カテゴリー: トヨタ

  • ル・マン24時間 僅差の予選でトヨタは2台共にハイパーポール進出ならず

    ル・マン24時間 僅差の予選でトヨタは2台共にハイパーポール進出ならず

    6月12日(水)、FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦となる第92回ル・マン24時間レースの練習走行に予選と公式なセッションが開始された。

    この日、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010 HYBRIDは、予選で苦戦を強いられ、ハイパーポール進出を逃すこととなった。

    昨年のWEC世界チャンピオンチームであるTGRは、23台のハイパーカーによる接近戦となった予選で、2台共にハイパーポールへの進出を逃すという厳しい結果となったが、今週末の決勝レースに向けて、力強いパフォーマンスを発揮し挽回を図るべく、チームの士気は高まっている。

    セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車にとって厳しい予選となった。ハートレーがアタックするも、セッションを通して終始コース上のトラフィック(車両の混雑)に苦しみ、ハイパーカークラスのトップドライバーであるハートレーでも、その真のパフォーマンスを発揮することができなかった。結果、8号車は11番手グリッドからのスタートとなる。

    小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車は、小林が予選アタックを担当。小林は4番手と好タイムをマークしたが、セッション終盤にコースオフを喫し、赤旗中断の原因となったとして全周回のラップタイムが抹消され、7号車はハイパーカークラス最後尾グリッドとなることが決定した。

    予選の前後には、2回の練習走行が実施された。23台で争われるハイパーカーの本当の実力が明らかになるのは決勝レースであり、チームはこの2回の練習走行でどちらもトップタイムをマークし、決勝へ向けた準備を着実に進めた。

    9日(日)のテストデーのあと、チームは2台のGR010 HYBRIDを組み立て直し、更なる調整を行うための作業に集中した。11日(火)には恒例のピットストップチャレンジにピットクルーが出場。昨年の同大会で優勝している7号車のピットクルーは、10秒以内でタイヤ交換を行う迅速な作業を見せたが、更なる速さを見せたライバルに僅差で及ばず、2連覇は叶わなかった。

    12日(水)は曇り空の下、過ごしやすいコンディションで午後2時から3時間にわたる練習走行1回目が開始された。このセッションは2度の短い赤旗中断に見舞われたものの、2台のGR010 HYBRIDは決勝レースを見据えたセットアップの最適化と、予選のための1周アタックへ向けた準備を進めた。このセッションでは8号車のハートレーがトップタイムをマーク。7号車はデ・フリースのタイムで5番手となった。

    午後7時からの予選では、各クラスの上位8台が翌日のハイパーポールへの進出権を獲得することになる。1時間のこの予選セッションでは、LMP2クラスやLMGT3クラスの車両を含む62台もの車両が一斉にアタックするため、コース上のトラフィックをいかに避けるかが大きなポイントだった。7号車は小林、8号車はハートレーがステアリングを握り、他の車両よりもやや遅れて、ソフトタイヤでコースイン。小林はトラフィックに遭遇することなくアタックでき、その時点での暫定トップに立った。

    タイヤが最適な温度まで上昇し、各車はさらにラップタイムを更新。20分を経過した時点で、小林の7号車が3番手、ハートレーの8号車は他車に押し出される形でトップ8圏外へと後退した。

    ピットインしたあと、ミディアムタイヤへと交換し、アタックを継続。ハートレーは再びアタックラップ中に遅い車両に引っかかり、小林もタイム更新はならず。残り20分を切ったところで、小林の7号車は3番手、ハートレーの8号車は12番手で、新品のミディアムタイヤへと履き替え、最後のアタックに向かった。

    最後までコース上のトラフィックに苦しんだハートレーは、スティントの序盤でスピンし、タイム更新ならず。小林は更なるタイムアップを目指しアタックしたが、カーティングコーナーで痛恨のスピンを喫し、コースアウト。幸いにどこにも接触はしなかった、グラベル上で止まってしまい、再発進できず。これにより赤旗が出され、残り時間が3分を切っていたため、予選セッションはここで終了となった。7号車は赤旗の原因を作ったとして、全てのラップタイムが抹消。8号車は11番手。8番手とは0.301秒差で惜しくもハイパーポール進出を逃すこととなった。

    夏至に近いこの時期、ル・マンの位置する地方では、日没は午後10時近くになる。日が落ちた午後10時、練習走行2回目として、このイベント初となる夜間走行が実施された。7号車は予選中のアクシデントにより、軽微な修復と砂利の除去などでセッション開始から25分ほどしてから走行を開始。このセッションでは昼間の1回目よりも全体的にラップタイムは低下したが、8号車はブエミがこのセッションのトップタイムをマーク。7号車はデ・フリースのタイムで9番手となった。

    決勝レースへ向けた準備作業は13日(木)も継続され、合計4時間にわたる2回の練習走行を経て、15日(土)の決勝レーススタートを迎える。

    コース上で熱い走行が繰り広げられる一方、サーキット内にはTGRのファンの皆様へ向けたアクティビティがオープン。水素ビレッジにはGR H2レーシングコンセプトをはじめとする水素社会へ向けた最新技術が展示され、マニュファクチャラーズビレッジでは様々なモータースポーツ車両やグッズショップなどが設置され、早くも注目を浴びている。

    ル・マン24時間

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    予選は上手く行きませんでした。パフォーマンスという面ではとても良かったのですが、残り2分というところで私がコースオフを喫し、赤旗中断となってしまいました。全周回のラップタイムが抹消されたことで、ハイパーポール進出は叶わず、ハイパーカークラスの最後尾グリッドからのスタートとなり、非常に厳しい状況ではありますが、仕方ありません。決勝レースは長いですし、最善を尽くします。クルマにはとても満足していますし、予選でのラップタイムも競争力があるものだったので、週末は良い結果が出せることを期待しています。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    浮き沈みの激しい一日でしたが、練習走行では幾つか良い手応えも得られました。クルマの感触はとても良く、特に夜間走行で快調です。我々のGR010 HYBRIDは予選でも速く、可夢偉が素晴らしい走りを見せてくれましたが、残念な結果になってしまいました。とは言え、正直なところそんなに大きな影響はありません。誰もがハイパーポールを目指していますが、とても長いレースですので何も心配していませんし、失望もしていません。決勝が楽しみです。

    ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)
    夜間走行のセッションは順調で、全員が必要な走行をこなすことができました。メカニックが素晴らしい仕事でクルマを再び走れるようにしてくれたので、予定していたプログラムの大半を完了できました。競争力はかなり高いと思います。幾つか異なるセットアップを比較しましたが、決勝レースへ向けた準備としては正しい方向へ進んでいると感じています。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    良いクルマであっただけに、ハイパーポールを逃すことになり、残念な一日になってしまいました。無論、練習走行2回目では予選のことは忘れ、セッションを最大限に活かすべく努力しました。ル・マンでまた夜間走行が出来るのは嬉しいですし、決勝へ向けた準備は着実に進んでいます。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    ハイパーポール進出を逃し、11番手という結果に終わったことにとてもがっかりしています。最初のアタックラップで上手く行かず、周回の終盤に他の車両に引っかかってしまいました。結局そのあとタイム更新はならず、最初のそのラップが私のベストでした。その後もコース上のトラフィックに苦しみ、ミスしスピンしてしまいました。運に恵まれず、クリーンなラップを得られませんでしたがこれもレースですし、他のドライバーも皆同じような経験をしてハイパーポールに進出するはずだった、と思っているでしょう。今は気持ちを切り替え、決勝レースへ向けて集中するだけです。クルマは競争力があると思いますので、全力で戦います。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    今日は幾つかの点で難しい一日になりましたが、クルマの感触はとても良く、今大会初の夜間走行も順調でした。異なる仕様のタイヤを試しながらロングランを実行し、タイヤについて理解を深めました。予選のことは忘れて決勝へ向けての準備に専念しています。セットアップをさらに改善して、週末へ向けた完璧なプランが立てられることを期待しています。

    WEC第4戦ル・マン24時間 公式予選結果

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 ベストタイム
    1 15 ドリス・ファントール
    ラファエル・マルチェッロ
    マルコ・ウィットマン
    BMW M TEAM WRT/
    BMW M Hybrid V8
    3:24.465
    2 3 セバスチャン・ブルデー
    スコット・ディクソン
    レンガー・バン・デル・ザンデ
    キャデラック・レーシング/
    キャデラック V-Series.R
    3:24.642
    3 50 アントニオ・フオコ
    ミゲル・モリーナ
    ニクラス・ニールセン
    フェラーリAFコルセ/
    フェラーリ 499P
    3:24.731
    4 35 ポール=ルー・シャタン
    フェルディナンド・ハプスブルク
    シャルル・ミレッシ
    アルピーヌ・エンデュランス・チーム/
    アルピーヌA424
    3:24.872
    5 2 アール・バンバー
    アレックス・リン
    アレックス・パロウ
    キャデラック・レーシング/
    キャデラック V-Series.R
    3:24.993
    11 8 セバスチャン・ブエミ
    ブレンドン・ハートレー
    平川亮
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    3:25.446
    61 7 小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    ニック・デ・フリース
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    –
  • ニック・デ・フリース 「ル・マン制覇は新たな章の最大の功績になる」

    ニック・デ・フリース 「ル・マン制覇は新たな章の最大の功績になる」

    ニック・デ・フリースは今週末、伝説のル・マンに向かい、第92回ル・マン24時間レースに出場する。ちょうど1年前、自宅でレースを観戦した。RacingNews365のインタビューで、トヨタWECドライバーがこのイベントへの期待と、日曜日に優勝する可能性について語った。

    近年、デ・フリースには多くの変化があったが、最も顕著なのは2023年シーズン開幕10戦後にアルファタウリF1から解雇されたことだろう。その後、彼はマヒンドラとともにフォーミュラEに復帰し、最近上海で今シーズン初のポイントを獲得した。

    今週末はデ・フリースにとって初めてのル・マン参戦ではない。彼はこれまでにも2019年、2020年、2021年、2022年と4回この名誉あるレースに出場している。これまでの4回の出場はすべてLMP2カテゴリーで、最高成績は2022年のクラス4位、総合8位だった。

    ル・マン復帰にあたり、デ・フリースはTOYOTA GAZOO Racingからハイパーカー部門のトップクラスに参戦し、チームメイトの小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスとともに、2024年の世界耐久選手権全体に7号車で参戦する。

    「残念ながら昨年は参加できなかったので、ル・マンに戻れることをとても楽しみにしている」と、デ・フリースは RacingNews365 に語った。「ほとんどを自宅から観戦していたけれど、このレースが極めて権威があり象徴的なレースであることは明らかだ。

    「そして、そう、長いマラソンだ。僕たちは今、ル・マンに向かっている。誰もが参加したいと思うようなイベントだ。そして、トヨタとともにトップクラスで参加できるなんて、さらに興奮する。とても楽しみだ」

    「山」を避ける
    デ・フリースは今年WECに復帰して以来、4月に開催されたイモラ6時間レースですでに勝利を味わっている。

    そのレースで、デ・フリースはバーチャルセーフティカー解除後に素晴らしい追い越しを披露し、その瞬間は笑顔がこぼれたと以前 RacingNews365 に語っていた。

    WECだけでなく、フォーミュラEでも、オランダ人ドライバーのデ・フリースは、レーシングドライバーとしての才能を存分に発揮している。特にF1では、短期間で多くの障害を乗り越える必要があったが、彼は過去を振り返ることは望んでいないと強調している。

    「その道には進まない。なぜなら、そのように考え始めるには乗り越えなければならない山があまりにも多いからだ」とデ・フリースは述べた。

    「あまり関連性はないと思う。しかし、ル・マンは勝者を選ぶレースだと言われている。今年は我々がその番になることを願っている」

    ル・マン24時間レースは、人とマシンの究極のテストとしてよく知られている。どちらも限界まで追い込まれるからだ。

    驚くべきことに、デ・フリースによると、このイベントで最も過酷なのは、レース中ではなく、レースが始まる前の数日間に行われるメディア対応やテストで疲労を管理することだという。

    「1週間という長い期間にわたるため、実際には10日間のマラソンのようなものなので、主に疲労が問題になると思う」とデ・フリーズは説明する。「レースが始まる頃には、1週間ずっと行われてきたことすべてから、間違いなくすでに疲労しているだろうね」

    「だから、それをうまく管理することが非常に重要だと思う。そして、その周りのすべてに慣れていく。幸いにも、僕はさまざまな種類のレースを経験する機会があり、大きなイベントも見てきたが、もちろん初めての場合は、ある意味では少し威圧的だ」

