カテゴリー: トヨタ

  • 小松礼雄 ハースF1チームとトヨタの協業を語る「人を育てることが重要」

    小松礼雄 ハースF1チームとトヨタの協業を語る「人を育てることが重要」

    ハースF1チームの小松礼雄代表が、ポッドキャスト番組「Inside the ICE House」に出演し、トヨタとのパートナーシップやF1の成長、組織文化の重要性について語った。

    小松礼雄は、2024年に始まったトヨタとの技術提携が、2025年末のタイトルパートナー契約によってさらに深化したと説明。その原点には、トヨタ自動車会長の豊田章男との“価値観の一致”があったと振り返った。

    豊田章男との初対面で確信した“共通の哲学”
    小松礼雄は、2024年夏に東京で豊田章男と初めて対面した際、「10年、15年来の知り合いのようだった」と感じたと明かした。

    「何にワクワクするのか、朝起きる理由は何か、そういう話をしました。契約の話はほとんど出ませんでした」

    そう振り返った小松礼雄は、「大きな協業ほど、人間関係が重要になります」と説明。豊田章男と“人を育てること”への考え方が一致したことで、ビジネス面は自然と整っていったと語った。

    また、小松礼雄はこの提携を「完全に50対50の関係」と位置付けている。

    「ドライバーでも、エンジニアでも、メカニックでも、マーケティングや財務でも、人を育てることが重要です。F1は人格や人間性を成長させる環境でもあります」

    と述べ、F1を“人材育成の場”として捉えている考えを明かした。

    テストチーム創設で若手育成を加速
    小松礼雄は、トヨタとの協業によって若手育成の幅が大きく広がったことも説明した。

    現行F1マシンには走行制限があるため、ハースF1チームは旧型車を活用した「テストチーム」を新設。これにより、若手ドライバーや若手エンジニア、メカニックに実践機会を提供できるようになったという。

    「トヨタ側の若手ドライバーに機会を与え、トヨタのエンジニアと我々のエンジニアを統合しています。将来的には組織全体に広げていきたいです」

    さらに、小松礼雄は、F1で育成した人材が将来的にトヨタ本社へ戻ることにも大きな価値があると強調した。

    「国際的な環境で成長した人材がトヨタ自動車へ戻れば、将来的に会社をさらに発展させる重要人物になる可能性があります」

    と語り、モータースポーツを通じた長期的な人材育成の重要性を説明した。

    “最小チーム”だからこそ文化が重要
    小松礼雄は、ハースF1チームが現在もグリッド最小規模のチームであることに触れ、「だからこそ協力体制が重要になります」と語った。

    「400人規模の我々が1200人規模のチームと戦うには、全員が同じ方向を向き、支え合う必要があります」

    そのうえで、「結果だけでなく、どんな文化を作るのかを共有することが大切です」と説明。トヨタとの協業によって、段階的に組織能力を拡張できていると述べた。

    小松礼雄(ハースF1チーム代表)

    Netflix時代でF1は“別のスポーツ”になった
    F1全体の変化について、小松礼雄は「23年前とは完全に別世界です」と語った。

    「2003年当時のF1は、純粋にレースをする場でした。ですが、デジタル時代やSNS時代への対応が遅れていました」

    しかし、リバティ・メディア体制やNetflix『Drive to Survive』の成功によって、F1は大きく変化したと分析した。

    現在は女性ファン比率が42%に達し、若年層も大きく増加。小松礼雄は、中国ではドライバーが“K-POPスターのように扱われている”とも紹介した。

    「以前は“モータースポーツはこうあるべき”と思っていましたが、今は違う楽しみ方があっていいと思うようになりました」

    と述べ、多様な楽しみ方を受け入れることがF1成長の鍵だと語った。

    決断力と“失敗を恐れない文化”
    F1の現場では瞬時の判断が求められるが、小松礼雄は「最も悪いのは何も決断しないことです」と強調した。

    「15秒決断を遅らせれば、ピットタイミングを逃すこともあります」

    そのため、チームには「失敗を恐れず決断できる安全な環境」が必要だと説明した。

    また、問題発生時には“責任追及文化”ではなく、“学習文化”が重要だと語る。

    2025年開幕戦でマシンに大きな問題が発覚した際には、「問題を認めること」から始め、エンジニアに解決策を委ねたという。

    「もし何もしなければ、何も学べません」

    そう語った小松礼雄は、リスクを取る決断をリーダーとして引き受けた結果、エンジニア陣が自信を深め、最終的にはシーズン終盤に“5番目に速いマシン”へ成長できたと振り返った。

