カテゴリー: トヨタ

  • ル・マン24時間(途中経過):大波乱のスタートもトヨタが1-2を走行

    ル・マン24時間(途中経過):大波乱のスタートもトヨタが1-2を走行

    8月21日(土)、現地時間午後4時に、FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦、第89回ル・マン24時間レースの決勝がスタートした。雨の中、ウェットコンディションでのスタートは、直後に2番手スタートのGR010 HYBRID 8号車が他車との接触を喫し一旦は最後尾まで後退する大波乱の幕開けとなった。しかし、8号車は、すぐに追い上げ、6時間を経過した時点で、トヨタのGR010 HYBRIDは7号車が首位、8号車が1分27秒148遅れの2位で1-2体制を保ち走行、夜間セッションに入った。

    現地時間午後4時のスタートは、1時間ほど前から降り出した強い雨により、ウェットコンディションの下、セーフティーに先導されたフォーメーションラップの状態でスタートが切られ、14分後、3周目から本格戦が開始された。

    ポールポジションからスタートを切った7号車のコンウェイは首位を守ったが、2番手のブエミが駆る8号車は、最初のシケイン進入で4番手スタートのグリッケンハウス708号車に追突されスピン。コース脇に止まった8号車は最後尾まで順位を落としてしまった。

    しかし、そこからブエミの8号車は鬼神の追い上げを開始。10周目にはトップ10にまで順位を戻してピットインし、乾いてきた路面に合わせ、スリックタイヤへと交換。首位を行くコンウェイの7号車もスリックタイヤへと交換した。

    レース開始から1時間を経過し、ほぼ全車が1回目のピットを終えた時点で、8号車は首位と約1分差の3位まで浮上。ファステストラップを更新しながらの力走を続けるブエミは、16周目に2位を走行するLMP2クラスのイオタ38号車をパスし、GR010 HYBRIDが1-2体制となった。

    コンウェイの7号車は最初の90分間、盤石な首位走行を続けていたが、序盤のクラッシュでコース上に撒かれた破片の影響か、2度に渡るタイヤパンクを喫し、予定よりも早いピットイン。

    これを追う8号車にも不運が襲う。ハートレーへと交代した3時間過ぎ、GT車両のアクシデントによりセーフティカーが導入されたことで首位の7号車との差が1分以上開き、その後、5時間を経過して夜を迎える頃、8号車は右リアのタイヤパンクに見舞われ予定よりも早いピットインを余儀なくされた。

    この間にも何度か軽い雨はあったが、6時間を迎えようとするころ、雨が一時的に強まり、LMP2車両によるアクシデントが発生し、セーフティカーが導入された。25分後にセーフティカーが退去しレースが再開されたが、ここで8号車のハートレーはインターミディエイトタイヤに交換。続いて、ロペスへとドライバー交代した7号車もインターミディエイトタイヤに交換した。

    その後、乾いた路面に合わせ、2台のGR010 HYBRIDはスリックタイヤへと交換。8号車は中嶋一貴へと交代し、本格的なナイトセッションへと突入。6時間を経過した時点でGR010 HYBRIDは7号車が首位、8号車が約1分遅れの2位、3位とは1周以上の差をつけている。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    レーススタート前からの強い雨で、ひどいコンディションでのスタートとなりました。ウェットタイヤは正しい選択でした。その後、雨は止んで路面が乾いていき、ウェットタイヤのままで走り続けるのが難しくなりました。コースの場所によってグリップレベルが異なる状況で走るのはとても大変でした。その後、スリックタイヤに履き替えてからも小雨が降ってきたりと、決して楽なスティントではありませんでしたが、とにかくミス無く、クリーンに走ることを心掛けました。慎重を期し、縁石にも乗らないように走っていたのに、2回のパンクに見舞われたのは不思議ですが、運が悪かったのでしょう。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    波乱のスタートでした。最初のコーナーで後から追突されたのですが、あの状況では最後尾に落ちるしかなく、最悪のタイミングと場所でのアクシデントとなってしまいました。その後も接触など様々なドラマに見舞われながらも、なんとか追い上げてトップ争いに復帰することができました。ドライバー交代の後、8号車はセーフティカー導入などでタイムをロスしましたが、長いレースはまだ始まったばかりです。

    WEC 第4戦 ル・マン24時間 6時間経過時順位(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 トップとの差
    1 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    88
    2 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    88 1:27.148
    3 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    87 1 Lap
    4 708 ルイス・フェリペ・デラーニ
    フランク・マイルー
    オリビエ・プラ
    グリッケンハウス・レーシング/
    グリッケンハウス 007 LMH
    86 2 Laps
    5 41 ロバート・クビサ
    ルイ・デレトラズ
    イーフェイ・イェ
    Team WRT/
    Aurus 01-Gibson
    86 2 Laps
  • 小林可夢偉がハイパーカーでの新世代最初のポールポジション獲得

    小林可夢偉がハイパーカーでの新世代最初のポールポジション獲得

    トヨタ 5年連続ポールポジション獲得、GR010 HYBRID 2台並び最前列スタート
    8月19日(木)FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦となる第89回ル・マン24時間レースの決勝スターティンググリッドを決定する「ハイパーポール」が行われ、トヨタのGR010 HYBRID 7号車がポールポジションを獲得。新型ハイパーカー GR010 HYBRIDは新たなハイパーカー時代初となるレースで、歴史にその名を刻むこととなった。

    GR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉が、ハイパーポールセッションで3分23秒900というタイムをマークし、記念すべきハイパーカーでの初ポールポジションを獲得。チームに取ってはル・マン24時間レース5年連続のポールポジションとなった。

    小林可夢偉は2017年の予選で、サルト・サーキットのコースレコードを記録しているが、今年も最速タイムをマーク、新たなハイパーカークラスで新基準を打ち立てた。彼にとっては4度目のポールポジションであり、これにより、小林可夢偉はジャッキー・イクスが持つル・マン24時間レースでのポールポジション通算獲得回数記録にあと1回へと迫ることになった。

    GR010 HYBRID 8号車でアタックを担当したブレンドン・ハートレーは、7号車に僅か0.295秒及ばず2番手で続き、トヨタのGR010 HYBRIDは5年連続で2台が揃って最前列グリッドから決勝をスタートする。

    ハイパーポールセッションに先立ち、午後2時より公式練習3回目が3時間にわたって行われたが、セッション残り25分というところで、8号車を駆る中嶋一貴がインディアナポリスコーナーでタイヤウォールにヒット。車両後部にダメージを負い、残るセッションは走行できず、8号車はハイパーポールへの準備を予定通りには完了できなかった。しかし、その後4時間にわたるインターバルで8号車は完璧に修復され、8号車は無事ハイパーポールのセッション開始に間に合った。

    現地時間午後9時、まだ明るさは残っているものの、徐々に闇に包まれていくタイミングで、各カテゴリーの上位6台がスターティンググリッドを決定するハイパーポールセッション(30分)が開始された。

    2台のGR010 HYBRIDは共に新品セットのタイヤを装着し、最小限の燃料搭載でポールポジション争いへ向かった。小林可夢偉はセッション開始と同時に目覚ましいペースでのアタックを見せ、コースがクリアな状況でトップタイムを叩き出した。

    フレンドン・ハートレーの最初のアタックラップは、コース上の他の車両に阻まれ、また、GT車両のアクシデントにより10分間ほどの赤旗中断となったことで一旦仕切り直しとなった。セッションが再開されると、小林可夢偉、ブレンドン・ハートレー共に再び新しいタイヤで、更なるタイム更新を狙ってコースに復帰した。

