カテゴリー: トヨタ

  • ヤルノ・トゥルーリ、イタリアGPを振り返る

    ヤルノ・トゥルーリ、イタリアGPを振り返る

    トヨタF1チームのヤルノ・トゥルーリがイタリアGPを振り返った。

    母国GPとなったトゥルーリだが、雨による路面の変化で不運なピットストップを余儀なくされ、結果ノーポイントに終わった。

    トヨタはポイントでルノーに並ばれたが、トゥルーリはコンストラクターズ4位を獲得するためにルノーを打ち負かすことに自信をみせた。

    予選7番手となりレースでは6位を走行していましたが、最後は13位でした。これについてどう思っていますか?
    結果はがっかりだったが、ただしこれは運に恵まれなかったからだと思う。あのコンディションの下、残念ながら我々の戦略は上手く機能しなかった。レース全体を通じてコース状況や天候をコントロールすることはできないしね。自分たちは1回ストップを選択し、かなり良い戦略を手にしていると感じていたが、不幸にしてエクストリームウェットからスタンダードウェットへ切り替えるタイミングが私の唯一のピットストップの数周後に来てしまった。予定されていたピットストップのタイミングでは、あのコース状況だったためスタンダードウェットを履くのは不可能だった。そのためレースの更に後になってからもう一度ピットストップを行わなければならなかった。もしも天気予報通り、レース中盤に再び更に激しい雨になっていたなら、我々はかなり良い所まで行けたはずだ。

    スタンダードウェットに交換した後、何か問題を抱えていたのでしょうか?
    クルマがかなり滑っていたので、それまでほど競争力を発揮できなかった。とにかく我々にとって都合の良い流れになってくれなかったんだ。今回はより硬いタイヤを使うことになっていたため、週末の前からもしかしたらモンツァは難しいレースになるかもしれないと思っていた。だが予選後はもっと前向きになっていた。余分なピットストップが必要になり順位を落としたが、あれは純粋に運が悪かったためだ。

    雨のモンツァでドライビングするのはどんな感じでしたか?
    かなりギリギリの体験だったし、コースの性格もあり、恐らくみんなが思っているよりも状況は悪かったと思う。モンツァはF1カレンダーの中で最も平均速度が高いコースで、そのためクルマは低ダウンフォースのセッティングにする。だが雨になるとこれがあまり助けにならない。一番の問題はアクアプレーニング現象と視界の悪さだ。前のクルマについていくと、どこでブレーキングしたらいいのかすら目視が難しくなる。水しぶきがとにかく酷かったが、あれは危険でもある。

    予選トップ10に2台を送り込んだのは僅か2チームのみでしたが、トヨタはそのうちの1チームでした。この事実はどのくらいすごいことなのでしょう?
    私自身とティモ、そしてチーム全体が非常に良い仕事をした。我々は低ダウンフォースのセットアップでTF108が最高の力を発揮するとは予想していなかったが、実際の所、予選では天候が我々に味方してくれたんだ。ドライバーにとっては仕事が一層難しいものになったけどね。金曜午後のドライの走行ではクルマの感触は素晴らしくはなかったが、ウェットになったら調子が良かった。ただし予選第2セッションでの怖い瞬間を除いてね。

    その時何が起こったのですか?
    天気予報によれば激しい雨が来ることが分かっていたので、セッション序盤にタイムを出す必要があった。私は1回目のフライングラップを行ったが、その時パラボリカの前でスローダウンしていたセバスチャン・ベッテルに捕まってしまったんだ。そこで私はアクセルを緩めざるを得なかった。あのコンディションの中、あれは危険な状況だった。私は第2セッションでの最速タイムからわずか0.17秒遅れだったが、あの一件がなければ私が最速だった可能性もある。

    これでヨーロッパラウンドが終わりましたが、残り4つのグランプリに向けてどんな展望を持っていますか?
    エキサイティングになるだろうね。シンガポールは今シーズン2つ目の新しいコースだし、言うまでもなくF1初のナイトレースになる。続いて2週連続で日本GPと中国GPがあるが、例年これは面白い旅になるんだ。誰もが昨年の富士での天候は覚えているが、残り4つのレースでは天候について誰も正確に予測できないと思う。もしかしたらモンツァのようなレースがまたあるかもしれない。もちろん富士はトヨタの母国GPになるので、日本GPではかなり良い結果を目指して戦えるようみんなが士気を高めている。全体的に言って、我々には残り全てのレースでいずれもチャンスがあるはずだと、かなりポジティブに考えているよ。

