カテゴリー: トヨタ

  • 【ル・マン24時間】 問題行動のLMP2ドライバーがトヨタに謝罪

    【ル・マン24時間】 問題行動のLMP2ドライバーがトヨタに謝罪

    トヨタは、ル・マン24時間で紛らわしい行動によって間接的に7号車のリタイアの原因となったLMP2ドライバーのヴィンセント・キャピレーから謝罪があったことを明かした。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ステファン・サラザンのトヨタ #7号車は、史上最速のコースレコードでポールポジションを獲得し、最大目標であった初勝利へと大きな期待と共にスタートから10時間にわたってレースをリードした。

    そして、レースが8時間に達しようとする直前、セーフティカー走行中にマイク・コンウェイから小林可夢偉にドライバーチェンジを実施。小林可夢偉は、セーフティカーの後ろで隊列が整い、ピットレーン出口の赤信号が変わるのを最前列で待っていた。

    その際、小林可夢偉は、マーシャルがピットを離れるように命じていると勘違いしてクルマを発進させようとし、チームが無線でストップさせるという事態が数回起こった。それがクラッチを過熱させレース再開時のリタイアに導いた可能性があるという。

    だが、小林可夢偉がマーシャルだと勘違いしたのはLMP2ドライバーのヴィンセント・キャピレーだった。ヘルメットをかぶり、オレンジ色のレーシングスーツを着用したヴィンセント・キャピレーは、小林可夢偉を激励したいと思いで、マシンの前で親指を立てた。

    22日(木)、トヨタはヴィンセント・キャピレーから彼の行動に対して謝罪があったことを声明で明かした。

    「Toyota Gazoo Racingは、ル・マン24時間での行動に関してヴィンセント・キャピレーから謝罪を受けた」

    「我々は彼の謝罪を完全に受け入れ、彼のジェスチャーが決して7号車にネガティブな影響を引き起こすことが目的ではなかったことに同意する」

    「我々はヴィンセントと良い関係のままであり、この件はもう終わったと考えている」

    F1-Gate.comさん(@f1gate)がシェアした投稿 –

  • 【WRC】 トヨタ:WRC 第8戦 ラリー・ポーランド プレビュー

    【WRC】 トヨタ:WRC 第8戦 ラリー・ポーランド プレビュー

    TOYOTA GAZOO Racingは、6月29日(木)から7月2日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦ラリー・ポーランドに、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(#11号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(#12号車)の、3台のヤリスWRCで参戦する。ポーランド北東部を舞台とする、今シーズン最初の超高速グラベル(未舗装路)ラリーで、クルマをさらに鍛え、好リザルトを得るべくチーム一丸となって臨む。

    初開催は1921年と、ラリー・ポーランドは非常に長い歴史を誇るラリーである。1973年にWRCがスタートすると、その初年度からシリーズの1戦に組み込まれ大きな注目を集めた。以降は長年WRCのカレンダーには含まれなかったが、2009年に2度目のWRC開催を実現し、2014年以降は毎年WRCの1戦として開催されている。

    ラリー・ポーランドは、非常にハイスピードなグラベルコースが特徴である。SS(スペシャルステージ)の平均時速は、WRCを代表する超高速イベントであるラリー・フィンランドに迫り、今シーズンこれまでに行われてきた他のグラベルラリーとは、コースのキャラクターが大きく異なる。そのため、チームにとってラリー・ポーランドは新たなるチャレンジとなり、ヤリスWRCの総合性能をさらに高める良いチャンスとなる。

    ポーランドのSS は緩やかなハイスピードコーナーが多く、アクセルの全開区間が長い。目の細かい砂状のグラベルに覆われた路面は全体的に軟らかめで平坦。ラリー・フィンランドのグラベルコースと共通点が多いが、道幅は全体的にフィンランドよりも狭く、大きなジャンプも少ない。

    ラリーの中心となるのは、ポーランド北東部マズールィ地方のミコワイキ。競技はミコワイキに設けられた全長2.50kmのスーパーSSコースで6月29日(木)にスタートし、翌日30日(金)から、ミコワイキ周辺で本格的なグラベルのSSが行われる。そして30日(金)、7月1日(土)ともに1日の最後には、ミコワイキでのスーパーSSが予定されている。競技最終日の2日(日)には4本のSSが設定され、最終ステージのSS23は、トップ5タイムを記録した選手にボーナスの選手権ポイントが付与される、パワーステージとなる。4日間を通してのSSの数は23本で、その合計距離は326.64km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は、1422.63kmとなる。

    ラリー・ポーランドを前に、チームはポーランドと似たコース条件が得られるエストニアでグラベルテストを実施。3名のドライバーはヤリスWRCの改善に注力した。

    トミ・マキネン (チーム代表)

    ポーランドは、これまでのラリーとは違う新たなる挑戦となり、興味深い戦いになるでしょう。コースはフィンランドと似ている部分もありますが、ジャンプが 少なく、路面が軟らかいのが特徴です。我々のヤリスWRCは空力性能の高さが強みです。ハイスピードなポーランドの道は、車を鍛える良い舞台となるでしょう。ここ数戦はクルマに大きな負担がかかるグラベルラリーが続きましたが、ポーランドはそれほど苛酷ではないと思います。もっとも、実際にコースを走ってみないと分かりませんし、私はラリー・ポーランドに出た事がないので予想は難しいですが。選手は皆、どのように戦うべきかを十分に理解しているので、私としては、彼らが目標に向かって集中力を保てるようにサポートしていきます。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC #10号車)

