カテゴリー: WEC (FIA世界耐久選手権)

  • WEC:トヨタ 2021年 第4戦 ル・マン24時間レース プレビュー

    WEC:トヨタ 2021年 第4戦 ル・マン24時間レース プレビュー

    トヨタは、ル・マン覇者としての防衛と、ハイパーカーでの歴史を作るべく、8月21日(土)から22日(日)にかけて行われる第89回ル・マン24時間レースに挑む。

    トヨタはTS050 HYBRIDと共に、2018年のル・マン初勝利以来、3連覇しており、今年は新たなハイパーカー GR010 HYBRIDで初めてサルト・サーキットに挑み、チームの連勝記録を伸ばすと共に、ハイパーカーでのル・マン初勝利を目指す。

    GR010 HYBRID 7号車をドライブする、世界チャンピオンのマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスにとって、ここ数年のル・マンは厳しい戦いだった。特に2019年と2020年は、車両トラブルに見舞われるまではレースを支配する強さを見せており、今年こそ、の思いとともに前戦モンツァ6時間レース勝利の勢いに乗り、シーズン最大のイベントに挑む。

    2018年、トヨタに初のル・マン勝利をもたらしたセバスチャン・ブエミと中嶋一貴は翌年のル・マンも制し、そして昨年はブレンドン・ハートレーとのトリオで3連覇という輝かしい記録を達成した。この8号車の3名は、今季開幕2戦目のスパ6時間とポルティマオ8時間レースを制し、ドライバーズ選手権首位でル・マンを迎える。

    ル・マン24時間レースは、FIA世界耐久選手権(WEC)1戦の一つだが、通常の倍のポイントが与えられるため、タイトル争いにおいても重要なレース。トヨタは、今季全6戦中の3戦を終えた時点で、チームタイトル争いで2位のアルピーヌに30点差の首位に立っており、ドライバーズタイトル争いでは、8号車のドライバーが、チームメイトである7号車のドライバーに対し6点差でリードしている。

    トヨタにとって、今年のル・マンは4連覇を目指すというだけでなく、トヨタがハイブリッド車でWECに挑戦して10度目という記念すべき大会でもある。トヨタはこれまで9回のレースで、3度の勝利と5度のポールポジション、そして9つの表彰台を獲得している。

    今年のル・マンでは、ハイパーカークラスのライバルとしてスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスから2台、そしてLMP1車両のアルピーヌが出場する。しかし、ル・マン24時間というレースの難しさは、競合チームとの争いだけでなく、レースそのものの過酷さにもある。

    公道区間を含む長距離コースを24時間に渡って戦う間に、レースカーは約4000kmをほぼスロットル全開で走行。その間におよそ2万5千回に渡るギアチェンジを行い、またタイヤは200万回転以上し、ル・マンは真の耐久テストの場になる。

    今季、ル・マンへ向けての準備は、昨年2020年10月、GR010 HYBRIDにおける初めての走行テストから始まった。以来8回のテストとレース3戦を経て、車両のパフォーマンスと信頼性の最適化を行ってきた。この準備作業の最終段階が、来る15日(日)、公道部分を含む13.626kmのサルト・サーキットで唯一行われる公式テストとなる。

    その後、24時間の決勝レースへ向けた2日間に渡る準備は、18日(水)の5時間の練習走行と予選セッションで開始される。19日(木)にはさらなる計5時間の練習走行が行われるが、2回の練習走行に挟まれる形で30分間のハイパーポールセッションが、現地時間9時から行われる。トヨタはこのハイパーポールで、5年連続のポールポジション獲得を目指す。

    第89回ル・マン24時間の決勝レースは、21日(土)の現地時間午後4時(日本時間午後11時)、5万人に制限された観客が見守る中で、スタートが切られる。62台のレースカーと、186人のドライバーが、1923年から続く歴史の一ページを刻むべく、24時間の長い戦いに挑む。

    村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WEC チーム代表)
    ル・マンに参戦できることは大変名誉であり、また3連覇のタイトルを持って再びここに戻って来られることを誇りに思っています。ハイパーカーで初のル・マン勝者として、さらに連勝記録を伸ばせるよう、我々は全力を尽くしてきていますし、また、ル・マンで勝つことを常に目標に、エンジニアとメカニックはドライバーと連携しながらここまで車両を仕上げてきました。今シーズンはここまで、ハイパーカーのライバルたちと激しい戦いを繰り広げている上、GR010 HYBRIDにとって初のル・マンでもありますので、当然簡単なレースにはなりませんし、技術的にも大きなチャレンジと言えるでしょう。ファンの皆様がサーキットに戻ってきて、あの特別な雰囲気に包まれたル・マンが帰ってくることを大変楽しみにしています。有観客でのレース開催を実現いただいたACOの皆様へ深く感謝するとともに、今回のル・マンが、ファンの皆様の記憶に残る素晴らしいレースになると確信しています。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    ル・マンはシーズンハイライトですし、そのために努力してきているので、毎年楽しみなイベントです。ル・マンを走るのは素晴らしい経験で、特に予選は新しいタイヤと軽い燃料で走ることができるため、最高です。私自身、3度のポールポジションを獲得していますが、もちろん最大の目標はレースに勝つことです。過去数年のレースで7号車は本当に強かったのですが、いつも何かが起き、最後までノートラブルで走り切っていません。だからこそ、今年はトラブル無くパーフェクトなレースへ向けてプッシュし続けます。我々はレースに向けて集中していて、今年こそ勝利できると思っています。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    シーズン1年を通してのハードワークは、全てこのレースのためであり、GR010 HYBRIDでの走行が待ちきれません。近年のル・マンはスプリントレースのようになってきており、24時間ずっと、可能な限り全力で走り、レースをコントロールしなくてはなりません。これまでの経験から、様々な要素が絡んでくることは分かっていますし、我々7号車は過去不運に見舞われたこともありました。しかしドライバーとしてル・マンへの取り組み方は変わりません。過去と同様、一生懸命レースへ向けて、できる全ての準備を進めていきます。そして最後に、勝利の女神が我々に微笑んでくれることを願うだけです。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    我々は辛い戦いを経て、強くなったと思いますし、それが7号車をル・マン勝利へ導いてくれると信じています。もう過去は振り返らず、来るレースを楽しみにしていますし、チームとして、ドライバーとして、常に向上を目指しています。マイク、可夢偉、そしてエンジニアやメカニックとはまるで家族のようで、我々全員がル・マン勝利という、同じ目標に向かっています。チームとしてこれまでで最高の状態だと感じていますし、何をすべきかも分かっています。ル・マンは決して簡単なレースではなく、今年も間違いなく厳しい戦いになると思いますが、全力を尽くします。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    ル・マンの雰囲気は信じられないほど素晴らしいです。初めてル・マンで戦った2012年、ファンの歓声と情熱に圧倒されました。昨年は残念ながら無観客での開催だったので、今年、観客が戻ってくるのは嬉しいです。ル・マンが世界一チャレンジングなレースだということは、経験からとても良く分かっていて、何が起こっても不思議ではありません。我々はGR010 HYBRIDと共に、初のハイパーカー勝者となるべく、全力で挑みます。自分のすべきこと全てに集中し、運も味方してくれることを祈ります。予想は全くできませんが、表彰台の中央に立つため全てを尽くします。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    ル・マンは私にとって特別な場所であり、特別なレースです。1960年代には私の祖父がレースをしていたと聞いたことがあり、家族の一部のような親しみを感じています。子供の頃、ジュネーブモーターショーに行って、トヨタTS020と一緒に写真を撮ってもらったことを覚えています。その時は、私自身がル・マン3度のウィナーとしてここにいることになるとは、想像もできませんでした。今年もまた新たな挑戦の機会を得られたことを嬉しく思っていますが、新しいクルマと、強力なライバルにより、大変な挑戦になることは間違いありません。勝つために何が必要かは明白であり、着実に走行プランをこなし、ミス無く走りきることです。あとは日曜日の結果を待つだけです。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    初めて訪れた瞬間からル・マンが大好きになりました。雰囲気は最高ですし、一つの目標に向かって全員で協力し合う、そのチームの一員として働けることも楽しんでいます。全てのエンジニアとメカニックが懸命な努力をしており、ドライバーも一緒に協力し合って情報を共有しています。成功のためには、一つの大きなチームとして動く必要があり、新型のGR010 HYBRIDでこの偉大なレースに挑むために我々はそれをやってきました。皆がル・マンでの勝利を夢見てこの地にやってきます。その最高のチャンスをつかむために、これからの1週間でやるべきことがたくさんあります。