    「威圧感はないかもしれないが、とにかく少しは緊張する。でも、時間が経つにつれて慣れてくる。僕たちは仕事をしに来ているんだからね」

    ニック・デ・フリース ル・マン24時間レース

    「子供の頃の夢」を実現
    デ・フリースがWECのトップチームでレースに出場していることを考えると、世界で最も有名なレースで優勝できる可能性は十分にある。

    彼はすでに2019年にF2のタイトルを獲得し、2021年にはフォーミュラEの王座を獲得するなど、多大な栄誉を獲得している。

    すでに明らかになっているように、デ・フリースはF1でポイントを獲得するという「子供の頃の夢」もすでに叶えている。この偉業は、2022年のイタリアグランプリでウィリアムズに直前にデビューしたことによって達成された。

    実際、29歳の彼はこれまでのキャリアを「新たな章」とみなしており、フォーミュラEとル・マンへの復帰が現在の章となっている。

    日曜日にル・マンで勝利することは、当然ながら、彼の「新たな章」における「最大の功績」となるだろう。

    「私のキャリアは、私のキャリア全体が、ある意味で、いくつかの章に分かれている」とデ・フリースは語った。

    「もし2020年か2022年の終わりに最大の功績は何かと尋ねたらなんと答えるだろう?F2で優勝したとか、フォーミュラEで優勝したとかは言わないだろうね」

    「なぜなら、子供の頃の夢は常にF1ドライバーになることだったからだ。だから、モンツァでレースを走れるチャンスを得て、ポイントを獲得できたことが、僕にとって最大の功績だった」

    「それが僕が人生をかけて追い求めてきたすべてだ。でも、その章は終わった。だから、僕はキャリアの新たな章に入っている」
    「新しい章での最大の功績は間違いなくそれになるだろう。しかし、どの時代にも異なる目的、異なる目標、異なる夢があると思う」

  • トヨタ 2024年ル・マン24時間レース テストデーレポート

    トヨタ 2024年ル・マン24時間レース テストデーレポート

    TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、6月9日(日)に行われた2024年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レースのテストデーに参加し、1週間後に控えるシーズン最大のイベントへ向け更なる準備を進めた。世界チャンピオンとして直近の6戦中5戦でル・マン優勝を誇るTGRは、アルピーヌ、BMW、キャデラック、フェラーリ、イソッタ・フラスキーニ、ランボルギーニ、プジョー、そしてポルシェと共に、ル・マンでのトップカテゴリー参戦数が今世紀最多となる23台のハイパーカーの一員として、今年初めてサルト・サーキットを走行した。

    負傷したマイク・コンウェイに代わって出場することとなったホセ・マリア・ロペスにとっては、GR010 HYBRID 7号車で今季初となる走行を行った。テストドライバーの宮田莉朋も、初めてのサルト・サーキットでハイパーカーでの走行機会を得て、経験を積んだ。本戦にエントリーしている6名のドライバー全員が、次の週末の決勝レース出場資格を得るために義務づけられている10周(うち5周の計測ラップ)を走行した。

    セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、3分27秒615のベストタイムで、この日3番手。小林可夢偉、ニック・デ・フリースとホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車はこの日の総合で9番手となった。2台のGR010 HYBRIDはこの日合計144周(1962km)を走破し、レースウィークへ向けた準備に大きく貢献するデータを収集した。

    1周13.626kmのサルト・サーキットは、その一部で公道を使用しているため、レースウィークの前にフルコースを走ることができるのは、この日3時間ずつ2回走行するテストセッションが唯一の機会となる。好天に恵まれ、暖かな気候の下で午前10時に最初のセッションが開始され、7号車は小林、8号車はブエミのドライブで2台のGR010 HYBRIDが2024年初めてのサルト・サーキットでの走行に向かった。

    約10分後には、8号車は宮田へとドライバー交代。今大会LMP2クラスのCOOL Racingから出場する宮田は、5周のみだったがGR010 HYBRIDで走行し、ル・マンでのハイパーカー初走行を果たしたあと、COOL Racingへと戻った。

    このテスト走行1回目のセッションでは、メカニカルなセットアップの比較に重点が置かれた。赤旗や長いセーフティカー導入などによって中断も多かったこのセッションでは、序盤の赤旗中断からの再開でコースが空いているタイミングに、小林がトップタイムをマークした。8号車はブエミのアタックしたタイムで6番手となった。

    2時間半のインターバルを経て、午後3時半からテスト走行2回目が開始。このセッションでは2台共にセットアップの分析を継続すると共に、ミディアムとソフトの、2種類のタイヤコンパウンドをテストし、性能と摩耗について比較を行った。このセッションでは序盤にハートレーがマークしたタイムが8号車にとってこの日最速となり、3番手。7号車は10番手で終えた。

    計6時間のテスト走行を終え、ドライバーとエンジニアは、12日(水)午後に開始される公式練習走行へ向け、次の数日間は車両セットアップの最適化作業を行うことになる。この12日の2回の練習走行の間に挟まれる形で1時間の予選が行われ、この予選上位8台が13日(木)のハイパーポールに進出。このハイパーポールで決勝のスターティンググリッドが決定される。24時間の長い決勝レースは15日(土)午後4時(日本時間午後11時)にスタートが切られる。

    レースとは別に、11日(火)よりサーキット内には、水素ビレッジでGR H2レーシングコンセプトをはじめとする水素社会へ向けた最新技術が展示される他、マニュファクチャラーズビレッジでは様々なモータースポーツ車両やグッズショップなどが設置されるなど、TGRのファンの皆様へ向けたアクティビティがオープンする。

    2024年 ル・マン24時間レース トヨタ

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    ル・マンに戻り、再びこのコースを走れることができ楽しかったです。ここへ戻ってくるのはいつでも最高です。我々はクルマの適切なバランスを見出すことに専念しました。ここは特に周回を重ねるごとにコースのコンディションが変わっていくので、良いセットアップを見出すのは簡単ではありませんでした。更にスピードを増すためにすべきことをまとめ、次の週末へ向けてもっと良くなるよう頑張ります。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    テスト初日が終わりましたが、またGR010 HYBRIDに戻れて本当に嬉しいです。チームメンバーみんなも、クルマもよく知っているので、まるで、ずっと変わらず同じ家に居たような感覚でした。分析すべき大量のデータがありますが、これからの数日、その全てのデータを確認するという最も重要な作業が待っています。順調なスタートを切ることができ、チームの働きにはとても満足しています。

    ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)
    私にとってハイパーカーでのル・マン初走行でしたが、本当に最高でした。ここル・マンでの自分自身の基準を見出し、リズムをつかむのに数周かかりました。自分の走りには満足しています。今日のように、時間が限られ、3人のドライバーでシェアしながら1周の長いコースを走らなくてはならないという状況では、当然ながら走れる時間はそれほど多くありません。ハイパーカー間の戦いは非常に接近していますが、次の週末になればそれも明らかになるでしょう。今から楽しみです。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    ル・マンに戻ってくるのは、いつだってとても素晴らしい気分です。今日は天候にも恵まれました。レースウィークを通してそうなるとは限りませんが、私自身はかなりの周回を走ることができました。私はテスト走行1回目の最初と、2回目の最後に走行したので、路面コンディションが大きく向上したことを確認できました。クルマの感触はとても良く、今日の走行には満足しています。これから得られたデータを分析し、水曜日までに改善できる点を探っていくことになります。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    ル・マンに戻って来られて本当に嬉しいです。毎年、ここに戻ってくると最高の気分で、まるで家に帰ってきたかのようです。今日は大きなトラブルも無く,スムーズな一日で、予定していたプログラムの大半をこなすことができました。何度か赤旗やセーフティカーも出ましたが、それはどのチームにとっても同じことです。現段階では我々にとって期待の持てる状況だと思います。他のチームがどんなことをしているのかはわかりませんが、まずは良いスタートを切れました。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    今日は多くの異なるオプションをテストし、有意義な一日でした。予定されていたプログラムをこなし、これからの数日間は、今日得られたデータの精査とレースウィークへ向けた車両セットアップ改善に専念することになります。これまでのところは全て順調ですが、ライバルに追いつくにはまだもう少し改善が必要です。レースウィークまでには更なる改善ができるはずです。

    宮田莉朋(テストドライバー)
    ル・マンで初めてGR010 HYBRIDをドライブしたフィーリングは最高でした。私にとってここル・マンでの初走行でもあり、忘れられない特別な瞬間に今日はなりまし、本当に楽しみました。私自身はGR010 HYBRIDでは午前中数周したのみで、その後はCOOL RacingのLMP2車両に乗り換えることとなり、忙しい一日でしたが、素晴らしい経験でしたし、多くのことを学ぶことができました。この機会を与えてくれたTGRに心から感謝しています。

  • レッドブルF1首脳 ダニエル・リカルドのイモラでRBシート喪失を否定

    レッドブルF1首脳 ダニエル・リカルドのイモラでRBシート喪失を否定

    レッドブルF1のアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ダニエル・リカルドが次戦F1エミリア・ロマーニャGPを前にRBチームから離脱する可能性を否定した。

    リカルドにとって2024年F1シーズンの開幕戦が厳しいものとなったことを受け、オリカルドが間もなくRBチームから追放されるのではないかという憶測が飛び交った。

    フルタイムでの昇格を待ち望んでいるのはリアム・ローソンで、昨年はオランダGPで手首を負傷したリカルドの代役として5レースに出場。その代役としての印象的なパフォーマンスは多くの人々に感銘を与え、ローソンはフルタイムドライブの権利を主張した。

    しかし、マルコは来週末のイモラでローソンとリカルドが交代することはないと断言した。

    「イモラでリカルドとリアム・ローソンが代わられるという噂はナンセンスだ」とマルコはSpeedweekのコラムに書いた。

    「ニュージーランドからリアムのマネジャーが来ていたが、どうやら彼にはある夢があり、それがニュージーランドを含むいくつかのメディアを通じて知らされているようだ。イモラではまったく何も計画されていない」

    しかしマルコは、ローソンにチャンスが巡ってくるかもしれないとほのめかし、「もちろん、将来的には検討するつもりだ」と語った。

    マイアミのフォームに混乱
    リカルドの精彩を欠いたシーズンはマイアミで好転し、スプリントレースを4位で終え、結果的にマルコから称賛を受けた。

    「ダニエルはスプリントでも素晴らしいパフォーマンスを見せた」とマルコは語った。 「4位はセンセーションであり、彼はセクター3でタイムを記録した」

    「このセクターは主にスローカーブで構成されている。そこを正確に運転すれば、信じられないほどのタイムを稼ぐことができる。そして、スピードが遅いため、ミスをすると二重に罰を受けることになる」

    しかし、マルコは予選とグランプリに注目が集まる中、リカルドの調子が落ちたことを不思議に思っている。

    「4位になった3時間後、リカルドはミスを犯した」

    「リカルドは予選で出遅れ、Q1で敗退した。しかし、それだけではなく、リカルドはレースでもスピードに乗ることができなかった。

    「裕毅はコンスタントに速いタイムを刻んでいたが、リカルドにはスピードと自信がなかった」

  • WEC:トヨタ 2024年 第3戦 スパ6時間 予選 レポート

    WEC:トヨタ 2024年 第3戦 スパ6時間 予選 レポート

    5月10日(金)、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで、FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースの予選とハイパーポールが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRIDは8号車がハイパーポールへ進出し7番手、7号車は15番手グリッドから明日の決勝に臨むこととなった。

    セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は予選で2番手タイムをマークし、ハイパーポールへの進出を果たしたものの、ハイパーポールセッションでは7番手となった。また、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車は15番手となった。

    ハイパーカーのライバル達の強力なパフォーマンスの前に苦戦を強いられた予選結果となり、TGRの2台のGR010 HYBRIDは、トップ6圏外から決勝をスタートすることになるが、ハートレーが予選で、タイヤ摩耗が著しいスパに最も適合したミディアムタイヤで好パフォーマンスを見せたことは明るい材料であり、明日のレースで上位争いに挑む。

    ここスパで7連勝中のTGRは、3週間前の前戦イモラでも、的確なレース戦略とミスの無いドライビング、迅速なピット作業によってパフォーマンス不足を補い、今季初優勝を飾っており、今大会もその再現が期待される。

