カテゴリー: トヨタ

  • 坪井翔のF1初テストは「ご褒美ではなく実力評価」トヨタ幹部が明言

    坪井翔のF1初テストは「ご褒美ではなく実力評価」トヨタ幹部が明言

    トヨタは、坪井翔がハースF1チームの旧型車テストに参加することについて、「スーパーフォーミュラ王者への報酬ではない」と強調した。あくまで実力評価の一環としての“オーディション”であると位置づけている。

    2025年8月6〜7日に富士スピードウェイで実施されるこの旧型車テスト(TPC)では、初日に平川亮(トヨタ/ハースF1リザーブドライバー)、2日目に坪井翔がVF-23をドライブする予定だ。

    トヨタのグローバルモータースポーツ部門ディレクターである加地雅哉は、英オートスポーツ誌に次のように語った。

    「このテストの結果次第で、今後がどうなるかが決まります。チームとのコミュニケーションを含めた“選考”の場であって、経験を積ませるだけのテストではありません」

    「彼の本当のパフォーマンスレベルをきちんと評価したいと思っています。特に英語でのコミュニケーションにはしっかり取り組んでもらいたいです」

    「現時点では、彼のパフォーマンスは日本人ドライバーの中でもトップだと見ています。他のドライバーやファンにとっても、非常に興味深い存在だと思います」

    加地はまた、平川亮を「良いベンチマーク」と評価。ただしテストの2日間は天候やコンディションが異なる可能性があるため、単純なタイム比較は難しいとの見解も示した。

    VF-23を用いたハースのTPCプログラムには、これまでに同じトヨタ系の宮田莉朋(1月・ヘレス)と小林可夢偉(6月・ポール・リカール)も参加している。小林の走行は、若手育成の指導に役立てる目的で実施された。

    一方で加地は、今後の候補者については明言を避けた上で、スーパーフォーミュラの成績だけでは選考基準にならないと語った。

    「正直なところ、明確な基準があるわけではないんです。坪井選手は非常に高いポテンシャルを持っているので、結果だけが理由ではありません」

    「今回のテストは、スーパーフォーミュラでチャンピオンになったことへの“報酬”ではありません。仮に他のドライバーが同じようにチャンピオンになったとしても、必ずしも同じ機会が与えられるわけではないんです。あくまでパフォーマンスを重視しています」

    宮田についても、F2での苦戦が続く中、ザントフォールトとモンツァでアルピーヌのTPCテストに参加する機会を得ている。スパでは予選2番手からの2位フィニッシュという今季最高リザルトも記録したが、トヨタは結果以上に経験の蓄積を重視している。

    「現時点では、彼にできる限り多くの経験を積ませたいと思っています。チームやマシンに関係なく、ドライビングに集中できる環境を与えることが重要なんです」

  • ハースF1チーム 富士スピードウェイのTPCテストで来場ファンサービスを実施

    ハースF1チーム 富士スピードウェイのTPCテストで来場ファンサービスを実施

    ハースF1チームは、2025年8月6日(水)・7日(木)の2日間にわたり、富士スピードウェイで旧型車テスト(Testing of Previous Cars/TPC)を実施する。トヨタと関わりの深いドライバー2名がVF-23をドライブし、各種ファンサービスも行われる予定だ。

    8月6日(水)はTOYOTA GAZOO RacingおよびハースF1チームのリザーブドライバーである平川亮がステアリングを握り、翌7日(木)には同じくトヨタの坪井翔が走行を担当する。

    両日ともに午前・午後のセッションが予定されており、9時から12時までと13時30分から17時までの時間帯で走行が行われる。

    ファン向けイベントも多数実施
    現地ではドライバーやチーム代表との交流の機会も設けられており、両日とも12時30分〜13時00分に「オートグラフセッション」、17時30分〜には「トークショー」が開催される。いずれも小松礼雄チーム代表に加え、平川亮・坪井翔の両ドライバーが参加予定だ(予告なく変更の可能性あり)。