    “才能”だけでは成功できない
    人材評価について、小松礼雄は「能力だけでは不十分です」と説明した。

    「どれだけ優秀でも、周囲を壊すような性格なら意味がありません」

    F1では協調性や謙虚さ、チームへの貢献意識が極めて重要だと語った。

    また、若手ドライバーのオリバー・ベアマンについても高く評価した。

    「18歳でF1カーに初めて乗った時点で、チーム全体の目的を理解し、それを実行できていました」

    さらに、自らミスを分析し、次のアタックで即座に修正できる“学習能力”にも感銘を受けたと語った。

    “純粋にレースのために存在するチーム”
    最後に小松礼雄は、TGRハースF1チームの独自性についてこう語った。

    「我々は飲料を売るためでも、クルマを売るためでもなく、純粋にレースのために存在しています」

    そのうえで、トヨタを中心とした“同じ価値観を持つパートナーの共同体”が形成されつつあることに大きな可能性を感じていると説明した。

  • トヨタ幻のF1マシン「TF110」 ミュンヘンのF1エキシビジョンで一般公開

    トヨタ幻のF1マシン「TF110」 ミュンヘンのF1エキシビジョンで一般公開

    トヨタが2010年F1参戦用に開発しながらも実戦投入されなかった幻のマシン「トヨタ TF110」が、5月にドイツ・ミュンヘンで開催される「F1 Exhibition」に展示されることが明らかになった。

    F1 Exhibitionは公式SNSを通じて、TF110を「F1における“もしも”の存在」と紹介。2010年の新レギュレーションに合わせて開発されたマシンだったが、トヨタが2009年末にF1撤退を決断したことで、レースを走ることなく歴史に埋もれた1台となった。

    今回の展示では、通常は見ることのできないエンジンカバーを外した状態で公開される予定となっており、来場者は内部構造を間近で確認できるという。

    展示はトヨタ・モータースポーツの協力のもと実現。F1 Exhibitionは「ぜひ間近で見てほしい」と来場を呼びかけている。

    F1 Exhibitionは2026年5月20日にミュンヘンで開幕予定。会場となる「Pineapple Park」では、約3000平方メートル規模の展示エリアを使い、F1の歴史や技術革新、名場面をテーマ別に紹介する。

    ドイツでの開催はオーバーハウゼンに続く2都市目となり、これまでにロンドン、マドリード、メルボルン、メキシコシティなど世界各地を巡回。累計来場者数は130万人を超えている。

    会場では、ミハエル・シューマッハとニコ・ロズベルグがドライブしたメルセデス W02や、マックス・フェルスタッペンが初のF1王座を獲得したRB16Bなども展示される予定となっている。

    【関連】
    ・幻のF1マシン:トヨタ TF110 “優勝を狙えるポテンシャルがあった”

  • 角田裕毅 ハースF1移籍説で浮上した“ホンダ対トヨタ”問題

    角田裕毅 ハースF1移籍説で浮上した“ホンダ対トヨタ”問題

    角田裕毅の2027年F1復帰に向けた動きが注目を集めている。2025年限りでレッドブルのレギュラーシートを失った角田裕毅は、現在はレッドブルのリザーブ兼テストドライバーとして活動しているが、パドックではすでに来季の去就を巡る憶測が広がり始めている。

    その有力候補として名前が挙がっているのがハースF1チームだ。しかし、その移籍説には“日本メーカー同士の巨大なライバル関係”という複雑な事情が絡んでいる。

    角田裕毅は現在、マックス・フェルスタッペンやアイザック・ハジャーを舞台裏で支える役割を担っている。それでも本人はフルタイムでのF1復帰を目指しており、2027年に向けて複数チームとの関連が報じられている。

    中でもハースF1チームとの関係は以前から噂されてきた。小松礼雄代表が角田裕毅を高く評価しているとされ、エステバン・オコンのパフォーマンス次第ではシート交代の可能性も取り沙汰されている。

