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  • リアム・ローソン レッドブルF1と夏休みに去就協議「話し合いがあるはず」

    リアム・ローソン レッドブルF1と夏休みに去就協議「話し合いがあるはず」

    リアム・ローソンは、F1のサマーブレイク期間中にレッドブル陣営と自身の将来について話し合いが行われる見通しであることを明かした。2026年シーズン前半で好成績を残しているローソンは、2027年もレーシングブルズのシートを維持したい考えだ。

    レッドブル育成にはアービッド・リンドブラッドに加え、F2ランキング首位を走るニコラ・ツォロフも控えており、2027年のシート争いは激しさを増している。

    それでもローソンは、ここまで11戦で43ポイントを獲得し、自らの価値を十分に示している。

    サマーブレイク中に去就協議へ
    レッドブルは例年、シーズン終盤まで翌年のドライバーラインアップを決定しない傾向にある。しかし、マックス・フェルスタッペンの将来が依然として不透明なことから、今年は例年より早いタイミングで判断が下される可能性もある。

    ローソンにとっても、早期に結論が出ることは歓迎すべき状況だ。仮にシートを失うことになった場合でも、新たな所属先を探す時間を確保できるためである。

    F1再開後、自身の将来について優先的に動くことになるのかと問われたローソンは、現時点では何も聞かされていないと説明した。

    「僕自身? 正直、まったく分からない」とローソンはRacingNews365などのメディアに語った。

    「でも、そういう話し合いは普通、サマーブレイクの頃に行われるものなんだ。だから、その時期に何らかの話し合いがあるはずだよ」

    ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チームの候補に挙げられているニコラ・ツォロフ

    ツォロフ台頭で激化するレッドブル育成争い
    ローソンの立場を脅かす存在となっているのが、F2でランキング首位を走るニコラ・ツォロフだ。

    レーシングブルズ代表アラン・パーメインは、ツォロフについて「次に昇格する候補」であり、2027年のシート争いでも「明確に候補に入っている」と評価している。

    パーメインは、ブルガリア人ドライバーの昇格可否についてはシーズン後半に判断すると説明しており、そのスケジュールはローソンが想定する「サマーブレイク中の協議」とも一致している。

    現在の見通しでは、レッドブル陣営は2027年にレーシングブルズでローソンとアービッド・リンドブラッドを起用する方向とみられている。しかし、ツォロフの活躍によって選択肢が増えたことで、レッドブル首脳陣は2つのシートを巡って難しい決断を迫られることになりそうだ。

    43ポイントで存在感 来季残留へアピール
    2026年シーズン前半、ローソンは11戦で43ポイントを獲得し、レーシングブルズの中心ドライバーとして安定したパフォーマンスを披露してきた。

    レッドブル育成プログラムは有望株が次々と台頭している一方で、実績を積み重ねる現役ドライバーとの兼ね合いが大きな課題となっている。

    サマーブレイク中に始まるとみられる去就協議は、ローソンだけでなく、レッドブル陣営全体の2027年ドライバーラインアップを左右する重要な局面となる。

  • アストンマーティンF1再建へ「ニューウェイに18カ月与えよ」 元フェラーリ技術者

    アストンマーティンF1再建へ「ニューウェイに18カ月与えよ」 元フェラーリ技術者

    アストンマーティンF1は、2026年シーズン前半の苦戦を受けて大規模な体制改革を進めている。しかし、元フェラーリのエンジニアであるロブ・スメドレーは、オーナーのローレンス・ストロールに対し、エイドリアン・ニューウェイ率いる技術陣へ十分な時間を与えるべきだと訴えた。

    ニューウェイが設計したAMR26は期待された結果を残せず、開幕から11戦でチームが獲得したポイントはわずか1点にとどまった。車体性能だけでなく、ホンダ製パワーユニットの信頼性も苦戦の一因となっている。

    16項目アップデートで再建を開始
    ハンガリーGPでは、ニューウェイが主導した16項目に及ぶ大規模アップグレードを投入し、アストンマーティンは巻き返しへの第一歩を踏み出した。

