅らせた。この決断が功を奏し、2台はトップ争いを展開。#8のデビッドソンはこのセッションでの最速ラップを刻んだ。

    その後、#8はデビッドソンからブエミへ、#7はブルツから中嶋へとドライバーチェンジ。しかし、7分半ほどを残して赤旗によりセッションは中断。アタック途中だった中嶋とブエミはこれ以上のタイムアップを果たせなかった。

    セッション再開後、コース状況の改善を待つライバルの4台がピットで待機する中、トヨタ・レーシングの2台のTS040 HYBRIDはコースへ復帰しアタックを再開した。この挑戦は報われ、ブエミは最後のラップでタイムを更新。トヨタ・レーシングにとっては2014年シーズン5戦目にして4度目、3戦連続のポールポジションを獲得した。

    チームは午前中の1時間の練習走行で、予選及びレースへ向けたセットアップの最終調整を行った。この練習走行で#8のデビッドソンが最速ラップを記録、#7はサラザンが4番手タイムをマークしていた。

    明日12日(日)の決勝レースは、午前11時に6時間の長い戦いへのスタートが切られる。

    TS040 HYBRID #7:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    公式練習3回目: 4番手(1分27秒980) 27周
    予選:  4番手(平均1分27秒437)

    アレックス・ブルツ:
    TS040 HYBRID #8がポールポジションを獲得出来て嬉しい。我々のTS040 HYBRID #7は今週末セッティングで苦労していて、#8とのギャップを縮めることが出来なかった。我々にとっては少しがっかりだが、問題ない。レースは6時間あるし、これからだ。レースでは良い結果を残せると思う。

    中嶋一貴:
    まずはチームにおめでとうと言いたい。特にこのようなドラマチックな展開でのポールポジション獲得は素晴らしい。#7は少し苦労しているが、レースでは強いことを確信しているし、ライバル勢と比べても悪くない。6時間レースなので、勝利を目指しチャレンジする。

    TS040 HYBRID #8:
    (アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)
    公式練習3回目: 1番手(1分27秒033) 28周
    予選:  1番手(平均1分26秒886)

    アンソニー・デビッドソン:
    トヨタにとってのホームレースでポールポジションを獲得出来るとは、夢のような予選だった。予選では何が起こるかわからないが、我々には速さがあったので心配はしていなかった。私の2度目のアタックはもっと速いはずだったが、ターン15のコース上に土が出ていて、少しタイムが伸びなかった。それでも何とかなると思っていた。とにかく努力の結果が報われたと言うことだ。チームのメンバー、トヨタの人々の応援がなければ獲れなかったポールポジションだ。

    セバスチャン・ブエミ:
    最後の最後に、こんな僅差でポールポジションを獲得出来、最高の予選だった。前戦オースティンのようにある程度の差をつけてポールポジションを獲得するのも素晴らしいことだが、ハードなバトルの末に勝ち取ったポールポジションは格別だ。アンソニーのアタック1周目を見た限りでは、楽な展開になるかと思ったが、実際にはそうはならなかった。タイヤを温めるのに若干苦戦し、グリップが低いままに1周目のアタックをせざるを得ず、その後赤旗が出てしまった。ピットレーンで待機している間にもタイヤは更に冷えてしまった。しかし、最後のラップまでに温度を上げることが出来、タイムを更新出来た。

  • トヨタ、予選・決勝へ向け着実に準備 (WEC第5戦富士)

    トヨタ、予選・決勝へ向け着実に準備 (WEC第5戦富士)

    FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦富士6時間耐久レースが開幕。初日の10月10日(金)は、2回にわたる1時間半の公式練習走行が行われ、トヨタ・レーシングはホームレースでの勝利へ向け初日から着実にセットアップを進めた。

    アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミが駆るTS040 HYBRID #8が4番手、アレックス・ブルツとステファン・サラザン、中嶋一貴の#7が5番手で続き、セットアップ及び開発を進め、充実した一日を終えた。

