カテゴリー: トヨタ

  • トヨタ:WEC 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース 予選レポート

    トヨタ:WEC 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース 予選レポート

    FIA 世界耐久選手権(WEC) 第3戦 モンツァ6時間レースの予選が7月17日(土)にイタリアのモンツァ・サーキットで行われ、僅差の争いの中、トヨタのGR010 HYBRIDはポールポジションと2番手グリッドを獲得。2台が最前列に並んで決勝レースをスタートする。

    ホセ・マリア・ロペスがアタックを担当したGR010 HYBRID 7号車は1分35秒899のトップタイムをマークし、今季2度目となるポールポジションを獲得。世界選手権ポイント1点を追加した。

    ブレンドン・ハートレーが予選を担当したGR010 HYBRID 8号車は、チームメイトの7号車から僅か0.062秒差の2番手で続き、開幕3連勝に向けトヨタの2台が最前列グリッドを占めることとなった。

    この日は予選に先立ち、2度にわたる練習走行が行われ、トヨタの2台は前日の走行とあわせて1,419kmを走破。チームは午後の予選へ向けて着実に準備を進めた。

    好天の下、予選セッションが開始された直後、コースへ出たばかりのロペスが駆る7号車が最初のシケイン進入でブレーキをロックさせてコースオフ。エスケープゾーンへの待避を余儀なくされ、アタック仕切り直しとなった。その一方で、順調にタイヤをウォームアップさせた8号車のハートレーが、アタック2周目にその時点でのトップタイムをマークした。

    コースオフでタイムをロスした7号車のロペスだったが、プレッシャーの下で素晴らしいアタックを見せ、3周目のアタックでハートレーのタイムを僅かに上回り、トップを奪取。その直後にLMP2車両がクラッシュし、セッションは赤旗中断となった。

    クラッシュした車両の排除後、残り3分でセッションは再開され、多くの車両が最後のアタックに出たが、トヨタの2台は日曜日の決勝へ向けてタイヤを温存するためにピットで待機。猛暑が予想される決勝レースでは、タイヤの摩耗が鍵になると予想される。

    ハイパーカーカテゴリーのライバルである、アルピーヌとグリッケンハウスの3台は最後のアタックに出たが、GR010 HYBRIDのタイムを更新するには到らず。トヨタ2台のGR010 HYBRIDは、18日(日)現地時間正午にスタートを切る6時間レースを最前列グリッドという理想的なポジションからスタートし、今季3勝目を目指す。

    WEC 第3戦 モンツァ6時間 公式予選結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 ベストタイム
    1 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    1:35.899
    2 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    1:35.961
    3 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    1:36.121
    4 708 ルイス・フェリペ・デラーニ
    グスタボ・メネゼス
    オリビエ・プラ
    グリッケンハウス・レーシング/
    グリッケンハウス 007 LMH
    1:36.686
    5 709 ロマン・デュマ
    フランク・マイルー
    リチャード・ウェストブルック
    グリッケンハウス・レーシング/
    グリッケンハウス 007 LMH
    1:38.323
  • トヨタ:WEC 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース 公式練習レポート

    トヨタ:WEC 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース 公式練習レポート

    FIA世界耐久選手権(WEC) 第3戦 モンツァ6時間レースの公式練習が7月16日(金)にイタリアのモンツァ・サーキットで行われた。今季、開幕から2連勝を飾ったトヨタは、新型ハイパーカー GR010 HYBRIDと共に3連勝を目指す。

    マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブするGR010 HYBRID 7号車は、開幕戦スパで3位、前戦ポルティマオでは2位でフィニッシュ。このイタリアラウンドで今季初勝利を目指す7号車は、初日の公式練習で1分38秒401のトップタイムをマークし、幸先の良いスタートを切った。

    開幕2戦を連勝で飾った、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車は、トップから0.134秒遅れの2番手タイム。今大会から参戦車両が1台増えたハイパーカーカテゴリーは、このセッションで5台全車が0.684秒内という僅差となっており、エキサイティングな戦いが期待される。

    ここモンツァは世界でも最も古いレースサーキットのひとつだが、トヨタにとってWECではあまり馴染みのないコースで、近年唯一の走行は2017年のプロローグテストにおける2日間のみ。このモンツァは昨年、WRCイベントも行われており、このWECの公式練習走行を経たことで、TGRにとってラリーと耐久の両イベントに参加した、珍しいコースということになる。

    GR010 HYBRIDにとって初走行となったモンツァでの最初の公式練習セッションは、次戦ル・マン24時間のコースに似た超高速なレイアウトでGR010 HYBRIDがどのような挙動を示すのかを確認する重要な機会となった。GTカーのアクシデントによる15分間にわたる赤旗中断があったが、終盤セッションが延長されたことで、チームは予定されていたプログラムをこなした。

    終盤軽い雨に見舞われたこのセッションで、チームはタイヤの分析に加え、様々な空力及びブレーキのセッティングを評価。この週末は暑くなることが予想され、タイヤ摩耗がレースにおける重要な要素となることが予想される。

    エンジニアとドライバーは本日の走行で得られたデータを解析し、セットアップを最適化、17日(土)の2度の練習走行に臨む。この練習走行に続き、決勝のスターティンググリッドを決定する予選が行われ、6時間で争われる決勝レースは18日(日)の現地時間正午(日本時間午後7時)にスタートが切られる。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    イタリアで再び走ることができてとても嬉しいです。私にとって、ヨーロッパでレースキャリアをスタートし、当時住んでいたのもイタリアなので、ふるさとのような感じもあり、コースもよく知っていますし、ここでのレースは楽しいです。私自身モンツァでレースを戦うのは2014年以来なので、再びここでレースができるのは本当に最高です。今日の練習走行では、週末へ向けてのGR010 HYBRIDのセットアップ改良を行い、順調な一日でした。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    まだ最初の練習走行を終えただけですが、このコースにおけるGR010 HYBRIDのセットアップベストとなる方向性を理解しようとしている段階です。上位勢のタイムが非常に接近していることから、方向性は間違っていないと思います。スパやポルティマオとは全く異なるキャラクターのサーキットなので、正しいセットアップの方向性を見出すために、まだやることはあるでしょう。とは言え、まずまずの良いレースウィークをスタートすることができました。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    モータースポーツへの情熱を常に感じられ、私にとってレースキャリアをスタートした場所でもあるモンツァに戻ってこられて素晴らしい気分です。今日はとてもスムーズな一日でした。セットアップを最適化するためにまだやるべきことはありますが、TGRの2台がトップ2のタイムをマークでき、良いスタートが切れたと思います。明日も更なるパフォーマンスを引き出すべく、作業を続けます。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    モンツァに戻れて嬉しいですし、GR010 HYBRIDでの初走行を楽しみました。私が担当したスティントでは雨粒が落ちてきてしまったり、コース上の混雑に阻まれたりと、簡単ではありませんでしたが、全体としては上手く行ったセッションでした。明日はもっと多くの周回をこなし、最大の目的である決勝レースへの準備を進めたいと思っています。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    GR010 HYBRIDはまだ2戦しか戦っていない新しい車両であり、学ぶべきことは沢山あります。私自身は、2017年のプロローグテストに参加できなかったため、耐久レースのプロトタイプ車両でモンツァを走るのは初めてですが、とても楽しんでいます。終盤僅かな雨に見舞われたのは残念でしたが、週末へ向けてまずまずのスタートが切れました。これから全ての面で調整していかなくてはなりません。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    とてもクリーンなセッションでしたし、ハイパーカーカテゴリー車のタイムが非常に接近しているのは良いことです。2台のGR010 HYBRIDは異なるテストをこなし、大きな問題はありませんでした。我々は常にGR010 HYBRIDの改良を続けており、走行を重ねるごとにクルマは良くなっています。様々なセッティングでのテストをこなしたことで、かなり仕上がって来ていると思いますし、感触は良いです。