    暖かな気候の下、ドライコンディションで午後3時50分より開始された予選は、TGRの2台にとって明暗の分かれるセッションとなった。8号車のハートレーは最初のアタックラップで2分2秒586という好タイムをマークし、その時点でのタイムシートのトップに立った。セッション終盤、ライバルにかわされたものの、僅差となった予選を2番手で終え、ハイパーポールセッション進出を決めると共に、決勝での自信も深めることとなった。一方7号車の小林は、最後までクリーンラップを得ることができず、諦めずにアタックを続けたが、タイヤグリップのピークを過ぎてしまい、タイム更新はならず。15番手でハイパーポール進出を逃した。

    予選上位10台によって争われたハイパーポールでは、規定により全車がソフトタイヤを装着してのアタックとなり、ハートレーは最初のアタックラップでベストタイムをマーク。その時点では暫定2番手だったが、セッション後半はライバル勢がタイムを上げてきたことで順位を落とし、最終的に8号車は7番手グリッドとなった

    オーバーテイクが比較的しやすいスパだが、タイヤの摩耗対策が大きな課題。TGRは、11日(土)午後1時(日本時間午後8時)にスタートが切られる決勝レースで追い上げ、世界選手権ポイントを獲得するためにもドライバー、エンジニア、そしてメカニックと、チーム一丸となって全19台のハイパーカーによるバトルへ挑む。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    予選でのクルマの感触があまり良くなく、苦戦しました。何が原因だったのか、解決策を見出しているところです。残念ながら15番手と後方からのスタートとなりますが、6時間の長いレースですし、ここスパはイモラよりもずっとオーバーテイクがしやすいサーキットなので、明日の決勝では挽回できることを願っています。タイヤの摩耗は激しいですが、我々はこのコースでの経験が豊富ですし、それらを活かして上位争いを目指します。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    7番手グリッドという結果は望んでいたものではありませんでしたが、チームを誇りに思います。予選でのミディアムタイヤ装着時は、本当に素晴らしいクルマでした。素晴らしいラップを刻むことができ、セッション2番手という結果には満足しています。ハイパーポールでは全車がソフトタイヤを装着することになりましたが、ずっとソフトタイヤは使っていなかったので、満足いくクルマにはなりませんでした。何台かが予選に匹敵するタイムをマークしていたのには驚きましたが、私にはできませんでした。クリーンなラップも取れませんでしたが、最終的にはできることは全てやりました。ミディアムタイヤ装着時の感触は満足いくものですし、決勝での戦いには自信があります。

  • 宮田莉朋 ELMS第2戦は好走を見せるもレースはトラブルでリタイア

    宮田莉朋 ELMS第2戦は好走を見せるもレースはトラブルでリタイア

    5月3日(金)から5日(日)にかけてフランス南部・マルセイユ近郊のル・カステレに位置するポールリカール・サーキットで行われた2024年ELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)第2戦ル・カステレ4時間レースに、TGR WECチャレンジプログラムのドライバーである宮田莉朋が出場。中盤のスティントで首位を争う好走を見せましたが、ドライバー交代後、チームの車両はトラブルにより無念のリタイアに終わった。

    昨年国内のスーパーフォーミュラとSUPER GTでダブルチャンピオンを獲得した宮田莉朋が、今年はTOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムのドライバーとして世界に舞台を移し、FIA-F2選手権とELMSのLMP2クラスに参戦している。

    ELMSは名前の通りヨーロッパを舞台とする、全6戦のシリーズで、成績上位チームにはル・マン24時間レースへの出場権が与えられ、LMP2、LMP2プロ/アマ、LMP3、LMGT3の4クラスの混走でレースが行われる。宮田莉朋はこの中で最速のLMP2クラスに、スイスのチームであるクール・レーシングから、ロレンツォ・フルクサ、マルテ・ヤコブセンと共に37号車で参戦しており、開幕戦のバルセロナでは、デビュー戦ながら見事初優勝を勝ち取った。

    【予選】
    4日(土)LMP2クラスの予選は、他のカテゴリーのあと、午後3時55分より15分間で行われ、宮田莉朋が所属するクール・レーシングの37号車は、ヤコブセンがアタックを担当。6番手グリッドを獲得した。

    宮田莉朋
    今回僕は予選の担当ではなかったので、マルテ選手の走りを外から見ていました。6番手という結果ですが、明日のレースはバルセロナ同様長いので、まずはシングルグリッドからスタートできるというところは良かったと思います。個人的にはバルセロナもそうでしたが、予選よりも決勝の方がクルマのパフォーマンスは良さそうなので、あとはチーム全員で、明日のレースをしっかり戦い抜くことを第一にして、僕は僕でポールリカールを走るのが初めてなので、次につながるように周回を重ねたいです。
    明日の目標は、ランキングも今引っ張っているところなので、チームと力を合わせて開幕戦に続けて優勝したいですし、とにかく耐久レースはゴールすることが第一なので、自分たちのタスクをしっかり実行して、良いレースをしたいなと思います。

    【決勝】
    5日(日)好天に恵まれ、気温は20度で過ごしやすい気候の下、午前11時30分より4時間で争われる決勝レースがスタートした。37号車はフルクサがスタートを担当。6番手グリッドからすぐにポジションを上げていき、1時間20分程を過ぎたところでピットイン。宮田莉朋へとドライバー交代を行った。

    宮田莉朋は2位でコースへと復帰。他のチームとのピットタイミングの違いもあり、レースが折り返す2時間経過時には首位に立った。

    レースが2時間20分を過ぎたところで宮田はピットへ向かい、ヤコブセンへとドライバー交代。このタイミングで37号車は首位に立ち、その後も首位を快走していたが、レースが残り40分を迎えようかとする頃、37号車は突然スローダウン。ギアボックスのトラブルにより、レースを終えることとなってしまった。

    宮田莉朋
    首位快走中にギアボックスが壊れてしまうという、非常に悔しいレースにはなりましたが、でも壊れたのはル・マンではなかったということで、僕はそれぐらいポジティブです。こういう悔しい時というか、勝てるレースを落とした時こそ、チームやドライバーも含めみんなを強くしてくれるタイミングだと思っているので、全然ネガティブには思っていません。内容もレースをリードしている時でしたし、結果を残せなかったという部分では悔しいですが、リードしていたというところは間違いなく僕らのポテンシャルがあるということです。クール・レーシングにとっては次のレースがル・マンになりますが、ポジティブな要素が多いですし、きっとこのトラブルも僕らを強くさせてくれると思っています。来週はWECスパにLEXUS RC F GT3で出場することになりました。RC F GT3で再びレースできることと、そしてWECスパに参戦できることにTGRをはじめチームの皆さんに感謝しています。RC FはWECでは少し厳しい戦いになっていますが、僕はRC Fでのレースの経験もありますし、しっかりチームに貢献できるように良い週末にしたいなと思います。一生懸命頑張りますので、来週末のWECスパも応援よろしくお願いします。