    シーズン後半戦をむかえて、トヨタ・レーシングはドライバー、マニュファクチャラーの両選手権で激しい戦いを繰り広げており、#8はドライバーズ選手権で11ポイント差の首位、マニュファクチャラー選手権では18ポイント差の2位につけている。

    この激戦を勝ち抜くためにも、ボーナスポイントが得られる明日の予選でのポールポジション獲得は、この週末の最初の目標となる。

    午前11時の公式練習1回目開始時には太陽が顔を出し、豪雨のために短縮終了された昨年の富士6時間耐久レース以来、1年ぶりの富士となるLMP1カーはドライコンディションの下で走行を開始した。

    前戦の行われたサーキット・オブ・ジ・アメリカズとはコースの特性及び気温などのコンディションが全く異なる富士でのレースに、チームはメカニカル面及び空力面、そしてハイブリッドシステムのセットアップや評価に忙しいセッションを過ごした。

    ブルツとサラザンが最初のセッションで#7をドライブ。今年日本のスーパーフォーミュラ第3戦富士で勝利を挙げている中嶋一貴にとって、久しぶりとなるTS040 HYBRIDのドライブは公式練習2回目を待つこととなった。

    サラザンが担当スティントの中盤にマークしたタイムが#7の最速タイムとなり、セッション5番手。#8はデビッドソンが3番手となった。

    午後3時30分からの公式練習2回目が開始されると、中嶋一貴がル・マン24時間レース以来となるTS040 HYBRIDに乗り込みコースイン。#7は中嶋一貴、#8はデビッドソンが非常に長いスティントをこなし、決勝レースでのパフォーマンス解析を行った。

    その後、終盤#7はブルツとサラザン、#8はブエミが短いスティントでコースコンディションを確認し、この日の走行を終えた。

    明日11日(土)は午前9時30分から1時間の公式練習の後、午後1時55分から、25分間のLMPクラス予選がスタート。12日(日)は午前11時より6時間の決勝レースがスタートする。

    TS040 HYBRID #7:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    公式練習1回目: 5番手(1分29秒076) 26周
    公式練習2回目: 5番手(1分29秒083) 48周

    アレックス・ブルツ:
    午前中の公式練習1回目で周回を重ねることが出来た。午後は、ル・マン以来、一貴が走っていなかったので、より彼が走れるように計画していた。その結果、彼は午後にロングランをこなすことが出来た。富士のコースは複雑で、なかなかセットアップが終わらない。刻々とコンディションが変わるから、分析が難しい。まだ今夜、消化しなければならない課題は残っているが、このチャレンジが好きだ。更に微調整を加え、明日を楽しみにしている。

    ステファン・サラザン:
    午前のサーキットのグリップはとても低かった。そのため、良い感触を見出し、限界を見極めるためのセッションとなった。まだ試行錯誤の段階だ。一貴はロングランが出来、一日を通じて、TS040 HYBRIDの“カイゼン”が進んだ。午後私は最後に2周したのみだった。今日はレースのための準備であり、良い方向に向かっていると思う。

    中嶋一貴:
    ロングランがかなり上手く行った。ライバルと比べても見劣りせず、タイヤの摩耗についても強みを持っていると思う。サーキットはまだグリップが足りないが、明日の走行や予選、決勝レースと進んで行くにつれてラバーが乗っていくのを願っている。まだ最後のバランスチューニングが必要だが、富士で勝機はあると考えている。予選に向けて、どうなるか楽しみだ。

    TS040 HYBRID #8:
    (アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)
    公式練習1回目: 3番手(1分28秒981) 38周
    公式練習2回目: 4番手(1分28秒587) 52周

    アンソニー・デビッドソン:
    今日の2回の公式練習走行はとても有意義なものだった。天候は穏やかで、全体を通じてセットアップに取り組めたし、TS040 HYBRIDのバランスも良い。昨年は走行距離が限られていたので、このコースをより深く把握する良い機会になった。いつもながらこのコースは、第3セクターが最も難しく、まだ速く走れる余地は残っていると思う。明日は良いリズムに乗って、さらに改善すべきところを見つけたい。

