カテゴリー: トヨタ

  • トヨタ:ニュルブルクリンク QFレース 予選/決勝レポート

    トヨタ:ニュルブルクリンク QFレース 予選/決勝レポート

    4月22日、23日、ニュルブルクリンク24時間レースのための「Qualifying Race(QFレース)」が開催された。QFレースとはニュル24時間への参加資格や上位クラスのシードチームを決める6時間のレースだが、24時間レース直前の実戦、テスト、調整を行なうチームが多く、今回の参戦の目的もVLN参戦と変わらず、ニュル24時間に向けた様々なトライやデータ取り、そして実戦経験で人の動きや改善点を洗い出す「クルマ」と「人」の実戦テストである。

    VLNでは順調に見えたがその裏では細かいトラブルも発生していたため、改善を積み重ねながら、さらにアップデートを行ない、QFレースに臨んだ。

    今回のドライバーは井口卓人、松井孝允、蒲生尚弥選手の3名。エントリーリストにはVLNには参戦していなかった、スバルWRX STIの記載もあり、LEXUS RCと同じSP 3Tクラスの24時間レースの顔ぶれが揃った格好だ。

    また、SP3クラスにはTOYOTA GAZOO Racing Team Thailandから2台のCollora ALTISが参戦。2台のうち124号車にはTOYOTA GAZOO Racingドライバーの木下隆之選手がエントリーしており、「タイのチームは純粋にレースを楽しんでいて、ドライバーも全力疾走しているところに、自分自身がレースを始めた頃の気持ちを思い出しました。チームの中で刺激し合いながら24時間を走りたいと思います」と語っていた。

    4月22日、午前中の練習走行はニュル特有の霧雨でウエットでのセッティングをトライ。その後雨は止み、18時40分から行なわれた予選1回目はドライ路面で実施。決勝グリッドを狙ったフルアタックは行わず、あくまでも実戦テストとして臨み、途中で空力のセットアップ変更なども行ないながらの走行となったが9分14秒219を記録した。

    翌23日9時から行なわれた予選2回目も同じスタンスでセッティングのトライを行ないながらの走行を行ない、結果は総合46位、SP 3Tクラス2位。

    SP3TのクラストップはスバルWRX STIの9分7秒096だったが、昨年と比べるとその差は確実に縮まっている。RCでは初ドライブとなった井口卓人選手は「VLN1で松井・蒲生選手がセットアップを進めてくれたおかげで、走り始めから気持ち良く走れました」とマシンの進化を語った。

    23日12時から行なわれた6時間の決勝レース。クラス2位からスタートした井口選手は順調にラップを重ね、6周目に1位のスバルWRX STIがピットインしたタイミングでクラストップへ浮上。8周目にピットインし2位となるものの、13周目に再びトップへと返り咲く。15周目の2回目のピットインのタイミングでは、稼いだマージンによりトップのままピットアウト。

    その後もトラブルなく順調に走行。予定周回でのルーティンのピットイン以外はピットに入る事もなく周回を重ね6時間を走り切り、総合23位、そしてVLN1、VLN2に続きに続きSP3Tクラス優勝を獲得。

    しかし、クラス優勝より6時間を着実に走り抜き、周回を重ねたことで多くのトライやデータが得ることができたことのほうが重要だった。また、クルマのみならずエンジニア、メカニックにも変化が見受けられ、前回よりも「判断しなければいけない時の動き」や「各々のコミュニケーション」、「1つ1つの作業」などにも改善が見られ、チーム力もアップしていた。ただ、順調に見えたマシンだったが、足周りの不具合や、ドライバーからはもう少し立ち上がりの時のパワーが欲しいと言う声も聞かれた。不具合は今回のレースで大きな問題にはならなかったが、ニュル24時間では致命傷になる可能性があることを踏まえ、24時間本戦まで残された時間は短いが、ハードを見直して対策を実施。パワートレインに関しても「やるべき事は最後までやる」とRCの強みを更に引き出し、ドライバーが更に安心して走れるように、最後の最後までアップデートを行う。

    VLN、QFレース共に好成績を残したことからチームはいい雰囲気なので満足しがちだが、“もっといいクルマづくり”のための実戦テストであり、今回のQFレースで得られたこと、ドライバーからのフィードバック、各自の改善を反映し、更に乗りやすいクルマに仕上げニュル24時間へと挑む。

    井口卓人
    国内テスト以来の走行でしたが、走り始めから気持ち良く走ることができ、燃費とLAPのバランスは24時間でも有利に働くことも確認できました。しかし、ややアンダー傾向でフロントタイヤに負担をかけるハンドリングや立ち上がり加速など、新たな課題もありました。それ以外は大きなトラブルもなく順調すぎて怖い所もありますが、ニュル24時間は何が起きるか解りません。今まで以上にエンジニアとメカニックとコミュニケーションを密にして、チーム全体で“心を一つ”にして挑みたいと思います。

    平田チーフメカニック(トヨタ自動車社員)
    チーム、マシン共に想定通りの内容でした。これまで一生懸命やってきたことがタイムや燃費、順位と言う数値で表れたのは嬉しいしモチベーションにも繋がっています。メカニックには決勝中にルーティン作業以外をピットロードで行なうなどプレッシャーを掛けて鍛えました。このプロジェクトを率いた成瀬さんも「とにかく物を見ろ」と言っていましたが、例えばひとつの部品も改善を意識しながら作業にあたれば、改善すべき点が見え、作業性の向上などにつながります。更なる作業の精度アップとより自主的に動けるようにしたいです。ただ、マシンは足回りに少し課題を残してしまったので、24時間レースのグリッドにつく瞬間まで改善を行い、ドライバーが安心して快適に乗れるクルマに仕上げます。