    ハースF1移籍の障害となる“トヨタとの関係”
    しかし、そこで浮上しているのがハースF1チームとトヨタの関係だ。

    トヨタはハースF1チームへの投資を拡大し、タイトルスポンサーとして深く関与している状況にある。そのため、ホンダ支援ドライバーである角田裕毅を受け入れることに対し、内部的な抵抗が生まれる可能性が指摘されている。

    ブラジル人ジャーナリストのジュリアン・セラソリはUOL Esporteで次のように語った。

    「私が気になるのはトヨタとホンダの問題です。トヨタが本当にホンダに一泡吹かせたいと思っているのか、あるいはホンダ側が角田裕毅をそこへ行かせるのかという点です。彼はホンダのドライバーですから。これは非常に大きなライバル関係です」

    「さらに同じ文脈として、トヨタはF1への投資を拡大しています。ハースへの投資だけでなく、自分たちの“角田裕毅”を育てるために若手ドライバー育成にも力を入れています」

    「もし角田裕毅を乗せるのであれば、『ではなぜ我々は自前の若手育成にこれだけの資金を投じているのか?』という疑問が内部で出てくるはずです」

    角田裕毅 ハースF1チーム トヨタ

    角田裕毅のF1復帰はハース以外にも可能性
    ハースF1チームとの結び付きは強く見える一方で、トヨタとの関係性が実際に障害となるのであれば、角田裕毅の復帰ルートは大きく制限される可能性もある。

    一方で、アルピーヌF1も候補として名前が挙がっている。フランコ・コラピントの将来には依然として不透明感があり、2026年末にドライバー市場が再び動く可能性もあるためだ。

    ただ、レッドブル復帰の道は現状では極めて厳しいとみられている。マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーの体制が機能しているうえ、レーシングブルズではアービッド・リンドブラッドの昇格期待も高まっている。

    2027年は、角田裕毅にとってF1キャリアの行方を左右する重要なシーズンになりそうだ。

  • TGRハースF1チーム ニューヨーク証券取引所で始業ベルを担当

    TGRハースF1チーム ニューヨーク証券取引所で始業ベルを担当

    TGRハースF1チームは4月27日(月)、北米でのレースウイーク再開を前に、ニューヨーク証券取引所で始業ベルを鳴らした。

    今回の式典は、5月1日から3日に開催されるF1マイアミGPを前に、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)との継続的な協業を祝う機会として行われた。米国では今季3戦のF1が開催され、マイアミGPはその最初の一戦となる。

    TGRとの協業をウォール街でアピール
    カナポリスに本拠を置くTGRハースF1チームは、トヨタ・モーター・ノース・アメリカの幹部も出席したこの場で、TGRとのパートナーシップを強調した。

    登壇したのは、TGRハースF1チーム代表の小松礼雄と、トヨタ・モーター・ノース・アメリカのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高執行責任者を務めるマーク・テンプラン。2人はニューヨーク証券取引所の演壇に立ち、米東部時間9時30分の取引開始を告げる有名な始業ベルを鳴らした。

    式典にはTGRハースF1チームのオリバー・ベアマンとエステバン・オコンも出席した。2人は2026年FIA F1世界選手権の開幕3戦でともにポイントを獲得しており、チームは今季最初のホームレースを前にコンストラクターズ選手権4位につけている。

    ハースF1チーム

    小松礼雄「非常に名誉あるイベントで週を始められた」
    「ニューヨーク証券取引所という非常に名誉あるイベントに参加して、週を始められたことは素晴らしいことでした」とTGRハースF1チーム代表の小松礼雄はコメントした。

    「TGRのパートナー、そしてトヨタ・モーター・ノース・アメリカから出席した幹部の皆さんとこの機会を共有できたことは本当に特別でした。特に、我々はパートナーシップの恩恵を受けながら、シーズン序盤に力強いスタートを切っています」

    「ウォール街のニューヨーク証券取引所の外に、我々の巨大なプロモーションバナーが掲げられているのを見るのは信じられないような光景でした。間違いなく見逃すことはできません」