    セバスチャン・ブエミ:
    今日は順調にこなせた。アンソニーは午後タイヤの改良の度合を確認するためほんの数ラップ走っただけで、私も最後にもう一度走ったが、新旧タイヤを試すことが出来たので参考になった。いつものことだが、1日のうちに路面はどんどん良くなる。去年のタイムよりまだ少し遅いが、心配はしていない。ロングスティントでは非常に強いと思うが、その差が僅かなのもいつものこと。TS040 HYBRIDの状態は良いので、週末が楽しみだ。

  • トヨタ、WEC富士6時間耐久レースで3連覇を目指す

    トヨタ、WEC富士6時間耐久レースで3連覇を目指す

    トヨタは、今週末富士スピードウェイで開催されるFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦富士6時間耐久レースに2台のTS040 HYBRIDで参戦するが、#8のドライバーとしてWEC前半戦に出場してきたニコラス・ラピエールは、都合により今大会を欠場することとなった。

    今回のWEC第5戦については、ニコラス・ラピエールに代えて別のドライバーを起用することは無く、#8はアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミの2人で6時間を戦う。

    2人は全8戦中4戦終了時点で、11点差で首位につけるドライバーズ選手権でのリードを守るべく富士6時間耐久レースに臨むこととなる。

    TS040 HYBRID #7は中嶋一貴がチームに復帰。アメリカ・オースティンで行われた第4戦は、日本国内のレースとの日程都合上参加を見合わせた中嶋一貴だが、富士では昨年、一昨年の優勝時のパートナーでもあるアレックス・ブルツと、今年からチームを組んだステファン・サラザンと共にTS040 HYBRID #7のステアリングを握る。

    WECはシーズン前半4戦を終えたが、TS040 HYBRIDは4輪で駆動される1000馬力のパフォーマンスを十分に発揮し、全てのレースで勝利を争い、3回のポールポジションと2回の優勝を飾っている。

    WEC第5戦となる富士6時間耐久レースを前に、トヨタ・レーシングはマニュファクチャラーズ選手権で18ポイント差の2位につけている。

    トヨタ・レーシングは過去2年のWEC富士戦を制しているが、昨年のレースは台風接近の影響による大雨に祟られ、セーフティカー先導の下、僅か16周を周回したのみでレースは赤旗中断、終了となった。

    富士スピードウェイでのレースは、トヨタ・レーシングにとってまさしくホームレース。それは日本開催というだけでなく、TS040 HYBRIDの心臓部とも言える、トヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)が開発された東富士研究所がサーキットから僅か20kmの場所にあるからだ。

    前戦第4戦では、序盤にレースを支配しながらも、突然の豪雨による混乱の中で順位を落とし、#8が3位、#7が6位に終わった。その雪辱を果たし表彰台の中央に立つことこそが、富士6時間耐久レースにおけるトヨタ・レーシングの最大の目標だ。

    週末のスケジュールは、10日(金)に午前11時と午後3時30分から2回にわたり90分の公式練習。11日(土)は公式練習第3回目が午前9時30分から1時間行われ、午後1時55分から25分間、LMPクラスの予選が行われる。6時間の決勝レースは12日(日)午前11時にスタートが切られる。

    木下美明 チーム代表:
    「富士に戻り、日本のファンの前でレースが出来るのはいつでも嬉しいことだ。今年は、富士での連勝記録を更新するというだけでなく、素晴らしいレースをファンに見せたいと思っている。去年は豪雨のために、我々がいつも繰り広げているエキサイティングなバトルを見せることが出来ず残念だった。しかし、そんな中でもファンの皆さんは本当に熱い応援をしてくれた。今年こそは天候に恵まれ、応援に応えるべく素晴らしいレースをお見せしたい。前戦が無念の結果に終わってしまっただけに、勝利への意欲は究極に高まっており、この雪辱を果たすのに富士は最高の場所だ」