    茶谷車両エンジニア(トヨタ自動車社員)
    “走る”ことで我々が目指す方向に着実に進んでいます。今回も細かいトラブルも含め様々な課題を視つけ、レース中でも仕様変更を行っていました。 しかし、今までの課題も走り続けてきたからこそ視つけることができ、車両だけでなくチームの動きも改善が進んできました。 その結果が今回のタイム、順位に表れており、チームに自信と勢いが増し私も本当にうれしいです。 細かいトラブルも24時間では致命的になる可能性もあります。今回得られた自信・勢いを車輌とチームの課題に向け対策をすると共にRCの強みを引き延ばすために最後の最後までアップデートも行ないます。

  • 中嶋一貴が優勝:スーパーフォーミュラ 開幕戦 鈴鹿 / トヨタ 決勝レポート

    中嶋一貴が優勝:スーパーフォーミュラ 開幕戦 鈴鹿 / トヨタ 決勝レポート

    スーパーフォーミュラの開幕戦が鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が、一度も首位の座を譲ることのない横綱相撲でポール・トゥ・ウィン。完璧なレースで開幕戦を制した。ディフェンディングチャンピオンの国本 雄資(P.MU / CERUMO・INGING)が3位表彰台を獲得した。

    4月21日(金)から23日(日)にかけて、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラの開幕戦「鈴鹿2&4レース」が開催された。

    トヨタはこのスーパーフォーミュラが新規定となった2014年から「トヨタRI4A」エンジンを供給。以来、3年連続でチャンピオンを獲得してきた。今年は更に開発を進めたトヨタRI4Aエンジンを6チーム11台に供給。4年連続チャンピオンを目指す。

    今大会は総距離200kmとやや短めの設定だが、最低1本以上のタイヤ交換が義務づけられ、戦略的にも注目の集まる一戦となった。

    4月23日(日)の鈴鹿サーキットは、雲一つ無い好天に恵まれ、気温23度、路面温度37度というコンディションで、午後1時40分から35周(203km)で競われる決勝レースのスタートが切られた。

    ポールポジションの中嶋一貴は若干スタートで遅れたように見えたが、トヨタエンジンのパワーを活かし、首位の座をキープして1コーナーへ。一方で、最前列2番手に並んでいた国本は、3位へとひとつポジションを落としてしまった。

    後方勢は、得意のダッシュで7番手グリッドから5位へとジャンプアップしたロッテラーを先頭に、1周目終了時点から次々にピットイン。関口、ローゼンクヴィスト、キャシディらもこれに続いた。

    2周目終了時点で4位の石浦、3周目終了時点では3位の国本もピットへ。給油と、タイヤ一本交換でコースに復帰した。

    これで、ピットインしていないのは首位の中嶋一貴とそれを追う山本尚貴(TEAM MUGEN)を含めた6台に。18番手からジャンプアップした小林可夢偉と、13番手スタートの大嶋和也もピットに入らず、それぞれ5位、6位へと順位を上げ前を追った。

    首位を行く中嶋一貴は2位の山本をじりじりと引き離して行き、9周目にはその差は3秒以上と独走態勢に入った。

    後方では、12周終了時に小林がピットへ向かい、11位でコースへ復帰。昨年のGP2チャンピオンとして注目を集めるピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)との激しい10位争いの末に、19周目のシケインでこれをパス。10位へ浮上した。

    21周目、ピットを引っ張り、3位までポジションを上げていた大嶋がスプーンコーナーでスピン。そのままコース上に車両を停めたためにセーフティカーが導入された。

    この時点でピットインしていなかった上位2台は、このタイミングでピットへ。中嶋一貴もライバル同様タイヤ一本交換作戦を採り、首位のままコースへと復帰した。

    27周目にセーフティカーが退きレース再開。首位の中嶋一貴はここでも好ダッシュを決め、1周1秒のペースで後続を引き離していった。

    上位4台がそれぞれ間隔を置いて周回を重ねる中、その後方では、5位のロッテラーに、タイヤを4本交換したばかりのライバルが迫り、また、9位へと順位を上げた小林が、ポイント獲得をかけて激しく前車を攻めるなど、各所でテール・トゥ・ノーズの接近戦が最後まで続き、観客を沸かせた。

    中嶋一貴は、最終的に2位に5秒以上もの大差をつけ、独走でトップチェッカー。金曜日の練習走行から、ほとんどのセッションでトップタイムをマークするなど、圧倒的な速さで週末を支配し、自身スーパーフォーミュラでは2015年第5戦オートポリス以来、通算9勝目をポール・トゥ・ウィンで飾った。中嶋一貴にとっては、前週のWEC第1戦シルバーストン6時間レースに続き、2週連続の勝利となった。

    国本は一時石浦に迫られるなど厳しいレースとなったが、3位を守り切って表彰台フィニッシュを果たした。石浦が4位、ロッテラーが5位。小林は最後まで前車を攻めたが惜しくも逆転ならず、9位でチェッカーを受けた。

    中嶋一貴 (VANTELIN TEAM TOM’S 37号車)

    ほっとしたというのが一言目だ。去年も勝てるチャンスはあったが、自分のミスなどで逃して少し優勝から離れていたので、実際に勝つまでは安心出来なかった。贅沢な悩みではあるが、クルマの調子が本当に良かったので、それが逆にプレッシャーになった部分もある。レースの内容としては、スタートでちょっとストールしかけて危なかったが、トヨタエンジンのパワーのおかげで何とか首位をキープすることが出来た。その後は後続の追い上げもあり、決して楽はさせてもらえなかったが、しっかりと良いペースで走れて、タイヤ交換のタイミングも交換後のバランスも良かった。最後まで気持ちよく走ることが出来たので、内容としては100点のレースが出来たかなと思う。

    国本雄資 (P.MU / CERUMO・INGING 1号車)

    全体的にちょっと上手く行かないレースだった。スタートで抜かれてしまったし、その後も車のバランスがあまり良くなくてペースが上がらなかった。朝から不具合があり、それを色々アジャストしてレースに臨んだが、改善されず、厳しい戦いを強いられた。難しいタイミングだったピットで抜かれることはなかったが、全体的にペースもあまり良くなかったし、前の2台に離されて、すごく厳しいレースだった。ただ、シーズンを考えれば3位というのは悪くない結果だ。