  • トヨタ:WEC 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース プレビュー

    トヨタ:WEC 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース プレビュー

    トヨタは、約30年ぶりにFIA世界耐久選手権(WEC)が開催されるイタリアでの第3戦モンツァ6時間レースにおいて、ハイパーカー元年開幕3連勝を目指す。

    トヨタの新型ハイパーカーGR010 HYBRIDは、今季ここまで行われてきたベルギー・スパとポルトガル・ポルティマオの2戦を制し、モンツァの超高速コースに挑む。このモンツァ・サーキットは、トヨタの耐久レース参戦史において特別なコースでもある。

    1992年、ジェフ・リース/小河等組のトヨタのグループCカー TS010が、ライバルのプジョーを下し、トヨタにとって初となる世界耐久スポーツカー選手権での勝利を飾った。この勝利により、TS010はジャガーXJR-14やメルセデスベンツC11、ポルシェ962らとともに、モンツァでの勝利を挙げたグループCカーとして歴史に名を刻んだ。

    トヨタ TS010

    この1992年のモンツァ戦以降、イタリアではWECは開催されてこなかったが、モンツァは2017年のWECプロローグテストの舞台として使用された。ヨーロッパ最大の壁に囲まれた公園内に位置する、この伝統ある1周5.793kmのコースは、今季よりWECカレンダーの1戦に加わった。

    TGRは今季、素晴らしい開幕ダッシュを見せ、ドライバーズ、チームの両ランキングトップで第3戦に臨む。昨年のル・マン勝者であるセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID 8号車)の3名は今季ここまで2連勝でドライバーズランキング首位につけ、ディフェンディングチャンピオンであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス(7号車)の3名は両レース表彰台フィニッシュで続いている。

    シーズン開幕からの2戦はドラマティックな戦いとなったが、昨年2月以来、WECは無観客で実施され、大切な一つの要素である観客の皆様が欠けていた。しかし、今大会より、人数を限ってではありますが、サーキットに観客が戻ってくる。

    超高速で、長いストレートの直後にシケインが待ち構えるモンツァのコースは、ル・マンの舞台であるサルト・サーキットに似ており、開催時期が延期され8月21日(土)から22日(日)決勝レースとなった今年のル・マン24時間レースへ向けた準備として理想的だ。

    レースは、16日(金)午後の公式練習走行で幕を開ける。17日(土)はさらに2回の練習走行に続き、37台で争われる決勝に向けたスターティンググリッドを決定する予選が行われ、翌18日(日)の現地時間正午(日本時間午後7時)に6時間の決勝レースのスタートが切られる。

    村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WEC チーム代表):
    ファンの皆様の前で再びレースができることが楽しみで仕方ありません。レースの雰囲気に満ちた週末を観客の皆様と一緒に楽しむことが1年以上できていませんでした。イタリアの情熱的なモータースポーツファンの皆様を再び迎えることができ、モンツァは素晴らしいレースになるでしょう。実現にご尽力いただいたサーキット関係の皆様、レースオーガナイザーの皆様に深く感謝いたします。今回はル・マンに向けた重要なステップです。モンツァのトップスピードは高速で、ハードなブレーキングゾーンもあるためGR010 HYBRIDにとって過酷なレースとなりそうですが、チーム全員が今回の挑戦を楽しみにしています。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7):
    WECではモンツァのレースを戦ったことはありませんが、私自身は17歳の時にジュニアカテゴリーのレースで初めて走ったのがこのモンツァであり、とても良く知っています。私のキャリア初期にはイタリアに住んでいたこともありますし、イタリアでまたレースができるのは嬉しいです。このモンツァ戦はル・マン前の最後のレースでもあり、とても重要なレースウィークです。全てを着実にこなして、GR010 HYBRIDの性能を引き出し、信頼性を確認するとともに、我々自身の準備も整える必要があります。今大会から観客が戻ってくるのは素晴らしいことですし、イタリアのファンの皆様の前でエキサイティングなレースを見せることができたらと思っています。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7):
    モンツァに戻れるのは嬉しいです。数年前のプロローグテストで訪れましたが、TS050 HYBRIDでこのような超高速コースを走るのは本当に楽しかったです。GR010 HYBRIDでも同様に間違いなく楽しめるでしょう。ハイパーカーでモンツァを走るのは初めてなので、もちろん挑戦ですし、特にブレーキングや縁石通過時に向けて正しくセットアップすることが必要です。それらを上手く対応し、トップに立てることを期待しています。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7):
    モンツァに戻れてとても嬉しいです。モンツァでのレース自体はずいぶん長い間していませんが、キャリアの初期にこの近くに住んでいたことがあり、とても良い思い出があります。ジュニアカテゴリー時代に何度か優勝したこともありますし、WECでも勝てればと思っています。モンツァは耐久レースに最適なコースですし、前戦ポルティマオで良いパフォーマンスを見せられたので、今大会に向けてもとても期待が高まっています。ル・マン前の最後のレースですし、良いレースウィークにしたいと思っています。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8):
    モンツァはお気に入りのサーキットのひとつで、2017年以来となる訪問を本当に楽しみにしています。モンツァのような超高速サーキットを走るのは最高に気持ちが良いです。モンツァはブレーキングや縁石通過、そして荒れた路面でのトラクションなど、簡単なコースではないだけに、我々のハイパーカーがどれだけのパフォーマンスを見せられるのか楽しみです。大変な挑戦になるとは思いますが、ル・マンに向けての準備の助けにもなってくれるでしょう。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8):
    シーズンのスタートを2連勝で飾れたのはとても素晴らしいことで、モンツァでもこの勢いを維持していきたいと思っています。とはいえ今大会も簡単ではないことは分かっています。前戦ポルティマオではアルピーヌの速さを目の当たりにしましたし、グリッケンハウスも今回から2台体制で参戦してくるということで、彼らもさらに強力なライバルになるでしょう。ハイパーカーカテゴリーの争いはさらに接近した激しいものになると思いますが、我々もしっかりと準備をしてきました。ル・マンも目前に迫っているので、このモンツァ戦でも良い結果を得て、良い雰囲気でル・マンに臨めればと思っています。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8):
    スピードの殿堂とも言えるコースで、GR010 HYBRIDと共にレースができるというのは最高です。耐久レースにおいて素晴らしい歴史を持つモンツァがWECカレンダーの1戦として復活するというのは素晴らしいことです。新しいハイパーカーがル・マンと同じような長いストレートを持つコースを走るのは初めてのことであり、ル・マンと同じような空力セッティングが必要になるので、準備という面でも完璧な機会となるでしょう。もちろんル・マンへの準備というだけでなく、世界チャンピオン争いにおいてポイントを獲得することも重要であり、我々の目標は3勝目です。