    「式典に参加してくださった他の大切なパートナーの皆さんとも、この瞬間を共有できたことを大変うれしく思っています。そして今週末、マイアミで再びレースに戻る際に、皆さんをお迎えできることを楽しみにしています」

    TGRハースF1チームにとって、今回のニューヨーク証券取引所での始業ベルは、単なるプロモーションイベントにとどまらない。TGRとの協業、米国市場での存在感、そして開幕3戦での好調な成績を結びつける象徴的な場となった。

  • ハースF1チーム 平川亮と坪井翔がTPC走行 シルバーストンで実施

    ハースF1チーム 平川亮と坪井翔がTPC走行 シルバーストンで実施

    ハースF1チームは、シルバーストンで旧型車テスト(Testing of Previous Cars/TPC)を実施し、リザーブドライバーの平川亮と開発ドライバーの坪井翔が走行を行った。

    過去2日間にわたって実施されたこのプログラムでは、両名が実戦車両を用いた走行機会を得ており、チームのデータ収集とドライバー育成の両面で重要な機会となっている。

    今回の走行はチーム公式SNSで「Back at track」として報告され、TPCプログラムの一環であることが明かされた。

    シルバーストンでのTPC継続 ドライバー育成を強化
    TPC(Testing of Previous Cars/旧型車テスト)は、現行レギュレーション外のマシンを使用して走行を行うプログラムであり、若手やリザーブドライバーにとって貴重な実走機会となる。

    平川亮と坪井翔はこのプログラムを通じて走行距離を重ねており、実戦に向けた準備とフィードバックの蓄積を進めている。

    ハースF1チーム

    富士TPCとも連動 日本での活動拡大へ
    ハースF1チームはすでに、富士スピードウェイでのTPC開催を発表している。

    7月28日・29日に予定されているこのテストでは、旧型車を用いた走行に加え、ファン向けイベントの実施も見込まれている。

    2025年の開催時には2日間で延べ6200人を動員しており、日本市場におけるプロモーションの一環としても重要な役割を担っている。

    また、同チームはトヨタとの提携を背景に「TGRハースF1チーム」として2026年シーズンを戦っており、富士でのTPCは単なるテストにとどまらない象徴的なイベントとなる。

    今回のシルバーストンでの走行と富士でのTPCは、ドライバー育成とファン接点の両面を強化する一連の取り組みとして位置づけられており、今後の活動にも注目が集まる。

  • トヨタGR GT3 ニュルブルクリンク24時間参戦見送りも年内デビューへ

    トヨタGR GT3 ニュルブルクリンク24時間参戦見送りも年内デビューへ

    トヨタが開発を進める新型GT3マシン「GR GT3」は、2026年のニュルブルクリンク24時間レース(N24)でのデビューを見送ることが明らかになった。ただし、年内の実戦デビューの可能性は維持されており、開発は計画通り進行している。

    2027年の本格投入を前提とするこのマシンは、現行のレクサスRC F GT3の後継として位置づけられている。市販化とグローバル展開を見据えた重要プロジェクトであり、その初陣のタイミングは慎重に見極められている。

    N24デビュー見送りの背景と現在の開発状況
    トヨタは当初、豊田章男会長率いるルーキーレーシングの手によって、GR GT3を2026年のニュルブルクリンク24時間で初投入する可能性が取り沙汰されていた。

    しかし開催まで残り1カ月あまりとなった現時点で、ルーキーレーシングは改良版GRヤリスDATコンセプトでの参戦に注力する見込みとなっている。

    この動きについて、Sportscar365の報道によると、トヨタは依然として年内デビューの可能性を残しつつ、投入タイミングを慎重に見極めているとされる。

    トヨタのモータースポーツグローバルディレクターである加地雅哉は、デビュー時期について次のように説明した。

    「我々は常に、開発の進捗に応じて、どのレースでどのタイミングでデビューさせるのが最適かを判断する方針でした」

    「特定のレースに固執していたわけではありません。したがって、大きな計画変更があったとは考えていません」

    「今もなお、開発上もっとも有利なデビューの場を検討している段階です」

    この発言からも、N24見送りは戦略的判断であり、開発遅延や計画破綻ではないことが読み取れる。

    年内デビューの有力候補とノルドシュライフェでの動き
    現在、GR GT3の実戦投入先としては、ニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)や日本国内レースが候補に挙がっている。