    宮田莉朋

    ELMS 第2戦 ル・カステレ4時間レース 宮田莉朋 個人成績(LMP2クラス)
    予選) 走行せず
    決勝) Fastest Time 1:43.438(LMP2/LMP2プロアマクラス決勝出走66人中11位)
    走行周回数 34周(全101周中)

  • アンドレッティのF1プロジェクトを影で支えるトヨタの存在

    アンドレッティのF1プロジェクトを影で支えるトヨタの存在

    アンドレッティは、参入のための最初の試みを拒否されたものの、2026年にもF1グリッドにつくことを望んでいる。そのために欠かせないのがトヨタ、いや、アンドレッティがF1プロジェクトで使用している風洞の所有者であるトヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパだ。

    1月、F1はアンドレッティの参戦をきっぱりと拒否した。このアメリカの巨大モータースポーツ企業は、早ければ2025年、より可能性が高いのは新しいパワーユニットとシャシーのレギュレーションが施行される2026年に11番目のグリッドメンバーとなることを申請していた。

    F1はこれを非現実的な目標だと判断し、門戸を閉ざした。しかし、2028年シーズンへの申請については異なる見方をする可能性があることを認めている。

    アンドレッティがF1参戦に向け全力投球を続ける一方で、その成功の一端は、おそらく全く縁のなさそうなパートナーであるトヨタとの継続的な関係にかかっているだろう。

    トヨタは15年間F1のコンストラクターにはなっていないが、現在も世界の主要モータースポーツシリーズに参戦している。ドイツのケルンを本拠地とするトヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパは、2002年から2009年まで短期間F1に参戦した名残で、2つの風洞を誇っている。

    RacingNews365はトヨタのキャンパスを訪問し、風洞マネージャーのアントニオ・パヴェシに話を聞いた。彼はマクラーレンの撤退について語った。チームは風洞を稼働させる前に何年も施設を使用していた。

    「マクラーレンのような重要な顧客を失うのは悲しいことだが、人生は続く」とパヴェシは語った。

    「風洞のひとつはほとんどマクラーレンが独占的に使用していたため、一時はどうやって風洞を稼働させ続けることができるかという懸念もあったが、幸いにも他のプロジェクトを見つけることができた」

    アンドレッティ F1

    アンドレッティは空力プロセスを構築できた
    注目すべきプロジェクトのひとつがアンドレッティで、アメリカのチームがF1グリッド獲得に向けてトヨタに協力を要請した。ケルンのキャンパスでは、アンドレッティは2つの風洞を利用できる。ひとつは50%の大きさまでの模型を走らせるもので、もうひとつは実寸大のクルマを走らせることができるものだ。

    いつ、どのようにして関係が始まったのか尋ねられたパヴェシは「彼らがいつ我々に接触してきたのか正確には覚えていないが、2023年の中頃だったはずだ」と答えた。

    「F1参戦を準備する際、彼らにとって風洞を使えることは重要だった。これによってアンドレッティは空力プロセスを構築することができた。彼らは我々に連絡を取り、我々は最終的にここケルンで彼らのためのモデルを構築することになった。 2023年の最後の数か月の初めにそのモデルは風洞でテストされた」

    パヴェッシはさらに、風洞の顧客のなかには彼らのためにモデルを製作するよう依頼する者もおり、トヨタもそのような依頼を受けることがあると説明した。

    風洞を利用する顧客からの要望はどの程度あるのかという質問に対して「より一般的なことだ」と彼は答えた。

    「自分たちのモデルを持って我々のところに来ることができるかどうかを尋ねる顧客もいるが、我々が彼らのためにそのモデルを設計し、製作するかどうかを尋ねる顧客もいる。我々は両方に対応することができる」

  • WEC 第2戦 イモラ6時間 決勝:トヨタ7号車が今季初勝利

    WEC 第2戦 イモラ6時間 決勝:トヨタ7号車が今季初勝利

    FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦イモラ6時間レースの決勝が4月21日(日)にイタリアのイモラ・サーキットで行われ、6番手からスタートしたTOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 7号車が逆転の今季初勝利を飾った。8番手スタートのGR010 HYBRID 8号車もポジションを上げ、5位フィニッシュを果たした。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースの駆るGR010 HYBRID 7号車は、降雨によりコンディションが大きく変わった難しいレースを、完璧なドライビングと優れた戦略により戦い抜き、19台のハイパーカーによる激戦を制した。

    また、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車も8番手スタートから順位を上げて5位入賞を果たし、チームにとって素晴らしい一日となった。

    TGRにとって今季初となったこの勝利により、WECのマニュファクチャラーズ選手権ではポルシェとの差を9ポイントに縮め、また7号車のクルーは、ドライバーズ選手権でトップと16ポイント差の2位で、5月11日(土)にベルギーのスパで行われる次の第3戦へと向かうことになRu。

    6番手からスタートした7号車のコンウェイは、1周目から素晴らしいファイティングスピリットを見せ、5位へとポジションアップ。しかし、8番手スタートのブエミはコース幅が狭く、追い抜きの非常に難しいイモラ・サーキットの洗礼を受け、ポジションキープで序盤の周回を重ねた。

    コース上での追い抜きが難しいイモラで、チームは優れた戦略と完璧なピット作業によってポジションを上げていき、2時間を過ぎたところで、7号車のコンウェイは3位でデ・フリースへとドライバー交代。8号車のブエミも5位で平川へとステアリングを託した。

    3位でコースに復帰したデ・フリースは前を行く2台のフェラーリに激しくプレッシャーをかけ続け、フルコースイエローからの再スタートのタイミングで絶好のダッシュを決めて2位へと浮上。その直後、首位のフェラーリ51号車がピットインしたことで、7号車が首位に立った。

    3時間半が経過したところでコースアウト車両撤去のためバーチャル・セーフティカーが出されると、各車ピットへ。ここで7号車は小林、8号車はハートレーへと最後のドライバーチェンジを行った。

