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  • フラビオ・ブリアトーレ メルセデスF1エンジンを絶賛「チーム全体の雰囲気が一変」

    フラビオ・ブリアトーレ メルセデスF1エンジンを絶賛「チーム全体の雰囲気が一変」

    アルピーヌF1のエグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレは、2026年からメルセデス製パワーユニット(PU)へ切り替えたことで、チーム全体の雰囲気が「完全に変わった」と語った。

    2025年までワークス体制だったルノーPUでは性能不足に苦しみ、チーム内でも将来への不安が広がっていたという。

    しかし、メルセデスPUの採用によって開発の方向性が明確になり、スタッフの意識にも大きな変化が生まれたと明かしている。

    メルセデスPUでチームの雰囲気が一変
    2025年のアルピーヌは、ピエール・ガスリーが22ポイントを獲得した一方、フランコ・コラピントは無得点に終わり、コンストラクターズランキング最下位に沈んだ。

    当時はルノー製PUがライバルより約20馬力劣るとされ、マシン全体の競争力を大きく制限していた。

    しかし2026年はメルセデスPUへ切り替えたことで状況は一変。アルピーヌはコンストラクターズランキング5位につけ、表彰台も獲得するなど復調を見せている。

    ブリアトーレは『The Race』のインタビューで、現在のチーム状況について次のように語った。

    「満足しているかと聞かれれば、もちろん完全に満足することはない。トト(ヴォルフ)だって、常にもっと良く、もっと良くと求め続けている」

    現在のアルピーヌを10点満点で評価すると「6.5点」とした上で、その理由を説明した。

    「前に進めば進むほど難しくなる。でも、メルセデスとは素晴らしい関係を築いている」

    「今はメルセデスのパワーユニットを使っていて、それがチーム全体の雰囲気を完全に変えた。少なくともチームの一部分については、最高のものを手にしていると分かっている。ギアボックスもメルセデス製だ」

    「だから今、我々のスタッフはノーズからドライバーまで、つまりシャシー側の改善に集中できている。後ろ側についてはメルセデスのエンジンとギアボックスがあるので心配していない」

    アルピーヌF1チーム

    「ルノーへの信頼を失っていた」
    ブリアトーレは、ルノー時代の組織運営にも厳しい評価を下した。

    「工場では多くの優秀な人材を失った。ある時期には、チームとして進むべき明確な方向性がなかったからだ」

    さらに、その背景についても率直に語っている。

    「強いマネジメントが存在せず、人々はルノーに対する信頼を失っていた。ルノーという会社は本当に特殊なんだ。何をやっても『ルノーはF1に本気ではない』と報じられてしまう」

    ブリアトーレは、2005年と2006年にフェルナンド・アロンソとともにワールドチャンピオンを獲得した当時を振り返り、ルノーが成功を収めても周囲の見方は変わらなかったと明かした。

    「フェルナンドとタイトルを獲った後、カルロス・ゴーンと一緒に記者会見を開いたことがあった。その時、ある記者は『チームの財政状況について教えてほしい』と質問してきた」

    「我々はワールドチャンピオンだった。それなのに、記者たちはルノーに疑念を抱かせるような話ばかり探していたんだ」

    メルセデスPUへの変更は単なるパフォーマンス向上だけではなく、組織全体の士気や開発体制にも大きな好影響をもたらしたようだ。現在のアルピーヌは、信頼できるパワーユニットを得たことで、シャシー開発へリソースを集中できる環境を手にしており、さらなる上位進出を目指している。

  • ステファノ・ドメニカリ F1最終戦中止なら欧州開催を明言「代替案はある」

    ステファノ・ドメニカリ F1最終戦中止なら欧州開催を明言「代替案はある」

    2026年F1カレンダーは、中東情勢の影響によって依然として不透明な状況が続いている。F1のCEO兼社長を務めるステファノ・ドメニカリは、カタールGPとアブダビGPの開催可否について9月中旬までに最終判断を下す考えを明らかにした。

    また、仮に両レースの開催が不可能となった場合でも、シーズン最終戦をラスベガスGPで終える考えはなく、「ヨーロッパでシーズンを締めくくる」と明言した。

    さらに2027年についても、中東情勢の長期化を見据えた代替計画をすでに準備していることを認めている。

    F1は9月中旬までに最終判断へ
    2026年シーズンは、中東地域の紛争によって大きな影響を受けている。

    4月にはバーレーンGPとサウジアラビアGPが中止となり、MotoGPやWEC(世界耐久選手権)も相次いで開催計画を変更。F1ではアゼルバイジャンGPは予定どおり開催される見込みだが、終盤に予定されるカタールGPとアブダビGPの開催には依然として不確実性が残っている。