    関連:スーパーフォーミュラ 開幕戦 鈴鹿 結果:中嶋一貴が優勝

  • スーパーフォーミュラ 開幕戦 鈴鹿:トヨタ 予選レポート

    スーパーフォーミュラ 開幕戦 鈴鹿:トヨタ 予選レポート

    4月22日(土)鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラ開幕戦の予選が行われ、中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)がコースレコード更新の好走を見せ、自身通算5度目となるポールポジションを獲得。0.09秒という僅差でディフェンディングチャンピオンの国本 雄資(P.MU / CERUMO ・ INGING)が2番手となり、トヨタ勢が最前列グリッドを独占した。

    22日(土)は朝から好天に恵まれ、風は強いものの暖かな日差しの下、気温22度、路面温度33度というコンディションで午後2時からQ1(20分)が開始された。

    まずは各車中古タイヤで一斉にコースインし、一旦タイムを出してピットイン。この時点で、上位18台が1秒以内、3番手から12番手まで、10台がコンマ2秒以内に入るという、今年も僅差の予選を予想させる幕開けとなった。

    全車新品タイヤへと交換し、残り7分を切るあたりから再コースイン。中嶋一貴が好タイムでトップに立つと、2番手は目まぐるしく順位が入れ替わる展開に。

    各車セッション終盤へ向けタイムを更新していく中、チェッカー目前のアタックに入ったフェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)が1コーナーでコースアウトを喫し、タイヤバリアにクラッシュ。ローゼンクヴィストは前半に出したタイムにより15番手につけたが、惜しくもQ2進出ならず。F3マカオGP2連勝という経歴をひっさげての注目のルーキー、ローゼンクヴィストだったが、初戦から洗礼を受ける形となってしまった。

    同じくルーキーで、全日本F3チャンピオンとして今季からステップアップした山下健太(KONDO RACING)もタイム更新ならず、17番手でグリッド確定となった。また、チーム移籍で気分一新となった小林可夢偉(KCMG)は、ギアシフト系のトラブルに見舞われながらもまずまずのタイムを刻んでいたが、アタックラップ終盤に燃料系にもトラブルが発生し、アタックを中断。18番手で予選を終えることとなった。

    Q2(7分間)は午後2時30分に開始。セッションスタート前から各車ピットレーンで待機し、コースイン後はお互いに前車との空間を伺いながらのアタックが開始された。まず石浦 宏明(P.MU / CERUMO ・ INGING)がトップに立つと、チームメイトの国本がこれを塗り替え、Q2はセルモ・インギング勢が1-2に。Q1でトップと快調な中嶋一貴が3番手で続いた。

    Q1で中嶋一貴に続くタイムをマークしていた関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は、デグナーでスピンを喫しながらもかろうじて8番手に入り、Q3進出。

    一方、この8番手関口とは僅かコンマ2秒ほどの差で、ルーキーのヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と久しぶりのスーパーフォーミュラ復帰となった大嶋 和也(SUNOCO TEAM LEMANS)は共にこれまでのコースレコードを更新するタイムをマークしながら12,13番手でQ3進出ならず。同じくルーキーながらQ2進出を果たしたニック・キャシディ(KONDO RACING)もタイムを伸ばせず、14番手でグリッド確定となった。

    中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)
    とりあえずほっとした。冬のテストから非常にクルマも調子が良く、去年よりもレベルアップした状態でシーズンに臨めるだろうなとは思っていた。ただ、ライバルも絶対に予選までに合わせてくるだろうとは予想していた。とはいえ、Q2からQ3にかけて、自分自身もクルマももう1ランク上げることが出来、忙しいながらも色々なカテゴリーの車をドライブしてきた、冬の間の成果を形として現すことが出来て良かった。Q3も速いライバルとの僅差の争いの中で、なんとかポールポジションを獲得出来、満足していると共に、ほっとしたという気分が大きい。とはいえ、まだ予選。明日の決勝レースをしっかり戦いたい。

    国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)
    また2番手なので悔しいが、ただ、金曜日の走行からずっと中嶋選手が速く、我々は色々と車に問題もあったりしたので、路面の状況が良くなるのを待ち、テストメニューをこなしながら予選に臨んだ。Q1からQ2へと路面状況がすごく良くなって、ようやく自分たちの車にあってきたので、これはQ3も狙えるかなと思ってアタックし、大きなミスもなかったが、予想していたほどのタイムアップは果たせなかった。明日はスタートが重要になると思うので、まずスタートをしっかりと決めたい。また、チームのピット作業が速いのは信頼しているので、チームと共に勝利を目指す。

    関連:スーパーフォーミュラ 開幕戦 鈴鹿 予選:中嶋一貴がポールポジション

  • 【WRC】 トヨタ:第5戦 ラリー・アルゼンティーナ プレビュー

    【WRC】 トヨタ:第5戦 ラリー・アルゼンティーナ プレビュー

    TOYOTA GAZOO Racingは、4月27日(木)から30日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦ラリー・アルゼンティーナに、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(#10号車)と、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(#11号車)の、2台のヤリスWRCで参戦する。今シーズン2回目となるグラベル(未舗装路)ラリーに、3月上旬の第3戦ラリー・メキシコでの経験を生かし、チーム一丸となって挑む。

    初秋の南半球、アルゼンチンで開催されるラリー・アルゼンティーナは、グラベルラリーの魅力と難しさが凝縮した1戦と言われる。ラリーのSS(スペシャルステージ)は、アルゼンチン中部の都市コルドバの南西から西北にかけての広いエリアに設定され、様々なタイプの未舗装路を走行する。南西部の谷間の未舗装路は砂のような柔らかい道が多く、西部の山岳路は道幅が狭く荒々しい岩に囲まれた道が続くなど、走行するエリアによって道のキャラクターが大きく変わるのがこのラリーの特徴だ。また、SSの途中には川渡りやジャンピングスポットも多く現れ、選手だけではなく、ファンにとっても非常に魅力的なラリーである。