  • WEC:トヨタ 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース 決勝レポート

    WEC:トヨタ 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース 決勝レポート

    FIA 世界耐久選手権(WEC) 第3戦 モンツァ6時間レースの決勝が7月18日(日)イタリアのモンツァ・サーキットで行われ、トヨタのGR010 HYBRIDが厳しいレースを戦い抜き、開幕から3連勝を飾った。

    マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、ハイパーカーカテゴリーでの強力なライバルとの接近戦を制し、今季初勝利を挙げた。204周を走り抜いて、2位のアルピーヌ36号車との差は60.908秒だった。

    開幕からの2戦を制して今戦に臨んだセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車は、テクニカルトラブルに見舞われ、総合33位でチェッカーを受けた。

    この結果、トヨタは首位につけるWECチーム選手権での、アルピーヌに対するリードを30ポイントへとさらに拡げることとなった。ドライバーズ選手権の争いは激しさを増すこととなり、8号車と7号車の差は6ポイントに縮まった。

    現地時間正午にスタートが切られた決勝レースは、序盤2台のGR010 HYBRIDによる接近戦が繰り広げられた。ポールポジションからコンウェイのドライブでスタートした7号車は首位を守り、僅差でブエミの8号車がこれを追った。最初の2スティントまでは、2台は数秒差での周回を続けていたが、スタートから1時間半ほどが経過し、8号車がハートレーへと交代した直後、状況は一変した。

    8号車は燃圧系統のトラブルに見舞われ4分半ほどピットでの作業を余儀なくされた。21位で一旦コースに復帰したが、すぐに車両左フロント部の破損のために更なるピット作業を強いられ、8号車は12周遅れとなり上位争いからは完全に脱落することとなってしまった。

    その後、コース上の異物によりセーフティカーが出される中、7号車を駆るロペスは首位を守り、レースが半分を過ぎた時点で2位に22秒のリードを築いていた。しかし、8号車には更なるトラブルが襲いかかり、チームは燃料系の部品を交換することを決意。この複雑な作業には48分を要した。

    レースが残り2時間を切るころ、首位を小林のドライビングで逃げる7号車は、突然のエラーメッセージによりコース脇にストップ。しかし、小林は的確に再起動作業を実施し、1分ほどのタイムロスで首位のままレースに復帰した。

    このアクシデントのあと、グリッケンハウスの709号車が一旦は首位に立ったが、こちらもトラブルによる修復のためにピットイン。小林の7号車は首位を奪還したが、今度はタイヤのパンクに見舞われ、予定外のタイヤ交換ピットイン。首位アルピーヌを追う形になった。

    小林は最速ラップを更新するハイペースでアルピーヌとの差を詰め首位を奪還、コンウェイへと交代した。残り34分というところでフルコースイエローが出されると、このチャンスに7号車は最後の給油ピットイン、首位の座を着実なものとし、そのままコンウェイがトップでチェッカー。7号車が今季初勝利を挙げた。

    チームは本拠地のドイツ・ケルンに戻り、今回発生した技術的な問題を徹底的に調査、8月21日(土)-22日(日)に来たるシーズン最大のイベントであるル・マン24時間レースへ向けての準備を進める。ル・マンレースウィークは8月15日(日)の公式テストデーで幕を開ける。

    豊田章男(チームオーナー)
    可夢偉、マイク、ホセ、優勝おめでとう!
    新しいクルマでの、7号車の初勝利、嬉しいです!
    そして、やっと勝てたこと、少し安心しました。

    しかし、その7号車もノートラブルで走りきれた訳ではありません。
    もう1台の8号車は様々なトラブルでたくさんの時間をロスしてしまいました。
    安心して走れるクルマを用意できずにいること、ドライバーのみんなに申し訳なく思います。

    ただ、GR010 HYBRIDは今まさにレースで鍛えはじめたクルマです。
    この段階でトラブルが出るのは当たり前かもしれません。

    トラブルの中にも”良いトラブル”と”悪いトラブル”があると思います。
    “悪い”ものは、1ヶ月後のル・マンまでに必ず改善してほしいと思います。
    ただ、いくら準備を重ねてもレースでは”想定外”が必ず起こります。
    ゴール目前で止まった一貴、ピットロード出口でまさかのトラブルが起きた可夢偉…
    このチームは、イヤという程、想定外を経験してきました。

    クルマと道と会話をしているドライバーの声にチーム全員で耳を傾けていってください。
    クルマをもっと強くしていくためにはそれしかありません。
    「少しでも走りやすいクルマで戦わせてあげたい」という気持ちで、ドライバーのための “もっといいクルマづくり”をお願いします。

    一貴、セブ、ブレンドン、
    可夢偉、マイク、ホセ、
    みんなの声が、このクルマを強くしていきます。
    どんなに小さい声でもクルマから聞こえてきたらメカニックやエンジニアに伝えてください。
    みんなで、このクルマをもっと強いクルマにしていきましょう。