    エストニアでは、ポーランドに向けた、とても良いテストができました。テストでは雨の走行も行ないましたが、ポーランドでは去年も最終日に雨が降り、今年のラリー期間中も暑い日が続いた後には降雨の可能性があるので、とても有効だったと思います。テストでは主にダンパーの改善を進めた結果、特にクルマの安定性の向上に手応えを感じました。我々はフィンランドのハイスピードな道でヤリスWRCの開発テストを続けてきたので、速度の高いポーランドの道との相性は良いのではないかと思います。

    ユホ・ハンニネン (ヤリスWRC #11号車)

    しっかりと準備をして臨んだ、前戦ラリー・イタリア サルディニアではクルマの進化に満足しました。我々のクルマは、速度の低いラリーよりも、高いラリーのほうが合っていると思うので、ポーランドに関しては自信を持っています。速度の高いラリーではセットアップをあまり気にする事なく、運転に集中する事ができます。テストでは、これまでも改良を続けてきたサスペンションにさらに変更を加え、良い反応を得る事ができました。グラベルラリーで問題となる出走順に関しては、サルディニアほどは大きな差が出ないと思いますが、それでも金曜日は重要な1日となるでしょう。

    エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC #12号車)

    ポーランド前に行なったテストは、私にとってとても意味のあるものでした。低速なサルディニアのコースとはまた違う、アクセル全開のハイスピードな道で経験を積む事ができたからです。実際のポーランドの道は路面が少し砂状で軟らかいと思いますが、それでもテストで走った道との共通点は多いと思います。サルディニアでは良い結果を得る事ができましたが、ポーランドの道は性質が全く異なるので同じような結果が出せるかどうかわかりませんが、全力を尽くします。ミスのない走りを続け、トラブルなくフィニッシュを目指し、できるだけ多くの学びを得たいと思っています。

  • トヨタ、ル・マン24時間レースでの3台目のエントリーは「無駄になった」

    トヨタ、ル・マン24時間レースでの3台目のエントリーは「無駄になった」

    トヨタのレーシングハイブリッド・プロジェクトリーダーを務める村田久武は、3台体制でのル・マン24時間レースへの参戦は“無駄になった”と述べた。

    今年、トヨタはWECに2台体制でエントリーしているが、ル・マン24時間レース初制覇という悲願を達成するためにル・マンには3台体制で参戦した。

    しかし、3台目のエントリーとなった9号車は、後方からLMP2車両に追突され、左リアタイヤのパンクと油圧系統にダメージを負いリタイアとなった。

    「9号車は無駄になってしまいたね。ラピエールはプッシュする必要のない場所でプッシュし、後方から追突されました。クルマが生き残っていたら、我々は勝つことができていたでしょう」と村田久武はコメント。

    「新しいLMP2カーは速すぎたかもしれません。ドライバーの力を考えれば、今年のLMP2カーはドライバーの能力を上回っていたと思います」

    9号車のリタイアは、7号車のリタイアの直後に起こった。7号車はレースをリードしていたが、小林可夢偉がピットレーンでアルガルベ・プロ・レーシングのLMP2ドライバーであるヴィンセント・キャピレーをマーシャルと勘違いし、発進と停止を繰り返した結果、クラッチが故障した。

    唯一の生き残りとなった8号車は、フロントモーターとバッテリーの交換によって2時間をロスしたことですでに優勝争いから脱落しており、総合8位でフィニッシュした。

    「あまりに多くのクルマがコースオフし、多くのイエローフラッグとスローゾーンがありました」

    「我々はスローゾーンのテストをあまりやっていなかったので、何かが起こる可能性はありました」

    今年、トヨタは小林可夢偉がコースレコードを大幅に更新するタイムでポールポジションを獲得。レースでもリタイアするまで1分近くリードを築いていた。

    「昨年の後悔は、全てがうまくいっていれば、勝てたかもしれないということでした。ところが、今年は勝てるクルマだとわかっていても勝てませんでした」

    関連:【ル・マン24時間】 トヨタ 7号車のリタイアはLMP2ドライバーが原因?

  • 【ル・マン24時間】 トヨタ 7号車のリタイアはLMP2ドライバーが原因?

    【ル・マン24時間】 トヨタ 7号車のリタイアはLMP2ドライバーが原因?

    ル・マン24時間でのトヨタ #7号車のリタイアは、あるLMP2ドライバーの紛らわしい行動が間接的な原因だったようだ。

    小林可夢偉がコースレコードを更新してポールポジションを獲得したトヨタ #7号車は、レース序盤で順調にリードを築いていたが、レースが10時間に差し掛かろうとしていた頃、クラッチにトラブルが発生してリタイアすることになった。

    トヨタ #7号車は、セーフティカー走行中にマイク・コンウェイから小林可夢偉にドライバーチェンジ。小林可夢偉は、セーフティカーの後ろで隊列が整い、ピットレーン出口の赤信号が変わるのを最前列で待っていた。

    その際、小林可夢偉は、マーシャルがピットを離れるように命じていると勘違いしてクルマを発進させようとし、チームが無線でストップさせるという事態が数回起こった。それがクラッチを壊し、レース再開時のリタイアに導いた可能性があるという。

    「可夢偉は内燃エンジンでスタートするためにクラッチを使わなければならない位置にいた」とトヨタのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンはコメント。

    「クラッチはそのために造られてはいない。スタートできないことが2~3回続いた。そして、クラッチが音を上げた」

    後に小林可夢偉がマーシャルだと認識していたのは、ピットレーンの最後端に位置していたアルガルベ・プロ・レーシングのLMP2ドライバーであるヴィンセント・キャピレーだったことが明らかになった。

