カテゴリー: トヨタ

  • 【WRC】 トヨタ:第12戦 ラリー・グレートブリテン 1日目レポート

    【WRC】 トヨタ:第12戦 ラリー・グレートブリテン 1日目レポート

    10月26日(木)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦ラリー・グレートブリテンが、イギリスのウェールズ北部で開幕。競技初日デイ1としてSS1が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)が総合2位、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(#12号車)が総合6位、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(#11号車)が総合8位となり、3台揃って順調に競技初日を終えた。

    ラリー・グレートブリテンのデイ1は、ディーサイドのサービスパークから約50km西北に位置する競馬場内の特設コースで競技がスタートした。SSは全長1.49kmと走行距離は短く、大きなタイム差がつきにくいコースだったが、ラトバラは1位と0.4秒差の2番手タイムを記録。ラッピ、ハンニネンも僅差でトップ10内に入り、明日から始まる本格的なグラベル(未舗装路)SSに向けて良好なスタートをきった。

    競技2日目となる10月27日(金)のデイ2は、ディーサイドのサービスパークを南下し、ウェールズ中部で3本のグラベルSSを各2回走行する。ミイヘリン、スウィートラム、ハフレンはいずれも歴史あるSSであり、過去何度も名勝負の舞台となってきた。デイ2に関しては午前中と午後のSSの間にサービスが設定されていないため、マシントラブルやドライビングミスは大きな代償を支払うことになる。6本のSSの合計距離は119.32km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は514.55kmとなっている。

    トム・フォウラー(チーフ・エンジニア)
    今日はすべてが上手く行きました。シェイクダウンは、明日から始まるSSと比較的似ているコースだったので良かったと思います。我々は事前に実りあるテストを行なっていたので、特にセットアップ作業を進める必要はありませんでしたが、パフォーマンスと信頼性の両面において問題がないことを確認できました。ウェールズの路面コンディションは他のグラベルラリーとは異なり、天気が良くとも路面は常に湿っていて滑りやすいのが特徴です。ですので、そのような路面に合うようにクルマを仕上げました。明日の朝、SSが始まるまでは、どれくらい競争力があるのか分かりませんが、少なくとも現時点ではとても自信があります。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC #10号車)
    シェイクダウンのコースでは、私が予想していた以上にグリップ力がありました。最初の走行ではクルマが少しオーバーステア気味に感じられましたが、微調整を施したところハンドリングは良くなり、クルマにはとても満足しています。また、SS1でも良いフィーリングを得られました。明日のSSでもっとも重要なのは、ブレーキングに自信を持つことです。というのも、路面のグリップレベルが刻々と変化するからです。私は2002年に17才で初めてラリー・グレートブリテンに出場し、今回が16回目の出場となります。何も問題なくラリーを走りきれば、トップ3以内でフィニッシュできるのではと期待しています。

    ユホ・ハンニネン (ヤリスWRC #11号車)
    正直なところラリー・グレートブリテンはあまり好きなラリーではありませんが、シェイクダウンでクルマはとても良くタイムも上々でした。路面は常に滑るというわけではなく、それなりにグリップがあったので少し自信を持つことができました。そして、今晩の競馬場内でのSS1も予想していたよりもグリップ力がありました。明日は日中のサービスがない長い1日となるので、速さと安定性のバランスをとったアプローチで臨む必要があります。また、ロングステージのハフレンはレッキ(コースの下見走行)の時は泥で覆われていたので、大きな挑戦となるでしょう。リラックスしてドライブすれば、きっとうまく行くはずです。

    エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #12号車)
    先週のテストはドライコンディションでしたが、今日のシェイクダウンは路面が非常に湿っていたのでグリップレベルを確かめながら走らなくてはならず、走り始めはあまり自信がありませんでした。クルマにもささいな問題がありましたがSS1の前に解決することができました。明日の金曜日は日中のサービスがないため、コースを外れるようなことは許されません。かなり大変な1日となるでしょう。直近の2戦は問題なく最後まで走りきることができなかったので、今回はポイント圏内でのフィニッシュを目標に走ります。

    ラリー・グレートブリテン デイ1の結果
    1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (フォード フィエスタ WRC) 1m09.7s
    2 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +0.4s
    3 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード フィエスタ WRC) +0.6s
    4 エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット (フォード フィエスタ WRC) +1.1s
    5 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (シトロエン C3 WRC) +1.1s
    6 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ ヤリス WRC) +1.2s
    7 ダニ・ソルド/マルク・マルティ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1.2s
    8 ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム (トヨタ ヤリス WRC) +1.3s
    9 クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン (シトロエン C3 WRC) +1.3s
    10 ヘイデン・パッドン/セバスチャン・マーシャル(ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1.6s

  • トヨタ、WECとル・マン24時間レースの長期的な継続を示唆

    トヨタ、WECとル・マン24時間レースの長期的な継続を示唆

    トヨタは、FIA 世界耐久選手権(WEC)およびル・マン24時間レースを長期的に継続していく準備が整っていることを示唆した。

    GAZOO Racing Companyの代表を務める友山茂樹は、東京モーターショーの場でまだ決定はなされていないことを強調しつつも、LMP1プログラムを継続していることを示唆した。

    友山茂樹は、レギュレーション変更が予定されている2020/2021年シーズンにむけて新車を製造する可能性があると述べた。

    「状況が一旦落ち着いた後に決定しますが、おそらく我々は彼らが作り出すことを目指している新たなトップクラスでレースを続けていくことになります」と友山茂樹はコメント。

    「我々は留まることを望んでいます。そして、勝利が唯一の目標です」

    だが、ポルシェが撤退し、ハイブリッドクラスがトヨタだけとなる2018/19シーズンで、トヨタが既存のTS050ハイブリッドで参戦できるかどうかの決定は遅れている。

    トヨタは、来季のLMP1クラスに参戦するプライベーターのためのレギュレーションの確定を待っている。ハイブリッドを搭載するトヨタは燃費面で有利とあるため、何らかの調整が加えられると予想されている。