    中でもノルドシュライフェでのテスト走行が確認されていることから、NLSでのデビューが最有力とみられている。

    市販GT3マシンとしての完成度を高めるためには、過酷な耐久環境での実戦検証が不可欠であり、その意味でもNLSは理想的な舞台といえる。

    N24総合優勝に向けたドライバー育成戦略
    GR GT3の投入と並行して、トヨタはニュルブルクリンク24時間総合優勝に向けた準備も進めている。

    坪井翔と福住仁嶺は、先月のNLS第2戦においてKCMGのメルセデスAMG GT3エボをドライブし、ノルドシュライフェのトップカテゴリーに初参戦した。

    加地雅哉はこの起用について次のように語っている。

    「彼らをしっかり準備させたかったというのがあります」

    「モリゾウの目標は将来的にN24総合優勝を達成することですので、そのためには準備が不可欠です」

    「ドライバーだけでなく、チームとしても準備を整える必要があります」

    「坪井と福住は現在のGRにおけるトップドライバーです。将来のラインアップに入るかどうかは分かりませんが、まずは経験を積ませることが重要だと考えています」

    さらに中山雄一、ジュリアーノ・アレジ、小山美姫、小高一斗らもAパーミットを取得し、ノルドシュライフェでの経験を積んでいる。

    日本勢による総合優勝へのこだわり
    トヨタはニュルブルクリンク24時間において、日本車と日本人ドライバーによる総合優勝という明確な目標を掲げている。

    加地雅哉はその意図について次のように述べた。

    「簡単に勝てるレースではありませんが、日本人ドライバーが関わる体制にしたいと考えています」

    「日本のクルマで総合優勝を目指す以上、日本のモータースポーツ界にとっても大きな後押しになるはずです」

    「必ずしも100%日本人ラインアップである必要はありませんが、日本の存在感を示したいという思いがあります」

    この方針は単なる参戦計画にとどまらず、日本メーカーとしてのブランド戦略とも直結している。

    2027年本格投入へ向けた重要な準備段階
    GR GT3は2027年のワールドワイドデビューを見据えた次世代GT3マシンであり、その完成度はトヨタのグローバルGT戦略を左右する。

    今回のN24見送りは一見すると後退にも見えるが、実際には開発精度と実戦投入の最適化を優先した判断といえる。

    年内デビューの舞台と結果次第では、2027年の本格参戦に向けた評価を大きく左右することになりそうだ。

  • ハースF1チーム 富士スピードウェイでTPC再び実施 7月28日・29日

    ハースF1チーム 富士スピードウェイでTPC再び実施 7月28日・29日

    ハースF1チームは、富士スピードウェイでの旧型車テスト(Testing of Previous Cars/TPC)を7月28日・29日に開催することを発表した。

    チームはSNSで「Japan, we’re coming back! We’re headed to Fuji Speedway on July 28th and 29th」と投稿し、日本でのTPC再開催を正式に告知した。

    公開されたティザー画像には「SAVE THE DATE」とともに「FUJI」の文字が描かれ、富士山をモチーフとしたビジュアルの中にF1マシンが配置されている。また「FUJI SPEEDWAY」「TESTING OF PREVIOUS CAR」との表記もあり、イベント内容を示唆していた。

    ハースF1チームは2025年にも同地でTPCを実施し、2日間で延べ6200人を動員。平川亮と坪井翔がVF-23をドライブし、走行に加えてサイン会やトークショーなどファン向けイベントも行われた。

    富士スピードウェイはトヨタグループの傘下にあり、モータースポーツの拠点としてTOYOTA GAZOO Racingの活動基盤となっている。

    ハースF1チームは昨年からトヨタと提携関係を築いており、2026年はタイトルスポンサー契約へと発展。チームは「TGRハースF1チーム」として参戦している。

    こうした背景から、今回の富士でのTPCは単なるテストにとどまらず、トヨタとの関係性を象徴するイベントとしての意味合いも強い。詳細の発表とともに、再び多くのファンを集める機会となりそうだ。