    村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WEC チーム代表)
    TOYOTA GAZOO Racingにとって、今日は実りある素晴らしい一日でした。我々の7号車、そして、WRCで戦う仲間たちのラリー・エストニアでの勝利、おめでとうございます。WEC初開催となった今回のモンツァ戦は、特にエキサイティングな一戦として記憶に残るでしょう。また、再びグランドスタンドにファンの皆様をお迎えできたことを嬉しく思います。7号車のクルーは真のファイティングスピリットを見せてくれ、それがシーズン初勝利という形で報われました。8号車はトラブルに悩まされ、3連勝を勝ち取ることができなかったことは、一貴、セバスチャン、ブレンドンに申し訳なく思います。ただ、決して諦めず、必死にクルマをレースに戻そうとしてくれたメカニックたちには感謝を伝えたいですし、また、そのためにチーム全員が大変な努力をしてくれました。ディフェンディングチャンピオンとしてタイトルを死守すべく、そして、ハイパーカーでの記念すべき初優勝を目指し、我々の目はもう、ル・マンに向いています。そのゴールを達成するために、やるべきことがまだたくさんあります。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    我々7号車はシーズンの序盤2戦からそうでしたが、レースウィークを通して速かったです。過去2戦では運に恵まれず、今日も幾つかトラブルに見舞われましたが、ようやく勝つことができました。この週末のレースで、ル・マンでは絶対に許されない信頼性の問題が発生し、まだ相当な努力が必要だということを示したと思います。7号車は本当に強くなっていますし、チームとしてまとまっているので、今年のル・マンは大きなチャンスだと思っています。今日はモンツァで勝つことができて本当に嬉しいですし、ここで勢いが得られたことは、次に待つ最大のレースへ向け、とても重要です。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    モンツァは素晴らしいコースですし、ファンの皆様も戻ってきたこのレースで勝つことができて最高の気分です。GR010 HYBRIDはレースウィークを通じて好感触で、走行を重ねるごとに調子を上げていきました。決勝レースでは、必要なときに後続との差を広げることができ、ペースも良かったです。終盤は可夢偉のトラブルやタイヤパンクなどもあり、一進一退の攻防となりましたが、首位を守りきることができ、面白いレースだったと思います。今季初勝利を手にすることができて本当に嬉しいです。8号車は大変な一日でしたが、7号車についてはとても満足しています。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    何が起こるか分からないのが耐久レースですが、今日は本当に様々なことが起こりました。とんでもないレースでしたが、我々は着実に走り抜き、勝利しました。レースは常に最速の車両が勝つというわけではありませんが、我々7号車はこの週末最速であり、このことは次戦ル・マンへ向けてとても励みになります。レース前の全てのセッションでトップタイムをマークし、ポール・トゥ・ウィンを飾るというのは、なかなか無いことですが、それをともに成し遂げてくれた可夢偉とマイクを誇りに思っています。エンジニアやメカニックといったチームクルーも全員がとても良く頑張ってくれました。トヨタ全体としては大変なレースでしたが、さらに強くなってル・マンに臨みたいと思います。  

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    私がドライブするときには、既に修復のために大きくタイムを失っており、できることは安全に8号車をチェッカーまで走らせることだけでした。8号車を完走させるために大変な作業をこなしてくれたメカニック全員に感謝するとともに、優勝した7号車を祝福します。彼らの戦いぶりは勝利に値する素晴らしいもので、チームとして連勝できたことも良かったです。ル・マンはもっとスムーズなレースになることを願っています。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    我々にとってはとても難しいレースになってしまいましたが、全力は尽くしました。序盤は順調で、僅差の2位で7号車についていけました。その後、燃料系のトラブルに続き、ホイールハブにもトラブルが発生しました。6時間のレースではこれらのトラブルで失った時間を取り戻すのは難しく、我々にできることはあまりありませんでした。選手権ポイントを多く獲得できなかったのは残念です。ル・マンまでにはこの問題を克服しなくてはなりません。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    今日が我々の日ではないのは間違いありません。しかし、ル・マンではなく、モンツァでこの様なトラブルに見舞われたことは良かったと思います。ル・マンはシーズン1年で最も勝ちたいレースです。我々の8号車は燃料系のトラブルに見舞われ、修復のためにピットイン、その後ホイールハブのトラブルも発生しました。ドライバーズポイント争いでは差を詰められてしまいましたが、まだシーズンは続きますし、こういうことがあるのがモータースポーツだと分かっています。ル・マンへ向けて仕切り直します。

  • トヨタ:WEC 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース 予選レポート

    トヨタ:WEC 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース 予選レポート

    FIA 世界耐久選手権(WEC) 第3戦 モンツァ6時間レースの予選が7月17日(土)にイタリアのモンツァ・サーキットで行われ、僅差の争いの中、トヨタのGR010 HYBRIDはポールポジションと2番手グリッドを獲得。2台が最前列に並んで決勝レースをスタートする。

    ホセ・マリア・ロペスがアタックを担当したGR010 HYBRID 7号車は1分35秒899のトップタイムをマークし、今季2度目となるポールポジションを獲得。世界選手権ポイント1点を追加した。

    ブレンドン・ハートレーが予選を担当したGR010 HYBRID 8号車は、チームメイトの7号車から僅か0.062秒差の2番手で続き、開幕3連勝に向けトヨタの2台が最前列グリッドを占めることとなった。

    この日は予選に先立ち、2度にわたる練習走行が行われ、トヨタの2台は前日の走行とあわせて1,419kmを走破。チームは午後の予選へ向けて着実に準備を進めた。

    好天の下、予選セッションが開始された直後、コースへ出たばかりのロペスが駆る7号車が最初のシケイン進入でブレーキをロックさせてコースオフ。エスケープゾーンへの待避を余儀なくされ、アタック仕切り直しとなった。その一方で、順調にタイヤをウォームアップさせた8号車のハートレーが、アタック2周目にその時点でのトップタイムをマークした。

    コースオフでタイムをロスした7号車のロペスだったが、プレッシャーの下で素晴らしいアタックを見せ、3周目のアタックでハートレーのタイムを僅かに上回り、トップを奪取。その直後にLMP2車両がクラッシュし、セッションは赤旗中断となった。

    クラッシュした車両の排除後、残り3分でセッションは再開され、多くの車両が最後のアタックに出たが、トヨタの2台は日曜日の決勝へ向けてタイヤを温存するためにピットで待機。猛暑が予想される決勝レースでは、タイヤの摩耗が鍵になると予想される。

    ハイパーカーカテゴリーのライバルである、アルピーヌとグリッケンハウスの3台は最後のアタックに出たが、GR010 HYBRIDのタイムを更新するには到らず。トヨタ2台のGR010 HYBRIDは、18日(日)現地時間正午にスタートを切る6時間レースを最前列グリッドという理想的なポジションからスタートし、今季3勝目を目指す。

    WEC 第3戦 モンツァ6時間 公式予選結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 ベストタイム
    1 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    1:35.899
    2 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    1:35.961
    3 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    1:36.121
    4 708 ルイス・フェリペ・デラーニ
    グスタボ・メネゼス
    オリビエ・プラ
    グリッケンハウス・レーシング/
    グリッケンハウス 007 LMH
    1:36.686
    5 709 ロマン・デュマ
    フランク・マイルー
    リチャード・ウェストブルック
    グリッケンハウス・レーシング/
    グリッケンハウス 007 LMH
    1:38.323
  • トヨタ:WEC 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース 公式練習レポート

    トヨタ:WEC 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース 公式練習レポート

    FIA世界耐久選手権(WEC) 第3戦 モンツァ6時間レースの公式練習が7月16日(金)にイタリアのモンツァ・サーキットで行われた。今季、開幕から2連勝を飾ったトヨタは、新型ハイパーカー GR010 HYBRIDと共に3連勝を目指す。

    マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブするGR010 HYBRID 7号車は、開幕戦スパで3位、前戦ポルティマオでは2位でフィニッシュ。このイタリアラウンドで今季初勝利を目指す7号車は、初日の公式練習で1分38秒401のトップタイムをマークし、幸先の良いスタートを切った。