    ■ オートグラフセッション

    開催場所:32番ピット

    整理券:5番ピットにて9時から配布開始

    ■ トークショー

    開催場所:クリスタルルーム1〜3

    整理券:5番ピットにて14時から配布開始

    ハースF1チーム

    「激感スタンド」「激感ピット」など特別観覧エリアも開放
    普段はVIP専用エリアとなっている「ADVAN激感スタンド」が有料で一般開放される。ドライバーの走行を間近で体感できる絶好のチャンスだ。各セッションごとに料金は4,000円(税込)、定員は30名。当日8時よりコントロールセンターにて販売される。

    また、24~25番ピットの横に位置する「激感ピット」では、ハースF1チームのピット作業を至近距離から無料で観覧可能。椅子や三脚の使用は不可となっている。

    入場情報と料金
    東・西ゲートは両日ともに朝6時オープン。入場料は以下の通り。

    一般(18歳以上):1,200円

    JAF・SD・ゴールド免許割引:1,100円

    高校生:900円

    中学生以下、FISCOクラブ会員、FSWライセンス保持者、ANNUAL PASS所持者:無料

    イベントの詳細・最新情報はハースF1チーム公式サイトにて随時更新される予定。ファンにとって貴重な体験となる2日間を見逃すな。

  • ハースF1チームに次のレベルへの進化をもたらすトヨタの支援

    ハースF1チームに次のレベルへの進化をもたらすトヨタの支援

    2024年アメリカGP直前、ハースF1は日本の自動車メーカー・トヨタとの画期的な技術提携を発表した。

    この提携は、F1グリッドの中でも長らく資金面で不利な立場にあったハースにとって極めて重要なものであり、特にチーム初となる「旧型車テスト(TPC=Testing of Previous Cars)」を実現するという点で、トヨタがハースを新たな競争段階へ引き上げる契機となっている。

    2025年のF1グリッドにおいて、ハースは最小規模のチームのひとつだ。

    例えばメルセデスのようなトップチームが1,000人以上のスタッフを擁するのに対し、ハースはわずか250人前後で運営されているとされる。

    この違いはチームの目的の差にも表れている。創設者ジーン・ハースは、F1を自社製品「ハース・オートメーション」のマーケティング手段として活用しており、革新的技術の追求よりも、実戦競争への参加そのものに重点を置いている。

    しかし、グラウンドエフェクト新時代を迎えたF1においては、限られた資源で戦うことは年々困難になっている。

    そこで登場するのがトヨタだ。

    トヨタは世界最大の自動車メーカーであり、そのモータースポーツ部門「トヨタ・ガズー・レーシング(TGR)」はWECやWRCなどでも最高峰の技術を展開している。

    2024年10月、TGRはアメリカのハースF1と技術提携を結んだ。発表当時、ハースのチーム代表・小松礼雄は次のように語っていた。

    「我々は『あるもの』が足りない。理解のための装置や設備がないのです。彼ら(トヨタ)はF1に関する最新の知識と技術を求めており、我々にはそれがある。一方で我々には彼らのような施設や人材、資源がない。だからこそお互いの専門性を活かし合うのです」

    ハースF1チーム トヨタ

    TPCテスト実現、VF-23が富士で走る
    その提携の成果が、いよいよ目に見える形で現れる。ハースは今夏、富士スピードウェイでのTPCテスト実施を発表した。

    TPCとは、F1チームが旧型マシンを用いて独自のテストやドライバー育成、開発を行うための制度だが、莫大な資金とリソースが必要となるため、これまでハースは一度も実施してこなかった。

    しかしトヨタの支援により、2023年型マシン「VF-23」でのプライベートテストが可能に。テストドライバーとしては、トヨタと縁の深い日本人ドライバー2人──F1リザーブドライバーの平川亮と、スーパーフォーミュラおよびスーパーGT王者の坪井翔──が起用される。

    トヨタがドライバー選定にも関与していることからも、この取り組みが単なる技術供与に留まらない包括的な成長戦略であることがわかる。

    加地雅也(TGRグローバルモータースポーツ部門ディレクター)は、このテストの目的を次のように語った。

    「このTPCテストは“人”の育成という目的の一環でもあります。坪井翔選手は自身のスキルアップに加え、他のTGRドライバーへの良い刺激になると信じています。

    また、トヨタのメカニックやエンジニアも現地に同行します。F1という世界最高峰カテゴリーの技術とスキルを肌で感じるこの機会は、彼らにとっても非常に貴重な成長の場となるでしょう」

