カテゴリー: トヨタ

  • 角田裕毅はトヨタとの関係構築に動く? ハースF1復帰へホンダ離脱の可能性も

    角田裕毅はトヨタとの関係構築に動く? ハースF1復帰へホンダ離脱の可能性も

    2026年にレッドブルのリザーブドライバーを務める角田裕毅が、2027年のF1復帰に向けて新たな動きを見せているようだ。候補として浮上しているのは、トヨタが技術提携を結ぶハースのシートである。

    角田裕毅は現在もホンダの支援を受けているが、ハース加入を実現するためトヨタ首脳陣へのアピールを進めていると報じられた。実現すれば、長年続いたホンダとの関係を見直す可能性も出てくる。

    角田裕毅がトヨタ首脳陣へのアピールを開始か
    角田裕毅は2025年限りでレッドブルのレギュラーシートを失い、2026年はリザーブドライバーとして活動している。しかし本人はF1復帰への意欲を隠しておらず、2027年のグリッド復帰を目指してシート探しを続けている。

    その有力候補のひとつがハースだ。エステバン・オコンの将来が不透明な状況のなか、角田裕毅はすでにハース側と「真剣な協議」を行ったとされている。

    一方で障害とみられてきたのがホンダとの関係だった。ハースは現在、トヨタの技術支援を受けており、日本メーカー同士のライバル関係が移籍の壁になると考えられていた。

    しかしRacingNews365によると、パドック関係者は角田裕毅が「トヨタ首脳陣の目に留まろうとしている」と証言しているという。

    これは角田裕毅がハース加入のためであればホンダとの関係見直しも辞さない姿勢を示していることを意味する可能性がある。

    また、小松礼雄代表は以前から角田裕毅を高く評価していると報じられており、レッドブルも他チームへの移籍を妨げない方針を明確にしている。

    小松礼雄代表は角田裕毅獲得報道を否定していた
    ただし、ハース移籍説については小松礼雄代表が5月のカナダGPで強く否定している。

    当時、一部メディアでオコンとの不仲説や角田裕毅獲得説が報じられたが、小松礼雄代表はそれらを「完全なデタラメ」と一蹴した。

    さらに角田裕毅に関する報道についても、

    「日本のサイトの中には、角田裕毅を獲得したいとか、そういう話を作りたがっているところもあります。でも、それもまったく根拠がありません」

    と述べ、角田裕毅獲得への関心があるとの報道を否定している。

    そのため、今回のRacingNews365による報道は、小松礼雄代表の否定発言後に浮上した新たな情報という位置付けになる。現時点でハース側から角田裕毅との交渉について公式なコメントは出ていない。

    平川亮も有力候補として浮上
    ただし、ハースの2027年シート争いは角田裕毅だけのものではない。

    オコンは今季限りで離脱する可能性が高い一方、オリバー・ベアマンはフェラーリに空席がないことから残留が有力視されている。そのため残る1席を巡り複数の候補が争う構図となっている。

    ジャック・ドゥーハンも商業的価値の高さから候補のひとりに挙げられているが、トヨタ陣営には独自の構想がある。

    その中心にいるのがハースのリザーブドライバーを務める平川亮だ。

    平川亮はこれまでFP1セッションのみの経験しかなく、32歳という年齢もあってF1昇格への懐疑的な見方も存在する。しかし同じくRacingNews365によれば、トヨタ内部では平川亮のF1昇格に強い自信を持っているという。

    さらにトヨタは、平川亮がF1へ転向した場合に備え、世界耐久選手権(WEC)で後任としてケビン・エストレを起用する計画まで内部で検討しているとされる。

    こうした動きを踏まえると、ハースの2027年ドライバー候補は角田裕毅、平川亮、ジャック・ドゥーハンを軸に争われる可能性が高い。なかでも角田裕毅にとっては、トヨタとの関係構築がF1復帰への重要な鍵となりそうだ。

    Source: F1 OVERSTEER

  • カッレ・ロバンペラ F1転向計画が再始動 トヨタがレース復帰へ青信号

    カッレ・ロバンペラ F1転向計画が再始動 トヨタがレース復帰へ青信号

    WRC(世界ラリー選手権)で2度のタイトルを獲得したカッレ・ロバンペラのF1挑戦への道が再び動き出した。トヨタは、体調不良によって中断されていたシングルシーター転向プロジェクトについて、ロバンペラが医療面でレース復帰の許可を得たことを明らかにした。

    ロバンペラはラリー活動を縮小し、日本のスーパーフォーミュラ参戦を軸とした本格的なシングルシーター転向計画を進めていたが、テスト走行後にめまいの症状が発生。医師の判断により活動停止を余儀なくされていた。

    トヨタが回復を確認 シングルシーター計画再開へ
    トヨタ・ガズー・レーシングは声明で、ロバンペラの回復が順調に進んでいることを報告した。

    「今シーズンのスーパーフォーミュラ参戦計画は医学的理由によって中断されていたが、カッレは健康回復に専念する時間を取ってきた」

    「回復は順調に進んでおり、すでにフィジカルトレーニングを再開している。段階的なドライビング復帰に向けた準備を進めることができる状況になった」

    これにより、F1を視野に入れたシングルシーターでのキャリア構築計画も再始動する見通しとなった。

    フィンランドの専門機関が復帰を承認
    トヨタによると、ロバンペラは療養期間中、フィンランドの高性能スポーツ研究機関「KIHU(Institute of High Performance Sport)」と連携してリハビリとトレーニングを実施してきた。

    KIHUはオリンピック代表やフィンランド代表アスリートを支援することで知られる機関で、科学的データに基づくサポートを提供。ロバンペラの身体状態やトレーニング内容を継続的に評価し、今回サーキット走行への復帰を認めた。