    ハースF1チーム 富士スピードウェイ

  • TGR加地雅哉 ハースF1タイトル提携の狙い「人材育成のパイプラインを太く」

    TGR加地雅哉 ハースF1タイトル提携の狙い「人材育成のパイプラインを太く」

    2026年F1日本GPが開催されている鈴鹿サーキットで、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のグローバルモータースポーツディレクターを務める加地雅哉が、ハースF1チームとの関係強化の背景について語った。

    今季からタイトルパートナーとして関係を深めたTGRだが、その本質はこれまでの延長線上にあるものであり、短期的な成果ではなく人材育成を軸とした長期プロジェクトであることを強調した。

    「いい意味で変わっていないというのが答えです。タイトルパートナーになったからといって新しいことを作るのではなく、これまでのテクニカルパートナーシップをより評価していくということだと考えています」

    「“人を大切にする”という考え方でつながり、その人材育成のパイプラインを太くしていきます。その結果としてタイトルパートナーという形になっただけで、体制の本質は変わっていません」

    実際にTGRからの人材がチームに加わり、現場での協働も進んでいるという。加地は「体制は強化されている」としながらも、その目的はあくまで育成環境の充実にあると説明した。

    また、日本GPで話題となっているROOKIE Racingのロゴについても言及し、これは企業間のビジネス的な関係ではなく、人と人のつながりから生まれた象徴的な取り組みだと語る。

    「ROOKIE Racingとハースの関係は、人の絆から生まれたものです。コックピット周りにロゴが入っているのは、人材育成を象徴する場所だからです」

    TGRハースF1チーム

    さらに、旧型車テスト(TPCテスト)を通じたドライバー育成についても言及し、トヨタ系ドライバーがF1へとステップアップする道を広げていく方針を示した。

    「TPCテストは重要な機会ですし、今年も実施したいと考えています。トヨタ出身のドライバーが実力でF1にたどり着けるように、しっかりと道を作っていくことが理想です」

    一方で、ハースF1チームが序盤戦で好成績を収めている点については、「チーム自身の成果」と強調し、TGRの貢献を過大評価することは避けた。

    「我々が結果に貢献しているわけではありません。これはチームがしっかり仕事をした結果です。この取り組みは短期的な結果を求めるものではなく、チームの底力を支えるためのものです」

    また、日本GPについては特別な意味を持つレースであるとしながらも、その意義は単なる“母国戦”にとどまらないと語る。

    「日本のモータースポーツを持続可能な産業にしていくことが大事です。その中で、日本人ドライバーがF1で活躍することは重要であり、ヒーローの存在が必要だと思っています」

    タイトルパートナーへと関係を進化させたTGRとハースF1チーム。その取り組みは、単なる技術提携やブランド露出ではなく、次世代へとつながる人材育成を軸に、着実に広がりを見せている。

  • カッレ・ロバンペラ 苦渋のスーパーフォーミュラ離脱「健康上安全に走れない」

    カッレ・ロバンペラ 苦渋のスーパーフォーミュラ離脱「健康上安全に走れない」

    カッレ・ロバンペラは、2026年のスーパーフォーミュラ参戦を休止することが決まった。トヨタは医療機関の評価を受けた結果、「継続は適切ではない」とする判断に至ったと発表した。

    WRC2度の世界王者であるロバンペラは、今季からトヨタの支援のもとシングルシーターへ転向し、日本のトップフォーミュラに挑戦していた。しかし、身体が負荷に対応しきれない状態が続いており、安全面を最優先に考慮した決断となった。

    ロバンペラは自身の声明で、長期間にわたって抱えていた健康問題が今季に入り悪化したことを明かし、「現時点で安全に走り続けることはできない」と説明。まずは回復に専念する意向を示した。