    ラリーカーの整備作業を行なうサービスパークは、コルドバから約50km離れたレイクサイドリゾート、ビジャ・カルロス・パスに置かれる。ラリーは4月27日(木)の夜7時過ぎにコルドバ市街地のスーパーSSで競技スタート。28日(金)はコルドバの南西部サンタ・ロサ・デ・カラムチータ周辺で3本のステージを各2回走行し、昼と夜にはビジャ・カルロス・パス近郊のパルケ・テマティコでスーパーSSが行われる。29日(土)は、コルドバの北西部プニリャの谷の周辺で3本のステージを各2回走行する。そして競技最終日となる30日(日)は、コルドバの西部で2本のSSを走行。最終SSとなるSS18「エル・コンドル」はラリー・アルゼンティーナを代表する名物ステージであり、SSでトップ5タイムを記録した選手に対してボーナスの選手権ポイントが与えられるパワーステージにも指定されている。ラリーは4日間で18本のSSを走行し、その合計距離は357.59km。リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は、1417.98kmに達する。

    ラトバラは、2014年のWRCラリー・アルゼンティーナで総合優勝をしている。また、ハンニネンはIRC(インターコンチネンタルラリーチャレンジ)の1戦として開催された、2010年の大会で優勝を果たしている。両ドライバーにとってアルゼンチンは、相性の良いラリーといえる。

    チームはラリー・アルゼンティーナを想定したグラベルテストを、欧州の中ではアルゼンチンの道に近い路面コンディションの道があり、6月にはWRC第7戦が開催される、イタリアのサルディニア島で実施。様々なテストメニューをこなし、ヤリスWRCのグラベルコースでのパフォーマンスをさらに高めることに成功した。

    トミ・マキネン(チーム代表)
    冷涼な気候で行われるグラベルラリーのアルゼンチンは、以前に私がドライバーだった時、いつも素晴らしいラリーだと思っていました。今回のラリーも、いろいろな気象条件下での戦いとなるでしょう。ラリー・メキシコで我々は多くを学びましたが、特に高い標高でのグラベル走行を経験した事は、同様の条件であるアルゼンチンを戦う上で役に立つはずです。ここまで1戦ごとにクルマを良くしてきたので、アルゼンチンではさらに改良を進める事を目標に置いています。ラリー・メキシコを戦った時よりも自分たちは力をつけていると思うので、アルゼンチンでは良い結果を狙いたいと思います。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC #10号車)
    私にとってアルゼンチンは、常に良い気分で戦う事ができるラリーです。以前に優勝した経験があり、去年も土曜日の午後にトラブルでコースアウトするまでは、ラリーをリードしていました。金曜日と土曜日のコースは流れるような高速のコーナーが多く、最終日の日曜日は低速でテクニカルなコーナーが連続し、さらに霧など悪天候に見舞われる可能性も高いトリッキーなコースです。全体的には砂状の柔らかい道が多いのですが、概ねタイヤのグリップレベルは良好です。事前テストはとても有効で、いくつかの異なるセットアップを試せました。特に、メキシコではベストとはいえないフィーリングだったデファレンシャルに関しては、アルゼンチンに向けて入念にセッティング作業を行ない改善に努めました。

    ユホ・ハンニネン (ヤリスWRC #11号車)
    アルゼンチンは私が大好きなグラベルラリーのひとつで、楽しい思い出がたくさんあるラリーですので、久しぶりの出場がとても楽しみです。アルゼンチンのコースはとにかく素晴らしいのですが、SSだけでなくリエゾン(移動区間)でも情熱的に応援してくれる、ファンの皆さんもまた素敵ですね。アルゼンチンでもっとも読めないのは天候で、最近現地の天気予報をチェックしているのですが、晴天、降雨と、天気は常に変わっているようです。例えばレッキ(コースの事前下見走行)の後に路面コンディションが変わると、大変難しいラリーになります。とはいえ、クルマを状況に応じて微調整すればよいと思っています。例えば、路面が泥状になったらクルマを少し柔らかめのセッティングに変えるぐらいですね。何が起ころうと自然に、気負わないでドライブする事が大切です。チームは現在とても良い状態にあるので、私も一緒になって前に進みたいと思います。

  • スーパーフォーミュラ 2017年 開幕戦 鈴鹿:トヨタ プレビュー

    スーパーフォーミュラ 2017年 開幕戦 鈴鹿:トヨタ プレビュー

    4月21日(金)から23日(日)にかけて、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラの開幕戦「鈴鹿2&4レース」が開催される。

    日本国内の4輪レースで最速を誇るスーパーフォーミュラ。2014年から「クイック・アンド・ライト」をコンセプトとした新規定で戦われており、今年で4年目を迎える。

    「日本最速4輪レース」スーパーフォーミュラ
    トヨタエンジン4連覇を目指し強豪が競う

    日本独自の「NRE(ニッポン・レーシング・エンジン)」規定に沿って開発された直列4気筒2リッター直噴ターボエンジンを、速さを追求したシャシーに組み合わせて戦われるシリーズには、世界トップレベルのドライバーも数多く参戦。迫力のバトルが繰り広げられてきた。

    トヨタはこのスーパーフォーミュラに新規定となった2014年から「トヨタRI4A」エンジンを供給。以来、3年連続でチャンピオンを獲得してきた。今年は更に開発を進めたトヨタRI4Aエンジンを6チーム11台に供給。4年連続チャンピオンを目指す。

    昨年はワンメイクタイヤが全く新しいメーカーになったことで、特に序盤戦は混乱も見られたが、今年はタイヤメーカーも2年目となったことで各チーム、データや経験も蓄積され、更にエキサイティングな戦いが予想される。