    「土曜日の午後のレース中、僕は自分のボックスでヘルメットをかぶって自分の出番を待っていた」とヴィンセント・キャピレーはFacebookで述べた。

    「僕はボックスの数メートル先で赤信号で止まっているトップのクルマを激励したかった。それは自然発生的な激励だった」

    「僕はそのジェスチャーのためにスチュワードから罰金を科せられた。それが不適当なことだったことを認める。後悔しているよ」

    パスカル・バセロンは、ヴィンセント・キャピレーがトヨタに謝罪することを望んでいると L’Equipe に述べた。

    「彼の振る舞いに悪意がなかったことは理解している。だが、彼は自分のジェスチャーが引き起こす結果について考えていなかった。少なくとも彼が謝罪しにくることを願っている。現時点で彼はまだ謝罪していない」

    予選で類似した状況を経験したG-DRIVE レーシングのLMPドライバー、ロマン・ルシノフは、小林可夢偉がいかに混乱していたかを理解できると述べた。

    「手がOKを示していたら、走り出すものだ」とロマン・ルシノフは Autosport にコメント。

    「クルマの中は視界がとても限られている。なので、赤信号の前にいて、スタッフが行っていいと示していたら、その人が示した通りのことをしてしまう。赤信号が壊れているかもしれないしね。どうやって知ることができる?」

    F1-Gate.comさん(@f1gate)がシェアした投稿 –

  • 【動画】 トヨタ:2017年 ル・マン24時間レース ダイジェスト

    【動画】 トヨタ:2017年 ル・マン24時間レース ダイジェスト

    トヨタが、2017年 ル・マン24時間レースのハイライト動画を公開した。

    2017年 ル・マン24時間は、TOYOTA GAZOO Racingにとって苦難のレースに終わった。3台体制で臨んだレースだったが、深夜に#7号車と#9号車の2台を失い、#8号車もトラブルのため一時54位まで後退。後半戦、懸命に追い上げた#8号車は9位でチェッカーを受けた。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ステファン・サラザンのTS050 HYBRID #7号車は、史上最速のコースレコードでポールポジションを獲得し、最大目標であった初勝利へと大きな期待と共にスタートから10時間にわたってレースをリードした。しかし、深夜の1時15分、クラッチトラブルでその夢は消えた。

    中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソンの#8号車も同じく勝利を目指し、#7号車に次ぐ2位を走行していたが、8時間を迎える直前、フロントモーターにトラブルが発生、モーターとバッテリの交換を余儀なくされたが、チームは決して諦めることなく、2時間にわたる修復作業で再び#8号車をコースへと復帰させた。29周遅れ、54位でレースに復帰した#8号車は全体最速ラップタイムを叩き出すなど、懸命の追い上げを見せ、9位でチェッカーを受けた。

    ニコラス・ラピエール、国本雄資、ホセ・マリア・ロペスの#9号車もアクシデントによりレースを終えることとなった。#7号車がリタイアした直後、#9号車は後方からLMP2車両に追突され、左リアタイヤのパンクと、油圧系統にダメージを負った。これにより、#9号車はシフトチェンジが出来ず、ピットまで残り僅かのところまでたどり着いたが、午前1時35分にリタイアとなった。

    2017年 ル・マン24時間レース

    佐藤俊男 (TOYOTA GAZOO Racingチーム代表)
    昨年の敗戦以来、関係者で全力を尽くして準備を行い、再度トップを争える車両をル・マンに持ち込みましたが、結果はとても厳しいものとなってしまいました。練習走行から順調に運び、決勝でもライバルとの厳しい接戦を優位に進めることが出来ました。ドライバーをはじめ、エンジニア、メカニックの皆がこの一週間素晴らしい働きを見せてくれたことに感謝をしたいと思います。勿論、優勝したポルシェに対しても心からお祝いを述べたいと思います。また、ファンの皆様には多くの暖かい応援を頂きましたが、我々は優勝トロフィーを持ち帰ることが出来ませんでした。今回深夜に起こしてしまったダブルリタイアは当然受け入れられないものだと思います。同じことを繰り返さないの取り組みをして参ります。そして、必ずもっと強くなり、更に強い決心のもと、再びル・マンに挑戦したいと思います。

  • トヨタ社長「モータースポーツは自動車産業になくてはならない取り組み」

    トヨタ社長「モータースポーツは自動車産業になくてはならない取り組み」

    2017年 ル・マン24時間レースの決勝前日である6月16日(金)、イタリアの日刊新聞 Il Messaggero が、トヨタ自動車の豊田章男社長を特集。トヨタにとってのル・マン24時間レース、そして、モータースポーツの意義について語った。

    19回目の挑戦となった第85回ル・マン24時間レースでも、トヨタは優勝の夢を掴むことができなかった。現場には豊田章男社長も訪問。トヨタのル・マンでの戦いを見守った。

    「トヨタがモータースポーツに挑む理由はもっといいクルマをつくるため」

    私はルマンに行く機会に恵まれませんでした。毎年、トヨタの株主総会は決まってルマンの週に開催されるめ、現地に行くことができないんです。

    昨年も、やはりルマンには行けませんでした。

    日本時間で日曜の夜10時頃、トヨタが迎える、初めてのその瞬間を私は自宅のテレビの前で迎えようとしていました。スマートフォンを片手に、現地にいるスタッフとメッセンジャーでやりとりをしながら、正直に言えば、もうその瞬間を迎えるであろうことを確信していたと記憶しています。

    私も、幾度となく、レースやラリーの現場に行っていますし、ドライバーとしても、何度も競技に参加しています。なので、レースは、チェッカーを受けるまで、何があるか分からないということはよく分かっていたつもりでした。

    しかし、追い上げてきていたポルシェがピットに入り、マージンが1分半近くまで広がった時、勝利への安堵のようなものを感じていたと思います。

    しかし21時57分、トヨタのクルマは、ドライバーからの「No power I have no power」という交信とともにスローダウンし、そしてピット前のコース上で止まってしまいました。

