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  • WEC:トヨタ、波乱の展開の末、8号車が2位&7号車がリタイア

    WEC:トヨタ、波乱の展開の末、8号車が2位&7号車がリタイア

    波乱のセブリングでGR010 HYBRID 8号車が2位フィニッシュ 平川亮はWECデビュー戦で表彰台獲得
    2022年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦セブリング1000マイルレースの決勝が3月18日(金)に米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われた。波乱の展開の末に、雷雨により短縮終了となったこのレースで、TOYOTA GAZOO Racing(以下トヨタ)のGR010 HYBRID 8号車が2位フィニッシュ。7号車はリタイアとなった。

    昨年デビューしたハイパーカー GR010 HYBRIDはこれまでのレースで100%の勝率を誇ってきたが、2シーズン目となった今年の開幕戦では、アルピーヌの先行を許し、連続勝利記録は6で途絶えた。

    セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名がドライブするGR010 HYBRID 8号車は苦しいレースを戦い抜き、2位でフィニッシュ。表彰台を獲得した。

    一方で、ディフェンディングチャンピオンのマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブする7号車は、レース折り返しとなる4時間経過目前に発生したアクシデントによりリタイア。トヨタにとって、参戦した車両がレースをフィニッシュできなかったのは、2017年のル・マン24時間レース以来となった。

    2台のGR010 HYBRIDは予選から苦戦し、4番手、7番手というポジションからのスタートを強いられた。スタートを担当した8号車のブエミは4周目に3位へ、そして7号車の小林もこれに続く4位へと浮上し、今大会に出場しているハイパーカー4台全車による表彰台争いが繰り広げられた。

    2台のGR010 HYBRIDは、スタートから1時間を迎える少し前に給油のためにピットイン。2台はグリッケンハウスをかわし、ブエミの8号車が2位、小林の7号車が3位で、首位をいくアルピーヌを追った。

    スタートから3時間を過ぎた頃、7号車をドライブしていたロペスが、前を行くハートレーの8号車との差を詰め、104周目にはこれをパス。しかし、この時点で首位アルピーヌとの差は大きく開いており、厳しい性能調整もあり、トップ争いに加わることはできなかった。

    折り返しとなる4時間を前にして、レースは大きく動いた。7号車のロペスが、周回遅れのGTクラス車両と接触してスピン。タイヤバリアにヒットした7号車は、車体にダメージを負いながらもコースに復帰し、ピットへと戻ろうとしたが、その幾つか先のコーナーでコースアウトし、再び激しくタイヤバリアにクラッシュ。ロペスは幸運にも無事だったが、7号車はここでレースを終えることとなってしまった。

    このアクシデントによりレースは34分間の赤旗中断となったが、2位を走る8号車にとっては不運なタイミングでの中断となってしまった。ハートレーは再スタートが切られる直前のセーフティカーラン中に、給油のための緊急ピットインを強いられ、その後、再びドライバー交代とタイヤ交換を含むフル作業のためにピットイン。ここで交代した平川がデビュー戦で初のコースインを果たした。

    8号車のステアリングを握った平川は2スティントに渡って好走を見せ、3位のグリッケンハウスとの差を広げ、その後出されたコース上の異物によるフルコースイエロー中に、ブエミへと交代した。

    レースは残り1時間ほどを残したところで、落雷の危険が近付いてきたために赤旗中断。その後一旦はセーフティカー先導の下で走行が再開され、再スタートを待ったが、再び落雷の危険があるとして走行は停止され、その時点の順位でレース終了が決定された。2022年シーズンのWECはヨーロッパへと舞台を移し、次戦は5月7日(土)にベルギーのスパ・フランコルシャンで6時間レースが行われる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    2022年開幕戦たくさんの応援ありがとうございました。結果は8号車が2番手、7号車は残念ながらリタイアとなってしまいましたが、ホセの身体が無事だったことは不幸中の幸いです。7号車、8号車共、同じ位のパフォーマンスでレースを進められ、今持っている力は出し切れたと思いますが、今後、ドライバーと一緒にもっと強いチーム作っていくためにどうしたらいいかを考えていかないといけないと思っています。今回の性能調整は厳しいものでしたが、チームとしてパフォーマンスを引き出すことに集中して2番手になれたのは良かったと思います。今後どんな状況でも諦めず、車の限界を掴めるよう、さらに強いチームを作れるように気を引き締めてやっていきたいと思います。残念ながらチーム代表としての初レースは優勝できませんでしたが、これも試練として、自分自身が学習して、強くなってチームを引っ張っていけるように頑張っていきたいと思いますので、これからも引き続き応援よろしくお願いします。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
    望んでいた開幕スタートにはなりませんでした。着実な結果を期待していただけにとても悔しいです。勝てるペースではありませんでしたが、表彰台は十分に狙える位置でしたし、それが目標でした。私に交代する直前のアクシデントだったので、今日は1周も走れませんでした。残念ですが、車両の安全性が高く、ホセが無事だったのは幸いでした。それが一番大事なことです。今日のようなアクシデントは耐久レースにはつきものです。次戦スパへ向けて車両を修復し、今回のリベンジを果たすべくプッシュします。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    私が走っていたときはとても好調で、前を行く8号車をパスすることができました。しかし、不運にもGT車両と接触してしまい、車両前部を破損してしまいました。私はすぐにピットへ戻ろうとして、車両のダメージを見誤ってしまいました。ターン14へと進入したとき、車両の前下部が破損のために路面を擦り、ハンドルもブレーキも効かないままに真っ直ぐバリアに突っ込んでしまいました。大きなクラッシュでしたが、とても安全性の高い車体のおかげ私は無事でした。すぐに対応してくれたセブリングの救急スタッフや皆に感謝しています。私自身は何も問題なく、明日土曜日の12時間レースにも出場できると思います。ただ、チームとチームメイトには本当に申し訳なく思っています。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    クレイジーなレースで、7号車のアクシデントも含め、チームにとってとても大変なレースでした。あのアクシデントまでは、2台揃って良いレースを戦っていました。しかし2位というのは今日できた最良の結果であり、選手権争いに大事なポイント獲得は果たせました。セブリングに来る前から厳しい戦いになることは分かっていました。勝ちたかったですが、今日は無理なことが分かっていましたし、ポイントが獲得できただけ良かったです。次戦へと気持ちを切り替えます。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    我々8号車にとってはとてもクリーンなレースでした。セブは最初の2スティントでとても良い走りをしてくれました。私に交代したとき、いくつかの中古タイヤを使ったことも有り、後方からプレッシャーをかけてくるホセに対抗するのは大変でした。その後残念ながらホセはアクシデントに見舞われてしまいました。亮は8号車でのデビューで見事な走りを見せました。既に我々の間ではチームメイトとして良い関係が築けており、彼は完璧なレースを見せてくれました。我々には勝利を争うだけの速さはありませんでしたが、ミス無くレースを戦った結果の2位には満足しています。この勢いを活かしてル・マンへの準備を進め、チャンピオンを目指します。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    TOYOTA GAZOO Racing WECチームでの初レースを表彰台で飾ることができ、嬉しいです。GR010 HYBRIDで実戦を走るというのは初めての経験でしたが、上手くできたと思います。LMP2車両をかわしながら走るのはとても難しかったです。とはいえまずは自分の担当をミス無く走り、表彰台という好結果でシーズンのスタートを切れたのは良かったです。次戦スパでのレースが楽しみですし、更なる好結果を目指し努力を続けます。

    豊田章男 (TOYOTA GAZOO Racing チームオーナー)
    2022年のFIA世界耐久選手権(WEC)が開幕し、ハイパーカーでの2年目の挑戦が始まりました。可夢偉がチーム代表となり臨んだ初戦は、彼自身も乗る7号車がクラッシュ、8号車は最後まで走り続けましたが勝つことはできず試練の船出となりました。次戦のスパ、そして6月のル・マンに向けてチームみんなで何を改善していくのか?ドライバー、エンジニア、メカニックみんなで考え、実践していってもらえればと思います。7号車のアクシデントにはひやりとしましたがホセの体が無事でなによりでした。クラッシュは誰のせいでもありません。ここからも学べることがきっとあるはずです。ドライバーが、もっと安心して運転できるクルマづくりにつなげていってもらえればと思います。厳しい性能調整がはいっていることも聞いています。勝利を目指して、これを乗り越えようとすればそこに技術や技能の進化が生まれます。このレースの現場でも、もっといいクルマづくりを続けていきましょう。チーム代表となった可夢偉を中心にみんなが集まったレース直後のミーティングを映像で見ました。可夢偉が率先して、こうしたコミュニケーションを始めてくれたことに感謝します。気づいたことは何でも言い合える…何かをしてもらったらありがとうと言う…当たり前なことかもしれませんが私が期待しているのはこうした“家族的”なチームづくりです。ドライバーとの二刀流は大変かもしれないけど、チーム代表としての役割も引き続き、よろしくお願いします。ファンの皆様、このチームはもっと進化してまいります。チームが強くなっていけば、クルマももっと強く速くなっていきます。今シーズンも暖かい応援をよろしくお願いいたします。

