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  • アストンマーティンF1 メルセデスとPU供給を協議か ホンダに圧力

    アストンマーティンF1 メルセデスとPU供給を協議か ホンダに圧力

    アストンマーティンが、将来的なF1パワーユニット(PU)の供給を巡ってメルセデスと協議しているとスペイン紙『SPORT』が報じた。2026年からワークス体制を組むホンダとの関係を直ちに見直す動きではないものの、期待する水準に届いていないホンダPUへの圧力を強める意味合いもあるという。

    その動きを象徴するものとしてSPORTが伝えたのが、メルセデスのCEO兼チーム代表を務めるトト・ヴォルフのアストンマーティン訪問だ。

    ヴォルフはF1オランダGP決勝当日の朝、ザントフォールトのパドックにあるアストンマーティンのモーターホームを訪れており、6月のスペインGPに続いて今季2度目の訪問だったという。

    ヴォルフがアストンマーティンを再訪
    F1のパドックでは、他チームの首脳がモーターホームを訪れること自体は珍しいことではない。しかしSPORTは、今回のヴォルフの訪問について、これまでの両陣営の動きを踏まえれば単なる社交的なものとは限らないと指摘している。

    ヴォルフは6月のスペインGPでもアストンマーティンを訪問していた。一方、アストンマーティンのオーナーであるローレンス・ストロールも、それ以前のオーストラリアGPでメルセデスを訪れていたという。

    そしてオランダGPでは、決勝の数時間前となる日曜日の朝にヴォルフが再びアストンマーティンを訪問。SPORTは、ヴォルフのイニシャルが入ったスクーターがアストンマーティンのモーターホーム脇に置かれていたことも伝えている。

    同紙によれば、メルセデスのホスピタリティはアストンマーティンから約100メートル離れており、こうした一連の訪問が繰り返されていることから、両者の間で何らかの協議が行われている可能性に注目している。

    メルセデスだけではない? 将来のPU供給先を模索
    SPORTは、メルセデスが将来的にアストンマーティンへPUを供給する可能性について両者が話し合っていると報道。さらに、アストンマーティンが接触しているPUメーカーはメルセデスだけではないとしている。

    ただし、現時点でアストンマーティンからホンダに対して最後通告が突きつけられたわけではなく、ホンダとの提携解消が決まったわけでもない。

    また、2027年からPUを変更するとの見方についてSPORTは「時期尚早」としており、仮に変更が実現するとすれば2028年になるとの見方を示している。

    アストンマーティンは2026年からホンダとワークス体制を構築し、それまで使用していたメルセデスPUから離れた。3年前に決定したこの計画は、カスタマーチームではなくワークスチームとしてF1世界選手権を戦うための重要な戦略だった。

    しかしSPORTは、ホンダが期待されたパフォーマンスを発揮できなければ、その方針が再び変更される可能性があると伝えている。

    背景にホンダ新PUへの不満
    こうした動きの背景にあるとされるのが、2026年型ホンダPUのパフォーマンスだ。

    ホンダはシーズン開幕以降、PUの改善を続けており、オランダGPでは新たな仕様を投入した。しかし、その進化についてホンダ側も「小さな一歩であり、革命ではない」と説明しており、アストンマーティンが期待したほどの成果にはつながらなかった。

    一方で、アストンマーティンのシャシー側は大きく前進している。エイドリアン・ニューウェイの指揮のもと、AMR26には直近2戦で合計21点の新パーツが投入され、フェルナンド・アロンソはマシンの改善について「4秒差だったところから、今では1.4秒差になった」と説明している。

    シャシーが改善するにつれて、相対的にPU側の弱点が目立つ状況になっている。

    アロンソもオランダGP後、新しいホンダPUについて期待していた結果が得られなかったことを認めた。

    「シャシーについては、進んでいる方向に満足しています。でも、エンジンについてはもう少し待つ必要があります」

    「今週末は期待していた結果にならなかったと思います。ドライバビリティやギアチェンジなど、最初のエンジンで少し改善できていた部分が、この2基目では少し振り出しに戻ってしまいました。だから、これから2、3戦をかけて最適化していく必要があります」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    「結果はストレートの長さに左右される」
    アストンマーティンのマイク・クラックも、今後のレースではサーキットのストレートの長さが結果を左右する可能性があると語り、PU性能が大きな要素になることを示唆している。

    「これから厳しいレースが続く。我々の結果は各サーキットのストレートがどれだけ長いかに左右されるだろう。ただ、このパッケージについては走るたびに理解が深まっていくし、パワーユニットについても同じことが言える」

    ランス・ストロールもホンダに対して改善を求めている。

    「ドライバビリティとパワーは、次に徹底的に取り組まなければならない部分だ」

    アロンソ、クラック、ストロールの発言からも、アストンマーティン側がホンダにさらなる改善を求めていることは明らかだ。

    ローレンス・ストロールはホンダの改善を待つ姿勢
    もっとも、SPORTによれば、ローレンス・ストロールは現段階でホンダとの関係を打ち切るような急進的な考えを持っているわけではない。

    ホンダがバーレーンでのプレシーズンテスト以降、一定の進歩を遂げていることも評価しており、まずは開発を続ける時間を与える考えだという。

    その一方で、メルセデスを含む他のPUメーカーと話し合うことは、将来に向けた選択肢を確保すると同時に、ホンダへさらなる改善を促す手段にもなる。

    SPORTはこれを、アストンマーティンからホンダに対する「今はあなたと一緒にいるが、これがうまくいかなければ……」というメッセージに近いものだと表現している。

    つまり、現時点でアストンマーティンとホンダの“離婚”が決まっているわけではない。ただし、ホンダが十分な進歩を示せなかった場合に備え、アストンマーティンが別の選択肢を探り始めているというのがSPORTの報道だ。