    シミュレーター開発も進行中、F1活動に新たな武器
    テクニカルディレクターのアンドレア・デ・ゾルドも、オーストリアGPの週末にこの連携の進展について次のように述べている(Autoracer報道による)。

    「トヨタとの関係は、現時点では主にTPCテストと自前シミュレーターの開発に焦点を当てています。現在、我々は専用のシミュレーターを持っておらず、それはレース準備において極めて重要です。

    シミュレーターでしっかり準備を整えることができれば、レースウィークのスタートから上手く流れを作れるようになり、ドライバーのパフォーマンスも引き出せるでしょう」

    シミュレーターとTPC──これらはF1における開発活動の中核を担う要素であり、従来はレッドブル、フェラーリ、メルセデスといったビッグチームだけが活用してきたリソースだ。

    その扉がハースにも開かれた今、アメリカ唯一のF1チームは、新たな競争段階へと踏み出そうとしている。

  • ハースF1チームがトヨタの拠点である富士スピードウェイでテストを行う理由

    ハースF1チームがトヨタの拠点である富士スピードウェイでテストを行う理由

    ハースF1チームは8月6~7日、富士スピードウェイでTPC(旧型車テスト)を実施し、リザーブドライバーの平川亮とスーパーフォーミュラ王者の坪井翔がVF-23をドライブする。

    この2日間のテストは、トヨタとの技術提携の一環として行われ、一般観覧も可能となる。F1マシンでの走行は30歳の坪井翔にとって今回が初めてで、国内サーキットでのF1テストとしても異例の機会となる。

    ハースはこれまでに、1月にスペイン・ヘレスでTPCを初開催。シーズン中にはスペインGPやバーレーンGPで平川亮がフリー走行(FP1)を担当し、スペインでは宮田莉朋もF1テストデビューを果たした。また、トヨタ所属の小林可夢偉もポール・リカールでVF-23を走らせている。

    今回の富士テストは、2008年以来F1が開催されていないこのコースでのF1マシン走行となる。トヨタとハースの提携発表も同地で行われており、両者にとっては特別な意味を持つ。

    トヨタ・ガズーレーシングのグローバルモータースポーツ統括責任者・梶雅文は、「このTPCは人材育成という『人』の要素に焦点を当てた取り組みの一部」と語り、坪井翔のF1挑戦が他のトヨタドライバーにも刺激を与えるとした。

    「トヨタのメカニックやエンジニアも現地に参加し、F1という最高峰の技術とスキルに間近で触れることで、大きな成長につながると信じている」と梶は強調した。

    チーム代表の小松礼雄も、「トヨタのホームサーキットでテストを実施する意義は非常に大きい」と語り、さらに「スーパーフォーミュラのチャンピオンである坪井翔にF1初走行の機会を提供できるのはとても嬉しいこと」だと述べた。

    「平川亮の才能にはすでに大きな信頼を寄せており、彼のフィードバックにも引き続き期待している。ファン公開型でVF-23を走らせられるのも素晴らしいことで、日本のF1ファンの情熱を間近で感じられる貴重な機会になるだろう」と締めくくった。

    ハース F1 富士スピードウェイ

  • 坪井翔 ハースF1でテストデビュー決定 「完璧な日にして夢を叶えたい」

    坪井翔 ハースF1でテストデビュー決定 「完璧な日にして夢を叶えたい」

    坪井翔が、ハースのF1マシンでの初走行に挑むことが決まった。ハースF1チームとトヨタとの連携の一環として行われるこのテストで、スーパーフォーミュラ王者の坪井翔は「完璧な日にして夢を叶えたい」と意気込みを語っている。

    ハースは2023年型F1マシン「VF-23」を使用したTPC(過去車両テスト)を8月6~7日に富士スピードウェイで実施することを発表し、昨年のスーパーフォーミュラ王者・坪井翔がF1マシン初走行に臨むことが明らかになった。