    開幕2戦を連勝で飾った、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車は、トップから0.134秒遅れの2番手タイム。今大会から参戦車両が1台増えたハイパーカーカテゴリーは、このセッションで5台全車が0.684秒内という僅差となっており、エキサイティングな戦いが期待される。

    ここモンツァは世界でも最も古いレースサーキットのひとつだが、トヨタにとってWECではあまり馴染みのないコースで、近年唯一の走行は2017年のプロローグテストにおける2日間のみ。このモンツァは昨年、WRCイベントも行われており、このWECの公式練習走行を経たことで、TGRにとってラリーと耐久の両イベントに参加した、珍しいコースということになる。

    GR010 HYBRIDにとって初走行となったモンツァでの最初の公式練習セッションは、次戦ル・マン24時間のコースに似た超高速なレイアウトでGR010 HYBRIDがどのような挙動を示すのかを確認する重要な機会となった。GTカーのアクシデントによる15分間にわたる赤旗中断があったが、終盤セッションが延長されたことで、チームは予定されていたプログラムをこなした。

    終盤軽い雨に見舞われたこのセッションで、チームはタイヤの分析に加え、様々な空力及びブレーキのセッティングを評価。この週末は暑くなることが予想され、タイヤ摩耗がレースにおける重要な要素となることが予想される。

    エンジニアとドライバーは本日の走行で得られたデータを解析し、セットアップを最適化、17日(土)の2度の練習走行に臨む。この練習走行に続き、決勝のスターティンググリッドを決定する予選が行われ、6時間で争われる決勝レースは18日(日)の現地時間正午(日本時間午後7時)にスタートが切られる。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    イタリアで再び走ることができてとても嬉しいです。私にとって、ヨーロッパでレースキャリアをスタートし、当時住んでいたのもイタリアなので、ふるさとのような感じもあり、コースもよく知っていますし、ここでのレースは楽しいです。私自身モンツァでレースを戦うのは2014年以来なので、再びここでレースができるのは本当に最高です。今日の練習走行では、週末へ向けてのGR010 HYBRIDのセットアップ改良を行い、順調な一日でした。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    まだ最初の練習走行を終えただけですが、このコースにおけるGR010 HYBRIDのセットアップベストとなる方向性を理解しようとしている段階です。上位勢のタイムが非常に接近していることから、方向性は間違っていないと思います。スパやポルティマオとは全く異なるキャラクターのサーキットなので、正しいセットアップの方向性を見出すために、まだやることはあるでしょう。とは言え、まずまずの良いレースウィークをスタートすることができました。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    モータースポーツへの情熱を常に感じられ、私にとってレースキャリアをスタートした場所でもあるモンツァに戻ってこられて素晴らしい気分です。今日はとてもスムーズな一日でした。セットアップを最適化するためにまだやるべきことはありますが、TGRの2台がトップ2のタイムをマークでき、良いスタートが切れたと思います。明日も更なるパフォーマンスを引き出すべく、作業を続けます。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    モンツァに戻れて嬉しいですし、GR010 HYBRIDでの初走行を楽しみました。私が担当したスティントでは雨粒が落ちてきてしまったり、コース上の混雑に阻まれたりと、簡単ではありませんでしたが、全体としては上手く行ったセッションでした。明日はもっと多くの周回をこなし、最大の目的である決勝レースへの準備を進めたいと思っています。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    GR010 HYBRIDはまだ2戦しか戦っていない新しい車両であり、学ぶべきことは沢山あります。私自身は、2017年のプロローグテストに参加できなかったため、耐久レースのプロトタイプ車両でモンツァを走るのは初めてですが、とても楽しんでいます。終盤僅かな雨に見舞われたのは残念でしたが、週末へ向けてまずまずのスタートが切れました。これから全ての面で調整していかなくてはなりません。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    とてもクリーンなセッションでしたし、ハイパーカーカテゴリー車のタイムが非常に接近しているのは良いことです。2台のGR010 HYBRIDは異なるテストをこなし、大きな問題はありませんでした。我々は常にGR010 HYBRIDの改良を続けており、走行を重ねるごとにクルマは良くなっています。様々なセッティングでのテストをこなしたことで、かなり仕上がって来ていると思いますし、感触は良いです。

  • トヨタ:WEC 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース プレビュー

    トヨタ:WEC 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース プレビュー

    トヨタは、約30年ぶりにFIA世界耐久選手権(WEC)が開催されるイタリアでの第3戦モンツァ6時間レースにおいて、ハイパーカー元年開幕3連勝を目指す。

    トヨタの新型ハイパーカーGR010 HYBRIDは、今季ここまで行われてきたベルギー・スパとポルトガル・ポルティマオの2戦を制し、モンツァの超高速コースに挑む。このモンツァ・サーキットは、トヨタの耐久レース参戦史において特別なコースでもある。

    1992年、ジェフ・リース/小河等組のトヨタのグループCカー TS010が、ライバルのプジョーを下し、トヨタにとって初となる世界耐久スポーツカー選手権での勝利を飾った。この勝利により、TS010はジャガーXJR-14やメルセデスベンツC11、ポルシェ962らとともに、モンツァでの勝利を挙げたグループCカーとして歴史に名を刻んだ。

    トヨタ TS010

    この1992年のモンツァ戦以降、イタリアではWECは開催されてこなかったが、モンツァは2017年のWECプロローグテストの舞台として使用された。ヨーロッパ最大の壁に囲まれた公園内に位置する、この伝統ある1周5.793kmのコースは、今季よりWECカレンダーの1戦に加わった。

    TGRは今季、素晴らしい開幕ダッシュを見せ、ドライバーズ、チームの両ランキングトップで第3戦に臨む。昨年のル・マン勝者であるセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID 8号車)の3名は今季ここまで2連勝でドライバーズランキング首位につけ、ディフェンディングチャンピオンであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス(7号車)の3名は両レース表彰台フィニッシュで続いている。

    シーズン開幕からの2戦はドラマティックな戦いとなったが、昨年2月以来、WECは無観客で実施され、大切な一つの要素である観客の皆様が欠けていた。しかし、今大会より、人数を限ってではありますが、サーキットに観客が戻ってくる。

    超高速で、長いストレートの直後にシケインが待ち構えるモンツァのコースは、ル・マンの舞台であるサルト・サーキットに似ており、開催時期が延期され8月21日(土)から22日(日)決勝レースとなった今年のル・マン24時間レースへ向けた準備として理想的だ。

    レースは、16日(金)午後の公式練習走行で幕を開ける。17日(土)はさらに2回の練習走行に続き、37台で争われる決勝に向けたスターティンググリッドを決定する予選が行われ、翌18日(日)の現地時間正午(日本時間午後7時)に6時間の決勝レースのスタートが切られる。