    次戦イタリアGPが行われるモンツァは、ストレートでの性能が特に重要になるサーキットだ。AMR26のシャシーが進歩を続けるなか、ホンダPUがどこまでその性能に応えられるか。今後の数戦は、2028年以降も続くことを前提としてスタートしたアストンマーティンとホンダの関係にとって、重要な期間となりそうだ。

  • FIAがF1新PUのADUO結果発表 レッドブルが基準 ホンダら3社は4%超の差

    FIAがF1新PUのADUO結果発表 レッドブルが基準 ホンダら3社は4%超の差

    FIA(国際自動車連盟)は、2026年F1で導入されたADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities/追加開発・アップグレード機会)制度について、最初の2回の公式評価結果を発表した。

    レッドブル・パワートレインズのパワーユニット(PU)が基準となり、メルセデス、フェラーリ、アウディ、ホンダには性能差に応じた追加開発の機会が与えられる。

    なかでもフェラーリ、アウディ、ホンダは基準から4%を超える差があると判定され、2026年と2027年にそれぞれ2回ずつの追加アップグレードが認められる。これはADUO制度で認められる最大の開発機会となる。

    レッドブル・パワートレインズがADUOの基準PUに
    ADUOは、F1が新しいパワーユニット規則を導入した2026年から採用された制度である。新規則では内燃エンジンと電動部分の出力比率が大きく変更され、各メーカー間に生じる性能差を一定の範囲内に収めるため、後れを取ったメーカーに追加の開発機会を与える仕組みが設けられた。

    FIAは今回、最初の2回の公式レビューの結果を明らかにし、レッドブル・パワートレインズが現在の基準となるPUを持っていると判定した。

    レッドブルにとって2026年は、自社製パワーユニットでF1に参戦する最初のシーズンである。それにもかかわらず、FIAによるADUOの評価では他メーカーが追うベンチマークとなった。

    ただしFIAは、各PUメーカーの性能をどのような具体的な指標によって比較し、差を算出しているのかについて詳細を公表していない。

    メルセデスは2%超の差で追加アップグレード1回
    メルセデスは、基準となるレッドブル・パワートレインズに対して2%を超える差があると判定された。

    これによりメルセデスには、2026年に1回、2027年にも1回の追加アップグレードを実施する機会が与えられる。

    さらにADUOでは、性能差に応じて開発費とベンチテスト時間についても追加枠が設けられている。

    メルセデスにはコストキャップ上の追加枠として300万ドルが認められ、さらに70時間の追加ベンチテストが許可される。

    ホンダF1 エンジン ADUO

    フェラーリ、アウディ、ホンダは4%超 最大限の追加開発
    一方、フェラーリ、アウディ、ホンダについては、いずれもレッドブル・パワートレインズの基準から4%を超える差があるとFIAが判断した。

    その結果、3メーカーには2026年に2回、2027年にも2回の追加アップグレードが認められる。これはADUO制度で許可される最大回数となる。

    性能差が大きくなるにつれて、コストキャップとベンチテスト時間の追加枠も段階的に拡大する。

    基準から4~6%の差がある場合は465万ドルと100時間、6~8%では635万ドルと150時間、8~10%では800万ドルと190時間の追加ベンチテストが認められる。

    ただしFIAは今回、フェラーリ、アウディ、ホンダの3メーカーが、それぞれこのスケールのどこに位置しているのかについては明らかにしていない。

    したがって現時点で公式に確認できるのは、3メーカーすべてがレッドブル・パワートレインズに対して「4%超」の差があると判定され、2026年と2027年に最大2回ずつの追加アップグレードを認められたという点までとなる。

    2026年最後のADUO評価はオランダGPからメキシコシティGP
    2026年に行われる最後のADUO評価期間は、第12戦オランダGPから第18戦メキシコシティGPまでが対象となる。

    この期間のデータをもとに再び各メーカーのPU性能が評価され、その結果が今後の追加開発機会に反映されることになる。

    2026年からF1のPUメーカーとして本格参入したレッドブル・パワートレインズが最初のADUO評価でベンチマークとなる一方、メルセデスには1回、フェラーリ、アウディ、ホンダには最大となる2回の追加アップグレードが認められた。新PU規則初年度の勢力図が、ADUOによる追加開発を通じて今後どこまで変化するのかも注目される。

    国際自動車連盟 F1 ADUO

  • マクラーレンF1代表 オスカー・ピアストリ苦戦の原因は「心理面ではなく技術面」

    マクラーレンF1代表 オスカー・ピアストリ苦戦の原因は「心理面ではなく技術面」

    オスカー・ピアストリは、2026年F1シーズンでマクラーレンのMCL40から安定してパフォーマンスを引き出すことに苦戦している。オランダGPでも一時3番手を走りながら、最終的には6位まで後退した。

    マクラーレンF1チーム代表のアンドレア・ステラは、ピアストリが抱える問題について、心理的なものではなく、低グリップ状態のマシンに自身の自然なドライビングスタイルを適応させる必要があるという「純粋に技術的」な課題だと分析している。

    MCL40への適応に苦しむピアストリ
    オランダGPの週末は、ピアストリが最後にF1で勝利してからちょうど1年という節目でもあった。2025年はドライバーズタイトル争いを繰り広げながらシーズン終盤に勢いを失い、2026年には新世代マシンへの対応という新たな課題に直面している。

    ザントフォールトではチームメイトのランド・ノリスが優勝。ノリスは今季これでグランプリ2勝、スプリント1勝となった一方、ピアストリはここまで表彰台2回にとどまっている。