    トヨタがコンストラクターズ選手権4位でフィニッシュできる自信はありますか?
    間違いなく我々は4位でフィニッシュできるはずだし、既に今シーズンは非常に力強いパフォーマンスを数多く示してきた。今年は実力で表彰台を2度獲得しているし、2戦前の段階では後続に10ポイントの差を付けていた。これは我々の競争力を適確に反映していたと思う。だがスパとモンツァでは運がなかった。この2戦では通常よりもやや戦闘力で劣ると予想していたが、現状ではルノーと同ポイントになった。今は競争力が非常に接近しているから、これからはとてもエキサイティングなバトルになるだろう。小さな物事が状況を完全に変えてしまうこともあるだろうけど、でも私には我々がルノーを倒せる自信がある。なぜなら、この2レースは我々の本当の速さを反映していないと思うからね。更なる表彰台を目指して戦えるよう、そして選手権を4位で終えられるよう、我々はあらゆる手段を尽くしていくよ。

  • トヨタ:戦略が裏目となりノーポイント(イタリアGP)

    トヨタ:戦略が裏目となりノーポイント(イタリアGP)

    トヨタは、F1イタリアGP決勝レースで、ティモ・グロックが11位、ヤルノ・トゥルーリは13位だった。

    1ストップ作戦でレースを進めた両車であったが、ピットアウト後、レース中盤に路面が徐々に乾いていったため、予定外のピットストップでスタンダードウェット・タイヤへの変更を余儀なくされ、最終的にティモ・グロックが11位、ヤルノ・トゥルーリは13位でレースを終えた。

    イタリアGPを終え、トヨタはコンストラクターズランキングでルノーに同点に追いつかれたが、辛うじて4位をキープしている。

    ティモ・グロック (11位)
    「全体的に見て、今日は我々にとって難しい一日となってしまった。良いスタートが切れたんだけど、その後すぐ、アロンソをオーバーテイクしようとした時にスピンをしてしまい、数秒を失ってしまった。レース序盤で、路面が最も濡れていたときは、水しぶきで視界がすごく悪かった。アタックするのは大変だったけど、それでも、いくつか順位を上げることには成功したんだ。その後、予定外のピットストップをしたことで、我々のポイント獲得のチャンスは犠牲になった。言うまでもなく、今回の結果は残念だった。けれど、我々はアンラッキーだったのだし、我々のペースは、次回以降のレースで再びポイントを獲得できることを示しているよ。」

    ヤルノ・トゥルーリ (13位)
    「レース序盤のウェットコンディションでは、ヘビーウェット・タイヤで良い走行ができていた。けれど、今日はタイミングがうまく合わなかったために、戦略に運がなかった。(1ストップ作戦の)ピットストップに入ったときは、スタンダードウェット・タイヤに履き替えるには、4周から5周ほど早すぎたんだ。つまり、その後すぐに再びピットストップをしなくてはならず、すべてを失ってしまった。レース終盤では、クルマが滑ってしまったために、それほど強いレースができなかった。今日は我々の日ではなかったよ。それでも、今日は難しいレースになるとは予想していたし、この後の数レースは、我々にとってもっと良いものとなるだろう。我々はもっと多くのポイントを獲得できるだろうし、今シーズンは今までのところは良いから、まだまだ前向きでいるよ。」

    新居章年 技術コーディネーション担当ディレクター
    「今日のコンディションではベストを尽くせたが、結果に繋がらず残念なレースだった。サーキット特性を考えて1ストップ作戦を選んだが、路面状況の変化と給油のタイミングが合わず、もう一度ピットインせざるを得なかった。レースを振り返ってみても、ペースも悪くなく、チームスタッフもそれぞれの役割をしっかり果たせた。これもレースと割り切り、気持ちを入れ替え、次戦、初めて開催されるシンガポールのレースに臨みたい。」

    山科忠  TMG会長 兼 チーム代表
    「全員がベストを尽くしたが、天候は我々を救ってはくれなかった。予選では良いポジションを取れ、我々は1ストップ戦略を選んだ。残念なことに、我々は完全に間違った方向を向いていた。なぜならば、2ストップのチームとより長い1ストップを選んだチームの方が、どちらも我々より良いピットストップだったからだ。我々は、ウィリアムズのニコ・ロズベルグのように、その真ん中に挟まれてしまった。それでも、第1スティントではエクストリーム・ウェット・タイヤで非常に速く、ドライバーは良い調子だったし、クルマのパフォーマンスも良かった。しかし、今日我々にこれ以上できることはなかった。トロ・ロッソには、F1初の勝利にお祝いを述べたい。今、我々は今年残りのレースについて、より良い成果を追求していきたい。」

