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  • マックス・フェルスタッペン レッドブルF1にADUO熱望「僕たちにも欲しい」

    マックス・フェルスタッペン レッドブルF1にADUO熱望「僕たちにも欲しい」

    レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは、2026年F1シーズン後半戦に向けてマシン性能の改善が最優先課題だと語るとともに、FIAが導入したADUO(Additional Dyno Usage Opportunity)の恩恵を受けたいとの本音を明かした。

    ベルギーGPとハンガリーGPで2戦連続表彰台を獲得して前半戦を締めくくったフェルスタッペンだが、RB22の競争力には依然として満足しておらず、夏休み明け以降の巻き返しに期待を寄せている。

    レッドブルF1の最優先課題は「安定したパフォーマンス」
    ハンガリーGP後の記者会見で、フェルスタッペンは後半戦に向けた開発方針について問われると、まずは純粋なパフォーマンス向上が必要だと強調した。

    「まずは全体的なパフォーマンスをもっと引き上げる必要がある。その上で、僕たちが抱えている問題を解決しなければならない」

    「週末を通してどんどんパフォーマンスを失っていくこともあるし、レースでもスタートからフィニッシュまで徐々に競争力が落ちてしまうことがある。それは本当に優先して解決しなければならない課題だ」

    フェルスタッペンは単純な速さだけではなく、セッションやレースを通じて安定したパフォーマンスを維持できないことが、現在のレッドブル最大の弱点だと説明した。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    フェルスタッペン「僕たちにもADUOが欲しい」
    一方で、話題がパワーユニットに及ぶと、フェルスタッペンは思わず笑みを浮かべながら現在のF1で注目を集めるADUOについて言及した。

    「パワーユニットについて言えば……僕たちにもADUOが欲しいね!」

    「何らかの形でそうなればいいと思う。でも、どうなるかは分からない。夏休み明けに状況をしっかり見ていくことになるだろう」

    ADUOは、FIAが2026年から導入した救済制度で、基準となるパワーユニットより性能が劣るメーカーに対し、追加のダイノ(ベンチ)使用時間など開発面での優遇措置を認める仕組みだ。

    現時点ではレッドブル・パワートレインズ・フォードは対象外とされており、フェルスタッペンの発言は冗談を交えつつも、ライバルメーカーとの差を意識した本音とも受け取れる。

    後半戦で真価が問われるレッドブル
    2026年シーズン前半、レッドブルはマシンの一発の速さを見せる場面はあったものの、週末を通じた安定性やロングランでの競争力に課題を抱え続けた。

    フェルスタッペンは、まず車体全体のパフォーマンスを底上げし、そのうえでマシンが徐々に競争力を失う現象を解決することが重要だと強調している。夏休み明けに投入される開発パッケージと、ライバル勢との開発競争が、レッドブルの後半戦を左右することになりそうだ。

  • アストンマーティンF1 新型ホンダPUを初走行 フィルミングデーでテスト

    アストンマーティンF1 新型ホンダPUを初走行 フィルミングデーでテスト

    アストンマーティンF1は、ハンガリーGP後にハンガロリンクで実施したフィルミングデーで、ホンダの新型パワーユニット(PU)を初めて実戦仕様のマシンに搭載して走行させた。夏休み明けのF1第12戦オランダGPでのレースデビューに向けた重要なマイルストーンとなる。

    今回のテストでは、ハンガリーGPで投入されたBスペック仕様のAMR26に新型ホンダPUを搭載。

    走行はアストンマーティンF1のサードドライバーを務めるジャック・クロフォードが担当し、すでに空力面で大きな前進を遂げたマシンと、新エンジンを組み合わせた初めての本格的な確認作業が行われた。

    新型ホンダPUをBスペックAMR26で初テスト
    ハンガリーGP終了後に実施されたフィルミングデーでは、アストンマーティンF1が新型ホンダPUを搭載したAMR26Bを走行させた。

    ハンガリーGPでは、16項目に及ぶ大規模アップデートを受けたBスペック仕様が初投入され、フェルナンド・アロンソは今季初のQ2進出を果たしたほか、ランス・ストロールも決勝で13位に入り、チームはシーズン序盤から大きな前進を示していた。

