カテゴリー: トヨタ

  • ハイパーカー初の予選でトヨタ GR010 HYBRIDが最前列1-2グリッドを獲得

    ハイパーカー初の予選でトヨタ GR010 HYBRIDが最前列1-2グリッドを獲得

    4月30日(金)、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで、2021年FIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦スパ・フランコルシャン6時間レースの予選が行われ、TOYOTA GAZOO RacingのGR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉がポールポジションを獲得。中嶋一貴がアタックした8号車が2番手で続き、2台のGR010 HYBRIDはこの歴史的ハイパーカーデビューレースを、最前列グリッドから並んでスタートすることとなった。

    今季よりWECの予選フォーマットは改訂され、一人のドライバーがアタックしたタイムで決勝のスターティンググリッドが決定される。マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブする7号車では、小林可夢偉が予選アタックを担当し、2分0秒747という素晴らしいタイムをマーク、またセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーが駆る8号車は中嶋一貴がアタックし、チームメイトから0.519秒遅れの2番手タイムとなり、TOYOTA GAZOO Racingにとっては完璧な予選セッションとなった。

    小林可夢偉のアタックでポールポジションを獲得した7号車は選手権ポイント1点を獲得。TOYOTA GAZOO Racingはスパ戦5連覇へ向けて準備を整えた。

    今週、TOYOTA GAZOO Racingはベルギーのスパにおいて月曜日から通算約15時間に渡るテストと練習走行セッションを精力的にこなした。7号車は技術的なトラブルに見舞われ、貴重な時間をロスしたが、チームは車両のセットアップとGR010 HYBRIDの制御に関する作業をしっかりと続けてきた。

    これまでの練習走行では他クラス車両とのラップタイム差は僅かだったが、注目の予選では、小林可夢偉と中嶋一貴は最低限の燃料を搭載し、新品タイヤで予選セッション開始と同時に先陣を切ってコースインすると、他車がいないクリーンなアタックラップで2台揃ってライバルを大きく引き離すタイムをマークして見せた。

    ハイパーカー時代の幕を開ける、2021年シーズン開幕戦スパ6時間の決勝レースは、5月1日(土)現地時間午後1時半(日本時間午後8時半)にスタートが切られる。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    ハイパーカーでの初予選でポールポジションを獲得できたことを本当に誇りに思います。今日までの道のりは簡単ではなく、今週も幾つかのトラブルに見舞われ、完璧とは言えませんでした。しかし予選では全てをかけてアタックし、GR010 HYBRIDもとても好調でした。燃料の少ない状態でのアタックは初めてでしたが1周目から素晴らしい走りができ、素晴らしい仕事でGR010 HYBRIDを仕上げてくれたチームには本当に感謝しています。新しいハイパーカーのルールの中で、ゼロからレースカーを作り上げるというのはとても難しいチャレンジでしたが、このラップタイムでそれに応えられたのは良かったと思っていますし、このクルマの開発の一員として貢献できていることを嬉しく思います。明日はさらにチャレンジングな一日になるでしょう。特にタイヤの摩耗についてはまだ克服しなければならないことが沢山あります。まずは信頼性を確保し、最優先事項はレースを確実に完走することです。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    私自身のアタックラップは完全にクリーンとは言えませんでした。GR010 HYBRIDはとても好調で、新品タイヤでのハンドリングも満足で、予選アタックを楽しむことができました。ただ、もう少しタイムは縮められたと思います。プロローグ・テストが始まったときに比べれば、クルマへの満足度は高まっていますし、コースの路面コンディションも向上しています。感触は良くなっていますが、1セットのタイヤで2スティント走る決勝レースはとても難しくなると思います。判断を間違わず、優勝争いをすること、それが我々の目標です。この週末の各走行セッションを通して見ると、我々のロングランでのペースが良いときもあれば、7号車の方が速かったときもあり、予想は難しいです。しかし、もちろん決勝レースでは優勝を目指してGR010 HYBRID同士ハードに戦えることを臨んでいます。

    WEC 第1戦 スパ6時間 公式予選結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 ベストタイム
    1 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    2:00.747
    2 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    2:01.266
    3 22 フィリップ・ハンソン
    ファビオ・シェーラー
    フィリペ・アルバカーキ
    ユナイテッド・オートスポーツ/
    Oreca 07-Gibson
    2:02.404
    4 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    2.02.652
    5 26 ロマン・ルシノフ
    フランコ・コラピント
    ニック・デ・フリース
    G-DRIVE RACING/
    Aurus 01-Gibson
    2:02.984
    6 29 フリッツ・ヴァン・イアード
    ギド・ヴァン・デル・ガルデ
    ヨブ・ファン・ウィタート
    レーシング・チーム・
    ネーデルランド/
    Oreca 07-Gibson
    2:03.435
  • トヨタ 2021年 開幕戦 スパ・フランコルシャン6時間 公式練習レポート

    トヨタ 2021年 開幕戦 スパ・フランコルシャン6時間 公式練習レポート

    トヨタはFIA世界耐久選手権(WEC)タイトル防衛を目指し、この週末ベルギーで行われる開幕戦スパ・フランコルシャン6時間レースに臨む。4月29日(木)、初日の公式練習が行われ、多くのチームによる総合優勝争いが予想されるWEC2021年シーズンのスタートが切られた。

    トヨタが今季に向けて開発した4輪駆動のル・マンハイパーカー GR010 HYBRIDは、今週月曜、火曜に行われたプロローグ・テストに続き、2021年最初のWEC公式走行セッションである公式練習1回目に参加。

    2台のGR010 HYBRIDは5月1日(土)に行われる決勝レースへ向けての車両最適化及び空力とメカニカル面でのセットアップ評価を行った。公式練習1回目の結果は、上位11台のラップタイムが1秒以内と、非常に接近した内容になった。

    昨シーズンの世界チャンピオンであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの3名が駆るGR010 HYBRID 7号車は2分4秒574の7番手でこの日のセッションを終え、ル・マンウィナーであるセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーの8号車は2分4秒947で10番手となった。

    今週前半に行われたプロローグ・テストで見せた、LMP2クラス車両の速さはこの日も続き、新たなレギュレーションにより昨年までのLMP1クラス車両よりもパフォーマンスを抑えた新型ハイパーカーを上回るタイムをマーク。LMP2クラス車両が総合優勝争いに加わる可能性を示した。この日の最速タイムはLMP2クラスのユナイテッド・オートスポーツ 22号車の2分4秒083だった。

    29日(木)の初日は、1回の公式練習セッションのみが行われたが、空には雲が重く立ちこめ、セッション開始時の気温は摂氏6度と、今週月曜日と火曜日に行われたプロローグ・テストよりも低いコンディションだった。GR010 HYBRIDはこのプロローグ・テストで、2台の合計290周を走破し、テストプログラムを完了している。

    プロローグ・テストのあと、エンジニアはドライバーと共にデータを分析し、1周7.004kmの伝統あるスパ・フランコルシャン・サーキットでのセットアップ改良を目標に懸命な作業を続けてきた。この日はセッション終盤に5分間の赤旗中断があったものの、2台のGR010 HYBRIDは順調に周回をこなし、合計67周、469kmを走破。エンジニアに有用なデータをもたらした。