    今大会は総距離200kmとやや短めの設定だが、最低1本以上のタイヤ交換が義務づけられており、昨年同様の超僅差の予選から、ピットストップ戦略も重要になる決勝まで、目の離せない一戦になるのは間違いない。

    また、今年からBSフジにて決勝レースを全戦生中継することになった。サーキットに行けない方も、決勝レースでのバトルを是非堪能してもらいたい。
    (第1戦鈴鹿決勝 4月23日(日)13:35~14:55 BSフジにて放送予定)

    チャレンジングでドライバーにも人気の高い国際

    開幕戦が開催される鈴鹿サーキットは言わずと知れた日本を代表する国際サーキットの一つ。F1日本グランプリや二輪の8時間耐久レース開催など、長い伝統を持ち、世界的にも有名なサーキットだ。

    シリーズでの鈴鹿戦は、開幕戦と最終戦の年2回開催されており、名勝負が数多く行われてきた。

    世界的に見ても珍しい立体交差を持ち、8の字状に周回するコースは、前半がS字コーナーなどのテクニカルセクション、後半はバックストレートから超高速コーナーの130Rへと続くハイスピードセクションと2つの特徴を併せ持つ、チャレンジングなレイアウトでドライバーの人気も高い。1周5.807kmは、日本のサーキットでは最長。

    国内外から実力派ルーキーが新挑戦
    新チャンピオン国本と、世界レベルの元チャンピオンが迎え撃つ

    昨年、トヨタ勢は全7戦9レース中6レースを制し、ランキングトップ3を占める速さを見せた。とはいえ、タイトル争いは熾烈を極め、9レースで勝者は6名。2レース制の最終戦を迎える時点で、計算上タイトル獲得の可能性を12名が残すという激しいシーズンとなった。

    この劇的なシーズンを制しタイトルを獲得したのは、トップフォーミュラ参戦6年目の国本 雄資(P.MU / CERUMO ・ INGING)。ようやく速さを花開かせ、ル・マン24時間への切符も手にした若き王者が、世界レベルの強豪を迎え撃つこととなる。

    昨年、国本同様にスーパーフォーミュラを湧かせたもう一人の立役者が関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。こちらは逆に、遅咲きとも言えるトップフォーミュラデビューながら、デビュー戦の予選で3番手、第3戦で初表彰台、第4戦で初勝利と大活躍。惜しくもデビューイヤータイトルはならなかったが、2勝を挙げ、今季もタイトル候補の一人であることは間違いない。

    彼らフレッシュなタイトル候補に対抗するのは、国本のチームメイトであり、2015年のシリーズチャンピオンである石浦 宏明(P.MU / CERUMO ・ INGING)、そして昨年は序盤苦しんだものの、後半は調子を取り戻し、未勝利ながら最終戦までタイトル獲得の可能性を残した名門トムスの2人、中嶋 一貴、アンドレ・ロッテラー(共にVANTELIN TEAM TOM’S)。特にこのトムスの2人は、3月に鈴鹿で行われたテストでも好タイムをマークしており、このチャンピオン経験者3名は間違いなくタイトル争いに絡んでくるだろう。

    そして、今季は新たに数名のルーキードライバーが加わる。トヨタ勢では、昨年の全日本F3チャンピオンである山下 健太(KONDO RACING)、この山下と最後までタイトルを争ったヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、そして2015年の全日本F3チャンピオンのニック・キャシディ(KONDO RACING)と、全日本F3育ちの3名。加えて、マカオGP2連覇という経歴をひっさげてフェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)という超大型ルーキーが参戦する。彼らの走りにも注目だ。

    また、久しぶりのトップフォーミュラ復帰となる大嶋 和也(SUNOCO TEAM LEMANS)、そしてチーム移籍により気分一新、WECでその速さはお墨付きであり、そろそろスーパーフォーミュラでの優勝が見たい小林 可夢偉(KCMG)の活躍にも期待したい。

    2017 スーパーフォーミュラ 開幕戦 鈴鹿 タイムスケジュール

    4月21日(金)
    12:45~13:45 練習走行

    4月22日(土)
    10:10~11:10 フリー走行
    14:00~14:54 公式予選(ノックアウト方式)

    4月23日(日)
    08:50~09:20 フリー走行
    09:00~    スタート練習
    13:40~    決勝レース(35周)

  • 【WRC】 トヨタ、ラリー・ポルトガルに3台目のヤリスWRCを投入

    【WRC】 トヨタ、ラリー・ポルトガルに3台目のヤリスWRCを投入

    トヨタは、チームのテストドライバーであるエサペッカ・ラッピとコ・ドライバー、ヤンネ・フェルムが5月19日(金)から開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦ラリー・ド・ポルトガルに参戦することを発表した。

    エサペッカ・ラッピは、3台目のヤリスWRCのドライバーとして、ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC10号車)、ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC11号車)と共にチームに加わり、開発ニーズに応じて、今シーズン中にいくつかの欧州イベントに参戦する。

    ヤリスWRCは初戦モンテカルロでのデビュー以来、想定以上の成績をおさめており、第2戦スウェーデンでは、ラトバラが総合優勝を勝ち取ることができた。しかし、TOYOTA GAZOO Racing WRTは、復帰初年度である2017年を学びの年と捉えており、3台目の投入により、ヤリスWRCの開発を更に加速させることができると確信している。

    エサペッカ・ラッピは、昨年のWRC 2でシリーズ優勝を果たし、ラリー界で有望視されている若手ドライバーの一人である。また、彼は2017年シーズン前からチームにテストドライバーとして加入しており、ヤリスWRCを良く知っている。チームは、今回の参戦で26歳のラッピが今後に向けた多くの学びを得ることを期待している。