    今年のル・マン24時間レースでは、トヨタとポルッシェは13周で給油を行ったが、プライバーターのバイコスは11周で給油を行っている。

    トヨタは、最終的なレギュレーションが確定するまで来季のプログラムを確定できない立場にいると強調した。

    「トヨタは2018/19シーズンのWECに参戦する意思はあるが、我々のコミットメントは適切なレギュレーションが確定するかどうかにかかっている」とTMGの広報は述べた。

    トヨタは、伝統的に10月後半にモータスポーツプログラムについて承認を行う。したがって、WECプログラムの続行、もしくは撤退に関しては10月末あるいは11月初旬まで発表されない可能性がある。

  • 【WRC】 トヨタ:第12戦 ラリー・グレートブリテン プレビュー

    【WRC】 トヨタ:第12戦 ラリー・グレートブリテン プレビュー

    TOYOTA GAZOO Racingは、10月26日(木)から29日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦ラリー・グレートブリテンに、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(#11号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(#12号車)の、3台のヤリスWRCで参戦する。秋季のイギリス、ウェールズは降水確率が高く、雨水を含むとグラベル(未舗装路)はぬかるみ非常に滑りやすくなる。トリッキーな路面コンディションでもドライバーが自信を持って走れるクルマを作り上げることを目標に、チームは今季最後の欧州イベントに挑む。

    ラリー・グレートブリテンは、かつてRACラリーという名で開催されていた、長い歴史と伝統を誇るグラベルラリーである。以前はイングランド、ウェールズ、スコットランドとイギリスの広い範囲が戦いの舞台となっていたが、現在はSSの大部分がウェールズ内で行われる。丘陵地帯や森林地帯のグラベルSSは、ドライコンディションならばかなり高速なステージだが、秋のウェールズは降水量が多くウェット路面となる事が多い。そして、雨を含んだグラベルは泥状となり非常に滑りやすくなる。そのため、他のグラベルラリー以上に高いコントロール性がクルマに求められる。また、雨だけでなく、濃霧や、雹(ヒョウ)の可能性もあるため、選手は悪天候による障害にも対応しなければならない。

    ラリーのサービスパークはウェールズ北東のディーサイドに置かれ、SSは北部から中部にかけての広いエリアとイングランドに展開する。競技は26日(木)夜に、ウェールズ北部の競馬場で行われるショートSSでスタート。翌日27日(金)のデイ2はメイヘリン、スウィートラム、ハフレンといった歴史的なSSがウェールズの中部で行われる。28日(土)のデイ3は、デイ2よりもやや北側のエリアが舞台となり、途中のSS14はイングランドの古城がコースとなる。そして競技最終日の29日(日)デイ4は、ウェールズ北部で5本のSSが行われる。4日間で21本のSSを走行し、その合計距離は304.36km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1183.74kmとなる。

    トミ・マキネン(チーム代表)
    私にとって現役最後のシーズンだった2003年、その最終戦となったラリー・グレートブリテンでは、コリン・マクレー選手と表彰台争いをしました。ですので、このラリーには個人的に素敵な思い出があります。ラリー・グレートブリテンのSSは、見た目よりも路面のグリップ力が高いことが多く、速く走るためにはクルマに対し十分な自信を持つ必要があります。また、雨や霧にもうまく対処しなければなりません。前戦ラリー・スペインの後、我々は今までとは少し違うアプローチを見つけたので、それが今回どのように作用するのか楽しみです。ラリーの事前テスト時は通常よりも暖かい気候でしたが、本番にそれほど大きな影響はないでしょう。最終的にクルマを道の特性に合わせ込むことができるかどうかが重要です。ラリーに向けて、きちんと準備が整っていると思っています。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC #10号車)
    イギリスは私がラリードライバーとしてのキャリアをスタートした場所で、ラリー・グレートブリテンは初めて出場したWRCイベントです。ですので、イギリスは第2の故郷のように感じます。ラリー・グレートブリテンには、メイヘリンやディフナントなど素晴らしい歴史的なSSがあり、とても楽しみです。最近のラリーではクルマにいくつか技術的な問題が生じましたが、チームは既にそれらを完全に解決済みであると確信しています。今季残る2戦で良い結果を残して、この素晴らしいシーズンを終えられることを願っています。シーズン序盤の数戦は手強いラリーでしたが、シーズン終盤のラリーよりもクルマに対しては幾分優しかったのではないかと思います。今年はチームにとって参戦初年度であり、我々はまだ常に多くのことを学んでいます。

    ユホ・ハンニネン (ヤリスWRC #11号車)
    ラリー・スペインで自分たちが成し遂げた結果に満足しているので、自信を持ってラリー・グレートブリテンに臨むことができます。自分にとっては今年最後のラリーとなるため、とにかく楽しんで走りたいです。最後にラリー・グレートブリテン出場したのは2014年ですが、幸いにも大部分のSS は以前と変わっていません。ウェールズでの実戦経験は十分とはいえませんが、ずっと好きだったラリーなので、良い戦いができればと思います。特別なプランはありませんが、これまでうまくいった時のように、SSごとにペースを上げていくつもりです。

    エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC #12号車)
    事前のテストはうまく行きました。しかし天気はとても奇妙で、冬用のジャケットと帽子を持って行ったのですが、ホテルを出ると気温は22度もありました。ラリー・グレートブリテンのSSは雨で湿り泥に覆われていることが多いのですが、それでも自分たちが行ったテストはきっと役に立つはずです。濃い霧が出ると一気に難易度が上がるので、そうならないといいのですが。テストではサスペンションのセッティングを少し変え、それ以外にも、ラリー・スペインで得た教訓に基づく改良をいくつか施しました。その結果、大きな進化を果たすことができたと思います。ラリー・グレートブリテンに対しては基本的に良いフィーリングを持っているので、SSを走るのが楽しみです。そして、最終的によい結果でフィニッシュできればと思います。