    ドメニカリは現状について次のように説明した。

    「現時点ではカタールとアブダビでのレースは開催予定だ。ちなみに両大会ともすでに完売している。これは、世界が直面している問題を超えて、このスポーツがいかに大きな存在になったかを示す素晴らしい証拠だ」

    「もちろん、私たちが望むような形で状況が改善しなければ、9月中旬までには判断を下す」

    「もし開催できない場合、シーズンの締めくくりはヨーロッパになる。他地域へ移すことはできないからだ」

    F1 中東ラウンド

    ラスベガス2連戦案は却下
    バーレーンGPについては10月4日に復活開催し、アゼルバイジャンGP、シンガポールGPとの3連戦を構成する案も検討された。しかし実現には至らず、代わりにマレーシア・セパンで『バーレーンGP in マレーシア』として開催されることが決定している。

    この結果、仮にカタールGPとアブダビGPが中止となっても、2026年シーズンは最低21戦が確保される見込みだ。

    一方でF1は、11月21日のラスベガスGPを最終戦とすることは避けたい考えだという。

    一時はラスベガスで2週連続開催する案も浮上したが、ドメニカリは否定した。

    「ラスベガスで2レース開催する可能性もあった。しかし、成長を続けている宝石のようなイベントの価値を、自分たちで下げるようなことはしたくない」

    「さらに、その時期のアメリカではNFLと真っ向から競合することになる」

    「アメリカでは非常に大きなスポーツであり、多くのファンがNFLを見ている。そのような巨大なイベントと正面からぶつかる状況は避けなければならない」

    2027年も代替カレンダーを準備
    ドメニカリは、2027年シーズンについても中東情勢が引き続き影響を及ぼす可能性を認めた。

    秋に発表予定の2027年カレンダーは通常どおりの開催計画になる見通しだが、情勢悪化に備えて複数の代替案を準備しているという。

    「今秋に発表するカレンダーは、基本的には通常のプランになる」

    「ただし、中東情勢が解決しない場合に備えて、私たちは複数の選択肢を用意している」

    「その判断を下すタイミングは、今年末になる予定だ」

    今回の発言は、F1が2026年だけでなく2027年以降についても、中東情勢を踏まえた柔軟な開催計画を進めていることを示すものだ。今後は9月中旬の判断と、秋に公表される2027年カレンダーの内容が注目される。

  • F1スペインGP初開催のマドリンク ピレリがタイヤ選択を決定

    F1スペインGP初開催のマドリンク ピレリがタイヤ選択を決定

    F1は9月中旬、スペインの首都マドリードに新設された「マドリンク」で初のグランプリを開催する。スペインGPの新たな舞台となる市街地コースを前に、ピレリはC2、C3、C4の3種類を投入することを決定した。

    過去の走行データが存在しない新設サーキットだけに、タイヤの挙動やデグラデーションには多くの不確定要素が残る。ピレリは安全性と戦略の幅を確保するため、中間レンジのコンパウンドを選択した。

    初開催のマドリンクでタイヤ挙動は未知数
    マドリンクは、市街地道路とグランプリ開催のために新設された専用区間を組み合わせたコースで、マドリード市内を縫うようにレイアウトされている。

    F1カレンダーへの追加が正式発表されたのは約2年半前だが、実際のF1マシンによる走行実績はなく、ピレリにはタイヤ選択の基準となる過去のレースデータが存在しない。

    そのため、ピレリは最も硬い側から2番目のC2をハード、C3をミディアム、C4をソフトとして指定。極端に軟らかいコンパウンドを避けながら、各チームが複数の戦略を選択できる構成とした。

    マドリンクは低速のタイトコーナーと強いブレーキングを伴う区間が組み合わされており、タイヤには大きな熱負荷がかかると予想されている。

    さらに、新しく舗装された市街地コース特有の粗い路面によって、タイヤの摩耗やデグラデーションが高まる可能性もある。

    シルバーストンやスパに近いタイヤ負荷
    ピレリは事前シミュレーションの結果、マドリンクでタイヤにかかる負荷はシルバーストンやスパ・フランコルシャンに近い水準になるとの見解を示した。

    「マドリンクを分析した結果、タイヤにかかる負荷はシルバーストンやスパ・フランコルシャンで見られるものと同程度だと考えている」

    「コース特性を踏まえ、中間レンジのコンパウンドを選択した。これにより2ストップ戦略を促すとともに、高温条件で過度なオーバーヒートが発生するリスクに対する余裕を持たせることが狙いだ。最も軟らかいコンパウンドは、そのような状況では影響を受けやすい」