    チームは明日30日(金)も2度の公式練習セッションをこなし、夕方に行われる予選に挑む。現時点で上位勢のタイム差はほとんどないため、僅差でのポールポジション争いが予想される。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    今日はあまり多く走れなかったので、自分たちの立ち位置を明確に把握するのは難しいですが、プロローグ・テストでも同じような状況だったので驚くことではないです。我々7号車はプロローグ・テストでもあまり走れなかったということもあり、もっとロングランして、GR010 HYBRIDを把握していくことが必要だと思っています。これまでのところ、7号車にとっては理想的なレースウィークにはなっていませんが、明日も改善のために全力を尽くします。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    今日はコースに戻れて嬉しいです。あまり周回を稼げたわけではなかったですが、感触は良かったです。何度かのロングランを試しましたが、順調でしたし、今日のようなより寒いコンディションでも車両バランスはさらにいい感触でした。まだやるべきことはありますし、明日の予選までに何ができるか楽しみです。ここスパではLMP2カーが強いですが、スパでのレースウィーク、これから何が起こるかまだ分かりません。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    プロローグであまり走れなかった分、今日は走行距離を伸ばせたのは良かったです。ラップタイムはシミュレーションでの予測通りとなりました。ここスパはタイヤ、車両どちらにとっても特殊なサーキットなので、車両の把握を深めるため、まだセットアップやタイヤについて学んでいる途中ですが、着実に進歩を遂げています。明日も順調にセッションをこなすことが最優先です。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    今日はまずまずな一日でした。LMP2カーとの比較では僅かに遅れを取っていますが、プロローグ・テストの時よりも感触はいいですし、このような挑戦も悪くありません。幾つかの解決策を見つけましたし、感覚的にはむしろポジティブです。ニュータイヤで何周かしたのも役立ち、バランスも良くなりました。GR010 HYBRIDの感触は改善されていて、扱いやすくなっていますが、まだやるべきことは残っています。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    公式シーズンの開幕を迎え、多くの周回を重ねることができてうれしいです。再びWECの舞台でドライブできて幸せですし、ラップタイムこそ期待通りではなかったとしても、セットアップは順調に進んでいると感じています。今日はずっとドライで走れたのも良かったです。ドライ路面であるだけでも嬉しいですが、これが週末まで続いてくれることを祈っています。良いデータも得られたので、明日へ向けて改良を進めます。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    予定通りに走ることができ、とても順調なセッションでした。幾つかセットアップの変更を試しましたが、今日は曇り空で、コースコンディションがプロローグ・テストの時とは異なりましたし、今後もどうなるか分かりません。プロローグ・テストのあと、異なるセットアップを試していますが、それらが車両バランスにどう影響するかを分析する必要があります。これら作業の全てが、GR010 HYBRIDに慣れ、決勝レースへ向けて改善していくために必要なプロセスです。

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
    1 22 フィリップ・ハンソン
    ファビオ・シェーラー
    フィリペ・アルバカーキ
    ユナイテッド・オートスポーツ/
    Oreca 07-Gibson
    27 2:04.083
    2 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    33 2:04.335
    3 70 エステバン・ガルシア
    ロイック・デュバル
    ノルマン・ナト
    リアルチーム・レーシング/
    Oreca 07-Gibson
    8 2:04.471
    4 28 ショーン・ゲラエル
    ストフェル・バンドーン
    トム・ブロンクヴィスト
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    30 2:04.475
    5 21 ヘンリク・ヘドマン
    ファン・モントーヤ
    ベン・ハンリー
    ドラゴンスピード USA/
    Oreca 07-Gibson
    33 2:04.482
    6 29 フリッツ・ヴァン・イアード
    ギド・ヴァン・デル・ガルデ
    ヨブ・ファン・ウィタート
    レーシング・チーム・
    ネーデルランド/
    Oreca 07-Gibson
    34 2:04.491
    7 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    32 2:04.574
    10 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    35 2:04.947
  • トヨタ、ハイパーカー『GR010 HYBRID』でシーズン前テスト完了

    トヨタ、ハイパーカー『GR010 HYBRID』でシーズン前テスト完了

    トヨタは、4月26日(月)と27日(火)の2日間にかけて、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われた2021年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)プロローグ・テストを完了した。

    今季より投入される新型のハイパーカー『GR010 HYBRID』は、26日(月)のプロローグ・テスト初日に、新たなレギュレーション下におけるライバル車両と初めて対峙することとなった。

    トヨタはこのテストで、準備していた多くのテスト項目をこなした。今回の主な目的は、この週末に迫った2021年開幕戦スパ・フランコルシャン6時間レースへ向けた、車両ハンドリングとセットアップの改良だった。

    昨シーズンの世界チャンピオンである小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名はGR010 HYBRID 7号車、昨年のル・マン24時間レース覇者であるセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーの3名は8号車のステアリングを握った。

    トヨタは冬季オフシーズン中のテストでまずGR010 HYBRIDの特性を把握し、その後セッティングの微調整を行った上で、2021年WECシーズン開幕前公式イベントとなる、このプロローグ・テストに臨み、また、このテストは新たなハイパーカーが他の全てのカテゴリーの車両と共にコースを走る初の機会にもなった。

    このテストには合計35台が参加。この中には、ハイパーカーカテゴリーのGR010 HYBRIDと直接のライバルとなるアルピーヌのLMP1カー、そしてLMP2プロトタイプカーと市販車ベースのGTカーまで、様々な性能レベルの車両が含まれる。

    26日(月)のテストセッションでは、7号車が油圧及び電気系のトラブルで走り出しが遅れ、パーツ交換のためピットガレージで時間を多く費やしてしまった。一方で8号車は、GR010 HYBRIDで初めて走るスパ・フランコルシャンでのタイヤ評価やセットアップ比較のために忙しい日となった。

    GR010 HYBRID 7号車にとって初日は厳しいものとなったが、2日目の27日(火)は全てのドライバーが走行し、GT車両との接触で修復に若干の時間を取られたものの、セットアップ及びタイヤ評価を順調にこなした。

    この2日間を通して、LMP2車両がハイパーカーカテゴリーと同等の速いラップタイムを記録し、総合トップタイムもLMP2車両だった。これは新たなハイパーカーの性能域が、昨年までのLMP1カーとは異なることを示している。