    今回のテストにはハースのリザーブドライバーである平川亮も参加。F1日本GPが最後に開催された2008年以来の富士でのF1マシン走行となる。

    30歳の坪井翔にとってこれはF1マシン初搭乗となり、トヨタのワークスチームTOM’Sでスーパーフォーミュラタイトルを獲得した翌年に訪れた大きなチャンスとなる。自身のSNSでは以下のように意気込みを語っている。

    「このような素晴らしい機会を与えてくださったハースチームとTGR(トヨタ・ガズー・レーシング)に感謝します。もちろんF1マシンをドライブするのが本当に楽しみです。この一度きりのチャンスを完璧な日にして、夢を叶えたいです!」

    坪井翔 ハース F1 テストデビュー

    このテストは、昨年発表されたハースとトヨタの協力関係の一環として行われるもので、ハースにとって日本でのTPCは初の試みとなる。

    平川亮はこれまでにも複数回にわたってハースでの走行経験があり、2025年シーズンのF1バーレーンGPとスペインGPの金曜フリー走行にも出場している。また、坪井翔の前任のスーパーフォーミュラ王者・宮田莉朋も今年1月にヘレスでVF-23をドライブしている。

    坪井翔は昨年、FIA F2に転向した宮田の後任としてTOM’Sからスーパーフォーミュラに参戦し、富士での3勝を含む活躍でシリーズチャンピオンを獲得。今年はランキング3位につけており、今週末には富士で第6戦・第7戦が行われる。

    また、スーパーGTでもTOM’Sから参戦中の坪井翔は、過去3度のシリーズタイトルを獲得しており、今季もランキング首位を走って4度目の王座に挑んでいる。

  • 坪井翔 ハースF1チームでF1マシン初走行 富士スピードウェイでTPC実施

    坪井翔 ハースF1チームでF1マシン初走行 富士スピードウェイでTPC実施

    ハースF1チームは、2023年型マシン「VF-23」を使用したTPC(Testing of Previous Cars)プログラムの一環として、来月日本の富士スピードウェイでテスト走行を実施することを発表した。このテストにはTOYOTA GAZOO Racing所属の坪井翔が参加し、F1マシンでの初走行を果たすことが決定した。

    この特別なセッションでは、同じくTOYOTA GAZOO RacingのWECドライバーであり、ハースのテスト機会を過去にも経験している平川亮も参加。両名はVF-23をドライブし、日本国内でハースF1が過去車両を走らせる初の機会となる。

    TPCプログラムは若手や他カテゴリーの有望ドライバーにF1マシンの経験を積ませる目的で各チームが行っているもので、今回はハースF1にとって日本での初開催となる。

    坪井にとっては長年のトップフォーミュラ活動を経て、念願のF1マシン走行がついに実現することとなった。トヨタ陣営を代表しての参加となるだけに、その走りに注目が集まる。

    テストは8月6日(水)、7日(木)の2日間にわたって行われる予定。

    ハースF1チーム 坪井翔

    以前、スーパーフォーミュラの現チャンピオンである坪井翔は、トヨタとハースF1チームの提携によって、グランプリマシンのテストという長年の夢を実現できる可能性が出てきたと語った。

    トヨタとハースの提携は昨年スタートしており、すでに平川亮がアメリカのチームであるハースの公式リザーブドライバーに就任。F1グランプリ週末のフリープラクティス(FP)セッションに2回出走しており、今後さらに2回の出走が予定されている。

    30歳の誕生日を迎えたばかりの坪井翔は、今後の目標について語る中で、自身のスーパーフォーミュラ制覇が初めてF1マシンをテストする可能性を現実的なものにしたと語った。

    「スーパーフォーミュラのタイトルを獲るまでは、それ以上のことはあまり考えていませんでした。勝てなければ他の選択肢はないと思っていたからです」と坪井翔はオートスポーツ誌に語った。