    専門機関による医学的な承認を得たことで、今後のキャリア計画は大きく前進することになる。

    2027年のレース復帰が目標 F1挑戦への重要な一歩
    トヨタはロバンペラの競技復帰目標を2027年に設定していることも明らかにした。

    現時点で具体的な参戦カテゴリーは発表されていないが、当初計画されていたスーパーフォーミュラ参戦が有力な選択肢とみられる。日本最高峰のシングルシーターカテゴリーはF1への登竜門としても評価されており、ロバンペラにとって重要な経験の場となる。

    25歳のロバンペラは史上最年少WRC王者として知られるが、F1転向という異例の挑戦を掲げている。今回の医学的クリアランス獲得は、その夢を現実へ近づける大きな一歩となりそうだ。

  • 中嶋一貴がトヨタのル・マン制覇を総括「勝ったのは7号車だけではない」

    中嶋一貴がトヨタのル・マン制覇を総括「勝ったのは7号車だけではない」

    TOYOTA GAZOO Racing Europe(TGR-E)の副社長を務める中嶋一貴が、2026年のル・マン24時間レースで7号車GR010 HYBRIDが総合優勝を果たしたことを受け、チーム公式サイトを通じてメッセージを発表した。

    中嶋一貴は、ドライバーやチームスタッフだけでなく、ライバルチームや大会関係者、そしてファンへの感謝を述べるとともに、今回の勝利を「人の力で勝ち取った勝利」と表現。

    さらに、TOYOTA RACINGが掲げる新たな哲学「For the Engineering Race」についても語り、その意義を強調した。

    「誰も諦めなかった」4年ぶりのル・マン制覇
    7号車のマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ニック・デ・フリース組は、予選14番手から追い上げ、2022年以来4年ぶりとなるル・マン24時間レース総合優勝を達成した。

    中嶋一貴は厳しい戦いだったことを振り返りながら、チーム全員の努力を称賛した。

    「今年のル・マンは決して楽なレースではありませんでした。予選は14位と15位。決して有利な位置からのスタートではありませんでした」

    「そこから仲間たちは知恵を出し合い、勇気を持って決断し、一歩ずつ前へ進みました。苦しい場面もありました。流れを失うこともありました。思いどおりにならないこともありました。それでも誰も諦めませんでした」

    また、中嶋一貴は今回の勝利が単なる速さだけによるものではないと強調した。

    「エンジニアは知恵を絞り続けました。メカニックは最後までクルマを信じ続けました。ドライバーは限界のその先まで挑戦し続けました。そしてチーム全員が、お互いを支えながら24時間を戦い抜きました」

    「今日の勝利は、速さだけで勝ち取ったものではありません。人の力で勝ち取った勝利です」

    「勝ったのは7号車だけではない」
    中嶋一貴は今回の勝利について、総合優勝を果たした7号車だけでなく、3位表彰台を獲得した8号車や、それを支えた全てのスタッフによる成果だと語った。

    「そして今日、優勝したのは7号車ですが、勝ったのは1台ではありません」

    「7号車と8号車。そして2台のTR010 HYBRIDを支えたすべての仲間たちです」

    「ドライバー。エンジニア。メカニック。スタッフ。誰ひとり欠けても、この結果はありませんでした」

    「私は、この勝利はTOYOTA RACING全員で勝ち取った勝利だと思っています」

    さらにBMW、キャデラック、フェラーリなど最後まで優勝を争ったライバル勢にも敬意を表した。

    「BMW、キャデラック、フェラーリをはじめ、最後まで本気で戦ってくださったライバルの皆様。皆さんがいたからこそ、この勝利には価値があります」

    トヨタ ル・マン24時間

    新たな哲学『For the Engineering Race』
    中嶋一貴はメッセージの後半で、TOYOTA RACINGが掲げる新たなフィロソフィーについても言及した。

    「GRが『もっといいクルマづくり』を追い続けるなら、私たちTOYOTA RACINGは、もっといい技術をつくりたい。もっといいパワートレーンをつくりたい」

    「もっと速く。もっと強く。もっと効率よく。限界のその先を目指したい」

    その上で、ル・マンを単なるレースではなく技術開発の最前線と位置付けた。

    「ル・マンはレースです。でも私たちにとっては、それ以上に技術開発の最前線です」

    「エンジン。ハイブリッド。燃料。ソフトウェア。制御。空力。そして人づくり。そのすべてが競争です。そのすべてが挑戦です」

    そして、その思想を象徴する言葉として次のメッセージを掲げた。

    「だから私たちTOYOTA RACINGは、新しいフィロソフィーとして、『For the Engineering Race』という言葉を掲げています」

    「レースのために技術を磨く。技術のためにレースをする。勝利のためだけではなく、技術者たちが世界一を目指せる舞台としてレースに挑む。それがTOYOTA RACINGです」

    モリゾウ会長へのメッセージも
    最後に中嶋一貴は、東京オートサロンで豊田章男会長(モリゾウ)と交わしたやり取りにも触れた。

    「今日は約束どおり、TOYOTA RACINGがル・マンで勝利しました」

    「残念ながら、トロフィーはまだフランスにあります。ですので今日のところは、オートサロンで宣言したように『叩きつける』ことができません。でも、必ず日本へ持ち帰ります。覚悟しておいてください」