    トヨタは今回のプロローグ・テスト後スパ・フランコルシャンに留まり、28日(水)もシーズンを迎える開幕戦での走行セッションへ向けた準備を進めていく。開幕戦スパ6時間レースは29日(木)に練習走行が開始され、30日(金)には練習走行のあとに予選が行われる。ハイパーカー新時代の幕を開ける、6時間の決勝レースは5月1日(土)の現地時間午後1時半(日本時間午後8時半)にグリーンフラッグが振られる。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    スパに戻って来て、ようやくシーズンのスタートを切ることができて素晴らしい気分です。我々7号車にとってはタフな2日間でしたが、大変な作業でコースへと戻してくれたメカニックとエンジニアに感謝しています。月曜日、車両がガレージにいるのを見るのはもどかしかったですが、彼らは決して諦めずに修理してくれて、おかげで最終的には決勝レースに役立つ有用なデータを得ることができました。チームとして多くを学びましたし、車両のバランス改善にもとても役立ちました。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    我々7号車は当初ガレージで待機という厳しいスタートとなりましたが、メカニックの素晴らしい動きでコースに戻ることができ、幾つかトラブルもあったものの、2日目は多くの走行をこなすことができました。バランスも良く、レースペースで重要な安定性や信頼性への作業も進められました。2日目が順調だったおかげで多くのデータを得られたので、それを活かして木曜日からの走行でさらに改良を進めたいと思っています。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    レースの現場に戻ることができて本当に嬉しいです。もうすぐ5月になろうかという時期で、昨年の最後のレースからずいぶん長い時間が経ちました。耐久レースはタフなスポーツで、我々は常にもっと多くの周回を重ねたい、更なる準備をしたいと望んでいるものですが、クルマに乗っている時間は順調でしたし、感触も良かったです。他の車両と一緒に走ることのできたこのテストは有意義でした。1台でコースを走っていると、常に同じラインで、同じ場所でブレーキングすることになります。多くの他の車両と走るとそれは不可能で全く別物になりますし、シーズンに向けてとても良いトレーニングになりました。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    プロローグ・テストは、他の多くの車両と一緒にコースを走るチャンスという意味でも、我々のオフシーズンテストにおいてとても重要な役割を果たしています。決勝レースへの準備の段階で、他の車両と一緒にテストする方が良いのは明らかです。単独走行では、遅い車両への対応や、タイヤのパフォーマンスを適切に保つことを学ぶのが難しいです。この2日間のテストでも、多くの接触やアクシデントが発生したように、多くのカテゴリーの混走は容易ではありませんが、レースのためにはこのような練習が必要です。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    2日間を通して改良のために様々な取り組みを試し、多くのデータを得ることができました。天候がどうなるかわかりませんが、週末のレースでさらに力強いパフォーマンスを見せられるよう、クルマの改良に全力を尽くします。最後のレースからずいぶん時間が経ってしまったこともあり、容易ではない他カテゴリーの車両との走行の練習が少しでもできたのは良かったです。この2日間、コース上で多くのアクシデントが発生しましたが、我々の車両はトラブル無く進めることができたので、あとは決勝レースへ向けての改善に集中するだけです。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    ようやくWECのパドックに活気が戻り、コース上に全ての車両が並んでいるのを見られて最高です。この2日間のプロローグ・テストは好天に恵まれました。スパ・ウェザーが変わりやすいのはよく知っていますが、週末までこのまま天候がもってくれることを祈っています。我々はオフシーズンのテストや準備で多くの時間を費やしてきましたが、今回がGR010 HYBRIDにとって初めて他のカテゴリーとの混走だったので、その中で順調に走れて良かったです。ハイパーカー時代としての新たなシーズン開幕が楽しみです。

    WEC プロローグ・テスト 2日間総合結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
    1 26 ロマン・ルシノフ
    フランコ・コラピント
    ニック・デ・フリース
    G-DRIVE RACING/
    Aurus 01-Gibson
    233 2:04.168
    2 22 フィリップ・ハンソン
    ファビオ・シェーラー
    フィリペ・アルバカーキ
    ユナイテッド・
    オートスポーツ/
    Oreca 07-Gibson
    197 2:04.284
    3 38 ロベルト・ゴンザレス
    アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ
    アンソニー・デビッドソン
    イオタ/
    Oreca 07-Gibson
    218 2:04.582
    4 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    205 2:04.669
    5 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    85 2:04.708
    6 29 フリッツ・ヴァン・イアード
    ギド・ヴァン・デル・ガルデ
    ヨブ・ファン・ウィタート
    レーシング・チーム・
    ネーデルランド/
    Oreca 07-Gibson
    138 2:04.775
  • トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー デイ3 レポート

    トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー デイ3 レポート

    4月25日(日)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦クロアチア・ラリーの最終日デイ3が、首都ザグレブのサービスパークを基点に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)が優勝。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合2位でフィニッシュした。

    クロアチア・ラリーの最終日は、サービスパークの北側で2本のターマック(舗装路)ステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は78.58kmだった。最終日もザグレブ周辺は好天に恵まれ、ドライコンディションでの戦いになった。デイ3は首位のオジエを総合2位のエバンスが6.9秒差で、総合3位のライバルが10.4秒差で追う状況でスタート。最初の2本のステージはエバンスが連続でベストタイムを記録し、リエゾン(移動区間)でのロードアクシデントでクルマの右サイドと空力パーツにダメージを負ったオジエを抜かし首位に立った。アクシデントでは怪我をした人が誰もいなかったため、オジエは競技を続行したが、ふたりのタイム差は最終ステージが始る前の時点で3.9秒、オジエと総合3位のライバルは4.1秒差だった。

    そして迎えた最終ステージのSS20は、トップ5タイムを記録した選手とチームにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」。エバンスよりも先にスタートしたオジエは、渾身のアタックでその時点で最速のタイムを刻み、エバンスを待った。エバンスは最後のセクションまで首位を守りきれるくらい速いペースで走行していたが、フィニッシュ付近のコーナーでラインが膨らみタイムロス。ベストタイムのオジエから4.5秒遅れの4番手タイムでステージを走り終え、僅か0.6秒差で総合2位に。オジエが、逆転で開幕戦モンテカルロ以来となる今季2勝目を獲得した。0.6秒というタイム差は、WRCの歴史において史上3番目の僅差だった。

    オジエはパワーステージを制したことで、最大となる5ポイントをボーナスとして獲得。ドライバー選手権で首位に復帰しました。また、エバンスはドライバー選手権で単独3位に。オジエとエバンスが1-2フィニッシュを飾ったことで、チームはマニュファクチャラー選手権トップの座を守り、2位のライバルチームとの差を27ポイントに拡大した。

    なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、安定した走りで最終日の4ステージを走行。前日よりもひとつ順位を上げ、開幕から3戦連続となる総合6位でフィニッシュした。

    豊田 章男 (チームオーナー)
    WRC初開催のクロアチアでオジエ、イングラシア組が我々のチームに勝利をもたらしてくれました。セブ、ジュリアン、そしてチームのみんな、おめでとう! 二人はリエゾンを走っている時に事故に遭い、その後走りにくい状況に陥ったにも関わらず、諦めずに走り続けて勝利を手にしてくれました。二人の走りに感謝したいと思います。最後まで勝利を争ったエルフィン、スコットの二人も素晴らしい走りでした。ワンツーフィニッシュをありがとう。

    貴元はステージトップタイムを2回もとってくれました。WRCでのトップタイム、本当にすごいことです。先日、帰国した際の私からのアドバイスが役に立ったね…と言いたいところですが、努力を続けている貴元自身の成長の結果だと思います。次戦以降も楽しみにしてます。