    だが、スメドレーはチームが真に成果を上げるためには、技術陣を頻繁に入れ替えるのではなく、安定した環境を維持することが不可欠だと強調する。

    ポッドキャスト『High Performance』でスメドレーは次のように語った。

    「もう手を出さないことだ。エイドリアンは何度ワールドチャンピオンを獲得した? 18回だったかな(※実際には26回)。能力があることは証明済みだ」

    「彼の周りには優秀な男女のエンジニアが集まっている。彼らをまとめ上げ、同じ方向へ導くのがニューウェイの仕事だ」

    「だから余計なことはせず、そのまま任せるべきだ。そして評価するのは18カ月後でいい」

    頻繁な人事刷新への警鐘
    アストンマーティンは、ローレンス・ストロールが2018年にチームを買収して以来、チーム代表や技術部門を中心に幹部人事がたびたび見直されてきた。

    現在はニューウェイに加え、フェラーリから加入したエンリコ・カルディレも技術組織の再建に取り組んでおり、チーム全体を同じ方向へ導く体制づくりが進められている。

    スメドレーは、ここで再び組織変更を繰り返せば、その努力が無駄になる可能性があると警告した。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    「安心して挑戦できる環境」が必要
    元アストンマーティン代表のオトマー・サフナウアーも、スメドレーの意見に同調した。

    「仕事における心理的安全性を与えなければならない。そうすれば、自分の職を失う恐怖を感じることなく、必要なリスクを取れるようになる」

    さらに司会のジェイク・ハンフリーは、現在のチームにはその環境が十分に整っていないとの見方を示した。

    「ここ4〜5年で多くの人が職を失ってきたという事実を見れば、心理的安全性があるとは思えない」

    「物事がうまくいかなければ、その代償を払うのは現場で働く人間だからだ」

    再建の成否は“時間”が握る
    ニューウェイ加入、カルディレ招聘、そしてハンガリーGPで投入された大規模アップグレードにより、アストンマーティンは本格的な再建フェーズへ入った。

    一方で、元フェラーリと元アストンマーティンの両経験者が口を揃えて指摘したのは、「組織を落ち着かせること」の重要性だった。2026年シーズン後半から2027年にかけて、ローレンス・ストロールが技術陣を信頼し、十分な時間を与えられるかどうかが、チーム再建の成否を左右する重要なポイントとなりそうだ。

  • デビッド・クルサード F1新レギュレーションを酷評「まるでW杯ハーフタイムショー」

    デビッド・クルサード F1新レギュレーションを酷評「まるでW杯ハーフタイムショー」

    2026年に導入されたF1新レギュレーションについて、元F1ドライバーのデビッド・クルサードが「予想された問題が現実になった」と振り返り、導入前の警告が軽視されたことへの失望を語った。

    クルサードは、現在のF1シーズンは接戦が増えたことで見応えが向上していると評価する一方、新世代マシンが抱えるエネルギーマネジメントの問題については「最初から分かっていたことだった」と指摘している。

    F1新レギュレーションへの失望をW杯になぞらえる
    元マクラーレンF1ドライバーのデビッド・クルサードは『Up to Speed Podcast』で、2026年レギュレーション導入時の混乱をサッカーのワールドカップのハーフタイムショーになぞらえて振り返った。

    「新レギュレーションは、ワールドカップのハーフタイムショーみたいなものだった」

    「大きな期待を持たせながら迫ってきたのに、実際には少し期待外れだった。映画のコメディでロードローラーがゆっくり迫ってきて、『ひかれるぞ』と言いながら、次の場面でも腕時計を見ながら『まだひかれるぞ』と言っているようなシーンがあるだろう」

    クルサードは、この“ロードローラー”こそが2026年レギュレーションだったと説明する。

    「新レギュレーションが近づいてくる中で、ドライバーもエンジニアも『これは良くないことになる』と言い続けていた。でも、それ以外の人たちはほとんど沈黙していた」

    ドライバーやエンジニアの警告は現実となった
    2026年の新規則導入前には、ドライバーや技術者から「スーパークリッピング」や、ストレートでバッテリー残量の違いによって順位が入れ替わる“ヨーヨー・オーバーテイク”が頻発するとの懸念が相次いでいた。

    FIAは開幕前に最悪の事態を避けるための修正を加えたものの、開幕戦オーストラリアGPでは減速しながらコーナーへ進入するマシンが見られるなど、懸念された問題は現実のものとなった。