    WEC第1戦セブリング1000マイル 決勝結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 首位との差
    1 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・チーム/
    アルピーヌ A480-Gibson
    194
    2 8 セバスチャン・ブエミ
    ブレンドン・ハートレー
    平川亮
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    194 37.466
    3 708 オリビエ・プラ
    ロマン・デュマ
    ライアン・ブリスコー
    グリッケンハウス・レーシング/
    グリッケンハウス 007 LMH
    193 1 Lap
    4 23 ポール・ディ・レスタ
    オリバー・ジャービス
    ジョシュ・ピアソン
    ユナイテッド・オートスポーツUSA/
    Oreca 07-Gibson
    192 2 Laps
    5 31 ショーン・ゲラエル
    ロビン・フラインス
    レネ・ラスト
    WRT/
    Oreca 07-Gibson
    192 2 Laps
    7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    110
  • WEC:トヨタ、予選4番手&7番手と性能調整の影響に苦しむ

    WEC:トヨタ、予選4番手&7番手と性能調整の影響に苦しむ

    FIA世界耐久選手権(WEC)第1戦セブリング1000マイルレースの予選が3月17日(木)、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われ、厳しい戦いとなったTOYOTA GAZOO Racingの2台のGR010 HYBRIDは、4番手、7番手グリッドから明日の決勝レースに臨むこととなった。

    この開幕戦に向け変更された性能調整(バランス・オブ・パフォーマンス)の影響は、赤旗で短縮された予選の結果に明瞭に表れた。

    セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名が駆るGR010 HYBRID 8号車は、ハートレーが予選アタックを担当し、1分49秒217のタイムで総合4番手。マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車はロペスのアタックで7番手のタイムに終わった。

    予選はチェッカーを目前にしたところでLMP2車両がクラッシュし、赤旗が出されてそのまま終了。このためアタックに入っていた2台のGR010 HYBRIDは更なるタイム更新のチャンスを失い、ライバルとなるアルピーヌがポールポジション、グリッケンハウスが2番手で続き、LMP2車両が総合3番手に入った。

    GR010 HYBRIDは昨年、6戦中5度のポールポジションを獲得しているが、今大会、前輪を電動モーターで駆動する4輪駆動モードの作動速度が性能調整により制限されたこともあり、6度目を目指したポールポジションへの戦いは厳しくなることが予想されていた。

    しかしながら、ロペスとハートレーは、米国耐久レース生誕の地であるセブリングで、沈みゆく夕日に照らされながら行われた予選セッションを、ひとつでも上位からのスタートを目指し全力で戦った。

    ハートレーはコースインして最初のアタックラップで自身最速タイムをマーク。その後も2周にわたってアタックを続け、チェッカー目前のラップでは第1セクターでタイムを更新し順位アップの期待がかかったが、セッション終了直前にLMP2車両がクラッシュしたことで出された赤旗により、その望みは叶わず4番手に留まった。

    ロペスはセッション開始からしばらく待機してコースインしたが、アタック1周目ではコース上の混雑に阻まれタイムをロス。その後の周回でタイムを更新していった、最後のアタックラップが赤旗で阻まれ7番手に終わった。

    トヨタにとっては残念な予選となったが、チームは明日18日(金)に8時間の長丁場として行われる決勝レースでの戦略を最適化することに意識を切り替え、GR010 HYBRIDでの7戦連続勝利を目指す。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    最後のラップはかなり上手く行き、コンマ5秒ほど速かったと思ったのですが、赤旗が出てしまいました。赤旗がなければもっと上位のグリッド、恐らくトップ4には入れたと思いますが、結果としてはそんなに変わりません。ポールポジション争いには加われませんでしたが、ダメージは最小限だったと思います。決勝レースは長いので、クリーンなレースをすることに集中します。上手く行けば表彰台か、更なる結果も狙えるかも知れません。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    あまりグリップが得られず、スライドしてしまって難しい予選でした。最終コーナーで速度を出し過ぎ、コンマ何秒か失いましたが、それ以外はクリーンなアタックラップでした。とはいえポールポジションを狙うには足りませんでした。明日の決勝レースでは、とにかくできる限りクリーンなレースを戦わなくてはなりません。それこそが耐久レースであり、何が起こるか分からないので、戦い続けます。

    WEC第1戦セブリング1000マイル 公式予選結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 ベストタイム
    1 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・チーム/
    アルピーヌ A480-Gibson
    1:47.407
    2 708 オリビエ・プラ
    ロマン・デュマ
    ライアン・ブリスコー
    グリッケンハウス・レーシング/
    グリッケンハウス 007 LMH
    1:48.741
    3 83 フランソワ・ペロード
    ニクラス・ニールセン
    アレッシオ・ロベラ
    AFコルセ/
    Oreca 07-Gibson
    1:49.014
    4 8 セバスチャン・ブエミ
    ブレンドン・ハートレー
    平川亮
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    1:49.217
    5 22 フィリップ・ハンソン
    フィリペ・アルバカーキ
    ウィリアム・オーウェン
    ユナイテッド・オートスポーツUSA/
    Oreca 07-Gibson
    1:49.388
    7 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    1:49.581
  • WEC:トヨタ 2022年シーズン プロローグテスト レポート

    WEC:トヨタ 2022年シーズン プロローグテスト レポート

    GR010 HYBRIDがセブリングを初走行し開幕戦へ向け準備
    TOYOTA GAZOO Racing(以下トヨタ)は、3月12日(土)、13日(日)の2日間にわたって米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われた、FIA世界耐久選手権(WEC)の2022年シーズン初の公式走行セッションとなるプロローグテストに参加し、開幕戦へ向けた準備を進めた。

    来る18日(金)に決勝が行われるWEC開幕戦セブリング1000マイルレースを目前にして同じコースで行われるこのテストは、トヨタがチャンピオン防衛を目指す2022年シーズンの幕を開ける毎年恒例のWECの公式イベント。

    この2日間にわたるプロローグテストでは、トヨタはハイブリッド・モーターの駆動が可能になる車速が高められるなど、新たに設定されたバランス・オブ・パフォーマンス(性能調整)に合わせるべく、ラップタイムを追い求めずにセブリング初走行となるGR010 HYBRIDのセットアップとデータ収集に専念した。

    セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の駆るGR010 HYBRID 8号車は2日間のセッション合計で281周を走破し最速タイムは1分49秒101で総合9番手。またディフェンディングチャンピオンとして今季に臨むマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車は269周を走破し、1分49秒465で15番手となった。

    トヨタがこの米国耐久レース発祥の地で最後にレースを戦ったのは2019年。TS050 HYBRIDで臨んだトヨタは当時のコースレコードタイムを塗り替える速さを見せ勝利を飾った。そして今季、若干の改良が加えられたハイパーカー GR010 HYBRIDが12日(土)の朝にテスト走行を開始し、2022年シーズンに向けてのデビューを果たした。

    今季よりトヨタ WECチームのレギュラードライバーとしてGR010 HYBRID 8号車を駆る平川亮は、自身初走行となるセブリングで、チームの一員として初めて公式なセッションに臨んだ。平川亮は12日(土)の午前中、第1回目のセッションが開始されてすぐに8号車のステアリングを握り、全長6.019kmのコースでの走行へと繰り出した。

    1940年代の米軍飛行場跡地に造られたセブリングは、コンクリート舗装の荒れた路面で知られている。チームはこの独特なコースの攻略に向け、すぐにGR010 HYBRIDのサスペンションと空力のセッティングの最適化作業に取りかかった。

    走行初日となった12日(土)午前中の第1回目は、激しい嵐にも見舞われ、セッションは予定よりも1時間ほど早く終了した。その後も強い風は続いたものの雨は止み、コース路面が急速に乾いていったこともあり、チームは午後のセッションでセットアップとタイヤ評価の作業を続けることができた。

    13日(日)は朝から好天に恵まれたものの、フロリダにしては珍しく、気温10度という寒さの中でセッションが開始された。このコンディションならではのタイヤコンパウンドやメカニカル及び空力的なセッティングの評価など様々な作業を行うことができた。

    この2日間のテストで、GR010 HYBRIDがセブリングのコースでどのような挙動を示すかを理解するために必要なデータを収集でき、トヨタにとって開幕戦へ向け有意義な準備ができたテストとなった。