    序盤戦のカッレのコースオフにも驚きました。カッレもヨンネも無事で本当によかったです。ほとんど走れませんでしたが、学びの多いラリーになったと信じています。

    ヤリ-マティのチームを見ていると毎戦、メンバー全員でその力を発揮してくれていると思います。次戦ポルトガル以降、またインターバルなくイベントが続いていきますが、みんな健康第一で戦いに備えてください。

    ファンの皆さま、今回も応援ありがとうございました。次戦以降もTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamにご期待ください。引き続き応援よろしくお願いいたします。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    今日のように、選手たちが優勝をかけて戦っている状況で、ステージ上の出来事を追うのはとても緊張しますし、興奮します。エルフィンは最後のコーナーで少しだけはみ出し、結果的にそこで勝負が決まってしまったのはとても残念ですが、彼もセブもプッシュしなくてはならなかったと思いますし、セブの最終ステージの走りは見事でした。彼らの今週末の戦い、そして今回も1-2フィニッシュを飾りチームに素晴らしいリザルトをもたらしてくれたことを誇りに思いますし、とても満足しています。

    セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
    まるでジェットコースターのように、感情が大きく揺れ動いた週末でした。何よりも重要なのは、今朝のロードセクションでのアクシデントで、怪我をした人がいなかった事ですし、私にとってはそれが最大の気がかりでした。私のラリーはそこで終わってしまうのではないかとさえ思いましたが、クルマのダメージはそれほど大きくなく、競技を続けることができました。あれだけのことが起きたので、優勝できるとは思っていませんでしたが、皆さんが知っているように私は決して諦めない男ですし、最後まで戦い続けようとしました。今週末、良い仕事をしていたエルフィンには同情していますし、特に今朝は強かったです。しかし、我々もこの週末ペースは良かったのに、いくつか問題が起きその都度タイムを失いました。チームのために、今回も1-2で表彰台に立つことができて、嬉しく思います。

    エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
    最後のステージでラリーをリードしていながら、総合2位で終わるというのは望んでいた結果ではありません。最後のステージでセブが本当に速かったのは事実ですが、私は最後のコーナーでミスをしてしまいました。とても悔しいですが、決して悪くない結果だと思いますし、チームにとっては非常に良いリザルトです。チームはセブと私のためにとても良い仕事をしてくれましたし、今週末は素晴らしいクルマを用意してくれました。最初から最後まで全力で戦い、ラリーを楽しむことができました。

    クロアチア・ラリー デイ3の結果
    1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) 2h51m22.9s
    2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +0.6s
    3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +8.1s
    4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m25.1s
    5 アドリアン・フォルモ−/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +3m09.7s
    6 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +3m31.8s
    7 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +3m58.8s
    8 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +4m28.2s
    9 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン (シトロエン C3 Rally2) +10m00.8s
    10テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ Rally2) +10m29.3s

    次回のイベント情報
    WRC次戦は、5月20日から23日にかけてポルトガル北部のマトジニョスを中心に開催される、第4戦「ラリー・ポルトガル」。2年ぶりに開催されるこのイベントは、今シーズン最初のグラベル(未舗装路)ラリー。また、今シーズンからワンメイク供給されるピレリのグラベル用タイヤを装着して臨む最初のラリーとなるため、チームとドライバーにとっては新たなる挑戦となる。ポルトガルのステージは路面に砂や石が多く、1回目の走行では砂に覆われていた路面が、2回目の走行では砂が掃けて下から石が現れ、深い轍(ワダチ)も刻まれるなど、コンディションが大きく変わるのが特徴だ。

  • トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー デイ2 レポート

    トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー デイ2 レポート

    4月24日(土)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦クロアチア・ラリーの競技2日目デイ2が、首都ザグレブのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)が前日の総合2位から首位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位から総合2位に、それぞれ順位を上げた。

    クロアチア・ラリーの2日日は、サービスパークの南西エリアで4本のターマック(舗装路)ステージを各2回走行。8本のステージの合計距離は121.92kmと、今大会最長の1日だった。前日に続きステージの上空には青空が広がり、ステージコンディションは1日を通してドライ。ヤリスWRCは全車がスペア1本を含む5本のハードタイヤを選択して午前のステージに臨んだ。首位のライバルとは異なるタイヤ選択だったが、オジエはまずオープニングのSS9でベストタイムを記録。順位をひとつ上げて首位に立った。さらにSS12でもベストタイムを刻み、SS11を制した総合2位のエバンスに7秒差を築いて午前中のステージを終えた。

    午後の再走ステージ1本目、オジエは右フロントタイヤにダメージを負いやや遅れをとったが、SS15でライバルとベストタイムを分け合い、さらにSS16でこの日4本目のベストタイムをマーク。エバンスに6.9秒差、総合3位のライバルに10.4秒差をつけて長い1日を終えた。

    なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、SS10で今大会初のSSベストタイムをマーク。続くSS11では3番手タイムを刻み、さらにSS14で2回目のベストタイムを記録するなど1日を通してトップドライバーに匹敵する速さを示し、前日の総合9位から総合7位へと順位を上げた。勝田の活躍もあり、ヤリスWRCはデイ2の8本のステージのうち、7ステージでベストタイムを記録した。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    今日の結果にはとても満足しています。セブもエルフィンも本当に頑張ってくれましたし、今朝はすぐに1-2体制を築くことができました。それに加え、貴元も素晴らしいステージタイムを記録しました。彼の成長を見ることができて本当に嬉しかったです。そして、選手だけでなく、チームのみんなや、正しいタイヤ選択のために必要な情報を伝えてくれたルートノートクルー(グラベルクルー)にも感謝しています。クルマの調子は良く、ドライバーも概ねセットアップに満足していたので、運転だけに集中できる環境が整ったと思います。あとは、この良い状態を明日も維持するだけです。明日はかなり大変な1日になるでしょうし、最後のパワーステージは今大会もっとも難しいステージになるかもしれないので、最後までビッグチャレンジが続くと思います。

    セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
    今日は、良いリズムで走り続けることができて、とても好調でした。午前中は正しいタイヤを選んだと思いますし、クルマのフィーリングも最高でした。その結果トップに立ちましたが、差はそれほど大きくありませんでした。午後最初のステージではタイヤの空気が抜け10秒程度失いましたが、それでも素晴らしいリズムで走れたのはポジティブなことですし、首位を守ることもできました。とはいえリードは十分ではないので明日も攻め続けなければなりません。ステージはまだ80km近く残っていますし、上位3台が10秒以内にいるので、明日もエキサイティングな戦いになるでしょう。

    エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
    今朝のステージはチーム全体がとても好調でしたが、セブは私よりも少し速かったと思います。昨晩、クルマのセットアップを変更して今朝のステージに臨んだのですが、路面がダーティなセクションにはあまりマッチしませんでした。午後は、1本目こそ満足できるタイムではなかったですが、それ以降のステージは良かったと思います。セッティングを変更したことにより、自信を持って走ることができました。ラリーを戦いながらいろいろ試してきましたが、ようやく満足できるセッティングを見つけることができたので、明日が楽しみです。明日の最終日は、他のラリーの日曜日とやや異なり、非常に難しいステージを2回走ります。走行距離も長いですし、勝負は最後まで続くでしょう。