    マックス・フェルスタッペンをはじめ複数のドライバーが導入前から懐疑的な姿勢を示していたことも、その後の展開を象徴している。

    クルサードはこう続けた。

    「そしてメルボルンに行くと、『ほら見ろ、いくつかのコーナーでは減速しながら進入しているじゃないか』という状況になった」

    F1レギュレーション

    接戦のシーズンは評価も課題は未解決
    一方でクルサードは、シーズンが進むにつれてF1のレース内容そのものは大きく改善したと評価する。

    ハンガリーGPではエネルギー回生が容易なサーキット特性もあり、バッテリー節約のための極端なコースティングが少なく、純粋なレース展開が実現した。一方で、シルバーストンやスパ・フランコルシャンでは依然としてエネルギーマネジメントの影響が色濃く残っており、モンツァやシンガポール、さらに開催されればカタールでも同様の課題が再び表面化するとみられている。

    それでも、各チームが激しい開発競争を繰り広げていることで勢力図は流動化し、週末ごとの予測が難しいシーズンになっている。

    クルサードはその点を評価しつつ、次のように締めくくった。

    「失望からの立て直しという意味では、マイアミ以降は良かったと思う。以前も話したように、直近5戦で5人の異なる勝者が生まれていることは、このシーズンの多様性を物語っている」

    「ただ、私たちはこうなることを前から分かっていた。それなのに誰も本当に耳を貸さなかった。そして、未来を徹底的にシミュレーションするスポーツでありながら、現実が起きてから対応しなければならなかったことには少し失望している」

    今回のクルサードの発言は、2026年F1のレース内容が改善しつつあることを認めながらも、新レギュレーション導入前に繰り返し発せられていた警告が十分に生かされなかったという、F1全体への問題提起といえる。今後、エネルギー不足が起きやすいサーキットでどのような対策が講じられるのかも、後半戦の大きな焦点となりそうだ。

  • レッドブルF1技術責任者 RB22序盤不振の原因を告白「ステアリングに機械的な問題」

    レッドブルF1技術責任者 RB22序盤不振の原因を告白「ステアリングに機械的な問題」

    2026年シーズン序盤に苦戦を強いられたレッドブルF1の『RB22』について、テクニカルディレクターのピエール・ワシェが、ドライバーがマシンの挙動を正しく感じ取れなくなる機械的な問題があったことを改めて明かした。

    マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーは開幕から一貫してRB22の扱いづらさを訴えていたが、その背景にはステアリング機構の不具合が存在していたという。

    ドライバーの感覚を奪ったステアリングの問題
    レッドブルRB22はシーズンを通して扱いが難しいマシンとなっているが、序盤戦ではその問題をさらに悪化させる隠れた機械的トラブルを抱えていた。

    ピエール・ワシェによれば、ステアリングラックとステアリングコラムに問題があり、ドライバーはフロントタイヤの状態やマシンの挙動をステアリングから十分に感じ取ることができなかったという。

    フェルスタッペンはプレシーズンのバルセロナ・シェイクダウンの時点から異変を訴え、「まったく運転できない」と表現。開幕から3戦では「基準になるラップすら刻めない」「毎周が生き残りをかけたような状態」と不満を漏らしていた。

    ハジャーも鈴鹿でマシンを「ひどい」と酷評し、「周回ごと、セッションごとに何が起こるか予測しなければならない」と苦しい状況を語っていた。

    レッドブルは最終的にステアリング関連部品を交換。この対策によってマシンの感触は改善されたものの、絶対的な速さが劇的に向上したわけではなかった。

    さらにマイアミGPでは大規模アップグレードを投入し、軽量化と空力コンセプトの見直しを実施したが、RB22はいまなお安定したパフォーマンスを発揮できない状態が続いている。