    2台がコースへ復帰してまもなくセーフティカー先導走行へと移行すると、その間に雨が降り始め、路面コンディションが一気にウェットへと変化。グリーンフラッグが振られるとすぐに2台のGR010 HYBRIDはピットへ向かい、ウェットタイヤへと交換。この早めの判断が功を奏し、小林の7号車は2位に20秒以上の大差をつけての首位に。ハートレーの8号車も3番手に浮上した。

    レースが残り1時間となったところで2台のGR010 HYBRIDは最後のピットストップを行い、スリックタイヤへと交換。その少し後にライバル勢も続いて最後のピットへ向かったことで小林の7号車は2台のポルシェを従えての首位に返り咲いた。

    ハートレーはピットアウト直後、まだ湿っている路面でのタイヤ温度を上げるのに苦しみ、2度にわたってグラベルエリアへとコースオフを喫したが、無事コースへ復帰。タイヤが温まると、ハートレーはその時点でのファステストラップを連発しながら追い上げ4位へとポジションをアップ、さらに3位のポルシェに迫った。

    しかし、2台のGR010 HYBRIDは最後のピットがライバル勢よりもやや早めのタイミングだったため、最後まで追加の給油無しで走り切るために、ややペースを落とした燃料をセーブする効率的な走行を強いられることとなった。

    終盤、首位を行く7号車の小林は2位のポルシェからの猛烈な追い上げを受け、最後の30分は1秒差以内での息詰まる首位攻防戦が続いたが、小林は見事これをしのぎ切り、トップでチェッカー。2位のポルシェ6号車に7.081秒差をつけて、TGRと7号車にとってのWECイタリアラウンド2連勝を飾った。8号車のハートレーは、最終ラップにフェラーリ50号車にかわされたが、5位でフィニッシュし貴重なポイント獲得を果たした。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
    とてもタフなレースで、本当に驚くべき勝利です。我々のGR010 HYBRIDはこの週末最速ではありませんでしたが、チームが素晴らしい仕事をしてくれました。マイクとニックも最高の走りで、上位争いへとポジションを上げて私にバトンを託してくれました。私の担当スティントでは、雨の中スリックタイヤで首位を守らなくてはならなかったので、最初から大変なプレッシャーとなりました。ウェットタイヤへ交換した我々の判断は的確で、後続との差を広げることができ、その後もウェットタイヤで良いペースを維持できました。最後のスティントは、燃料が最後までもつか確信が持てなかったので、燃料セーブに全力を尽くしました。本当に大変でした。優勝を争えたのは、戦略面でもチームが本当に素晴らしい仕事をしてくれたおかげです。最高の仕事をしてくれた皆に感謝しています。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
    最後まで本当に緊迫したレースでした。可夢偉は最後、燃料をセーブしながら首位を守るという、素晴らしい仕事を成し遂げました。いつものように彼はプレッシャーを跳ね除ける走りで、走っていた彼の心拍数よりもピット内で見ていた私の心拍数の方がきっと高かったのではないかと思います。ニックのスティントも見事でした。私が担当したスタートでは、混乱に巻き込まれることなく、上位を目指しました。ここイモラでの、私にとって初めてのレースは最高に楽しかったです。ピットクルーの作業は素晴らしく、戦略もこれ以上無いほど良かったです。チームとトヨタの全員でこの勝利を祝いたいと思います。

    ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):
    私自身、久しぶりに表彰台の中央に立つことができて最高の気分ですし、チームメイトとそれを共有できたことも嬉しいです。可夢偉とマイクと一緒に同じ車で戦って勝てたことは本当に嬉しいですし、誇りに思います。彼らと、チームみんなの最高の仕事に本当に感謝しています。全ての戦略が的確で、全てのスティントで力強く走ることができ、誰もミスすることなく走り抜いたことで驚きのパフォーマンスを示せました。全員が完璧なレースを戦った結果で、真に勝利に値すると思います。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
    見事なパフォーマンスで勝利を飾った7号車、おめでとう。カタールでの戦いからここでの勝利へと導いた、素晴らしい復活劇です。我々の8号車にとっては難しいレースとなってしまいました。私は8番手からのスタートでしたが、追い抜きが難しい中での戦いを強いられました。それでもポジションを上げていき、表彰台を争い、最終的に5位でフィニッシュできました。満足いく結果ではありませんが、チームにとっては素晴らしい一日でしたし、我々も次戦スパでは力強く上位争いに加われるよう努力を続けます。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
    フェラーリのホームコースでの優勝を果たしたチームに、最高の祝福を贈ります。フェラーリの方が速いことは明らかでしたが、7号車は適切なタイミングで適切なカードを切って、見事な走りでトップフィニッシュを果たしました。我々8号車にとっては厳しい一日でした。表彰台まであと一歩でしたし、ここでのレースは最高でした。私の最後のスティントは、燃料をセーブしながらの走りを強いられ、ファイナルラップでポジションを落とすことになってしまったのは悔しいです。最終的な結果は望み通りではありませんでしたが、チームのパフォーマンスは素晴らしかったです。

    平川亮(8号車 ドライバー):
    優勝した7号車のみんなと、表彰台の中央に返り咲いたチームを祝福します。勝てるとは誰も想像していなかったと思いますが、チームが素晴らしいパフォーマンスを発揮し、クルマから全てを引き出してくれました。チームがこの好結果を達成できたことはとても嬉しいです。我々8号車は、ファイナルラップで4位を失うことになったのが少し残念ですが、レースでは起こり得ることですし、この悔しさをバネにして、次戦ではもっと強くなって戻ってこなくてはなりません。

    WEC(FIA 世界耐久選手権)

  • WEC 第2戦 イモラ6時間 予選:トヨタは6番手と8番手に沈む

    WEC 第2戦 イモラ6時間 予選:トヨタは6番手と8番手に沈む

    FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦イモラ6時間レースのスターティンググリッドを決定する予選とハイパーポールが4月20日(土)にイタリアのイモラ・サーキットで行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRIDは7号車が6番手、8号車は8番手グリッドを獲得した。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースの駆るGR010 HYBRID 7号車は小林がアタックを担当し、1分30秒410で6番手。

    ディフェンディングチャンピオンのセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車はハートレーのアタックで僅差の8番手となった。