    クロアチア・ラリー デイ2の結果
    1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) 2h06m35.8s
    2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +6.9s
    3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +10.4s
    4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +37.8s
    5 アドリアン・フォルモ−/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +1m29.5s
    6 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +2m23.8s
    7 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +2m46.5s
    8 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +3m51.8s
    9 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン (シトロエン C3 Rally2) +7m06.0s
    10テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ Rally2) +8m09.6s
    (現地時間4月24日18時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

    明日のステージ情報
    ラリー最終日となる4月25日(日)のデイ3は、サービスパークの北側で日中のサービスを挟むことなく2本のステージを各2回走行。SS17とその再走ステージであるSS19は、今大会最長となる全長25.20kmのロングステージ。また。最終ステージのSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4本のSSの合計距離は78.58kmと、最終日としてはかなり長い距離を走行。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は325.13kmとなる。

  • トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー デイ1 レポート

    トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー デイ1 レポート

    4月23日(金)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦クロアチア・ラリーが開幕。首都ザグレブのサービスパークを中心に8本のステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位につけた。なお、開幕2戦が終了した段階でWRC史上最年少でドライバーズ選手権首位に立っていたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は、コースオフによりリタイアとなった。

    WRC初開催となるクロアチア・ラリーの初日は、サービスパークの南西エリアで4本のステージを各2回走行。8本のステージの合計距離は99.82kmだった。WRCでターマック(舗装路)のステージだけを走行する「フルターマックラリー」が行われるのは2019年の8月以来であり、WRC初開催イベントであることに加え、今シーズンから新たにワンメイクタイヤとなったピレリ・タイヤを履いてのラリーとなるため、各チームともデータが十分ではない状態で競技初日を迎えた。夜中に降った雨は朝までに上がり、金曜日は早朝から好天に恵まれた。しかし、午前中のステージに関しては一部に濡れた路面が残り、また、ドライ路面であっても舗装の状態が刻々と変化する、非常にトリッキーなコンディションとなった。

    開幕2戦が終了した時点でドライバー選手権3位につけているオジエは、午前中のSS3でエバンスとベストタイムを分け合った。さらに、午後の再走ステージではSS6、7、8と3ステージ連続でベストタイムをマーク。記念すべきキャリア通算600本目のベストタイムを記録し、エバンスを抜いて首位と7.7秒差の総合2位でデイ1を走破した。

    ドライバー選手権でオジエと同ポイントのエバンスは、3本のステージで2番手タイムを刻み、SS3ではオジエとベストタイムをシェア。1日を通して安定した走りを続け、オジエと僅か0.3秒差の総合3位につけた。また、ロバンペラはドライバー選手権のリーダーとして1番手でSS1に臨んだが、ステージ終盤の非常に滑りやすい右コーナーでコースオフ。ロバンペラとコ・ドライバーのヨンネ・ハルットゥネンに怪我はなかったが、クラッシュによるダメージがクルマのロールケージにまで及んだため、競技続行は不可能となりラリーからリタイアすることになった。

    なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元はSS3終了時点で総合7位につけていた。しかし、その後ジャンクションでのオーバーシュートやエンジンのストールによって遅れ、総合9位で初日を終えた。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    今日の結果には概ね満足しています。戦いは非常に激しく、セバスチャンとエルフィンは首位のライバルを追い続けましたが、特に午後の再走ステージはとても良かったと思います。午前中のステージは予想していたように難しく、ステージは路面のグリップ変化が多く、ドライバーは大変だったと思います。しかし、サービスでセットアップを少し変更したところ、彼らはクルマに対して自信を持つことができたようです。明日、首位に挑むために非常にいい位置につけていると思います。残念ながら、カッレはこのラリーで多くの経験を積むことができませんでした。彼がコースオフしたのは非常にトリッキーな場所で、このようなことは十分起こり得るものです。何よりも重要なのは、カッレとヨンネが無事だったことです。あとはただ、前に進むしかありません。

    セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
    今朝は難しいスタートになりましたが、その後挽回することができたので満足しています。最初のステージでは、カッレがコースオフしたコーナーと同じ場所で、私も危ない目に遭いかけました。驚いたことに、そのコーナーは他よりもさらに滑りやすく、コーナリングラインがワイドに膨らみ、不運にもタイヤがホイールのリムから外れタイムを失ってしまいました。また、今朝はラリー前のテストで試していなかったセットアップで走りましたが、あまり満足することができず、その後サービスで経験のあるセットアップに戻したところ、すぐにフィーリングが好転しました。午後は調子が良く、首位戦いに参加できたので、明日もこの勢いを保ち続けたいと思います。

    エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
    完璧なラリー初日ではありませんでしたが、全体的には順調な1日だったと思います。午前中のステージは非常に難しくコンディションも変わりやすかったですが、とても良かったと思います。午後も悪くはなかったのですが、どのステージも数秒ずつ遅れ、特に午後好調だったセブと比べると差がついてしまいました。とはいえ全体的にクルマの調子は良く、明日に向けていくつか改善策を考えていますし、もちろん明日も戦い続けます。

    カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
    今日の1本目は非常にトリッキーで滑りやすく、アンダーステアが出やすいステージでした。ステージ終盤のダウンヒル区間でも攻め続けていたのですが、高速の右コーナーがとても滑りやすく、少し進入スピードが高すぎたこともあり、タイヤのグリップを失ってコースを外れ、大きなクラッシュを喫してしまいました。私とヨンネが無事だったのは不幸中の幸いでしたが、チームに対しては本当に申し訳なく思います。コースオフは自分のミスによるものですし、今後のためにこの経験から学ばなくてはなりません。

    クロアチア・ラリー デイ1の結果
    1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 55m36.8s
    2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +7.7s
    3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +8.0s
    4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +31.9s
    5 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +54.8s
    6 アドリアン・フォルモ−/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +1m14.7s
    7 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +1m21.7s
    8 ピエール=ルイ・ルーベ/ヴィンセント・ランデ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m31.5s
    9 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +2m23.2s
    10 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン(シトロエン C3 R5) +3m17.6s
    R カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC)

    明日のステージ情報
    競技2日目となる4月24日(土)のデイ2は、サービスパークの南西エリアで、4本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。8本のステージの合計距離は121.92kmと、今大会最長1日となる。また、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は458.37kmとなる。

  • トヨタ、新世代ハイパーカー『GR010 HYBRID』が開幕戦スパ6時間でデビュー

    トヨタ、新世代ハイパーカー『GR010 HYBRID』が開幕戦スパ6時間でデビュー

    5月1日(土)にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われるスパ6時間レースは、2021年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦であると共に、ル・マン24時間レースへとつながる耐久レースがハイパーカーで争われる、新たな時代の幕開けでもある。