    アレックス・ブルツ (TS040 HYBRID #7):
    「富士は我々のホームレースであり、非常にエキサイティングで好きなコースだ。中嶋一貴という、富士用の秘密兵器もあるし。コースは我々の4輪駆動ハイブリッドシステムと空力にはすごく合っていると思う。日本も、日本の文化も大好きなので、このレースは本当に楽しみにしていた。レースに向けて100%集中しており、第4戦での悔しさも踏まえて更に戦闘力を上げるために全力でプッシュしなければならないことも分かっている。あとはそれを成し遂げるだけだ」

    ステファン・サラザン (TS040 HYBRID #7):
    「富士は素晴らしいところで、大好きだ。雰囲気も良いし、トヨタドライバーとしてすごく応援してもらっていることがわかる。大勢のファンがサーキットに来てくれて、熱心にレースを観戦してくれるのを目の当たりにするのは格別だ。コースも好きだ。長い歴史を持ち、伝統的な耐久レースが行われて来たコースであり、タイプの異なるコーナーが組み合わされた、変化に富んだレイアウトを持っている。我々のTS030 HYBRIDは昨年本当に速かったし、今年も同様だと信じている」

    中嶋一貴 (TS040 HYBRID #7):
    「オースティンでの第4戦を欠場したので、TS040 HYBRIDに再び乗れるのは嬉しい。チームと一緒にいたわけではないが、前戦での出来事に対するフラストレーションは共有しており、我々は皆、日本でこの埋め合わせをしようと心に決めている。私はSUPER GTやスーパーフォーミュラでの経験から、富士のコースは熟知しているし、大好きなコースの一つだ。今年、ここでは既にスーパーフォーミュラで優勝しているし、もちろん過去2年のWECでも勝っている。この週末には、またあの勝利に酔う感覚を味わいたいし、我々にはそれを成しうるTS040 HYBRIDがある」

    アンソニー・デビッドソン (TS040 HYBRID #8):
    「いつも日本に来るのが楽しみだ。この国と、その文化と、もちろん人々が大好きだ。特に今回は、さらに競争力のあるTS040 HYBRIDを持ち込めるので、富士はとても楽しみだ。昨年は悪天候でファンの皆さんには本当に申し訳なかったが、観客は本当に熱心で、すごく応援してもらっていることを感じた。今年は良いレースが出来ることを望みたい。前戦オースティンでは勝てたはずなので、あの悔しい思いがトヨタのホームコースである富士で再び勝つための励みになっている」

    セバスチャン・ブエミ (TS040 HYBRID #8):
    「我々のホームレースである富士に、また帰って来ることが出来てとても嬉しい。以前にトヨタが経験したかは知らないが、ドライバー選手権ポイントをリードして日本に向かうのは格別だ。富士は素晴らしいコースだが、何にも増してその雰囲気がとにかく素晴らしい。私は昨年よりも良い天気に恵まれることを切に願い、また勝てると確信している。我々には強力なTS040 HYBRIDとチームがあり、勝つために戦える自信がある。前戦が残念なレースだっただけに、絶対に富士で最高の結果を出したい」

    富士スピードウェイでのトヨタ・レーシングの戦績
    2012年 #7:予選1番手、決勝1位
    2013年 #7:予選3番手、決勝1位 #8:予選2番手、決勝27位

  • 日産、ル・マンLMP1プログラムに米国人ドライバーを検討

    日産、ル・マンLMP1プログラムに米国人ドライバーを検討

    日産は、新たに挑むル・マン及びFIA世界耐久選手権(WEC)のLMP1(ル・マン プロトタイプ1)チームに起用する米国人ドライバーの発掘を始める。これにより、ゲーマー出身ドライバーにも、カテゴリー最高峰への門戸が開くことになる。

    日産が展開するGTアカデミーは、モータースポーツ史上、最も革新的なドライバー発掘プログラムとして既にその名を広めている。

    過去6年間、GTアカデミーには、プレイステーションを通じて500万人以上のエントリーが集まった。グランツーリスモの中で日産車がバーチャル上で走行した距離はのべ10億マイルを超え、このプログラムのTV番組の視聴者は世界各国で1億2000万人以上に上る。