    「でも、ダブルタイトルを獲ったことで、日本国内でできることはすべてやったと思えるようになり、いろいろな可能性を考えられるようになりました」

    「最近では、トヨタがF1のハースと提携し始めていて、F1マシンをドライブしてテストに参加できる環境が整いつつあるように思えます」

    「F1ドライバーになるのは子供の頃からの夢だったので、F1マシンを一度でいいからドライブしたいと思っています」

    坪井翔の前任者であり、現在FIA F2に参戦している宮田莉朋も、今年1月にヘレスでハースのF1マシンを初めてテストしている。また最近では、トヨタのWECドライバー兼チーム代表である小林可夢偉が、トヨタの若手育成の一環として現代のF1マシンを理解する目的で、ポール・リカールで2日間にわたりVF-23をドライブしている。

    ハースF1チーム トヨタ今月、小林可夢偉はポール・リカールでハースF1チームの2023年型VF-23で11年ぶりのF1マシンでの走行を行った。

    「もちろん、F1ドライバーとして成功することがずっと夢でした」と坪井翔は続けた。

    「ダブルタイトルを獲得できた昨年は、その夢に向かって一歩踏み出した年でした」

    「それまでは本当に夢物語というか、自分には手が届かないもので、目の前のことに集中するしかないと思っていました。だから、スーパーフォーミュラチャンピオンになることだけが目標だったんです」

    「でもチャンピオンになったことで、その先の新たな目標が生まれ、トヨタの一員としてF1に関わるチャンスを得られるかもしれないという想いが、大きなモチベーションになっています。それを目指していきたいと思っています」

  • WEC:トヨタ ノーポイントで44戦連続ポイント獲得記録が途切れる

    WEC:トヨタ ノーポイントで44戦連続ポイント獲得記録が途切れる

    2025年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦サンパウロ6時間の決勝が、7月13日(日)にブラジルのインテルラゴス・サーキットで行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRIDは、7号車が14位、8号車が15位でレースを終えた。

    昨年この地で圧倒的な勝利を収めた世界チャンピオンチームとして大会に臨んだTGRだったが、レースウィーク初日から厳しい状況が続き、決勝も苦戦が予想されていた。

    決勝ではチームの懸命な作業とドライバーの奮闘、安定したピットストップによって善戦したものの、上位勢とのパフォーマンスと速度の差は大きく、GR010 HYBRIDの2台はいずれもトップ10圏外でのフィニッシュとなった。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースがドライブした7号車は14位でチェッカーを受けた。一方、セバスチャン・ブエミが他カテゴリー参戦のため欠場し、ブレンドン・ハートレーと平川亮の2人で臨んだ8号車は15位での完走となった。

    この結果、TGRは今大会でポイントを獲得できず、2018年のシルバーストーン6時間レース以来続いていた決勝レースでの44戦連続ポイント獲得記録が途切れることになった。

    決勝レースは快晴のもと現地時間午前11時半にスタートし、8号車はハートレーが10番手グリッド、7号車はコンウェイが18番手グリッドから発進した。ミディアムタイヤとハードタイヤを使い分けながら序盤は健闘し、いくつかポジションを上げる場面も見られたが、スティントが進むにつれてペース不足が顕在化。1時間経過時点の最初のピットストップでは、両車ともにトップ10圏外の走行を強いられていた。

    その後、2台のGR010 HYBRIDはタイヤ無交換で安定したペースを刻み、2時間経過時にはトップ10圏内を視野に入れられる位置まで浮上。このタイミングで最初のドライバーチェンジを実施し、7号車はデ・フリース、8号車は平川へと交代。新たにミディアムタイヤを装着し、諦めることなくプッシュを続け、レースの中盤には両車ともに自己ベストラップを更新するなど、巻き返しを狙った。

    しかし挑戦は困難を極め、5時間経過時点でアストンマーティンの009号車を攻略したものの、トップ10入りは叶わなかった。終盤、7号車は小林、8号車はハートレーに交代し、さらなる追い上げを試みたが、メインストレート上空に凧が飛来するという予想外のアクシデントにより、レースは一時中断された。

    5時間を過ぎて最終ピットストップを終えると、7号車は小林が、8号車は平川がそれぞれステアリングを握り、日没が近づくころには両車とも数秒差で14位・15位を走行。そのままの順位で、トップのキャデラックから3周遅れでチェッカーフラッグを受けた。