    TOYOTA GAZOO Racingはこのスパ6時間レースに新型ハイパーカー『GR010 HYBRID』で臨む。

    1980年代から90年代にかけて活躍した、伝説的なグループCカーの直系の後継者とも言えるLMP1カーの時代が終わり、耐久レースのトップカテゴリーはル・マン・ハイパーカーの新時代へと移る。

    WECの世界チャンピオンを勝ち取り、ル・マン24時間レースを3度制覇したTOYOTA GAZOO Racingは、2021年最初のマニュファクチャラーとして、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスと共にハイパーカーのグリッドに並ぶことになる。そして今後はアウディ、フェラーリ、プジョー、ポルシェといったライバルもこの戦いに加わる予定となっている。

    プレシーズンの充分なテストプログラムにより、新型ハイパーカー GR010 HYBRIDの実戦デビューへの準備は整っている。チームは世界チャンピオンの防衛と、ル・マン24時間レース4連覇を目指し、昨年と同じドライバーラインナップでシーズンに臨む。

    昨年ワールドチャンピオンに輝いた、チーム4年目のシーズンとなる小林可夢偉、マイク・コンウェイとホセ・マリア・ロペスの3名がGR010 HYBRID 7号車を、そして昨年のル・マン24時間勝者である中嶋一貴、セバスチャン・ブエミとブレンドン・ハートレーの3名がGR010 HYBRID 8号車をドライブする。

    昨年10月の初走行以来、チームは3つのサーキットで合計数千kmに及ぶテスト走行をこなしてきたが、来る開幕戦スパ6時間に向けた総仕上げとして、4月26日(月)と27日(火)の2日間、このベルギーの伝統的なサーキット、スパ・フランコルシャンで行われるプロローグテストに臨む。

    このプロローグテストにおいて、GR010 HYBRIDは初めてライバル車両と同時にサーキットを走ることになる。チームとドライバーにとっては、旧来のLMP1カーとして参戦する直接のライバルであるアルピーヌと初めて相まみえることになり、それはコース上のトラフィックの中で新型車を評価する重要な機会でもある。

    GR010 HYBRIDは、120km/hを超えると前輪に装着された最大272馬力のモータージェネレーターユニットと3.5リッターV6ツインターボエンジンを合わせて680馬力を発揮する4輪駆動として走行できる。燃料消費の制限はない。昨年までの、合計1000馬力を発揮していたTS050 HYBRIDはGR010 HYBRIDよりも162kg軽量だったが、周回ごとの燃料使用量が厳しく制限されていたため、最高速度に影響があった。

    この様に、圧倒的な強さを誇ったTS050 HYBRIDとは大きく異なるGR010 HYBRIDを操るドライバーには、これまでとは異なる操作が要求される。エンジニアにとっても新しいハイパーカーにおいては、特にLMP2カーやGTカーを追い越す際などに、最大限のパフォーマンスを引き出すための調整が必要となる。

    また、コース上でのパフォーマンスだけでなく、サーキットにおけるチームクルーの総人数が43人に制限されるという新たなレギュレーションにも対応する必要がある。そのためには、メカニックとエンジニアクルーに関して、サーキットの現場における高度なサポートを維持しながらも、組織の柔軟かつ大幅な再編成が要求される。開幕戦スパ6時間レースは、このレギュレーションが適応される最初のレースとなる。

    4月26日(月)と27日(火)のトータル12時間にわたるプロローグテストに続き、29日(木)に1回予定されている練習走行でレースイベントが始まる。30日(金)は2度の練習走行と予選が行われる忙しい一日となり、今季より、予選は1台の車両につき1人が1周のみアタックする新たなフォーマットで実施され、翌5月1日(土)に行われる決勝レースのスターティンググリッドが決定される。

    TOYOTA GAZOO Racingは、このスパで2013年に初めてWECのレースを戦って以来、通算5勝をあげている。強力なライバルとの激戦が予想されるが、チームの目標は、最大限のポイントを獲得してシーズンのスタートを切ることだ。

    村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WEC チーム代表)
    ハイパーカーによる耐久レースのエキサイティングな新時代が始まりました。ル・マンでは多くのトップチームと競い合うことになります。ファンの皆様はそれを心待ちにしていると思いますし、我々も同じ気持ちです。TOYOTA GAZOO Racingが、この新時代のスターティンググリッドに立てることを誇りに思います。我々のWECプロジェクトの第一段階を締めくくったTS050 HYBRIDでは、レーシングハイブリッド技術の向上に徹底的に取り組み、お客様のための「もっといいクルマづくり」に繋げてきました。ここからは第二段階に入り、将来、もっとエキサイティングなスポーツカーをお客様にお届けできるよう、レーシングハイブリッド技術の限界をさらに押し上げ、再び「ワンチーム」で戦っていきます。GR010 HYBRIDを通して、人を鍛え、技術、プロセスをさらに強化していきます。絶対に負けられないという気持ちで我々をプッシュしてくる競合チームを相手に、決して簡単なシーズンにはならないとは思いますが、私たちは決して諦めません。