  • トヨタ:困難なコンディションで2台揃ってQ3進出(イタリアGP予選)

    トヨタ:困難なコンディションで2台揃ってQ3進出(イタリアGP予選)

    トヨタは、F1イタリアGP予選で、ヤルノ・トゥルーリが7番手、ティモ・グロックが9番手だった。

    ヤルノ・トゥルーリ (7番手)
    「とても大変なセッションだったよ。クルマをドライブするのは厳しかったし、視界はすごく悪かった。第2セッションのある時点において、ストレート上でセバスチャン・ベッテルが、私の前で突然ペースダウンしたんだ。このようなコンディションで、アクシデントにならなかったのはラッキーだったよ。だから、あの瞬間は危険だったね。それでも、良い予選を行えたから、我々はハッピーだよ。明日の準備に向けて良い位置にいるし、レースでは我々のベストを尽くしていく。モンツァにはとても多くのモータースポーツファンがいるから、ここはいつも特別な雰囲気に包まれているんだ。私のホーム・サポーターの前で、良い結果を獲得するために、一生懸命頑張るよ。」

    ティモ・グロック (9番手)
    「今日は、第3セッションまでうまく進めたよ。午前中は良かったし、午後に行われた、第1セッションと第2セッションまでは引き続き良かったのだけれど、最後の10分は厳しいセッションだった。とても奇妙なのだけれど、クルマは前のセッションほどうまく機能しなかったんだ。思うに、タイヤの温度を保つのに手こずってしまい、クリーンラップが取れなかったんだ。だから残念だったけれど、それでも我々は明日に向けて良い状態にあるし、強い結果でレースを終えるために、ベストを尽くすよ。」

    パスカル・バセロン シャシー部門シニア・ゼネラル・マネジャー
    「我々の気象予報では、予選は完全にウェットコンディションになる可能性が非常に高いと予想しており、それは当たった。つまり、我々がこの可能性に対して完全に準備ができていたことを意味しており、全体的に見て、かなりうまく行った。両方のクルマをトップ10に入れるために、チーム全体が予選を通して何のミスもせずに、ファンタスティックな作業をおこなった。それを成し得たのは2つのチームだけなので、両ドライバーの素晴らしいパフォーマンスに加えて、我々にとってとても良い結果となった。第3セッションの最終的な順位は少々残念だが、今日のパフォーマンスに関してもっと知るためには、いつものように明日のピットストップの周回まで待たなくてはならない。ここのタイヤは、今日使用したフルウェットタイヤも含めて、すべてハード側なので、今日のコンディションに手こずることもなく、耐久性も良かった。今は、明日の取り組みに集中していく。気象予報では、明日の天候も引き続き不安定ということだし、波乱含みの一日になるのは確実だろうから、我々は様々な戦略を視野に入れていく。」

    新居章年 技術コーディネーション担当ディレクター
    「朝から雨の難しいコンディションだったが明日のレースに向けてヤルノ、ティモ、二人揃ってトップテングリッドを確保できた。 午前のプラクティス3は雨が激しく降り、十分なセットアップ確認が出来ないままの予選となったが、雨、路面の状況、タイヤの選択、タイミングとチームの全員が集中して予選を進めることができた結果であり、チーム力を感じることが出来た。もちろんヤルノ、ティモの頑張りは言うまでも無い。明日のレースも天候が安定しないといわれているが、是非2台揃ってポイントを獲得したい。」

  • トヨタ:路面コンディションに苦戦(イタリアGP初日)

    トヨタ:路面コンディションに苦戦(イタリアGP初日)

    トヨタは、F1イタリアGPの初日のフリー走行で、ティモ・グロックが18番手、ヤルノ・トゥルーリは19番手だった。

    ウェットコンディションで始まった公式練習1回目は、セッションが進むに連れて雨が激しさを増す中、ティモ・グロックが4番手、ヤルノ・トゥルーリが8番手のタイムを出した。

    午後には雨が止み、公式練習2回目が開始された。路面が徐々にドライコンディションへと変わっていく中、最終的にティモ・グロックが17番手、ヤルノ・トゥルーリが19番手でセッションを終えた。