    その一方で、本当に見てもらいたいものは優勝トロフィーではないと語る。

    「あなたが育てた仲間たちが、自分たちで考え、自分たちで決断し、自分たちで挑戦し、自分たちで勝てるチームになったことです」

    そして最後は、TOYOTA RACINGの未来への期待を込めてメッセージを締めくくった。

    「私たちが日本へ持ち帰るのは、優勝トロフィーだけではありません。TR010 HYBRIDに込めた技術者たちの意地です。現場で汗を流した仲間たちの挑戦です。そしてTOYOTA RACINGという新しいチームの可能性です」

    「そのすべてを持って、あなたに報告に行きます。その時は、ぜひ受け取ってください」

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    ル・マン24時間:トヨタが4年ぶり総合優勝 小林可夢偉組7号車が悲願達成

    TOYOTA RACINGが2026年のル・マン24時間レースで悲願の総合優勝を果たした。7号車GR010 HYBRIDを駆った小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリース組は、序盤のトラブルを乗り越えながら24時間を戦い抜き、2022年以来4年ぶりとなるル・マン制覇を達成した。さらに8号車も3位表彰台を獲得し、TOYOTA RACINGはダブル表彰台という最高の結果で世界耐久選手権(WEC)第3戦を締めくくった。

    4年ぶりのル・マン制覇を達成
    第94回ル・マン24時間レースは35万105人の観衆が見守る中、近年でも屈指の接戦となった。ハイパーポールで苦戦し後方グリッドからのスタートとなったTOYOTA RACINGだったが、レース序盤から積極的なピット戦略を採用。トラフィックを避けながら着実にポジションを回復し、早い段階で優勝争いに加わった。

    7号車は序盤にスローパンクチャーに見舞われながらも、朝方にかけて安定したペースで追い上げを見せる。残り6時間で表彰台圏内へ浮上すると、終盤のセーフティカー導入によってレースは再び混戦となった。

    残り3時間にはニック・デ・フリースが果敢なオーバーテイクを成功させ、TOYOTA RACINGはワン・ツー体制を構築。最終局面では燃料戦略とタイヤ戦略の違いによって順位が変動したものの、小林可夢偉が冷静な走りでトップを守り切り、381周を走破してチェッカーフラッグを受けた。

    2位のBMW 20号車との差は10.913秒。8号車も20.417秒差の3位で続き、TOYOTA RACINGはダブル表彰台を達成した。

    ル・マン24時間レース トヨタ

    小林可夢偉「長く待ち続けた特別な勝利」
    小林可夢偉は悲願の優勝について次のように語った。

    「とても厳しいレースでしたが、最後まで決して諦めませんでした。7号車はこれまでル・マンで2位が続いていましたが、ようやく2度目の優勝を手にすることができました。この勝利を長く待ち続けてきただけに、本当に特別な気持ちです。レースウィーク全体を通して決して楽ではなく、決勝でも苦しい展開が続きました。序盤のスローパンクチャーもあり厳しい状況でしたが、マイク、ニック、そしてエンジニアやピットクルーが素晴らしい仕事をしてくれました。忘れられない一日になりましたし、この特別な舞台を支えてくださったすべてのファンの皆さんに感謝しています。」

    コンウェイ「勝機を感じたのは終盤だった」
    マイク・コンウェイは24時間の激戦を振り返った。

    「非常に激しいレースでした。予選順位から巻き返せる手応えはありましたが、どこまで順位を上げられるか、そしてどれほど接戦になるかは予想できませんでした。順位が目まぐるしく入れ替わる展開で、勝機を感じられたのは終盤に入ってからでした。チーム全員が素晴らしい仕事を成し遂げてくれたと思います。可夢偉とニックは本当に速く、勝負どころでトップ争いに押し上げてくれましたし、ピットクルーもミスのない完璧な対応でした。ケルン、東富士、そしてトヨタ全体で支えてくれたすべての方々に感謝しています。この勝利は私にとって本当に特別なものです。」

    デ・フリース「初優勝は特別」
    ニック・デ・フリースは自身初のル・マン総合優勝の喜びを語った。

    「ル・マン24時間レースで優勝できたことを、心からうれしく思っていますし、大きな安堵とともに感謝の気持ちでいっぱいです。ル・マンでの優勝は初めてなので、なおさら特別です。レースウィーク、そして決勝を通して長く厳しい戦いが続きました。さまざまな課題やトラブルがあり、正直なところ勝利争いから遠ざかったと感じる場面もありました。それでも最後まで諦めなかったことが結果につながりました。チームがこの大きな成果を成し遂げるために積み重ねてきた努力に、心から感謝しています。」

    8号車クルーもチームの勝利を祝福
    3位表彰台を獲得した8号車のセバスチャン・ブエミはチームの成果を称えた。

    「信じられないようなレースでしたし、チームのために本当にうれしく思います。昨年からTR010 HYBRIDを仕上げるために全員が懸命に取り組んできました。その中で7号車が優勝したことは、チーム全体にとって素晴らしい結果ですし、自分たちも表彰台に並べたことを誇りに思います。特別な瞬間である一方で、もう少し上を目指せたのではないかという悔しさもあります。それでも、このクルマで今季2勝目を挙げられたことはチームとして大きな成果です。厳しい戦いの中で勝ち切ることができたこの一日は、長く記憶に残ると思います。」

    ブレンドン・ハートレーは次のように語った。

    「ル・マンらしい、浮き沈みの激しいレースでした。一時は大きなリードを築き、長い時間トップを走る場面もありましたが、セーフティカーなどの影響もあって流れが大きく変わりました。運もあれば不運もあり、最終的には自分たちの思い通りの結果とはなりませんでしたが、最後まで全力で戦い抜きました。チームメイトも素晴らしい走りを見せてくれましたし、チーム全体の勝利を心からうれしく思っています。7号車クルーとドライバーのみんなにおめでとうと言いたいです。感情が込み上げる瞬間でした。」