    トミ・マキネン(チーム代表)
    エサペッカは、とても若くハングリー精神旺盛なドライバーです。今回のヤリスWRCでの初めてのラリー参戦に向けて、十分なテスト走行をすることができたとは言えませんが、彼なら全力を尽くしてやってくれるでしょう。彼の目標は、チームの目標と同じく、ラリーを完走し、出来る限り多くのデータを集めることです。我々はヤリスWRCの開発を更に進める必要があり、エサペッカはその重要な役割を担うことになります。もちろん、通常のテスト走行から得られるものも多くありますが、実戦で強い競争相手と競うことにより、さらに多くのことを得ることができます。そのため、我々はエサペッカとヤンネを今年のシリーズ中に数回出場させることを決めました。若いドライバーにチャンスを与えることも重要です。

    エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRCテストドライバー)
    私は今までこの日のために頑張ってきました。WRカーで参戦できる素晴らしいチャンスを得て、とてもうれしく思います。2014年のラリー・フィンランドで、初めてトミと豊田総代表に会う機会があり、挨拶を交わしましたが、まさか彼らのチームの一員として走ることができるとは思ってもいませんでした。ヤリスWRCでのテスト走行は、それほど多くはできていないので、R5車両よりはるかに高性能で速いWRカーに適応するため、これから経験を積んでいく必要があります。一緒に走るヤンネにとっても、このWRカーに慣れるためにしなくてはならないことが山のようにあります。例えばペースノートは、今までとは比べ物にならないほど速く読み上げる必要があります。
    二人で着実に課題に立ち向かい、トラブルなく、ラリーを完走することが私の目標です。そのように一つずつ経験を積み上げ、完走を重ねられれば、いつかポイントを獲得することができると信じています。

  • トヨタ、劇的な開幕戦で先制勝利 / WEC 開幕戦 決勝レポート

    トヨタ、劇的な開幕戦で先制勝利 / WEC 開幕戦 決勝レポート

    2017年4月16日に行われたFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦シルバーストン6時間レース決勝は、中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソンの駆るTS050 HYBRID #8号車が、ライバルとの激戦を制して勝利を挙げた。

    高速コーナーが続く1周5.589kmのシルバーストン・サーキットにあわせてハイ・ダウンフォース仕様を持ち込んだTOYOTA GAZOO Racingは、その戦略が奏功し、前日の公式予選で2台のTS050 HYBRIDがポールポジション並びに2番手とグリッド最前列を占めた。

    しかし、決勝レースでは、異なる空力仕様で臨んだライバルに思わぬ苦戦を強いられることとなった。

    現地時間16日(日)正午に決勝レースのスタートが切られた。最前列から飛び出した2台のTS050 HYBRIDは、序盤、#7号車、#8号車と続き周回を重ねた。#7号車のマイク・コンウェイはひとり1分40秒を切るタイムで逃げ、追走するチームメイトのブエミが駆る#8号車と共にライバルとの差を広げ、開幕戦での勝利を確実にしたかに思えた。しかし、その#7号車をトラブルが襲ったのは、コンウェイが小林可夢偉にステアリングを手渡す寸前だった。トラブルはリアのサスペンションの不具合。これが原因か、#7号車のハンドリングは損なわれ、小林はコースを外れてライバル勢に抜かれた後も反撃に出ることが出来ず、4位確保の走行に徹し、2台揃っての完走、ポイント獲得に集中せざるを得なかった。

    ところが小林から新しくTOYOTA GAZOO Racingに加わったホセ・マリア・ロペスにドライバー交代が行われた直後、ロペスの#7号車は挙動を乱してコースアウトし、タイヤバリアに激突した。大きなダメージを負った#7号車だったが、エンジニアの無線指示を仰いだロペスはピットまで帰り着き、66分をかけて完全修復されて、代わったコンウェイがレースに復帰した。しかし優勝したチームメイトの#8号車からは38周遅れの総合23位に終わった。

    コースアウトを喫したロペスはサーキットのメディカルセンターで診察を受けた後、総合病院に精密検査のために運ばれたが、幸いにも特に異常は認められなかった。

    予選2番手からスタートした#8号車はブエミからデビッドソンに代わってからもトップでリードを保った。しかし、レースが2時間を過ぎた頃に悪化した天候で路面が僅かに濡れ、ライバルはインターミディエイトのウェットタイヤに交換、#8号車はスリックタイヤのままで走行し、一旦は2位に後退。その後天候が回復するとデビッドソンはタイヤ交換にピットへ入ったライバルを尻目に再びトップに躍り出て、中嶋にステアリングを渡した。

    #8号車のドライバーが中嶋に代わった時点で、#7号車のアクシデント処理のためにセーフティカーが出動。その結果、中嶋の#8号車と2位につけるライバルとの十分なタイム差が瞬く間に縮まってしまった。

    セーフティカーが退いた時点でレースは残り2時間。TS050 HYBRID #8号車とライバルの間で激しいトップ争いが展開されることになった。TS050 HYBRID #8号車はレースが残り45分になった時点で、最後のピットストップを行い、中嶋からブエミにドライバー交代。#8号車のピットストップでライバルに1位の座を譲ることとなったが、ライバルも最後のピットストップを行い、その時点で両車の差は8秒。そこから終盤戦へと#8号車のブエミの猛追が始まった。そしてレースが残り13分を切った時、TS050 HYBRID #8号車がライバルをかわしてトップに立ち、そのままゴールへ飛び込んだ。

    不安定な天候、不慮のアクシデント、セーフティカーの出動と荒れたシルバーストン6時間レースだったが、最後に勝利はTS050 HYBRID #8号車の頭上に輝いた。この勝利で、優勝した3人のドライバーには、RAC(英国王室自動車クラブ)から伝統あるツーリスト・トロフィー賞が贈られた。この賞は1905年に創設された英国のモータースポーツ界では最高権威の賞で、タツィオ・ヌボラーリ、グラハム・ヒル、スターリング・モスといったそうそうたるドライバーが受賞している。#8号車の中嶋は日本人として初めてこの賞を受ける栄誉を授かった。