    この日の午後に行われた予選では、地元のフェラーリ勢が圧倒的な速さを見せポールポジションを獲得した。GR010 HYBRIDは開幕戦のカタール同様、車両重量、車両バランスとタイヤ性能を引き出すのに苦労し、それが今日の結果にも反映されることとなった。

    予選では後塵を拝することとなったが、TGRはチャンピオン獲得の経験や戦略の知見を総動員し、明日21日(日)の決勝レースにおいて最高のパフォーマンスを引き出し、6年連続のチャンピオン獲得へ向けて努力を続ける。

    今季のWECでは予選のフォーマットが変更された。まず初めにハイパーカー19台全車による予選が行われ、その後上位10台が、続いて行われるハイパーポールへと進む。

    晴れた北イタリアの午後3時25分、12分間の予選セッションが開始。1周4.909kmのサーキットで19台のハイパーカーが一斉にアタックに向かい、セッション序盤はタイヤを暖めながら、目まぐるしく順位が入れ替わる展開となった。残り3分で、8号車のハートレーが3番手となる、このセッションでのベストタイムをマークし、7号車の小林も4番手タイムでこれに続いた。そのすぐ後、スピンした車両により赤旗が出されセッションが中断。残り2分弱で再開されたものの、上位の順位は入れ替わることなく、2台のGR010 HYBRIDは共にハイパーポール進出を果たした。

    遠方に暗い雲が現れ、サーキットもやや雲に覆われ始めたが、続いて行われた10分間のハイパーポールセッションもドライコンディションで推移。8号車のハートレーは残り2分のアタック中にスピンを喫したが、そのまま走行を継続し、最後のアタックで8番手タイムをマークした。7号車の小林も最後の最後に更新したタイムで6番手グリッドを獲得した。

    この週末、ここまでは地元のフェラーリ勢が圧倒的な強さを見せており、TGRはやや苦戦を強いられているが、カタールでポイント獲得を果たした力強いチームワークで、決勝レースでは今季初の表彰台を目指す。6時間で争われる決勝レースは21日(日)現地時間午後1時(日本時間午後8時)にスタートが切られる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    できることは全てやりましたが、残念ながらやはりフェラーリには届かず、約1秒差をつけられてしまいました。我々7号車が6番手、ブレンドンの8号車が8番手という結果は、決勝を考えれば悪い位置ではありませんし、ポジションを上げていくチャンスはあると思っています。このコースはとても狭く、LMGT3車両もいるので、追い抜くのは難しいでしょう。色々なことが起こると思いますが、そんな中でも自分たちの走りを貫き、タイトル争いのためにもまた好結果を残せればと思っています。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    燃料が少なくクルマが軽い状態、かつ新品タイヤでこのコースを攻めるのは最高でした。昔ながらの素晴らしいコースで、とても楽しかったです。残念ながら、予選の結果は期待通りとはいきませんでした。トップ6の速さはあったと思いますが、アタックラップで何度か他車に引っかかってしまいました。また、ハイパーポールではスピンを喫してしまい、万全だったとは言えません。4番グリッドまで行ける可能性があったかも知れませんが、しかし結果は結果ですので、今は決勝に集中し、良いスタートを決めて表彰台を争いたいと思います。

  • トヨタ 宮田莉朋のF2車両にGRカラーの巧妙なブランディング

    トヨタ 宮田莉朋のF2車両にGRカラーの巧妙なブランディング

    宮田莉朋が2024年のFIA フォーミュラ2選手権に参戦するロダン・モータースポーツ6号車のトヨタGRカラーが話題を呼んでいる。

    2023年のスーパーフォーミュラ、スーパーGTの両方を制して、史上最年少24歳でダブルチャンピオンを獲得した宮田莉朋は、今年もトヨタのドライバー育成プログラムであるTGR WECチャレンジへの参加を継続しながら、F1直下の最上位カテゴリーであるFIA フォーミュラ2に参戦する。

    2月11日から14日にバーレーンで開催されたFIA フォーミュラ2選手権のプレシーズンテストでは、宮田莉朋が所属するロダン・モータースポーツの6号車はトヨタGRのブラックのカラーリングが施された。すでにソーシャルメディアでは今季のF2のベストカラーリングだとの呼び声も高く、カーボン剥き出しのF1マシンとは異なるブラックを称賛する声もある。

    近年、FIA フォーミュラ2選手権は、参戦する育成ドライバーたちが、F1チームのカラーリングやスポンサーカラーを施されたマシンで参戦する傾向があり、レッドブル、アルピーヌ、ウィリアムズ、ザウバー、マクラーレンと似たカラーリングのマシンが多い。

    トヨタは、2017年に「GR」シリーズを市販車に投入。同社のモータースポーツ活動を通じた知見やノウハウを注ぎ開発したスポーツカーシリーズと位置づけ、その一方で、モータースポーツには『TOYOTA GAZOO Racing』の名前で参戦。そして、今年の世界ラリー選手権(WRC)、FIA 世界耐久選手権(WEC)では、モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくりに繋がっていく“プロトタイプ”として、マットブラックのカラーリングを打ち出した。

    トヨタ 宮田莉朋 FIA フォーミュラ2選手権

    自動車メーカーは、モータースポーツカテゴリーをまたいで車両のカラーリングを統一する動きが加速しており、フェラーリとアルピーヌはF1とWEC、マクラーレンはF1とインディカーとフォーミュラEなどでカラーリングを統一。フェラーリと言えば赤、アルピーヌと言えば青、マクラーレンと言えばオレンジといったイメージを強く主張している。

    今回の宮田莉朋のトヨタGRカラーでのフォーミュラ2参戦は、トヨタのF1復帰を期待する声さえある。

    トヨタは2009年の撤退以来F1から遠ざかっているが、今年は平川亮をマクラーレンF1チームのリザーブドライバーに送り出すとともに、マクラーレンとトヨタで育成ドライバー組織で提携。また、宮田莉朋をF2に参戦させることで、F1ドライバーに到達できる道筋を敷くとともに、F1に参戦していなくとも、露出の多いF1に関連するパブリシティを得ることができている。

    トヨタのブラックを打ち出す戦略のひとつであり、赤と白のTOYTA GAZOO RacingとGRのロゴが日の丸=日本をイメージさせる点でも秀逸だ。

    WRC、WEC、そして、宮田莉朋がF2で活躍すれば、スポーツカーブランドとして、日本のトヨタ、GRのブランディングを確立することができる。