    特にハード寄りのタイヤコンパウンドでは、マクラーレンの2人がMCL40からパフォーマンスを引き出す方法に違いが見られる。ピアストリは昨年タイトル獲得に迫ったときの速さを見せる場面もあるものの、スティント後半になるとペースが低下するケースが目立っている。

    オランダGP決勝では、ピアストリはジョージ・ラッセルの隙を突く見事なオーバーテイクを決め、ハードタイヤで3番手を走行した。しかし、2セット目のハードタイヤに交換した後はペースが低下。フェラーリ勢にも先行を許し、最終的には6位でフィニッシュした。

    オスカー・ピアストリはF1オランダGPで一時3番手を走行したものの、最終的には6位に後退した

    低グリップでは自然なドライビングスタイルの変更が必要
    ステラは、こうしたピアストリの特徴は2025年シーズンにも確認されていたと説明した。

    「昨年すでにオスカーについて分かっていたことだが、技術的なドライビングという観点では、例えば昨年のメキシコやオースティンで見られたように、マシンのグリップレベルが低い場合、彼は自分のドライビングの仕方、考え方、そして期待するものを適応させる必要がある」

    「それには少し頭を使う必要があり、その結果としてコンマ数秒を失う。純粋な本能だけでドライブするのではなく、ある意味で状況を頭の中で処理しなければならないからだ。本来なら、自分が予想したことがそのまま起きる状態で走れる」

    ピアストリの場合、マシンの要求に合わせるため、本来持っている自然なドライビングスタイルを変えなければならない場面があるという。

    「だから、自分の自然なドライビングスタイルをマシンが要求するものに適応させなければならないケースのひとつだと思う。したがって、これはドライビングと技術面の領域にある問題だ」

    「心理的なものが関係しているとは思っていない。これは純粋に技術的なものだ。実際、今週末はオスカーが競争力のあるラップタイムを出しているところも見られた」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    2026年型F1マシンへの適応と序盤2戦DNSの影響
    2026年世代のF1マシンは2025年型とは大きく異なる。さらにピアストリはシーズン開幕から2戦連続でDNSとなり、実戦データを蓄積する機会を失った。

    新レギュレーション下では、ドライバー自身もエネルギーデプロイメントの最適な使い方やタイヤの扱い方を学ぶ必要がある。その状況でグランプリ2戦分の経験を得られなかったことも、ピアストリの適応を難しくした要因のひとつと考えられる。

    ただし、ステラはオランダGPで起きたすべてをピアストリのドライビングに帰するべきではないとも強調した。

    ピアストリはラッセルをオーバーテイクした後、一度はメルセデスを引き離すことに成功していた。しかし、ラッセルのピットストップをカバーするためにタイヤ交換を行った際、マクラーレン側の作業が遅れたことで再びラッセルの後方に戻ることになった。

    「レースではオスカーに影響した要因が2つあったと思う。ひとつはチーム側の責任だ。ラッセルをカバーするためにピットインしたとき、実際にはピットストップが遅かったためラッセルにポジションを奪われた。これはチームの責任であって、オスカーの責任ではない」

    2セット目のハードタイヤを機能させられず
    もうひとつの大きな問題が、2セット目のハードタイヤだった。

    「そしてハードタイヤでの2回目のスティントでは、このタイヤを機能させることができなかった。ずっと非常に、非常にグリップが低い領域にとどまっていた。最初のスティントでは見られなかったことだ」

    「だから、我々には取り組まなければならないことがいくつかある」

    ステラは同時に、2026年F1の上位争いが極めて僅差になっていることも、ピアストリの結果をより厳しいものにしていると指摘する。

    「ただ、それに加えて言っておきたいのは、今のF1は少なくとも3チームがコンマ1秒以内にいる状況だということだ。だから、何かひとつでも最適化されていなければ、順位という意味では非常に大きな損失になる可能性がある」

    「最適化できていなければ、今は6位になってしまう。その意味では非常に残酷だ」

    ステラは改善を評価「さらに良くなる」
    それでもステラは、オランダGPの週末を通じてピアストリに改善が見られたことを前向きに評価している。

    「だから、オスカーと一緒にあらゆる改善の可能性について取り組み続けるだけだ。今週末に見られた進歩には満足しているし、シーズンの残りではさらに改善していくと確信している」

    2025年にはF1タイトル争いの中心にいたピアストリだが、2026年は新世代マシンへの適応という別の難題に直面している。ただ、ステラが強調するように、それは自信や心理状態の問題ではなく、低グリップ時のMCL40にドライビングを合わせるという技術的な課題だ。

    トップチーム間がコンマ1秒単位で争う現在のF1では、そのわずかな適応の遅れが表彰台争いから6位まで順位を落とす結果にもつながる。ピアストリがMCL40の挙動に自身のドライビングを合わせ、より本能的に速さを引き出せるようになるかが、シーズン後半の巻き返しを左右するポイントとなりそうだ。

  • アイザック・ハジャー F1オランダGPで人生初の欠場「学べることは常にある」

    アイザック・ハジャー F1オランダGPで人生初の欠場「学べることは常にある」

    レッドブル・レーシングのアイザック・ハジャーは、手首の負傷により2026年F1オランダGPを欠場したことについて、7歳でレースを始めて以来、負傷を理由にレースウイークを欠場したのは初めてだったと明かした。

    当初は負傷を抱えたままザントフォールトで出場する意向だったハジャーだが、医療チームからの助言に加え、MotoGPで大きな負傷と復帰を経験してきたマルク・マルケスにも相談。最終的にリスクを避けるため欠場を決断した。

    一方、レースウイークを初めて外側から見ることで、普段とは異なる視点から学ぶ機会にもなったという。

    マルク・マルケスともボイスメッセージを交換
    ハジャーはフランス紙『L’Equipe』のインタビューで、医療チームからさまざまな助言を受ける一方、実際に重大な負傷を経験したレーサーの意見を聞くことも重要だと考えたと説明した。