    初めは、何が起きているか、よく分かりませんでした。現地にいるスタッフも混乱していて、確かなことはよく分かりませんでした。

    ただ、テレビの画面に映し出される「歓喜に満ちたポルシェのクルー達」をみて、やはりレースは、最後の最後まで何があるか分からないということを知ることになりました。

    私の心には、悔しさと残念な気持ちが溢れてきたことを覚えています。

    このクルマを走らせていたのはドライバーだけではありません。このクルマの開発に携わったエンジニア、メカニック、そしてパーツサプライヤーに至る多くのメンバーが、このクルマを走らせていました。

    そんな、私以上に深い悔しさに包まれている彼らに、私から、なんと声をかければよいか、あの時は、正直、分かりませんでた。

    トヨタは18回、この伝統あるルマンのレースに挑戦させていただいていますが、シルバーメダルしか手にしたことがありません。本当に多くのファンがトヨタを応援し続けてくださっています。その皆さまが「今度こそはゴールドメダルを」と毎年、声援を送ってくださいます。

    言ってみれば、私も、その内の一人です。

    今度こそは、24時間で、他の誰より、トヨタのクルマが長い距離を走ってほしいと思い続けていました。なので、そうしたファンの皆様に対し、深い感謝の気持ちを抱いていますし、この瞬間を迎えた時は、彼らに、本当に申し訳ない気持ちになりました。

    昨年のレースには、会長の内山田が現地に行ってくれていました。彼は、プリウスの開発者であり、ハイブリッドの父とも呼ばれています。ハイブリッドカーで戦うルマンの戦いにおいても、彼は、チームの父のような存在であると思います。

    だから、昨年のルマンにおいて、レース後に、トヨタを代表するコメントは、テレビの前にいる私ではなく、彼にお願いをしていました。

    しかし、あの瞬間を目にし、「この悔しさは、クルマを作ってきたチームだけのものではなく、トヨタにいる全員、そして応援してくださっている全員の悔しさだ」と、私は感じました。そして、私は、内山田会長に、「今回は、トヨタの想いとして、私からコメントを出させてほしい」とお願いしました。

    そうして、発信したのが、このコメントです。

    ル・マン24時間耐久レースに、ご声援を送っていただいた皆様に心より感謝申しあげます。本当にありがとうございました。

    TOYOTA GAZOO Racingは、「敗者のままでいいのか」と、あえて自分達にプレッシャーをかけ、今までの悔しさを跳ね除ける戦いを続けてまいりました。メカニック、エンジニア、ドライバー、そしてサプライヤーの皆さま…戦いに携わる全ての者が、力を尽くし、改善を重ね、「もっといいクルマ」となって戻ってこられたのが、本年のル・マンであったと思います。ついに悲願達成か…と、誰もが、その一瞬を見守る中、目の前に広がったのは、信じがたい光景でした。

    トヨタのクルマも、速く、そして強くなりました。しかし、ポルシェは、もっと速く、そして強かった…。

    決勝の24時間…、そして予選なども含め合計で30時間以上となるル・マンの道を、誰よりも速く、強く走り続けるということは、本当に厳しいことでした。チームの皆の心境を思うと…、そして、応援いただいた全ての方々へ…、今、なんと申しあげたらよいか、正直、言葉が見つかりません。

    我々、TOYOTA GAZOO Racingは“負け嫌い”です。負けることを知らずに戦うのでなく、本当の“負け”を味あわさせてもらった我々は、来年もまた、世界耐久選手権という戦いに…、そして、この“ル・マン24時間”という戦いに戻ってまいります。

    もっといいクルマづくりのために…、そのためにル・マンの道に必ずや帰ってまいります。

    ポルシェ、アウディをはじめ、ル・マンの道で戦った全てのクルマとドライバーの皆さまに感謝すると共に、また、一年後、生まれ変わった我々を、再び全力で受け止めていただければと思います。

    皆さま、“負け嫌い”のトヨタを待っていてください。よろしくお願いいたします。

    このコメントが出来た時、最初に送った相手は、広報担当ではなく、レーシングハイブリッドプロジェクトのリーダーである村田でした。

    2015年、トヨタはルマン(そしてWECシリーズ)において、ポルシェやアウディに全く歯が立ちませんでした。

    「2016年は絶対に負けられない」

    トヨタのその想いを背負った村田は、今後2年かけてやる開発を前倒しして、2016年に向けたクルマを死にもの狂いで準備していました。

    私は、それを知っていたので、出来上がったメッセージをまず彼に読ませたいと思ったのです。

    「現場にいてやれなくてゴメン」「こういうメッセージを出すぞ」と言う言葉と共に、彼にメッセージをおくりました。

    後日、聞いたところ、彼は「社長が送ってくれた。あのメッセージに救われた。もう一度、2017年に向けて頑張ろうと気持ちを切り替えることができた」と語ってくれていました。

    彼と、そのチームは、今年のルマンに向けて、その前の年以上の努力を重ねてくれました。きっと期待に応えてくれているに違いない…と思います。

    モータースポーツは、自動車産業にとってなくてはならない取り組み

    トヨタが、モータースポーツに挑む理由はもっといいクルマをつくるためです。

    私の祖父で、トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎も、このような言葉を残していました。

    『これから、乗用車製造を物にせねばならない日本の自動車製造事業にとって、耐久性や性能試験のため、オートレースにおいて、その自動車の性能のありったけを発揮してみて、その優劣を争う所に改良進歩が行われ、モーターファンの興味を沸かすのである・・・。単なる興味本位のレースではなく、日本の乗用車製造事業の発達に、必要欠くべからざるものである』