    今回の走行映像はSNSでも拡散され、ファンにとってはホンダの新型PUと改良型シャシーの組み合わせを初めて確認できる機会となった。


    折原慎太郎「新しいPUとシャシーの組み合わせを確認したい」
    ホンダF1のトラックサイドゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原慎太郎は、フィルミングデーを活用する目的について次のように説明した。

    「フィルミングデーを利用して、新しいシャシーに新しいパワーユニットを組み合わせて確認できる非常に良い機会です」

    「200kmという走行距離があるので、新しいエンジンがシャシーの中でどのように機能するのか確認するには良い機会になります」

    折原慎太郎は、ハンガリーGP後に新型AMR26Bによってアストンマーティンが「再び戦える位置」に戻ったとの認識を示したうえで、次のステップはホンダの新型PUにあるとの考えを明かしていた。

    「現在はシャシーがしっかり機能しています。ですから、今度は私たちのパワーユニットがマシン全体にさらなる上積みをもたらせるはずです」

    また、新型PUについても「小さな進歩ではなく、比較的大きな前進を目指している」と説明しており、今季後半戦の巻き返しに向けた重要なアップグレードになるとの期待を示している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    オランダGPで実戦投入へ
    新型ホンダPUは、夏休み明け最初のレースとなるF1第12戦オランダGPで実戦デビューする予定となっている。

    アストンマーティンはハンガリーGPで、約14kgの軽量化や空力性能向上を盛り込んだAMR26Bによって復調の兆しを見せた。今回のフィルミングデーは、その改良型シャシーと新型ホンダPUを初めて組み合わせる機会となり、実戦投入へ向けた最終確認の意味合いを持つ。

    また、エイドリアン・ニューウェイは、オランダGPでもさらなるシャシーアップデートを投入し、その後のイタリアGPとアゼルバイジャンGPでも追加開発を予定していることを明かしている。空力、シャシー、そして新型PUが揃うことで、アストンマーティンF1が中団上位争いへどこまで迫れるか注目される。

    なお、ハンガロリンクではアストンマーティンのフィルミングデーと並行して、アウディとアルピーヌがピレリタイヤテストを実施し、各チームが夏休み明け初戦に向けた準備を進めていた。

  • F1王者争いのアントネッリに法廷問題 元マネージャーが補償求め提訴

    F1王者争いのアントネッリに法廷問題 元マネージャーが補償求め提訴

    2026年F1世界選手権をリードするメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが、元マネージャーのジョバンニ・ミナルディ氏から数百万ユーロ規模の損害賠償を求める訴訟を起こされていたことが明らかになった。

    ミナルディ氏は、アントネッリの幼少期からF1デビュー前までキャリア形成を支えたにもかかわらず、契約に基づく補償が支払われなかったと主張しており、現在イタリア・ボローニャの裁判所で民事訴訟が進行している。

    アントネッリ育成を巡る契約トラブルが法廷へ
    この問題は約1年前から水面下で続いていた。

    ジョバンニ・ミナルディ氏は、名門ミナルディF1チーム創設者ジャンカルロ・ミナルディの息子で、アントネッリの初期キャリアをマネジメントしていた人物だ。

    アントネッリは2014年にミナルディ・マネジメントと契約。当時11歳だったアントネッリのためにフェラーリ・ジュニアプログラムのテスト参加を手配したが、当時のチーム代表マウリツィオ・アリバベーネから「まだ若すぎる」と判断され加入は実現しなかった。

    その後、2018年にメルセデスのジュニアプログラムへ加入。このタイミングでミナルディ氏との関係は終了し、以降はメルセデス代表のトト・ヴォルフがマネジメントを担うことになった。

    数百万ユーロ規模の補償請求
    報道によると、ミナルディ氏はハンガリーGPを前に、F1デビュー前の2025年以前にさかのぼる契約違反を理由として、未払い補償金と契約終了に伴う損害賠償を求める民事訴訟を正式に提起した。

    双方は和解交渉も行ってきたものの、提示された条件は折り合わず、現在も数百万ユーロ規模とされる請求額を巡って争いが続いている。

    アンドレア・キミ・アントネッリ

    代理人「長年の犠牲に見合う評価がなかった」
    イタリア通信社『Adnkronos』に対し、ミナルディ氏の代理人マッティア・グラッサーニ弁護士は次のように語った。