    元米国GTアカデミー勝者、ブライアン・ハイトコッター(2011年)、スティーブ・ドハティ(2012年)、ニック・マクミレン(2013年)に加え、過去の米国ファイナリストたちには、新たに立ち上げる日産LMP1チームのテストを受けるチャンスが与えられる。

    この日産LMP1チームの目標は、先のニスモ創立30周年のニュースに続き、FIA WEC(世界耐久選手権)の米国戦が開催されるサーキット・オブ・アメリカで発表された。

    日産の新たなLMP1チームは、米国にも拠点を置き、温暖な気候に恵まれた南部のサーキット施設を活用して、来年からアウディ、ポルシェ、トヨタと争いを繰り広げる新マシンのテストを行っていく。

    チームは現在、新たな米国での拠点地として、チャンピオンカーチーム、フォーサイス・レーシングが以前インディアナポリスに所有していた本拠地を建て直している。

    「GTアカデミーの米国勝者は全員が、世界各国のトップレベルイベントで勝利を収めています」とニスモのグローバルヘッドオブブランド、マーケティング&セールス、ダレン・コックスは述べた。

    「しかし、私たちは毎年、彼ら以外にも素晴らしい才能を秘めた人材を、まさにあり余るほど目にしてきたのです。勝ち抜くことができなかった者の中には、GTアカデミーをきっかけとして、モータースポーツキャリアを積み始めたドライバーもいます」

    「私たちは、さらに他のドライバーにも目を向けて、彼らの潜在能力に注目したいと思っています。そして、その中から、日産でル・マンのLMP1をドライブする者も出てくるかもしれません」

    日産は、来年からヨーロピアン・ル・マン・シリーズで導入される、新設のLMP3クラスにおいて単独エンジンサプライヤーになることを発表しました。

    「引き続き私たちは、最もふさわしいGTアカデミーの卒業生を見いだし、LMP3マシンに乗せることを目指して幅広いプログラムを展開していきます。次のステップが、LMP2でのル・マン24時間レース参戦となります。私たちは、あらゆる方法を使ってドライバーを育成し、次のレベルに引き上げて行かなければなりませんが、彼らもまたステップアップをしていかなくてはならないのです」とコックスは述べました。

    「単に才能を発掘してLMP1マシンに乗せるだけではありません。彼らが研鑽を積んでいけば、チャンスはさらに広がるのです」

    「プロトタイプのマシンで経験を積むことは、育成の段階において重要な要素となります。今の段階でも、ヨーロッパから多くのGTアカデミー勝者がLMP1プログラムを目指しています。彼らの多くが、既にLMP2でレースを経験しています」

    日産LMP1チームは様々な顔が揃っている。技術面では、チームは米国、英国、フランス、ブラジルなど様々な国からスタッフが集まっている。もちろん日本からの才能や経験も、重要な役割を担う。

    チームの拠点はヨーロッパとなるが、運営は日本にあるニスモの本社が行い、さらに米国インディアナポリスにも新たな拠点を構える。日産のチーム首脳陣は、2016年、このサーキット・オブ・アメリカでNISSAN GT-R LM NISMOに米国人ドライバーを乗せることを目指している。

    GTアカデミーは、2014年、新しい地域へも進出。これまでの北米、ドイツ、ヨーロッパに加え、メキシコ、中東、アジア、オーストラリアでも大会を開催する。

    ハイトコッターとドハティは、サーキット・オブ・アメリカで開催されるコンチネンタルタイヤ・スポーツカー・チャレンジに、スカルキャンディ・チーム・ニッサンのチームメイトとしてニッサン・アルティマ3.5で参戦する。

    2013年米国勝者のマクミレンも、ブランパン耐久シリーズのニュルブルクリンク戦に、ニッサンGTアカデミー・チームRJNから参戦する。