  • 【WRC】 トヨタ、オット・タナックを2018年のドライバーに起用

    【WRC】 トヨタ、オット・タナックを2018年のドライバーに起用

    トヨタは、2018年 FIA世界ラリー選手権(WRC)にオット・タナックがコ・ドライバーのマルティン・ヤルヴェオヤと共にヤリスWRCドライバーとして参戦することを合意した。

    オット・タナックはエストニア出身の30歳で、今シーズンこれまでに2度の優勝を果たしている。チームは、参戦2年目となる2018年シーズンに、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組と、3台のヤリスWRCを全イベントに投入する。

    また、現在ユホ・ハンニネンのコ・ドライバーを務めるカイ・リンドストロームは、今シーズン最終戦のラリー・オーストラリアより、チームのスポーティングディレクターに就任する。この新たな体制で、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは2018年シーズンも、もっといいクルマづくりを目指す挑戦を続ける

    トミ・マキネン(チーム代表)
    「かねてから注目していたオット・タナック選手をチームに迎えることができて嬉しいです。彼は若さと経験の理想的なバランスと、メンタルの強さを兼ね備えており、我々のチームによく馴染んでくれると思います。タナック選手は今季期待を上回る活躍を見せており、あらゆる路面において、スピードと安定したパフォーマンスを残せる、我々の強力なパートナーとなるはずです。
    また、新たなポジションに就いたカイ・リンドストロームにも、お祝いの言葉を送ります。彼と一緒に戦ったモンテカルロで勝利を納めたことは、私のドライバーとしてのキャリアにおける大切な思い出です。あの時、またそれ以降、彼と共に過ごした経験から、彼がプロ中のプロであることを私は知っています。今後もチームの発展を支える、強力な仲間となってくれるでしょう。
    最後に、ユホ・ハンニネンのこれまでの貢献に深い感謝の意を表します。彼はこれからも変わらず我々のファミリーの一員です。チームがここまで来られたのは、彼の力があったからこそです。」

    オット・タナックの経歴
    生年月日:1987年10月15日
    年齢:30歳
    国籍:エストニア

    ・主な戦歴
    2008年:エストニア国内選手権優勝
    2009年:エストニア国内選手権優勝
    2009年:WRC初参戦
    2010年:ピレリ・スタードライバーに選出される
    2011年:FIA S2000世界ラリー選手権(SWRC)で総合2位(3勝)
    2017年:WRCラリー・サルディニア、ラリー・ドイチェランドで優勝

    ・WRCでの実績
    WRC出場:77回、WRCでの勝利:2回
    表彰台:10回、獲得ポイント:379、ステージ優勝:73回

  • 【WEC】 トヨタ:WEC 第7戦 富士6時間 決勝レポート

    【WEC】 トヨタ:WEC 第7戦 富士6時間 決勝レポート

    FIA世界耐久選手権(WEC) 第7戦 富士6時間レースの決勝が行われ、雨と霧のために6回のセーフティカー導入と2回の赤旗中断があった混戦をTOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRIDは2台共にレース序盤から大半をリード。

    最後は濃霧によって1時間半早く終了したレースとなったが、#8号車が今季3勝目。#7号車が2位で続き、1-2フィニッシュを達成した。

    2017年 FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦 富士6時間レースは、降り続く雨と立ちこめる濃霧により6度のセーフティカー出動と2度の赤旗が出されるなど、混乱した展開となったが、来場された3万2千人もの観客の前で、TOYOTA GAZOO Racingの2台は難しいコンディションをものともしない好レースを見せた。

    TS050 HYBRID #8号車の中嶋一貴、セバスチャン・ブエミはまだドライバーズ・タイトル獲得の可能性を残しており、チームは彼らに大きな期待を賭けてレースに臨んだ(アンソニー・デビッドソンも同車をドライブするが、前戦オースティンを欠場しているためにタイトル争いに加わっていない)。

    TOYOTA GAZOO Racing#7号車は、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3人が駆る。彼らはドライバーズ・タイトル争いからは外れているものの、マニュファクチャラーズ・タイトル獲得へ向けた重要な役割を担ってレースに臨んだ。

    レースは不順な天候に翻弄され、TOYOTA GAZOO Racingも目まぐるしく変わるコンディションに臨機応変な対応を迫られた。スタートは予定通り午前11時に切られたが、セーフティカー先導の下で周回が開始された。2台のTS050 HYBRIDは#7号車を小林、#8号車をブエミが担当。5周を終えた時点でグリーンフラッグが振られて実質的なレースがスタートした。

    その後もレースは度重なる雨や霧で混乱し、スタートから40分の時点で再びセーフティカーが導入。更に40分後には濃い霧のために赤旗が提示されてレースは中断された。その時点で#8号車は3位、#7号車は4位を走行していたが、レースが再開されるとすぐに、TS050 HYBRIDはライバルをかわし、序盤過ぎには1、2位のフォーメーションを形勢した。

    ウェット路面の状態で、TS050 HYBRIDは明らかにライバルに対して力強い走りを見せ、ラップタイムも上回った。しかし、ライバルとは異なる燃料給油戦略だったこともあり、セーフティカー導入により何度もマージンが帳消しとなり、そのたびにアドバンテージは失われた。そのため、最後にどの車両が勝つのか全く予想が出来ない展開でもあった。

    午後3時半を過ぎた頃、富士スピードウェイは再び濃い霧に覆われ、視界は遮られた。その時点でレースは世界選手権の競技規定に則り、チャンピオンポイントをフルに獲得出来る全走行時間の75%をクリアしており、濃霧による二度目の赤旗中断が宣言されると、レースが再開されることなく、WEC富士6時間レースは終了した。

    赤旗が提示された時点で、首位を走行していた#8号車は予定のピットイン数周前だったが、そのままレースを終えることになった。ブエミ、中嶋と繋いだ#8号車だが、デビッドソンは残念ながらドライブするチャンスのないまま、レースを終えることとなった。一方、#7号車は序盤に発生したワイパートラブルへの対応のためピットストップが長くなり、#8号車からは遅れることになったが、それでもライバルをかわし、2位でフィニッシュ。最高の結果となる1、2位独占を果たした。