    平川亮も複雑な思いを明かした。

    「24時間を通して接戦が続いたレースでした。私たちはベストを尽くしましたし、戦略も良かったと思います。完璧なレースではありませんでしたが、それでも最後まで優勝争いを続けることができました。7号車が優勝したことは本当にうれしい一方で、自分たちは長い時間トップを走りながら勝ち切れなかった悔しさもあり、複雑な心境です。ただ、7号車は素晴らしいレースをしましたし、チーム全員がこの勝利のために努力を続けてきました。まずはこの勝利をしっかり受け止め、喜びたいと思います。」

    ランキング首位に浮上
    今回の結果によりTOYOTA RACINGはマニュファクチャラーズランキングでリードを36ポイントへ拡大。さらに7号車のコンウェイ、小林、デ・フリース組はドライバーズランキング首位へ浮上した。

    悲願の総合優勝と4年ぶりのル・マン制覇を成し遂げたTOYOTA RACINGは、ダブル表彰台という最高の結果とともにシーズン後半戦へ向けて大きな勢いを手にした。次戦は7月12日に開催されるサンパウロ6時間レースとなる。

  • ハースF1チーム 富士スピードウェイでTPC開催 6月12日からチケット発売

    ハースF1チーム 富士スピードウェイでTPC開催 6月12日からチケット発売

    富士スピードウェイは、2026年7月28日(火)から29日(水)にかけて、「TGR Haas F1 Team 2026 Testing of Previous Cars(TPC)」を開催すると発表した。世界最高峰カテゴリーであるF1マシンによるテスト走行が今年も実現し、ファンは富士スピードウェイで迫力の走りを間近に体感できる。

    チケットは6月12日(金)午前9時から販売開始。走行見学だけでなく、ドライバーとの交流イベントやピット見学なども実施される予定だ。

    F1マシンによるTPCを富士で実施
    TPC(Testing of Previous Cars)は、FIAの規則に基づき、2年以上前のF1マシンを使用して行われる公式テストプログラムだ。

    現行マシンのテストが厳しく制限されているF1において、TPCは若手ドライバー育成やチーム運営能力向上のための重要な機会として活用されている。

    今回のイベントでは、TGRハースF1チームのF1マシンが富士スピードウェイの国際レーシングコースを走行。レースウイークとは異なるテスト環境の中で、F1チームの活動を間近に見ることができる。

    TPCが担う重要な役割
    TPCは単なるデモンストレーション走行ではなく、F1チームにとって重要な実戦訓練の場でもある。

    若手ドライバーや育成ドライバーにとっては、シミュレーターでは再現できないF1特有のスピードやGを実際に体験できる貴重な機会となる。

    また、エンジニアやメカニックにとっても、セッティング変更やデータ解析、ピット作業などを実践的に確認できるため、チーム全体の運営能力向上につながる。

    さらに、通常は非公開となるテスト現場の雰囲気をファンが体感できることも大きな魅力となる。

    ハースF1チーム 富士スピードウェイ

    オートグラフセッションやトークショーも開催
    イベント期間中は走行以外にもさまざまなファン向け企画が実施される。

    TGRハースF1チームによるオートグラフセッションでは、来場者がドライバーやチーム関係者と交流できる機会が設けられる。

    また、チームが使用するピットのすぐ横から作業を観覧できる「激感ピット」も実施予定。さらに、チーム関係者によるトークショーも開催される見込みだ。

    各コンテンツの詳細スケジュールや参加方法については後日発表される。

    御殿場駅からシャトルバス運行予定
    イベント期間中は、公共交通機関を利用する来場者向けにJR御殿場駅と富士スピードウェイを結ぶ臨時シャトルバスを運行する予定だ。

    運行時間や料金などの詳細は後日案内される。

    チケットは6月12日から販売開始
    チケットは電子チケットサービス「CLOUD PASS」で販売される。

    料金は以下の通り。

    ■ 7月28日(火)入場券:3,000円

    ■ 7月29日(水)入場券:3,000円

    ■ 二日間通し入場券:4,500円

    ■ 7月28日(火)駐車券:1,000円

    ■ 7月29日(水)駐車券:1,000円

    15歳以下は入場無料となる。

    また、TGRハースF1チーム公式ファンサイト「Haas+」会員向けには特別割引も用意されている。

    ■ Haas+会員価格 7月28日(火)入場券:2,500円

    ■ Haas+会員価格 7月29日(水)入場券:2,500円

    ■ Haas+会員価格 二日間通し入場券:4,000円

    TGRハースF1チームとは
    TGRハースF1チームは、2016年のF1オーストラリアGPでデビューしたアメリカを拠点とするチームだ。

    これまで200戦以上のグランプリに参戦し、F1における有力なチャレンジャーとして存在感を示してきた。

    現在はTOYOTA GAZOO Racingとの技術提携を通じて日本国内でも高い注目を集めており、若手ドライバーと最先端技術を融合させながらF1の最前線で戦っている。

  • トヨタ ル・マンで液体水素プロトタイプ初走行 水素レース開発が新段階へ

    トヨタ ル・マンで液体水素プロトタイプ初走行 水素レース開発が新段階へ

    TOYOTA RACINGは、第94回ル・マン24時間レースが開催されるサルト・サーキットで、液体水素を燃料とする「TR LH2 Racing Prototype」の一般公開デモンストレーション走行を実施する。モータースポーツを通じて推進してきた水素技術開発において、大きな節目となる取り組みだ。

    今回のマシンは、2026年のル・マン24時間レースに参戦するTR010 HYBRIDと同じシャシーをベースに開発されたプロトタイプであり、将来的な水素レースカー実現に向けた技術開発の加速を目的としている。