    村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WEC チーム代表):
    ファンの皆様の前で再びレースができることが楽しみで仕方ありません。レースの雰囲気に満ちた週末を観客の皆様と一緒に楽しむことが1年以上できていませんでした。イタリアの情熱的なモータースポーツファンの皆様を再び迎えることができ、モンツァは素晴らしいレースになるでしょう。実現にご尽力いただいたサーキット関係の皆様、レースオーガナイザーの皆様に深く感謝いたします。今回はル・マンに向けた重要なステップです。モンツァのトップスピードは高速で、ハードなブレーキングゾーンもあるためGR010 HYBRIDにとって過酷なレースとなりそうですが、チーム全員が今回の挑戦を楽しみにしています。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7):
    WECではモンツァのレースを戦ったことはありませんが、私自身は17歳の時にジュニアカテゴリーのレースで初めて走ったのがこのモンツァであり、とても良く知っています。私のキャリア初期にはイタリアに住んでいたこともありますし、イタリアでまたレースができるのは嬉しいです。このモンツァ戦はル・マン前の最後のレースでもあり、とても重要なレースウィークです。全てを着実にこなして、GR010 HYBRIDの性能を引き出し、信頼性を確認するとともに、我々自身の準備も整える必要があります。今大会から観客が戻ってくるのは素晴らしいことですし、イタリアのファンの皆様の前でエキサイティングなレースを見せることができたらと思っています。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7):
    モンツァに戻れるのは嬉しいです。数年前のプロローグテストで訪れましたが、TS050 HYBRIDでこのような超高速コースを走るのは本当に楽しかったです。GR010 HYBRIDでも同様に間違いなく楽しめるでしょう。ハイパーカーでモンツァを走るのは初めてなので、もちろん挑戦ですし、特にブレーキングや縁石通過時に向けて正しくセットアップすることが必要です。それらを上手く対応し、トップに立てることを期待しています。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7):
    モンツァに戻れてとても嬉しいです。モンツァでのレース自体はずいぶん長い間していませんが、キャリアの初期にこの近くに住んでいたことがあり、とても良い思い出があります。ジュニアカテゴリー時代に何度か優勝したこともありますし、WECでも勝てればと思っています。モンツァは耐久レースに最適なコースですし、前戦ポルティマオで良いパフォーマンスを見せられたので、今大会に向けてもとても期待が高まっています。ル・マン前の最後のレースですし、良いレースウィークにしたいと思っています。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8):
    モンツァはお気に入りのサーキットのひとつで、2017年以来となる訪問を本当に楽しみにしています。モンツァのような超高速サーキットを走るのは最高に気持ちが良いです。モンツァはブレーキングや縁石通過、そして荒れた路面でのトラクションなど、簡単なコースではないだけに、我々のハイパーカーがどれだけのパフォーマンスを見せられるのか楽しみです。大変な挑戦になるとは思いますが、ル・マンに向けての準備の助けにもなってくれるでしょう。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8):
    シーズンのスタートを2連勝で飾れたのはとても素晴らしいことで、モンツァでもこの勢いを維持していきたいと思っています。とはいえ今大会も簡単ではないことは分かっています。前戦ポルティマオではアルピーヌの速さを目の当たりにしましたし、グリッケンハウスも今回から2台体制で参戦してくるということで、彼らもさらに強力なライバルになるでしょう。ハイパーカーカテゴリーの争いはさらに接近した激しいものになると思いますが、我々もしっかりと準備をしてきました。ル・マンも目前に迫っているので、このモンツァ戦でも良い結果を得て、良い雰囲気でル・マンに臨めればと思っています。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8):
    スピードの殿堂とも言えるコースで、GR010 HYBRIDと共にレースができるというのは最高です。耐久レースにおいて素晴らしい歴史を持つモンツァがWECカレンダーの1戦として復活するというのは素晴らしいことです。新しいハイパーカーがル・マンと同じような長いストレートを持つコースを走るのは初めてのことであり、ル・マンと同じような空力セッティングが必要になるので、準備という面でも完璧な機会となるでしょう。もちろんル・マンへの準備というだけでなく、世界チャンピオン争いにおいてポイントを獲得することも重要であり、我々の目標は3勝目です。

  • WEC、日本での2021年 富士6時間レースの開催中止を決定

    WEC、日本での2021年 富士6時間レースの開催中止を決定

    富士スピードウェイは、9月24日(金)〜26日(日)に開催を予定していた「2021 FIA世界耐久選手権 第5戦 富士6時間耐久レース」の開催中止を決定した。

    富士スピードウェイは「関係各方面との連携・調整を続けてまいりましたが、大会まで残り3か月となり、物流手配等の期限を迎えた現時点においても、外国人選手やチーム関係者の移動および滞在など、開催を確約できる見通しが立たないため、LMEM(WECシリーズ プロモーター)とも協議のうえ、大変残念ではございますが本大会の開催を断念することといたしました」と述べた。

    「ご観戦を楽しみにされていたファンの皆様ならびに関係者の皆様におかれましては、大変申し訳ないことと存じますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます」

    「今後は、2022年大会の開催に向け、引き続きLMEMをはじめ、関係各所と協議を進めてまいりますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます」

    富士スピードウェイ株式会社 代表取締役社長 原口英二郎
    WEC富士大会は「耐久の富士」の象徴的なレースであり、開催に向けて努力してまいりましたが、ファンの皆様のご期待に添うことができず、残念でなりません。来年のWEC富士大会の開催に向けては、LMEMとの固い信頼関係のもと、確実に準備を進めてまいりますので、どうかご期待ください。

  • プジョー、2022年のWEC/ル・マン参戦ハイパーカー『9X8』を発表

    プジョー、2022年のWEC/ル・マン参戦ハイパーカー『9X8』を発表

    プジョーは、2022年にWEC/ル・マン24時間レースに参戦するハイパーカー『プジョー 9X8』を発表した。

    プジョーは、耐久レースで長い実績を誇っており、1992年と1992年のル・マン24時間レースでは『905』、2009年には『908 HDi FAPディーゼル』で優勝を果たしている。プジョーは、2022〜2023年のシーズンからWECのハイパーカーに参戦する。

    7月6日にプジョーは特別プレゼンテーションを開催し、『プジョー 9X8』の最初のデザインを公開した。

    プジョーのCEOを務めるリンダ・ジャクソンは「実際には非常に単純だ」と語った。

    「『9』は究極のプジョーカーを表す。905、908など、すべてのレーシングカーを振り返ればおわかりだろう。『X』は四輪駆動だが、ハイブリッドも意味する」

    「そして最後に『8』だが、プジョーの現在のレンジにハイパーカーを統合している。208、3008があり、そこに9X8が加わる」

    9X8は、リアウイングを持たないデザインが特に印象的だ。

    「レギュレーションには、リアウィングを実際に必要とせずに、必要なレベルのパフォーマンスを達成する機会がある」とテクニカルチーフのオリビエ・ヤンソニーは説明した。

    「また、それは我々がアドバンテージとして使用できるものだと思ている」

    オリバー・ヤンソニーは、プロジェクトは最初の発表以来「かなりのステップ」を踏んでおり、「4月からダイナモでテスト中」の最初のエンジンを製造し、900kwバッテリーで使用される「一部のパーツ」をすでに製造していると述べた。