    ピレリは、決勝で1ストップ戦略に収束することを避け、タイヤ交換を含めた戦略的なレースを実現したい考えだ。

    一方で、新舗装の路面はグランプリ週末を通じて急速に変化する可能性がある。走行初日はグリップが低くても、F1やサポートレースのマシンが走行を重ねることで路面にラバーが乗り、タイヤの摩耗やラップタイムが大きく変化することも考えられる。

    ザントフォールトとモンツァの選択も発表
    ピレリは、マドリードでのスペインGPに先立って開催されるオランダGPとイタリアGPのタイヤ選択も明らかにした。

    ザントフォールトではマドリンクと同じC2、C3、C4を使用する。一方、高速コースのモンツァには最も軟らかい組み合わせとなるC3、C4、C5が持ち込まれる。

    初開催となるマドリンクでは、実際の路面状況や気温、タイヤのオーバーヒートがレース展開を左右する重要な要素となる。各チームが限られた走行時間の中でどこまで正確にタイヤを理解できるかが、スペインGPの勝敗を分けることになりそうだ。

  • F1ドイツGP復活へ前進 ホッケンハイムと長期開催に向け初期協議

    F1ドイツGP復活へ前進 ホッケンハイムと長期開催に向け初期協議

    F1のステファノ・ドメニカリCEOは、ドイツGPの復活に向けてホッケンハイム側と初期協議を行ったことを明らかにした。長年カレンダーから姿を消しているドイツにとって、開催復活への扉が再び開かれた格好だ。

    ホッケンハイムリンクでは大規模な再開発計画が進められており、F1側は短期的な単発開催ではなく、必要な投資を伴う長期的な協力関係を視野に入れている。ただし、サーキット側は現時点で具体的な合意には至っていないと慎重な姿勢を示している。

    ドイツGP復活に向けホッケンハイムと初期協議
    ドイツはF1において豊かな歴史を持つ国だが、自動車に対する政治的な反発や開催権料の上昇、公的資金による支援の欠如などによって、グランプリ開催を商業的に成立させることが難しくなっていた。

    ドイツで最後にF1が開催されたのは、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年シーズンに代替戦としてニュルブルクリンクで行われたアイフェルGPだった。ドイツGPとしての最後の開催は、2019年のホッケンハイムまでさかのぼる。

    しかし、ドメニカリは欧州市場の重要性が再び高まっていることから、ドイツがF1の開催候補として再浮上していると説明した。

    「欧州も成長を続けていることが分かっている。再び重要な市場になりつつあり、数字も良好だ」

    「ホッケンハイム側から我々に連絡があり、初期的な話し合いが行われた」

    ホッケンハイムリンクでは現在、サーキット施設の近代化が進められている。ただし、F1を開催するためには、さらなる資金投入が必要になるとドメニカリは強調した。

    「彼らは現在、サーキットの近代化を進めている。しかし、F1イベントの開催について話すのであれば、投資が必要だ」

    「我々のプラットフォームには一定水準の投資が求められる」

    250億円規模を超える再開発計画
    ホッケンハイムでは、ホテルや自動車文化をテーマとした複合施設「モーターワールド」のビジターセンター建設を含む、総額2億5000万ユーロ規模の大規模な再開発計画が進められている。

    ドメニカリは、仮にドイツGPが復活する場合、一時的な開催ではなく複数年にわたる契約が前提になるとの考えを示した。

    「我々は短期的なことだけを考えているわけではない。より長期的な協力関係について考えている」

    一方、ホッケンハイムリンクのマネージングディレクターを務めるヨルン・テスケは、契約が間近に迫っているとの見方を否定した。

    「我々はF1と定期的に連絡を取っている」

    「開催に必要な枠組みがどのようなもので、どのような機会とリスクがあるのか、包括的に把握したいと考えている。関心はあるが、現時点で報告できる結果はない」

    「グランプリ開催に向けた具体的な見通しが立った場合には、喜んで最新情報をお伝えする」

    ホッケンハイム側は採算性を重視
    テスケはドイツの放送局RTLに対しても、F1とホッケンハイムの双方が復活に関心を持っていること自体は、以前から明確になっていると語った。

    「双方がそれを望んでいることは、これまで十分に伝えられてきた」

    「これまでと同様に、我々は経済的に成立する解決策に関心を持っている」

    ドイツ国内では、モータースポーツ復活に向けた動きも見られる。メルセデスに加えてアウディがF1に参戦しており、FIAは2027年からドイツのF4選手権を復活させることも発表している。