    「ジョバンニ・ミナルディは今回の件で非常に大きな苦痛を受けた。そして通常の司法手続きに訴える以外の選択肢は残されていなかった」

    「若いドライバーのために費やした長年の仕事、犠牲、投資は、はるかに大きな評価を受けるべきだった。通常の裁判こそ唯一の手段だった」

    さらに訴訟の経緯について次のように説明した。

    「この案件は約1年前から続く非常に複雑な事件で、すでに何度も審理が行われている。ジョバンニ・ミナルディとキミ・アントネッリ、そして未成年だった当時に契約へ関与した両親との間で締結されたマネジメント契約の違反が争点となっている」

    「ドライバーがメルセデスへ移籍した際、アントネッリ側は契約条件がもはや満たされていないと判断し、そこから紛争が始まった」

    「法廷外で解決する機会もあったが、提示された条件は元マネージャー側にとって受け入れられるものではなかった。妥協点は見いだせなかった」

    ヴォルフ代表やラグリュー氏が証言する可能性も
    今後の裁判では、当時アントネッリのマネジメントを引き継いだメルセデス代表トト・ヴォルフや、当時メルセデスの育成部門でドライバー発掘を担当し、現在はレッドブルへ移籍したグウェン・ラグリュー氏が証人として法廷に立つ可能性もある。

    今回の訴訟は、F1ランキング首位で夏休みに入ったアントネッリにとって、コース外で抱える大きな法的問題として注目を集めそうだ。

  • ステファノ・ドメニカリ F1中継データ軽視発言が波紋「ファンを侮辱している」

    ステファノ・ドメニカリ F1中継データ軽視発言が波紋「ファンを侮辱している」

    F1のステファノ・ドメニカリCEOが「誰もクルマをどう運転しているかには興味がない」と発言したことが波紋を広げている。近年のF1中継でバッテリー残量や速度、ブレーキ、スロットル開度などのデータ表示が省略されたことへの不満が高まる中、その発言に対してレッドブル・スーパーカーズのスコット・パイが「ファンを侮辱している」と痛烈に批判した。

    とりわけ2026年F1イギリスGPとベルギーGPでは、オーバーテイクを理解するうえで重要な車載データが表示されず、多くのファンが不満を表明していた。

    そうした状況で飛び出したドメニカリCEOの発言は、F1が目指す新規ファン獲得と、従来ファンが求める情報量とのギャップを改めて浮き彫りにしている。

    ドメニカリCEO「ファンは運転技術よりアクションを求めている」
    近年のF1中継では、シルバーストンやスパ・フランコルシャンで車載データ表示が大幅に削減されたことが議論となった。

    特に両サーキットはエネルギーマネジメントが重要なレイアウトであり、回生の機会が少ないためバッテリー不足に陥りやすい。ベルギーGPでは「スーパークリッピング」によってマシンがケメルストレート終盤でGT3マシン並みまで減速する場面も見られたが、その原因を示すデータは中継画面に表示されなかった。

    一方、エネルギー管理の影響が比較的小さいハンガリーGPでは、それらのグラフィック表示が復活した。

    こうした中、ドメニカリCEOはハンガリーGPで『スター・ウォーズ』の生みの親であるジョージ・ルーカス氏との会話を紹介し、次のように語った。

    「ハンガリーでジョージ・ルーカスと興味深い話をした。彼は新しいファンがF1をどう見ているかについて、とても興味深い考えを聞かせてくれた」

    「彼らはアクションがたくさんあることに魅了されている。スロットルの開度やブレーキ圧が何%だったか、どうやってオーバーテイクしたかには興味がない」

    フォーミュラ1

    スコット・パイ「ファンを侮辱している」
    この発言に強く反発したのが、レッドブル・スーパーカーズのドライバーであり、ポッドキャスト『Apex Hunters』でも知られるスコット・パイだった。

    パイは、技術データを求めるファンを軽視するような発言だとして厳しく批判した。

    「ステファノ・ドメニカリは、ファンを侮辱している。削除されたHALO上のグラフィックなんて誰も気にしていないと本当に思っているのか? 少なくとも僕は気にしている」

    「F1は、僕たちが『ストレートの途中で急に減速したのはバッテリー切れだ』と理解できないほど愚かだと思って、あの表示を消したんだろう」

    さらに、ドメニカリCEOがジョージ・ルーカス氏の意見を根拠に挙げたことにも皮肉を交えた。

    「ジョージ・ルーカスが何を知っているというんだ? 信じられない話だ。もちろん興味深い会話だったんだろう。でも彼が毎日普通のF1ファンと接しているわけじゃない。僕たちファンが何に興味を持っているかを本当に分かっているとは思えない」