    プジョーは、今年初めにWECとル・マンのドライバーラインナップを発表している。

    元F1ドライバーのケビン・マグヌッセンを筆頭に、同じく元F1ドライバーのポール・ディ・レスタとジャン・エリック・ベルニュ、長年の耐久レースで傑出したロイック・デュバル、2016年のLMP2チャンピオンのグスタボ・メネゼス、そして現在のIMSA LMP2リーダーのミケル・ジェンセンで形成される。そして、ジェームズ・ロシターがリザーブドライバーを務める。

    プレゼンテーションの中で、ジャン・エリック・ベルニュは、9X8のデザインを「革命的」で「言葉で表せないほど」だと述べ、ケビン。マグヌッセンは「これまでに見たレースカーとは違う」と述べました。

    「ル・マンの歴史を刻む車になるだろう」とジャン・エリック・ベルニュは語った。

    「勝てば歴史が作られる。この車で勝つことを確認する必要があるが、この車がル・マンに勝った場合、それは歴史の本を書く車になるだろう」

    プジョー 9X8Peugeot 9X8

  • トヨタ、記念すべき世界耐久選手権100戦目を1-2フィニッシュで飾る

    トヨタ、記念すべき世界耐久選手権100戦目を1-2フィニッシュで飾る

    2021年シーズン FIA 世界耐久選手権(WEC) 第2戦 ポルティマオ8時間レースの決勝レースが6月13日(日)にポルトガルのポルティマオ近郊に位置するアルガルヴェ・サーキットで行われ、2,3番手グリッドからスタートを切ったトヨタのGR010 HYBRIDは、大きなトラブル無く着実に8時間を走り抜き、トヨタにとって記念すべき世界耐久選手権参戦100戦目を1-2フィニッシュで飾った。

    チームは前日の予選でポールポジションを惜しくも逃したが、決勝レースではセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車が、チームメイトであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車と、ポールシッターのアルピーヌ36号車との三つ巴の首位争いを展開。最後まで接近戦を繰り広げ、僅か1.8秒差で7号車を制した8号車が開幕から2連勝。トヨタは世界耐久選手権100戦目で、通算32勝目を挙げた。

    開幕戦のスパ6時間レースに続き2連勝を飾ったトヨタは、チームの選手権ポイントで2位との差を22点とし、ドライバーズ選手権では8号車の3名が、2位の7号車に20点差をつけて首位を守っている。

    今季より新たな時代を迎えたハイパーカーカテゴリーの争いは、先月の開幕戦スパに続き、WEC初開催となったポルトガルでも三つ巴の激戦を展開。8時間の決勝レースは8号車のブエミが2番手、7号車のロペスが3番手グリッドからスタートを切り、序盤からポールスタートのアルピーヌ36号車を追撃した。

    最初の給油ピットストップ時には、トップ3台は10秒ほど離れていたが、首位のアルピーヌ36号車は燃料タンクが小さいため、やや早めにピットインし、これにより8号車のブエミが首位に浮上。アルピーヌ36号車は給油間隔が短く、回数が多くなる代わりに、燃料搭載量が軽く、ピット時の給油時間が短くなる。

    2台のGR010 HYBRIDは、2時間経過直前にコンウェイとハートレーへとドライバー交代。75周を終えたこの時点でも首位のアルピーヌ36号車とトヨタの2台によるトップ3台の差は10秒ほどという、息を飲むような接戦が続いた。

    8号車はハートレーに交代した直後、ブエミも序盤に苦しんだ、LMP2車両をかわすことに手こずりタイムロス。これによりコンウェイの7号車が8号車をかわし2位へと浮上した。次の給油ピットストップ時には、ハートレーの8号車のピットイン時に、再逆転するかと思われたが、コース上のトラフィックに阻まれ、7号車が再度先行した。

    レースが半分を過ぎた時点で、トヨタの2台はアルピーヌ36号車をかわし、7号車の小林と8号車中嶋が約10秒差での首位争いを展開した。

    残り3時間ほどになった頃、コースアウトしたLMP2車両がグラベルエリアにつかまり、セーフティカーが導入。これによりここまでに築いてきたトヨタの2台とアルピーヌ36号車とのマージンは帳消しとなり、トップ3台の差は再び縮まった。

    残り2時間半となったところでレースが再開されると、ロペスへと交代した7号車が首位をキープ。ブエミへと交代し、燃料をセーブする作戦を採る8号車が2位で続く形となった。

    レースは残り30分のところでフルコースイエローが出され全車スローダウン。ここでロペスの7号車は短い給油ピットストップを行い、最後まで走り切る作戦の8号車の3秒後方でコースに復帰した。7号車のロペスは8号車に迫り、チームは2台の首位争いを見守ったが、ブエミが守り切り、8号車が今季2勝目を挙げた。そのすぐ後でフィニッシュラインを越えた7号車が2位。8時間、300周のレースを終えた時点で、3位のアルピーヌ36号車とトップとの差は僅か1分8秒597だった。