    直近7戦でフェルスタッペンは4度の表彰台を獲得している一方、両ドライバーとも週末ごとに安定した速さを引き出すことに苦戦している。

    ハンガリーGPではハジャーがRB22を「運転不能」と表現し、チームの状況を皮肉交じりに「良い後退だ」と語る場面もあった。

    レッドブル・レーシング RB22

    ワシェ「機械的な問題でドライバーがマシンを感じられなかった」
    RB22に予想外の問題があったのかと問われたワシェは、開発当初の状況を次のように説明した。

    「どのレーシングカーでも同じだが、ドライバーがどのようにマシンを使えるか、その荷重のかかり方には限界が見えてくる」

    「その特性によってバランス調整やリバランスでできることが制限される」

    「我々のマシンにも、進入時の安定性やコーナー中盤でのアンダーステアといった制約があり、それを改善するためにメカニカルな手法を使って対処しようとしている」

    そして、開幕当初の問題について次のように明かした。

    「シーズン序盤は、ライバルと比べてダウンフォースが不足していたことは明らかだった」

    「それに加えて、マシンにはいくつか機械的な問題があり、ドライバーがステアリングを通じてマシンの状態を感じ取れなかった。我々はシーズン序盤にその問題を修正した」

    「修正には少し時間がかかったが、それはマシン全体の性能やポテンシャルとは別の問題だった。ドライバーのフィーリングに関する問題があったということだ。隠している話ではない」

    ステアリングを通じたフィーリングの問題は解消されたものの、RB22は依然としてコーナー進入時の安定性やアンダーステアといった根本的な課題を抱えている。ワシェの説明からは、序盤の不振は単なるダウンフォース不足だけではなく、ドライバーがマシンの限界を正確に把握できないという機械的な要因も重なっていたことがうかがえる。レッドブルが後半戦で再び優勝争いの主役となるには、さらなる開発によってRB22のポテンシャルを安定して引き出せるマシンへと仕上げることが求められる。

  • 角田裕毅 インディカー転向を否定 F1復帰に専念との報道

    角田裕毅 インディカー転向を否定 F1復帰に専念との報道

    角田裕毅は2026年シーズン、レッドブルのリザーブドライバーとして活動しているが、その視線は依然としてF1復帰に向けられている。インディカーへの転向説も浮上しているものの、本人は現時点でF1以外への移籍を考えていないようだ。

    GPblogによると、関係者への取材の結果、ホンダが支援するインディカー参戦という選択肢は存在するものの、角田裕毅自身は「F1で新たなチャンスをつかむこと」に全力を注ぐ姿勢を崩していないという。

    角田裕毅「退屈」と漏らした現在の心境
    2025年限りで5シーズン続いたフルタイム参戦に一区切りがついた角田裕毅は、2026年からレッドブルのリザーブドライバーを務めている。

    当初はマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして残留することを望んでいたが、レッドブルはアイザック・ハジャーを昇格させる決断を下した。

    現在もグランプリ会場には帯同しているものの、仕事の大半はスポンサー対応などに限られている。

    ハンガリーGPでGPblogが現在の心境を尋ねると、角田裕毅は率直に「退屈です」と答えたという。

    レースから離れた現在の立場に、競争の舞台を恋しく思っている様子がうかがえる。

    レッドブル復帰は極めて厳しい状況
    角田裕毅にとって、リザーブとして一時的にレッドブル・レーシングやレーシングブルズのシートに座る可能性は残されている。レギュラードライバーが負傷や体調不良などで欠場した場合には代役を務める可能性があるためだ。

    しかし、フルタイム復帰となると状況は大きく異なる。

    レッドブル陣営ではリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドが好調なパフォーマンスを見せており、さらにF2で活躍するニコラ・ツォロフも昇格候補として控えている。

    こうした状況から、レッドブル陣営で再びレギュラーシートを獲得する可能性は現実的には極めて低いとみられている。

    角田裕毅 F1

    ハース移籍説やアルピーヌ加入も実現性は低い
    今季序盤にはハース移籍の可能性も報じられたが、GPblogによれば、この噂に事実はなかったという。

    一方で、角田裕毅はフランコ・コラピントに代わるアルピーヌのシート獲得にも期待を寄せているとされる。しかし、この選択肢についても実現の可能性は高くないとの見方が示されている。