    開幕戦セブリング1000マイルレースの公式練習セッションは16日(水)に開始され、17日(木)には予選を実施。そして18日(金)に1000マイル(約1600km)、約8時間にわたって行われる決勝レースは、現地の正午にスタートが切られ、コースが闇に包まれる午後8時頃にチェッカーが振られる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    このプロローグは我々にとって重要なテストです。正しいバランスを見出すための作業を進めており、やるべきことはまだ沢山ありますが、まだ更なるセットアップ調整のための時間はあります。たとえ路面のバンプが激しかろうと、セブリングに戻れるのは最高です。シーズンの開幕はいつでもワクワクします。もちろん我々はディフェンディングチャンピオン、それも2年連続王者であり、今年も連覇を目指しベストを尽くします。我々7号車はドライバーラインナップこそ変わっていませんが、エンジニアや、その他チーム内でいくつかの変更があり、2022年シーズンを通して強化していく必要がありますが、なんとしてもやり遂げます。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
    クルマのスイートスポットを探り、ショートランとロングランでタイヤがどう働くのかを理解するための作業をハードにこなしました。この2日間で多くのことを学び、有意義なテストになったと思います。現時点で我々は競争力の面で若干の遅れを取っているように見えますが、今のところは予定してきたプログラムをこなしているだけです。セブリングに戻れるのはいつでもとても良い気分ですし、ずっと楽しみにしてきました。我々の目標はチャンピオンの防衛であり、そのためにも良いスタートが切れることを期待しています。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    新たな挑戦と新たな期待に満ちたシーズンのスタートを迎えることができ、とても良い気分です。また、久しぶりにセブリングに来られたことも嬉しいです。ここでのシーズン開幕は常に特別で、本当に楽しむことができます。ライバル勢のペースの速さにちょっと驚いていますが、それもレースの一部です。我々はただGR010 HYBRIDから最大のパフォーマンスを引き出すべくトライし、結果を待つだけです。まだ始まったばかりですが、とても接近した戦いになりそうです。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    信頼性の確認という意味で、とても有意義な2日間でした。荒れた路面のサーキットなので、GR010 HYBRIDが対応できたことは良かったです。ここではLMP2クラスの車両がとても速いので、優勝争いはとても厳しいものになるでしょう。これからデータを分析して、可能な限り車両の改良を続けていきます。正直なところ、ここまでの経過にはとても満足しており、あとは最適化など、レースウィークへの準備を進めます。とにかく、またレースを戦うのがとても楽しみです。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    とても楽しい2日間でした。セブリングは昔ながらの個性を持つ素晴らしいコースですが、リスクも高いのでミスのないように走る必要があります。ここでGR010 HYBRIDを走らせると生きていることを実感できます。ここまでのところ大きな問題は起きておらず、メカニカルなトラブルもありませんでした。とても順調に進んでいます。このまま戦略、メカニック、ピットストップ、そしてドライバーも全てが完璧にレースを戦って勝利を目指します。困難な挑戦になるでしょうがベストを尽くします。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    GR010 HYBRIDでのセブリング初走行ができて嬉しく思います。みんなから路面が荒れていると聞いていましたが、予想通りでしたし、良い準備ができました。2日間のテストは順調で、時々天候に悩まされることもありましたが、GR010 HYBRIDについて多くの情報を得ることが出来ました。トヨタ WECチームの一員としてのセブ、ブレンドンと共に戦う初のレースウィークが本当に楽しみです。

    WECプロローグテスト 2日間の結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
    1 41 ルイ・アンドラーデ
    フェルディナンド・ハプスブルク
    ノルマン・ナト
    リアルチーム by WRT/
    Oreca 07-Gibson
    238 1:48.089
    2 31 ショーン・ゲラエル
    ロビン・フラインス
    ルネ・ラスト
    WRT/
    Oreca 07-Gibson
    223 1:48.372
    3 22 フィリップ・ハンソン
    フィリペ・アルバカーキ
    ウィリアム・オーウェン
    ユナイテッド・オートスポーツUSA/
    Oreca 07-Gibson
    224 1:48.439
    4 36 アンドレ・ネグラオ
    ニコラス・ラピエール
    マシュー・バキシビエール
    アルピーヌ・エルフ・マトムート/
    アルピーヌ A480-Gibson
    214 1:48.497
    5 5 デイン・キャメロン
    エマニュエル・コラール
    フェリペ・ナスル
    チーム・ペンスキー/
    Oreca 07-Gibson
    204 1:48.751
    9 8 セバスチャン・ブエミ
    ブレンドン・ハートレー
    平川亮
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    281 1:49.101
    15 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    269 1:49.465
  • WEC:トヨタ 2022年 第1戦 セブリング1000マイル プレビュー

    WEC:トヨタ 2022年 第1戦 セブリング1000マイル プレビュー

    TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)は、来る3月18日(金)に米国フロリダ州で行われるセブリング1000マイル(約1600km)レースで2022年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)の開幕を迎える。今季より富士通およびJFEスチールを新たなパートナーとして迎え、全てのパートナーと共に、今シーズンに向けて改良されたハイパーカー、GR010 HYBRIDでシリーズチャンピオンの防衛に挑む。

    2021年シーズン、トヨタは700馬力を発揮するハイパーカーGR010 HYBRIDを新たに投入、デビューイヤーにもかかわらずル・マン24時間レースを含む全6戦に完全勝利し、ドライバー、チームの両選手権タイトルを獲得するという最高のシーズンを送った。今季、2022年シーズンもWECは全6戦で行われ、トヨタはタイトル防衛を目指す。

    2022年仕様のGR010 HYBRIDは、昨年の仕様から、タイヤとホイールのサイズが変更された。前輪は12.5×18インチマグネシウム鍛造レイズ製ホイールに29/71-18サイズのミシュランタイヤを装着、後輪は14×18インチホイールに34/71-18サイズのタイヤという組み合わせとなる。

    タイヤ及びホイールを変更したことで、レギュレーションで定められた空力的な性能を維持するために、ボディワークにも若干の変更が必要となった。最もわかりやすい変更点は、大型化された車両後部のエンドプレートとエンジンカバーフィン。

    それ以外のボディワークついては大きな変更点はなかった、3.5リッターエンジンはWECが2022年シーズンより新たに導入する、100%再生可能燃料に対応すべく調整されている。この燃料はワイン醸造時の絞りかすや農産物などから生成され、CO2排出量を65%以上削減するなど、モータースポーツにおけるサステナビリティ向上という継続的な取り組みに貢献する。

    トヨタは新シーズンへ向けて車両の調整だけでなく、チーム体制の見直しも行った。来る開幕戦セブリングは、小林可夢偉がチーム代表とドライバーという2つの役割を兼務して臨む最初のレースとなります。小林可夢偉は、共に昨年ル・マンを制し、世界チャンピオンを獲得したマイク・コンウェイとホセ・マリア・ロペスと共にGR010 HYBRID 7号車をドライブする。

    そして昨年までもう一台のドライバーだった中嶋一貴はレースドライバーを勇退し、WECチームの本拠地でもあるTGRヨーロッパの副会長という新たな役割に1月からついている。中嶋一貴はレースにおけるチーム運営をサポートするのと同時に、中嶋一貴に代わってセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレーと8号車をドライブすることとなる平川亮への助言も行う。2016年と2017年にLMP2クラスでル・マン24時間を戦った経験を持つ平川亮は、彼にとって初のWECシーズン参戦に向け、様々なテストやドライビングシミュレーターなどで準備を整えてきた。

    GR010 HYBRIDやドライバーのスーツには新しいパートナーの富士通とJFEスチールのロゴが加わります。トヨタは「富士通とJFEスチールの参加を歓迎すると共に、これまでもWECでの成功に欠かせない支援を頂いている全てのパートナーの皆様に、あらためて心より感謝いたします」と語る。

    2022年シーズンは3月12日(土)と13日(日)の両日に渡ってセブリングで行われるプロローグテストで公式イベントの幕を開ける。GR010 HYBRIDにとってはこのテストが、アメリカのスポーツカーレース発祥の地である、セブリング・インターナショナル・レースウェイ(全長6.019km)を走る初めての機会となる。

    このレースウィークは耐久レースの祭典とも言えるイベントであり、かつての軍用飛行場跡に造られたサーキットには、多くの観客が集まる。18日(金)の夜に1000マイル(約1600km、およそ8時間)にわたるWECのレースが行われ、翌19日(土)には北米をベースに行われているIMSAシリーズの第2戦、通算70回目を迎える伝統のモービル1セブリング12時間レースが行われる。

    トヨタがセブリングでレースを戦ったのは2019年の1回のみだが、記録的な観客が集まったこの時はセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴とフェルナンド・アロンソのトリオが勝利を挙げ、マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス組が2位で続いてTS050 HYBRIDが1-2フィニッシュを飾った。チームの目標はもちろん、この1-2フィニッシュの再現であり、2022年シーズンにおいて完璧なスタートを切ることだ。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    セブリングのような耐久レースの聖地とも言えるコースで、2022年シーズンのスタートを迎えることを、チームの全員が楽しみにしています。昨年我々はル・マンで勝利し世界チャンピオンを獲得しました。今年の目標もそれを再現することです。昨シーズン、我々はGR010 HYBRIDの改善点を幾つか発見し、それを解消すべく懸命に努力を重ねて来たので、今季はより信頼性の高いクルマになったと思っています。トヨタ、パートナー企業様、及びチームメンバーの全員によるハードワークとサポートのおかげで、2022年のWECシーズンを戦う準備は整いました。今年のハイパーカークラスは間違いなくエキサイティングなものになるでしょう。新たなライバルとなるプジョー、そしてグリッケンハウスとアルピーヌからの挑戦を心から歓迎します。これから始まるシーズンで、ファンの皆様の記憶に残るようなバトルをお見せできることを楽しみにしています。皆様、応援をよろしくお願いします。