    ハイパーカーによる戦いが続く次戦WEC第3戦は7月18日、イタリアのモンツァ・サーキットで行われる。

    村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WEC チーム代表)
    トヨタにとって記念すべき世界耐久選手権100戦目において、1-2フィニッシュという最高の形で勝利を飾ることができました。ドライバー、エンジニア、メカニックの素晴らしい仕事に感謝しています。我々はこの勝利のために激しい戦いを繰り広げました。それは3台のハイパーカーがコンマ数秒を争うエキサイティングなレースでした。誰にも失敗が許される状況ではありませんでしたが、ミスなく、ワンチームとなって努力できたことをうれしく思います。素晴らしい予選に続いて決勝でも勝利に向かって果敢に挑戦を続けたアルピーヌチームは素晴らしかったと思います。また、初めてとなったグリッケンハウスチームとの戦いも楽しむことができました。今後も彼らとの戦いを楽しみにしています。ハイパーカークラスがいよいよ本格的に動き出し、ファンの皆様には今後のレースでもたくさんの手に汗握るような接戦を楽しんでいただくことができると思っています。これまでポルティマオでは多くのテストを行ってきましたが、ポルトガルでのWECは今回が初開催となりました。現在のような状況の中で、各参戦チームを快く迎え、安心安全なイベントを準備、開催してくれたすべての関係者に感謝いたします。次戦のモンツァは1992年、我々が世界耐久選手権で初優勝した思い出の舞台であり、また良いレースをして、その時と同じ結果を迎えられるよう準備を進めていきますので、ぜひご期待ください。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    私のスティントは好調で、ペースも良かったです。コース上のトラフィックをかわしていくのはかなり難しく、給油のためピットへ入るときに少しピット進入で攻めすぎてしまい、チームをひやりとさせてしまいましたが、幸運にも規定速度まで落とすことができました。練習走行で若干苦戦し、決勝でレースペースを掴むための努力をしてきただけに、今日お見せすることができたスピードには満足しています。我々7号車はチェッカー目前で少しだけ給油をする必要があり、勝利を逃してしまったのは残念です。チームは素晴らしい仕事をしてくれました。ドライバーも良い走りを見せられたので、勝つことはできませんでしたが、チームが1-2フィニッシュできたというのは良い結果です。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    今日は皆良い走りができたと思います。レース状況次第では違う結果になったかも知れません。8号車は序盤に燃料をセーブしたことで、それが戦略的に上手く働き、最終的に僅かに我々よりも長く走ることが可能になりました。最後にフルコースイエローが出されたことで、そのタイミングで最後の給油ができ、通常よりもタイムロスを少なくできたのは幸運でした。レースを通して我々の7号車の方が僅かに速かったと思いますが、残念ながら今日のような結果も時々あります。まず、チームが1-2フィニッシュを果たすことが最優先です。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    このコースで他の車両をかわしながらの8時間というのは本当に大変なレースで、私自身、そのうちの4時間以上ドライブしていたので、ハードな一日でした。自分の走りには満足していますし、チームの1-2フィニッシュに貢献できて良かったです。1周の走行ペースではアルピーヌのほうが速かったですが、チームワークと効率よいレース運びで順位を取り返し、チームに取って大事な結果を勝ち取りました。7号車のエンジニア、ピットクルー、マイク、可夢偉、そして私自身もこのレースで本当によくやったと思います。セーフティカーが出るまでは好調に首位を走っていましたが、セーフティカーで状況が変わってしまいました。ペースも良かったのですが、それが結果には繋がりませんでした。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    世界耐久選手権100戦目を1-2フィニッシュで飾れたというのは素晴らしい結果です。非常に接近した戦いで、誰もが勝利を目指し、これ以上無いほど全力でプッシュし続けました。1-2フィニッシュを成し遂げた両チームを祝福します。こんな大変なレースで勝てるのは、本当に最高の気分です。タイトル争いについて語るのはまだ早いですが、少しでもポイント差を広げられるのは良いことです。今日のチームの働きと結果には満足しています。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    激しいバトルの末にレースを勝ち取ることができて感激しています。我々は7号車とは異なる戦略で戦い、それが結果に表れました。最初のスティントで給油までの周回を1周伸ばすことができ、それが効を奏しました。セーフティカーが出されたことも、最後に給油ピットをしなくて済むことに繋がり、今日のレースの鍵になりました。ペースを保ちながら極力燃料消費を抑える走りを続けました。最後のフルコースイエローは我々にとって少し不運で、それが無ければ7号車は給油ピット後にもっと後方のはずでした。しかし、レースでは時々こういうことも起こります。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    この勝利は努力の賜物です。中でもコース上のトラフィックは大きな要因でした。LMP2車両をパスするのは本当に困難で、彼らの協力も必要でした。我々はスタートから燃料消費を抑えることで戦略の幅を拡げ、それが上手く行きました。給油間の周回数を伸ばしながらもペースを維持できたので、本当に戦略を活かして戦えたと思います。チームのお陰です。全く異なる戦略を採ったにもかかわらず、残り20分の時点でもTGRの2台は全く差がありませんでした。レース全体を通して7号車との戦いでしたが、最終的に勝つことができるのは1台です。そして、TGRにとっては最高の1-2フィニッシュになりました。

    WEC 第2戦 ポルティマオ8時間 決勝結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ギャップ
    1 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    300
    2 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    300 1.800
    3 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    300 1:08.597
    4 38 ロベルト・ゴンザレス
    アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ
    アンソニー・デビッドソン
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    296 4 Laps
    5 28 ショーン・ゲラエル
    ストフェル・バンドーン
    トム・ブロンクヴィスト
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    296 4 Laps

    TOYOTA GR010 HYBRID

  • WEC:トヨタ 2021年 第2戦 ポルティマオ8時間 予選レポート

    WEC:トヨタ 2021年 第2戦 ポルティマオ8時間 予選レポート

    2021年シーズン FIA 世界耐久選手権(WEC) 第2戦 ポルティマオ8時間レースの予選が6月12日(土)にポルトガルのポルティマオ近郊に位置するアルガルヴェ・サーキットで行われ、トヨタのGR010 HYBRIDは8号車が最前列2番手グリッド、7号車が3番手グリッドを獲得した。

    13日(日)に行われる決勝レースは、トヨタが世界トップレベルの耐久レースシリーズにグループCカーで1983年の富士1000kmでデビューして以来、100戦目となる。

    この記念すべき決勝レースのスターティンググリッドを決定する予選では、非常に僅差でのアタックが繰り広げられた。2台のGR010 HYBRIDは2、3番手と好位置につけ、前戦スパ6時間に続き、このポルトガルラウンドでも勝利を目指し戦う。

    スパを制したセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車はチェッカー目前のアタックでタイムを伸ばし、トップのアルピーヌ36号車から僅か0.094秒差の1分30秒458をマークし2番手。ディフェンディングチャンピオンであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車はトップと0.176秒差の3番手グリッドとなった。

    開幕戦スパ6時間レース後の本レースでは、GR010 HYBRIDには26kgの最低重量増加及び最高出力と使用可能エネルギー制限という性能調整が施された。これにより、トヨタは同じカテゴリーのアルピーヌ、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスだけでなく、LMP2クラスの車両とも、僅差のラップタイムで争うこととなった。

    10分間の予選セッションは目まぐるしく順位が入れ替わる、非常にエキサイティングなものとなった。新品タイヤを装着してまずコースインした7号車のコンウェイは、最初にアタックしたタイムがトラックリミット違反で抹消。一度走行したタイヤでアタックした8号車のハートレーは上位タイムに届かずこの時点では5番手。その後、2周のアタックを経てコンウェイが2番手に入った。

    セッションの残り時間が少なくなっていく中、2台のGR010 HYBRIDは一旦ピットへ戻り、新品タイヤへ交換し、ポールポジション獲得へ向け最後の一発アタック。ハートレーはチェッカーを受ける最終ラップで自身のベストラップを更新、7号車をかわして2番手に浮上。コンウェイはベストラップ更新ならず、3番手で予選を終えた。

    予選上位につけたハイパーカークラス3台のタイムはコンマ2秒以下という僅差であり、ポルトガル初のWEC戦は接戦が予想される。8時間の決勝レースは現地時間13日(日)午前11時(日本時間同午後7時)にスタートが切られる。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID 7号車)
    非常に接近した予選セッションでしたが、もう少し良いタイムを出せたと思っているので少し残念です。GR010 HYBRIDのポテンシャルを全て引き出すことはできませんでした。最初のアタックではトラックリミット違反を取られてしまいましたが、次のアタックラップでさらにタイムを更新するつもりであったのであまり気にしていませんでした。新品タイヤに交換し、ポール獲得へ向けた再アタックに出ましたが、グリップを最大に発揮できるまでにはもう少し時間が必要だったようです。それでも、LMP2カーより前のポジションへ出ることができたのはよかったと思いますし、決勝レースでのスタートが少し楽になるでしょう。決勝レースでは、我々GR010 HYBRIDが競争力を持っていることは分かっています。差は非常に小さく、どの車両にもチャンスがありますが、可能な限り上位でフィニッシュすべく頑張ります。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID 8号車)
    我々は新しいハイパーカーでまだ経験を積んでいる最中で、色々なことを試しています。練習走行中、新品タイヤで苦戦したので、最初のアタックは一度走行したタイヤで挑みました。この作戦が上手く行かなかったときの代案も用意してあり、それが今回は効を奏しました。最後のアタックはプレッシャーもありましたが、なんとかタイムが更新できて満足しています。最前列グリッドを獲得できたのはチームの作戦とチームワークのお陰です。本当に僅差だったので、ポールポジションも獲得可能だったとは思いますが、最終的にはアルピーヌのものになりました。彼らはよかったと思います。予選トップ3がコンマ2秒以内ということで、決勝レースも最後まで接近戦が続くと思いますが、長いレースですし、コース上の他の車両をかわしていくのも大変です。LMP2カーともタイムが僅差なので、集中し、接触しないようミス無く戦うことが大事です。8時間の決勝レースはとても長い戦いになるでしょう。