    小林可夢偉の1周目はベストタイムにわずかに及ばす、2周目は最速タイムを上回るペースでアタックを続けたが、トラックリミット違反によりタイム更新はならなかった。一方のブレンドン・ハートレーは連続して自己タイムを更新していったものの、7号車のポールポジションタイムには0.3秒届かなかった。

    チームは2台共にセッション後半ピットで待機し、ライバルチームのアタックを見守ったが、トヨタのタイムを上回る事はなく、アルピーヌ36号車が1.674秒差の3番手となり、7号車のポールポジションが確定した。

    20日(金)は走行がない休息日となるが、チームにとっては休む間もない忙しい一日が続く。2台のGR010 HYBRIDはメカニックによって完全に整備し直され、エンジニアは決勝レースの戦略などの準備に集中する。89回目を迎える伝統のレースは、21日(土)現地時間午後4時(日本時間午後11時)にスタートが切られる。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    ハイパーカーでの最初のポールポジションを獲得できたことは素晴らしいです。日曜日にGR010 HYBRIDでここル・マンを初めて走って以来、調整を続けてきたことで、着実な進化を遂げています。チームが最高の仕事で準備をしてくれたことが、このタイムに繋がったと思います。もう少しタイムを縮めることもできたと思いますが、トラックリミットに引っかかってしまったのは残念です。1周での最速ラップが取れれば良いというものではなく、我々は決勝レースでの成功という目標に向けて準備を行ってきました。我々はここ数年で何度かのポールポジションを獲得していますが、決勝レースでは勝てていないので、この予選の結果は何も保証してくれるものではありません。24時間レースは長いですし、いつもあと少しの運が必要なのです。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    まず感激したのは、燃料搭載を少なくし、新品タイヤで、夜へ向かうコンディション下でのGR010 HYBRIDが素晴らしかったということです。クルマの感触は文句なく、練習走行での一貴のアクシデントから迅速に修復してくれたチームに本当に感謝しています。そして、素晴らしいアタックでポールポジションを獲得した可夢偉に祝福を送ります。私自身は、アタックラップ中にミスしてしまったのでちょっと悔しいです。7速へと一気に2つギアを上げてしまい、タイムをロスしてしまいました。車両には差は無かったので、ポールポジション獲得のチャンスもあったと思います。さらに良いペースだった2度目のアタックではコース上の車両に阻まれ、万事休すとなりました。残念な気持ちはありますが、最前列グリッドを獲得できたことは良かったですし、7号車の結果も嬉しいです。

    WEC 第4戦 ル・マン24時間 ハイパーポール結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
    1 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    6 3:23.900
    2 8 セバスチャン・ブエミ
    中嶋一貴
    ブレンドン・ハートレー
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    7 3:24.195
    3 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    9 3:25.574
    4 708 ルイス・フェリペ・デラーニ
    フランク・マイルー
    オリビエ・プラ
    グリッケンハウス・レーシング/
    グリッケンハウス 007 LMH
    10 3:25.639
    5 709 ロマン・デュマ
    ライアン・ブリスコー
    リチャード・ウェストブルック
    グリッケンハウス・レーシング/
    グリッケンハウス 007 LMH
    9 3:27.656
  • WEC:トヨタ 2021年 ル・マン24時間レース 公式練習・予選レポート

    WEC:トヨタ 2021年 ル・マン24時間レース 公式練習・予選レポート

    8月18日(水)2021年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦、第89回ル・マン24時間レースの公式な走行セッションが開始され、レースウィークが幕を開けた。トヨタの新型ハイパーカー GR010 HYBRIDは、初日の予選でトップに立った。

    マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブするGR010 HYBRID 7号車は、小林のアタックで3分26秒279というハイパーカーによるサルト・サーキットでの最速タイムをマークした。

    セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車はハートレーがアタックし3番手。2台のGR010 HYBRIDの間には、アルピーヌの36号車が割って入った。

    決勝レースのスターティンググリッドは、19日(木)に行われるハイパーポールで決定される。このハイパーポールには、今日の予選で各クラストップ6に入った車両が、現地時間午後9時から30分間のセッションでタイムを競う。トヨタは5年連続のポールポジションを目指し、このハイパーポールに出場することとなる。

    午後7時から1時間に渡って行われた予選では、小林とハートレーが新品タイヤと軽い燃料搭載量でセッション開始と同時にコースイン。7号車の小林はクリーンな周回でタイムアタックができ、トップタイムをマーク。一方で8号車のハートレーはコース上の混雑に阻まれながらも、その時点で7号車から1.392秒遅れの2番手につけた。

    予選アタックを順調に終えたことで、チームは決勝レースに向けた準備とタイヤの分析へと目的を切り替えた。規定により、この水曜日と木曜日のトータル11時間にわたる練習走行と予選の間、車両1台につき6セットのタイヤしか使用できないため、残りのセッションは使用済みのタイヤで走ることになる。

    このため、GR010 HYBRIDの直接のライバルとなるハイパーカークラスの他の車両は、残る予選セッションでトヨタのタイムを上回るべく、アタックを続けた。セッション中、フルコースイエローやスローゾーン制限などが発生し、アタックの機会は限られたものとなったが、セッション終盤にアルピーヌ36号車が2番手に浮上した。

    ル・マンのレースウィークで公式な走行開始となった18日(水)は、予選以外にも2回に渡る、合計5時間の練習走行セッションが設けられた。エンジニアとドライバーにとっては、去る15日(日)のテストデーのあと、様々なセットアップの変更を検証する貴重な機会となった。

    最初の3時間の練習走行は、開始早々に赤旗が掲示される波乱のスタートとなった。その後の2時間は比較的順調に走行が続けられたが、終盤にはLMP2車両とGT車両のアクシデントにより23分間に渡る赤旗中断となり、最後はフルコースイエローでセッションが終了した。

    2台のGR010 HYBRIDは、空力、及びメカニカルセットアップの比較及び、様々なタイヤコンパウンドの評価を行った。このセッションでは7号車のロペスが3分29秒309でトップタイム、8号車は中嶋が0.087秒差の3番手となった。

    8号車のブエミは、他のレース出場により15日(日)のテストデーを欠席したため、この日の公式練習1回目がGR010 HYBRIDでのサルト・サーキット初走行となったが、公式練習2回目の夜間走行ではセッショントップタイムをマークした。