    この富士6時間レースの優勝で、#8号車の中嶋とブエミはドライバーズ・タイトル獲得の可能性を残し、11月5日に行われるWEC第8戦 上海6時間レース、11月18日のWEC第9戦バーレーン6時間レースに臨む。

    TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)
    決勝: 2位、 113周、ピットストップ 3回、スターティンググリッド:4番手、最速ラップ(1分38秒747)

    TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)
    決勝: 1位、 113周、ピットストップ 2回、スターティンググリッド:3番手、最速ラップ(1分38秒070)

    村田久武 (TOYOTA GAZOO Racing WECチーム代表)
    今シーズン表彰台の真ん中に立つのは3度目となり、とても素晴らしい気分です。この結果を成し遂げるため、チームは懸命に努力を重ねて来ました。不順な天候にもかかわらず、本日、富士スピードウェイにお越し頂き、応援をして下さった皆様に心から感謝を申し上げます。皆様からの暖かい声援が我々の頑張となり、ライバルとの激闘をお見せすることが出来て、とても嬉しく思っています。ドライバー達もTS050 HYBRIDも今日の悪天候の中で本当に力強さを発揮してくれました。今シーズン残りの2戦を全力で戦い、ファンの皆様に喜んで頂ける結果を挙げられるよう最善を尽くします。

    小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車)
    チームの全員に、そして#8号車のクルー達に祝福を送ります。チームにとって本当に嬉しい結果です。我々はこの週末を通して苦しい状況が続きましたが、決勝レースの直前に適正なセッティングを見出し、それが功を奏しました。レースで周回を重ねるごとに状態は良くなって行きました。悪天候の中で、特にファンの皆様は大変だったと思いますが、多くの応援のおかげで勝つことが出来ました。この結果で期待に応えられたことを嬉しく思います。

    マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #7号車)
    #8号車のドライバーの戦いぶりは最高でした。トヨタの母国のレースで1-2フィニッシュを果たせたことも、チームのハードワークが報われた結果であり素晴らしいです。我々が2位に入ったことで、チームにとって最高の結果となりました。私自身が走ったのは短時間ではありましたが、雨で難しいコンディションの中、ライバルとバトルを繰り広げましたが、しっかり2位を守ることが出来ました。

    ホセ・マリア・ロペス (TS050 HYBRID #7号車)
    #8号車のクルーは充分優勝に値する素晴らしい働きでしたが、とても難しいコンディションの中でレースを戦ったドライバー皆が本当に良くやったと思います。我々#7号車にとって厳しい結果に終わった土曜日の予選の後、懸命な努力で車両を改善してくれたスタッフに感謝します。富士でのレースは初めてでしたが、他とは違うイベントで、レースが終わった今は何故特別なのか、その理由も分かりました。今日はこの好結果をかみしめて、次のレースへと臨みます。

    中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車)
    1-2フィニッシュを目標にしていたので、それが達成出来て本当に嬉しいです。チームにとっても最高の結果ですし、チーム全員と共に得たこの結果に、私自身本当に喜んでいます。我々はウェットコンディションでのペースがとても良く、充分に優勝に値する速さがあったと思います。私自身にとって3度目の富士での勝利は、最高の応援をしてくれた日本のファンの皆様の前での勝利ということもあって、本当に格別です。

    セバスチャン・ブエミ (TS050 HYBRID #8号車)
    チームにとって、そして今日のような不順な天候の中でも最高の応援をしてくれた日本のファンの皆様にとって素晴らしい結果になりました。今日の(中嶋)一貴の素晴らしい走りは本当に賞賛に値します。私も懸命に走りましたが、一貴は今回のレースの大半を戦い、勝利に大きく貢献してくれました。このホームレースで素晴らしい仕事を成し遂げたチーム全員に祝福を送ります。

    アンソニー・デビッドソン (TS050 HYBRID #8号車)
    今日の結果は(中嶋)一貴とセバスチャン(ブエミ)のおかげです。彼らは難しいコンディションの中で最高の走りを見せ、チームもそれに応えました。残念ながら私自身は、2度ほどヘルメットを着けて用意しましたが、決勝レースを走ることはありませんでした。とはいえ今日の好結果で、今後のレースを戦うのが楽しみになりました。

    豊田章男 (トヨタ自動車社長)
    熱い声援を送り続けてくださるファンの皆さま、そして、マシンを構成するパーツを供給いただいている皆さま、日本にいる多くの仲間に支えられ我々TOYOTA GAZOO Racingは世界耐久選手権を戦っています。その皆さまの前で、心を合わせ走ることの出来る富士の戦いは我々にとって大変重要な戦いでした。皆さまの想いを乗せた戦いで勝利出来たことを本当に嬉しく思います。支えていただいた皆さま、ありがとうございました。今回は、天候不良もあり、ドライバー達も「思いっきり走る」戦いにはならなかったかと思います。それは少し残念でしたが、トヨタのエンジニア、メカニック、そしてマシンを信じて、コンディションの悪い道を、無事に走らせきってくれたドライバー達にも感謝いたします。本当にありがとう。また、このレースは残り少ないポルシェとの戦いの場でもありました。残す戦いの場は2つ、「トヨタは良きライバルだった…」、「またいつかトヨタと勝負がしたい…」、今まで、競い合い、自動車の未来のために共に切磋琢磨した仲間としてポルシェには、そう言っていただきながら、次のステージに向かってもらいたいと願っております。本日の雨のレースは、お互い、力を出し尽くすレースにはなりませんでしたが、残り2戦、シーズンが終わるまで、引き続き、全力でぶつかり合う戦いをさせていただければと思います。ポルシェの皆さま、最後まで、ファンの皆様に笑顔になっていただける全力のレースをしましょう。よろしくお願いいたします。ファンの皆さまにも、引き続き、我々の戦いを応援いただければ心強く思います。