    WEC 第2戦 ポルティマオ8時間 公式予選結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 ベストタイム
    1 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    1:30.364
    2 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    1:30.458
    3 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    1:30.540
    4 28 ショーン・ゲラエル
    ストフェル・バンドーン
    トム・ブロンクヴィスト
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    1:31.210
    5 38 ロベルト・ゴンザレス
    アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ
    アンソニー・デビッドソン
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    1:31.255
  • WEC:トヨタ 2021年 第2戦 ポルティマオ8時間 公式練習レポート

    WEC:トヨタ 2021年 第2戦 ポルティマオ8時間 公式練習レポート

    2021年シーズン FIA 世界耐久選手権(WEC) 第2戦 ポルティマオ8時間レースの公式練習走行1回目が6月11日(金)にポルトガルのポルティマオ近郊に位置するアルガルヴェ・サーキット行われ、TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)のGR010 HYBRIDは8号車が3番手、7号車が4番手で初日を終えた。

    1か月前に今季開幕戦として行われたスパ・フランコルシャン6時間レースで、ハイパーカー新時代での記念すべき初勝利を挙げたトヨタとGR010 HYBRIDは、ハイパーカーカテゴリーにおいて、LMP1アルピーヌに加え、新たなライバルとして、今大会はスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスを迎える。

    走行が開始された11日(金)は、90分間の公式練習1回目が実施され、LMP2クラスのイオタ38号車が1分33秒752でトップタイム。0.029秒遅れの2番手にアルピーヌの36号車が続いた。この日のセッションは非常に接近したものとなり、トップ10台が1秒以内のタイムとなった。

    開幕戦スパ6時間を制したセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車はトップと0.048秒差の3番手、ディフェンディングシリーズチャンピオンであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車はトップと0.055秒という僅差で4番手に続いた。

    トヨタにとって記念すべき世界耐久選手権100戦目となるこのポルティマオ8時間レース、ポルトガルでのWECは初開催となるが、トヨタにとって、ここポルティマオは馴染みのあるコースだ。

    チームは2012年にWECプロジェクトを開始して以来、ここポルティマオで定期的にテストを行っており、12月に行われたGR010 HYBRIDにとって初のフル走行テストもポルティマオだった。とはいえ、今日の公式練習走行が1周4.653kmのアルガルヴェ・サーキットでのWEC初の公式セッションとなる。

    12月のテスト時に比べて当然路面温度は高くなり、この日は約50度に達した。GR010 HYBRIDは12月のテスト時に比べ、車両セットアップや制御系のセッティングを改良し、ドライバーはこれまでの走行データとの比較や調整に多くの時間を費やした。

    チームはまた、今大会に向けてGR010 HYBRIDへ設定されたバランス・オブ・パフォーマンス(性能調整)により開幕戦スパと比較して、車両重量26kg増、そして1スティントあたり使用できるエネルギーが2MJ減、最大出力が5kW減とされたため、その対応も行う必要があった。

    公式練習走行中、アクシデントによるフルコースイエローに阻まれることもあったが、チームは決勝レースへ向け、車両のセッティングを最適化するための充分なデータを得るべく、暑いコンディションにおけるタイヤのパフォーマンスとタイヤ摩耗テストも行いながら、様々なメカニカル及び空力面でのセットアップの組み合わせを試した。

    この日、6人のドライバー全員が交代でステアリングを握り、32台が出場する、他のサーキットに比べて1周が短い、アップダウンの激しいコース上のトラフィックなどを経験。最終的に2台のGR010 HYBRIDは、合計で75周、349kmを走破した。

    公式練習は12日(土)にも2度行われ、その後、1人のドライバーがアタックしたタイムでグリッドを決定する予選、そして13日(日)に8時間の決勝レースが行われる。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    良いレースウィークのスタートを切ることができ、クリーンなセッションでした。チームはしっかりとクルマを準備してくれたので、今日のセッションは全くトラブル無く、多くのデータを収集できました。まだ決勝レースへ向け改良するためにすべきことは多いですが、ポジティブなスタートが切れましたし、ここまでは全てに満足しています。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    順調なセッションでした。前回最後にここを走ったのは冬だったので、暖かいコンディションで走れて良かったです。ただ、セットアップの面ではこれまでとは違うものが求められるでしょう。全ての車両が一斉にコースを走ることになるので、タフなレースになるでしょうし、そのトラフィックの中でクリアラップを得るのは運も必要になりそうです。大変なレースになるでしょうが、これも耐久レースです。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    私自身は今日数周しかしていないので、自分のスティントについてはあまり話すことはありません。今日のような高い温度での路面の感触を確認することはできましたが、あまりグリップは高くありませんでした。我々は予定されていたプログラムをこなし、マイクと可夢偉が多くのデータを集めてくれたので、今夜それらを分析します。私にとっては静かな一日でしたが、明日は変わるでしょう。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    セッション終盤のコースインで、フルコースイエローが出てしまったので、私自身はあまり多くの周回をこなすことができませんでした。個人的にはまだフィーリングを掴むまでには到っていませんが、セバスチャンとブレンドンによれば、路面温度により、タイヤの感触がかなり違うようです。これから車両の最適化を進める必要がありますし、まだまだ学んでいる最中です。路面コンディションが我々にとって良い方向へと改善してくれることを願っています。コース上のトラフィックはかなり厳しいでしょうし、予選も決勝も、我々にとって大きなチャレンジとなるでしょう。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    今日は充分な周回をこなせたとは言えませんが、我々はこれまでにここポルティマオである程度データを得ています。とはいえ今回はテストの時とは違い、夏の暑いコンディションなので、その点での違いはあります。特に大きく違うのはタイヤで、車の挙動も異なります。しかし我々はそれらを学び、これまでのところ順調です。今日は、分析すべき多くのデータを得ることが出来ました。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    フルコースイエローでセッションが中断されることもありましたが、それ以外はとてもクリーンなセッションで、我々の車両もノートラブルでした。バランス面でまだ少し改良の必要があります。この週末は路面温度が非常に高く、タイヤの選択が難しそうです。また、コース上のトラフィックも難敵で、それがこの週末の鍵になると思われます。

    WEC 第2戦ポルティマオ8時間 公式練習第1回目結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 タイム
    1 38 ロベルト・ゴンザレス
    アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ
    アンソニー・デビッドソン
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    37 1:33.752
    2 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    28 1:33.781
    3 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    36 1:33.800
    4 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    39 1:33.807
    5 34 ヤコブ・シュミコウスキー
    ルイ・デレトラズ
    アレックス・ブランドル
    インター・ユーロポル・コンペティション/
    Oreca 07-Gibson
    37 1:33.979