    ドイツのF1放映権も競争激化へ
    ドイツにおけるF1のテレビ放映を巡っても変化が起きようとしている。Skyが保有する現在の独占放映契約は2027年末で満了する予定であり、次回の入札には複数の放送局が関心を示しているという。

    「初めて、入札への参加に関心を持つ放送局が複数存在することになる」

    ドメニカリはまた、ドイツ国内でF1への関心をさらに高めるため、無料放送による一定の露出を維持したいとの意向も示した。

    「もちろん、F1にさらに多くの注目を集めるにはどうすればいいか、放送局側と話し合っている。このテーマも協議事項に含まれている」

    ホッケンハイム側とF1の協議はまだ初期段階にあり、開催権料や施設投資、採算性といった課題も残されている。それでも、欧州市場の成長やアウディのF1参戦を背景に、ドイツGP復活の可能性は近年になく現実味を帯び始めている。

  • メルセデスF1代表 アントネッリ成長で「フェルスタッペン獲得はもう急務ではない」

    メルセデスF1代表 アントネッリ成長で「フェルスタッペン獲得はもう急務ではない」

    トト・ヴォルフは、アンドレア・キミ・アントネッリの急成長によって、メルセデスF1が2027年にマックス・フェルスタッペンを獲得する必要性は以前ほど高くなくなったとの見解を示した。

    ヴォルフは、将来的にフェルスタッペンとアントネッリをコンビにする可能性を完全には否定していないものの、現時点では若きイタリア人ドライバーの成長がチームの長期計画において大きな意味を持っていると強調している。

    フェルスタッペン獲得は「もはや急務ではない」
    ベルギー紙『La Derniere Heure』の取材に応じたトト・ヴォルフは、F1界の基準であり続けるフェルスタッペンを高く評価しながらも、メルセデスの状況は以前とは変わったと語った。

    「常に最高のドライバーをマシンに乗せようとするものだ」

    「マックスは今でもドライバーの基準となる存在だ。しかし、彼ほどのドライバーを獲得しなければならないという切迫感は、もはや以前ほどではないかもしれない」

    ヴォルフは、その理由としてアントネッリの台頭を挙げるとともに、チームは短期的ではなく長期的な視点で将来を見据えていると説明した。

    「我々は3年後、5年後、あるいは10年後に誰がトップに立っているのかを考えなければならない」

    「だからこそ、10歳ほどの子どもたちがカートで競う段階から育成する若手プログラムを構築している」

    アントネッリを絶賛「F1のために育てられてきた」
    今季6勝を挙げてランキング首位に立つアントネッリについて、ヴォルフは精神面の成熟ぶりを特に高く評価した。

    「シーズンを通して浮き沈みをどう管理しているかが印象的だ」

    「彼は走っている間は完全に自分の世界に入っている。そしてピットへ戻ると感情を表に出さず、すべてを分析して前へ進んでいく」

    「彼は感情的なイタリア人ドライバーという固定観念とは正反対だ。F1のために育てられてきた存在なんだ」

    ヴォルフによれば、アントネッリの育成は8歳の頃から始まっていたという。

    「トップドライバーでは、パフォーマンスの90%は生まれ持った才能によるものだ。残りの10%が努力だ」

    「キミのF1への準備は8歳のときに始まった。そして、その頃から彼は特別な存在だった」

    さらに、若手ながら精神的な強さも兼ね備えていると称賛した。

    「時には挫折や悪いレースもあるが、それを切り替えて前へ進んでいく」

    「誰もここまでやるとは思っていなかった。チームメイトでさえそうだった」

    マックス・フェルスタッペン

    アップデート不足を認めるメルセデス
    一方で、ハンガリーGPではメルセデスの競争力低下も浮き彫りとなった。アントネッリは予選4番手に終わり、ジョージ・ラッセルはエンジントラブルに見舞われた。

    アントネッリは、ライバル勢の開発が進んでいる一方で、メルセデスは大型アップデートを投入できていないことが影響していると説明した。

    「最近はトップチームが次々とアップデートを投入しているけど、僕たちはダウンフォース面で大きなアップデートをしばらく投入していない」

    「これは予想していたことだ。他のチームはいくつかアップデートを投入してきたけど、僕たちはそれを待っている状態だ。ここまでは間違いなく厳しい週末になっている」

    今季のアントネッリは速さだけでなく精神的な成熟も高く評価されており、ヴォルフの発言は、メルセデスが将来のエース候補として強い信頼を寄せていることを改めて示す内容となった。一方で、開発競争ではライバル勢に後れを取っており、今後予定されるアップデートがタイトル争いの行方を左右する重要な要素となりそうだ。