    関連:【WEC】 富士6時間レース 決勝:濃霧のレースでトヨタ 8号車が優勝

  • 【WEC】 トヨタ:WEC 第7戦 富士6時間 公式予選レポート

    【WEC】 トヨタ:WEC 第7戦 富士6時間 公式予選レポート

    WEC第7戦富士6時間レースの公式予選が富士スピードウェイで行われ、雨と霧が徐々に増すという難コンディションの中、僅差の予選アタックが繰り広げられた。TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRIDは、中嶋一貴とセバスチャン・ブエミがアタックした#8号車が2人の平均タイムがライバルの2台に僅か0.2秒及ばず3番手。小林可夢偉とホセ・マリア・ロペスの#7号車は4番手となり、明日の決勝レースは2列目グリッドからスタートを切ることとなった。

    FIA 世界耐久選手権(WEC) 富士6時間レースの公式予選は、天候悪化の予測で、予定を35分早めて午後2時25分から20分間にわたって行われた。TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDは、僅差で3番手、4番手となり、残念ながら昨年のポールポジション獲得の再現はならなかった。

    予選順位は、2人のドライバーがタイムアタックした平均値で決まる。TOYOTA GAZOO Racingは#7号車を小林可夢偉とホセ・マリア・ロペスが、#8号車は中嶋一貴とセバスチャン・ブエミがタイムアタックを担当した。

    予定を35分早めて開始されたものの、予選が始まる寸前に雨が落ち始め、その後は霧が出て視界も悪化した。

    条件が悪くなる中、TOYOTA GAZOO Racingは#8号車がまず中嶋の手でアタック、その後ブエミが引き継いでタイムアタックを行った。#8号車は、ポールポジション獲得も十分視野に入る好ペースだったが、中嶋のアタックラップ中後半で、他車に走行ラインを阻まれるハプニングがあり、期待したタイムには届かなかった。次のブエミのアタック時にも同様に走行ラインを阻まれることとなり、結局、二人のタイムは1分35秒355で、3番手グリッド。このタイムはポールポジションから0秒195遅れだった。

    #7号車は、午前中の練習走行から雨のセッティングが決まらず、タイヤとのマッチングも上手く行かなかったこともあってペースが上がらず、小林とロペスの平均タイムは1分36秒630となり、ポールポジションから1秒以上離されての4番手グリッドであった。

    TOYOTA GAZOO Racingは、この残念な予選結果から気持ちを切り替えて、明日の決勝レースで2台のTS050 HYBRIDは全力で首位争いへと挑む。特に#8号車の仕上がりは良く、富士スピードウェイにおけるWEC富士の5勝目を狙う。

    TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)
    公式練習第3回目: 4番手 (1分36秒881), 28周
    公式予選 4番手 (平均1分36秒630)

    TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)
    公式練習第3回目: 1番手 (1分35秒414), 28周
    公式予選 3番手 (平均1分35秒355)

    小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車):
    我々にとっては、あまり良い予選にはなりませんでした。上を狙えると思っていたので、少しがっかりです。今日午前中の公式練習走行から思うようにタイムが上がらなかったので、今日のこの問題の解決し、気持ち良く走れるようにセットアップを見直さなければなりません。まずは、データーを見直して何が起きていたのか検証します。

    ホセ・マリア・ロペス (TS050 HYBRID #7号車):
    順調な予選セッションではありませんでした。最前列でのスタートを目指していましたが、天候がめまぐるしく変わり、なかなか難しいコンディションでした。調子は悪くないと思うのですが、タイヤ選択が合っていなかったのでしょうか?ミスなくアタックしたつもりだったのですが、タイムはそれほど良くありませんでした。問題点をあぶり出し、明日までに解決する必要があります。問題は解決出来ることと思いますが、今日の#8号車とのタイム差は残念です。

    中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車):
    僅差の予選セッションでした。私のアタック中、コース上の混雑に阻まれてタイムをロスしてしまいました。ポールポジションを獲得出来ると思っていただけに残念ですが、これもレースです。明日はベストを尽くし、母国のファンの皆様へ勝利をもたらすべく全力で戦います。

    セバスチャン・ブエミ (TS050 HYBRID #8号車):
    とても悔しい結果になってしまいました。ポールポジションが狙えるペースでアタックしていましたが、タイヤがベストの状況だったラップで他の車両に阻まれてしまい、ポール獲得は叶いませんでした。今日の我々は最速だったと思いますが、その証を見せることが出来ず悔しさが残ります。しかし、明日は間違いなくトップ争いが出来ると思いますので、気持ちを入れ替えて臨みます。

    関連:【WEC】 富士6時間レース 予選:ポルシェ 2号車がポールポジション

  • 【WEC】 トヨタ:2017 WEC 第7戦 富士6時間 公式練習レポート

    【WEC】 トヨタ:2017 WEC 第7戦 富士6時間 公式練習レポート

    2017年FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦富士6時間レースが開幕。初日となる13日(金)は生憎の雨模様の中で2回の公式練習セッションが行われた。

    TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDは、ウェットコンディションでのデータ収集とセットアップ作業をこなすも、赤旗中断により周回数は限られることとなった。

    FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦 富士6時間レースは、10月13日(金)に静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイで開幕、出場26台が日曜日の決勝レースに向けて公式練習初日のセットアップを開始した。

    TOYOTA GAZOO Racingにとって、年に1度のホームレース。多くのファンの皆様の応援に加え、富士スピードウェイから僅かの距離にあるトヨタ東富士研究所のWEC関係者、さらにはトヨタの社員も期待を込めて2台のTS050 HYBRIDの活躍を支える。

    しかし、公式練習初日の富士スピードウェイは時折、激しい雨に見舞われ、TOYOTA GAZOO Racingも、このレースが最後のWEC富士6時間レースとなるライバル勢も、出鼻をくじかれる形となった。週末は3日間とも富士スピードウェイは雨に見舞われる予報で、チームは初日から雨のセッティングに注力した。