    「ケガをしたあと、医療チームからたくさんのアドバイスを受けた。でも、僕にとっては同じような経験をしたライダーの意見を聞くことが重要だった」

    そこでハジャーが意見を求めたのが、MotoGPで幾度も負傷と復帰を経験してきたマルク・マルケスだった。

    「ボイスメッセージをやり取りした」

    「彼からは、こういう状況なら大きなリスクを避けるために、その週末は欠場した方がいいと言われた」

    インタビュー時、ハジャーは負傷した手首に軽いブレースを装着していた。

    7歳からレースを続けて初めての負傷欠場
    21歳のハジャーにとって、負傷を理由にレースウイークを欠場するのは今回が初めてだった。それだけに、自分が走らずにレースを外から見守るという状況には強い違和感があったという。

    「僕は7歳からレースをしている。今は21歳だけど、ケガが理由でレースウイークを欠場したことは一度もなかった」

    「参加せずに外から見ているのは本当に変な感じだった。でも、仕方ない」

    それでもハジャーはオランダGPの週末を通じてレッドブルに帯同。コックピットから離れてチームやレースウイーク全体の動きを観察したことで、普段とは異なる視点を得ることができたと振り返った。

    「学べることは常にある」外から見て得た新たな視点
    ハジャーは、実際にマシンをドライブしているレースウイークでは、自分自身が直面している問題の解決に集中するあまり、周囲の情報を十分に拾えない場合があると説明した。

    「実際に参加せずにレースウイークを追うのは今回が初めてだったけど、それはそれで興味深かった」

    「学べることは常にある。レースウイークでは普段、特定の問題を解決することに集中していて、自分が『トンネルの中』にいるような感覚になる。だから、役に立つかもしれない情報を見逃してしまうこともある」

    負傷したハジャーに代わり、ザントフォールトではリアム・ローソンがレッドブルから出場し、決勝を7位でフィニッシュした。

    7歳でレースを始めてから初めて負傷による欠場を経験したハジャー。走れないことへの違和感を抱えながらも、普段は得られない視点からF1のレースウイークを観察し、その時間を新たな学びの機会に変えた。現在は次戦イタリアGPが行われるモンツァでの復帰を目指している。

  • 角田裕毅 インディカー移籍報道 F1を最優先も「2年間ガレージにいる気はない」

    角田裕毅 インディカー移籍報道 F1を最優先も「2年間ガレージにいる気はない」

    角田裕毅が、2027年に向けてインディカーへの転向を模索しているとの報道について言及した。自身のマネジメント側の動きについては関与していないとしながら、最優先の目標はあくまでF1で走り続け、成功を収めることだと強調している。

    一方で、F1のシートを待つために長期間レースから離れる考えもない。2027年のF1シートを確保できなかった場合には他カテゴリーを検討する可能性を認め、現役ドライバーとしてレースを続けることへの強い意欲を示した。

    8カ月ぶりのF1復帰で存在感
    角田裕毅は2025年シーズン限りでレッドブル・レーシングのレースシートを失い、2026年はリザーブドライバーを務めてきた。

    しかし、アイザック・ハジャーが負傷したことで、先週末のF1オランダGPでは急きょドライバーラインアップが変更された。リアム・ローソンがハジャーの代役としてレッドブル・レーシングに昇格し、角田裕毅はレーシングブルズからアービッド・リンドブラッドとともに出場した。

    角田裕毅にとっては2025年最終戦以来となるF1レースへの復帰だった。ザントフォールトでは短い準備期間ながらマシンへの適応を進め、決勝では11位。ポイント獲得にはあと一歩届かなかったものの、久々の実戦でF1復帰へのアピールを果たした。

    インディカーの約半数のチームと接触との報道
    そうしたなか、アメリカの『Racer』は、角田裕毅のマネジメントチームが2027年に向けてインディカー参戦の可能性を探っていると報じた。

    報道によれば、角田裕毅のマネジメント側は2027年にどのような選択肢があるのかを確認するため、インディカーに参戦するチームのほぼ半数と話をしたという。

    F1で2027年のレギュラーシートを確保できる保証がない状況だけに、将来に備えて選択肢を広げているとみられている。

    ただし、角田裕毅本人はそうした交渉について、自分が直接関与する仕事ではないとの姿勢を示している。

    「そういうことを見るのは僕の仕事ではないです」と角田裕毅はRacingNews365を含む一部メディアに語った。

    「そこは完全にマネージャーに任せていますし、僕の仕事は速く走ることです」

    「僕の気持ちは常にF1にある」
    角田裕毅は、インディカー移籍の可能性そのものを完全に否定したわけではない。ただ、現在の自身の目標がF1にあることについては明確にしている。

    「僕の気持ちは常にF1にあります。僕の一番の目標は、ずっとF1で走って、そこで成功することです。それは何があっても変わりません」

    2026年はレッドブル・レーシングのリザーブとしてF1に残っているものの、レースに出場する機会は限られている。オランダGPで久々に実戦復帰した角田裕毅にとって、レースから長期間離れ続けることも望む選択肢ではない。

    「でも、2年間ずっとガレージにいるつもりもないです。僕はレースもしたいです」

    この言葉からは、F1残留を最優先としながらも、レースに出場できない状態を無期限に受け入れるつもりはないという角田裕毅の考えがうかがえる。

    2027年F1シートがなければ他カテゴリーも検討
    角田裕毅は、2027年のF1シートを確保できなかった場合には、他カテゴリーへ目を向ける必要があることも認めた。