    「みんなに伝えなければならない難しいニュースがある。今後のレース、そして今季のスーパーフォーミュラへの参戦から身を引くことにした」

    「ここしばらく医療的な問題を抱えながら取り組んできたが、今年に入ってそれが悪化した。現時点では安全に続けることができない。今はまずそれを治すことが最優先だ」

    「今年のフィードバックと進歩から、このプロジェクトには大きなポテンシャルがあることは分かっている。サーキットレースでの僕の挑戦が終わったわけではない」

    「僕の走りを楽しみにしてくれていた人たちには本当に申し訳ない。またできるだけ早くみんなに会えることを楽しみにしている」

    「モリゾウ、TGR、そしてパートナーの皆に感謝している。これからもより強くなって戻るために努力を続ける。理解と変わらぬ応援に感謝している」

    カッレ・ロバンペラ スーパーフォーミュラ

    また、トヨタ自動車の豊田章男会長(モリゾウ)も声明を発表し、今回の判断が苦渋の決断であったことを明かした。

    「今回、カッレ・ロバンペラのレース欠場についてご報告いたします。本人の強い希望もあり、フォーミュラカーへのチャレンジを続けてまいりました。実際に走り出せば、そのスピードには確かなものがあり、乗るたびにタイムを縮めていく姿を、私は見てきました」

    「一方で、その速さに身体が追いつかない状況が続いていたのも事実です。今回、医療機関の診断を受け、これ以上の参戦はカッレ本人にとって良い選択ではないと判断しました」

    「モリゾウとして悩みましたが、『走らせる責任』と『守る責任』の両方を考えたとき、今年のスーパーフォーミュラの参戦を休止させる決断をいたしました」

    「関係者の皆さま、そして応援してくださっている皆さまには、ご期待に沿えない結果となり、大変申し訳なく思っております」

    「ただ、彼の挑戦がここで終わるわけではありません。クルマを愛し、速くなりたいという気持ちは、これからも変わらないはずです。」

    「モリゾウはこれからも、一人のドライバーとして、そして一人の仲間として、彼に寄り添い、支え続けていきます。引き続き、温かい応援をよろしくお願いいたします」

    ロバンペラは今季、フォーミュラ・リージョナル・オセアニアなどで準備を進めており、シングルシーター転向は大きな注目を集めていた。しかし今回の判断により、その挑戦は一時中断となる。

    一方で本人とトヨタ双方が強調している通り、このプロジェクトが完全に終わったわけではない。回復後の復帰と、再びサーキットに戻る可能性は残されている。

  • カッレ・ロバンペラ スーパーフォーミュラ参戦休止へ トヨタ会長が声明

    カッレ・ロバンペラ スーパーフォーミュラ参戦休止へ トヨタ会長が声明

    カッレ・ロバンペラのスーパーフォーミュラ参戦休止が決定した。トヨタ自動車株式会社 代表取締役会長の豊田章男(モリゾウ)が声明を発表し、本人の体調面を考慮した判断であることを明かした。

    ロバンペラはフォーミュラカーへの挑戦を続けていたが、身体的な負担が課題となっていたという。医療機関の診断を踏まえ、今後の参戦継続は適切ではないと判断された。

    「走らせる責任」と「守る責任」の間での決断
    豊田章男(モリゾウ)は今回の決断について、次のように説明している。

    「今回、カッレ・ロバンペラのレース欠場についてご報告いたします。」

    「本人の強い希望もあり、フォーミュラカーへのチャレンジを続けてまいりました。実際に走り出せば、そのスピードには確かなものがあり、乗るたびにタイムを縮めていく姿を、私は見てきました。」

    「一方で、その速さに身体が追いつかない状況が続いていたのも事実です。今回、医療機関の診断を受け、これ以上の参戦はカッレ本人にとって良い選択ではないと判断しました。」

    「モリゾウとして悩みましたが、『走らせる責任』と『守る責任』の両方を考えたとき、今年のスーパーフォーミュラの参戦を休止させる決断をいたしました。」

    挑戦は継続 支援継続を強調
    また、今回の決断について関係者やファンへの謝罪とともに、今後もロバンペラを支えていく姿勢を強調した。

    「関係者の皆さま、そして応援してくださっている皆さまには、ご期待に沿えない結果となり、大変申し訳なく思っております。」

    「ただ、彼の挑戦がここで終わるわけではありません。クルマを愛し、速くなりたいという気持ちは、これからも変わらないはずです。」

    「モリゾウはこれからも、一人のドライバーとして、そして一人の仲間として、彼に寄り添い、支え続けていきます。」

    ロバンペラのスーパーフォーミュラ挑戦は一時休止となるが、今後の復帰や別カテゴリーでの活動に注目が集まる。