    「スロットル開度や、オーバーテイクするために何が必要なのかに興味を持つファンを、まるで愚か者扱いするのは侮辱だ。ブレーキング中のオンボード映像にデータ表示を付けて見せてほしい。それだけでいい」

    新規ファン獲得とコアファンの期待の間で揺れるF1
    近年のF1は、エンターテインメント性を重視して新規ファン層の拡大を進めている。一方で、エネルギーマネジメントやブレーキング、バッテリー使用状況といった技術的要素もF1の魅力の一つであり、長年のファンからは中継での情報量維持を求める声が根強い。

    今回のドメニカリCEOの発言は、新しい観客を意識したF1の方向性を示した一方で、コアファンが重視する「技術を理解しながら観戦する楽しさ」との距離感を改めて浮き彫りにした。今後、中継演出がどのようなバランスを目指すのかにも注目が集まりそうだ。

  • アストンマーティン・ホンダF1 新PUで0.5秒短縮説 ザントフォールトで真価へ

    アストンマーティン・ホンダF1 新PUで0.5秒短縮説 ザントフォールトで真価へ

    アストンマーティン・ホンダF1は、夏休み明けのF1オランダGP(ザントフォールト)で投入予定の新型パワーユニット(PU)に大きな期待を寄せている。スペイン紙『Mundo Deportivo』は、複数の海外メディアの報道をもとに、新PUによって1周あたり約0.5秒のタイム短縮が期待されていると伝えた。

    ハンガリーGPではエイドリアン・ニューウェイが主導した「Bスペック」マシンが大きく進歩を示し、最後尾争いから中団グループで戦えるレベルまで改善した。

    フェルナンド・アロンソも次なる課題としてホンダ製PUの進化を挙げており、ザントフォールトで投入される新仕様が、チームの飛躍を左右する重要な要素となりそうだ。

    ホンダ新PUは「約0.5秒」の改善との見方
    アストンマーティンとホンダは今週水曜日、ザントフォールトでの実戦投入に先立ち、200kmまでに制限されたフィルミングデーで新PUを初めて実走テストする予定だ。タイヤはレギュレーションで定められたデモンストレーション用タイヤを使用する。

    ホンダF1のトラックサイド責任者である折原慎太郎は、ハンガリーGPの週末に「内部の多くの領域で大きな変更を施した」と説明しつつも、「F1に魔法は存在しない」と慎重な姿勢を崩さなかった。

    一部では「50馬力向上」との報道もあったが、折原はその数字を否定している。

    それでも海外では楽観的な見方が広がっている。『Auto Racer』は、新PUによって約35馬力向上し、ラップタイムでは約0.5秒短縮できる可能性があると報道。現在のホンダPUはライバル勢に約90馬力劣るとの見方も紹介している。

    また、BBCのF1記者アンドリュー・ベンソンも、サーキット特性によって変動はあるものの、平均して約0.5秒の改善が見込まれると報じた。

    ベンソンは「アストンマーティン内部では、現在のホンダPUはトップ勢に対して約1.5秒遅れていると評価されている」と説明。そのうえで、「今回のアップデートですべての差が埋まるわけではないが、その約3分の1を縮めることが期待されている」と伝えている。

    さらにアストンマーティンは、ハンガリーGPで投入した空力アップデートのデータ解析による最適化や、ザントフォールトで追加投入される開発パーツによる性能向上も見込んでおり、新PUとの相乗効果に期待を寄せている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソの将来にも影響する重要なアップデート
    ベンソンは、このホンダ製PUの進化がフェルナンド・アロンソの将来にも影響を与える可能性があると指摘している。

    アロンソはマクラーレン時代の2015年から2017年にホンダと苦しい時期を経験しており、今回のアップデートが本当に競争力向上につながるかを慎重に見極めたい考えだという。

    ベンソンは「アロンソは、ホンダが実際に進歩を示せる証拠を見たいと考えている。彼は今後の展開を見極めたうえで、自身の将来について本格的に判断することになるだろう」と伝えている。

    ハンガリーGPで車体性能の改善を証明したアストンマーティンにとって、ザントフォールトで投入されるホンダの新PUは、2026年シーズン後半戦の勢力図だけでなく、アロンソの将来を占う意味でも極めて重要なアップデートとなりそうだ。