    ル・マンの舞台で液体水素レーシングカーを初公開
    TR LH2 Racing Prototypeは、6月11日と6月13日にサルト・サーキットでデモンストレーション走行を実施する。

    全長13.626kmのル・マンの舞台で、水素エンジン特有のサウンドを響かせながら走行することで、観客に新たなモータースポーツの可能性を示す狙いがある。

    単なる展示車両ではなく、実際に走行するプロトタイプとして公開される点が大きな特徴であり、水素エンジン技術の成熟度が新たな段階に入ったことを示している。

    スーパー耐久から続く水素開発の歩み
    トヨタの水素エンジン開発は、日本のスーパー耐久シリーズでROOKIE Racingが参戦させた「ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept」から本格化した。

    2021年には気体水素を使用して参戦を開始し、その後2023年には液体水素仕様へと進化。実戦の中で技術開発を積み重ねてきた。

    こうした活動は単なる研究開発ではなく、実際のレース環境で性能や耐久性、安全性を検証するための重要なプロジェクトとして位置付けられている。

    トヨタ TR LH2 Racing Prototypeトヨタ TR LH2 Racing Prototype ル・マン24時間レース

    WRCからル・マンへ広がる水素挑戦
    トヨタはサーキットだけでなくラリーの舞台でも水素技術開発を進めてきた。

    2022年にはGR Yaris H2がWRCイープル・ラリーでデモ走行を実施。その後、GR Yaris Rally2 H2 Conceptが2025年のラリー・フィンランドや2026年のラリー・モンテカルロで走行し、水素エンジンの活用領域を拡大している。

    こうした活動は、水素がサーキット専用技術ではなく、さまざまなモータースポーツカテゴリーで活用できる可能性を示している。

    ル・マンで進化を続ける水素プロジェクト
    ル・マンでは2023年に「GR H2 Racing Concept」が公開され、将来的な水素カテゴリー創設へのビジョンが示された。

    さらに2025年には液体水素を燃料とする「GR LH2 Racing Concept」が展示され、水素レーシングカーの開発が着実に前進していることが明らかとなった。

    そして今年、そのコンセプトを一歩前進させる形でTR LH2 Racing Prototypeが実際にサルト・サーキットを走行する。

    コンセプト展示から実走行プロトタイプへ――この進化は、トヨタが水素を将来のモータースポーツ技術として本気で育成していることを示す象徴的な出来事と言える。

    水素カテゴリー実現への重要な一歩
    ル・マンを主催するACOは長年にわたり水素カテゴリー創設を目指しており、会場内には水素技術を紹介する「H2ビレッジ」が設置されている。

    TR LH2 Racing Prototypeも走行に先立ち同エリアで展示される予定だ。

    電動化だけではないカーボンニュートラル実現への選択肢として、水素は世界の自動車業界から注目を集めている。今回のデモ走行は、将来的なル・マン水素カテゴリー実現に向けた重要なマイルストーンとなりそうだ。

  • GRMNカローラ発表 ニュルブルクリンクで鍛えた“究極のGRカローラ”

    GRMNカローラ発表 ニュルブルクリンクで鍛えた“究極のGRカローラ”

    トヨタGAZOO Racing(GR)は6月2日、「GRMNカローラ」を世界初公開した。GRMNの名にふさわしく、ドイツ・ニュルブルクリンクで徹底的に鍛え上げた台数限定モデルであり、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の集大成とも言える一台となる。

    GRカローラは、豊田章男会長(モリゾウ)が掲げる「お客様を虜にするカローラを取り戻したい」という想いから誕生したモデルだ。そのGRカローラをさらに進化させ、ドライバーが安心して限界領域まで踏み込める“究極仕様”として仕上げられたのがGRMNカローラである。

    日本、北米、オーストラリアを中心に台数限定で販売され、日本では2026年秋頃から「GR app」を通じて商談申し込みを開始し、2027年内の発売を予定している。

    ニュルブルクリンクが磨き上げた究極のハンドリング
    GRMNカローラ開発の中心となったのは、世界有数の過酷なサーキットとして知られるニュルブルクリンクだった。

    通常のテストコースでは再現できない激しい路面変化や高速コーナー、アップダウンの連続によってクルマの弱点を洗い出し、限界域でもドライバーとクルマが対話できる一体感を追求した。

    開発にはスーパー耐久シリーズへの参戦経験も投入された。実戦で得たデータと最新ドライビングシミュレーターを活用しながら改良を重ねたが、実際にニュルを走り込む中で新たな課題も浮上。その都度改良を施しながら完成度を高めたという。

    その成果はGRMNだけにとどまらず、2025年後期型GRカローラにも反映されている。ボディ剛性向上やクールエアダクトの採用などは、ニュルで得られた知見から生まれた改良点だ。

    GRカローラ 専用エアロ

    スーパー耐久とニュルで磨いた専用エアロ
    GRMNカローラ最大の特徴のひとつが専用空力パッケージである。

    フードダクト、フェンダーダクト、フロントサイドスポイラー、そして大型リアウイングは、水素エンジン搭載GRカローラによるスーパー耐久参戦で培われたノウハウをベースに開発された。