    ティモ・グロック
    フリー走行1回目 4番手 1分36秒800
    フリー走行2回目 17番手 1分25秒397
    「今日は難しい一日だった。午前中のウェットコンディションの中では問題はなかったのだけど、ドライコンディションでは、タイヤを十分に使いきれなかったんだ。そのため、自信の持てる適切なセットアップの範囲からは、まったくかけ離れてしまっていた。コーナーからコーナーを走るたびに感覚が異なっており、どうなっているのか感じ取るのが容易ではなかった。先週のスパのコンディションはやりにくかったけど、ここも似たような感じだ。我々は、より寒いコンディションの中、特にハード・タイヤと低いダウンフォースに手こずっているから、今週も我々にとっては厳しい週末になりそうだよ。とは言え、ここのサーキットでは、ウェットコンディションでレースをしたことはないから、かなり興味深いレースになるかもしれないね。」

    ヤルノ・トゥルーリ
    フリー走行1回目 8番手 1分37秒214
    フリー走行2回目 19番手 1分25秒753
    「路面が変化し続けていたおかげで、あまり学ぶことができなかったから、良くない金曜日だったよ。概して、我々は競争力のあるクルマを持っているけれども、スパでは難しい週末になってしまったし、今回もまたハードなレースになりそうだ。寒いコンディションは、タイヤのウォーミングアップに問題を生じさせる。そして、今年は今までのところ、我々は低いダウンフォースよりも高いダウンフォースの方が、競争力のあるレースをしている。そのため、ここは我々にとってベストなサーキットとは言えないが、我々が獲得できるベストの結果を目指して、もちろんプッシュしていくつもりだ。確かに、ここはウェット・レースに向いている場所ではないけれど、言うまでもなく、我々はそれに対処していかなければならない。残りの2日で、向上することを願っているよ。」

    ディーター・ガス レース&テスト チーフエンジニア
    「今日は、我々にとって不運な一日だった。先週のスパで直面した問題の後に、我々は興味深いプログラムを持ってここに来た。しかしながら、天候のおかげで、プログラムに十分に取り組むことができなかった。サーキットがドライに変わるまでにかなりの時間を要したため、安定したコンディションで本当に走行できたのは、セッション終盤の3周だけだった。そのため、どんな結論を出すのも非常に難しい。完全にグリーンなサーキットでは普通のことだが、両ドライバーはグリップに手こずっていた。よりハードなタイヤ・コンパウンドは、特に我々にとって、助けにはならなかったが、それに対処していかなければならない。気象予報では、今週末はずっと雨ということだ。ここのサーキットでは、我々は午前中のウェットコンディションの方が良いパフォーマンスができていたので、競争力のあるパッケージをまとめあげるのに全力を注ぐつもりだ。」

    新居章年 技術コーディネーション担当ディレクター
    「思いもよらない大雨に見舞われたイタリアGPの初日だった。考えていたセットアップが試せず、いいセッションだったと言えないが、どうにか午後のプラクティス2の後半にドライタイヤのロングランをこなすことができ、2週間前のテスト時より低い気温、路面温度のデータを得ることが出来た。限られた今日の結果ではあるが、今までのデータとあわせ、雨の可能性が高いといわれる、予選、レースに向けてベストの準備を進めたい。」

  • トヨタ、2009年のF1空力デザインを語る

    トヨタ、2009年のF1空力デザインを語る

    トヨタF1チームのシャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャーであるパスカル・バセロンが、大きな変更となる2009年の空力レギュレーション、そして2009年のF1マシンのデザインについて語った。

    来年は空力のレギュレーションが変わりますが、その理由を説明してもらえますか?
    来年のレギュレーション変更には基本的に3つの狙いがある。一つ目はドライバーが追い越しをするチャンスを増やすこと、二つ目はクルマのパフォーマンスを制限し、速くなる一方のスピードを抑制すること、三つ目はウィングレットやターニングベインやチムニーなど小さな空力パーツを取り払い、クルマの見た目をすっきりとさせることだ。

    クルマの見た目はどのように変わるのでしょう?
    このレギュレーション変更の大きな要素の一つが、F1カーの見た目を変えて、もっとスッキリさせたいという点だ。現在のF1カーの外見は純粋に空力的な観点から決まっているわけではない。我々は“合法的な箱形の空間”の範囲内でクルマの制作を行っている。クルマの特定の部分においてのみ、ダウンフォースを発生する付加パーツが許されているんだ。その取り付け位置は、純粋な物理法則に従っているわけではない。空力効率だけを優先してレーシングカーを設計した場合、最終的にはウィングレットなどない、流線型になるわけだからね。来年のレギュレーションになれば、我々がそういったパーツを目にすることもなくなるだろう。