  • ハースF1 富士TPCに7900人 坪井翔と福住仁嶺が2日間を完走

    ハースF1 富士TPCに7900人 坪井翔と福住仁嶺が2日間を完走

    7月29日(水)、静岡県の富士スピードウェイでTGRハースF1チームによるTPC(Testing of Previous Cars/旧型車テスト)が終了した。2日間にわたるテスト最終日は好天に恵まれ、坪井翔と福住仁嶺が2025年型マシン『VF-25』で精力的に周回を重ねた。

    初日は雨の影響で走行時間が制限されたものの、2日目は朝からドライコンディションとなり、気温・路面温度ともに高い厳しい環境のなかでプログラムを消化。

    2日間合計では100周を大きく超える周回を重ね、2025年マシンのデータ収集とドライバー評価を進めた。

    坪井翔が2日間最速タイムを記録
    午前のセッション3では、前半2時間を坪井、後半2時間を福住が担当。両者ともハードタイヤで走行を開始した後、新品ミディアムタイヤを装着してアタックランを実施した。

    坪井はセットアップ変更やスタート練習を挟みながら徐々にタイムを更新し、最終的に1分17秒914を記録。このタイムが2日間を通じた最速タイムとなった。

    一方、福住は最高速336.449km/hを記録しながら1分18秒442をマーク。セクター1では坪井のベストを上回る区間タイムを刻んだものの、高い路面温度の影響もあってセクター2、3でタイムを伸ばし切れず、コンマ5秒差となった。

    今回のベストタイムは昨年のTPCで記録された1分17秒470には届かなかったが、今年は真夏の高温コンディションでタイムが出にくい状況だったことが大きく影響した。坪井も「コンディションが整っていれば1分16秒台には十分入れた」と手応えを語っている。

    また、今回のテストではタイヤ温度の管理も大きな課題となった。アタックラップ後はピットでブロワーを使用してタイヤを冷却し、「プッシュラップ→インラップ→アウトラップ→プッシュラップ」というサイクルで走行を繰り返した。

    坪井は「リヤタイヤの温度管理が難しく、冷却しないと2周目はフロントとリヤのバランスがまったく合わずアタックできなかった」と振り返っている。

    午後はロングランでレースシミュレーション
    午後の最終セッション4は14時30分から17時まで実施され、午前とは異なりロングランを中心としたプログラムが組まれた。

    最初にステアリングを握った福住は、アタックランを終えた後に18周の連続走行を実施。1分24秒前後の安定したペースを維持し、レース距離を想定した走行データを収集した。

    その後、シート交換などを経て坪井が走行を担当。1分19秒133を記録した後、連続走行へ移行し、前半は1分23秒台、終盤は1分22秒台を中心に周回を重ねた。

    午後だけで2人は合計48周を走破し、2日間にわたるTPCの全プログラムを完了した。

    ハースF1チーム 富士スピードウェイ

    F1マシンで得た大きな収穫
    2日間のテストでは、スーパーGTとスーパーフォーミュラで活躍する坪井、そして今回がF1マシン初ドライブとなった福住が、ともに多くの経験を積んだ。

    福住は「1分18秒2くらいまでは見えていた。もう少しまとめられた部分はあったが、この暑いコンディションの中で攻め切れたので悔いはない」と振り返った。

    一方の坪井も、高温コンディションでもF1マシンのポテンシャルを十分に引き出せたことに手応えを示しており、日本を代表するトップドライバー2人にとって充実した2日間となった。

    なお、今回のTPCには2日間合計で7900人が来場。昨年から127.4%増となる観客が富士スピードウェイを訪れ、日本で近代F1マシンが走る貴重な機会を楽しんだ。ハースF1チームのTPCは、日本のモータースポーツファンの関心の高さを改めて示すイベントとなった。

  • レーシングブルズF1勢 マックス・フェルスタッペンの「間抜けども」発言に反論

    レーシングブルズF1勢 マックス・フェルスタッペンの「間抜けども」発言に反論

    マックス・フェルスタッペンがF1ハンガリーGPでレーシングブルズのリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドを「間抜けども」と無線で罵倒した一件について、両ドライバーが当時の状況を説明した。