    パスカル・バセロン(テクニカル・ディレクター)
    スパ開幕戦は、GR010 HYBRIDがシーズン前テストを終え、生まれたばかりの我々のハイバーカーが新たな段階のスタートを切るということを意味します。我々は2020年10月にポール・リカールでGR010 HYBRIDを初めて走らせて以来、集中的なテストプログラムをこなし、クルマのキャラクターと新たなミシュランタイヤについて着実に学んできました。TS050 HYBRIDと比較すると、車重やパフォーマンスのパラメータに大きな違いがあり、新たに必要となるシステムも全く異なるため、エンジニア、ドライバーの双方ともに短期間で多くのことを学ぶ必要がありました。テストにおいてはよくあることですが、時には順調にいかないこともありました。アラゴンでは3日間のテストデーが予定されていましたが、激しい雪と、悪天候などに妨げられ、予定通りに完了できませんでした。幸運にもシーズンの開幕が遅れたことで、スパの前に更なるテストを行うチャンスができたので、最終的には目標としていた走行距離をこなすことができ、デビュー戦の前に、狙い通りの全てのテスト項目を完了できました。
    GR010 HYBRID 7号車
    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    今の難しい世界状況の中で、またレースができることをとても嬉しく思います。決して理想的な環境ではありませんでしたが、チームは素晴らしい仕事でGR010 HYBRIDの改良を進め、デビュー戦への準備を整えてくれました。我々はテストの中でクルマについて多くを学びました。新型車両投入時にはよくあることですが、予想外の驚きもあるかも知れません。これから実際のレースを戦い、コース上のトラフィックや、ハイパーカークラスの強力なライバルとの中で新型GR010 HYBRIDがどれだけ戦えるのか、その挑戦を楽しみにしています。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    新しいシーズン、そして新たなハイパーカーの時代が始まることにワクワクしています。最高のチームメイトである可夢偉とホセ、そして素晴らしいチームに恵まれ、タイトル防衛という目標に向けて準備は万端です。GR010 HYBRIDでは既に多くのテストをこなしてきていますが、最高の性能を引き出すためにはさらにやるべきことがあり、改良を続けていかなくてはなりません。スパはそのためにも重要なステップであり、レースがとても楽しみです。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    マイク、可夢偉と共にワールドチャンピオンを獲得した昨シーズン最終戦のバーレーンからずいぶん長い時間が経ったように感じます。もちろんその時も最高の気分でしたが、再びレースを戦い、タイトル防衛、そして今度こそル・マンで勝つために戦う時がきました。このような困難な状況下にもかかわらず、チームはハードワークでこのスパに向けてGR010 HYBRIDの準備をしてくれました。全く新しい車両を開発するという挑戦は常に素晴らしい体験ですが、まだその途上です。我々はスパで力強いパフォーマンスを示し、さらに改良していくため努力を続けます。
    GR010 HYBRID 8号車
    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    GR010 HYBRIDでの初めてのレースへ向け、スパに向かうのが楽しみです。この冬はなかなか大変でした。特に僕個人は、幾つかのテストを日本でのレース活動のために休む必要があり、そしてようやく参加できたアラゴンのテストは雪で走れませんでした。このような状況で、全てが順調ではありませんでしたが、チームは懸命な作業でハイパーカー時代の開幕戦へ向け、GR010 HYBRIDを準備してくれました。チームの誰もがこの新たな挑戦を楽しみにしており、もちろん簡単ではないでしょうが、成功すると信じています。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    長い冬季オフシーズンの準備期間を経て、ついにスパでのプロローグとデビュー戦を迎えられるのはとても嬉しいです。新型のGR010 HYBRIDとハイパーカーによる耐久レース新世代を、ファンの皆様もとても楽しみにしていると思います。今年初めから複数回のテストをこなしてきましたが、最初はクルマについて知る事から始め、ル・マンへ向けたセットアップの調整ができるまでに到りました。デビュー戦への準備は万全で、一刻も早くハイパーカーカテゴリーでライバルと戦いたいです。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    新たなハイパーカー時代の最初のレースに向けての広範囲で大規模なテストプログラムを終え、充分な準備ができたと感じています。我々チームだけでなく、ファンの皆様の間でも、どんなレースになるのか、どれだけ接近したレースになるのかといった期待が高まっていることでしょう。誰もが素晴らしいサーキットであるスパでハイパーカーによる最初のレースを戦うことを楽しみにしています。

  • トヨタ、モータースポーツを通じた「水素エンジン」技術開発に挑戦

    トヨタ、モータースポーツを通じた「水素エンジン」技術開発に挑戦

    トヨタは、カーボンニュートラルなモビリティ社会実現に向けて「水素エンジン」の技術開発に取り組む。カローラ スポーツをベースとした競技車両に水素エンジンを搭載し、5月21日から23日に行われるスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook 第3戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レースから「ORC ROOKIE Racing」の参戦車両として投入する。

    トヨタは「モータースポーツの厳しい環境で水素エンジンを鍛えていくことで、サスティナブルで豊かなモビリティ社会を実現すべく、貢献していきます」はプレスリリースで語った。

    トヨタの「MIRAI」等に使用されている燃料電池(FC)が、水素を空気中の酸素と化学反応させて電気を発生させモーターを駆動させるのに対し、水素エンジンは、ガソリンエンジンから燃料供給系と噴射系を変更し、水素を燃焼させることで動力を発生させるもの。ガソリンエンジンでも発生するごく微量のエンジンオイル燃焼分を除き、走行時にCO2は発生しない。

    水素エンジンにおける水素の燃焼の速さは、ガソリンよりも速く、応答性が良いという特徴がある。優れた環境性能を持つと同時に、クルマが持つ、音や振動を含めた「クルマを操る楽しさ」を実現する可能性を秘めている。

    今回の水素エンジンには、昨年9月に販売を開始したGRヤリスなど、モータースポーツで鍛え続けてきた技術も活かしている。安全性については燃料電池車の開発やMIRAIの市販を通して、積み重ねてきた技術・ノウハウを活用していく。

    なお、競技中には福島県浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド」にて製造された水素を使用する予定。水素活用の促進によりインフラ拡大を目指すとともに、引き続き経済復興・地域の活性化に向けた取り組みも関係者の皆様とともに進めていく。

    トヨタはこれまでもカーボンニュートラルへの実現に向けて、FCVのみならず多くのFC製品の普及による水素活用の促進を目指し、取り組みを強化してきた。水素エンジン技術をモータースポーツでさらに鍛えることで、より良い水素社会の実現を目指していく。

  • トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー プレビュー

    トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー プレビュー

    TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、4月22日(木)から25日(日)にかけてクロアチアの首都ザグレブを中心に開催される、FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦「クロアチア・ラリー」に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC1号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)の、3台のヤリスWRCで参戦。WRC初開催となるターマック(舗装路)ラリーで総合優勝を目指す。

    WRC初開催となった第2戦アークティック・ラリー・フィンランドが終了した時点で、チームはマニュファクチャラー選手権首位の座を堅持。ドライバー選手権では20才のロバンペラがWRC史上最年少記録でトップに立つなど、開幕2戦を順調に戦い終えた。また、オジエとエバンスは、首位ロバンペラと8ポイント差で、それぞれドライバー選手権3位と4位につけている。そしていよいよ、WRCは2ヶ月近いインターバルを経て東欧のクロアチアでシーズンが再開する。クロアチアでWRCが開催されるのは今回が初めてであり、雪道や未舗装路を走行しない純粋な「フルターマックラリー」は、2019年8月のラリー・ドイチェランド以来となる。

    クロアチア・ラリーのステージは、道幅が広く流れるような中高速コーナーが続くセクションや、狭くツイスティなコーナーが連続するテクニカルなセクションなどバリエーション豊かだ。また、路面はフラットでスムーズなところもあれば、舗装が古くなり荒れているところもある。そのため、選手もクルマも様々なコンディションに柔軟に対応しなくてはならない。

    クロアチア・ラリーの中心となるサービスパークは、首都ザグレブに置かれ、22日(木)朝のシェイクダウンが最初の走行となる。競技は翌23日(金)からスタート。ザグレブの南西エリアで4本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行する。24日(土)もザグレブの南西エリアが戦いの舞台となり、4本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。その合計距離は121.92kmと、今大会最長の1日となる。最終日の25日(日)は、ザグレブの北側で日中のサービスを挟むことなく2本のステージを各2回走行。最終ステージとなるSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。ステージは全部で20本、計300.32km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1279.87kmが予定されている。

    なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、今季WRC全戦に出場する勝田貴元は、連続で総合6位に入った開幕2戦に続き、今大会もヤリスWRCで参戦する。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    WRC初開催のクロアチアは、とてもハイスピードなターマックラリーのようなので楽しみです。路面は変化にとんでおり、荒れて滑りやすい場所もありそうなので、ドライバーにとっては難しいチャレンジになるでしょう。最近のモンツァやモンテカルロの結果でも分かるように、ヤリスWRCはターマックラリーでとても強いですが、だからといってそれが当然のことだとは思っていませんし、成功するためには努力が必要です。クロアチアでは計6日間テストを行い、ラリーで走行するであろう道と、できるだけ似た道を走るようにしました。クルマについては既に深く理解していますし、セットアップを大きく進化させ続けるのは簡単ではないので、新しいピレリタイヤの性能を最大限に引き出すことに集中してテストに取り組みました。

    セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
    クロアチアは新しいラリーですが、私としてはキャリアのこの段階に至ってなお、新しい発見をできることにワクワクしています。今回のクロアチアのような完全なターマックラリーに出場するのは久しぶりですが、ターマックでのヤリスWRCの走りは素晴らしいので、きっと楽しめるはずです。これまで見てきたところ、かなり難しい道が多いように思いますし、狭くてダーティな道もありそうなので、色々なことが起きるでしょう。今シーズンはタイヤが新しくなったため、イベント前のテストがとても重要でしたし、スリックタイヤでドライのターマックを走る最初の機会でした。何度も走ってあらゆるタイヤの組み合わせを試し、ラリー中にベストな選択ができるように準備を進めました。

    エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
    クロアチアは新しい大会なので、どうなるのか予想がつきません。ステージの映像を見ることによって、可能な限り多くのことを学ぶことができましたが、それでも実際にレッキ(ステージの下見走行)に参加し、自分の目でルートを見ることにはかないません。ステージは道幅が広い高速なセクションと、狭くて凹凸のあるセクションが混在していて、イン側の道路外にタイヤを落としてショートカットするようなコーナーも多くありそうなので、様々な路面や異なる特徴のステージに上手く対処する必要があります。このクルマと新しいピレリタイヤでドライコンディションのターマックを走る経験はこれまであまりなかったので、テストでは色々なセッティングを試しましたが、走り始めてすぐに良いフィーリングを得ることができました。

    カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
    良い形でシーズンをスタートできて非常に満足していますし、この調子を保ち続けたいと思っています。ドライバー選手権をリードしてはいますが、プレッシャーは少しも感じていません。まだ2戦しか終えていませんし、この先長いシーズンが待っています。もちろん、現時点でこの位置につけているのは素晴らしいことですが、この先も戦い続けるためには努力しなければなりません。これまでターマックラリーであっても、モンツァやモンテカルロのように雪道も走るラリーにしか出たことがなかったので、今回クロアチアで初めて純粋なターマックラリーにヤリスWRCで出場できることになり楽しみです。テストの時のような、ドライ路面での戦いになることを期待しています。ステージはとても良さそうですが、もし雨が降ったら、多くの泥が道に流れ出て厄介なことになるでしょう。

  • 小林可夢偉、トヨタF1撤退後のF1キャリアを振り返る

    小林可夢偉、トヨタF1撤退後のF1キャリアを振り返る

    小林可夢偉が、トヨタがF1から撤退して以降のF1キャリアについて振り返った。

    トヨタF1のリザーブドライバーを務めていた小林可夢偉は、負傷したティモ・グロックに代わって2009年のF1ブラジルGPでF1デビュー。日本人として18人目のF1ドライバーとなった。

    F1ブラジルGPでは予選11位を記録し、決勝ではチャンピオンであるジェンソン・バトンを抑えて一時は3位までポジションを上げるが、入賞に一歩届かず9位でフィニッシュ。実戦F1アブダビGPでもドライバーを務めた小林可夢偉はチームメイトのヤルノ・トゥルーリを上回る6位入賞を果たした。

    翌年のトヨタF1のレギュラーシート昇格が期待されていた小林可夢偉だったが、シーズン終了後、トヨタはF1撤退を発表。シートがない状況に陥った。

    トヨタがF1から撤退しようとしていることは知っていたかと質問された小林可夢偉は「いいえ。噂があることは知っていましたが、通常、チームがすぐに辞めることはないですからね。通常はもう1年残ります」と Beyond the Grid Podcast に語った。

    「そういうわけで、それについてあまり心配していなかったので、驚きでしたね。アブダビの後に電話があり、ドイツに会議のために向かいました。てっきり2010年のオファーだと思っていました。でも、実際の会議はトヨタがF1を撤退するというものだった。非常にショックを受けました」

    小林可夢偉は、その後もトヨタとのコネクションを保っていたが、2010年にはトヨタ以外のドライブを探すことを余儀なくされた。幸い、そのシートはザウバーで利用可能になった。

    小林可夢偉は、2012年のF1日本GPでホームファンの前で3位表彰台を獲得してその名を馳せた。そのアグレッシブなドライビングスタイルと素晴らしいタイヤマネジメントで小林可夢偉はF1ファンの心を勝ち取った。

    だが、悲しいことに、ザウバーが財政難に陥ったことで小林可夢偉は2012年シーズンでシートを喪失する。

    「ザウバーは経済的な問題を抱えていたので驚きはしませんでした」と小林可夢偉はザウバーのシート喪失について語った。

    「ザウバーとの機会には本当に感謝しています。僕の出身地はF1から遠く離れたところにありますし、僕の家族はモータースポーツの出身ではありません」

    「カートを始めた若い頃は、F1がどういうものかも分からず、とにかくレーシングドライバーになりたいと思っていました。だから、そこからF1まで行けたことは、すでに自分が期待していたものとは違う何かだったと感じています」

    「その年(2012年)は悪い仕事をしていたわけではなかったので本当に残念でした。ザウバーのシートを失うことは本当に残念でしたが、一方で、F1で自分が何ができるかを示すのに十分なほど他の強いチームからのオファーはありませんでした」

    「結局、F1での経験は僕にとって本当に素晴らしいものだったと思います」

    小林可夢偉は、2014年に競争力のあるF1シートを見つけるための年として2013年を使用することを決定したが、その間にフェラーリのテストドライバーに就任。フェラーリのGTプログラムにも参加してAFコルセからWECに参戦した。

    だが、2014年に小林可夢偉はフェラーリからの拡張されたテストドライバーのオファーを断り、代わりにポイントを獲得できていなかったバックマーカーのケーターハムとF1グリッドに戻った。そして、それがF1での最後のシーズンとなった。

    「とても難しい決定でした。フェラーリと契約を結んでいましたが、F1プログラムに参加するというオプションはありませんでした」と小林可夢偉は振り返る。

    「GTプログラムには参加できたかもしれませんが、F1はありませんでした。何度かテストを行うことはできたかもしれませんが、1年後には多くのテストはできなくなる状況でした」

    「だから、そこにはいたくなかったし、自分がフェラーリでレースをすることは想像できませんでした。だからこそ、強いチームではありませんでしたが、ケータハムとの他の選択肢を選びました。F1にいるだけでしたが、そこで本当に良い結果を得ることができれば、より現実的な選択肢だったと思っています」

    小林可夢偉はF1から離れて以降に成功を収め、トヨタのドライバーとして2019-2020シーズンのFIA 世界耐久選手権のタイトルを獲得。ル・マンでは3回の2位フィニッシュをしている。

    しかし、F1への復帰の可能性については「テレビで見ることにかなり満足しています」と小林可夢偉は語った。