  • リアム・ローソン F1人生を変えたマルコへの直談判「なぜチャンスをくれない?」

    リアム・ローソン F1人生を変えたマルコへの直談判「なぜチャンスをくれない?」

    リアム・ローソンは、自身のF1キャリアを大きく変えた2023年オランダGPでの出来事を振り返り、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコに直談判したことが、その数時間後に訪れたF1デビューにつながったと明かした。

    当時レッドブル育成ドライバーだったローソンは、F2でランキング3位となりF1昇格を期待していたものの、チームはニック・デ・フリース、続いてダニエル・リカルドを起用。自身は日本のスーパーフォーミュラ参戦を命じられ、不満を募らせていた。

    「なぜ僕にチャンスをくれないのか」 マルコへ直談判
    2023年のオランダGPを前に、ローソンは自らザントフォールトへ向かい、マルコとの面談を申し出た。

    F1公式ポッドキャスト『Off the Grid』でローソンは当時をこう振り返っている。

    「3日間ずっと考え続けて、それからザントフォールトへ飛んだ。ヘルムートと直接話して、彼が何を考えているのか聞き出そうと決めたんだ」

    「金曜日の朝、彼のオフィスに行って『なぜ僕にチャンスをくれないんですか? これだけ僕に投資してきたのに意味がないじゃないですか。僕はもう5年間プログラムにいるんです』と伝えた」

    しかし、その反応は期待したものではなかった。

    「最後には彼もちょっと腹を立てたみたいで、僕の話を打ち切ったんだ」

    「部屋を出たあと、その場にいたコーチへ電話して『これはかなり厳しいな』と話していた」

    リアム・ローソン F1デビュー

    数時間後に訪れた突然のF1デビュー
    だが、その日の午後、状況は劇的に変化する。

    フリー走行2回目でダニエル・リカルドがクラッシュし、中手骨を7か所骨折する重傷を負ったことで、アルファタウリは代役を探す必要に迫られた。

    ローソンによれば、当初から自分が唯一の候補だったわけではなかったという。

    「『リアムが乗る』とすぐ決まったわけじゃない。経験があって、このクルマを走らせたことがあるドライバーは誰だ、と検討していたんだ」

    その後、マルコから呼び出しを受けた。

    「ヘルムートのところへ行くと、彼は僕を見て『準備はできているか?』と聞いた。僕は『はい』と答えた。それが会話のすべてだった」

    ローソンはそのままF1デビューを果たし、5戦で2ポイントを獲得。2024年は再びリザーブドライバーを務めたものの、シーズン終盤6戦で再び実戦復帰し、その走りが2025年シーズンのシート獲得につながった。

    「誰かの代役でも迷いはなかった」
    リカルドの負傷によって得たチャンスに複雑な思いはなかったのかと問われたローソンは、率直な心境を明かした。

    「まったくなかった。もちろん彼にとってはつらいことだけど、僕たちはみんな同じシートを争っている。そこに個人的な感情はない」

    「自分のキャリアを懸けて戦っている時は、それがすべてなんだ。それ以上に優先するものはない」

    ローソンは2025年開幕時にレッドブル・レーシングへ昇格したものの、わずか2戦でレーシングブルズへ復帰。2026年シーズンも同チームで戦い続け、チームが獲得した66ポイントのうち43ポイントを稼ぐ活躍を見せている。

  • アストンマーティンF1 メルセデスPU継続なら「トップ5だった」とモントーヤ

    アストンマーティンF1 メルセデスPU継続なら「トップ5だった」とモントーヤ

    アストンマーティンF1は、2026年シーズン初の大型アップデートによってシャシー性能の改善を示した一方で、依然としてホンダ製パワーユニット(PU)が最大の課題となっている。

    元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤは、もしアストンマーティンがメルセデス製PUを継続していたなら、「グリッドでも有数のチームになっていた」との見解を示し、シャシーとPUのアンバランスさを指摘した。

    「今のアストンマーティンにメルセデスPUがあればトップ5」
    2026年のハンガリーGPでは、アストンマーティンが待望の大型アップデートを投入。フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは13位と14位でフィニッシュしたものの、両者が完走したレースとしては今季最高の結果となり、マシン性能の前進を印象づけた。