    2人は、レース中にブルーフラッグ表示システムが正常に機能せず、通常とは異なる状況で周回遅れ対応を迫られていたことが混乱の原因だったと明かし、自分たちは可能な限り先頭争いの妨げにならないよう努めていたと強調した。

    ブルーフラッグ表示の不具合が混乱を招く
    ハンガリーGPでは、一時的なマーシャリングシステムのトラブルによって通常使用される電光式ブルーフラッグ表示が機能しなかった。そのため、ドライバーは手旗やミラー、ダッシュボードの情報、そしてチームからの無線に頼って状況を判断することになった。

    フェルスタッペンは、ルイス・ハミルトンから2位を守る攻防の最中、前方で争っていたローソンとリンドブラッドを周回遅れにするまで時間を要し、無線で「あの間抜けどもは何をやっているんだ」と怒りを爆発させていた。

    リンドブラッドは、システムの不具合がドライバー全体に混乱を招いていたと振り返る。

    「それほど難しい状況ではなかった。バーチャルミラーで前後のクルマやギャップは見えるし、実際のミラーもあるから少しは楽だった」

    「でも、追い抜いていく側のクルマにとっては残念な状況だったと思う。理想的ではなかったね」

    さらに、ブルーフラッグ表示そのものにも異常があったと説明した。

    「7周目だったと思うけど、チェコ(セルジオ・ペレス)に対するブルーフラッグが表示された。でも7周目で彼がそんなに後ろにいるはずはない。システムで何が起きていたのか分からなかった」

    「しかも番号が表示されず、ただブルーフラッグだけだった。それではあまり役に立たない。でもチームがサポートしてくれたし、ダッシュボードのデルタタイムも確認しながら、できるだけリーダーたちの邪魔にならないようにしていた」

    ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

    ローソン「邪魔にならないことだけ考えていた」
    一方のローソンも、レース終盤にはルイス・ハミルトンの直後を走行しているところへ、新しいタイヤを履いたフェルスタッペンが急接近する場面に遭遇した。

    フェルスタッペンはハミルトンとローソンを一気に抜き去る豪快なオーバーテイクを決めたが、ローソンは自身がその攻防に巻き込まれないことだけを考えていたという。

    「僕は邪魔にならず、できるだけその争いに巻き込まれないようにしていただけだった」

    「僕は周回遅れではなかったから道を譲る必要はなかった。でも、彼があそこで仕掛けてくるとは思わなかった」

    「もちろん遅い飛び込みは見えた。あの場面では彼らの後ろでかなりタイムを失ってしまって正直ストレスだった。でも、あれは素晴らしいオーバーテイクだった。本当にマックスらしい動きだった」

    「間抜けども」発言の背景が明らかに
    フェルスタッペンの「間抜けども」という無線は大きな話題となったが、ローソンとリンドブラッドの証言からは、ブルーフラッグ表示システムの不具合という特殊な事情があったことが分かる。

    両者ともリーダー争いを妨げないよう最大限配慮していたと説明しており、フェルスタッペンが後方から見ていた状況とは異なる事情が存在していたことが明らかになった。

    【関連】
    ・フェルスタッペン レーシンングブルズF1勢に激怒「間抜けどもはペナルティだ」

  • 角田裕毅 ダニエル・リカルドを絶賛「F1で最も価値ある教えをくれた」

    角田裕毅 ダニエル・リカルドを絶賛「F1で最も価値ある教えをくれた」

    角田裕毅は、これまでチームメイトとして戦ったドライバーの中で、ダニエル・リカルドから学んだ「プロフェッショナリズム」が自身にとって最も価値のある教訓だったと明かした。

    2026年ベルギーGP週末に行われた『F1 Nation』のライブポッドキャストで、角田裕毅はこれまでのF1キャリアを振り返り、ピエール・ガスリーやマックス・フェルスタッペンら世界トップクラスのドライバーとガレージを共有した経験がある中でも、リカルドの存在が特別だったと語っている。

    「最も価値があった」のはリカルドのプロ意識
    2021年にピエール・ガスリーのチームメイトとしてF1デビューを果たした角田裕毅は、その後2023年途中からレーシングブルズ(当時アルファタウリ)でダニエル・リカルドとコンビを組み、2025年にはレッドブルでマックス・フェルスタッペンともチームメイトになった。