    チームは、既にル・マン24時間レースの前哨戦ともいえるWEC第2戦スパ6時間レースへと準備を整えている。次戦スパ6時間レースには、初めて3台体制で臨むことになり、ステファン・サラザン、国本雄資、ニコラス・ラピエールの3名がTS050 HYBRID #9号車で出場する。

    TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)
    決勝: 23位、159周、ピットストップ6回、グリッド:1番手、最速ラップ:1分39秒656

    TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)
    決勝: 1位、197周、ピットストップ6回、グリッド:2番手、最速ラップ:1分39秒804

    佐藤俊男 (TOYOTA GAZOO Racing代表

    とても劇的な決勝レースの展開でしたが、レース中のアクシデントで検査のために病院に行ったロペス選手が無事という一報を受け、まずはほっとしています。予選では圧倒的な速さを発揮することが出来たのですが、決勝レースでのライバルは、さすがに手強い相手でした。チームは最後のチェッカーフラッグを受けるまで全力で戦いました。2台揃って表彰台に上がることは叶わなかったものの、レースで見せたチームの的確な判断力と闘争心、更にダメージを負った#7号車を短時間で完全修復したメカニックの頑張りを誇りに思います。週末を通して見せたハイ・ダウンフォース仕様のTS050 HYBRIDの戦闘力には満足していますが、次戦スパ・フランコルシャン6時間レースに向けて更なる改良を行い、再度ライバルとの激闘を制することが出来るよう全力を尽くします。

    小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車

    優勝した#8号車のクルー全員を祝福します。我々は予選でポールポジションを獲得し、決勝の序盤もレースをリードするなど良いスタートを切りました。しかし、マイクのスティント終盤にサスペンションのトラブルに見舞われ、続く私のスティントでも車両の挙動がおかしくなってしまいました。良い結果が狙えたはずだけに残念です。ただ、我々のパフォーマンスは見せることが出来たので、次のレースで挽回します。

    マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #7号車

    #8号車が優勝出来たことを喜んでいます。我々の#7号車は、最初の2スティントは順調でしたが、その後サスペンションのトラブルに見舞われ、感触がおかしくなりました。可夢偉の担当の時にもこのトラブルの影響は続き、ウェットとなったホセのスティントでアクシデントに見舞われてしまいました。彼が無事だったと聞いてほっとしています。その後、懸命な作業でTS050 HYBRIDをコースへ戻してくれたクルーに大変感謝しています。厳しい週末となってしまいましたが、TS050 HYBRIDの速さは示すことが出来たので、次戦スパが楽しみです。

    ホセ・マリア・ロペス (TS050 HYBRID #7号車

    スタートはとても順調でしたが、序盤のマイクの走行中にサスペンションのトラブルに見舞われました。可夢偉が苦しい走行を続けており、何とか挽回しようと思っていました。しかし、自分が走行を始めると雨が降り始め、コーナーの進入で車両挙動が乱れてしまいました。サスペンションに起因するトラブルと、ウェット状態でリアタイヤが縁石に乗り上げたときにコントロールを失いました。激しい衝撃で、若干の痛みも感じましたが、病院で何も問題はないと診断されて安心しました。次戦スパでは挽回するべく頑張ります。

    中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車

    アンソニー、セバスチャンと共に勝ち取ったこの勝利を本当に嬉しく思います。2015年に彼らとのトリオを組んで初めての勝利だからなおさらです。やっと勝てたという気分です。決勝レースは、降雨やセーフティカーの導入など不測の事態があり、予想以上に困難でした。我々はTS050 HYBRIDに満足していましたが、ライバルのペースも良く、厳しい戦いを強いられました。セバスチャンが最後は素晴らしい走りを見せてくれました。我々は彼を信じていましたが、最後は本当にエキサイティングでした。

    セバスチャン・ブエミ (TS050 HYBRID #8号車

    久々の勝利だっただけに、優勝出来てとても幸せです。良いシーズンのスタートが切れました。レースは接戦となり、最後は非常にエキサイティングでした。我々のTS050 HYBRIDは常に速く、自分が担当した最後のスティントは、新しいタイヤで、ライバルに対して優位な状況もありました。最後にライバルをパスしたときは、チャンスはあの時しかないと分かっていました。実際に上手く行って良かったです。

    アンソニー・デビッドソン (TS050 HYBRID #8号車

    チームの皆と開幕戦の優勝を味わえるとは何と素晴らしいことでしょうか。今日まで共に苦労してきた仲間が素晴らしい仕事を成し遂げた結果だと思っています。セーフティカーの導入がありましたが、チームはこの難しい状況においても的確な判断で、間違いのない戦略を与えてくれました。セバスチャンは後半のタイヤ摩耗が厳しくなった時でも素晴らしい運転を続け、一貴と私はとても勇気づけられました。今日の彼は本当に素晴らしい活躍を見せてくれました。この勝利をとても誇りに思います。

  • トヨタ:ホセ・マリア・ロペスがクラッシュ / WEC 開幕戦

    トヨタ:ホセ・マリア・ロペスがクラッシュ / WEC 開幕戦

    WEC 開幕戦 シルバーストンでトヨタの7号車を走らせていたホセ・マリア・ロペスがクラッシュ。予防措置のために病院へと搬送された。

    ポールポジションからスタートしたトヨタ7号車だが、アンチロールバーの問題もあり、ホセ・マリア・ロペスは4番手を走行していた。だが、コプスでブレーキングで縁石に乗り上げてクラッシュ。

    衝突の影響で“メディカルライト”が点灯したため、ホセ・マリア・ロペスは予防措置としてノーサンプトンの病院に搬送された。

    グラベルから抜け出してピットにクルマを戻すことができ、トヨタはなんとかマシンを26番手で修復させてコースに復帰させた。

  • 【WEC】 小林可夢偉 「あれ以上は無理というくらいにアタックした」

    【WEC】 小林可夢偉 「あれ以上は無理というくらいにアタックした」

    小林可夢偉が、ポールポジションを獲得したWEC 開幕戦 シルバーストンの予選ラップを振り返った。

    WECの予選は3人のドライバーのうち2人がタイムアタックし、その平均値が予選タイムとして採用される。7号車は小林可夢偉とマイク・コンウェイが走行を担当。小林可夢偉は1分36秒793の驚速タイムを記録。マイク・コンウェイとの平均タイム1分37秒304は2012年に始まったWECシルバーストン戦におけるLMP1クラスの最速タイムとなる。