    特に角度調整式リアウイングは5段階の調整機構を採用。プロドライバーによるテストを繰り返しながら1度単位で調整を行い、最適なダウンフォースバランスを導き出した。

    高速域での接地性を高め、長時間の高負荷走行でも安定したパフォーマンスを発揮できる仕様となっている。

    専用サスペンションと4WD制御を採用
    足回りも全面的に専用設計となった。

    前後にモノチューブショックアブソーバーを採用し、さらにリバウンドスプリングを追加。高速コーナリング時の接地性向上と旋回性能の強化を実現している。

    ニュル特有の大きな路面入力にも対応するため、バウンドストッパー特性も徹底的に見直された。ストローク量をミリ単位で調整しながら最適化を進めたという。

    タイヤには245/40ZR18サイズのミシュラン Pilot Sport Cup 2を装着。ベース車より10mmワイド化され、さらなるグリップ性能を獲得した。

    さらにEPS(電動パワーステアリング)やGR-FOUR四輪駆動システムも専用チューニングを実施。超高速域でのステアリング応答性と安定性向上を図っている。

    GRカローラ パワートレイン

    水素カローラ開発が生んだ415Nmの高トルク
    パワートレインにもスーパー耐久参戦で得られた成果が反映された。

    搭載される1.6リッター直列3気筒ターボ「G16E-GTS」は最高出力こそ224kWで据え置きながら、最大トルクをベース車比15Nm増の415Nmへ向上させている。

    特にサーキットで多用する3600〜4800rpmの中速域トルクを重点的に強化し、コーナー立ち上がり加速性能を向上させた。

    加えてインタークーラースプレーを採用し、高負荷走行時でも安定した出力維持を可能にしている。

    GRカローラ 2シーター

    徹底した軽量化で2シーター化
    GRMNカローラは走りを最優先するため、リアシートを撤去した2シーター仕様となる。

    約30kgの軽量化を達成し、車両重量は1450kgまで削減された。

    カーボン製ボンネットやフロントフェンダー、専用エアロパーツなども採用されており、軽量化と高剛性化を両立している。

    GRMNの名に恥じない“野性味”を実現するための大胆な決断と言える。

    GRカローラ コックピット

    ドライバー中心に設計された専用コクピット
    インテリアも専用装備が多数採用された。

    専用フルバケットシートはスーパー耐久参戦車両のドライビングポジションを基準に開発され、GFRP製シェルによる軽量化と高いホールド性能を両立している。

    さらに植毛加工を施したインストルメントパネルやフロントピラートリムを採用し、反射を抑えながら運転への集中力を高めた。

    助手席側には元町工場のカーボン課が製造したカーボン製オーナメントを装着。モリゾウのサイン入りパッドや専用シリアルナンバープレートも備わる。

    GRカローラ MORIZO RR

    GRMNだけではない MORIZO RRも開発中
    GRは今回、GRMNカローラとともに「GRカローラ MORIZO RR(コンセプト)」も公開した。

    こちらはGR-DAT(8速オートマチック)を搭載した5シーターモデルとして開発が進められており、発売時期は未定となっている。

    GRMNカローラがサーキット志向を極限まで突き詰めたモデルであるのに対し、MORIZO RRは実用性と高性能を両立する新たな選択肢となりそうだ。

    今回発表されたGRMNカローラは、単なる高性能モデルではなく、スーパー耐久とニュルブルクリンクという“現場”で鍛え上げられたGRの技術結晶と言える。GRが掲げる「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を象徴するモデルとして、大きな注目を集めることになりそうだ。

  • 豊田章男会長 ラリージャパン圧勝のトヨタを称賛「このチームの強さを実感」

    豊田章男会長 ラリージャパン圧勝のトヨタを称賛「このチームの強さを実感」

    TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)が2026年WRC第7戦ラリージャパンで1-2-3-4フィニッシュを達成したことを受け、TGR-WRT会長の豊田章男氏がチームとドライバーたちを称賛した。

    エルフィン・エバンスは総合優勝を飾り、セバスチャン・オジエが2位、サミ・パヤリが3位、勝田貴元が4位で続いた。トヨタ勢はホームイベントで圧倒的な強さを見せつけ、4年連続優勝と4年間で3度目の表彰台独占を成し遂げた。

    エバンスの3度目の勝利を称賛
    豊田章男会長は、ラリージャパン3勝目を挙げたエバンスに祝福の言葉を送った。

    「エルフィン、スコット、3度目のラリージャパン優勝おめでとう!」

    「昨年までの紅葉の道でも速かったし、今回の新緑の道でもエルフィンは速かった。モリゾウと走った蒲郡でもエルフィンは一番速かった」

    「きっと日本の道との相性が良いんだと思います。そして私の目の前で何度も勝ってくれたドライバーもエルフィンだけです。きっとモリゾウとの相性も抜群なんだと思います」

    さらに豊田会長は冗談交じりにこう続けた。

    「もし今度大事なラリーがあったら、ぜひモリゾウを呼んでください。すぐに秘書とスケジュールの相談をしたいと思います」

    チームの結束力に感銘
    今回のラリーではオジエとパヤリの活躍により表彰台を独占。豊田会長は新CEOの近健太氏もポディウムに立てたことを喜んだ。

    「セブとサミのおかげもあって1-2-3フィニッシュ。今回はその表彰台に新たなCEOの近も連れていってもらえました」

    また、デイ2でリタイアを喫したオリバー・ソルベルグをチーム全体で支える姿に強い印象を受けたという。

    「落ち込むオリバーにヤリ-マティやユハが声を掛け、さらにはセブがアドバイスを送り肩をポンと叩いていました。このチームの強さを改めて実感できた嬉しいシーンでした」

    シーズン後半へ気を引き締める
    豊田会長は、ラリージャパン終了後も気を緩めることなくシーズン後半へ向かう姿勢を示した。

    「今までならラリージャパンを終えて一息つける時季でしたが今回からは違います。まだまだシーズンの折り返し。そしてこの先はグラベルの厳しい道ばかり」

    「チームのみんな、まだまだハードワークをよろしくお願いします!」

    ラリージャパンで歴史的な1-2-3-4フィニッシュを達成したTGR-WRTは、マニュファクチャラーズ選手権でリードを127ポイントに拡大。次戦は6月25日から開催されるアクロポリス・ラリー・ギリシャとなる。