    イベントで「歴代チームメイトから学んだ最も価値のあることは何か」と質問された角田裕毅は、次のように答えた。

    「いろいろなドライバーから多くを学びましたし、それぞれ違いました。自分自身もその時々で違う段階にいました。ピエールと組んでいた頃はルーキーだったので、本当にたくさん学びました」

    「でも、全員の中から一人を選ぶならダニエルです」

    角田裕毅が特に印象に残っているというのは、リカルドの一貫したプロフェッショナルな姿勢だった。

    「ダニエルがどんなコンディションでも、どんな状況でもチームに対して見せる振る舞いを思い返すたびに、『これほどプロフェッショナルな人は見たことがない』と思います」

    角田裕毅とダニエル・リカルド

    冷静さがエンジニアとの仕事を変える
    角田裕毅は、リカルドと自身を比較しながら、当時の課題についても率直に振り返った。

    「僕はむしろ正反対でした。悪いセッションになると、その感情をエンジニアリングルームまで引きずってしまい、エンジニアに良いフィードバックを返すことができませんでした」

    「でもダニエルは、どんな状況でも本当に落ち着いていて、いつもチームに前向きなエネルギーを与えていました」

    リカルドと過ごした約1シーズンを通じて、角田裕毅は感情をコントロールし、冷静にチームへ情報を伝えることの重要性を学んだという。この姿勢は、マシン開発やレース運営においてドライバーが果たすべき役割を理解する上でも大きな財産となった。

    現在も続く師弟のような関係
    角田裕毅はリカルドとコンビを組んでいた当時、オーストラリア人ドライバーを「メンター」と表現したこともあり、その敬意は現在も変わっていない。

    一方、8勝を挙げたリカルドはF1の現役を退き、現在はフォード・レーシングのブランドアンバサダーとして活動している。先日のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは角田裕毅と再会し、笑顔で交流する姿も見られた。

    世界王者フェルスタッペンやF1優勝経験者ガスリーからも多くを学んだ角田裕毅だが、自身の成長に最も大きな影響を与えた存在としてリカルドの名前を挙げたことは、両者が築いた信頼関係の深さを物語っている。

  • ランド・ノリス F1ハンガリーGP勝利の裏側「ステラ代表は金曜から勝利を確信」

    ランド・ノリス F1ハンガリーGP勝利の裏側「ステラ代表は金曜から勝利を確信」

    ランド・ノリスは、2026年F1第11戦ハンガリーGPで今季2勝目を挙げ、マクラーレンにとっても前半戦を締めくくる重要な勝利をもたらした。しかし本人は、金曜日の時点では優勝など到底考えられなかったと明かしている。

    一方で、マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は早い段階からチームの可能性を信じていたようだ。ノリスはレース後の記者会見で、ステラ代表が金曜日に「賭けをしよう」と持ちかけてきたエピソードを披露し、週末を通じてどのように自信を深めていったのかを語った。

    ステラ代表は金曜日から自信を持っていた
    ノリスは、初日の走行ではマシンの感触に大きな不満を抱いており、勝利を争えるとは考えていなかったという。

    「正直、勝てるなんて全く思っていなかった。特に最初のフリー走行の後はね」

    「アンドレアは実は僕と賭けをしたがっていたんだ。FP1ではペースにもマシンのフィーリングにもかなり落胆していたからね。FP2では少し改善したけど、それでもフェラーリは別次元に見えていた。予選であれだけ接近できるなんて、本当に予想していなかった」

    その流れを変えたのは、土曜日に吹いた風だったという。

    「でも金曜日から土曜日にかけて風向きが変わって、その風が僕たちのマシンにはすごく合っていた。急にクルマへの信頼が高まって、もっとプッシュできるようになった」

    「その時にはポールポジションを獲れると思ったし、レースにも勝てるという自信が生まれた」

    40周にわたってピアストリを抑え続けた
    決勝ではオスカー・ピアストリとの直接対決を制したことが、自身にとっても特別な意味を持つ結果だったと振り返る。

    「レースペースは予想していたよりずっと良かったし、タイヤのデグラデーションも想像より小さかった。でも個人的には、自分のベストレースのひとつだったと思う」

    「こういう抜くのが難しく、前のマシンに付いていくのも難しいサーキットで、オスカーについていけたんだ。40周くらいにわたって0.8秒以内を維持できた」

    その一方で、自身がチームメイトより速かった理由については、ノリス自身も明確な答えを持っていない。

    「それができたことで、何が起きても勝てるという自信になった。僕にはかなり大きなアドバンテージがあった。でも、その理由は分からない。クルマは同じだからね。ただ最近は本当に調子がいいと感じている」