    「あれ以上は無理というくらいにアタックした予選で、結果には本当に満足しています」と小林可夢偉はコメント。

    「TS050 HYBRIDは今日も素晴らしい仕上がりで、チームは本当に良くやってくれました。オフシーズンを通してチームが全力を尽くして開発してくれたことに感謝します。そして今日の私の予選でその結果をお見せすることが出来ました」

    「シーズン開幕戦をポールポジションという、決勝レースへ向けた最高のポジションからスタート出来るのはとても良い気分です」

    8号車は中嶋一貴とアンソニー・デビッドソンがタイムアタックを担当。7号車とわずか0秒289の1分37秒593差で2番手を獲得した。

    「今日もとても順調な一日でした。可夢偉が素晴らしいラップタイムをマークしてくれました」と中嶋一貴はコメント。

    「ここシルバーストンは好きなサーキットのひとつで、個人的にも予選アタックは上手くいったと思っています」

    「しかし、我々にとっての目標は、明日の決勝レースです。ロングランでの走りにはとても満足しているので、明日の決勝レースでも好調さを発揮出来るように頑張ります」

    中嶋一貴

  • トヨタ、2013年以来のフロントロー独占 / WEC 開幕戦 予選レポート

    トヨタ、2013年以来のフロントロー独占 / WEC 開幕戦 予選レポート

    2017年FIA世界選手権(WEC)開幕戦シルバーストン6時間レースの公式予選が、4月15日(土)午後1時半から20分間にわたって行われ、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID 2台は、好調を維持したまま揃ってグリッド最前列を獲得、これは2013年のバーレーン6時間レース以来であり、そしてポールポジションは2014年の富士6時間レース以来となる。

    TOYOTA GAZOO Racingが高速コーナーの続くシルバーストンに持ち込んだのは、ハイ・ダウンフォース仕様のTS050 HYBRID。このサーキットを攻略するには最適と判断した結果だ。

    TS050 HYBRIDは前日の公式練習から好調を維持し、公式予選でもその速さが光った。ポールポジションを獲得したのは小林可夢偉とマイク・コンウェイが駆った#7号車。WECの予選は3人のドライバーのうち2人がタイムアタックし、その平均値が予選タイムとして採用される。#7号車はまず小林可夢偉がアタック、1分36秒793の驚速タイムを記録してライバルを引き離した。その後マイク・コンウェイに代わってアタックしたが、彼の1回目のタイムは四輪コースオフの判定により抹消され、一時順位は4番手に落ちた。しかし、コンウェイは2回目のアタックで1分37秒816の好タイムを記録、その結果#7号車は平均タイム1分37秒304で見事ポールポジションの獲得に成功した。このタイムは2012年に始まったWECシルバーストン戦におけるLMP1クラスの最速タイムとなる。

    #7号車のとなりでスターティング・グリッドの最前列に並ぶのはチームメイトのTS050 HYBRID #8号車。#8号車は中嶋一貴とアンソニー・デビッドソンがタイムアタックを担当した。まず中嶋の1分37秒639、続いてデビッドソンが1分37秒548と続き、平均タイムは#7号車とわずか0秒289の1分37秒593差で2番手を獲得した。

    予選は好天に恵まれたが、気温10℃、路面温度11℃と低く、2台のTS050 HYBRIDの最速タイムには新開発のミシュランタイヤの効もあり、ドライバー達はその高性能ぶりを評価した。しかし、目標はあくまでも明日の決勝レース。目標に向かって知力を尽くした戦略を駆使し、チーム全員がひとつになって戦う。

    TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)
    公式練習第3回目: 4番手 (1分40秒656), 20周
    公式予選: 1番手 (平均1分37秒304)

    TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
    公式練習第3回目: 1番手 (1分39秒476), 27周
    公式予選: 2番手 (平均1分37秒593)

    小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車)
    あれ以上は無理というくらいにアタックした予選で、結果には本当に満足しています。TS050 HYBRIDは今日も素晴らしい仕上がりで、チームは本当に良くやってくれました。オフシーズンを通してチームが全力を尽くして開発してくれたことに感謝します。そして今日の私の予選でその結果をお見せすることが出来ました。シーズン開幕戦をポールポジションという、決勝レースへ向けた最高のポジションからスタート出来るのはとても良い気分です。

    マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #7号車)
    ポールポジションが獲得出来てとても嬉しいです。順調なスタートが切れました。この好調さを決勝レースでも発揮出来るように願っていますが、間違いなく容易なレースにはならないでしょう。1周目のアタックラップがタイム抹消になってしまったのは残念でしたが、予選ではよくあること。2周目のアタックもポールポジション獲得には充分なタイムで良かったです。

    中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車)
    今日もとても順調な一日でした。可夢偉が素晴らしいラップタイムをマークしてくれました。ここシルバーストンは好きなサーキットのひとつで、個人的にも予選アタックは上手くいったと思っています。しかし、我々にとっての目標は、明日の決勝レースです。ロングランでの走りにはとても満足しているので、明日の決勝レースでも好調さを発揮出来るように頑張ります。

    アンソニー・デビッドソン (TS050 HYBRID #8号車)
    トヨタの2台で最前列グリッドを占められたのは素晴らしいことで、良い一日になりました。ずいぶん久しぶりな気がします。この素晴らしいパフォーマンスは、トヨタ東富士研究所とTMGの技術陣が冬のオフシーズン中に全力で開発してくれたお陰で、本当に感謝しています。こんどは我々が、厳しい接戦が予想される明日の決勝レースに立ち向かう番です。