    WECはここで夏休みに入り、次戦は9月7日(日)にアメリカ・テキサス州のCOTAで開催される第6戦となる。TGRはこの厳しいサンパウロ戦で得たデータを綿密に分析し、パフォーマンス回復に向けて準備を進めていく方針だ。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    14位、15位という結果と今日のパフォーマンスは、まったく期待していたものではなく、本当に残念です。我々はパフォーマンスを最大限に引き出すべく努力をしてきましたが、ライバルとの差があまりに大きかったことは明らかでした。ストレートでのスピードが全く足りず、バトルを繰り広げることもできませんでした。この結果を分析し、状況を改善するための努力を続ければ、次戦では必ず強くなって戻れると確信しています。ポジティブな面では、AKKODIS ASPチームがRC F LMGT3でLMGT3クラスの優勝を果たしたことに大いに祝福を送りたいです。彼らがポディウムの中央に立っている姿を見ることができてとても嬉しいです。本当に今日のこの勝利に値するチームです。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
    かなり厳しい一日でした。ライバルと戦える状況ではありませんでしたが、できる限りのことはしました。しかし結局、2台共に後方で走り続けることになってしまいました。とにかく、この経験を無駄にせず、次戦オースティンまでに解決策を見出し、より良いパフォーマンスを発揮できることを期待しています。

    ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)
    昨年とは全く異なるレースとなってしまいました。もちろん、このような結果には全く満足していません。チームの誰もが上位争いを望んでいましたが、今日はそれが叶いませんでした。しかし、我々は強いチームであり、夏の間も努力を続けて、さらに良い状態で戻って来ます。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    困難な一日で、望んでいた結果にはなりませんでした。2台共に純粋なペースでトップ10に入れなかったのは残念です。次戦では再び勝利を争えることを期待していますし、そのためにチーム全員が頑張っていることも知っています。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    非常にタフなレースでした。パッケージの最適化を進めたことで、いくつか満足できる点もありましたが、結果には誰も満足しておらず、チームにとって厳しい一日でした。今シーズンは厳しいレースが続いていますが、オースティンや富士ではもっと良い結果を期待しています。チームは本当に頑張ってくれていますし、一刻も早く成果が得られることを願っています。

    WEC(FIA 世界耐久選手権)

    WEC第5戦 サンパウロ6時間 決勝結果

    1位 No.12
    アレックス・リン/ノルマン・ナト/ウィル・スティーブンス
    キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R
    242周(優勝)

    2位 No.38
    アール・バンバー/セバスチャン・ブルデー/ジェンソン・バトン
    キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R
    242周(+57.016秒)

    3位 No.5
    ジュリアン・アンドラウアー/ミカエル・クリステンセン
    ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ポルシェ 963
    242周(+58.882秒)

    4位 No.6
    ケビン・エストレ/ローレンス・バンスール
    ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ポルシェ 963
    241周(+1周)

    5位 No.20
    レネ・ラスト/ロビン・フラインス/シェルドン・ファン・デル・リンデ
    BMW M TEAM WRT/BMW M Hybrid V8
    241周(+1周)

    14位 No.7
    マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース
    TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID
    239周(+3周)

    15位 No.8
    ブレンドン・ハートレー/平川亮
    TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID
    239周(+3周)

  • ハースF1両ドライバー トヨタGTレーシングコンセプトを絶賛「驚きの連続」

    ハースF1両ドライバー トヨタGTレーシングコンセプトを絶賛「驚きの連続」

    ハースF1の新人ドライバー、オリバー・ベアマンは、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでトヨタの新型GT3マシン「GTレーシングコンセプト」を走らせた際、「グッドウッドの丘が生きているようだった」と語った。

    このイベントでは、トヨタの次世代GT3マシンがカモフラージュ仕様で初の一般公開。ベアマンに加え、チームメイトのエステバン・オコンも有名なヒルクライムコースでこのマシンをドライブする機会を得た。