    その想いは今も変わりません。

    競争という厳しい環境の中でこそ、新しいアイデアが生まれ、それを実現しようと皆が努力を重ねます。その過程が、人は成長させ、クルマも更に良いものに成り続けていくのです。

    ですので、モータースポーツは、自動車産業にとってなくてはならない取り組みなのだと思っています。

    ルマンの話に戻せば、昨年味わった悔しさが、新たな技術への挑戦を生み、今年のクルマに繋がり、それは、未来のトヨタのクルマの進化にも繋がっているのだと確信しています。

    しかしながら、昨年の結果は、悔しいだけでは、ありませんでした。悔しさも大きかった一方で、トヨタは得たものもありました。

    レースの後に、ポルシェやアウディに、その戦いを讃えてもらえたことです。

    例えば、ポルシェは、レースの数時間後に、SNSで、「Competed together for 24 hours. Head to head for 24 hours. Gained our respect forever」と我々に向けたメッセージを発信してくださいました。

    それを見て、私は、伝統あるヨーロッパのモータースポーツ業界に初めてトヨタのことを認めてもらえたように感じ、とても嬉しく感じました。

    そして、その数週間後、私のもとに、ドクターポルシェからの手紙も届きました。とても感動しました。ポルシェは、とても素晴らしいクルマを作る“尊敬すべきスポーツカーメーカー”です。そのトップから手紙を頂けることは、大変光栄なことでした。

    私からも返事を出させていただき、そのコミュニケーションがきっかけでパリモーターショウの時、Dr.ポルシェに直接会って、お話を聞くことが出来ました。

    このような出会いを昨年のルマンの戦いはトヨタに与えてくれました。このことに感謝したいと思います。

    パリで、Dr.ポルシェと「次は来年のルマンで会いましょう」と約束しました。この感謝の気持ちは、今年のルマンで、ドクターポルシェに改めて伝えたいと思います。そして、なにより、ポルシェと、再度、素晴らしい戦いをすることで応えていきたいと思います。

    一年の努力により、我々のクルマは、もっといいクルマになっています。ですので、ポルシェと、素晴らしい戦いをできると確信しています。

    その戦いが、人々を魅了し、I love carsと言ってくださるファンが1人でも増えればと思います。

    そして、やはり、今年は、トヨタが、24時間で一番長い距離を走るクルマであってほしいと思います。

    長く応援し続けてくださるファンの皆様に、心からの笑顔になってほしいと願っています。私も、そのファンの内の一人です。だから、今年は、日曜日の午後3時に、最高の笑顔をしたいと思っています。
    (TOYOTA GAZOO Racing公式Facebookページより)

    関連:トヨタ 豊田章男社長 「思いっきり走らせてあげられなくてゴメン…。」

  • 【ル・マン24時間】 トヨタ:WEC 第3戦 ル・マン24時間 決勝レポート

    【ル・マン24時間】 トヨタ:WEC 第3戦 ル・マン24時間 決勝レポート

    2017年 ル・マン24時間は、TOYOTA GAZOO Racingにとって苦難のレースに終わった。3台体制で臨んだレースだったが、深夜に#7号車と#9号車の2台を失い、#8号車もトラブルのため一時54位まで後退。後半戦、懸命に追い上げた#8号車は9位でチェッカーを受けた。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ステファン・サラザンのTS050 HYBRID #7号車は、史上最速のコースレコードでポールポジションを獲得し、最大目標であった初勝利へと大きな期待と共にスタートから10時間にわたってレースをリードした。しかし、深夜の1時15分、クラッチトラブルでその夢は消えた。

    中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソンの#8号車も同じく勝利を目指し、#7号車に次ぐ2位を走行していたが、8時間を迎える直前、フロントモーターにトラブルが発生、モーターとバッテリの交換を余儀なくされたが、チームは決して諦めることなく、2時間にわたる修復作業で再び#8号車をコースへと復帰させた。29周遅れ、54位でレースに復帰した#8号車は全体最速ラップタイムを叩き出すなど、懸命の追い上げを見せ、9位でチェッカーを受けた。

    ニコラス・ラピエール、国本雄資、ホセ・マリア・ロペスの#9号車もアクシデントによりレースを終えることとなった。#7号車がリタイアした直後、#9号車は後方からLMP2車両に追突され、左リアタイヤのパンクと、油圧系統にダメージを負った。これにより、#9号車はシフトチェンジが出来ず、ピットまで残り僅かのところまでたどり着いたが、午前1時35分にリタイアとなった。

    レースは、2大ワークスチームのLMP1-Hによる宿命の対決となったが、共に全車がトラブルに見舞われ、各チーム1台ずつが後方から激しく追い上げる展開に。残り1時間あまりで首位に立った#2号車が優勝を果たした。

    TOYOTA GAZOO Racingは、FIA世界選手権(WEC)の今季第1戦、第2戦を制し、ドライバーとマニュファクチャラーの両選手権をリードして第3戦となるル・マン24時間に臨んだ。

    しかし、通常のWECシリーズの2倍のポイントが獲得出来る第3戦ル・マン24時間で上位入賞が果たせなかったことで、マニュファクチャラーズランキングではライバルに36.5ポイント、ドライバーズランキングでは#8号車のドライバーが#2号車のドライバーに対し、21ポイントのリードを許すこととなった。

    トヨタにとって1985年の初参戦以来通算19回目のル・マンへの挑戦は無念の終幕となった。

    ル・マンの規則では、リタイアした車両はレース終了までチームには返還されない。チームは車両が返還され次第直ちに#7号車と#9号車のトラブルとアクシデントの詳細な原因究明作業を行う。