    予選を終えた後、現地時間午後10時よりこの日2度目の練習走行が行われ、GR010 HYBRIDはル・マンでの初の夜間走行に挑んだ。ル・マンに出場する全てのドライバーは、これまでの経験にかかわらずこの夜間走行セッションで最低5周を走り切ることがレース出場のために義務づけられているが、全員問題なくこの条件をクリアした。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    いつでもトップタイムは嬉しいことですが、あくまでも予選ですし、まだハイパーポールもあるので、それほど重要視していたわけではありません。GR010 HYBRIDの感触は良く、全てがスムーズで、良いレースウィークのスタートが切れたと思います。24時間という長いレースですから、車両は快適でなくてはなりませんし、安定性も求められます。そのための作業を続けてきましたし、明日の木曜日もこの調子で頑張ります。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    良い一日で、着実なレースウィークのスタートが切れました。今日の主な目的は決勝レースへ向けた準備でした。テストデーでの作業に続き、更なるテスト項目をこなし、とても上手く行きました。今日は涼しくなりましたが、GR010 HYBRIDはテストデーの時と変わらず、決勝レースへ向けて良い兆候だと思います。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    1年で最も重要なレースであるル・マンが、今日のセッションで公式に始まりました。チームは素晴らしい仕事をしてくれており、セッションが進むごとにクルマの感触は良くなっています。GR010 HYBRIDは本当に素晴らしいクルマです。もちろんポールポジション獲得は狙っていますが、最も重要なのは決勝レースだということは良く分かっています。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    レースウィーク最初の走行日となりましたが、テストデーと比べコースの路面温度が大きく変わりました。我々は様々なタイヤと、タイヤコンパウンドに合うセットアップを試すと同時に、制御システムについても色々とテストしました。進展はありましたが、明日へ向けてまだやるべきことは多いです。7号車と比べると少しスピードが足りない感じなので、ハイパーポールまでになんとかしたいと思っています。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    テストデーに参加できなかったので、とにかく習熟と学習に費やしました。これまでここル・マンで走ってきた車両とは別物なので、自分を合わせる必要があり、スピードを取り戻すのに数周かかりました。GR010 HYBRIDの感触は予想以上に良く、コースコンディションもセッションが進むごとにグリップが増しています。残るセッションでの更なる進化を期待しています。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    とても順調な一日でした。GR010 HYBRIDを再びドライブできて最高です。本当にこの車両はここル・マンで生まれたかのようで、実家に帰ってきたように感じます。テストデーと比べると、路面温度がとても低く、風向きも違ったので、全く異なるコンディションでした。そのおかげで、決勝レースで夜間走行に入るときの適切なタイヤ変更タイミングなど、様々なタイヤコンパウンドについて学ぶことができました。タイヤとセットアップの決定はテストプログラムの大きな要素ですが、全てが上手く行きました。

  • トヨタ、TS050 HYBRID 8号車をル・マン24時間レース博物館へ寄贈

    トヨタ、TS050 HYBRID 8号車をル・マン24時間レース博物館へ寄贈

    トヨタは、2020年の第88回ル・マン24時間レースで、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーによって勝利を収めたTS050 HYBRID 8号車を、ル・マン24時間レース博物館に寄贈した。

    8月17日に寄贈式が行われ、トヨタ WECチーム代表の村田久武と、ACO会長のピエール・フィヨン氏が出席。館内ではル・マンにおけるトヨタの歴史を祝した特別展が実施され、TS050 HYBRID 8号車はこのユニークな展示の目玉となる。

    1,000馬力、4輪駆動で、重量わずか895kgのTS050 HYBRIDは、究極のLMP1カーとして位置付けられ、2017年には小林可夢偉が3分14秒791、平均速度251.9km/hでル・マンにおける最速ラップを記録した。それはTS050 HYBRIDが2017年より4年連続獲得したポールポジションの1回目での記録で、2018年、2019年、2020年の優勝の足場を固める結果となった。また、2019年にはマイク・コンウェイがTS050 HYBRID 7号車を駆って2位入賞した際、3分17秒297、平均速度248.6km/hで、レース中での最速ラップを更新した。

    ■ル・マン24時間レース博物館 特別展
    特別展では、1985年に始まったトヨタのル・マン24時間レース参戦史における主要な時代の象徴的な車両を紹介しており、来場者は、トヨタの情熱と技術、悲しみと勝利を辿ることができる。

    来場者をまず出迎えるのは、トヨタが初期にル・マンに投入した、目を引くレイトンハウスカラーのグループCカー、86Cだ。これは1986年に、中嶋悟、ジェフ・リース、関谷正徳がレースに出場した際の車両となる。

    トヨタが優勝候補として頭角を現してきた1990年代初頭の急速な発展を象徴するのは、グループCカーの最後を飾る1992年の伝説的なカシオカラーのTS010 33号車と、1994年にLMP1の新規則に合わせて改造された94CV 1号車だ。これらはいずれも2位入賞を果たしている。TS010 33号車では関谷正徳、ピエール-アンリ・ラファネル、ケネス・アチソンが、94CV 1号車ではエディ・アーバイン、マウロ・マルティニ、ジェフ・クロスノフが、それぞれレースに参戦した。

    この1994年の2位入賞後、プロトタイプカーでのレースは中断するが、来場者は空白の2年間を埋めたSupra LM 27号車を間近で見ることができる。これは、1995年にジェフ・クロスノフ、マルコ・アピチェラ、マウロ・マルティニがル・マンに挑んだ際の車両だ。

    展示の中で特にファンの人気を集めるのは、TS020です。TS020は、1998年と1999年にサルト・サーキットにおいて、疾走感あふれるスピードでレーシングファンを魅了した。来場者を待ち受けるのは、片山右京、鈴木利男、土屋圭市により2位に入賞した、1999年のTS020 3号車だ。新世代の愛好家にとっては、ビデオゲーム『グランツーリスモ』で存在感を放っていたクルマで、ル・マンに参戦したトップクラスの車両が初めてビデオゲームに導入される機会となった。

    2000年代に入ってからは、TS030 HYBRID 7号車が2012年にデビューし、ル・マンをリードしたトヨタ初のハイブリッド車として歴史を作った。この時、アレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴により新たな時代の幕開けを迎え、ル・マンにおけるTS050 HYBRIDの栄光と3連覇につながった。

    新型ハイパーカーGR010 HYBRIDが初参戦で勝利に挑むのを見届けるべく、今週のル・マン24時間レースに来場されるファンの皆様は、入場券の特典として、特別展とル・マン24時間レース博物館を無料で観覧できる。

    ※特別展は、2022年2月20日まで行われる。

    トヨタ、2020年ル・マン24時間レースで優勝したTS050 HYBRID 8号車をル・マン24時間レース博物館へ寄贈トヨタ、2020年ル・マン24時間レースで優勝したTS050 HYBRID 8号車をル・マン24時間レース博物館へ寄贈

  • WEC:トヨタ 2021年 ル・マン24時間レース テストデーレポート

    WEC:トヨタ 2021年 ル・マン24時間レース テストデーレポート

    8月15日(日)、フランス・ル・マンのサルト・サーキットで、FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レースに向けた公式テストデーが実施され、4連覇を目指すTOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)の新型ハイパーカー GR010 HYBRIDが、サルト・サーキットでの記念すべき第一歩を記した。

    昨年は行われなかったため2019年以来となる、レース前の日曜日に伝統的に行われてきた事前テストは、チームにとって、レースウィークの前に公道区間を閉鎖して全長13.626kmのサルト・サーキットを実際に走行できる唯一の機会となる。

    この日は、2回の合計9時間にわたる練習走行セッションが設けられ、シリーズ最大のイベントへ向けて車両の準備を進めるために、特に重要な一日となる。

    今季WECで、ここまで3戦全勝を飾っているTGRの2台のGR010 HYBRIDは、この日の走行を2番手、3番手タイムで終えた。ディフェンディングシリーズチャンピオンのマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスがドライブした7号車がトップと僅か0.225差の2番手、昨年のル・マンウィナーである中嶋一貴とブレンドン・ハートレーが駆る8号車はそこから0.282秒遅れの3番手となった。

    GR010 HYBRIDが争うハイパーカークラスのラップタイムは、この日も非常に接近した争いとなり、今季これまでのスパ・フランコルシャン、ポルティマオ、及びモンツァの3戦と同様に、3チームによる激戦を予想させるものとなった。テストデーでの最終的なトップはグリッケンハウスの708号車がマークした3分29秒115だった。