    パスカル・バセロン(テクニカル・ディレクター)
    チーム全体がレースの現場に戻るのをとても楽しみにしており、シーズン前のテストプログラムも非常に順調だったので、良い状態だと感じています。ハイパーカークラスの開発は厳しいホモロゲーションルールで縛られているため、2022年仕様のGR010 HYBRIDにおける変更点は比較的少ないです。今季、ハイパーカーのマニュファクチャラーは、前後31インチか、前29インチ、後34インチかのどちらかのタイヤサイズを選択しなくてはならないため、我々は29/34へと変更することを選びました。この変更により影響を受ける、冷却や空力的パフォーマンスを維持するために、ホモロゲーションで許される範囲でボディワークの変更を行いました。この決断により、我々が昨年直面した後輪のマネジメントに関する課題に対処できることを期待しています。加えて、新たな再生可能燃料を使用することになったため、燃料性状の変化に合わせ、エンジンセッティングの最適化を行いました。この新しい燃料への変更は、カーボンニュートラル社会の実現に向けて重要なステップであり、我々はこのような革新的な技術導入を大いに支持します。これら全ての変更点については冬季のテストで検証を終えており、レースウィークを目前に控えた、セブリングでの今週末のプロローグテストで最終的な準備に入ります。シーズンが待ちきれません。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
    セブリングは素晴らしいサーキットで、皆楽しみにしています。多くのファンが応援してくれるのは最高の気分ですし、IMSAの関係者と会うのも楽しいです。スポーツカーレースのお祭りのようで、本当に良い雰囲気です。GR010 HYBRIDにとっては初挑戦でかつ、非常にクルマに厳しいコースなので、シーズン開幕戦の舞台としては決して容易ではありません。前もってプロローグテストで走りこんで、翌週のレースウィークへ向けた準備ができるのでそれを活かしたいです。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    ここ2年ほどセブリングでレースを走っていないので、行くのが楽しみです。いつ行っても特別なイベントであり、昔ながらのコンクリート舗装で荒れた路面の特別なサーキットです。GR010 HYBRIDにとっては初めてのサーキットということもあり、それも楽しみのひとつです。また、何年戦ってきても、シーズンの開幕戦はエキサイティングな瞬間です。期待はしていますが、初めて走るコースで我々がどれだけやれるか、そしてライバルもどれだけ進化しているかは分かりません。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    新たなシーズンのスタートはいつもエキサイティングですし、セブリングでの開幕は本当に格別です。最後にレースをした2019年以来のセブリングなので、本当に楽しみです。ファンの皆様が素晴らしく、スポーツカーレースに対する彼らの熱意が独特の雰囲気を生み出しています。しかしセブリングはまた非常に特殊なサーキットでもあり、路面は非常に荒れていてクルマに厳しいだけでなく、高温多湿にも苦しめられます。それだけに簡単なレースにはならないでしょうが、勝利を争えるよう準備を進めます。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    2022年のWECシーズンが始まるのを本当に楽しみにしています。セブリングは耐久レースの歴史において重要な存在であり、多くの挑戦をもたらす独特なコースです。ドライバーとしてここでレースをすること、そしてアメリカのファンと会うのは本当に楽しいことです。我々8号車のクルーにとっては亮との初レースになりますが、彼の参加は大歓迎です。彼はテストで素晴らしい仕事をしてくれていますし、セブと3人で協力し最高のシーズンスタートが切れると確信しています。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    ハイパーカーでの最初のレースであり、セブリングに行くのも初めてなのでとても興奮しています。セブリングは熱狂的なファンが多い、素晴らしいコースだと聞いています。それらを経験できるのと、TGRの一員としてWECレースに参戦することが楽しみです。昨年末以来、私はシミュレーターやテストで多くの準備を重ねて来ました。まだまだ学ぶことは多いですが、チームのサポートや、特に他のドライバーの皆さんのおかげで、新たな挑戦への準備は整ったと感じています。

  • トヨタ、2022年のドライバー育成計画を発表…小山美姫が加入

    トヨタ、2022年のドライバー育成計画を発表…小山美姫が加入

    TOYOTA GAZOO Racing(以下、トヨタ)は、2022年のドライバー育成計画を発表した。

    トヨタが推進しているモータースポーツを起点としたもっといいクルマづくりにおいて、ドライバーの力は不可欠。育成プログラムでは、国内外のレース、ラリーのトップカテゴリーで活躍できるドライバーの輩出を目指し、若手ドライバーが着実にステップアップしていけるようサポートをしていく。

    【ドライバー育成に対するTGRの思いと決意】
    ・サステナブルなモータースポーツ業界の実現に向け、次世代のドライバー育成を推進
    ・才能ある幅広いドライバーへチャレンジの機会を提供
    ・ドライバーの個性を生かし、それぞれにあった進路の検討、機会を創出
    ・ドライバーが憧れの職業となるよう、モータースポーツ及びドライバーの魅力発信・向上にも努める

    【2022年のプログラムと対象ドライバー】
    1) TGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)
    国内外のトップカテゴリーで活躍できるレーシングドライバー、ラリードライバーの育成を目的としたプログラム。才能ある人材を発掘し、実力に応じて、国内SUPER GT、全日本スーパーフォーミュラ選手権やTGR WRC/WECチャレンジプログラムなどへステップアップできる仕組みを展開。

    今年は、野中誠太が全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権にステップアップ。また、トヨタの育成プログラムにおける初の女性ドライバーとして小山美姫がフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)に参戦する。

    ドライバー カテゴリー チーム名
    小高 一斗
    (Kazuto Kotaka)
    全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 トムス(TOM’S)
    平良 響
    (Hibiki Taira)
    全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 トムス(TOM’S)
    野中 誠太
    (Seita Nonaka)
    全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 トムス(TOM’S)
    SUPER GT(GT300) ホッピー チーム ツチヤ
    (HOPPY team TSUCHIYA)
    小山 美姫
    (Miki Koyama)
    フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ スーパーライセンス
    (SUPER LICENSE)

    2) 国内FIA-F4選手権
    エントリークラス フォーミュラ・カテゴリーとして開催される国内FIA-F4選手権シリーズに参戦する下記の若手ドライバーを支援。

    ドライバー チーム名
    荒川 麟(Rin Arakawa) TGR-DC Racing School
    中村 仁(Jin Nakamura) TGR-DC Racing School
    平安山 良馬(Ryoma Henzan) TGR-DC Racing School
    後日発表 TGR-DC Racing School

    3) TGR-DCレーシングスクール(TGR-DC Racing School)
    ・国内外のトップカテゴリーにおいて活躍できるレーシングドライバー、ラリードライバーの発掘・育成と正しいドライビング教育によるモータースポーツ底辺の健全な拡大を目的に実施。
    ・本コース受講者の中から、優秀で将来性の見込めるドライバーに対し次年度以降のレース参戦の支援を行っていく予定。
    ・2022年のTGR-DCレーシングスクールの実施日程、内容は決定次第発表。

  • WRC:トヨタ 2022年 第2戦 ラリー・スウェーデン 最終日レポート

    WRC:トヨタ 2022年 第2戦 ラリー・スウェーデン 最終日レポート

    2月27日(日)、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンの競技最終日デイ3が、ウーメオーのサービスパークを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 69号車) が優勝、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(4号車)が総合3位でフィニッシュした。なお、総合2位につけていたエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は、リタイアとなった。

    競技最終日を迎えたラリー・スウェーデンは、サービスパークの北西で、日中のサービスを挟むことなく2本のステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は56.84kmと、3日間で最短だった。ウーメオー周辺は最終日もよい天気に恵まれ、早朝の気温はマイナス7度前後に。雪と氷に覆われたステージの路面は、非常に良いコンディションとなった。

    デイ2で3本のベストタイムを記録し首位に立ったロバンペラは、総合2位のエバンスに8.3秒差を築いて一日を締めくくった。しかしその後、デイ2最終ステージの最終コーナーで、フィニッシュラインを通過した直後にコースを外れたエバンスに、10秒のペナルティが課せられたため、差は18.3秒に広がった。エバンスは逆転優勝を狙ってデイ3に臨んだが、ハイブリッドシステムに問題が発生し、システムをオフにした状態で最初のSS16をスタートした。さらに、ステージの途中でスピンを喫し、クルマのフロント部分を雪壁にヒット。クルマを停めて応急処置を施し、大きく遅れながらもステージをフィニッシュしたが、ハイブリッドシステムが正常な状態であることを示すグリーンライトが点灯しなかったため、FIAが定める安全規則に従いリタイアすることになった。

    ロバンペラもまたハイブリッドシステムに問題を抱えた状態でステージに臨んだが、オープニングのSS16では今大会6本目のベストタイムを記録し、総合2位に浮上したライバルとの差を23.9秒に拡大。その後も安定した走りを続け、ボーナスの選手権ポイントを獲得可能な最終のパワーステージでは2番手タイムを記録。昨年の第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ以来となるWRC 3勝目をあげ、GR YARIS Rally1に最初の勝利をもたらした。ロバンペラは今回の勝利でドライバー選手権首位に立ち、2位のライバルに14ポイント差を築いた。また、2018年以来のチーム復帰を果たしたラッピが総合3位に入ったことにより、チームもマニュファクチャラー選手権で首位に立ち、選手権2位のライバルに24ポイントのリードを築いた。なお、ロバンペラの父であるハリ・ロバンペラ氏は、2001年にWRCラリー・スウェーデンで勝利を収めており、親子二代でのラリー・スウェーデン優勝が実現した。

    TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next GenerationからGR YARIS Rally1で出場の勝田貴元は、総合4位でフィニッシュ。パワーステージでは4番手タイムを記録し、ボーナスの2ポイントを獲得した。

    豊田 章男 (チームオーナー)
    カッレ、ヨンネ優勝おめでとう!