  • トヨタがラリージャパンを完全制圧 エバンス優勝でGRヤリスがトップ4独占

    トヨタがラリージャパンを完全制圧 エバンス優勝でGRヤリスがトップ4独占

    愛知県と岐阜県を舞台に開催された2026年WRC第7戦ラリージャパンで、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)が圧倒的な強さを見せつけた。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が優勝を飾り、GRヤリス Rally1勢が総合トップ4を独占する歴史的な結果を達成した。

    エバンス組は競技初日のSS2で首位に立つと、その後は一度もトップの座を譲ることなく走り切り、今季2勝目を獲得。ラリージャパンでは通算3勝目となった。

    総合2位にはセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組、総合3位にはサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組が入り、トヨタ勢が表彰台を独占。さらに勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が総合4位で続き、母国ラリーでGRヤリス Rally1がトップ4を占める快挙を成し遂げた。

    エバンスが選手権首位をさらに固める勝利
    エバンスは週末を通じて安定したペースを維持。難しいコンディションの中でもミスなく走り切り、ライバルたちに付け入る隙を与えなかった。

    今季序盤から好調を維持するウェールズ出身ドライバーは、この勝利によってタイトル争いでも大きな一歩を刻んだ。

    ソルベルグがスーパーサンデーとパワーステージを制覇
    最終日のスーパーサンデーおよびパワーステージでは、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組が最速タイムを記録。追加ポイントを獲得し、存在感を示した。

    山本雄紀がWRC2で母国表彰台
    WRC2クラスでは山本雄紀/ジェームズ・フルトン組が3位表彰台を獲得した。

    山本にとってWRC2での初表彰台となり、母国ラリーで大きな成果を手にした。日本人ドライバーによる快挙に、沿道のファンからも大きな歓声が送られた。

    ■ WRC総合結果
    1位 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン
    2位 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ
    3位 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン
    4位 勝田貴元/アーロン・ジョンストン

    ■ スーパーサンデー
    1位 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン

    ■ パワーステージ
    1位 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン

    ■ WRC2クラス
    3位 山本雄紀/ジェームズ・フルトン

    母国開催のラリージャパンで、トヨタは勝利だけでなくトップ4独占という圧巻の結果を残した。日本のファンの前で成し遂げたこの快挙は、TGR-WRTにとって特別な一戦として記憶されることになりそうだ。

  • ラリージャパン初日:エバンス首位発進 トヨタ勢がトップ4独占

    ラリージャパン初日:エバンス首位発進 トヨタ勢がトップ4独占

    2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリージャパンが5月29日に開幕し、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組がデイ1を総合首位で終えた。

    愛知県内で行われた6本のステージ終了時点で、オリバー・ソルベルグが総合2位、セバスチャン・オジエが総合3位、サミ・パヤリが総合4位につけ、トヨタ勢が上位4ポジションを占める好スタートとなった。

    5月開催となったラリージャパンが開幕
    今年のラリージャパンは、愛知県と岐阜県を舞台に開催される5年目の大会であり、初めて秋ではなく5月開催となった。また、現行Rally1規定のマシンによる最後のターマック(舗装路)イベントとしても注目を集めている。

    前日のシェイクダウンではセバスチャン・オジエが最速タイムを記録。エルフィン・エバンスが2番手、サミ・パヤリが3番手につけるなど、トヨタ勢が好調な滑り出しを見せた。

    29日のデイ1は、アスケ(足助)、イセガミズ・トンネル(伊勢神トンネル)、イナブ/シタラ(稲武/設楽)の3ステージを2回ずつ走行。合計108.54kmの競技区間が設定された。

    エバンスがSS2から主導権を握る
    朝の路面はドライ、ダンプ、ウェットが混在する非常に難しいコンディションとなった。

    SS1ではオリバー・ソルベルグがベストタイムを記録。サミ・パヤリが0.2秒差の2番手、セバスチャン・オジエが0.9秒差の3番手に続き、GR YARIS Rally1勢が上位を占めた。

    しかしSS2で流れが変わる。

    エルフィン・エバンスがソルベルグに7.5秒差をつける圧巻のステージウインを記録し総合首位に浮上。続くSS3でも最速タイムをマークし、ソルベルグとの差を17.7秒まで広げた。

    午後の再走ステージではソルベルグが反撃しSS4を制したが、エバンスはSS5で即座にベストタイムを記録して主導権を維持。最終SS6終了時点で15.7秒のリードを築き、デイ1首位を確保した。

    ソルベルグ躍進 オジエとパヤリも好位置
    今季もトヨタ陣営で戦うオリバー・ソルベルグは、日本のターマックで初めてGR YARIS Rally1をドライブしながらも安定した速さを発揮した。

    SS3では動物を避けるため減速を強いられたものの、それ以外のステージではトップ争いを展開。総合2位で初日を終えた。

    一方、8度の世界王者セバスチャン・オジエはセットアップ面に課題を抱えながらも総合3位を確保。首位エバンスとの差は17.1秒となっている。

    サミ・パヤリは午前中に苦戦したが、デイ1最終のSS6でベストタイムを記録。総合4位までポジションを上げた。

    勝田貴元は6位 逆転へ望みをつなぐ
    母国ラリーに臨む勝田貴元はSS1でコーナリング中に側溝へ接触しマシンにダメージを負った。

    さらにパンクの影響でタイヤ選択にも制約が生じ、思うようなペースを発揮できず。それでも総合6位で初日を完走し、トップ10圏内を維持した。

    総合5位のティエリー・ヌービルとの差は5.6秒。残り2日間で巻き返しを狙う。

    ラトバラ「ほぼ完璧なスタート」
    「SS2ではエルフィンが素晴らしいタイムを記録して大きなギャップを築き、危ない場面に遭遇したドライバーもいましたが、我々のドライバーは全員走り続けていますし、上位につけてもいますので、ほぼ完璧なスタートとなりました」とヤリ-マティ・ラトバラは語った。