    市販予定のトヨタGTコンセプトの標準仕様も同様に走行しており、これは将来的にトヨタのフラッグシップモデルとして展開される見通しだ。

    ベアマンは昨年仕様のハースVF-24もグッドウッドでドライブしているが、今回は短くテクニカルなレイアウトにGT3マシンがより適しているとし、その性能の一端を披露することができたと述べた。

    「正直、すごく楽しかった。昨日は市販モデルをドライブしたけど、GTの方が確実に速いね。でも両方とも、それぞれの良さがあるんだ」

    「このコースにはGTの方が合っている。F1カーではパワーがありすぎるし、リアタイヤのグリップも足りなくて本気では攻められない」

    「でもGTカーならコースがまるで生きているように感じられて、本当に楽しかった。グッドウッドでここまで攻めたのは初めてだったけど、心から楽しめたよ」

    ハース F1 トヨタ

    同じくトヨタGTコンセプトのロードカーおよびレース仕様をドライブしたオコンも、今回の体験を高く評価した。これはハースとトヨタの新たな技術提携の一環として実現したものだ。

    GTレーシングコンセプトは、2017年からレースで使用されてきたレクサスRC F GT3の後継モデルとして開発されている。

    「本当に楽しかったよ。素晴らしいクルマだった」とオコン。

    「昨日はレースカーを、今日はオリバーと交代して市販車を運転したんだ。今朝は昨日よりちょっと快適だったね」

    「とにかく速くて、信じられないくらい性能が高い。こんなモンスターを僕たちに任せてくれたトヨタには本当に感謝してるよ。毎回トヨタの人たちに会うたびに驚かされる。そして今日はまだ続きがあるんだ」

  • WEC:トヨタ サンパウロ6時間の予選でハイパーポール進出も厳しい結果

    WEC:トヨタ サンパウロ6時間の予選でハイパーポール進出も厳しい結果

    7月12日(土)、ブラジルのインテルラゴス・サーキットで2025年FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦サンパウロ6時間の予選とハイパーポールが行われ、TOYOTA GAZOO RacingのGR010 HYBRIDは、8号車が10番手、7号車が18番手という厳しいグリッドとなった。

    この日の走行は、午前中の公式練習3回目からスタート。チームとドライバーは1時間のセッションで予選に向けたセットアップを試し、その後は決勝に向けた準備とタイヤの解析に取り組んだ。

    セッション中には平川亮が8号車でトップタイムを記録する場面もあったが、これが後の予選結果に結びつくことはなかった。

    予選は雲が立ちこめる空の下、12分間のセッションで行われた。インテルラゴスは全長4.309kmとWECカレンダー中で最も短い部類に入り、限られた時間内でクリアラップを取ることが難しい。7号車の小林可夢偉はピットで1分以上待機した後にアタックへ向かったが、渋滞やタイミングの問題から18番手にとどまった。

    一方、8号車を担当した平川は好パフォーマンスを発揮し、10番手タイムでハイパーポール進出を果たした。続く10分間のハイパーポールでは、終盤に記録したラップで一時9番手に浮上したが、最終ラップで他車にタイムを上回られ、10番手グリッドが確定した。

    決勝は6時間で争われ、日本時間では13日(日)午後11時30分にスタートが切られる予定となっている。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
    「昨年の結果が良かったため、大きな期待を持ってこのブラジルにきましたが、これまでのところ思うようにはいっていません。決勝では何かポジティブなものを得たいと考えています。8号車が10番手、我々7号車が18番手というのは、我々が望んでいた結果ではありませんが、これが現実です。決勝ではポジションを上げ、2台ともにポイントを獲得できればと思っています」

    平川亮(8号車 ドライバー):
    「ここブラジルでの我々のパフォーマンスやライバルの速さを考えると、ハイパーポールへの進出は我々にとって最大限の結果だったと思います。厳しいレースウィークで、決勝もチャレンジングなものになるでしょうが、10番手スタートは悪くありません。決勝では追い上げて、今季初の表彰台を目指して頑張ります」