    そのため、2027年のF1シート獲得に向けた選択肢は限られているのが現状だ。

    ホンダ支援のインディカー構想よりF1復帰を優先
    一方で、角田裕毅にはインディカー側から関心が寄せられているという。

    GPblogによると、ホンダは自社育成ドライバーである角田裕毅をホンダエンジン搭載マシンで走らせることに前向きな姿勢を示している。

    それでも角田裕毅は、現時点ではインディカー転向を選択肢とは考えておらず、F1復帰だけに集中する意向だという。

    厳しい状況に置かれていることは本人も理解しているとみられるが、それでも最高峰カテゴリーへの復帰という目標を諦めるつもりはないようだ。

  • キャデラックF1 ブレーキ炎上の原因判明 ボッタス「内部が燃え始める」

    キャデラックF1 ブレーキ炎上の原因判明 ボッタス「内部が燃え始める」

    2026年F1シーズン前半を通してブレーキトラブルに苦しんできたキャデラックF1。その原因について、バルテリ・ボッタスがハンガリーGP後に詳細を明かした。

    キャデラックF1は問題解決を目指して新型フロントブレーキダクトを投入したものの、ハンガリーGP決勝でも再びブレーキ火災が発生。改善にはさらなる冷却性能の向上が必要との認識を示している。

    新型ブレーキダクト投入も火災再発
    キャデラックF1は2026年シーズンを通じてブレーキ関連の問題に悩まされてきた。特にオーストリアGPでは2台とも序盤にブレーキ火災でリタイアを喫するなど、深刻な課題となっている。

    F1マシンのブレーキは、ブレーキダクトから大量の空気を取り込み、1000個以上の穴が開けられたブレーキディスク内部へ送り込むことで冷却する構造となっている。ブレーキ温度は最大で約1200℃にも達するため、十分な冷却性能が不可欠だ。

    キャデラックF1はハンガリーGPで新設計のフロントブレーキダクトを投入し、冷却性能の改善を図った。しかし決勝ではボッタスのマシンで再びブレーキ火災が発生。最終的には壁にマシンを接触させて停止させる異例の事態となった。

    ボッタスは新パーツについて次のように説明した。

    「新しいフロントダクトは、この問題に対処して再発を防ぐことを狙ったものだった。でも今日の状況を見る限り、ブレーキにはまだもっと多くのエアフローが必要だということは明らかだ」

    「ただ、今日は非常に過酷なコンディションで、とても厳しいサーキットでもあった」

    バルテリ・ボッタス(キャデラック)

    「内部が燃え始める」とボッタスが原因を説明
    ボッタスは、ブレーキ火災が発生するメカニズムについても具体的に明かした。

    「ブレーキの温度が上がりすぎて、ある限界を超えると内部のすべてが燃え始める」

    「そうなると当然、すべてが壊れてしまう。実際、インラップではブレーキが完全に効かなくなった。ブレーキラインが焼けてしまったんだと思う」

    「だから壁にマシンを当てて止めるしかなかった」

    ブレーキラインまで焼損したことで制動力を完全に失い、安全にマシンを停止させるため壁を利用せざるを得なかったという。

    ザントフォールトまでに大幅改善は困難か
    F1はここからオランダGPまで14日間のファクトリー閉鎖期間(シャットダウン)に入るため、各チームは開発作業が制限される。

    そのためボッタスは、次戦ザントフォールトGPまでに大きなアップデートが投入される可能性は低いとの見方を示した。

    「ザントフォールトまでに新しいものはないと思う。ブレーキ関連では何かあることを期待しているけど、パフォーマンス向上のためのアップデートではないだろう」

    「いずれは、来年のマシン開発に100%集中する時期が来る」

    キャデラックF1はブレーキ火災という信頼性問題の解決を急ぐ一方で、2027年マシン開発とのリソース配分という難しい判断も迫られている。ハンガリーGPで再発した火災は、新チームにとって信頼性向上が依然として最優先課題であることを改めて浮き彫りにした。

  • シャルル・ルクレール フェラーリF1に積極開発を要求「攻め続けなければならない」

    シャルル・ルクレール フェラーリF1に積極開発を要求「攻め続けなければならない」

    フェラーリのシャルル・ルクレールは、2026年F1で激化するアップデート競争を勝ち抜くためには、現在の積極的な開発姿勢を維持することが不可欠だと強調した。

    2026年は新レギュレーション導入によって各チームの開発余地が大きく広がり、アップデートによる性能向上が過去数年よりも大きく現れるシーズンとなっている。

    フェラーリもマイアミGPやスペインGPで大規模アップデートを投入し、オーストリアGPでは新型パワーユニットを投入するなど、開発競争の先頭を走ってきた。

    新レギュレーションで激化する開発競争
    2022年から続いたグラウンドエフェクト規定の最終年となった2025年は、多くのチームが開発の限界に近づき、アップデートによる性能向上は徐々に小さくなっていた。