    一方で、ホンダ製PUは依然としてライバル勢に対して出力不足が指摘されており、シャシーの改善効果を十分に生かし切れていないとみられている。

    こうした状況について、モントーヤはASコロンビアの取材で次のように語った。

    「多くの人が理解していないことだが、僕自身もそうだった。昨年のマシン、あるいは今季序盤に投入されたマシンは、エイドリアン・ニューウェイが本格的に関わる前にほぼ完成していた」

    「ニューウェイが設計に参加した頃には、すでにほとんどの作業が終わっていた。彼自身も『少しは関わったが、ほぼ完成していた』と言っていた」

    「そして彼は今年、『まずはマシンの状態や問題点を見極め、それを踏まえて何をすべきか判断したかった』とも話していた」

    モントーヤは、アストンマーティンが2023年にホンダとのワークス契約を決断したことにも触れ、もしメルセデスPUを維持していたなら、現在の戦力図は大きく違っていたと考えている。

    「彼らはウィリアムズやキャデラックに約70秒もの差をつけてフィニッシュした。つまり、今のマシンにメルセデスのPUを載せれば、間違いなく上位争いができる」

    「4番手か5番手のチームにはなっていただろう。もうそこまで大きな差はないんだ」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダ新PU投入で勢力図は変わるのか
    もっとも、アストンマーティンとホンダ陣営も手をこまねいているわけではない。

    ホンダは夏休み明け最初のオランダGPで改良版PUを投入する予定で、報道では約30馬力の性能向上が見込まれている。現時点でメルセデスやフェラーリに並ぶ水準には届かないとみられるものの、大きな前進となる可能性が高い。

    アストンマーティンは今回のアップデートでシャシー面の改善を証明した。今後はホンダの新PUが加わることで、モントーヤの言う「トップ5チーム」に近づけるかが、シーズン後半最大の注目点となりそうだ。

    【関連】
    ・アストンマーティンF1 カルロス・サインツJr.の“中団最速シャシー”評価を否定

  • FIA黄旗ルールに波紋 アントネッリのペナルティでF1ドライバーも意見割れる

    FIA黄旗ルールに波紋 アントネッリのペナルティでF1ドライバーも意見割れる

    F1ハンガリーGP予選でアンドレア・キミ・アントネッリに科されたグリッド降格ペナルティをきっかけに、黄旗区間で「どこまで減速すれば十分なのか」というFIAの運用基準を巡る議論が再び活発化している。

    元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンは、現在のルールについて「ドライバーの間でも意見が一致していない」と明かし、今後も論争が続く可能性を示唆した。

    アントネッリの減速は「十分ではなかった」
    アントネッリはハンガリーGP予選Q3終盤、マックス・フェルスタッペンがスピンして黄旗が提示された区間を通過した際、十分に減速しなかったとして3グリッド降格処分を受けた。

    この裁定により、4番手タイムを記録していたアントネッリは降格となった。

    このケースは、数週間前のオーストリアGP予選でチームメイトのジョージ・ラッセルが似た状況で処分を免れた事例とも比較されている。

    オーストリアではフェルスタッペンがターン9でスピンした際、ラッセルは黄旗区間でアクセルを緩め、スチュワードは十分に減速したと判断してポールポジションを認めた。一方、アントネッリはその周回自体を中止していた。

    PlanetF1.comのデータ分析によれば、ラッセルは自己ベストと比較して約0.08秒タイムを失ったのに対し、アントネッリは約0.6秒遅くなっていたという。

    それでも今回のハンガリーでは、アントネッリの減速は十分ではないと判断された。

    「15メートル早くアクセルを戻した」
    メルセデスのポッドキャスト『Silver Arrows Radio Show』で、元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンは当時の状況を振り返った。

    「映像を見返したとき、どちらの判断になるか本当に分からなかった。非常に際どいケースだった」

    「キミは黄旗を確認すると通常より早くアクセルを戻し、コーナー進入も早い段階で減速に移っていた」

    これに対し、副チーム代表のブラッドリー・ロードは次のように説明した。

    「通常より約15メートル手前でアクセルを戻し、そのまま惰性でコーナーへ進入していた。しかしスチュワードは、その減速では規則を満たしていないと判断した」

    「オーストリアでは周回を完全に諦めていたが、今回は減速量が十分ではないと結論づけられた」

    比較対象となった基準ラップにも問題
    メルセデスの副テクニカルディレクターを務めるシモーネ・レスタは、今回の判定には別の要因もあったと説明する。

    「比較対象となった基準ラップ自体が理想的なラップではなかった。その区間ではキミ本来の速さを示すラップではなく、それが状況を複雑にした」

    「減速していても、比較対象が本来より遅いセクターだったため、十分なタイムロスとして認識されなかった」

    さらにアントネッリ自身も、FP3の燃料を多く積んだ状態のラップと比較しても、減速しながらなお速いタイムだったと指摘していたという。

    「さまざまな条件が重なった結果だった。キミは確かに反応したが、比較基準との関係で必要な減速量には達していないと判断された」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    明文化されない「十分な減速」が議論に
    現在のFIA規則では、黄旗区間で具体的に何km/h減速すればよいかは明文化されていない。