  • トヨタ、記念すべき世界耐久選手権100戦目を1-2フィニッシュで飾る

    トヨタ、記念すべき世界耐久選手権100戦目を1-2フィニッシュで飾る

    2021年シーズン FIA 世界耐久選手権(WEC) 第2戦 ポルティマオ8時間レースの決勝レースが6月13日(日)にポルトガルのポルティマオ近郊に位置するアルガルヴェ・サーキットで行われ、2,3番手グリッドからスタートを切ったトヨタのGR010 HYBRIDは、大きなトラブル無く着実に8時間を走り抜き、トヨタにとって記念すべき世界耐久選手権参戦100戦目を1-2フィニッシュで飾った。

    チームは前日の予選でポールポジションを惜しくも逃したが、決勝レースではセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車が、チームメイトであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車と、ポールシッターのアルピーヌ36号車との三つ巴の首位争いを展開。最後まで接近戦を繰り広げ、僅か1.8秒差で7号車を制した8号車が開幕から2連勝。トヨタは世界耐久選手権100戦目で、通算32勝目を挙げた。

    開幕戦のスパ6時間レースに続き2連勝を飾ったトヨタは、チームの選手権ポイントで2位との差を22点とし、ドライバーズ選手権では8号車の3名が、2位の7号車に20点差をつけて首位を守っている。

    今季より新たな時代を迎えたハイパーカーカテゴリーの争いは、先月の開幕戦スパに続き、WEC初開催となったポルトガルでも三つ巴の激戦を展開。8時間の決勝レースは8号車のブエミが2番手、7号車のロペスが3番手グリッドからスタートを切り、序盤からポールスタートのアルピーヌ36号車を追撃した。

    最初の給油ピットストップ時には、トップ3台は10秒ほど離れていたが、首位のアルピーヌ36号車は燃料タンクが小さいため、やや早めにピットインし、これにより8号車のブエミが首位に浮上。アルピーヌ36号車は給油間隔が短く、回数が多くなる代わりに、燃料搭載量が軽く、ピット時の給油時間が短くなる。

    2台のGR010 HYBRIDは、2時間経過直前にコンウェイとハートレーへとドライバー交代。75周を終えたこの時点でも首位のアルピーヌ36号車とトヨタの2台によるトップ3台の差は10秒ほどという、息を飲むような接戦が続いた。

    8号車はハートレーに交代した直後、ブエミも序盤に苦しんだ、LMP2車両をかわすことに手こずりタイムロス。これによりコンウェイの7号車が8号車をかわし2位へと浮上した。次の給油ピットストップ時には、ハートレーの8号車のピットイン時に、再逆転するかと思われたが、コース上のトラフィックに阻まれ、7号車が再度先行した。

    レースが半分を過ぎた時点で、トヨタの2台はアルピーヌ36号車をかわし、7号車の小林と8号車中嶋が約10秒差での首位争いを展開した。

    残り3時間ほどになった頃、コースアウトしたLMP2車両がグラベルエリアにつかまり、セーフティカーが導入。これによりここまでに築いてきたトヨタの2台とアルピーヌ36号車とのマージンは帳消しとなり、トップ3台の差は再び縮まった。

    残り2時間半となったところでレースが再開されると、ロペスへと交代した7号車が首位をキープ。ブエミへと交代し、燃料をセーブする作戦を採る8号車が2位で続く形となった。

    レースは残り30分のところでフルコースイエローが出され全車スローダウン。ここでロペスの7号車は短い給油ピットストップを行い、最後まで走り切る作戦の8号車の3秒後方でコースに復帰した。7号車のロペスは8号車に迫り、チームは2台の首位争いを見守ったが、ブエミが守り切り、8号車が今季2勝目を挙げた。そのすぐ後でフィニッシュラインを越えた7号車が2位。8時間、300周のレースを終えた時点で、3位のアルピーヌ36号車とトップとの差は僅か1分8秒597だった。

    ハイパーカーによる戦いが続く次戦WEC第3戦は7月18日、イタリアのモンツァ・サーキットで行われる。

    村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WEC チーム代表)
    トヨタにとって記念すべき世界耐久選手権100戦目において、1-2フィニッシュという最高の形で勝利を飾ることができました。ドライバー、エンジニア、メカニックの素晴らしい仕事に感謝しています。我々はこの勝利のために激しい戦いを繰り広げました。それは3台のハイパーカーがコンマ数秒を争うエキサイティングなレースでした。誰にも失敗が許される状況ではありませんでしたが、ミスなく、ワンチームとなって努力できたことをうれしく思います。素晴らしい予選に続いて決勝でも勝利に向かって果敢に挑戦を続けたアルピーヌチームは素晴らしかったと思います。また、初めてとなったグリッケンハウスチームとの戦いも楽しむことができました。今後も彼らとの戦いを楽しみにしています。ハイパーカークラスがいよいよ本格的に動き出し、ファンの皆様には今後のレースでもたくさんの手に汗握るような接戦を楽しんでいただくことができると思っています。これまでポルティマオでは多くのテストを行ってきましたが、ポルトガルでのWECは今回が初開催となりました。現在のような状況の中で、各参戦チームを快く迎え、安心安全なイベントを準備、開催してくれたすべての関係者に感謝いたします。次戦のモンツァは1992年、我々が世界耐久選手権で初優勝した思い出の舞台であり、また良いレースをして、その時と同じ結果を迎えられるよう準備を進めていきますので、ぜひご期待ください。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    私のスティントは好調で、ペースも良かったです。コース上のトラフィックをかわしていくのはかなり難しく、給油のためピットへ入るときに少しピット進入で攻めすぎてしまい、チームをひやりとさせてしまいましたが、幸運にも規定速度まで落とすことができました。練習走行で若干苦戦し、決勝でレースペースを掴むための努力をしてきただけに、今日お見せすることができたスピードには満足しています。我々7号車はチェッカー目前で少しだけ給油をする必要があり、勝利を逃してしまったのは残念です。チームは素晴らしい仕事をしてくれました。ドライバーも良い走りを見せられたので、勝つことはできませんでしたが、チームが1-2フィニッシュできたというのは良い結果です。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    今日は皆良い走りができたと思います。レース状況次第では違う結果になったかも知れません。8号車は序盤に燃料をセーブしたことで、それが戦略的に上手く働き、最終的に僅かに我々よりも長く走ることが可能になりました。最後にフルコースイエローが出されたことで、そのタイミングで最後の給油ができ、通常よりもタイムロスを少なくできたのは幸運でした。レースを通して我々の7号車の方が僅かに速かったと思いますが、残念ながら今日のような結果も時々あります。まず、チームが1-2フィニッシュを果たすことが最優先です。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    このコースで他の車両をかわしながらの8時間というのは本当に大変なレースで、私自身、そのうちの4時間以上ドライブしていたので、ハードな一日でした。自分の走りには満足していますし、チームの1-2フィニッシュに貢献できて良かったです。1周の走行ペースではアルピーヌのほうが速かったですが、チームワークと効率よいレース運びで順位を取り返し、チームに取って大事な結果を勝ち取りました。7号車のエンジニア、ピットクルー、マイク、可夢偉、そして私自身もこのレースで本当によくやったと思います。セーフティカーが出るまでは好調に首位を走っていましたが、セーフティカーで状況が変わってしまいました。ペースも良かったのですが、それが結果には繋がりませんでした。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    世界耐久選手権100戦目を1-2フィニッシュで飾れたというのは素晴らしい結果です。非常に接近した戦いで、誰もが勝利を目指し、これ以上無いほど全力でプッシュし続けました。1-2フィニッシュを成し遂げた両チームを祝福します。こんな大変なレースで勝てるのは、本当に最高の気分です。タイトル争いについて語るのはまだ早いですが、少しでもポイント差を広げられるのは良いことです。今日のチームの働きと結果には満足しています。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    激しいバトルの末にレースを勝ち取ることができて感激しています。我々は7号車とは異なる戦略で戦い、それが結果に表れました。最初のスティントで給油までの周回を1周伸ばすことができ、それが効を奏しました。セーフティカーが出されたことも、最後に給油ピットをしなくて済むことに繋がり、今日のレースの鍵になりました。ペースを保ちながら極力燃料消費を抑える走りを続けました。最後のフルコースイエローは我々にとって少し不運で、それが無ければ7号車は給油ピット後にもっと後方のはずでした。しかし、レースでは時々こういうことも起こります。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    この勝利は努力の賜物です。中でもコース上のトラフィックは大きな要因でした。LMP2車両をパスするのは本当に困難で、彼らの協力も必要でした。我々はスタートから燃料消費を抑えることで戦略の幅を拡げ、それが上手く行きました。給油間の周回数を伸ばしながらもペースを維持できたので、本当に戦略を活かして戦えたと思います。チームのお陰です。全く異なる戦略を採ったにもかかわらず、残り20分の時点でもTGRの2台は全く差がありませんでした。レース全体を通して7号車との戦いでしたが、最終的に勝つことができるのは1台です。そして、TGRにとっては最高の1-2フィニッシュになりました。