    「もちろん貴元はもっと良いスタートを切ることを望んでいましたが、ホームラリーは往々にして最も難しいものです。例えば、ユハ・カンクネンとカッレ・ロバンペラも、ラリー・フィンランドで初優勝したのは、何度か世界チャンピオンになった後でした。ですので私は彼に、リラックスしてドライビングを楽しむように伝えました。そうすれば、自信とスピードは自然とついてくるはずです」

    エバンス「良いスタートを切ることができた」
    「ラリー初日は良いスタートを切ることができました。午前中は路面コンディションが目まぐるしく変化し、木陰には濡れて滑りやすい箇所が多くあるなど、難しいスタートとなりました」

    「グリップの変化を読み取るのは非常に困難でしたが、午前のループは良いリズムでうまく走り切ることができました。午後は路面が乾いてきて、私たちよりも後方のドライバーたちが猛追してきていました。ですので、この順位を維持するためには、明日以降もベストを尽くす必要があると認識しています」

    オジエ「さらに改善が必要」
    「ラリーのスタートとしてはまずまずでしたが、完全に理想的だったとは言えませんし、さらに良い結果を期待していました」とセバスチャン・オジエは語った。

    「クルマのセッティングに関してまだベストなポイントを見つけることができていないため、思うようにプッシュできませんでした。今夜もクルマをさらに改善し、もう少しスピードを引き出す必要があります」

    「タイム差は全体的に非常に僅かだったため、細かい部分の調整が効くはずですが、今朝のイセガミズトンネルの1本目ではタイムをかなり失ってしまいました。エルフィンは今日非常に調子が良かったので、トップとの差はかなり開いていますが、プッシュし続けます」

    ソルベルグ「チームメイトと互角に戦えた」
    「全体的には良い一日でした。このクルマで日本のステージを走るのは初めてでしたが、ペースにはかなり満足していますし、どのステージでもチームメイトと互角に戦うことができました」とオリバー・ソルベルグは語った。

    「午前中の3本目のステージでは動物を避けるために減速せざるを得ず、そこでかなりタイムを失ってしまいましたが、それ以外はすべて順調でしたし、午後は自分たちが最速だったと思います」

    「まだまだ先は長いですが、引き続きプッシュしベストを尽くします」

    勝田貴元「諦めるつもりはない」
    「今日は期待していたほど順調にはいきませんでした。コンディションは非常に難しく、濡れて滑りやすい場所を把握するのが本当に難しかったです」と勝田貴元は語った。

    「残念ながら最初のステージでパンクをしてしまったことで、その後はウェットコンディションで、ハードタイヤを使わざるを得ませんでした。午後はタイムと順位を取り戻そうと全力を尽くしましたが、タイヤ戦略がうまく機能しませんでした」

    「まだ2日間残っていますし、諦めるつもりはありません。応援してくださるファンの皆さんのために、とにかく良い走りをしたいと思っています」

    パヤリ「正しい方向性を見出せた」
    「驚くほどトリッキーな一日でした。特に午前中は路面が非常に滑りやすく苦労しました」とサミ・パヤリは語った。

    「最初のステージのタイムはなかなか良かったのですが、その後は自分が望んでいたようなペースを見つけるのに苦労しました。その状況は午後も少し続きましたが、一日の最後にはステージ優勝を果たすことができました」

    「クルマのフィーリングも本当に良かったので、明日に向けて正しい方向性を見出せたことを願っています。ラリーはまだ始まったばかりなので、プッシュし続けなければなりません」

    ラリージャパン デイ1の結果
    エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ GR YARIS Rally1) 1時間13分07.0秒
    オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン(トヨタ GR YARIS Rally1) +15.7秒
    セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ(トヨタ GR YARIS Rally1) +17.1秒
    サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン(トヨタ GR YARIS Rally1) +41.5秒
    ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ(ヒョンデ i20 N Rally1) +58.2秒
    勝田貴元/アーロン・ジョンストン(トヨタ GR YARIS Rally1) +1分03.8秒
    アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア(ヒョンデ i20 N Rally1) +1分16.3秒
    ヘイデン・パッドン/ジョン・ケナード(ヒョンデ i20 N Rally1) +2分17.0秒
    ジョン・アームストロング/シェーン・バーン(フォード Puma Rally1) +2分40.9秒
    アレハンドロ・カチョン/ボルハ・ロサダ(トヨタ GR Yaris Rally2) +3分26.6秒

    (日本時間5月29日17時30分時点)

    デイ2は最長120km超の戦いへ
    競技2日目となる5月30日のデイ2は、愛知県のオバラ(小原)、岐阜県のエナ(恵那)、マウント・カサギ(笠置山)の3ステージを各2回走行。さらに豊田市に新設されたフジオカSSS(藤岡)を2回走行する。

    デイ2は合計8本のステージ、120.22kmの競技区間が設定されており、大会期間中で最長の一日となる。

    エバンスが首位を守るのか、それともソルベルグ、オジエらが差を縮めるのか。トヨタ勢同士による上位争いに注目が集まる。