    WEC(FIA 世界耐久選手権

    WEC 第5戦 サンパウロ6時間 公式予選結果(上位+TGR)
    1位 No.12 アレックス・リン/ノルマン・ナト/ウィル・スティーブンス
       キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R 1:22.829
    2位 No.94 ロイック・デュバル/マルテ・ヤコブセン
       プジョー・トタルエナジーズ/プジョー 9X8 1:23.208
    3位 No.93 ポール・ディ・レスタ/ミケル・イェンセン
       プジョー・トタルエナジーズ/プジョー 9X8 1:23.269
    4位 No.5 ジュリアン・アンドラウアー/ミカエル・クリステンセン
       ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ポルシェ 963 1:23.279
    5位 No.15 ドリス・バンスール/ラファエル・マルチェッロ/ケビン・マグヌッセン
       BMW M TEAM WRT/BMW M Hybrid V8 1:23.391
    10位 No.8 ブレンドン・ハートレー/平川亮
       TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID 1:23.673
    18位 No.7 マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース
       TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID 1:24.153

    WEC 第5戦 サンパウロ6時間 ハイパーポール結果
    1位 No.12 アレックス・リン/ノルマン・ナト/ウィル・スティーブンス
       キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R 1:22.570
    2位 No.38 アール・バンバー/セバスチャン・ブルデー/ジェンソン・バトン
       キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R 1:22.670
    3位 No.5 ジュリアン・アンドラウアー/ミカエル・クリステンセン
       ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ポルシェ 963 1:22.834
    4位 No.94 ロイック・デュバル/マルテ・ヤコブセン
       プジョー・トタルエナジーズ/プジョー 9X8 1:22.948
    5位 No.20 レネ・ラスト/ロビン・フラインス/シェルドン・ファン・デル・リンデ
       BMW M TEAM WRT/BMW M Hybrid V8 1:23.062
    10位 No.8 ブレンドン・ハートレー/平川亮
       TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID 1:23.496

  • トヨタ 「GR Yaris Rally2 H2 Concept」をラリー・フィンランドで初公開

    トヨタ 「GR Yaris Rally2 H2 Concept」をラリー・フィンランドで初公開

    TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、2025年7月31日から8月3日に開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「ラリー・フィンランド」において、水素を燃料とするエンジンを搭載した「GR Yaris Rally2 H2 Concept」を初公開する。

    モータースポーツを起点とした「もっといいクルマづくり」とカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みの一環として、トヨタは2021年から水素エンジンを搭載したカローラで国内のスーパー耐久シリーズに参戦してきた。

    なかでも富士24時間レースでは、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(以下、TGR-WRT)のチーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラがドライバーとして参加し、水素エンジン車両の開発に向けて積極的にフィードバックを行ってきた。

    2022年のWRC第9戦「イープル・ラリー・ベルギー」では、水素を燃料とするGR Yaris H2を欧州で初披露し、当時の会長・豊田章男と現チーム代表代行のユハ・カンクネンがドライバーを務めてデモ走行を実施。水素エンジンの可能性を示してきた。

    今回公開されるGR Yaris Rally2 H2 Conceptは、カーボンニュートラル社会における将来のモータースポーツの選択肢の一つとして、水素エンジンのさらなる可能性を感じてもらうことを目的に開発された。ベースとなるGR Yaris Rally2のシャシーは、フィンランド・ユバスキュラに拠点を置くTGR-WRTによって開発。開発テストはユバスキュラ近郊の道や、ラリー・フィンランドで使用される未舗装路でも実施されてきた。

    車両には気体水素を燃料とする内燃機関を搭載し、走行中の二酸化炭素排出をほぼゼロに抑えながらも、従来のガソリンエンジン車と変わらない音や走行感覚を実現している。

    初公開は、ユバスキュラ中心部に設置されるスペシャルステージ「Harju」でのデモ走行にて行う予定。木曜夕方のSS1および金曜のSS10で走行を予定しており、ドライバーは4度のWRCチャンピオンでTGR-WRTの代表代行でもあるユハ・カンクネンが務める。また、ラリー開催期間中は、ユバスキュラ市内で行われる水素技術紹介イベントの一環として、トヨタ・MIRAIやトヨタ・TUNDRAなどの水素車両とともに、サービスパーク内に展示される予定だ。