    スノーラリーでは一昨年が3位、昨年が2位、そして今回の優勝。毎年、改善を重ねていく、まさにトヨタスタイルを実践してくれました。どんどんトヨタらしくなっていく2人を嬉しく思います(笑)。そしてGR YARIS Rally1にWRC初勝利をもたらしてくれたことにも感謝します。ありがとう! 初日は一番手出走で雪かき役を任され、大変なラリーだったと思いますが、小さな頃から雪道を走っていたカッレだからこその頼もしい走りでした。

    エサペッカとヤンネは3年ぶりのトヨタでしたね。おかえりなさい! そして3位表彰台おめでとう! 二人はやっぱりトヨタのスーツが似合ってると私は思います。他のチームも経験したからこそ見えてくるトヨタの良さや悪さがあるはずです。また色々、教えてください。一緒にもっといいチームにしていきましょう。

    フィンランドを本拠とする我々にとって、雪道はホームコースのようなものでした。しかし、昨年は勝つことができず、我々は、とても悔しい思いをしました。チームは、その悔しさを晴らすために、モンテカルロの後すぐに動き出し、雪上のテスト回数を増やし、今回のラリーに臨んでくれました。そのおかげでの勝利です。みんなの努力に感謝します。

    しかし、ラリーの道はやはり厳しく、カッレとエルフィンのハイブリッドシステムにトラブルを生じさせてしまいました。2人のドライバーには申し訳なく思います。
    ただ、我々は厳しい寒さという環境でも、どうすればハイブリッドシステムを改善していけるかという大切なデータを得ることができました。この経験を来年の勝利だけでなく、サプライヤーにデータを提供するなどして、カーボンニュートラルを目指しながら、モータースポーツを続けていくために有効活用していければと思います。

    今シーズンは、まだあと11戦あります。まずは次戦クロアチアまで、チームのみんなは少しでも休みを取ってください。健康第一でいきましょう。そしてファンの皆様、最終戦のラリージャパンまで今シーズンも引き続き、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamへの応援をよろしくお願いいたします。

    追伸 ヤリ-マティへ
    スペシャルステージを見に行った際、沢山のファンに囲まれ快く写真撮影などに対応してくれていたと聞きました。雪山でも笑顔でファンと接しているヤリ-マティの姿が目に浮かびます。トヨタファンを増やそうとファンサービスを欠かさない”6人目のスタードライバー”ですね。そんな姿がチームの良い雰囲気にも間違いなく繋がっています。これからもヤリ-マティらしい丁寧なファンサービスとチームづくりをよろしく頼みます。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    カッレは素晴らしい走りでこのラリーを制しました。序盤は一番手スタートということもあり、どうなるのだろうかと少し心配でしたが、彼はとてもうまく対処しましたし、ラリー後半の速さは本当に印象的でした。GR YARIS Rally1に初勝利をもたらしたカッレと、それを実現するために頑張ってくれたチームのみんなに感謝します。今朝のエルフィンのアクシデントは、彼にとって非常に残念なことでした。しかし、エサペッカがチーム復帰後最初のラリーで表彰台に立ったことで、我々は貴重なポイントを獲得することができました。また、貴元もとてもいい戦いをしたと思います。

    エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
    このような形でラリーを終えることになってしまい、とても残念です。最初のステージは序盤順調でしたが、長い左コーナーで後輪のグリップを失い、残念ながら立て直すことができずハイスピードでスピンしてしまいました。その後、クルマを直し何とか再スタートすることができましたが、残念ながらハイブリッドシステムの問題でリタイアせざるを得ませんでした。チームは本当に速いクルマを作ってくれましたが、ここまでのところそれに見合う結果を残すことができていないので、大変申し訳なく思っています。この良くない状況のまま休みに入るのは自分としては不本意ですが、照準を次のラリーに合わせ、ベストを尽くすつもりです。

    カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
    スウェーデンで優勝することができて、とても嬉しいです。週末を通していい戦いができました。金曜日に一番手の出走順でステージに臨んだことを考えると、本当に満足できる結果です。エルフィンとは素晴らしい戦いが続いていたので、彼が今朝リタイアしてしまったのは少し残念です。しかし、それ以外はチームにとって非常に良い結果になりました。このクルマで初めて出たラリー・モンテカルロでは少し苦労しましたが、今回は週末を通してクルマに自信を持って走ることができました。少しでもクルマを良くしよう、乗りやすくしようと力を尽くしてくれたチームに心から感謝します。

    エサペッカ・ラッピ (GR YARIS Rally1 4号車)
    チームに復帰できたこと、そして表彰台に戻れたのは素晴らしいことです。スタート前に目標に掲げていた結果を手にすることができたわけですが、きっと厳しい戦いになるだろうと覚悟していました。しかし、何とかやり遂げることができたので本当に嬉しいです。自分自身とヤンネ、そしてチーム全員をとても誇りに思います。この週末、クルマはノートラブルでした。総合2位を獲得するためには、さらにリスクを冒す必要がありましたし、これ以上いいスタートを切ることはできなかったはずです。もっといい結果を期待するのは、得策ではなかったと思います。最後にラリーに出場したのは昨年の10月で、長いブランクがあったことを考えれば、最高の結果といえるでしょう。

    ラリー・スウェーデンの結果
    1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) 2h10m44.9s
    2 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +22.0s
    3 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ GR YARIS Rally1) +30.6s
    4 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2m19.4s
    5 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (フォード PUMA Rally1) +3m20.4s
    6 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (ヒョンデ i20 N Rally1) +5m39.4s
    7 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ ファビア Rally2 evo) +7m11.1s
    8 オーレ・クリスチャン・ヴェイビー/スティグ・ルネ・シャーレモエン (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +7m34.3s
    9 ヤリ・フッツネン/ミッコ・ルッカ (フォード フィエスタ Mk II Rally2) +8m14.2s
    10 エゴン・カウアー/シルバー・シム (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +8m24.8s
    R エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1)

    次回のイベント情報
    WRC次戦は、4月21日から24日にかけて、クロアチアの首都ザグレブを中心に開催される「クロアチア・ラリー」。昨年、初めてWRCとして開催されたこのイベントは、全ステージがターマック(舗装路)で行われるが、コーナーイン側の未舗装路部分をショートカットする「インカット走行」により、多くの砂利や泥が掻き出され、非常に滑りやすくトリッキーな路面コンディションとなるのが特徴。

  • WRC:トヨタ 2022年 第2戦 ラリー・スウェーデン 1日目レポート

    WRC:トヨタ 2022年 第2戦 ラリー・スウェーデン 1日目レポート

    2月25日(金)、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンが開幕。スウェーデン北部ウーメオーのサービスパークを中心に7本のスノーステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 69号車) が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位に、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(4号車)が総合4位につけた。

    今シーズン唯一のフルスノーイベントとなるラリー・スウェーデンは、サービスパークの北側エリアで3本のステージを、日中のサービスを挟んで各2回走り、1日の最後にはサービスパーク付近でショートステージを1本走行。7本のステージの合計距離は3日間で最長となる125.67kmだった。今年は開催地をスウェーデン北部に移したため、ステージは2年前の前回大会と完全に異なり、豊富な積雪に恵まれた氷雪路で熱い首位争いが繰り広げられた。

    開幕戦のラリー・モンテカルロで総合4位に入り、ドライバー選手権3番手につけるロバンペラは、初日出走順1番手でスタート。オープニングのSS1とSS2で2番手タイムを、SS3ではベストタイムを記録し首位に立った。午後の再走ステージは先頭走者にとって厳しい路面コンディションになり、ロバンペラは順位を下げまたが、1日の最後のSS7でベストタイムをマーク。首位と4.3秒差の総合2位でラリー初日を走破した。

    エバンスは、午後の1本目のSS4でベストタイムを刻み、ロバンペラに替わり首位に立った。その後、SS6まで首位を守り続けたが、最終のSS7でスタッドタイヤの摩耗により大きくタイムを失い、ロバンペラと3.1秒差の総合3位で一日を終えた。また、今シーズンよりチームに復帰し今回が初戦となるラッピは、今大会最長となる27.81kmのSS2「カムヨーン1」でベストタイムを記録し首位に。その後、順位を下げるも午後は2番手タイムを2回、3番手タイムを1回記録するなど好調を保ちSS6まで総合3位につけていた。しかし、エバンスと同じく最後のSS7でスタッドタイヤの摩耗によって遅れをとり、総合4位に順位を下げたが、総合3位のエバンスとは1.4秒差、首位とは8.8秒差。