    8号車のドライバーであるセバスチャン・ブエミは、同日、ドイツのベルリンで行われたフォーミュラE選手権のシーズン最終戦に出場していたため、このテストデーは欠席し、夕方、ベルリンからル・マンに到着した。

    ブエミを除いた5名のドライバーにより、レースウィークへ向けた唯一のテストデーは、晴天の下、現地時間午前9時に開始された。ロペスと中嶋が、GR010 HYBRIDにとって記念すべきサルト・サーキットでの1周目を記し、2台によるテストプログラムが開始された。

    ハイパーカー GR010 HYBRIDは、これまでのLMP1車両とは根本的に異なる車両パフォーマンス特性を持つ全く新しい車両ということもあり、チームはいつも以上に準備のための幅広いテストプログラムに注力した。

    午前9時から4時間に渡って行われた練習走行1回目のセッションは、2度の赤旗中断により若干走行時間が失われたが、TGRの5人のドライバーは着実に周回を重ね、空力及びメカニカルのセットアップ、エネルギー配分やタイヤに関するデータを収集。特にタイヤでは、3種類のドライ用コンパウンドをサルト・サーキットで初めて評価した。

    サルト・サーキットは1周の大部分が公道セクションということもあり、予想通りテスト開始当初は路面が非常に汚れていたが、62台のレース出場車両が周回を重ねて行くうちに路面がクリーンになっていき、ラバーが乗って徐々に状況は改善していった。

    8号車を駆るハートレーが、開始から2時間半ほどを過ぎたところで、3分31秒263というこのセッション最速タイムをマーク。このセッションでは、アルピーヌが2番手、コンウェイがベストラップをマークした7号車が3番手につけた。

    1時間のインターバルを挟んだ後、5時間に渡って行われた午後のセッションでは、レースコントロール確認のために、25分間に渡るセーフティカー導入のテストも実施された。加えてフルコースイエローのテストも行われたが、それ以外はトラブル無くセッションは進み、チームはスムーズにテストプログラムをこなした。7号車は再びコンウェイが最速タイム、8号車はハートレーのタイムが最速となった。

    このテストデーを終えた後、エンジニアは2日間のインターバルで収集したデータを解析し、セッティングの最適化を進めるとともに、メカニックは車両のチェックと再整備を行い、18日(水)午後から行われる公式練習第1回目のセッションに臨むこととなる。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    今日のテストは順調に終わり、満足しています。ハイパーカーで初めてのル・マン走行で、いつものように午前中のコースコンディションはあまり良くなかったものの、その後徐々に改善されていきました。これまでのところGR010 HYBRIDはとても力強く感じます。バランスも悪くないですが、改良の余地はまだ沢山あるので、この後の数日でデータを分析していきます。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    ル・マンに戻ってきて、周回を重ねることができて良かったです。GR010 HYBRIDは好感触で、良い兆候です。我々はこの日、一歩一歩改良を進めました。今日はレースウィークに想定しているコンディションに近かったので、今日得られたデータは車両理解の参考になるはずです。まだまだ学習中で、全ての面で最適化にトライしているところです。最速タイムをマークすることはいつでも嬉しいですが、重要なのは来週からであり、今日はとにかく目の前のことに集中しました。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    ル・マンでのハイパーカー初走行日は、良い一日となり、大きなトラブル無く走行を終えることができました。まだこれから長いレースウィークが待っていますが、最初のテストは終え、この後はあっという間に時間が過ぎていきます。これから水曜日までに、得られたデータを理解するという、最も重要な作業が待っていますが、今のところとても満足しています。GR010 HYBRIDは、まるでル・マンのために生まれた車両のように感じます。いつもそうなのですが、ここル・マンでは車両が生き生きとして、全てのポテンシャルが見られるように感じます。そんなル・マンで走れるというのは本当に最高です。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    ル・マンに戻り、新しいGR010 HYBRIDで走ることができて最高です。GR010 HYBRIDは1周目から好調で、ル・マンというコースでの感触を楽しむことができました。今日は長い一日でしたが、時間が経つにつれコース路面はどんどん良くなっていきました。決勝レースへ向けた異なるセットアップやタイヤのテストなど、予定していたプログラムを消化するために、多くの周回をこなすことができました。全体的に見れば今日の結果には満足していますが、パフォーマンスについて語るにはまだ早いです。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    ハイパーカーと共に、サルト・サーキットに戻ってこられて嬉しいです。昨年までここでレースをしていたのとは全く別物のクルマなので、多くのことを学んでいるところです。やっとここル・マンで走ることができたGR010 HYBRIDは本当に水を得た魚のようで、特に高速セクションでは素晴らしく、楽しめた一日でした。今日一日で我々は多くを学びましたし、良い方向へ向かっていると思います。レースウィークが楽しみです。

  • WEC:トヨタ 2021年 第4戦 ル・マン24時間レース プレビュー

    WEC:トヨタ 2021年 第4戦 ル・マン24時間レース プレビュー

    トヨタは、ル・マン覇者としての防衛と、ハイパーカーでの歴史を作るべく、8月21日(土)から22日(日)にかけて行われる第89回ル・マン24時間レースに挑む。

    トヨタはTS050 HYBRIDと共に、2018年のル・マン初勝利以来、3連覇しており、今年は新たなハイパーカー GR010 HYBRIDで初めてサルト・サーキットに挑み、チームの連勝記録を伸ばすと共に、ハイパーカーでのル・マン初勝利を目指す。

    GR010 HYBRID 7号車をドライブする、世界チャンピオンのマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスにとって、ここ数年のル・マンは厳しい戦いだった。特に2019年と2020年は、車両トラブルに見舞われるまではレースを支配する強さを見せており、今年こそ、の思いとともに前戦モンツァ6時間レース勝利の勢いに乗り、シーズン最大のイベントに挑む。

    2018年、トヨタに初のル・マン勝利をもたらしたセバスチャン・ブエミと中嶋一貴は翌年のル・マンも制し、そして昨年はブレンドン・ハートレーとのトリオで3連覇という輝かしい記録を達成した。この8号車の3名は、今季開幕2戦目のスパ6時間とポルティマオ8時間レースを制し、ドライバーズ選手権首位でル・マンを迎える。

    ル・マン24時間レースは、FIA世界耐久選手権(WEC)1戦の一つだが、通常の倍のポイントが与えられるため、タイトル争いにおいても重要なレース。トヨタは、今季全6戦中の3戦を終えた時点で、チームタイトル争いで2位のアルピーヌに30点差の首位に立っており、ドライバーズタイトル争いでは、8号車のドライバーが、チームメイトである7号車のドライバーに対し6点差でリードしている。

    トヨタにとって、今年のル・マンは4連覇を目指すというだけでなく、トヨタがハイブリッド車でWECに挑戦して10度目という記念すべき大会でもある。トヨタはこれまで9回のレースで、3度の勝利と5度のポールポジション、そして9つの表彰台を獲得している。

    今年のル・マンでは、ハイパーカークラスのライバルとしてスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスから2台、そしてLMP1車両のアルピーヌが出場する。しかし、ル・マン24時間というレースの難しさは、競合チームとの争いだけでなく、レースそのものの過酷さにもある。