    WEC 第2戦 ポルティマオ8時間 決勝結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ギャップ
    1 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    300
    2 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    300 1.800
    3 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    300 1:08.597
    4 38 ロベルト・ゴンザレス
    アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ
    アンソニー・デビッドソン
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    296 4 Laps
    5 28 ショーン・ゲラエル
    ストフェル・バンドーン
    トム・ブロンクヴィスト
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    296 4 Laps

    TOYOTA GR010 HYBRID

  • WEC:トヨタ 2021年 第2戦 ポルティマオ8時間 予選レポート

    WEC:トヨタ 2021年 第2戦 ポルティマオ8時間 予選レポート

    2021年シーズン FIA 世界耐久選手権(WEC) 第2戦 ポルティマオ8時間レースの予選が6月12日(土)にポルトガルのポルティマオ近郊に位置するアルガルヴェ・サーキットで行われ、トヨタのGR010 HYBRIDは8号車が最前列2番手グリッド、7号車が3番手グリッドを獲得した。

    13日(日)に行われる決勝レースは、トヨタが世界トップレベルの耐久レースシリーズにグループCカーで1983年の富士1000kmでデビューして以来、100戦目となる。

    この記念すべき決勝レースのスターティンググリッドを決定する予選では、非常に僅差でのアタックが繰り広げられた。2台のGR010 HYBRIDは2、3番手と好位置につけ、前戦スパ6時間に続き、このポルトガルラウンドでも勝利を目指し戦う。

    スパを制したセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車はチェッカー目前のアタックでタイムを伸ばし、トップのアルピーヌ36号車から僅か0.094秒差の1分30秒458をマークし2番手。ディフェンディングチャンピオンであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車はトップと0.176秒差の3番手グリッドとなった。

    開幕戦スパ6時間レース後の本レースでは、GR010 HYBRIDには26kgの最低重量増加及び最高出力と使用可能エネルギー制限という性能調整が施された。これにより、トヨタは同じカテゴリーのアルピーヌ、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスだけでなく、LMP2クラスの車両とも、僅差のラップタイムで争うこととなった。

    10分間の予選セッションは目まぐるしく順位が入れ替わる、非常にエキサイティングなものとなった。新品タイヤを装着してまずコースインした7号車のコンウェイは、最初にアタックしたタイムがトラックリミット違反で抹消。一度走行したタイヤでアタックした8号車のハートレーは上位タイムに届かずこの時点では5番手。その後、2周のアタックを経てコンウェイが2番手に入った。

    セッションの残り時間が少なくなっていく中、2台のGR010 HYBRIDは一旦ピットへ戻り、新品タイヤへ交換し、ポールポジション獲得へ向け最後の一発アタック。ハートレーはチェッカーを受ける最終ラップで自身のベストラップを更新、7号車をかわして2番手に浮上。コンウェイはベストラップ更新ならず、3番手で予選を終えた。

    予選上位につけたハイパーカークラス3台のタイムはコンマ2秒以下という僅差であり、ポルトガル初のWEC戦は接戦が予想される。8時間の決勝レースは現地時間13日(日)午前11時(日本時間同午後7時)にスタートが切られる。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID 7号車)
    非常に接近した予選セッションでしたが、もう少し良いタイムを出せたと思っているので少し残念です。GR010 HYBRIDのポテンシャルを全て引き出すことはできませんでした。最初のアタックではトラックリミット違反を取られてしまいましたが、次のアタックラップでさらにタイムを更新するつもりであったのであまり気にしていませんでした。新品タイヤに交換し、ポール獲得へ向けた再アタックに出ましたが、グリップを最大に発揮できるまでにはもう少し時間が必要だったようです。それでも、LMP2カーより前のポジションへ出ることができたのはよかったと思いますし、決勝レースでのスタートが少し楽になるでしょう。決勝レースでは、我々GR010 HYBRIDが競争力を持っていることは分かっています。差は非常に小さく、どの車両にもチャンスがありますが、可能な限り上位でフィニッシュすべく頑張ります。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID 8号車)
    我々は新しいハイパーカーでまだ経験を積んでいる最中で、色々なことを試しています。練習走行中、新品タイヤで苦戦したので、最初のアタックは一度走行したタイヤで挑みました。この作戦が上手く行かなかったときの代案も用意してあり、それが今回は効を奏しました。最後のアタックはプレッシャーもありましたが、なんとかタイムが更新できて満足しています。最前列グリッドを獲得できたのはチームの作戦とチームワークのお陰です。本当に僅差だったので、ポールポジションも獲得可能だったとは思いますが、最終的にはアルピーヌのものになりました。彼らはよかったと思います。予選トップ3がコンマ2秒以内ということで、決勝レースも最後まで接近戦が続くと思いますが、長いレースですし、コース上の他の車両をかわしていくのも大変です。LMP2カーともタイムが僅差なので、集中し、接触しないようミス無く戦うことが大事です。8時間の決勝レースはとても長い戦いになるでしょう。