    スチュワードが各ケースごとに「十分に減速したかどうか」を判断する仕組みとなっており、この裁量の大きさが議論を呼んでいる。

    そのため、一部では黄旗ではなく常にダブルイエローを提示すべきだとの意見も出ているが、この案についても意見は割れている。

    デビッドソンは、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事を務めるラッセルとの会話を紹介しながら次のように語った。

    「オーストリアの後にジョージとも話したが、予選中の黄旗運用についてパドック内でもまだ意見はまとまっていない」

    「マシンがコース上で停止したら常にダブルイエローにすべきだというドライバーもいる。それなら全員が何をすべきか明確になる」

    「一方で、自分とは関係ない場所で起きたインシデントのせいでラップを犠牲にするのは不公平だと考えるドライバーもいる」

    「ドライバー同士でも正しい運用について共通認識はできていない」

    メルセデス「一貫性を保つのは簡単ではない」
    2人のドライバーで異なる裁定を経験したロードは、レースコントロールとスチュワードの難しい立場にも理解を示した。

    「レースコントロールやスチュワードの立場は非常に難しい。すべてのインシデントは状況が異なり、コーナー速度やランオフエリア、発生した文脈も毎回違う」

    「我々も時には判断に不満を感じ、時には納得することもある。一貫性を維持するのは簡単ではない。まったく同じケースは存在しないからだ」

    アントネッリは決勝で3位表彰台を獲得し、ランキング首位を維持したものの、今回の一件はFIAの黄旗運用と裁定基準を巡る議論を再び浮き彫りにする結果となった。

  • 元マクラーレンF1代表エリック・ブーリエ WRCプロモーターCEOに就任

    元マクラーレンF1代表エリック・ブーリエ WRCプロモーターCEOに就任

    FIA(国際自動車連盟)は、世界ラリー選手権(WRC)の商業権をフランスの自動車企業コスモビリス(Cosmobilis)と投資会社パーク・スクエア・キャピタル(Park Square Capital)が取得したと発表した。これに伴い、元ロータスF1およびマクラーレンF1のチーム代表エリック・ブーリエがWRCプロモーターの最高経営責任者(CEO)に就任することも明らかになった。

    FIAのモハメド・ビン・スライエム会長は、この契約を「ラリー界にとって世紀の契約」と表現。

    WRCとヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)の歴史上、最大規模の商業契約だと位置づけている。

    WRCの商業権が新体制へ
    発表はラリー・フィンランド初日に行われた。FIAは今回の契約について、「WRCとERCにとって極めて重要な転換点」であり、「両選手権史上最大の契約」と説明した。

    新たな権利保有者であるコスモビリスとパーク・スクエア・キャピタルは、ファンを中心に据えた新たな成長戦略を掲げている。

    具体的には、ストーリーテリングの強化や映像配信の拡充、複数のプラットフォームを活用したコンテンツ展開を進めることで、世界中のファンがこれまで以上に競技へアクセスしやすい環境を目指すとしている。