    公道区間を含む長距離コースを24時間に渡って戦う間に、レースカーは約4000kmをほぼスロットル全開で走行。その間におよそ2万5千回に渡るギアチェンジを行い、またタイヤは200万回転以上し、ル・マンは真の耐久テストの場になる。

    今季、ル・マンへ向けての準備は、昨年2020年10月、GR010 HYBRIDにおける初めての走行テストから始まった。以来8回のテストとレース3戦を経て、車両のパフォーマンスと信頼性の最適化を行ってきた。この準備作業の最終段階が、来る15日(日)、公道部分を含む13.626kmのサルト・サーキットで唯一行われる公式テストとなる。

    その後、24時間の決勝レースへ向けた2日間に渡る準備は、18日(水)の5時間の練習走行と予選セッションで開始される。19日(木)にはさらなる計5時間の練習走行が行われるが、2回の練習走行に挟まれる形で30分間のハイパーポールセッションが、現地時間9時から行われる。トヨタはこのハイパーポールで、5年連続のポールポジション獲得を目指す。

    第89回ル・マン24時間の決勝レースは、21日(土)の現地時間午後4時(日本時間午後11時)、5万人に制限された観客が見守る中で、スタートが切られる。62台のレースカーと、186人のドライバーが、1923年から続く歴史の一ページを刻むべく、24時間の長い戦いに挑む。

    村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WEC チーム代表)
    ル・マンに参戦できることは大変名誉であり、また3連覇のタイトルを持って再びここに戻って来られることを誇りに思っています。ハイパーカーで初のル・マン勝者として、さらに連勝記録を伸ばせるよう、我々は全力を尽くしてきていますし、また、ル・マンで勝つことを常に目標に、エンジニアとメカニックはドライバーと連携しながらここまで車両を仕上げてきました。今シーズンはここまで、ハイパーカーのライバルたちと激しい戦いを繰り広げている上、GR010 HYBRIDにとって初のル・マンでもありますので、当然簡単なレースにはなりませんし、技術的にも大きなチャレンジと言えるでしょう。ファンの皆様がサーキットに戻ってきて、あの特別な雰囲気に包まれたル・マンが帰ってくることを大変楽しみにしています。有観客でのレース開催を実現いただいたACOの皆様へ深く感謝するとともに、今回のル・マンが、ファンの皆様の記憶に残る素晴らしいレースになると確信しています。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    ル・マンはシーズンハイライトですし、そのために努力してきているので、毎年楽しみなイベントです。ル・マンを走るのは素晴らしい経験で、特に予選は新しいタイヤと軽い燃料で走ることができるため、最高です。私自身、3度のポールポジションを獲得していますが、もちろん最大の目標はレースに勝つことです。過去数年のレースで7号車は本当に強かったのですが、いつも何かが起き、最後までノートラブルで走り切っていません。だからこそ、今年はトラブル無くパーフェクトなレースへ向けてプッシュし続けます。我々はレースに向けて集中していて、今年こそ勝利できると思っています。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    シーズン1年を通してのハードワークは、全てこのレースのためであり、GR010 HYBRIDでの走行が待ちきれません。近年のル・マンはスプリントレースのようになってきており、24時間ずっと、可能な限り全力で走り、レースをコントロールしなくてはなりません。これまでの経験から、様々な要素が絡んでくることは分かっていますし、我々7号車は過去不運に見舞われたこともありました。しかしドライバーとしてル・マンへの取り組み方は変わりません。過去と同様、一生懸命レースへ向けて、できる全ての準備を進めていきます。そして最後に、勝利の女神が我々に微笑んでくれることを願うだけです。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    我々は辛い戦いを経て、強くなったと思いますし、それが7号車をル・マン勝利へ導いてくれると信じています。もう過去は振り返らず、来るレースを楽しみにしていますし、チームとして、ドライバーとして、常に向上を目指しています。マイク、可夢偉、そしてエンジニアやメカニックとはまるで家族のようで、我々全員がル・マン勝利という、同じ目標に向かっています。チームとしてこれまでで最高の状態だと感じていますし、何をすべきかも分かっています。ル・マンは決して簡単なレースではなく、今年も間違いなく厳しい戦いになると思いますが、全力を尽くします。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    ル・マンの雰囲気は信じられないほど素晴らしいです。初めてル・マンで戦った2012年、ファンの歓声と情熱に圧倒されました。昨年は残念ながら無観客での開催だったので、今年、観客が戻ってくるのは嬉しいです。ル・マンが世界一チャレンジングなレースだということは、経験からとても良く分かっていて、何が起こっても不思議ではありません。我々はGR010 HYBRIDと共に、初のハイパーカー勝者となるべく、全力で挑みます。自分のすべきこと全てに集中し、運も味方してくれることを祈ります。予想は全くできませんが、表彰台の中央に立つため全てを尽くします。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    ル・マンは私にとって特別な場所であり、特別なレースです。1960年代には私の祖父がレースをしていたと聞いたことがあり、家族の一部のような親しみを感じています。子供の頃、ジュネーブモーターショーに行って、トヨタTS020と一緒に写真を撮ってもらったことを覚えています。その時は、私自身がル・マン3度のウィナーとしてここにいることになるとは、想像もできませんでした。今年もまた新たな挑戦の機会を得られたことを嬉しく思っていますが、新しいクルマと、強力なライバルにより、大変な挑戦になることは間違いありません。勝つために何が必要かは明白であり、着実に走行プランをこなし、ミス無く走りきることです。あとは日曜日の結果を待つだけです。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    初めて訪れた瞬間からル・マンが大好きになりました。雰囲気は最高ですし、一つの目標に向かって全員で協力し合う、そのチームの一員として働けることも楽しんでいます。全てのエンジニアとメカニックが懸命な努力をしており、ドライバーも一緒に協力し合って情報を共有しています。成功のためには、一つの大きなチームとして動く必要があり、新型のGR010 HYBRIDでこの偉大なレースに挑むために我々はそれをやってきました。皆がル・マンでの勝利を夢見てこの地にやってきます。その最高のチャンスをつかむために、これからの1週間でやるべきことがたくさんあります。

  • トヨタ、水素エンジンカローラでスーパー耐久レースに参戦

    トヨタ、水素エンジンカローラでスーパー耐久レースに参戦

    トヨタは、カーボンニュートラルなモビリティ社会実現に向けて開発中の「水素エンジン」を搭載した車両を7月31日から8月1日に行われる「スーパー耐久レース in オートポリス」(5時間レース)にて、「ORC ROOKIE Racing」の参戦車両として投入する。

    前回に引き続き、トヨタ自動車の代表取締役社長である豊田章男が、ドライバー「モリゾウ」としてレースに参戦する。今回は、九州の「地産地消」のグリーン水素を、水素エンジン車両に活用することで、業界を超えた九州での水素の連携をより一層深めていく。

    この水素エンジン車両は、「水素エンジン」の開発スピードを上げることを目的に、5月21日から富士スピードウェイで行われた「富士SUPER TEC 24時間レース」で初めてレースに参戦し、参戦から約2ヶ月間、車両面・インフラ面それぞれの改善を進めてきた。

    <約2ヶ月間での改善内容>
    ■車両面
    ・エンジン内での水素の異常燃焼を抑えつつ、性能を向上(約15%トルクアップ)
    ・水素エンジンのメリットである応答性のさらなる向上
    ■インフラ面
    ・水素充填時間*の短縮(約40%向上 約5分→約3分)
     * 水素ステーションノズル接続から抜くまでの作業時間
    ・FH2Rに加え大林組・トヨタ自動車九州のグリーン水素使用