    マクラーレン

    答えは『ハードワーク』
    ノリスは現在の好調ぶりについて、才能ではなく積み重ねてきた努力の成果だと強調した。

    「昨年から本当にたくさんのことに取り組んできた。パフォーマンスを最大限引き出すことへの自信も大きくなったし、エンジニアと一緒にこのクルマを理解するために努力してきた」

    「このマシンは決して簡単なクルマじゃない。常に限界で走る方法を見つけるのは難しいんだ」

    「どうして速くなれたのかって? 答えはシンプルだよ。ハードワークさ。エンジニアたちも懸命に働いてくれたし、僕自身も自分とドライビングスタイルを改善するために努力してきた。それが答えだ」

    金曜日には優勝を諦めかけていたノリスだったが、マシン特性とコンディションが噛み合ったことで状況は一変した。そして、そのチャンスを確実に結果へ結び付けた背景には、本人とチームが積み重ねてきた地道な努力があった。

  • F1ハンガリーGPの青旗混乱をクルサードが批判「まるで幼稚園の初日だった」

    F1ハンガリーGPの青旗混乱をクルサードが批判「まるで幼稚園の初日だった」

    2026年F1ハンガリーGPで発生したブルーフラッグ(青旗)システムのトラブルについて、元F1ドライバーのデビッド・クルサードが、周回遅れの対応をしたドライバーやチームを厳しく批判した。

    レース中はFIAの自動ブルーフラッグ通知システムが一時的に停止し、マーシャルによる手動での青旗提示に切り替えられた。その影響で首位争いを繰り広げるドライバーたちは何度も周回遅れに行く手を阻まれた。

    クルサードは、たとえシステムに問題があったとしても、ドライバーやチームには十分に対応できる状況だったと指摘している。

    システム障害は「言い訳にならない」
    ハンガリーGPではブルーフラッグ通知システムの不具合により、多くの周回遅れマシンがトップグループの接近に気付くのが遅れた。

    その影響はレース展開にも及び、首位争いを演じていたオスカー・ピアストリはカルロス・サインツJr.との接触でタイムを失ったほか、マックス・フェルスタッペンもレーシングブルズ勢の対応に激怒し、無線で「間抜けども(morons)」と怒りをあらわにしていた。

    しかし、クルサードは『Up to Speed』ポッドキャストで、システム障害だけを理由にすることはできないと語った。

    「まるで学校の初日だった。いや、幼稚園の初日と言った方がいいくらい、ドライバーたちのブルーフラッグへの反応はひどかった」

    「ライブタイミングに問題があったと言う人もいるだろう。でも、自分の周囲の状況を把握する意識というものがあるし、エンジニアがピットウォール越しに状況を確認することだってできる」

    デビッド・クルサード

    「ピットウォールを見れば分かる」
    クルサードは、現代のF1ではデータへの依存が強まっているものの、エンジニア自身がコースを見れば十分に対応できたはずだと主張した。

    「中継でも話したが、今では多くのチームが、いわゆる『バカ席(prat perch)』と呼ばれるエンジニアリングウォールから実際にコースを見ることが少なくなっている」

    「トト(・ヴォルフ)の場合はガレージの中に座っているが、昔はエンジニアもチーム代表もピットウォール越しにコースを見て、周囲の状況を把握していた」

    「予選でピットアウトしたマシンとのタイミングまでは読めない。しかし決勝では各車が一定のペースで周回している。だから誰が近づいているかは普通に分かる」

    「いや、“普通に”ではない。絶対に分かる。今回の対応はまったく十分ではなかった」

    データ依存への警鐘
    今回のブルーフラッグ混乱では、FIAの自動通知システムの一時的な停止が発端となった一方で、チーム側の情報共有やドライバー自身の状況認識にも課題が浮き彫りとなった。

    クルサードは今回の騒動を、単なるシステムトラブルではなく、データや自動通知への依存が進む現代F1への警鐘と位置づけた。テクノロジーが進化した時代だからこそ、ドライバーとチームにはコース上の状況を自ら把握し、適切に判断する基本的なレースマネジメントが欠かせないと強調し、ハンガリーGPでの対応は「まったく十分ではなかった」と厳しく締めくくった。