    TOYOTA GAZOO Racingは、次の目標である年間タイトル獲得に向け、7月16日(日)に行われるWEC第4戦ニュルブルクリンク6時間レースへ向け準備を開始する。

    佐藤俊男 (TOYOTA GAZOO Racingチーム代表)

    昨年の敗戦以来、関係者で全力を尽くして準備を行い、再度トップを争える車両をル・マンに持ち込みましたが、結果はとても厳しいものとなってしまいました。練習走行から順調に運び、決勝でもライバルとの厳しい接戦を優位に進めることが出来ました。ドライバーをはじめ、エンジニア、メカニックの皆がこの一週間素晴らしい働きを見せてくれたことに感謝をしたいと思います。勿論、優勝したポルシェに対しても心からお祝いを述べたいと思います。また、ファンの皆様には多くの暖かい応援を頂きましたが、我々は優勝トロフィーを持ち帰ることが出来ませんでした。今回深夜に起こしてしまったダブルリタイアは当然受け入れられないものだと思います。同じことを繰り返さないの取り組みをして参ります。そして、必ずもっと強くなり、更に強い決心のもと、再びル・マンに挑戦したいと思います。

    小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車)

    我々のレースになると思っていただけに、本当に残念です。セーフティカー導入の間にピットインを行い、ピット作業の後、マーシャルからコースへ出て良いと指示されたので発進しました。その時後方から、セーフティカーがやって来たので、停止しろとの指示を受け、セーフティカーの後ろにつくために、クラッチを使ってエンジンパワーで、再スタートをしようとしたのですが、通常は行わない操作だったため、クラッチが壊れてしまいました。もしピットレーンに留まっていれば、TS050 HYBRIDはモーターのみを使ってスタートをするのですが、既にピットから出ていたため、その操作が出来ませんでした。またしても、我々はル・マンで勝つことがどれだけ難しいかを思い知らされました。再度勝利を争うべく、必ず戻って来ます。

    マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #7号車)

    決勝レースのスタートは順調で、ペースも良く、後続との間隔をコントロールしながら首位を走行出来ました。しかし、残念ながらトラブルに見舞われ、あまりに早くレースを終えることになってしまいました。トラブルの兆候は全くなく、いきなりのリタイアだったので、かなりショックでした。とても残念ですし、チームメイトのTS050 HYBRIDもほぼ同じタイミングでアクシデントに見舞われるなど、信じられない結果となってしまいました。少なくとも我々3台のうちのどれかが表彰台の真ん中に立てると期待していたのですが、叶いませんでした。

    ステファン・サラザン (TS050 HYBRID #7号車)

    信じられません。我々のTS050 HYBRIDは本当に素晴らしく、レースウィークを通してバランスも、効率も最高でした。チームは冬の間のオフシーズンに素晴らしい仕事で準備をしてくれただけに、3台共に優勝争いから脱落するというのは、悪夢を見ているかのようでした。今年のル・マンが望み通りの結果にならなかったのには幾つか理由があるでしょう。非常にレベルの高い接戦で、ライバルの#1号車が止まってしまったことからも分かるとおり、我々は限界ぎりぎりのレベルで24時間のスプリントレースを戦いました。我々は決して諦めることなく、更に強くなって帰って来ます。必ず勝てると信じることが重要です。

    中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車)

    今回のル・マンもチームにとって厳しいレースでした。本当に言葉がありません。ただひとつ言えるのは、来年も挑戦しなくてはならないということです。我々には速いTS050 HYBRIDがありましたが、まだ、何かが足りなかったということでしょうか。ハードワークで準備して来たにもかかわらず、予想外の様々なアクシデントに見舞われました。来年はさらに充分な準備をして、よりハードに戦わなくてはなりません。

    セバスチャン・ブエミ (TS050 HYBRID #8号車)

    今は何から始めて良いか分かりません。勝利に手が届かないと分かったときに思ったのは、シリーズ選手権で多くのポイントを獲得するチャンスを失ったということです。まだチャンピオン争いが出来ることを願っています。チーム、特にここまでハードに働いてくれたメカニックには最大の感謝を伝えたいです。そして全員に謝意を示します。これから我々がすることは、残りのシーズンに集中することです。

    アンソニー・デビッドソン (TS050 HYBRID #8号車)

    すでに目標を見失いながら、速い車両で周回を重ねるのはとても辛い思いでした。快調にラップを刻み、頑張って差を詰めて行きましたが、トラブルによって開いた差はとても大きく、運転しながら厳しさを噛みしめていました。ライバルは素晴らしいレースをしました。我々も決して諦めず、必ず成し遂げるという信念を抱いて、今年のような素晴らしいクルマと共にまたここに戻って来ます。

    ニコラス・ラピエール (TS050 HYBRID #9号車)

    我々にとって、度重なる不運にも見舞われ、とても辛いレースになりました。#9号車はレース序盤、幾つかの小さなトラブルに見舞われており、首位争いから一旦引き離されてしまいましたが、その後はもと通りのパワフルな走りで2位へ浮上し、更に首位を争えるペースでした。第1コーナーでの減速時に燃料カットが作動した際、LMP2車両に追突されてしまいました。あの時、他に出来ることはありませんでした。追突されたのがコースインして直ぐだったため、ほぼ一周してピットまで戻ることが出来ませんでした。本当に失望しています。

    国本雄資 (TS050 HYBRID #9号車)

    私にとって初めてのル・マン24時間は残念なレースに終わりました。初めての経験を楽しみ、トラブルに見舞われるまでは納得いく走りを見せられたと思います。#9号車が止まっているのを見たとき、ここまで仕上げてくれたチームスタッフのハードワークを見ていただけに、本当に落胆しました。彼らの働きに感謝します。そして、彼らのためにも良い結果を持ち帰りたかったのですが、厳しい結果となってしまいました。またル・マンに戻って来て必ず雪辱を果たしたいと思っています。