    今回のレース参戦では、引き続き厳しい環境下で課題を洗い出しスピーディな開発を進めることに加え、水素エンジン開発への挑戦に共感した、株式会社大林組および、トヨタ自動車九州株式会社が、地産地消のグリーン水素を供給する。これにより水素を「使う」工程に加え、「作る」工程もグリーン水素となり、カーボンニュートラル実現に向け、エネルギーの選択肢がさらに拡がる。

    <水素エンジン車両への水素供給>
    ■供給比率
    ・福島県浪江町(FH2R) : 約50%、大林組 : 約30%、トヨタ自動車九州 : 約20%
    ステーション数
    ・3台(地元九州の移動式ステーションを使用)

    <大林組・トヨタ自動車九州の取り組み>
    ■大林組
    大分県の九重町で日本初となる地熱発電電力を活用したグリーン水素を、複数の需要先に供給するまでの一連のプロセスを実証。地熱発電由来のグリーン水素を水素エンジン車両に供給。
    実証期間 2020年8月着工~2024年3月を予定
    水素供給能力 10Nm3/h
    ■トヨタ自動車九州
    太陽光発電により製造した水素を、工場内で使用するフォークリフトや施設の照明等に使用。太陽光発電由来の水素を水素エンジン車両に供給。
    水素供給能力 24Nm3/h

    九州は、再生エネルギー比率が高く、水素の研究が盛んな地域の一つ。トヨタ自動車九州でも、積極的に水素エネルギーを活用してきた。今回の水素エンジン開発への挑戦を契機に、九州でのカーボンニュートラル、水素社会実現に向け、仲間づくりや地域連携を進めていく。

    水素エンジンはカーボンニュートラルに向けた新たな選択肢の一つであり、日本が長年培ってきたエンジン技術を活かすことが出来る。

    トヨタは「前回の富士SUPER TEC 24時間レース参戦、および、今回のスーパー耐久レース in オートポリス参戦では、多くの関係会社様に多大なご協力をいただきました。自動車産業の雇用を守っていくためにも、自動車産業「550万人」の仲間に加え、各パートナー様と共に、水素エンジン開発への挑戦を続けてまいります」と語った。

  • ホンダのF1撤退の理由“カーボンニュートラル”にレースで挑戦するトヨタ

    ホンダのF1撤退の理由“カーボンニュートラル”にレースで挑戦するトヨタ

    ホンダがF1撤退の理由として挙げたことでモータースポーツにとってネガティブなイメージがついた“カーボンニュートラル”。だが、同じ自動車メーカーであるトヨタは、水素エンジンでレースに参戦することでそのイメージを変えようとしている。

    ホンダは、F1に費やしていたリソースを『2050年までにカーボンニュートラルを実現』することに転換するために2021年シーズン限りでF1から撤退することを発表。モータースポーツ界で“カーボンニュートラル”という言葉が頻繁にヘッドラインとなった。

    カーボンニュートラルとは、完全にゼロにすることが難しいCO2排出を減らすことに加え、排出せざるを得なかった分を“吸収”もしくは“除去”することで“ニュートラル(中立)”=差し引きゼロの状態にして、地球温暖化を抑える取り組みだ。

    だが、多くの企業が主に製造やリサイクルなどでカーボンニュートラルに取り組んでいるが、日本のテレビ局は“脱炭素社会”という言葉でその取り組みを伝えており、なかなか浸透していなかった。

    しかし、ホンダがF1撤退の理由としてカーボンニュートラルを挙げたことで、自動車、特にモータースポーツについてネガティブなイメージがついてしまった感は否めない。

    また、自動車メーカーは電気自動車によってCO2排出ゼロを目指そうという動きに出ているが、トヨタはあえて水素エンジンを提案している。

    トヨタの豊田章男社長は「カーボンニュートラルを実現するための選択肢として電気自動車しかなければ、日本では100万人の雇用が失われてしまう」とカーボンニュートラルの選択肢を増やしてほしいと訴え続けている。

    そして、トヨタは水素エンジンで『スーパー耐久(S耐)シリーズ2021 第3戦 富士24時間レース』に参戦し、モータースポーツの場で実証実験してみせた。

    トヨタはあくまで“エンジン”を残そうとしている。水素エンジン車は、ガソリンの代わりに水素をタンクに貯め、それをエンジンで燃やしてエネルギーを取りだして走る。水素を燃やしたときに出てくるのは、基本的には「水」だけ。二酸化炭素は“ほぼ”排出しない。

    水素エンジンを搭載したカローラで実際にレースに出場した豊田章男社長は「運転した感覚は、ガソリン車とまったく変わらない」と語る。

    トヨタで水素プロジェクトを指揮するGazoo Racingカンパニープレジデントの佐藤恒治は「今まであったエンジンをそのまま使いながら、燃料をカーボンニュートラルなものに変えられる」と語る。

    「ということは、最初にガソリン車として出しておいて、後々、水素に置き換えていくということだってできるかもしれません。クルマのつくりかたが変わっていく、そういう未来の扉を、いま開けようとしています」

  • WEC:トヨタ 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース 決勝レポート

    WEC:トヨタ 2021年 第3戦 モンツァ6時間レース 決勝レポート

    FIA 世界耐久選手権(WEC) 第3戦 モンツァ6時間レースの決勝が7月18日(日)イタリアのモンツァ・サーキットで行われ、トヨタのGR010 HYBRIDが厳しいレースを戦い抜き、開幕から3連勝を飾った。

    マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、ハイパーカーカテゴリーでの強力なライバルとの接近戦を制し、今季初勝利を挙げた。204周を走り抜いて、2位のアルピーヌ36号車との差は60.908秒だった。

    開幕からの2戦を制して今戦に臨んだセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車は、テクニカルトラブルに見舞われ、総合33位でチェッカーを受けた。

    この結果、トヨタは首位につけるWECチーム選手権での、アルピーヌに対するリードを30ポイントへとさらに拡げることとなった。ドライバーズ選手権の争いは激しさを増すこととなり、8号車と7号車の差は6ポイントに縮まった。

    現地時間正午にスタートが切られた決勝レースは、序盤2台のGR010 HYBRIDによる接近戦が繰り広げられた。ポールポジションからコンウェイのドライブでスタートした7号車は首位を守り、僅差でブエミの8号車がこれを追った。最初の2スティントまでは、2台は数秒差での周回を続けていたが、スタートから1時間半ほどが経過し、8号車がハートレーへと交代した直後、状況は一変した。

    8号車は燃圧系統のトラブルに見舞われ4分半ほどピットでの作業を余儀なくされた。21位で一旦コースに復帰したが、すぐに車両左フロント部の破損のために更なるピット作業を強いられ、8号車は12周遅れとなり上位争いからは完全に脱落することとなってしまった。

    その後、コース上の異物によりセーフティカーが出される中、7号車を駆るロペスは首位を守り、レースが半分を過ぎた時点で2位に22秒のリードを築いていた。しかし、8号車には更なるトラブルが襲いかかり、チームは燃料系の部品を交換することを決意。この複雑な作業には48分を要した。

    レースが残り2時間を切るころ、首位を小林のドライビングで逃げる7号車は、突然のエラーメッセージによりコース脇にストップ。しかし、小林は的確に再起動作業を実施し、1分ほどのタイムロスで首位のままレースに復帰した。