    WEC 第2戦 ポルティマオ8時間 公式予選結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 ベストタイム
    1 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    1:30.364
    2 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    1:30.458
    3 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    1:30.540
    4 28 ショーン・ゲラエル
    ストフェル・バンドーン
    トム・ブロンクヴィスト
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    1:31.210
    5 38 ロベルト・ゴンザレス
    アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ
    アンソニー・デビッドソン
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    1:31.255
  • WEC:トヨタ 2021年 第2戦 ポルティマオ8時間 公式練習レポート

    WEC:トヨタ 2021年 第2戦 ポルティマオ8時間 公式練習レポート

    2021年シーズン FIA 世界耐久選手権(WEC) 第2戦 ポルティマオ8時間レースの公式練習走行1回目が6月11日(金)にポルトガルのポルティマオ近郊に位置するアルガルヴェ・サーキット行われ、TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)のGR010 HYBRIDは8号車が3番手、7号車が4番手で初日を終えた。

    1か月前に今季開幕戦として行われたスパ・フランコルシャン6時間レースで、ハイパーカー新時代での記念すべき初勝利を挙げたトヨタとGR010 HYBRIDは、ハイパーカーカテゴリーにおいて、LMP1アルピーヌに加え、新たなライバルとして、今大会はスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスを迎える。

    走行が開始された11日(金)は、90分間の公式練習1回目が実施され、LMP2クラスのイオタ38号車が1分33秒752でトップタイム。0.029秒遅れの2番手にアルピーヌの36号車が続いた。この日のセッションは非常に接近したものとなり、トップ10台が1秒以内のタイムとなった。

    開幕戦スパ6時間を制したセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車はトップと0.048秒差の3番手、ディフェンディングシリーズチャンピオンであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車はトップと0.055秒という僅差で4番手に続いた。

    トヨタにとって記念すべき世界耐久選手権100戦目となるこのポルティマオ8時間レース、ポルトガルでのWECは初開催となるが、トヨタにとって、ここポルティマオは馴染みのあるコースだ。

    チームは2012年にWECプロジェクトを開始して以来、ここポルティマオで定期的にテストを行っており、12月に行われたGR010 HYBRIDにとって初のフル走行テストもポルティマオだった。とはいえ、今日の公式練習走行が1周4.653kmのアルガルヴェ・サーキットでのWEC初の公式セッションとなる。

    12月のテスト時に比べて当然路面温度は高くなり、この日は約50度に達した。GR010 HYBRIDは12月のテスト時に比べ、車両セットアップや制御系のセッティングを改良し、ドライバーはこれまでの走行データとの比較や調整に多くの時間を費やした。

    チームはまた、今大会に向けてGR010 HYBRIDへ設定されたバランス・オブ・パフォーマンス(性能調整)により開幕戦スパと比較して、車両重量26kg増、そして1スティントあたり使用できるエネルギーが2MJ減、最大出力が5kW減とされたため、その対応も行う必要があった。

    公式練習走行中、アクシデントによるフルコースイエローに阻まれることもあったが、チームは決勝レースへ向け、車両のセッティングを最適化するための充分なデータを得るべく、暑いコンディションにおけるタイヤのパフォーマンスとタイヤ摩耗テストも行いながら、様々なメカニカル及び空力面でのセットアップの組み合わせを試した。

    この日、6人のドライバー全員が交代でステアリングを握り、32台が出場する、他のサーキットに比べて1周が短い、アップダウンの激しいコース上のトラフィックなどを経験。最終的に2台のGR010 HYBRIDは、合計で75周、349kmを走破した。

    公式練習は12日(土)にも2度行われ、その後、1人のドライバーがアタックしたタイムでグリッドを決定する予選、そして13日(日)に8時間の決勝レースが行われる。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    良いレースウィークのスタートを切ることができ、クリーンなセッションでした。チームはしっかりとクルマを準備してくれたので、今日のセッションは全くトラブル無く、多くのデータを収集できました。まだ決勝レースへ向け改良するためにすべきことは多いですが、ポジティブなスタートが切れましたし、ここまでは全てに満足しています。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    順調なセッションでした。前回最後にここを走ったのは冬だったので、暖かいコンディションで走れて良かったです。ただ、セットアップの面ではこれまでとは違うものが求められるでしょう。全ての車両が一斉にコースを走ることになるので、タフなレースになるでしょうし、そのトラフィックの中でクリアラップを得るのは運も必要になりそうです。大変なレースになるでしょうが、これも耐久レースです。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    私自身は今日数周しかしていないので、自分のスティントについてはあまり話すことはありません。今日のような高い温度での路面の感触を確認することはできましたが、あまりグリップは高くありませんでした。我々は予定されていたプログラムをこなし、マイクと可夢偉が多くのデータを集めてくれたので、今夜それらを分析します。私にとっては静かな一日でしたが、明日は変わるでしょう。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    セッション終盤のコースインで、フルコースイエローが出てしまったので、私自身はあまり多くの周回をこなすことができませんでした。個人的にはまだフィーリングを掴むまでには到っていませんが、セバスチャンとブレンドンによれば、路面温度により、タイヤの感触がかなり違うようです。これから車両の最適化を進める必要がありますし、まだまだ学んでいる最中です。路面コンディションが我々にとって良い方向へと改善してくれることを願っています。コース上のトラフィックはかなり厳しいでしょうし、予選も決勝も、我々にとって大きなチャレンジとなるでしょう。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    今日は充分な周回をこなせたとは言えませんが、我々はこれまでにここポルティマオである程度データを得ています。とはいえ今回はテストの時とは違い、夏の暑いコンディションなので、その点での違いはあります。特に大きく違うのはタイヤで、車の挙動も異なります。しかし我々はそれらを学び、これまでのところ順調です。今日は、分析すべき多くのデータを得ることが出来ました。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    フルコースイエローでセッションが中断されることもありましたが、それ以外はとてもクリーンなセッションで、我々の車両もノートラブルでした。バランス面でまだ少し改良の必要があります。この週末は路面温度が非常に高く、タイヤの選択が難しそうです。また、コース上のトラフィックも難敵で、それがこの週末の鍵になると思われます。

    WEC 第2戦ポルティマオ8時間 公式練習第1回目結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 タイム
    1 38 ロベルト・ゴンザレス
    アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ
    アンソニー・デビッドソン
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    37 1:33.752
    2 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    28 1:33.781
    3 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    36 1:33.800
    4 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    39 1:33.807
    5 34 ヤコブ・シュミコウスキー
    ルイ・デレトラズ
    アレックス・ブランドル
    インター・ユーロポル・コンペティション/
    Oreca 07-Gibson
    37 1:33.979
  • トヨタ、ポルティマオでのWEC走行テストに平川亮の参加を決定