    新しい空力レギュレーションによって追い越しが容易になるというのはどうしてなのでしょう?
    新レギュレーションの目的は、前を走るクルマから生じる気流の乱れに対し、後ろのクルマが空力的な影響を受けにくくすることにある。速いスピードで走っているクルマのすぐ後ろでは空気の乱れが生じるからね。この課題に対し、オーバーテーキング・ワーキング・グループは二つの方向から対策を講じた。最初の目標は、前を走るF1カーから生じる乱流の悪影響を弱めること、二つ目は乱流に対し後ろのクルマの空力パフォーマンスが敏感に反応しないようにすることだ。

    F1にスリックタイヤが復活するのはなぜですか?
    スリックタイヤは、追い越しを促進することを狙いにした新レギュレーションのもう一つの側面と言える。このコンセプト全体の中で大きな割合を占めているのがスリックタイヤだ。追い越しを増やすには、クルマから生じる乱流が背後のクルマへ大きな悪影響をもたらしている現状を変えなければならない。ただし、後ろのクルマのパフォーマンス低下を防ぐには、空力パフォーマンスとメカニカルグリップのバランスも変える必要がある。新レギュレーションではメカニカルグリップを増やすことが重要な要素になっている。もちろん他車の乱流の中にあってもタイヤのグリップは変わらないし、また、スリックタイヤは溝つきタイヤよりもグリップが大きいため、追い越しを容易にするという目標に貢献してくれるというわけだ。

    調整可能なフロントウィングは何が狙いなのでしょう?
    これもまたクルマのパフォーマンスに対する乱流の影響を抑制するための変更の一つだ。後ろを走っているクルマの特徴の一つとして、フロントのダウンフォースを失い、そのせいでアンダーステアが生じる、という点が挙げられる。新レギュレーションはこの現象を抑制する方向で策定されているが、それでもまだ十分ではない。そこで別の可能性として考えられるのが、ドライバーがカーバランスを好きなように変えられるようにしたらどうか、ということだ。これを実現する一番簡単な方法は、運転中にフロントウィングを調整できるようにすることだ。これにより、(後ろのクルマが)アンダーステアになったらドライバーはフラップの角度を増やしてバランスを改善することができる。ここでの狙いは、やはり前のクルマに接近している際のパフォーマンスの低下に歯止めをかけ、それによって追い越しのチャンスを広げることにある。また、前にクルマがいない時でも、これを利用すれば特定のコーナーにおけるバランスの問題を補うことができるだろう。来年は間違いなくドライバーがもっと忙しくなるだろうね!。

    そういったレギュレーションの変更に対応するのはどれくらい大変なのでしょう?
    もちろんこれは一つの挑戦になる。非常に大きなレギュレーションの変更になるわけだからね。だがこれは本当に興味深くてエキサイティングな挑戦と言えるだろう。我々のチームの状況を考えれば尚更だ。F1の世界での我々はまだ若いチームだし、我々はこれまで現在のレギュレーションへの対応に関してより多くの経験を持つ他チームに追いつくべくがんばってきた。だがこの新レギュレーションにより、全員が経験値という意味ではゼロにリセットされることになる。どのチームも最初から始めることになるからね。我々はチームスタッフの面々の自由な想像力に任せている。何も縛りを設けずにね。その結果は大いに期待に応えるものになっている。これは取り組むのが楽しい挑戦と言えるね。

    ここまでの進捗には満足していますか?
    そうだね。既に幾つかはいい方向に進んでいると信じているが、ただし、当然ながら自分達にどのくらいの競争力があるのかは最初のレースまで分からない。この新レギュレーションの場合は尚更だ。ここまでの所は面白い体験だった。このような新しいコンセプトに取り組む場合、必然的に初期段階のステップは非常に大きなものになる。そのため、仕事に出掛ける度に、その日の終わりになると何か重大な発見をすることになるんだ。これはとてもやりがいを感じられることだ。

    他チームがどんなソリューションを採用してくるのかについて、いつもの年よりも色々と憶測が働くものでしょうか?
    どのチームも参考になるものがない状況で開発を進めているだけに、果たして新車がどんな外見になるのか、みんな本当に楽しみにしている。レギュレーション自体は今までよりも縛りがキツくなるとは言え、これまでのシーズンで目にしたよりも更に大きな違いがチーム間で生じることになるだろうね。規定の範囲内で、各チーム毎に様々な異なるソリューションを目にすることができるだろう。