    しかし2026年はシャシーと空力コンセプトが全面的に刷新され、ダウンフォース生成もフロア主体からウイングの比重が高い設計へと変化。その結果、各チームはアップデートによって大きな性能向上を得られる状況となり、開発競争は例年以上に激しさを増している。

    その中でもフェラーリは、積極的なアップデート投入でライバルとの差を縮めようとしている。

    ハンガリーGPで露呈した一貫性の課題
    しかしハンガリーGPでは事前の優勝候補という評価に反し、ルクレールが4位、ルイス・ハミルトンが5位に終わった。

    コンストラクターズランキングでは首位メルセデスに72ポイント差をつけられ、ドライバーズランキングでもハミルトンは首位アンドレア・キミ・アントネッリに59ポイント差を追う状況で、フェラーリには巻き返しが求められている。

    ルクレールはレース後、SF-26の挙動には一貫性を欠く難しさがあると説明した。

    「スタートで代償を払ってしまったし、レース全体を通して特別に速かったわけでもなかった」

    「ハードタイヤでの最初のスティントは悪くなかったし、最後のソフトタイヤでのスティントもかなり良かった。でも良かったり悪かったりの波が大きすぎる。その一貫性を見つけることが、このクルマで取り組まなければならない課題だ」

    シャルル・ルクレール

    「攻め続けることが重要」
    ルクレールは、ドライバーごと、さらにはスティントごとにマシンの挙動が変化してしまう点を問題視している。

    「ルイスにとって難しいスティントもあれば、僕にとって難しいスティントもあった。すべての挙動に相関性がないように感じられるのが少し不思議なんだ」

    その一方で、現在のF1では開発競争が勝敗を左右する最大の要素になっていると指摘した。

    「アップグレードの効果は以前よりもずっと大きい。大幅な性能向上を実現できるからだ」

    「だからこそ、開発競争で優位を維持し、これまでと同じように積極的な開発を続けていくことが重要になる」

    夏休み明け以降も各チームが大型アップデートを予定しており、2026年シーズン後半戦は開発競争がタイトル争いの行方を左右する重要な要素となる。フェラーリが積極的な開発を継続しながらマシンの一貫性という課題を克服できるかが、メルセデス逆転への鍵となりそうだ。

  • オスカー・ピアストリ F1史に残る“あの投稿”から4年「記念日メッセージありがとう」

    オスカー・ピアストリ F1史に残る“あの投稿”から4年「記念日メッセージありがとう」

    2026年シーズンのF1はサマーブレイクを迎えたが、マクラーレンのオスカー・ピアストリがSNSで披露した“ひと言”が、ファンの間で再び話題となっている。

    きっかけは、F1史に残る契約騒動の発端となった「あの投稿」から4年を迎えたことだった。ピアストリは多くの祝福メッセージに対し、らしいユーモアで応じている。

    F1史に残る「アルピーヌには乗らない」投稿から4年
    2022年8月、フェルナンド・アロンソがアルピーヌからアストンマーティンへの電撃移籍を発表すると、アルピーヌは当時リザーブドライバーだったオスカー・ピアストリを2023年のレースドライバーに起用すると発表した。

    しかし、その直後にピアストリは自身のX(当時はTwitter)で、F1史に残る有名な声明を投稿する。

    「今日の午後、僕の同意なしにアルピーヌF1が来年僕が彼らのために走るというプレスリリースを出したと理解している。これは事実ではないし、僕は2023年に向けてアルピーヌと契約していない。来年アルピーヌで走ることはない」

    この投稿はF1界に大きな衝撃を与え、その後、契約問題はFIAの契約承認委員会(Contract Recognition Board)に持ち込まれた。

    最終的に委員会はマクラーレンとの契約の有効性を認め、ピアストリは2023年からマクラーレンのドライバーとなった。

    オスカー・ピアストリ

    「記念日メッセージをありがとう」と一言
    そして、その歴史的な投稿からちょうど4年を迎えた今年、ピアストリはXで短くこう投稿した。

    「記念日メッセージをありがとう」

    わずか一文ながら、当時の騒動を知るF1ファンには思わず笑ってしまうような投稿となり、多くの反響を集めた。淡々としたユーモアは、ピアストリらしいキャラクターがよく表れている。