    「もし何か可能性が出てきたり、来年のシートを見つけられなかったりしたら、そのときは他のカテゴリーを探さなければならないと思います」

    それでも、F1への挑戦を諦めるタイミングを現時点で設定するつもりはない。

    「でも、来年実際にどこかでコースを走るその瞬間までは、僕の気持ちはずっとF1にあります」

    角田裕毅にとって最優先事項は2027年のF1レギュラーシート獲得であり、その姿勢に変わりはない。一方で、レースから長期間離れることを避けるため、マネジメント側がインディカーを含む別カテゴリーの可能性を探ることについても扉は閉ざしていない。

    オランダGPで久々にF1のグリッドへ戻った角田裕毅は、F1で走り続けることを最後まで追求しながら、ドライバーとしてレースを続けるための現実的な選択肢も視野に入れている。

  • フェラーリF1 モンツァでシューマッハ特別カラーリング 1996年仕様をオマージュ

    フェラーリF1 モンツァでシューマッハ特別カラーリング 1996年仕様をオマージュ

    フェラーリは、2026年F1第13戦イタリアGPでミハエル・シューマッハに捧げる特別カラーリングをSF-26に採用する。シューマッハがフェラーリに加入した1996年から30周年を迎えることを記念したもので、モンツァではカラーリング以外にも複数の記念企画が準備されているという。

    特別仕様のSF-26は、シューマッハがフェラーリで最初にドライブした1996年のF310をモチーフとする見込みだ。

    Autoracerによると、当時を象徴する赤と黒の組み合わせにゴールドのホイールを加え、現代のF1に合わせて再解釈したデザインになるという。完全なレプリカではなく、1996年仕様の特徴を現在のSF-26に落とし込む形となる。

    シューマッハのフェラーリ加入から30周年
    1996年は、フェラーリの近代史における大きな転換点だった。ベネトンで1994年と1995年に2年連続のF1ワールドチャンピオンとなったシューマッハがマラネロに加入し、長期的な再建プロジェクトが本格的にスタートした。

    当時のF310はタイトルを争えるほどの競争力を備えたマシンではなかったが、シューマッハはスペインGP、ベルギーGP、イタリアGPで3勝を挙げた。特にモンツァでの勝利は、フェラーリ加入初年度のシューマッハとティフォシとの関係を決定づける象徴的な一戦となった。

    その1996年型F310で特徴的だったのが、鮮烈な赤いボディと黒いウイング、そしてゴールドのホイールだった。今回のSF-26では、そうした要素をそのままコピーするのではなく、現在のスポンサーやグラフィックを踏まえながら現代風に再構成するとされている。

    フェラーリ自身もイタリアGPを前に「Home is calling」と題したティザー映像を公開。そこには1996年のF310のノーズやシューマッハのカーナンバー「1」を想起させる演出が盛り込まれており、1996年をテーマとした特別仕様の登場を予告している。

    ミハエル・シューマッハ(スクーデリア・フェラーリ)

    1996年から2006年まで築いた黄金時代
    シューマッハの加入は、単なるトップドライバーの獲得ではなかった。すぐにタイトル獲得には至らなかったものの、その後フェラーリはジャン・トッド、ロス・ブラウン、ロリー・バーンらを中心とする強力な体制を築き、F1を代表するチームへと返り咲いていった。

    シューマッハは2000年にフェラーリへ21年ぶりとなるドライバーズタイトルをもたらすと、2004年まで5年連続でワールドチャンピオンを獲得。フェラーリでは通算71勝を挙げ、チーム史上最も成功した時代を築いた。

    2026年は、シューマッハがフェラーリで最初の勝利を挙げた1996年から30周年であると同時に、最後の勝利を記録した2006年から20周年にもあたる。1996年から2006年までの10年間は、シューマッハとフェラーリの歴史そのものを象徴する期間となった。

    モンツァで複数のシューマッハ記念企画
    Motorsport.com Italiaによれば、フェラーリが用意しているトリビュートはSF-26のカラーリングだけではない。モンツァではシューマッハに捧げる複数の企画が準備されており、その詳細は今後数日以内に正式発表される予定だという。

    ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールがドライブする2台のSF-26は、フェラーリの歴史に一時代を築いたシューマッハへの敬意を込めた特別仕様でホームレースに臨むことになる。

    フェラーリにとってモンツァは、ティフォシとの結びつきを最も強く感じさせる特別な舞台だ。そのモンツァで、シューマッハがマラネロでの挑戦を始めた1996年のF310を現代のSF-26で蘇らせる。フェラーリの黄金時代の「始まり」に焦点を当てた今回の特別カラーリングは、2026年F1イタリアGPの大きな注目点となりそうだ。

  • 2027年F1開幕戦に中国GP案 中東情勢次第で日本GPとのアジア連戦

    2027年F1開幕戦に中国GP案 中東情勢次第で日本GPとのアジア連戦

    F1は2027年シーズンの開幕戦について、中東情勢が改善せずバーレーンGPとサウジアラビアGPでの開幕が困難になった場合、中国GPを開幕戦とする代替案を検討している。The Raceが報じた。

    F1は現在、2月に米国とイランの間で勃発した紛争を受け、中東情勢を慎重に見守っている。今後数週間で下される判断は2026年シーズン終盤のカレンダーだけでなく、まだ発表されていない2027年のスケジュールにも大きな影響を及ぼすことになる。

    9月末に中東開催を判断
    中東情勢の緊迫化によって、2026年はすでにバーレーンGPとサウジアラビアGPが中止となった。その代替として、バーレーン側の資金提供を受けたマレーシアGPが10月上旬に組み込まれている。