    空力について今年学んだことは2009年のクルマにも応用できますか?
    一般的なF1カーの空力について我々が理解を深めたうちの一部分なら応用できるだろう。だが、TF108に固有の課題の対応策については無理だ。そのくらい単純な話だね。レギュレーションが大きく異なるため、例えばターニングベインからどうやって最高のパフォーマンスを引き出したらいいのか、といった知識は、2009年のクルマには特に関係なくなるだろう。

  • ティモ・グロックがベルギーGPを振り返る

    ティモ・グロックがベルギーGPを振り返る

    ティモ・グロックがベルギーGPを振り返った。グロックは、ベルギーGPを8位で終えたが、レース後、黄旗中にマーク・ウェバーを追い越したとして25秒加算ペナルティを受け、9位に降格となった。

    まず、8位から9位に降格となった25秒のペナルティについてどう思いますか?
    順位を一つ失ったと言われた時は本当にがっかりしたよ。最後の2周は順位を上げるためにとても激しく戦っただけにね。この週末全体の状況とレース序盤の流れを考えると、1ポイント獲得はいい結果と言えるはずだった。だからペナルティを受けたと聞いた時はハッピーな気持ちじゃなかった。

    黄旗区間で追い越しをしたとしてペナルティを受けたわけですが、これは公正なものでしたか?
    自分は何も間違ったことはしていないと心の底から確信している。なぜならマーク・ウェバーは溝つき(のドライ)タイヤを履いていて、私とは異なるペースで走っていたからね。スタンダードウェットを履いていた私の方が相当に速かったし、それに彼はバスストップでかなり早めにブレーキングしなければならなかったんだ。彼を追い越したのは緑旗の後だったと信じている。だがスチュワードは彼らなりの決定を下したわけで、我々はとにかくそれを受け入れるしかない。

    その前の段階までのあなたの週末はどんな感じでしたか?
    週末を通じてずっとセットアップに苦しんでいて、タイヤの熱入れにも幾つか問題を抱えていた。ブリヂストンの一番硬いコンパウンドのタイヤだったので、路面温度の低さが我々にはちょっと問題になっていたんだ。そのため望んでいた程のペースで走れなかったのは明らかだった。週末の前から、今回は我々にとって厳しいレースになると分かっていた。

    雨が降ってきたあの最後の数ラップについて話してください。
    レースではペースがなかなか上がらず苦しんでいて、そのため私はポイント圏外にいた。だが雲が近づいて来るのが目に入ったので、雨が降るのかどうかチームに聞いたんだ。チームから最後の2潤オ3周で雨が予想される、と言われた。もしスパでウェットになればドライタイヤのままコース上にとどまるのは本当に難しくなる、と私には分かっていた。そして雨が降り始めると正にそういった状況になり、そこで実は一度ミスをして滑ってコースアウトもしてしまった。その時にウェバーが追い抜いていった。我々に失うものは何もなかったので、スタンダードウェットタイヤに交換することに決めた。スタンダードウェットとドライタイヤを比較すると、そのスピードさは圧倒的だったから、これは適確な判断だったね。最後の周回を始めた時点で私はウェバーの13秒後方だったけど、バスストップで簡単に彼をかわすことができた。

    ウェットでのドライビングは楽しいですか?
    ウェットコンディションはかなり好きだね。レースが完全なウェットになっていた方が私には都合が良かった。土曜日午前中の最後のフリー走行のウェットコンディションではかなり調子が良かったし、力強い走りができそうな様子だったからね。

    最近の自分のパフォーマンスには満足していますか?
    シーズン前、私は“シーズン後半にヤルノと同じようなレベルになっていたい”と言ったが、私はそれを既に達成できたと思う。今回の予選ではやや自分のクルマに手こずり、最後のアタックでは彼が前になったけど、ただしその差はわずか0.046秒だった。予選全体の走りについて言えば、時には私の方が速く、また別の時には彼の方が速い、といった感じだね。だから我々は同じレベルにあると思う。一年を通じた足取りを見てみれば、私が着実に進歩していることが分かるだろうし、私自身、こうした状況の成り行きをかなり嬉しく思っている。スパでのペナルティを勘案しなければ、この3戦は連続してポイントを獲得しているから、かなりポジティブな状況と言えるね。開発は全てが正しい方向へ進んでいるし、クルマは全体的に感触も良い。レースに出場したらすぐに優勝を重ねられるわけじゃないことは自分にも明らかだったが、それでもF1で初めてフル参戦した年に表彰台を獲得できたんだから、素晴らしいスタートだと言えるね。