    このアクシデントのあと、グリッケンハウスの709号車が一旦は首位に立ったが、こちらもトラブルによる修復のためにピットイン。小林の7号車は首位を奪還したが、今度はタイヤのパンクに見舞われ、予定外のタイヤ交換ピットイン。首位アルピーヌを追う形になった。

    小林は最速ラップを更新するハイペースでアルピーヌとの差を詰め首位を奪還、コンウェイへと交代した。残り34分というところでフルコースイエローが出されると、このチャンスに7号車は最後の給油ピットイン、首位の座を着実なものとし、そのままコンウェイがトップでチェッカー。7号車が今季初勝利を挙げた。

    チームは本拠地のドイツ・ケルンに戻り、今回発生した技術的な問題を徹底的に調査、8月21日(土)-22日(日)に来たるシーズン最大のイベントであるル・マン24時間レースへ向けての準備を進める。ル・マンレースウィークは8月15日(日)の公式テストデーで幕を開ける。

    豊田章男(チームオーナー)
    可夢偉、マイク、ホセ、優勝おめでとう!
    新しいクルマでの、7号車の初勝利、嬉しいです!
    そして、やっと勝てたこと、少し安心しました。

    しかし、その7号車もノートラブルで走りきれた訳ではありません。
    もう1台の8号車は様々なトラブルでたくさんの時間をロスしてしまいました。
    安心して走れるクルマを用意できずにいること、ドライバーのみんなに申し訳なく思います。

    ただ、GR010 HYBRIDは今まさにレースで鍛えはじめたクルマです。
    この段階でトラブルが出るのは当たり前かもしれません。

    トラブルの中にも”良いトラブル”と”悪いトラブル”があると思います。
    “悪い”ものは、1ヶ月後のル・マンまでに必ず改善してほしいと思います。
    ただ、いくら準備を重ねてもレースでは”想定外”が必ず起こります。
    ゴール目前で止まった一貴、ピットロード出口でまさかのトラブルが起きた可夢偉…
    このチームは、イヤという程、想定外を経験してきました。

    クルマと道と会話をしているドライバーの声にチーム全員で耳を傾けていってください。
    クルマをもっと強くしていくためにはそれしかありません。
    「少しでも走りやすいクルマで戦わせてあげたい」という気持ちで、ドライバーのための “もっといいクルマづくり”をお願いします。

    一貴、セブ、ブレンドン、
    可夢偉、マイク、ホセ、
    みんなの声が、このクルマを強くしていきます。
    どんなに小さい声でもクルマから聞こえてきたらメカニックやエンジニアに伝えてください。
    みんなで、このクルマをもっと強いクルマにしていきましょう。

    村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WEC チーム代表)
    TOYOTA GAZOO Racingにとって、今日は実りある素晴らしい一日でした。我々の7号車、そして、WRCで戦う仲間たちのラリー・エストニアでの勝利、おめでとうございます。WEC初開催となった今回のモンツァ戦は、特にエキサイティングな一戦として記憶に残るでしょう。また、再びグランドスタンドにファンの皆様をお迎えできたことを嬉しく思います。7号車のクルーは真のファイティングスピリットを見せてくれ、それがシーズン初勝利という形で報われました。8号車はトラブルに悩まされ、3連勝を勝ち取ることができなかったことは、一貴、セバスチャン、ブレンドンに申し訳なく思います。ただ、決して諦めず、必死にクルマをレースに戻そうとしてくれたメカニックたちには感謝を伝えたいですし、また、そのためにチーム全員が大変な努力をしてくれました。ディフェンディングチャンピオンとしてタイトルを死守すべく、そして、ハイパーカーでの記念すべき初優勝を目指し、我々の目はもう、ル・マンに向いています。そのゴールを達成するために、やるべきことがまだたくさんあります。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
    我々7号車はシーズンの序盤2戦からそうでしたが、レースウィークを通して速かったです。過去2戦では運に恵まれず、今日も幾つかトラブルに見舞われましたが、ようやく勝つことができました。この週末のレースで、ル・マンでは絶対に許されない信頼性の問題が発生し、まだ相当な努力が必要だということを示したと思います。7号車は本当に強くなっていますし、チームとしてまとまっているので、今年のル・マンは大きなチャンスだと思っています。今日はモンツァで勝つことができて本当に嬉しいですし、ここで勢いが得られたことは、次に待つ最大のレースへ向け、とても重要です。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)
    モンツァは素晴らしいコースですし、ファンの皆様も戻ってきたこのレースで勝つことができて最高の気分です。GR010 HYBRIDはレースウィークを通じて好感触で、走行を重ねるごとに調子を上げていきました。決勝レースでは、必要なときに後続との差を広げることができ、ペースも良かったです。終盤は可夢偉のトラブルやタイヤパンクなどもあり、一進一退の攻防となりましたが、首位を守りきることができ、面白いレースだったと思います。今季初勝利を手にすることができて本当に嬉しいです。8号車は大変な一日でしたが、7号車についてはとても満足しています。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)
    何が起こるか分からないのが耐久レースですが、今日は本当に様々なことが起こりました。とんでもないレースでしたが、我々は着実に走り抜き、勝利しました。レースは常に最速の車両が勝つというわけではありませんが、我々7号車はこの週末最速であり、このことは次戦ル・マンへ向けてとても励みになります。レース前の全てのセッションでトップタイムをマークし、ポール・トゥ・ウィンを飾るというのは、なかなか無いことですが、それをともに成し遂げてくれた可夢偉とマイクを誇りに思っています。エンジニアやメカニックといったチームクルーも全員がとても良く頑張ってくれました。トヨタ全体としては大変なレースでしたが、さらに強くなってル・マンに臨みたいと思います。  

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
    私がドライブするときには、既に修復のために大きくタイムを失っており、できることは安全に8号車をチェッカーまで走らせることだけでした。8号車を完走させるために大変な作業をこなしてくれたメカニック全員に感謝するとともに、優勝した7号車を祝福します。彼らの戦いぶりは勝利に値する素晴らしいもので、チームとして連勝できたことも良かったです。ル・マンはもっとスムーズなレースになることを願っています。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)
    我々にとってはとても難しいレースになってしまいましたが、全力は尽くしました。序盤は順調で、僅差の2位で7号車についていけました。その後、燃料系のトラブルに続き、ホイールハブにもトラブルが発生しました。6時間のレースではこれらのトラブルで失った時間を取り戻すのは難しく、我々にできることはあまりありませんでした。選手権ポイントを多く獲得できなかったのは残念です。ル・マンまでにはこの問題を克服しなくてはなりません。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)
    今日が我々の日ではないのは間違いありません。しかし、ル・マンではなく、モンツァでこの様なトラブルに見舞われたことは良かったと思います。ル・マンはシーズン1年で最も勝ちたいレースです。我々の8号車は燃料系のトラブルに見舞われ、修復のためにピットイン、その後ホイールハブのトラブルも発生しました。ドライバーズポイント争いでは差を詰められてしまいましたが、まだシーズンは続きますし、こういうことがあるのがモータースポーツだと分かっています。ル・マンへ向けて仕切り直します。

  • SUPER GT:トヨタ 2021年 第4戦 ツインリンクもてぎ レポート

    SUPER GT:トヨタ 2021年 第4戦 ツインリンクもてぎ レポート

    SUPER GT第4戦「MOTEGI GT 300km RACE」が7月17日(土)、18日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで開催された。