    富士スピードウェイはTOYOTA GAZOO Racingにとって相性の良いサーキット。WECの開催が始まった2012年以来、過去5年間に4勝を挙げている。現在のTOYOTA GAZOO Racingの6人のドライバーは、ホセ・マリア・ロペスを除く5人が富士のレースで勝利を経験している。ロペスにとっては、初めての富士スピードウェイだが、1日中続いた悪天候のために、十分な走行が出来なかった。それでも公式練習2回目では1分39秒202のセッション最速タイムを記録している。

    各チームともに、公式練習1回目には、一昨日までの暖かな気候から12℃と急降下した気温と時折の激しい雨のために、十分なデータの取得が出来なかった。とはいえ、TOYOTA GAZOO Racingは、予想される雨の決勝レースに向けて可能な限りの性能発揮を狙ったセッティングを試し、同時にミシュラン・ウエットタイヤの性能確認を行った。

    雨に見舞われた公式練習1回目では、TOYOTA GAZOO Racingの#7号車が1分36秒010で3番手、#8号車は1分36秒105で4番手となった。トップタイムはライバル#1号車の1分35秒527。そして公式練習2回目は、赤旗で長い中断があったが、#7号車のロペスが1分39秒202のベストタムを叩き出した。#8号車トヨタは3番手となった。

    明日10月14日(土)は公式練習3回目と公式予選が行われる。公式練習3回目は午前10時半から、LMPクラスの公式予選は午後3時から20分間で行われる予定。

    TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)
    公式練習第1回目: 3番手 (1分36秒010), 38周
    公式練習第2回目: 1番手 (1分39秒202), 7周

    TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)
    公式練習第1回目: 4番手 (1分36秒105), 38周
    公式練習第2回目: 3番手 (1分41秒413), 6周

    小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車):
    雨にたたられ、ファンの皆様には残念な一日になってしまいました。慣れ親しんでいるホームコースに戻って来られるというのはいつでも最高の気分ですが、今日はあまり多くの走行は出来ませんでした。ウェットコンディションで最大限のパフォーマンスを引き出すべくセットアップを試みましたが、明日も更にバランス向上を目指し作業を続けます。

    マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #7号車):
    今日は天候に恵まれなかったので、あまり話すことはありません。午前中の公式練習1回目でいくつかのプログラムをこなせましたが、走行時間が少なかった午後は多くのトライは出来ませんでした。全てのチームが同条件ですので、この限られた状況から最良の結果を導き出し、明日も全力で作業を続けます。明日はもう少し天候が良くなってくれることを期待しています。

    ホセ・マリア・ロペス (TS050 HYBRID #7号車):
    かなりの雨となってしまいました。午前中はある程度走ることが出来ましたが、午後はほとんど走れない状況でした。まだやるべきことはたくさんあり、今日の結果で結論を出すのは早過ぎます。明日の天候次第ですが、一歩一歩着実にセットアップを進めていくだけです。

    中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車):
    天候を除けば、富士に戻って来たことを楽しんでいます。特に公式練習2回目がほとんど走れなかったことで、ファンの皆様には申し訳なく思います。午前中の公式練習1回目で、数種類のウェットタイヤを試し、データを得ることが出来たので、午後はそれをもとにしたセットアップを試したかったのですが、明日やるしかありません。

    セバスチャン・ブエミ (TS050 HYBRID #8号車):
    日本に戻って来て、日本のファンの皆様とお会い出来てとても嬉しく思います。残念ながら今日はコンディションに恵まれず、あまり多く走ることは出来ませんでした。少なくとも公式練習1回目でデータは得られたので、それを分析し、予選と決勝に向けてセットアップの方向性を見つけていきます。

    アンソニー・デビッドソン (TS050 HYBRID #8号車):
    大好きな富士に戻ってこられたのは素晴らしいです。ベストを尽くしたものの、コンディションが悪過ぎて、私は公式練習2回目を走ることが出来ませんでした。しかし、午前中の公式練習1回目での感触は良く、バランスを取るための作業は進みましたが、午後にそれを検証するまでに至りませんでした。

  • トヨタ 「WECに関する将来については近々に決定される予定」

    トヨタ 「WECに関する将来については近々に決定される予定」

    トヨタは、WECに関する将来について議論中であり、今週末のホームレースである富士スピードウェイで発表するとは限らないとしている。

    9月初旬、WECは大幅な見直しを発表したが、トヨタはLMP1計画についてコメントを避けていた。しかし、その後、ホームグランプリとなる富士スピードウェイで開催される第7戦での発表が示唆されていた。

    TOYOTA GAZOO Racingは、9日(月)に富士6時間に関するプレスリリースを発表。日本語のリリースでは今後に「トヨタのWECに関する将来については、現在検討中であり、近々に決定される予定である」の一文のみだったが、英文ではより詳細にその点に触れている。

    「トヨタのWECに関する将来の議論はすべてのステークホルダーとともに進められている。これらは様々なメディア報道の対象となっており、制度は様々であり、10月中には決定される見込みである。必ずしも富士のイベント中とは限らない」

    トヨタは、伝統的に10月後半にモータスポーツプログラムについて承認を行う。したがって、WECプログラムの続行、もしくは撤退に関しては10月末あるいは11月初旬まで発表されない可能性がある。
    トヨタ TS050ハイブリッドの開発を行っているケルンのトヨタ・モータースポーツでは、来シーズンもWECを継続することを前提に作業が進められていると考えている。

    仮にトヨタがLMP1クラスへの参戦を継続したとしても、それは今後ル・マン24時間レースを最終戦とするための調整として1シーズンで2回ル・マンを開催する“スーパーシーズン”となる2018/2019シーズンのみになると考えられている。

    トヨタは、2018年までWEC参戦をコミットしているが、7月にポルシェ撤退の噂が広まった際に、テクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンはファクトリーのライバルがいることが必要であり、見直さなければならないと述べていた。

    しかし、先週、プジョーはWEC復帰の可能性を事実上否定しており、来季のLMP1クラスで自動車メーカーはトヨタのみとなる可能性がある。

  • 【WEC】 トヨタ:2017 WEC 第7戦 富士6時間プレビュー

    【WEC】 トヨタ:2017 WEC 第7戦 富士6時間プレビュー

    TOYOTA GAZOO Racingはこの週末、再び表彰台の頂点を目指すべく、2017年FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦の舞台となるチームのホームグラウンド、富士スピードウェイへと臨む。