    トヨタ、ポルティマオでのWEC走行テストに平川亮の参加を決定

    トヨタは、今シーズンSUPER GT、スーパーフォーミュラに参戦している平川亮が、6月にポルティマオで行われるTOYOTA GAZOO Racing WECチームの走行テスト(6月15-17日)に参加することを発表した。

    平川亮は、トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム(現TGR-DC)出身で、今シーズンはSUPER GTのGT500クラスにTGR TEAM KeePer TOM’Sから、スーパーフォーミュラにcarenex TEAM IMPULからそれぞれ参戦している。

    2017年には史上最年少でSUPER GTの年間チャンピオンを獲得、2016、2017年にはヨーロピアン・ル・マンシリーズに参戦し、ル・マン24時間レースにも出場。レーシングドライバーとして着実にキャリアを積んでおり、様々なレースでその速さや安定性を示している。

    トヨタは、今回の走行テストへの参加を通して、平川亮が将来につながる多くの経験を積むことを期待している。

    なお、本テストへの参加により、新型コロナウイルス感染症に関する水際対策措置としての帰国後14日間の自宅待機が求められるため、平川亮は6月19-20日に開催されるスーパーフォーミュラ第4戦(菅生)は欠場する。

  • WRC 第4戦 ラリー・ポルトガル:トヨタのエバンスが今季初優勝!

    WRC 第4戦 ラリー・ポルトガル:トヨタのエバンスが今季初優勝!

    5月23日(日)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・ポルトガルの最終日デイ3が、ポルト近郊マトジニョスを基点に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が今季初優勝を飾った。総合3位にはセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が入り、ドライバーおよびコ・ドライバー選手権で首位を堅持。今季3勝目を獲得したチームはマニュファクチャラー選手権トップの座を守り、2位のライバルに対するリードをさらに拡げた。

    また、前日のデイリタイアから再出走を果たしたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は総合22位で完走。TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムによりヤリスWRCで出場の勝田貴元は、WRC自己最高位となる総合4位でフィニッシュした。

    ラリー・ポルトガルの最終日デイ3は、サービスパークの北東エリアで、5本計49.47kmのステージが行なわれた。デイ2で首位に立ったエバンスはオープニングのSS16で2番手タイムの選手に8.9秒という大差をつけるベストタイムを記録。続くSS17、そしてSS19でもベストタイムを記録し、総合2位のライバルとのタイム差を26.2秒に拡大。そして迎えた最終のパワーステージでは安定した走りで5番手タイムを刻み、今シーズン初優勝を獲得。キャリア4回目、2020年にチームに加入してから3回目となる勝利を手にした。また、パワーステージでは1ポイントをボーナスとして獲得し、ドライバー選手権における順位を3位から2位に上げた。

    1番手スタートにより不利な路面コンディションでデイ1を走り続けたオジエは、初日に大きくタイムを失った。しかし、諦めずに粘り強く走り続け、デイ2では総合3位まで順位を回復。ただし、総合2位のライバルとはタイム差が大きくついていたため、デイ3では最終のパワーステージに向けて良い状態のタイヤを温存。総合3位でフィニッシュするとともに、パワーステージでは3番手タイムを記録してボーナスの3ポイントを獲得。エバンスに2ポイント差ながら、ドライバー選手権首位の座を守った。

    デイ3で再出走を果たしたロバンペラは、最終日の全ステージを走りきって経験を積み、パワーステージでは4番手タイムを刻んでボーナスの2ポイントを獲得。また、デイ2でオジエと激しく順位を争った勝田は、安定性を重視した走りで最終日を走破し、キャリアベストとなる総合4位でフィニッシュ。開幕から4戦連続でドライバー選手権ポイントを獲得した。

    豊田 章男 (チームオーナー)
    エルフィン、スコット、優勝おめでとう!
    前戦クロアチアでの悔しさをしっかり力に変えてポルトガルの難しい道を力強く走りきってくれました。チームにとっても貴重なポイントです。本当にありがとう!ファンの皆さまも熱い応援をありがとうございました!

    貴元は自身最高位となる4位おめでとう!
    私がポルトガルの途中結果を見たとき、貴元は3位のオジェに1.5秒差で迫っていました。クロアチアでステージトップをとった時、君の成長に本当に感動したけれど今回はそれ以上にとても“驚いた”。これからも、ぜひ私たちを“驚かせ”続けて欲しいと思います。

    トップを争えるドライバーになると今までには経験したことのない環境に直面し悩んだり迷ったりすることがあると思う。だけど、ぜひ私と私のチームを信じて欲しい。私たちはドライバーの成長を一番に考え、それを喜びにするチームだと思っています。これからも一緒に成長していこう。

    そして、ヤリマティ、こんなに離れたところで戦っているのに、君とは近くで一緒に働いている気持ちになれる。今週末、私が富士で使った“魔法の言葉”をヤリマティもさっそくポルトガルで使ってくれたみたいだね。

    おはようございます!Hyvaa huomenta!
    今、みんなに問いかけたらヤリマティも、チームのみんなもきっと「こんばんは!」「Hyvaa iltaa!」と答えるだろう。みんな今週末もハードワークをありがとう!Kiitos!

    すぐにイタリアに向けた準備が始まると思うのでチームのみんなにもよろしく伝えてください。また次の戦いに向けて、みんなでがんばろう!

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    この結果には本当に満足しています。ラリーの最初の段階では、表彰台の一番高いところでフィニッシュできるとは思えませんでした。しかし、ラリーで勝つためには最後のステージまで全てのコーナーをクリアしなければならず、最終的に我々は勝つことができたのですから、とても素晴らしい気分です。この週末、エルフィンは最も安定したドライバーでしたし、パフォーマンスも高いレベルにありました。また、チームも本当に良い仕事をしてくれて、多くのポジティブな収穫がありました。セブは3位を獲得してチャンピオンシップに多くのポイントを追加し、貴元も過去最高となる総合4位を獲得しました。カッレにとっては残念なラリーになってしまいましたが、きっと彼はモチベーションをさらに高め、強くなって戻ってくることでしょう。

    セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
    今日は総合3位を確実にすること、そしてパワーステージでボーナスポイントを獲得することに集中しました。最大ポイントを得るには至りませんでしたが、もちろんゼロポイントで終わるよりは、3ポイントでも獲得できたほうが良かったですし、合計18ポイントはポジティブな結果だといえます。優勝を争うことができなかったのは、喜ばしいことではありませんが、チャンピオンシップをリードしている状況でラリーに臨み、出走順1番でステージを走らなければならないのは想定内だったので、できる限りのことをしました。次戦のサルディニアもまた厳しい戦いになるでしょうが、努力を続けてペースの改善に努め、どうなるか様子を見たいと思います。毎戦確実にポイントを積み重ねていくことが、チャンピオンシップ争いにおいては重要なのです。

    エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
    優勝という形でラリーを締めくくることができたのは、もちろん素晴らしいことです。この週末は全てが順風満帆というわけではありませんでしたし、我々は最速ではなかったかもしれません。それでも、ペースはとても良く、パフォーマンスも全体的に安定していました。今朝は、2位とのタイム差がそれほど大きくなかったので、全力で挑む必要がありました。その結果、何度か良いステージタイムを刻み、アドバンテージを築くことができました。クロアチアでの失敗は非常に痛手だったので、今回は何事もなくラリーを走り切ることができて良かったです。

    カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
    この週末は、私自身にとっては残念な結果になりました。多くの問題に遭遇し、多くのポイントを獲得するチャンスを失いましたが、それがラリーというものですし、次の戦いに向けて前進するしかありません。今日は最初のループステージで、、次のラリーに向けて様々なセットアップを試すことができました。その後のパワーステージでは、他のドライバーに比べるとタイヤのコンディションはあまり良くなかったのですが、自分ができる限りのプッシュをして、2ポイントを獲得できたので良かったです。手持ちのタイヤで、あれ以上良いタイムを出すことはできなかったと思います。

    ラリー・ポルトガル デイ3の結果
    1 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) 3h38m26.2s
    2 ダニ・ソルド/ボルハ・ロザダ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +28.3s
    3 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +1m23.6s
    4 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +2m28.4s
    5 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +4m52.7s
    6 アドリアン・フォルモー/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +5m03.4s
    7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +9m37.2s
    8 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ Rally2) +11m20.0s
    9 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン(シトロエン C3 Rally2) +12m01.5s
    10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +12m35.8s
    22 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +22m10.2s

    WRC次戦は、6月3日から6日にかけてイタリアのサルディニア島で開催される、第5戦「ラリー・イタリア サルディニア」です。昨年10月以来の開催となるこのラリーは、ラリー・ポルトガルに続くグラベル(未舗装路)イベントです。ステージは全体的にハイスピードですが道幅は狭く、道のすぐ脇まで木々が迫ります。路面は目の細い砂状のグラベルに覆われていますが、何台かのクルマが走行すると下から岩盤や石が現れ、深い轍(わだち)も刻まれるなど、路面のコンディション変化が大きい1戦です。また、気温が上昇することも多く、ドライバーとクルマにとって非常にタフなラリーです。

  • トヨタ 豊田章男社長 「GR010 HYBRIDの可能性を見せてくれた」

    トヨタ 豊田章男社長 「GR010 HYBRIDの可能性を見せてくれた」

    TOYOTA GAZOO Racing チームオーナーであるトヨタの豊田章男社長が、2021年のFIA 世界耐久選手権(WEC)の第1戦 スパ6時間レースにおける新型ハイパーカー『GR010 HYBRID』のデビュー戦勝利についてコメントを発表した。

    5月1日(土)、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで2021年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racingの新型ハイパーカー、GR010 HYBRID 8号車がデビュー戦勝利を挙げた。

    7号車も3位で6時間を走り抜き、トヨタは2台揃っての表彰台獲得を果たした。

    ■豊田章男
    我々が日々続けているのは、もっといいクルマづくりです。
    ドライバーが安心安全に、そして運転を楽しみながら、ゴールに到着できるようなクルマを目指しています。
    その中でも、スポーツカーはさらに “速さ” と “強さ” が必要だと思います。

    FIA世界耐久選手権で、市販車により近いクルマで競うハイパーカークラスが始まりました。
    TOYOTA GAZOO Racingは、新たにGR010 HYBRIDというレースカーで、そのクラスに挑戦を始めました。
    週末に、その開幕戦となるスパ・フランコルシャン6時間レースが開催され、2台のGR010 HYBRIDが初めて耐久レースという厳しい道を走り始めました。

    その初めての道でこのクルマに関わったメンバーたちは、GR010 HYBRIDの “速さ” と “強さ” の可能性を見せてくれたと思います。
    1周のタイムを競う予選では7号車の小林可夢偉が2分0秒747という素晴らしいタイムでこのクルマの “速さ” を見せてくれました。ポールポジションでスタートした7号車の可夢偉やホセ、マイクは途中のアクシデントもあり決勝では3位となりましたが、一貴、セブ、ブレンドンの8号車はトップを走り続け6時間を走り切る “強さ” を見せてくれました。

    何が起こるかわからない初レースで、このクルマの “速さ” と “強さ” の可能性を感じさせてくれた6人のドライバーたちとチームのメンバーに感謝したいと思います。

    ただ、我々は “速さ” “強さ” “安心” “安全” その全てを今後も示し続けそして高め続けていかないといけません。
    レースはこれからも続きます。24時間レースもあります。
    どんな道でも走り続けられるクルマづくりをこのまま続けていってもらいたいと思います。
    そしてこのクルマで鍛えたものをお客様にお届けできるようにしてまいりたいと思います。

    ファンの皆さま、
    初戦を見守っていただきありがとうございました。
    これからもTOYOTA GAZOO Racingのもっといいクルマづくりを見守っていただければと思います。

    皆さま、よろしくお願いします。

  • WEC:トヨタ GR010 HYBRID 8号車がデビューウィン!

    WEC:トヨタ GR010 HYBRID 8号車がデビューウィン!

    5月1日(土)、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで2021年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racingの新型ハイパーカー、GR010 HYBRID 8号車がデビュー戦勝利を挙げた。7号車は3位で6時間を走り抜き、2台揃っての表彰台獲得を果たした。

    GR010 HYBRID 8号車のセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーは、6時間を通し、非常に僅差かつドラマチックな首位争いを展開。最後は2位のアルピーヌ36号車からの猛追を凌ぎ切り、ハイパーカー時代初レースの勝者として歴史に名を残すこととなった。

    新たなハイパーカー時代の開幕戦は、随所でドラマチックなバトルが展開されるレースとなった。WECのディフェンディングチャンピオンであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスがドライブしたGR010 HYBRID 7号車は、数々のトラブルに見舞われながらも3位でチェッカーを受けた。

    この勝利により、TOYOTA GAZOO RacingはWECのスパ戦で5連覇を達成。3年連続での世界チャンピオン獲得を目指す。

    午後1時半、快晴のスパ・フランコルシャンでWEC新時代開幕戦のグリーンフラッグが振られた。ポールポジションの7号車コンウェイは出場車両31台の先頭を切ってスタート。そのすぐ後にブエミの8号車が続きました。8号車は11周目に7号車をかわし首位に浮上。2台のGR010 HYBRIDが首位を争う後方からは、ライバルのアルピーヌ36号車が離れることなく追走する形となった。

    最初のピットストップで早くもドラマが起こった。先にピットインしたコンウェイの7号車はピットアウト時に手間取りタイムロス。翌周、8号車がピットへと向かった。

    8号車はこのピットで、今季より新たに導入された、給油時には最低35秒間給油ノズルが刺さっていなくてはならないという規則よりも僅かに早く給油ノズルを抜いてしまったため、次のピットストップ時に30秒間のペナルティを科されることとなってしまった。

    次のピットインで7号車はコンウェイからロペスへとドライバーチェンジ。ここでアルピーヌ36号車の先行を許すこととなった。レースが折り返しを迎える頃、ロペスは首位36号車との差を数秒へと猛追。ハートレーへと交代し、30秒のペナルティを消化した8号車はその後方3位で続いた。