    初日はチームの全ドライバーがベストタイムを記録し、全ドライバーが首位に立つなど、デビュー2戦目のハイブリッドラリーカー、GR YARIS Rally1はスノーラリーでも高いポテンシャルを発揮している。なお、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next GenerationからGR YARIS Rally1で出場の勝田貴元は、総合6位につけている。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    ラリー・スウェーデンの初日は、とてもエキサイティングな一日でした。クルマとドライバーのパフォーマンスには満足していますし、終盤はリードを失ってしまいましたが、首位とは僅差です。まだ多くのドライバーに優勝の可能性があり、カッレ、エルフィン、エサペッカにも間違いなくチャンスはあります。カッレは出走順が1番手だったにも関わらず、本当にいい仕事をしました。このラリーではかなり難しい走行条件だったはずですが、とてもいい戦いをしてくれました。エルフィンも午後はハードにプッシュし、すぐ戦列に復帰しました。そして、エサペッカのパフォーマンスは、他の選手のように定期的にラリーに出場していなかったにも関わらず素晴らしく、本当に嬉しく思います。

    エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
    心から満足できる一日ではありませんでした。朝は全てがうまくかみ合わなかったですし、もう少しうまく走れたはずです。午後は難しいコンディションでしたが、とてもいいスタートを切ることができました。ただし、思ったよりもタイヤが磨耗してしまいました。その代償は一日の最後のステージで払うことになり、フレッシュな状態の凍結路面でグリップせず、ジャンクションが多かったため加速も困難でした。昨年から雪道でのタイヤマネジメント改善に取り組んできましたが、明らかにまだ少し課題があります。とはいえ、明日に向けていいポジションにつけていることは確かです。

    カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
    今夜、この順位につけることができて本当に嬉しいです。出走順を考えると、予想していたよりもいい一日でした。特に午前中のステージではいい戦いをすることができ、クルマはあのような路面コンディションでもうまく機能していました。午後の再走ステージは、午前中よりもさらに難しくなるだろうと予想していましたが、実際そうでした。午後の1本目のように、深い轍が刻まれていたところもありましたが、ミスをすることなくうまく走り切ることができましたし、タイヤも上手に使えたので、一日の最後には少しタイムを取り戻すことができました。明日はライバルと変わらぬ出走順になるので、彼らと戦えるだろうと期待していますし、攻め続けたいと思います。

    エサペッカ・ラッピ (GR YARIS Rally1 4号車)
    自分としては、満足できる復帰初日でした。完璧な一日ではありませんでしたが、それに近いところまで迫ることはできました。事前の目標だった表彰台争いに加わり、しかもまだ優勝を狙える位置にいるのですから、とても嬉しいです。トップとは10秒差以内なので、まだ何が起きるか分かりません。午前中にベストタイムを刻むことができたのは本当に嬉しかったですし、さらにやる気が増しました。クルマに対する理解をさらに深めようと、セットアップをいろいろ試しながら走っています。ハイブリッドユニットによるエクストラパワーは凄まじく、特に狭い道では強烈でしたが、明日は今朝よりもいい状態で臨めるはずです。

    ラリー・スウェーデン デイ1の結果
    1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) 1h02m31.2s
    2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(トヨタ GR YARIS Rally1) +4.3s
    3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +7.4s
    4 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ GR YARIS Rally1) +8.8s
    5 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン(ヒョンデ i20 N Rally1) +28.1s
    6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン(トヨタ GR YARIS Rally1) +1m18.9s
    7 アドリアン・フォルモ−/アレクサンドレ・コリア (フォード PUMA Rally1) +1m32.9s
    8 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (フォード PUMA Rally1) +1m48.1s
    9 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ ファビア Rally2 evo)+3m08.9s
    10 オーレ・クリスチャン・ヴェイビー/スティグ・ルネ・シャーレモエン (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +3m13.0s

    明日のステージ情報
    競技2日目となる2月26日(土)のデイ2は、午前中にサービスパークの西側エリアで2本のステージを走行し、その後サービスパークの近くで11.17kmのステージを走る。日中のサービスを挟み、午後は午前中に走行した3本のステージを再走。6本のステージの合計距離は82.30km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は390.50kmとなる。なお、当初予定されていたSS9とその再走ステージであるSS13は、キャンセルとなった。

  • WRC:トヨタ 2022年 第1戦 ラリー・モンテカルロ 最終日レポート

    WRC:トヨタ 2022年 第1戦 ラリー・モンテカルロ 最終日レポート

    1月23日(日)、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロの競技最終日デイ4がモナコを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(GR YARIS Rally1 1号車)が総合2位で、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合4位で、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合21位でフィニッシュ。新世代のハイブリッドラリーカー、Rally1のデビュー戦で全車が完走した。

    ラリー・モンテカルロの最終日は、モナコのサービスパークを起点に、デイ2が行われたエリアに近いフランス南部の山岳地帯で、2本のステージを各2回走行。その合計距離は67.26kmだった。天気は、結局ラリー期間中を通して非常に良く、最終日もステージは基本的にドライコンディションとなったが、一部に湿った区間も残っていた。

    デイ2で首位に復帰したオジエは、通算9回目となるラリー・モンテカルロ優勝に向けて、順調に駒を進めていた。タイヤにダメージを与えそうなコーナーのインカットはできるだけ避けながらも、オープニングから2ステージ連続で2番手タイムを記録するなどして、総合2位のライバルとの差をさらに拡げた。しかし、1本目のステージの再走となるSS16で、オジエは左前輪にダメージを負い大幅にタイムロス。24.6秒あった差は消え、逆に9.5秒の遅れをとり総合2位に順位を下げた。さらに、最終ステージではジャンプスタートにより、10秒のペナルティタイムを課せられ、総合2位でラリーをフィニッシュ。優勝したセバスチャン・ローブ選手との差は10.5秒だった。

    土曜日のデイ3で2本のベストタイムを記録し、クルマに対する理解を深め、自信をつけたロバンペラは、最終のパワーステージで今大会3本目のベストタイムをマーク。総合4位フィニッシュで獲得したポイントに、パワーステージ優勝によるボーナスの5ポイントを加え、ロバンペラはドライバー選手権3位につけた。また、デイ3でのコースオフにより大幅にタイムと順位を失ったエバンスは、最終日に良い走りを見せ、パワーステージでは2番手タイムを記録し総合21位でフィニッシュ。GR YARIS Rally1は、パワーステージで1-2を飾った。今回のラリー・モンテカルロでは全部で17本のステージが設定されたが、GR YARIS Rally1はそのうち9本でベストタイムを記録。トップカテゴリーラリーカーとして初めてハイブリッドシステムを搭載したRally1の初戦で、GR YARIS Rally1はパフォーマンスだけでなく、高い信頼性も証明した。なお、今回のラリー・モンテカルロには、TOYOTA GAZOO Racingヨーロッパの副会長に就任したばかりの中嶋一貴も参加。ハイブリッドラリーカーによる戦いを見守った。

    TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから、GR YARIS Rally1で出場の勝田貴元は、最終日に2本の3番手タイムを記録するなど、スピードアップに成功。前日のコースオフによる大きなタイムロスが響いたが、それでも総合8位まで順位を回復し、ポイントを獲得した。

    豊田 章男 (チームオーナー)
    セブ、惜しくも9度目のラリー・モンテカルロ優勝に届かなかったけど、新たな相棒のベンジャミンとのスタートは手応えがありそうでよかったです。我々が準備した新たな相棒”GR YARIS Rally1”とのドライブもフィーリングは悪くなさそうでした。持続可能なラリーを目指す新レギュレーションにより電動化された新たな相棒は「力は強いけど扱いには繊細な配慮が必要…」という感じだったかと思います。そんな”ちょっと気難しい奴”とも、セブはすぐに仲良くなってくれていたみたいでした。誰とでもすぐに仲良くなれるセブを尊敬します。

    また、歴史と伝統ある世界ラリー選手権が、電動化・新燃料というカーボンニュートラルの実現に向けて進みだしたこと、FIAのリーダーシップ、準備に携わられたプロモーターなど関係された全ての皆さまに敬意を表します。他のドライバーたちも新しい相棒との相性に少し苦労していましたが、Day3では全てのSSで誰かがベストタイムを出してくれていました。毎戦毎戦、みんなとGR YARIS Rally1が、どれだけ仲良くなっていくか…今シーズンのWRCは新しい楽しみが増えました。ただ、サービスから静かに出ていくラリーカーの姿には、まだ、少し物足りなさを感じてしまいます(笑)。

    今までのベース車はYARISでした。今年からはGR YARISです。「モータースポーツで勝つための市販車をつくろう」そう言いながら、久々に自分達の手でつくることができたスポーツカーです。今回、そのクルマがやっと本当の戦いの道を走り出しました。本当に嬉しいです。一緒にGR YARISをつくってきたみんなにもお礼を言いたいと思います。そのGR YARISから”GR YARIS Rally1”をつくったメンバーも相当の苦労をしたと聞いています。ヤリ-マティの下で心をひとつに頑張ってくれたフィンランドのみんな、そしてケルンからもサポートしてくれたメンバーにも、心からのお礼を言わないといけません。本当にありがとう!シーズンははじまったばかりですが、これからもよろしくお願いします。

    ファンの皆さま、今シーズンもTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamを応援いただきありがとうございます。引き続き、応援よろしくお願いいたします。

    トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 豊田章男

    追伸
    エルフィンと貴元がコースオフをした時、崖から一緒にクルマを引き上げてくれた沿道のファンの皆さま。SNSでその様子をみました。皆さまの力で2台は走り続けることができました。ありがとうございました!