    雄大な富士山を間近に仰ぎ見る、耐久レースの聖地でもある富士スピードウェイが、2012年にWECの一戦に加えられて以来、トヨタは5戦中4勝と圧倒的な強さを見せて来た。

    前戦、米国テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズでは、最後まで白熱した首位争いを繰り広げたトヨタは、地元ファンの皆様の前で、母国レースでの今季3勝目を目指す。

    昨年のWEC富士6時間レースで優勝を飾った小林可夢偉とマイク・コンウェイは、ホセ・マリア・ロペスと共にTS050 HYBRID #7号車で2年連続勝利を目指す。#8号車は中嶋一貴とセバスチャン・ブエミに、前戦は欠場したアンソニー・デビッドソンが復帰し、今季3勝目を狙う。

    富士スピードウェイはTOYOTA GAZOO RacingにとってWECカレンダーの一戦というだけの存在ではない。約1000馬力を発揮するハイブリッド・パワートレーンが開発されたのは、サーキットから20km程しか離れていない、トヨタ東富士研究所であり、まさに生まれ故郷でのレースでもある。

    このため、ドライバーやチーム関係者は、週の初めから協力関係企業やトヨタ本社、東富士研究所などを訪れ、多くの関係者様や従業員からの歓迎を受けるが、その声援が大きな力となっている。

    富士スピードウェイは、東京都心から約110km西に位置し、1965年の開設以来、様々な変革を経て来た。開設当時は、1周6Kmのコースの第1コーナーは、名物「30度バンク」を備えたオーバルセクションに続いたが、その後1974年にオーバルセクションは廃止され、現在は全長4.563Kmとなっている。

    富士スピードウェイでは、1967年以来6時間レースや1,000kmレースなどの数多くの耐久レースが開催されており、トヨタは2000GTやトヨタ7、グループC車両そして現在のHYBRID車両で参戦し続け、通算11勝を挙げている。

    今大会は、今季限りでWEC LMP1カテゴリーから撤退を発表しているポルシェとトヨタが日本て戦う最後の機会となる。これまで幾多の激戦を繰り広げたライバルに最大の敬意を払うと共に、トヨタの母国で優勝を飾ることに全力を尽くす。

    トヨタのWECに関する将来については、現在検討中であり、近々に決定される予定である。

    村田久武 TOYOTA GAZOO Racing WECチーム 代表:
    トヨタにとってホームレースとも言える富士スピードウェイでレースを迎えることに心が高揚しています。ル・マン24時間以後では、富士6時間が最も重要なレースです。我々は、ここでこれまでに素晴らしい実績を残して来ましたし、再び輝かしい成果を挙げるために最大限の努力を尽くします。トヨタ東富士研究所に勤務していたチームスタッフも多く、仲間や、熱い応援を下さるファンの皆様にお会い出来ることを楽しみにしています。勝利に向かってチーム一丸となり、今週末のレースに臨むつもりです。

    小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車):
    この素晴らしいTS050 HYBRIDと共に日本のファンの皆様の前でレースが戦えるのを本当に楽しみにしています。もちろん、私自身はスーパーフォーミュラでも戦っていますが、世界選手権という舞台は特別です。これまでの3レースに比べれば力強いレースが出来ると予想していますし、地元のファンの皆様と共に勝利を目指して戦います。

    マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #7号車):
    我々は昨年の富士では勝利しましたし、トヨタはいつも良いレースが出来ているので、再び高い競争力で戦えるものと期待しています。日本を訪れるのはいつも楽しみで、我々のチームにとってはホームレースということで更に特別です。富士スピードウェイはメカニカルグリップとパワーが要求されるサーキットで、基本的に我々のTS050HYBRIDに向いているので良いレースが出来ると思っていますし、もちろん勝利を狙います。

    ホセ・マリア・ロペス (TS050 HYBRID #7号車):
    富士スピードウェイは他のWEC開催サーキット同様、私にとって初めて走るサーキットなので、まずはレイアウトを学ぶ必要があります。トヨタのホームレースということで、多くのファンの皆様が来てくださると聞いていますし、お会いするのが本当に楽しみです。満足の行くレースが出来ることを望んでいます。マイク、可夢偉、そしてチーム全員が素晴らしい仕事をしてくれていますし、上位争いが出来るはずです。

    中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車):
    自分の母国でレースを戦えるというのは素晴らしい事ですし、今週末のレースをとても楽しみにしています。富士は私にとっても大好きなコースのひとつですし、何年も、様々な日本のレースカテゴリーで戦っているので、全て良く知り尽くしています。我々は充分な速さを見せられると思っていますし、個人的にも2012年、2013年のように表彰台の中央に立つことを目指します。

    セバスチャン・ブエミ (TS050 HYBRID #8号車):
    富士はトヨタにとってのホームレースなので、とても重要なイベントです。昨年もチームが勝利を挙げており、良いレースが出来るはずと思っていますし、良い週末になることを期待しています。ここ数戦、表彰台には上っているので、狙っているのは3位以上でのフィニッシュです。更なるパフォーマンスを引き出すべく全員が努力を続けて来ており、シーズン終了までにもう何勝かしたいと思っています。

    アンソニー・デビッドソン (TS050 HYBRID #8号車):
    富士で再びレースの現場に戻れるのが楽しみです。特に、日本のファンの皆様やトヨタ関係者の方々の目の前でレースを戦えるというのはとても嬉しいことです。オースティンで戦っていたチームをヨーロッパから応援し、その戦いぶりは戦列復帰への大きな励みになりました。基本的に我々のTS050 HYBRIDは富士に向いていると思うので、素晴らしいレースが出来るものと期待しています。