    さらに、シーズン終盤に予定されているカタールGPとアブダビGPについても、現時点では開催が確定したわけではない。

    F1は以前から、この2戦を予定通り実施できるかどうかについて9月末までに判断する方針を示している。

    F1のステファノ・ドメニカリCEOはオランダGPの週末、F1公式チャンネルに対してカレンダーは「確定している」と発言した。しかし、これはカタールGPとアブダビGPの開催について最終決定が下されたという意味ではなく、現時点では予定通り開催することを前提として準備を進めているという意味だとThe Raceは伝えている。

    「カレンダーは確定している。だから、アブダビではまだ販売できるチケットがいくつか残っている」

    「すべて順調に進んでいるし、シーズン当初に約束したカレンダーを実現することに集中している」

    ただし、9月末までに米国とイランの紛争が終結していない場合、F1はカタールGPとアブダビGPの開催を断念する可能性が高い。

    その場合、2026年シーズン最終戦は12月のイモラになる見通しで、ラスベガスGPから2週間後の開催が最有力とされている。

    2027年のプランAはバーレーン開幕
    中東情勢は2027年のF1カレンダーにも直接影響している。

    F1は例年であれば夏の段階で翌年のカレンダーを発表してきたが、2027年については暫定カレンダーの公表を見合わせている。このため、各グランプリのプロモーターにとってはチケット販売を本格化させにくい状況となっている。

    The Raceによると、F1が現在想定している2027年の「プランA」は、3月14日のバーレーンGPを開幕戦とし、翌週3月21日にサウジアラビアGPを開催するものだ。

    その後、4月4日のオーストラリアGP、4月11日の日本GP、4月18日の中国GPという3週連続開催につなげる計画となっている。

    つまり、現時点で想定されている序盤5戦は以下の順番となる。

    3月14日 バーレーンGP
    3月21日 サウジアラビアGP
    4月4日 オーストラリアGP
    4月11日 日本GP
    4月18日 中国GP

    しかし、9月末になっても中東情勢が改善していなければ、このスケジュールを組み替える必要が生じる。

    日本グランプリ(鈴鹿サーキット)

    代替案では中国GPが2027年F1開幕戦
    その場合の有力な代替案として浮上しているのが、中国GPを2027年F1シーズンの開幕戦とするプランだ。

    The Raceによると、バーレーンとサウジアラビアでシーズンを開始できない場合、F1は3月に中国GPを開催し、その後に日本GPを続けることを有力な選択肢として検討している。

    通常であれば、過去に何度もF1開幕戦を務めてきたオーストラリアGPを前倒しすることも考えられる。しかし、2027年のメルボルンでは新しいピットビルディングの建設工事が行われる予定で、現在想定されている4月の開催時期から大幅に前倒しすることができない。

    このため、中国GPと日本GPを先に開催し、オーストラリアGPをその後に組み込む案が浮上している。

    オーストラリアGPについては、中国GP、日本GPと合わせた3週連続開催の最終戦とするか、アジア2連戦の後に単独で開催する可能性がある。

    バーレーンとサウジアラビアを4月以降へ延期する選択肢も
    中国、日本、オーストラリアでシーズンをスタートすることになった場合、次に問題となるのがバーレーンGPとサウジアラビアGPの扱いだ。

    F1は両レースを完全に断念するのではなく、4月まで延期して中東情勢が改善することを待つ選択肢も検討することになる。

    もうひとつの可能性は、他のグランプリを前倒しし、バーレーンとサウジアラビアをさらにシーズン後半へ移動させる方法だ。

    いずれにしても、2027年のカレンダーを確定するうえで、2026年9月末の中東情勢が重要な判断材料となる。

    ドメニカリ「2027年も24戦を維持する」
    ドメニカリは夏休み中、中東で何が起きたとしても、2027年は予定しているフルカレンダーを実施する方針を明言している。

    「さまざまな状況に対応できるよう、異なる選択肢を持った複数のプランをすでに用意している」

    「いずれにしても、来年も24グランプリという目標を維持できるように対応していく」

    F1としては、中東2戦が当初予定された時期に開催できなくなったとしても、日程を組み替えることで年間24戦を維持する考えだ。

    一方、2026年シーズンについては、カタールGPとアブダビGPの開催可否によって年間22戦または23戦となる見通しだ。

    2027年F1カレンダーは、バーレーンとサウジアラビアで開幕する現在の「プランA」を基本としながら、中東情勢次第では中国GPを開幕戦、日本GPを第2戦とする代替案が準備されている。9月末に予定される2026年終盤戦の判断は、同時に2027年シーズン序盤の構成を左右する重要な節目となりそうだ。

  • ハースF1 オコン後任へ3人を“オーディション” カマラ、フォルナローリ、平川亮

    ハースF1 オコン後任へ3人を“オーディション” カマラ、フォルナローリ、平川亮

    ハースが2027年F1シートを巡る事実上の“オーディション”を実施すると報じられている。エステバン・オコンの後任候補として、ラファエル・カマラ、レオナルド・フォルナローリ、平川亮の3人がポルティマオでテストに臨むという。

    ブラジル『UOL』のジュリアン・セラソリによれば、テストは水曜日と木曜日に行われる予定で、フェラーリとマクラーレンがそれぞれの有望株を2027年のF1グリッドに送り込もうとするなか、トヨタの支援を受ける平川亮も候補に加わる。

    オリバー・ベアマンも走行し、3人を評価するための比較対象になるとされている。

    オコン後任へポルティマオで“オーディション”
    今回のテストに参加すると報じられているのは、フェラーリ・ドライバー・アカデミーのブラジル人ドライバー、ラファエル・カマラ、マクラーレンのリザーブドライバーを務めるレオナルド・フォルナローリ、そしてトヨタの支援を受け、現在ハースのリザーブドライバーを務める平川亮だ。