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    あと少しで優勝できたはずだったので、もちろん少し残念です。しかし、これがモータースポーツであり、時に受け入れなければなりません。もっとも重要なのは、我々には勝つ力を備え、信頼性の高いクルマがあるということであり、これからのシーズンを戦う上で大きな力となります。セブは本当に良い仕事をしてくれましたが、残念ながら今日は運が味方をしてくれませんでした。カッレはラリーの序盤から比べると大きく進化し、今日はパワーステージで素晴らしい走りをしてくれました。また、エルフィンも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。昨日は小さなミスがありましたが、パワーステージでは良い走りをし、お陰でチャンピオンシップを有利に進めることができました。優勝したMスポーツ・フォードにはおめでとうと言いたいです。彼らと再び優勝争いができて嬉しかったです。そして、信じられないような結果を残したローブ選手にもおめでとうと言いたいです。この週末は素晴らしいバトルが繰り広げられたので、ファンの皆さんはきっと楽しんでくれたはずです。

    セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
    この特別なラリーに再び出場し、素晴らしい戦いをできたことは、私にとって大きな喜びです。今回は優勝することができませんでしたが、間違いなく全力で臨みましたし、ベンジャミンやチームと一緒になって戦いました。クルマは週末を通して素晴らしいパフォーマンスを発揮し、問題も起きなかったのは素晴らしいことだと思います。今日は運がありませんでしたが、それでも笑顔になれますし、戦いを存分に楽しみました。正直なところ、最終のひとつ前のステージで起きたことは、どうしようもなかったと思っています。1本目の走行ではインカットを避けていましたが、2本目は不可能でした。路面は非常にダーティーで、他のドライバーの走行ラインをフォローするしかありませんでした。優勝したセバスチャンとイザベルを祝福したいと思います。彼らは素晴らしいパフォーマンスを発揮し、とても激しい戦いになりました。WRCにとって、きっと良い週末になったはずです。

    エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
    ある意味、励みになる週末でしたが、昨日のような、大きな代償を払うミスをしてしまったことは本当に悔しいです。クルマのフィーリングは良かったのですが、このラリーでは僅かしかポイントを獲得できませんでした。今日のパワーステージでは非常に良い走りができたと思いますが、終盤のトリッキーなコンディションでは、ハイブリッドシステムの力を最大限に活用できなかったかもしれません。全体的に見れば、チームは本当に良い仕事をしてくれたと思います。テストはあまり多くできませんでしたが、今回のラリー期間中にポイントを掴むことができました。クルマは何も問題なく、本当に良く走ってくれたので、チームに心から感謝します。

    カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
    このラリー中に進歩することができて本当に嬉しいです。最初は何が起こっているのかよくわからなかったのですが、自分たちの力を信じてハードにプッシュし、良いペースで走れるようになりました。できることは全てやりましたし、最終的にはセットアップもだいぶ良くなり、クルマを理解できるようになっていきました。一緒になって頑張り、クルマを大きく変えてくれたエンジニアに感謝します。最終的にはとてもポジティブな週末になりましたし、パワーステージでも良い走りができました。次のスウェーデンでは出走順が早くなり、路面をクリーニングすることになりますが、できるだけ多くのポイントを獲得することが何よりも重要なので、この位置につけていることは嬉しいです。スウェーデンでトリッキーな路面を走ることになっても、ベストを尽くして戦う準備はできています。

    ラリー・モンテカルロの結果
    1 セバスチャン・ローブ/イザベル・ガルミッシュ (フォード PUMA Rally1) 3h00m32.8s
    2 セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス (トヨタ GR YARIS Rally1) +10.5s
    3 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (フォード PUMA Rally1) +1m39.8s
    4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2m16.2s
    5 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (フォード PUMA Rally1) +6m33.4s
    6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20 N Rally1) +7m42.6s
    7 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ・ファビア Rally2 evo) +11m33.8s
    8 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +12m24.7s
    9 エリック・カイス/ペトル・テシンスキー (フォード フィエスタ Rally2) +12m29.2s
    10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ・ファビア Rally2 evo) +13m41.3s
    21 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +23m10.5s

    次回のイベント情報
    WRC次戦は、2月24日から27日にかけて、スウェーデンで開催される「ラリー・スウェーデン」。雪と氷に覆われた森林地帯の未舗装路を走行するこのラリーは、今シーズン唯一のスノーイベント。ここ数年はトルシュビーを中心に行われていたが、安定した積雪を求め開催場所を北部のウーメオーに移動。ステージが一新されるため、誰にとって新しいラリーとなる。ラリー・スウェーデンは、金属製のスタッド(スパイク)が埋め込まれた特殊な雪道専用のタイヤを装着して走り、非常に高いグリップが得られるため、スノーラリーながらその平均速度は例年WRCの全イベントの中でトップクラスの高さとなる。

  • WRC:トヨタ 2022年 第1戦 ラリー・モンテカルロ 3日目レポート

    WRC:トヨタ 2022年 第1戦 ラリー・モンテカルロ 3日目レポート

    1月22日(土)、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロの競技3日目デイ3がモナコを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ組(GR YARIS Rally1 1号車)が総合1位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合4位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合26位につけた。

    ラリー・モンテカルロのデイ3は、モナコのサービスパークを起点に、デイ2よりもさらに遠く西北に離れたフランスの山岳地帯で、5本合計92.46kmのステージが行なわれた。金曜日も好天に恵まれ、路面は大部分がドライコンディションだったが、ディーニュ=レ=バン近くの山岳地帯で行なわれたSS11/13「サン・ジュニエ/トア-ル」は、一部に積雪と凍結区間があった。このステージは昔から「システロン」という地名で呼ばれていた、ラリー・モンテカルロの名物ですが、今大会ではその短縮ステージとなった。

    デイ2で総合2位につけたオジエは、SS10でベストタイムを記録。ライバルと同タイムで首位に立った。続く、積雪区間があるSS11でもオジエはベストタイムを刻み、単独首位に。SS11の再走ステージであるSS13には、首位を争うライバルと同じ4本のソフトタイヤを履いて臨んだが、16.1秒速い2番手タイムで走破し、総合2位のライバルとの差を21.1秒に拡げてデイ3を締めくくった。

    総合3位でデイ3に臨んだエバンスは、オープニングのSS9で今大会初のベストタイムを記録。続くSS10でも2番手タイムを刻むなど非常に好調だった。SS11でも滑りやすい積雪区間を非常に速いペースでクリアしたが、その後下りのハイスピードセクションでコースオフ。観客のサポートを得るなどして何とかステージに復帰したが、約20分のタイムロスにより、総合3位から総合26位に大きく順位を落として一日を終えた。

    デイ2で復調のきっかけを掴んだロバンペラは、その後サービスでセッティングをさらに変更した。その結果、デイ3ではクルマに対する自信が深まり本来の速さを発揮。オープニングから2、3番手タイムで走り続け、一日の最後の2ステージでは連続ベストタイムを記録し、前日の総合9位から、総合3位と37.8秒差の総合4位に順位を上げた。なお、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next GenerationからGR YARIS Rally1で出場の勝田貴元は、SS12終了時点で総合5位につけていたが、SS13の凍結したコーナーでスライドして側溝にはまってしまい、総合13位に順位を下げた。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    今日はGR YARIS Rally1がその素晴らしいパフォーマンスを発揮しました。ドライバーたちはクルマにかなり慣れてきて、限界までプッシュできるようになってきたと思います。システロンのステージはトリッキーなコンディションでしたが、セブはその2本目で素晴らしい走りをし、最終日に向けて大きな差を築きました。また、ラリー序盤は苦労していたカッレも、今日は2本のステージ優勝という素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたので、非常に励まされる一日でした。エルフィンは、小さなミスが大きなタイムロスに繋がってしまいました。ステージの最も難しい区間では素晴らしい走りをしていただけに残念です。明日も最後までリードが保たれることを期待していますが、もしそうなれば、とても良いシーズンのスタートになるでしょう。

    セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
    私達にとっては良い一日となり、昨日よりもポジティブに前進することができましたし、クルマのフィーリングも全体的に良好でした。朝の1本目はハイブリッドシステムを自分の思い通りに使えませんでしたが、誰にとっても新しいシステムなので、ドライビングをうまく適応させるようにしました。最後のステージでは少しクレイジーなタイヤ選択をしましたが、なんとか差を拡げることができました。首位を争うセバスチャン(ローブ)とは最初からずっと接戦が続いていましたし、彼のことは前から良く知っているので、きっと何かやってくるだろうと予想していました。あのような路面コンディションに対してはベストな選択ではなかったと思いますが、自分としてはセバスチャンと同じタイヤで正面から戦い、どちらが速いのかを確かめたかったのです。積雪区間は少し難しかったですが、ドライの路面ではとてもフィーリングが良く、良い走りができました。ただし、明日はまだ長い距離が残っていますし、トリッキーなコンディションになる可能性もあります。

    エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
    今日起きたことについては、もちろん悔しい気持ちでいっぱいです。午前中はそれまで、全体的に上手く走れていましたし、SS11も途中までは順調でした。しかし、ステージの難所を抜けた後、トリッキーな右コーナーでミスをしてしまいました。ペースノートには情報を記していたのですが、気がついた時にはブレーキをかけるタイミングが遅れていました。クルマは脱出が難しい場所で止まってしまったので、助けようとしてくれたファンの皆さんにはとても感謝しています。その後、ステージに戻ることはできましたが、かなり大きくタイムロスしてしまいました。明日のパワーステージでポイントを獲得するために、あまりリスクを冒したくなかったので、午後は少し長く感じられました。

    カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
    昨日からクルマをかなり大きく変え、自分のドライビングスタイルに合ったバランスになったので、とても運転しやすくなりました。セッティングをいろいろ工夫し、小さなステップを積み重ねてきたことがようやく実を結びました。2本のステージでベストタイムを出せたのは本当に良かったですし、特に最終ステージは最高でした。ラリー序盤は自分のタイムを見るのが正直辛かったですが、今は楽しんで運転できるようになりました。大きくステップアップすることができて嬉しいですし、この後はさらに何ができるのかを考えたいと思います。クルマにポジティブなフィーリングを感じられるようになると、それが自信に繋がり、全てがイージーになっていくものです。

    ラリー・モンテカルロ デイ3の結果
    1 セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ (トヨタ GR YARIS Rally1) 2h19m43.1s
    2 セバスチャン・ローブ/イザベル・ガルミッシュ (フォード PUMA Rally1) +21.1s
    3 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (フォード PUMA Rally1) +1m26.0s
    4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2m03.8s
    5 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (フォード PUMA Rally1) +6m33.8s
    6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20 N Rally1) +7m44.1s
    7 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ・ファビア rally2 evo) +9m37.2s
    8 エリック・カイス/ペトル・テシンスキー (フォード フィエスタ Rally2) +9m59.6s
    9 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ロカ (ヒュンダイ i20 N Rally2) +10m44.1s
    10 ヨアン・ロッセル/ベンジャミン・ブルード (シトロエン C3 Rally2) +11m14.2s
    26 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +20m39.3s

    明日のステージ情報
    競技最終日となる1月23日(日)のデイ4は、モナコを起点に、デイ2のエリアと一部重なるフランスの山岳地帯で、2本のステージを各2回走行する。SS14/16「ラ・ペンヌ/コロング」は新たに構成されたステージで、SS15/17「ブリアンソネ/アントルヴォー」は、今大会で唯一、昨年と完全に同じルートを走行するステージとなる。なお、最終のSS16は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4本のステージの合計距離は67.26km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は298.41kmとなる。

  • WRC:トヨタ 2022年 第1戦 ラリー・モンテカルロ 2日目レポート

    WRC:トヨタ 2022年 第1戦 ラリー・モンテカルロ 2日目レポート

    1月21日(金)、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロの競技2日目デイ2がモナコを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ組(GR YARIS Rally1 1号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合9位につけた。

    前日、2本のナイトステージで始まったラリー・モンテカルロは、モナコ西北に広がるフランスの山岳地帯で、デイ2として6本のステージを走行。その合計距離は97.86kmと、4日間で最長だった。前日に続き、金曜日も美しい青空の下での戦いとなり、ターマック(舗装路)ステージの路面は全体的にドライコンディションだったが、一部には湿った路面もあり、気温が低い早朝や夕方のステージでは凍結している区間もあった。

    デイ1に続き、出走順1番手でステージに臨んだオジエは、オープニングステージのSS3で2番手タイムと良いスタートを切ったが、続く2本のステージでは路面が滑りやすく、特にSS5ではやや慎重な走りとなったことでタイムが伸びず。総合3位に順位を下げた。しかし、午後の再走ステージでは本来の調子を取り戻し、2ステージ連続で2番手タイムを刻み、SS7でエバンスを抜き総合2位にポジションアップ。1日の最後のSS8ではベストタイムを記録し、首位との差を9.9秒まで縮めて一日を終えた。

    デイ1でオジエと11.2秒差の総合3位につけたエバンスは、デイ2でも安定した走りを続け、SS5でオジエを抜き総合2位に順位を上げた。1日の最後の2本のステージではタイムが伸びず総合3位に順位を下げたが、それでもオジエと12.1秒差につけている。また、デイ1で総合12位とやや苦しい出だしとなったロバンペラは、ステージを重ねる中でペースが改善し、総合9位まで順位を挽回。ロバンペラと36.9秒差の総合8位には、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next GenerationからGR YARIS Rally1で出場の、勝田貴元がつけている。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    GR YARIS Rally1で臨んだ初めての本格的な一日は、全体的に良かったといえます。各チームのクルマのレベルはかなり拮抗しており、あるコンディションでは我々のクルマが速く、別のコンディションでは他のクルマが速かったと思いますが、このような初期段階では大幅に改善することができます。ふたりのセバスチャンによる首位争いは大接戦となり非常にエキサイティングですが、彼らの戦いはきっと最後まで続くことでしょう。エルフィンも表彰台に立てる位置につけ、ここまで良い仕事をしています。また、貴元とカッレもクルマに対する自信を深め、大きく前進しました。明日もきっと、エキサイティングな一日になると思います。

    セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
    午前中の1本のステージを除けば、いい一日だったと思います。凍った路面を一番最初に走行するのは、決して簡単ではありませんでした。もう少しリスクを冒すこともできたと思いますが、あのステージで限界を見極めるのは容易ではありませんでした。午後はベストを尽くして走りましたが、あれ以上速く走ることは難しかったと思います。まだすべてが新しいので、もちろん改善の余地はあります。明日に向けては、もう少しスピードを高められるようにセッティングを調整するつもりです。とはいえ、今晩も優勝を争える位置につけているのはポジティブなことだといえます。

    エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
    決して悪くはなかったのですが、特別良い一日でもありませんでした。最後のステージで大幅にタイムを失ってしまったのは、残念でした。ところどころで、少し注意深く走り過ぎていたとは思いますが、これほど大きくタイムロスするとは予想していませんでした。一日を通してコンディションは変わりやすく、再走ステージはまだ安定していましたが、それでも路面の変化を見極めるのは簡単ではありませんでした。クルマについては何も問題なく全て順調ですので、良い仕事をしたチームを称賛したいと思います。このような新しいクルマを準備するのは大変だったでしょうし、こうして一日を走り切れたのは素晴らしいことです。この調子を保ちつつ、明日何ができるかを考えたいと思います。

    カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
    私にとって、今日は大きな学びの一日でした。この新しいクルマは、これまで自分が乗ってきたものとは全く違うので、クルマを自分のドライビングスタイルに近づけるためにバランスを調整し、自分自身のドライビングもクルマに適応させようとしています。午前中は厳しい状況でしたが、タイヤフィッティングゾーンではいくつか大きな変更を施すことができ、それによってクルマは良くなりました。今日一日だけで何度もステップを踏み、どんどん良くなっていったので、明日もさらに何かできるように頑張ります。

    ラリー・モンテカルロ デイ2の結果
    1 セバスチャン・ローブ/イザベル・ガルミッシュ (フォード PUMA Rally1) 1h22m49.0s
    2 セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ (トヨタ GR YARIS Rally1) +9.9s
    3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +22.0s
    4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20 N Rally1) +47.8s
    5 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20 N Rally1) +56.7s
    6 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (フォード PUMA Rally1) +59.2s
    7 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (フォード PUMA Rally1) +1m08.4s
    8 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m35.9s
    9 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2m12.8s
    10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (ヒュンダイ i20 N Rally1) +2m22.9s

    明日のステージ情報
    競技3日目となる1月22日(土)のデイ3は、モナコを起点に、デイ2よりもさらに遠く西に離れたフランスの山岳地帯で合計5本のステージを走る。オープニングのSS9は1回のみの走行となり、その後ディーニュ=レ=バン周辺の山岳地帯で2本のステージを各2回走る。デイ2に続き、デイ3も昼のフルサービスは設定されず、タイヤフィッティングゾーンでの作業のみ許される。また、SS11とその再走ステージであるSS13「サン・ジュニエ/トア-ル」は、一部区間に積雪があるため、タイヤ選択も重要な要素となる。5本のSSの合計距離は92.46km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は592.85kmとなる。