    ホセ・マリア・ロペス (TS050 HYBRID #9号車)

    ル・マンが時に残酷なレースだということは知っていました。多大な労力を注ぎ込み、強くなってここにやって来ました。我々は全力を尽くし、決して諦めませんでしたが、レースはこのような結果となってしましました。その瞬間に思ったのは、もっともっと強くなって来年戻って来るということです。またこのレースに挑戦し、充分な強さと速さを身に付けたことをお見せします。チームの全員、メカニック、エンジニア、そしてチームメイト、その全員を誇りに思います。彼らの働きは本当に素晴らしかったです。後悔はありません。

    TS050 HYBRID #7号車(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ステファン・サラザン)
    10時間15分リタイア(154周) ファステストラップ:3分18秒694

    TS050 HYBRID #8号車(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)
    13時間経過時点(中嶋一貴): 36位 176周
    14時間経過時点(中嶋一貴): 30位 192周
    15時間経過時点(セバスチャン・ブエミ): 27位 207周
    16時間経過時点(セバスチャン・ブエミ): 16位 222周
    17時間経過時点(セバスチャン・ブエミ): 15位 239周
    18時間経過時点(アンソニー・デビッドソン): 14位 256周
    19時間経過時点(アンソニー・デビッドソン): 13位 273周
    20時間経過時点(中嶋一貴): 12位 290周
    21時間経過時点(中嶋一貴): 10位 309周
    22時間経過時点(セバスチャン・ブエミ): 9位 324周
    23時間経過時点(セバスチャン・ブエミ): 9位 340周
    24時間経過時点(セバスチャン・ブエミ): 9位 358周
    ファステストラップ:3分18秒604

    TS050 HYBRID #9号車(ニコラス・ラピエール、国本雄資、ホセ・マリア・ロペス)
    10時間35分リタイア(160周) ファステストラップ:3分19秒321

    関連:【動画】 2017年 ル・マン24時間レース 決勝ハイライト

  • トヨタ 豊田章男社長 「思いっきり走らせてあげられなくてゴメン…。」

    トヨタ 豊田章男社長 「思いっきり走らせてあげられなくてゴメン…。」

    トヨタの豊田章男社長が、2017年 WEC 第3戦 ル・マン24時間レース後にコメントを発表した。

    豊田章男 トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長
    「思いっきり走らせてあげられなくてゴメン…。」

    本来であれば、応援いただいたファンの皆さまへの感謝の言葉が先ず最初に発せられるべきですが、 今回のル・マンだけは、どうしても…

    この言葉を私からドライバー達に一番に掛けてあげなければいけないと思っています。

    ドライバー達は、初めてル・マンに来る私に、
    「一緒に表彰台の真ん中に上ってほしい…」「そのために絶対に負けたくない…」
    「だから共に戦ってくれ…」と言ってくれました。

    だからこそ、私からは、
    「思いっきり走れ。メカのつくったクルマを信じて、ル・マンを楽しんで。」
    という言葉を返していました。

    それなのに、思いっきり走らせてあげることが出来なかったことが本当に悔しい…
    私たちのクルマを信じて走ってくれていたのに…本当に申し訳ない…。
    その気持ちでいっぱいです。

    おそらく、この気持ちは、この戦いに向けクルマをつくってきた
    トヨタのエンジニア、メカニック、
    そしてパーツサプライヤーの方々、
    皆、同じ想いなのだと思っています。

    なので、そのみんなの気持ちも背負い、代表して、ドライバー達へ
    もう一度、改めて言います。
    「思いっきり走らせてあげられなくてゴメン…。」

    そして、その9人のドライバー達も含めて、
    トヨタチームに関わった全ての人の想いを二つ、私から述べさせてください。

    ひとつは、ファンの皆さまへ。

    トヨタの勝利を信じて応援してくださったファンの皆さま、
    期待に応えられず本当に申し訳ありませんでした。

    そして、24時間、最後まで我々を信じ、熱く応援いただけたことに
    心から感謝申し上げます。本当に、ありがとうございました。

    再び、皆様と共に笑顔になれる日を目指してまいります。

    ひとつは、ポルシェチームへ。

    昨年の戦いの後、ポルシェの皆さまから
    我々をライバルと認めて頂けるような嬉しい言葉を数々いただきました。

    “ライバル”と言っていただけたことに応えるためには
    今年また、ファンの皆さまを魅了するような素晴らしい戦いをさせていただくことだと
    考えていました。

    だからこそ、チームは新しい技術・技能を生み出すことにも
    果敢にチャレンジして来ることができました。

    ポルシェチームの皆さま、おめでとうございます。
    そして、ありがとうございました。

    しかし、昨年のようにファンの皆さまを魅了させるような戦いを
    実現することが出来ませんでした。

    今回、ポルシェも、我々トヨタも…
    ル・マンの道に挑んだハイブリッドカーは
    24時間を無事に走り切れませんでした。

    優勝した2号車でさえも、完走した我々の8号車も
    トラブルにより時間のかかる修理を余儀なくされて、ようやく辿りついたゴールでした。

    世界耐久選手権を通じて高めてきたハイブリッド技術は、
    6時間レースでは、その能力を発揮しきれても、
    ル・マン24時間の道のりでは、まだまだ歯がたたないということかもしれません。