    ハースは2027年にベアマンと組むドライバーとしてオコンに代わる候補を見極めるため、非公式なオーディションを行うとされている。

    ベアマン自身もテストに参加するが、シートを争う候補ではなく、3人のパフォーマンスを判断するための比較対象という位置づけになる。

    フェラーリとマクラーレンはいずれも、自らが推すドライバーを2027年に残された数少ないF1シートのひとつに送り込もうと強く働きかけているという。

    フェラーリが推しているのがカマラで、キャデラックの候補としても名前が挙がっている。一方、マクラーレンはフォルナローリを支援している。

    さらに、32歳の平川亮についても、トヨタがF1グリッド入りを望んでいると報じられている。

    平川亮(ハースF1チーム)

    フェラーリはカマラを全面支援
    なかでもフェラーリは、カマラのF1昇格に向けて大規模な支援を行っている。

    フェラーリF1チーム代表のフレデリック・バスールは『UOL』に対し、カマラへの投資について次のように語った。

    「我々はラファエルを全面的に支援している。単なる金銭的な支援という話ではない。資金面での支援も行ってきたが、今年は旧型車を使ったトレーニングにも多額の投資をしてきた」

    「そのコストは、金銭的な支援そのものよりもはるかに大きい。来週のテスト、そして来シーズンに向けて彼を可能な限り準備させるためだ。パートナーであるハースも、来年彼をF1に送り込むための最善の方法を見つけようとしている」

    フェラーリは資金面でカマラを支援するだけでなく、旧型F1マシンを使ったトレーニングにも多額の費用を投じ、今回のテストとその先を見据えた準備を進めている。

    カマラはリザーブ起用にとどまる可能性も
    ただし、カマラが今回のテストで最もF1への準備が整ったドライバー、あるいは最も即戦力としての可能性を示したとしても、2027年のレギュラーシート獲得が保証されるわけではない。

    カマラの2027年の役割がハースのテスト兼リザーブドライバーにとどまる可能性も十分にあるという。

    ハースはF1グリッドのなかでも資金力が比較的小さいチームであり、別のドライバーがスポンサーや投資という形でより多くの資金をもたらすことができると判断すれば、別の選択肢に向かう可能性もあるとされている。

    マクラーレンはF3&F2王者フォルナローリを後押し
    その対抗候補となるのがフォルナローリだ。

    マクラーレンはフォルナローリの将来に大きく投資してきた。フォルナローリは2024年のFIA F3、2025年のFIA F2で2年連続タイトルを獲得しており、今回のテストでハースのシート候補として評価を受けることになる。

    フェラーリが全面的に支援するカマラ、マクラーレンが投資してきたフォルナローリ、そしてトヨタの支援を受け、すでにハースのリザーブを務める平川亮。3人が参加するとされるポルティマオでのテストは、オコンの後任を巡る2027年のF1シート争いを占う重要な機会となりそうだ。

  • マドリンク F1スペインGP開催へ前進 F3テストで安全確認を完了

    マドリンク F1スペインGP開催へ前進 F3テストで安全確認を完了

    2026年F1スペインGPの舞台となる新サーキット「マドリンク(Madring)」で、FIA F3による2日間の公式テストが行われた。9月11~13日のF1開催を前に実施された重要な実走確認となり、FIAから安全要件やマーシャルの対応について問題は報告されなかった。

    マドリードに建設されたマドリンクで公式カテゴリーのマシンが走行するのは今回が初めて。FIA F3のドライバーたちは新コースの評価を行うと同時に、サーキット側にとっても安全設備や運営手順を実戦に近い環境で確認する機会となった。

    F1スペインGPを前にマドリンクで初の公式テスト
    FIA F3のテストは月曜日と火曜日の2日間にわたって行われた。2026年F1スペインGPの開催まで3週間を切るなか、マドリンクにとっては本番に向けた重要な準備段階のひとつとなった。

    今回の走行では単にFIA F3各チームがマシンのテストを行っただけではなく、コースが求められる安全要件を満たしているかについても確認が行われた。

    さらに、コース上でインシデントが発生した場合のマーシャルの反応や各種手順についてもチェックされた。Mundo Deportivoによれば、FIAからこれらの安全面や運営面に関する問題は公式には報告されていない。

    F1開催に向けて最終的な準備が続く新設サーキットにとって、実際のフォーミュラカーを使った2日間のテストを大きな問題なく終えたことは重要なステップとなる。

    スレーター「走ったことがある中で最高のサーキットのひとつ」
    ドライバーからもマドリンクには好意的な評価が寄せられた。

    FIA F3選手権リーダーで、初日のテストで最速タイムを記録したアウディの育成ドライバー、フレディ・スレーターは、月曜日の最終セッションを終えた後、FIA F3公式サイトで新コースへの強い印象を語った。

    「全部が大好きだよ」

    「素晴らしいと思う。僕がこれまで走ったサーキットの中でも最高のひとつだと思う」

    スレーターは、マドリンクの特徴としてコースそのものが持つ「キャラクター」を挙げた。

    「マカオやモナコのような最高のサーキットには、どれもキャラクターがある。ここで彼らが作り上げたものの中で、それが一番特別な部分だと思う」

    「お気に入りの場所をひとつ選ぶことはできないけど、ターン5とターン6のシケインはすごく気に入っている」

    市街地コースとして独特の個性を持つマドリンクを、マカオやモナコと比較しながら高く評価した。

    マドリンク F1 スペイングランプリ

    ウゴチュクウが2日間の総合最速
    2日目となった火曜日は、カンポス・レーシングのウーゴ・ウゴチュクウが午前のセッションで1分49秒034を記録。このタイムが2日間を通じた最速タイムとなった。