    TOYOTA GAZOO Racingの富士6時間における戦績:
    2012 #7: 予選1番手 決勝1位
    2013 #7: 予選3番手 決勝1位 #8: 予選2番手 決勝27位
    2014 #7: 予選4番手 決勝2位 #8: 予選1番手 決勝1位
    2015 #1: 予選5番手 決勝5位 #2: 予選6番手 決勝6位
    2016 #7: 予選3番手 決勝4位 #8: 予選4番手 決勝1位

  • 【WRC】 トヨタ:WRC 第11戦 ラリー・スペイン 最終日レポート

    【WRC】 トヨタ:WRC 第11戦 ラリー・スペイン 最終日レポート

    10月8日(日)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリー・スペインの最終日となる競技3日目、デイ3がスペインのサロウを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC #11号車)が総合4位でフィニッシュした。

    ラリー・スペインのデイ3は、サロウのサービスパークを中心に、6本のターマック(舗装路)SSが行なわれた。

    その合計距離は74.26kmと3日間でもっとも短いが、3本のステージを、途中にサービスをはさむことなく各2回走行するため、大きなミスは許されない。ターマック初日のデイ2で2本のSSベストタイムを刻み8位から4位に順位を上げたハンニネンは、デイ3でも安定した走りを続け、午前中のSSでは3番手タイムを2回記録。4位の座を堅守し、2戦連続となる4位フィニッシュを果たした。ハンニネンが最後にラリー・スペインに出場したのは2011年だが、そのブランクをまったく感じさせない力強い走りを実践。ヤリスWRCのターマックでの進化を、タイムと結果で証明した。なお、デイ2で総合6位につけていたラッピは、デイ3のSS15でクルマをガードレールにヒット。ダメージを負って走行不能となり、リタイアに終わった。

    FIA世界ラリー選手権(WRC)次戦は10月26日から29日にかけて、イギリスのウェールズで開催される第12戦「ラリー・グレートブリテン」。かつて「RACラリー」という名で開催されていた伝統のグラベルラリーに、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamはラトバラ、ハンニネン、ラッピのヤリスWRC 3台体制で臨む。ラリーはウェールズ北東部ディーサイドのサービスパークを中心に行われ、SSは21本、計304.36km。10月末のウェールズは天気が変わりやすく、雨、霧、そして雹(ひょう)の可能性もある。雨が降るとグラベルはぬかるみ非常に滑りやすくなるため、クルマのコントロール性が重要となるラリーである。

    トミ・マキネン(チーム代表)
    4位というユホの結果を嬉しく思います。金曜日のグラベルでは3名のドライバー全員が苦戦しましたが、ターマックでのヤリスWRCのパフォーマンスは非常に高く、ユホは本当に素晴らしい走りをしてくれました。また、チームの不断の努力が結果となって表れ、報われたのも喜ばしいことです。今朝のエサペッカのリタイアは残念ですが、きっと彼はこの週末から多くを学んだはずです。ヤリ-マティの戦いが早々に終わってしまったことも残念ですが、クルマのポテンシャルは十分に高いと思えたラリーでした。

    ユホ・ハンニネン (ヤリスWRC #11号車)
    結果には心底満足しています。昨日と今日は、自分のこれまでのキャリアの中でもっとも楽しく感じられた2日間でした。昨日は本当に素晴らしい走りができ、今日は前の選手とのタイム差が大きく開いていたので、とにかく安定した走りを心がけました。ヤリスWRCはターマックでとても走りやすく、タイムを出すために大きなリスクを冒す必要がなく、クルマを信頼して走ることができました。私は長い間ラリー・スペインに出ていませんでしたが、それでも上位争いに加われたことは、私にとって非常に重要なことです。

    エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #12号車)
    路面の変わり目で、クルマが予想以上に滑ってしまいました。あれほど大きくグリップが変わるとは思っていませんでした。今後に向けて、またひとつ課題が見つかったと思います。正直なところフラストレーションが溜まる週末でしたが、このラリーでヤリスWRCの経験を積むことができ、また土曜日の午後にそこそこのスピードで走ることができたのは、収穫でした。クルマはターマックでも非常に良いフィーリングだったので、ポジティブな要素も多かったと思います。

    ラリー・スペイン デイ3の結果
    1 クリス・ミーク/ポール・ネーグル (シトロエン C3 WRC) 3h01m21.1s
    2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (フォード フィエスタ WRC) +28.0s
    3 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード フィエスタ WRC) +33.0s
    4 ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム (トヨタ ヤリス WRC) +54.1s
    5 マッズ・オストベルグ/トースタイン・エリクソン (フォード フィエスタ WRC) +2m26.2s
    6 ステファン・ルフェーブル/ギャバン・モロー (シトロエン C3 WRC) +2m43.0s
    7 エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット (フォード フィエスタ WRC) +4m37.4s
    8 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ R5) +8m22.7s
    9 ヤン・コペツキ/パヴェル・ドレスラー (シュコダ ファビア R5) +8m54.5s
    10 オーレ・クリスチャン・ヴェイビー/スティグ・ルンネ・スクヤルモエン(シュコダ ファビア R5) +9m04.8s
    R エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ ヤリス WRC)
    R ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC)

    2017 FIA世界ラリー選手権 第11戦終了後のドライバーズランキング
    1 セバスチャン・オジエ 198
    2 オット・タナック 161
    3 ティエリー・ヌービル 160
    4 ヤリ-マティ・ラトバラ 123
    5 ダニ・ソルド 94
    6 エルフィン・エバンス 93
    7 ユホ・ハンニネン 71
    8 クレイグ・ブリーン 64
    9 クリス・ミーク 60
    10 ヘイデン・パッドン 55
    11 エサペッカ・ラッピ 49

    2017 FIA世界ラリー選手権 第11戦終了後のマニュファクチャラーズランキング
    1 Mスポーツワールドラリーチーム 358
    2 ヒュンダイ・モータースポーツ 275
    3 TOYOTA GAZOO Racing WRT 225
    4 シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム 198

    関連:【WRC】 ラリー・スペイン 結果:クリス・ミークが今季2勝目