    エリック・ブーリエがCEOに就任
    今回の体制変更に伴い、WRCの商業運営を担うWRCプロモーターのCEOにはエリック・ブーリエが就任した。

    ブーリエは2010年から2013年までロータスF1のチーム代表を務め、その後はマクラーレンでレーシングディレクターとして約4年半にわたりチームを率いた。

    2018年にマクラーレンを離れた後は、2022年まで開催されたフランスGPの運営にも携わっていた。

    ブーリエは新たな役職について次のように意気込みを語った。

    「私は大きな熱意と決意、そして謙虚さと強い責任感を持ってこの挑戦に臨む。この素晴らしい選手権をさらに魅力的なものにしたい」

    「FIAやパートナーとともに、すべてのイベントを世界中のファンが楽しめる特別な大会へ発展させたい」

    「目標は明確だ。WRCとERCを世界的ブランドへ成長させ、現代の技術や環境課題にも対応した持続可能な発展を実現することだ」

    FIA「ラリー界にとって世紀の契約」
    ビン・スライエム会長は、今回の契約が競技の将来に大きな意味を持つと強調した。

    「これはまさにラリー界にとって『世紀の契約』だ。かつてない規模の投資が実現したことを誇りに思う」

    「この投資はファンや競技者、加盟クラブに利益をもたらすだけでなく、ラリー競技の将来への強い信頼を示すものでもある」

    「私たちは現在だけでなく将来を見据え、長期的なビジョンを共有できる最適なパートナーを選んだ」

    「ラリーは私自身の人生を形作ってきた競技であり、その未来に深くコミットしている。新たな時代の始まりとなる重要な瞬間だ」

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1との契約詳細 2027年去就は本人次第

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1との契約詳細 2027年去就は本人次第

    フェルナンド・アロンソとアストンマーティンF1の契約に隠されていた詳細が明らかになった。Sky SportsのF1コメンテーターであるデビッド・クロフトによると、アロンソは5年契約を結んでおり、そのうち2年間がレースドライバー、残る3年間がブランドアンバサダーとしての契約になっているという。

    これにより、2027年に現役を続行するか、アンバサダーへ移行するかの選択権はアロンソ本人が握っていることが判明した。

    契約は5年 アロンソに2027年の決定権
    2024年にフェルナンド・アロンソがアストンマーティンと契約を更新した際、公表されたのは2025年と2026年の2シーズンを現役ドライバーとして戦う契約だった。

    一方で、実際にはそれより長期の契約が結ばれており、2027年以降はチームの幹部やアドバイザー、あるいはブランドアンバサダーとして組織に残ることが想定されていた。

    しかし、アロンソは現在も高いパフォーマンスを維持しており、さらにハンガリーGPで投入されたBスペック仕様「AMR26B」によってチームの競争力も向上。マックス・フェルスタッペン獲得を軸としていた将来構想にも変化が生じている。

    そのため、2027年もレギュラードライバーとして現役を続ける可能性が現実味を帯びている。

    ハンガリーGPのFIA公式記者会見でアロンソは「2027年もアストンマーティンとの契約がある」と発言していたが、その意味についてデビッド・クロフトが詳細を明かした。

    「フェルナンド・アロンソは『契約がある』と言っていた。その通りで、私の理解では5年契約だ。そのうち2年間はドライバーとして、残る3年間はアストンマーティンのアンバサダーを務める契約になっている」

    さらにクロフトは、現役続行か役割変更かを決める権利はアロンソ自身にあると説明した。

    「アンバサダーになるのか、それともレースを続けるのか。その選択権はフェルナンドにある。決定権は彼自身が握っている」

    この内容は、アロンソが他チームへ移籍するという最近の憶測を否定する材料にもなっている。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    後任候補にはサインツやベアマンの名前
    アロンソが2026年限りで引退する可能性は低いとみられている。

    本人は競争力のあるマシンでF1キャリアを締めくくることを望んでおり、AMR26Bの進歩によってその希望は現実味を増しているためだ。

    それでもアストンマーティンは将来を見据え、複数の候補をリストアップしているという。

    クロフトは次のように語った。

    「カルロス・サインツJr.は、アストンマーティンが獲得を望むドライバーのリストに入っているはずだ。シャルル・ルクレールも以前は候補だったが、現在はフェラーリと契約している」

    さらに、オスカー・ピアストリについても高く評価している。

    「ピアストリは間違いなく彼らが非常に高く評価するドライバーだ。もしマックス・フェルスタッペンがマクラーレンへ移籍し、ピアストリがシートを失えば、おそらくレッドブルへ向かうだろう。アストンマーティンは彼にとって第二候補になると思う」

    また、オリバー・ベアマンについても名前を挙げた。

    「オリー・ベアマンはマーケットに出る可能性があると思う。ハースに残れないかもしれないからだ。もしハースが十分な資金を確保できず、彼やエステバン・オコンに一貫性のある競争力の高いマシンを与えられなければ、ドライバーにとっても良い状況ではない」

    最後にクロフトは有力候補をまとめている。

    「ピアストリ、ベアマン、フェルナンド本人、そしてカルロス・サインツJr.。この4人の中から誰かが候補になると思う。ベアマンについては周囲から情報を得ているわけではないがね。アレックス・アルボンもウィリアムズを離れたいと思えば候補になるかもしれないが、彼は残留すると考えている」

    2027年もアロンソ残留が最有力
    現時点で最も現実的なシナリオは、フェルナンド・アロンソが2027年もアストンマーティンで現役を続けることだ。

    契約上はアンバサダーへ移行する道も用意されているが、その判断はアロンソ本人に委ねられている。チームの競争力が向上し続ければ、2027年もグリーンのマシンを駆る姿を見る可能性は十分に高そうだ。