    イタリアGPに向けて、展望はいかがですか?
    ポイントを獲得するにはかなりのプッシュが必要だ。コンストラクターズ選手権4位争いのために、我々には1ポイントでも重要になるからね。今回はまたブリヂストンタイヤのハードコンパウンドを使うことになるため、タイヤの熱入れはちょっと厄介かもしれない。ただしベルギーと比べれば天候はかなりいいはずだから、その点は助けになってくれるだろう。我々のモンツァテストは上々だったし、モンツァ用空力パッケージに関しても良いテストができた。ただしテストでは実際の(レース当日の)状況が全く分からないからね。どうなるのかはとにかく待ってみるしかないが、ただし、我々には間違いなく更にポイントを獲得できるポテンシャルがある。

  • ティモ・グロック(イタリアGPプレビュー)

    ティモ・グロック(イタリアGPプレビュー)

    ティモ・グロックがイタリアGPへ向け、モンツァ仕様のTF108へ自身をみせた。

    ティモ・グロック (トヨタF1チーム)
    モンツァでは、昨シーズンのGP2で2度表彰台にあがり、スプリント・レースでも勝利した良い記憶があるよ。けれど、手首を痛めた2006年のモンツァのことは忘れたいね。今年は、もっと楽しい思い出を残せることをもちろん望んでいるよ。

    極めて速いコースだし、レーシング・ドライバーとしては速く走ることが好きだから、モンツァでレースすることをとても楽しんでいるよ。数週間前のテストの間に、“TF108“でモンツァをドライブしたのは良い経験になった。このレースのために、我々は完全に異なるパッケージを用意しており、金曜日に良いスタートを切るための非常に役立つ多くの情報を持っているからね。目標はポイントを獲得することであり、チャレンジすることを楽しみにしている。

    開催日程:イタリアGP

  • ヤルノ・トゥルーリ(イタリアGPプレビュー)

    ヤルノ・トゥルーリ(イタリアGPプレビュー)

    ヤルノ・トゥルーリが、母国GPとなるイタリアGPへの意気込みを語った。

    ヤルノ・トゥルーリ (トヨタF1チーム)
    イタリアGPは僕のホーム・レースになるから、モンツァの観衆の前で再びレースをすることに、とても興奮しているよ。母国でのレースは、いつも特に楽しんでいる。だからと言って、いつも以上にモチベーションが与えられるわけじゃない。だって、今シーズンは、すでに今まで以上にやる気に満ちているからね!

    イタリアのファンのために喜ばしい結果を出したいけれど、全チームがモンツァ仕様のパッケージを用意しているし、レースがどのように展開していくか分からないから、週末まで待って様子を見ないとね。そうは言っても、今シーズンの我々は、異なるコースに合わせて良く適応できているし、チームがこのレースの準備のために一生懸命に作業をしてきたのを知っているから、再び強いレースができると信じている。ベルギーでは、あのようなファンタスティックなスタートを切れたのにポイントを獲得できなくて、とても悔しかったよ。素晴らしいチャンスがあったのに、またもスパではアンラッキーだったってことだね。

    開催日程:イタリアGP

  • ティモ・グロック、25秒加算ペナルティ(ベルギーGP)

    ティモ・グロック、25秒加算ペナルティ(ベルギーGP)

    ティモ・グロックに、25秒加算ペナルティが科せられた。

    ベルギーGPで8位入賞を果たしたティモ・グロックだが、キミ・ライコネンの事故によりイエローフラッグが出ていた際に、マーク・ウェバーを追い越したとして、スチュワードは、グロックのレースタイムに25秒加算ペナルティを科すことを決定した。

    このペナルティにより、ティモ・グロックはポイント圏外となり、マーク・ウェバーが8位に繰り上がった。

  • トヨタ:ティモ・グロックが8位入賞(ベルギーGP)

    トヨタ:ティモ・グロックが8位入賞(ベルギーGP)

    トヨタは、F1ベルギーGP決勝レースでティモ・グロックが8位、ヤルノ・トゥルーリは16位だった。

    ヤルノ・トゥルーリは、11番グリッドからのスタート直後に順位を5つ上げ6番手となった。しかしその後、後ろから追突され、クルマにダメージを負い、最終的に16位でレースを終えた。