    電気の力は、クルマがもっとエモーショナルな存在になるために絶対に必要な技術です。

    ル・マンは、その技術に挑戦し続け、極限の環境で試すことの出来る貴重な実験場です。
    これからも、この場を、大切にしていきたいと思います。

    もっともっと技術に磨きをかけ、熟成させ、
    お客様に本当に笑顔になっていただける技術を…
    そしてもっといいクルマづくりを続けるために、
    これからも我々トヨタは、努力を重ねてまいります。
    皆さま、ご期待いただければと思います。よろしくお願いいたします。

  • トヨタ プリウスの生みの親 「レースではやはり想像しえないことが起こる」

    トヨタ プリウスの生みの親 「レースではやはり想像しえないことが起こる」

    トヨタ自動車の内山田竹志会長が、2017年 WEC 第3戦 ル・マン24時間レース後にコメントを発表した。

    内山田竹志会長は、世界初の量産ハイブリッドカー「プリウス」の開発者で“プリウスの生みの親”“ハイブリッドの父”と称さる人物。今年もル・マンの現場でトヨタの戦いを見守った。

    トヨタは7号車と9号車がリタイアするも、序盤にトラブルに見舞われた8号車が挽回し、9周遅れの総合9位でレースを完走した。

    「8号車の“闘志”や“諦めない気持ち”は、私たちに残された大事なパーツ」

    TOYOTA GAZOO Racingのル・マンでの戦いに大きな期待を寄せ、熱い熱い声援を送っていただいたファンの皆さまに感謝の気持ちと、申し訳ない気持ちの両方で今、私は満たされています。

    皆さま、本当にありがとうございました。
    そして、期待に応えられず申し訳ありませんでした。

    昨年の走り切れなかった3分を取り戻そうという気持ちは我々だけでなく、ファンの皆さまも同じだったものと思います。

    私自身、何度も、このル・マンの地に来ていますが、レースが始まる前から「トヨタ!トヨタ!」という声が、これほどまでに聞こえたことはありませんでした。

    そして、夜遅くなり、我々が1台だけの戦いとなってからも、トヨタのピットの向かい側には多くのファンが残ってくださっており、旗を振り続け、声援を送り続けてくださいました。

    おそらく、日本でも、画面の前で同じようにしていただけていた方が沢山いらっしゃると思います。

    その皆さまとゴールの瞬間を笑顔で迎えたいと、この1年間、それだけを考え、エンジニア、メカニック、そしてサプライヤーの皆さまが心をひとつに、ワンチームになって努力を重ねてまいりました。
    しかし、それが果たせなかったこと、本当に悔しく思います。

    準備をどれだけ重ねても、レースでは、やはり想像しえないことが起こります。
    7号車、8号車、9号車に起きたそれぞれの不具合やトラブル…
    残念ですが、私たちには、まだまだ足りないものが残されていました。

    しかし、1台だけになっても、少しでも長く距離を走ろうとプッシュし続けた8号車の“闘志”や“諦めない気持ち”は、私たちに残された大事なパーツです。

    “諦めない気持ち”で、足りなかったものを、再び探し集め、また来年、この場に戻ってまいります。
    もう一度、我々にご声援を送っていただければと思います。
    応援いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

  • トヨタのドライバー、来年のル・マン24時間での雪辱を誓う

    トヨタのドライバー、来年のル・マン24時間での雪辱を誓う

    2017年のル・マン24時間でル・マン初制覇に届かなかったトヨタはドライバーは、すでに来年のリベンジに目を向けている。

    今年、小林可夢偉が予選でル・マン24時間のコースレコードを更新する驚異的なラップで7号車がポールポジションを獲得。8号車も2番グリッドに並び、3台体制で昨年残り3分で逃した勝利を掴み取るための準備は万全かと思われたトヨタ。

    しかし、7号車と9号車はリタイア、生き残った8号車もトラブルの修復に時間がかかり、9周遅れの総合9位という厳しい現実を叩きつけられた。

    昨年、ホームストレートで涙をのんだ中嶋一貴は「今回のル・マンもチームにとって厳しいレースでした。本当に言葉がありません」とコメント。

    「ただひとつ言えるのは、来年も挑戦しなくてはならないということです。来年はさらに充分な準備をして、よりハードに戦わなくてはなりません」

    首位走行中にトラブルに見舞われた小林可夢偉は「僕たちのレースになると思っていただけに、本当に残念です」とコメント。

    「またしても、我々はル・マンで勝つことがどれだけ難しいかを思い知らされました。再度勝利を争うべく、必ず戻って来ます」

    7号車のステファン・サラザンは「3台共に優勝争いから脱落するというのは、悪夢を見ているかのようでした」とコメント。

    「僕たちは決して諦めることなく、更に強くなって帰って来ます。必ず勝てると信じることが重要です」

    8号車を走らせたアンソニー・デビッドソンは「運転しながら厳しさを噛みしめていました」とコメント。

    「決して諦めず、必ず成し遂げるという信念を抱いて、今年のような素晴らしいクルマと共にまたここに戻って来ます」

    今年、ル・マン24時間初参戦となった国本雄資は「厳しい結果となってしまいました。またル・マンに戻って来て必ず雪辱を果たしたいと思っています」とコメント。

    同じ9号車をドライブしたホセ・マリア・ロペスは「レースはこのような結果となってしましました。その瞬間に思ったのは、もっともっと強くなって来年戻って来るということです」とコメント。

    「またこのレースに挑戦し、充分な強さと速さを身に付けたことをお見せします」

    TOYOTA GAZOO Racingのチーム代表を務める佐藤俊男は「同じことを繰り返さないの取り組みをして参ります。そして、必ずもっと強くなり、更に強い決心のもと、再びル・マンに挑戦したいと思います」と雪辱を誓った。

    関連:【ル・マン24時間 結果】 大波乱のレースでポルシェが19回目の総合優勝