    マクラーレン移籍は成功だった
    結果的に、マクラーレンへの移籍はピアストリにとって大きな成功となった。

    2024年ハンガリーGPでF1初優勝を飾ると、その後も勝利を重ね、ここまで通算9勝を記録。2025年には一時ドライバーズランキング首位に立ったものの終盤に失速し、チームメイトのランド・ノリスにタイトルを譲った。

    2026年ハンガリーGPでもアップグレード版MCL40で優勝争いに加わるだけの速さを見せていたが、周回遅れにしようとしたカルロス・サインツJr.との接触に加え、終盤にはギアボックストラブルに見舞われてリタイアとなった。

    それでも、マクラーレンのアップデートが高い競争力を備えていることは示されており、ピアストリにとっては後半戦へ向けて明るい材料となっている。4年前の「あの投稿」がなければ実現しなかった現在のキャリアは、いまやF1を代表する成功例のひとつとなっている。

  • アストンマーティンF1内部試算 メルセデスPUならQ3進出可能だった

    アストンマーティンF1内部試算 メルセデスPUならQ3進出可能だった

    アストンマーティンF1は、ハンガリーGPで投入したエイドリアン・ニューウェイ設計による新型シャシーによって今季初のQ2進出を果たした。一方でチーム内部では、ホンダ製パワーユニット(PU)の性能不足が依然として最大の課題であり、もしメルセデス製PUを搭載していればQ3進出も十分可能だったとの試算を行っているという。

    オランダGPではホンダが改良型PUを投入する予定で、その効果が後半戦の戦いを左右する重要な鍵となりそうだ。

    ホンダPUは1周あたり約1.5秒遅れと試算
    BBC Sportによると、アストンマーティンF1は内部分析で、現在のホンダ製PUは「最良のパワーユニットと比較して1周あたり約1.5秒遅れている」と評価しているという。

    2026年型マシンAMR26BはハンガリーGPで大規模アップデートを受け、フェルナンド・アロンソが今季初めてQ2進出を達成。決勝でもランス・ストロールが13位、アロンソが14位と、チームにとって今季最高の総合成績を記録した。

    シャシー面では大きな前進を遂げたものの、依然としてPU性能が足かせになっているというのがチームの見立てだ。

    なお、FIAはマイアミGP後の評価でレッドブル・フォードの内燃エンジン(ICE)を最高水準と位置付けた一方、メルセデスF1代表トト・ヴォルフは、ハイブリッドシステム全体を含めればメルセデス製PUが最も高性能だと説明しており、多くの関係者もこれに近い見方を示している。

    メルセデスPUならアロンソはQ3圏内だった可能性
    この試算を予選結果に当てはめると、アストンマーティンのポテンシャルは大きく変わる。

    アロンソはハンガリーGP予選Q2で1分19秒808を記録し、ランド・ノリスのトップタイムから2.352秒遅れていた。

    ここからチームが見積もる1.5秒の差を差し引くと、理論上のタイムは1分18秒308となる。このタイムであればQ2で7番手となり、マックス・フェルスタッペンとアービッド・リンドブラッドの間に入る計算だ。

    さらに、このタイムはQ3でニコ・ヒュルケンベルグが記録した1分18秒686も上回っており、メルセデス製PUを搭載していればQ3進出は十分現実的だったことになる。

    もちろん、燃料搭載量やエネルギーマネジメント、空力特性など単純比較できない要素はあるものの、少なくともシャシー性能そのものは中団争いに加われるレベルまで改善したことを示す試算と言える。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    オランダGP投入予定の新PUが反撃の鍵
    アストンマーティンF1は昨季までメルセデス製PUを使用していたが、2026年からホンダとのワークス体制へ移行した。

    しかし新世代PUは開発初年度ということもあり、序盤戦では振動や冷却、エネルギーマネジメントなど複数の課題を抱えてきた。

    その状況を打開するため、ホンダは夏休み明けのオランダGPで改良型PUを投入する予定となっている。今回のアップデートでは約50馬力向上するとの報道もあり、実現すればメルセデスとの差を大幅に縮める可能性がある。