    今季、第3戦として5月末に予定されていた鈴鹿ラウンドが8月に延期となったことで、ゴールデンウィークの第2戦富士ラウンド以来、約2ヶ月半ぶりのSUPER GTとなる。

    今季のSUPER GTは、開幕戦でGR SUPRAがトップ4を独占する速さを見せ、第2戦では惜しくも勝利は逃したものの、2位、3位を獲得。第1戦で勝利、第2戦で2位と連続表彰台の大嶋 和也/山下 健太組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車がドライバーズランキングで首位につけている。

    例年、もてぎでのSUPER GTは最終戦として比較的寒い時期に行われてきたが、昨年のコロナ禍で行われたシリーズと同様、今年も年2回の開催で、1回目は真夏の7月開催となった。ブレーキやタイヤ、車両とドライバーにも厳しいと言われるもてぎで、熱い戦いが繰り広げられた。

    今大会も、KeePer TOM’S GR Supra 37号車のシーズンエントリードライバーとして登録されているサッシャ・フェネストラズが入国できないため、代役として阪口晴南がドライブ。この阪口晴南が乗るはずだったGT300クラスのK-tunes RC F GT3 96号車は、TGR-DCドライバーの平良響が開幕2戦に続きドライブする。

    今大会も新型コロナウイルス感染拡大防止策を十分に配慮した上で、有観客で開催。イベント広場には、8/6公開の映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」に使用されたGR SUPRAが展示され、大きな注目を集めていた。

    予選
    7日(土)、梅雨が明けたばかりのもてぎは、強い日差しに照らされ、猛烈な暑さとなった。午後2時15分、気温33度、路面温度45度という灼熱のコンディションで、ノックアウト方式の予選が開始された。

    10分間で行われたQ1は、上位8台がQ2へと進出する。残り8分程から各車コースへ向かい、セッション終盤にアタック開始。19号車の国本がGR SUPRA勢最上位の3番手タイムをマーク。第1戦、第2戦と連続3位表彰台で、ランキング3位につける37号車は平川亮のドライブで4番手。第2戦で2位に入りランキング4位の36号車は坪井が5番手タイムをマークした。石浦宏明がアタックしたZENT CERUMO GR Supra 38号車は最後に7番手タイムで滑り込み、ここまでの4台がQ2進出。

    中山雄一がアタックしたDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車は12番手、ランキングトップで70kgものサクセスウェイトとなり、2段階の燃料リストリクター規制を受けることとなった14号車は、大嶋がアタックするも13番手に終わった。

    Q2では、前戦でポールポジションをマークした19号車の宮田が、1分37秒台に入れる好走を見せたが、惜しくも0.05秒届かず、最前列2番手グリッドを確保した。関口の36号車は最後のアタックでやはり1分37秒台に入れ2列目4番手。阪口晴南の37号車が5番手。立川祐路の38号車は8番手から決勝レースに臨むこととなった。

    決勝
    18日(日)も好天に恵まれ、気温33度、路面温度は51度という厳しい暑さの中、午後1時10分に63周、300kmで争われる決勝レースのスタートが切られた。

    1コーナー進入から1列目、2列目ともにサイド・バイ・サイドのバトルが展開。国本が最前列2番手からのスタートを担当した19号車は首位の車両に迫rが、惜しくも抜けず、2位をキープ。その後方では、4番手、5番手スタートの関口の36号車、阪口晴南の37号車がひとつずつポジションアップを果たした。

    スタート直後こそペースの上がらなかった国本の19号車でしたが、タイヤが暖まるとペースを上げて首位との差を一気に詰め、周回遅れが出始めた7周目、アウト側から豪快に前車をパス。首位に立った。

    首位に立った19号車は後続を引き離して行き、その差は一時4秒以上にまで広がった。

    レースが3分の1を過ぎると、徐々にドライバー交代と給油、タイヤ交換のためにピットイン。首位を行く19号車は28周終了時でピットイン。しかし、タイヤ交換作業中にややミスがありタイムロス。ライバルの先行を許すこととなってしまった。

    先にピットインした5位走行中の37号車もタイムをロスし、大きく順位を落とすこととなった。

    国本から宮田へとドライバーチェンジした19号車は、コース復帰時で実質的な首位の車両に5秒ほどの差をつけられていたが、タイヤが暖まると宮田が猛追。ライバルよりもはるかに速いペースでその差を削り取っていき、35周目にはその差は1秒以内。テール・トゥ・ノーズでコーナーごとに前車にプレッシャーをかけ、息を飲むような首位争いが続いた。

    41周目、GT300クラスの35号車から出火し、コース脇にストップ。このアクシデントにより、コース内の車両は全車80km/h制限のフルコースイエロー(FCY)が導入された。43周目にFCYは解除されたが、46周目にも他者の接触により2度目のFCY。このFCY解除の時には、首位の車両と19号車は3秒ほどまで差が開いてしまった。

    諦めない19号車の宮田は、なおも追い上げを続け、残り10周の時点で再びその差は1秒を切るまでに詰め寄ったが、首位を行く車両の巧みなブロックを破ることはできず、2位でフィニッシュ。2019年の第4戦タイラウンド以来2年ぶりとなる表彰台を獲得した。

    関口から坪井へとドライバーチェンジし、終始着実なレースを戦った36号車は3位で続き、今季2度目の表彰台を獲得。ピットインで順位を落としながらも追い上げた37号車が7位、38号車が8位、39号車が10位でポイントを獲得した。

    WedsSport ADVAN GR Supra 19号車 ドライバー 国本雄資:
    2番手からのスタートで、1周目に絶対前を抜くつもりでいたんですが、ウォームアップは向こうの方が良く、1周目はチャンスがありませんでした。逆に後から36号車に迫られて厳しい場面もありましたが、タイヤが暖まってからは良いペースで走れました。ちょうどトラフィックが来たときに、タイヤ的にも一番ピークな時があって、チャンスはここしかないと思っていて、運良く4コーナー、一番引っかかったらロスするようなところで前が引っかかってくれたので、ここは絶対逃すまいとブレーキングで勝負して、抜くことができました。その後もペースは良かったですし、トラフィックの巡り合わせもすごく良くて、ギャップを作ることができたので、そういった部分では、僕のスティントでは運も味方してくれてトップを守ることができました。結果としての2位はちょっと悔しいですけれども、ただ、長い間結果が出ていなかったので、悔しい反面、ほっとしているというか、これから良い流れに乗れるように頑張りたいです。

    WedsSport ADVAN GR Supra 19号車 ドライバー 宮田莉朋:
    国本選手がトップに出ることができて、ペースは良かったんですが、ライバルの燃費の良さだったりとか、そういう所で負けてしまって先行を許してしまいました。そうは言っても、5秒くらい差があったのをなんとか射程圏内まで持って行けたんですが、そのあとFCYとか様々な要因で、僕らには運が向いてなくて、優勝することはできませんでした。本当は勝ちたかったですが、去年の今頃はポイントを取れるか否かの状況だったので、それをここまで来られたというのはみんなの努力が、結果として身になっているので、悔しいと思えるこの時間が本当に幸せだと思いますし、もっとこれから、予選もそうですが、決勝もトップ争いができるように、努力をし続けて優勝を目指して頑張ります。次の鈴鹿はちょっとウェイトを積む状況でのレースになると思うので、正直ウェイトを積んだ状態での車のパフォーマンスは未知数なんですが、暑い鈴鹿も1000kmでは調子よかったですし、貪欲に結果を求めてプッシュしたいと思います。