    午後のセッションではトライデントのスレーターが1分49秒685でトップに立ったが、この日は午前中のコンディションの方が速く、1日の上位9タイムはいずれも午前のセッションで記録された。

    VARの山越陽悠が1分49秒227で2番手、同じくVARのエンツォ・デリニーが1分49秒501で3番手につけた。

    以下、4番手にカンポス・レーシングのエルネスト・リベラ、5番手にMPモータースポーツのトゥーカ・タポネン、6番手にVARのブルーノ・デル・ピノ、7番手にAIXレーシングのイェヴァン・デイビッド、8番手にARTグランプリのりー海夏澄、9番手に同じくARTグランプリの加藤大翔が続いた。

    スレーターのタイムはこの日の10番手だった。

    F1初開催へ実走によるチェックを完了
    マドリンクでは9月11~13日に2026年F1スペインGPが開催される。新設サーキットだけに、F1マシンが本格的に走行する前に、安全設備だけでなくマーシャルを含めた運営体制を実走環境で確認することは重要な意味を持つ。

    今回のFIA F3テストでは、ドライバーからコースレイアウトに好意的な評価が寄せられ、安全面や運営手順についてもFIAから問題は報告されなかった。

    FIA F3による史上初の公式テストを終えたマドリンクは、2026年F1スペインGP開催に向けて重要な事前確認をひとつ完了した。

  • FIA コラピントのスポンサーによる「F1の公正性を壊している」批判に声明

    FIA コラピントのスポンサーによる「F1の公正性を壊している」批判に声明

    FIA(国際自動車連盟)は、F1オランダGP後にフランコ・コラピントの主要スポンサーからスチュワードに厳しい批判が向けられたことを受け、正式な声明を発表した。

    発端となったのは、アルピーヌのコラピントがザントフォールトの決勝で受けたペナルティだ。コラピントの主要スポンサーであるメルカド・リブレのCMO(最高マーケティング責任者)ショーン・サマーズは、スチュワードについて「F1の公正性を壊している」とSNSで痛烈に批判。

    FIAはこれに対し、判定への異議とスチュワード個人への攻撃は区別されるべきだとの立場を示した。

    コラピントにドライブスルーペナルティ
    オランダGPの決勝1周目、マックス・フェルスタッペンがクラッシュし、さらに最終コーナーではガブリエル・ボルトレトがスピン。コース上には黄旗が提示された。

    この状況でコラピントは角田裕毅をオーバーテイクしたと判断され、スチュワードからドライブスルーペナルティと2点のペナルティポイントを科された。

    さらにコラピントは別の黄旗区間で十分に減速しなかったとして、追加で1点のペナルティポイントを科されている。

    コラピント自身はレース後、この裁定について「極めて厳しい」と不満を示した。角田裕毅を抜かないために急ブレーキを踏む方が、むしろ危険だったとの考えを説明している。

    「ものすごく強くブレーキを踏んで抜かないようにする方が危険だったと思う。あの判断は極めて厳しかった」

    同じオープニングラップで同様のペナルティを受けたレーシングブルズのアービッド・リンドブラッドも、スチュワードの判断に疑問を呈した。

    リンドブラッドは、個々のインシデントの状況を評価するというよりも、スチュワードが今後に向けた「前例を作ろうとしている」と感じたと語っている。

    主要スポンサーがFIAを痛烈批判
    レース後、コラピントの主要スポンサーであるメルカド・リブレのCMO、ショーン・サマーズはXを通じてFIAスチュワードを強く批判した。

    「FIAのスチュワードはF1の公正性を壊している」

    「今シーズン、彼らはひどい仕事をしており、レース結果に影響を及ぼしていることを証明している。無能なのか? 不誠実なのか? それとも両方なのか? あの組織の文化には何か深刻な問題がある」

    単なる判定への異議にとどまらず、FIAの組織文化そのものに疑問を投げかける厳しい内容だった。

    FIA(国際自動車連盟)

    FIAが正式声明「脅迫や個人攻撃を正当化するものではない」
    これを受け、FIAはオランダGP後にスチュワードへ向けられたオンライン上の攻撃について声明を発表した。

    「オランダGP後、FIAスチュワードはFIAのレギュレーションに従ってスポーティングペナルティを適用したことで、オンライン上で誹謗中傷の標的となりました」

    「United Against Online Abuse連合は、あらゆる形態の誹謗中傷やハラスメントを非難します。判定に対する意見の相違はスポーツの一部ですが、それが脅迫や個人攻撃を正当化することは決してありません」

    さらにFIAは、今回が初めての問題ではないことも強調した。

    「2023年、アメリカGP後にスチュワードのひとりが標的を絞った誹謗中傷を受けたことをきっかけに、FIAはUnited Against Online Abuse連合を立ち上げました」

    「私たちのスポーツに関わるすべての皆様に、オンライン、オフラインを問わず、敬意と責任を持って行動していただくようお願いします」

    判定そのものへの反論には踏み込まず
    一方で、今回のFIA声明は、コラピントに対するペナルティが妥当だった理由を改めて説明する内容ではない。

    コラピントやリンドブラッドが主張した黄旗下での状況判断や、サマーズが提起したスチュワードの判定基準そのものへの批判について、FIAは具体的な反論を示していない。

    FIAが声明で焦点を当てたのは、スポーツ上の判定に対する意見の相違は認められる一方、それがスチュワード個人への誹謗中傷や脅迫に発展してはならないという点だ。

    オランダGPでは黄旗を巡る裁定がコラピントとリンドブラッドのレース結果に大きな影響を及ぼし、両ドライバーから厳しすぎるとの声が上がった。その議論はレース後、スポンサーによるFIAへの異例の批判、そしてFIAによる正式声明へと発展する形となった。