    今回のハンガリーGPでは、ニューウェイ設計の新型シャシーが十分な競争力を持つことを示した。今後はホンダの改良型PUが期待どおりの性能を発揮できるかが、アストンマーティンF1が後半戦で継続的にポイント争いへ加わるための最大の焦点となりそうだ。

  • キミ・ライコネン フェラーリF1時代の“乾いた路面でフルウェット“事件の真相

    キミ・ライコネン フェラーリF1時代の“乾いた路面でフルウェット“事件の真相

    2009年F1マレーシアGPで、フェラーリがキミ・ライコネンに乾いた路面でフルウエットタイヤを装着した“珍事件”の舞台裏が、当時チームに所属していたロブ・スメドレーの証言によって17年越しに明らかになった。

    当時は「なぜあの判断を下したのか」と長年語り草となっていたが、スメドレーはポッドキャストで、雨雲を読み違えた結果、ピットウォールが混乱状態に陥っていたことを率直に振り返っている。

    雨を先読みしたフェラーリの賭けが裏目に
    2009年当時は給油が認められていたため、各チームは燃料搭載量に応じたピット戦略を組んでいた。

    ライコネンも18周目前後で予定されたピットストップを迎えるタイミングだったが、セパン上空には黒い雨雲が迫っており、フェラーリ首脳陣は「まもなくモンスーン級の豪雨が来る」と判断した。

    その結果、通常のレインタイヤではなく、最も排水性能の高いフルウエットタイヤを装着してコースへ送り出すという大胆な戦略を選択した。

    しかし、雨は予想どおりには降らず、ライコネンは完全に乾いた路面をフルウエットタイヤで走行することになった。

    「これは大混乱だ」ピットウォールで感じた違和感
    当時フェリペ・マッサ側のエンジニアだったロブ・スメドレーは、ポッドキャスト『High Performance Podcast』で当時を次のように振り返った。

    「同僚を悪く言うつもりはないが、あのマシンは僕の担当ではなかった」

    「クリス・ダイヤーとアンドレア・ステラが『雨が降り始めた』『ウエットタイヤにしよう』と話しているのが聞こえた」

    ところが実際には通常のウエットタイヤではなく、フルウエットタイヤを装着する決断が下されたという。

    スメドレーは、その瞬間に「これは大混乱になる」と感じたと明かした。

    さらにレーダー画面を見ると、確かに雨雲は存在していたものの、本格的な豪雨はまだ20分ほど先だったという。

    ライコネンも思わず困惑「何なんだこれは」
    当然ながら、ライコネン本人も状況を理解できなかった。

    スメドレーによると、ライコネンはピットレーンを出た直後に思わず驚きの声を上げたという。

    一方、当時ライコネンのレースエンジニアだったアンドレア・ステラ(現マクラーレンF1代表)は、「もうすぐ雨が来るからタイヤを労わって走ってほしい」と無線で説明し、ドライバーを落ち着かせようとした。

    しかしライコネンは納得せず、不満を漏らしながら周回を重ねた。

    乾いた路面ではフルウエットタイヤは急速に摩耗し、ライコネンは1周あたり約10秒も失う苦しい走行を強いられた。

    雨は来たが時すでに遅し
    約3周後、ようやく本格的な雨が降り始めた。

    だが、その頃にはフルウエットタイヤはすでに使い物にならないほど傷んでおり、フェラーリはライコネンを再びピットへ呼び戻してインターミディエイトタイヤへ交換するしかなかった。

    雨のタイミングを完璧に当てれば戦略的な成功例となるはずだったが、実際には約3周早すぎた判断が裏目に出てしまった。

    結果としてライコネンは最後尾まで順位を落とし、最終的には14位でレースを終えた。

    17年経っても語り継がれるフェラーリ屈指の戦略ミス
    この2009年マレーシアGPは、その後モンスーンによる赤旗中断でレースが再開されず、ハーフポイントが与えられたことでも知られている。

    その中でもライコネンの「乾いた路面でフルウエットタイヤ」という判断は、F1史に残る戦略ミスのひとつとして語り継がれてきた。

    今回のスメドレーの証言によって、その背景には雨雲レーダーへの過信や現場での意思決定の混乱があったことが改めて明らかとなり、フェラーリ史に残る失策の舞台裏がようやく関係者自身の口から語られることになった。