    ティモ・グロックもスタート直後に順位を4つ上げ13番手から9番手となった。ワンストップ作戦を取ったことにより燃料を多く搭載したため、途中順位を落としたものの、ティモは最終的に8位でチェッカーを受けた。今までのところ、トヨタはコンストラクターズ選手権で4位を維持している。

    ※レース終了後、ティモ・グロックには25秒加算のペナルティが科せられ、最終的な順位は9位となった。今回のリリースはペナルティ発表の前に発行されたため、コメント・順位・ポイントに正式結果と相違があります。

    ティモ・グロック (8位)
    「とても際どいレースだったよ。けれど、今日はずっとポイントを獲得するのが難しそうだったから、それが達成できて嬉しいよ。チームの皆、特にスタート作業を行ってくれたスタッフに感謝を言わないといけない。なぜならば、彼らの作業は両方のクルマにとって素晴らしいものだったし、前の数レースでは完璧な仕事をしてくれたからね。第1コーナーで、セバスチャン・ブルデーがヤルノに追突するのを見たから、混乱が起きるかもしれないと思って、巻き込まれないようにしたんだ。そして、最初の何周かはタイヤに熱を入れることが全然できなかったんだ。とても手こずってしまい、順位をいくつか落してしまった。雨が降り出した時に、ピットストップを行ってスタンダード・ウェット・タイヤに履き替えることを決めた。そして、その判断が功を奏した。容易ではなかったけど、最終コーナーでマーク・ウェバーをパスして、ポイントを獲得することができたんだ。」

    ヤルノ・トゥルーリ (16位)
    「とてもアンラッキーだったよ。なぜならば、素晴らしいスタートが切れて、11位から6位まで順位をあげたのに、後ろからとてもひどい追突をされて、そのためにクルマがダメージを負ってしまったんだ。その後、ドライビングが困難になってしまった上に、このアクシデントが原因でギアボックスに問題が生じた。そのため、唯一の目標はレースを走り遂げることになった。今回もまた、ここでは運がなかった。競争力はあるのに、不運に見舞われることが、スパではよく起きるように思えるよ。強いレースができて、ポイントを獲得できることを願っていたんだけどね。競争力のある戦略を持っていたし、素晴らしいスタートが切れたから、それは可能なことだったのに、何とかすることができなくて残念だよ。」

    山科忠 TMG会長 兼 チーム代表
    「予選とレース序盤で起きたことを考えると、最終的にポイントを獲得できたのは、非常にハッピーだったと思わなくてはなるまい。両方のクルマが非常に優れたスタートを切ったのだが、残念ながら、ターン1でヤルノは追突され、彼のレースは台無しになってしまった。彼は、スタートでかなり順位を上げたし、我々は競争力のある戦略を持っていたから、このアクシデントがなければ良い結果を手に入れることが可能だっただろう。不運にも、彼のギアボックスとディフューザーはダメージを負い、そのためクルマはドライブするのが非常に困難になってしまった。レース終盤で雨が降り出した時、ティモのクルマをスタンダード・ウェット・タイヤに変えたのは良い戦略だった。そのおかげでポイントを獲得してレースを終えることができたからだ。1ポイントでも獲得できたのは、何も獲得できないより断然良いことだ。そして、この結果はファクトリーおよびコース上のチーム全員にとって、戦いを続けていく励みになった。チーム全員の事を非常に誇らしく思う。」

    新居章年 技術コーディネーション担当ディレクター
    (注:新居のコメントのみは、ペナルティ発表後のもの)
    「レース後の裁定でティモのポイント獲得はならなかったが、最後まで諦めないレースを続けた姿勢は今後に繋がるものと考える。ヤルノは抜群のスタートを決めたが、直後の1コーナーで追突された影響でその後ペースが上がらなくなってしまった。ティモは1ストップ作戦で粘り強くレースを進めたことと、チームのウェットタイヤへの変更判断が良かったことでコース上では8位でフィニッシュできた。しかしイエロー区間での追い越しがあったとレース後判断され、正式結果は9位となりポイント獲得はならなかった。気まぐれな天候に苦労し、一方最後はそれを味方につけることが出来たと喜んだのもつかの間だったが、より高い目標へ到達するための試練と思いたい。次のモンツァも高速コースだがしっかりいいレースをしたい。」