    ハイパーカークラスの激しいバトルは続き、更なるドラマが待ち受ける。猛追を続けていた7号車のロペスが、GTクラスの車両と接触し、車両前部に軽いダメージを負ってしまった。この7号車を引き継いだ小林は、レースが残り2時間を切ったところでコースオフを喫し、グラベルエリアの砂の上でストップ。7号車はオフィシャルの車両に引き出され、レースへと復帰したが、3位へと順位を落としてしまった。

    ハートレーから8号車を引きついた中嶋が首位の36号車との差を詰めていく一方で、7号車は先のGTクラス車両との接触によりドライブスルーペナルティを科されることとなり、優勝争いからは脱落してしまった。

    最後の給油ピットストップで、8号車はブエミへと交代。終盤も着実な走りで2位36号車との差を守り切り、1分7秒196差でトップチェッカー。7号車は1周遅れの3位でフィニッシュした。

    GR010 HYBRIDの勝利により幕を開けたハイパーカーによるバトルはさらに激しさを増し、次戦は来月、WEC初開催となるポルトガルで、ポルティマオ8時間レースとして行われる。

    WEC:トヨタ GR010 HYBRID 8号車がデビューウィン!新たなハイパーカー時代初レースを歴史的勝利で飾る / 2021年 第1戦 スパ6時間

    村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WEC チーム代表)
    今日のレースは、チームにとって予測のできないドラマチックな展開になりました。ハイパーカーが新たな時代の競争の激しいカテゴリーとなり、世界中のファンの皆様の期待に添えられることを望んでいました。今後も接戦が多くみられる、エキサイティングな展開となることを望んでいます。世界的に大変な時期にもかかわらず安全にレースできる機会を与えてくれたWECとレース主催者に感謝いたします。我々はいくつかの難しい問題に直面しましたが、メカニック、エンジニア、またドライバーたちの大変な努力のおかげで、表彰台の中央で耐久レースの新時代を迎えることができました。レースウィーク中も困難な状況が多数ありましたが、チームは決してあきらめない姿勢を貫きました。実際に可夢偉は、コースを外れ、グラベルにスタックしてしまった後も、わずか数周でトップ車両を追い抜き、この姿勢を体現してくれました。今日のレースは、我々の次世代レーシングハイブリッド技術の力強いスタートになりましたが、引き続きGR010 HYBRIDの改善を続け、学び続けていきます。 今回スパ戦は、決して順風満帆なレースウィークではありませんでしたが、ただ、改善すべき点を浮き彫りにできたので、次戦前、特にル・マン前までにしっかり対応をしていきます。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    スタートは良かったのですが、厳しいレースになってしまいました。コースアウトした際、タイヤをロックさせてしまいましたが、車両を何かにヒットさせることは避けられました。不運にもこの時にグラベル上で動けなくなってしまい、レスキューカーにコースに戻して貰うまで待たなければなりませんでした。それまで我々のペースは良く、十分に勝利を狙える位置にいただけに残念です。今日は幾つかのトラブルがありましたが、まだまだGR010 HYBRIDの性能を最大限に引き出すための学習途上だと言うことがわかりました。いいパフォーマンスを示すことはできたと思いますが、幾つかまだ改善すべき点が残っています。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    レース中盤まではとても順調だっただけに、このような結果に終わりとても残念です。幾つかのトラブルに見舞われ、優勝争いからは脱落してしまいました。ドライブスルーペナルティだけなら取り戻せた可能性もありましたが、可夢偉のコースオフで周回遅れになってしまったことで表彰台が精一杯でした。我々はディフェンディングチャンピオンとして勝利でシーズンのスタートを切りたかったので、残念な結果ですが、みんな良くやってくれました。素晴らしいパフォーマンスを見せた8号車と、GR010 HYBRIDのデビュー戦で勝利を勝ち取るに値する仕事を成し遂げたチームに祝福を贈ります。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    まずチームとしての結果には満足しています。最初から決勝まで、浮き沈みの激しいレースウィークでしたが、重要なのはシーズンの開幕戦で、2台が表彰台に上がり、TOYOTA GAZOO Racingが勝利を挙げられたということです。8号車は素晴らしいレース展開をしていました。我々7号車は、十分に勝てるペースだと感じており、レースでも序盤はやや優位に戦えました。しかし、幾つかのアクシデントでそれを失ってしまいました。GTカーとの接触は後悔しています。とても難しい状況でした。今日の結果からは学ぶべきことが沢山あります。我々には今日のレースで勝てるスピードがあったということをポジティブに受け止め、次戦以降も頑張ります。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    TOYOTA GAZOO Racingのハイパーカーでの最初のレースで勝てたことを誇りに思います。我々はチームとして決勝レースで本当に良い仕事ができたと感じています。チームと全てのクルーと共にこの勝利を祝いたいと思います。なかなか一筋縄ではいかないレースでしたが、ドライバーとしてやるべきことをこなしました。コース上での追い抜きは非常に難しく、ミスをしやすい状況で、アルピーヌや何台かのLMP2カーといった強力なライバルと戦うのは容易ではありませんでした。そんな中で、ミス無く自分たちの役割を上手くこなすことができ、満足しています。一時はどうなるかと思っていただけに、素晴らしい結果です。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    ハイパーカー時代の最初のレースで勝つことができて最高の気分です。このレースに臨むにあたっての、我々へのプレッシャーは大変なものでした。7号車がポールポジションを獲得し、8号車が勝てたというのは素晴らしいことですし、我々がそれを成し遂げられて本当に嬉しいです。この大変な挑戦に向けて、チームはこの数週間ハードワークをこなし、多くのテストを重ねてきましたが、その全てがこの勝利で報われました。しかしまだまだ多くの面で改善が必要なことも分かっており、まだスタートは切られたばかりです。やるべきことは沢山あり、すぐにでも戻って作業を始めなければなりませんが、今日は少しだけ勝利を祝いたいと思います。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    この新たなハイパーカー時代を勝利でスタートすることができて素晴らしい気分です。挑戦無くしてこの結果はありませんでした。ドライバーとしてはとにかくミスを犯さないことを心掛け、周回毎に学ぶことがありました。GR010 HYBRIDでの、ダブルスティントの対応やコース上のトラフィック対処といった、昨年までのクルマよりもとても難しくなった課題についても、さらに理解を深めていかなくてはなりません。とはいえ、この初勝利は本当に嬉しいです。チャレンジングなレースでしたが、とても楽しめました。

    WEC 第1戦 スパ6時間 決勝結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
    1 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    162
    2 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    162 1:07.196
    3 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    161 1 Lap
    4 22 フィリップ・ハンソン
    ファビオ・シェーラー
    フィリペ・アルバカーキ
    ユナイテッド・オートスポーツ/
    Oreca 07-Gibson
    161 1 Lap
    5 38 ロベルト・ゴンザレス
    アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ
    アンソニー・デビッドソン
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    160 2 Laps
    6 28 ショーン・ゲラエル
    ストフェル・バンドーン
    トム・ブロンクヴィスト
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    160 2 Laps