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  • マクラーレンF1再建の鍵はオスカー・ピアストリ ステラがカリスマ性を評価

    マクラーレンF1再建の鍵はオスカー・ピアストリ ステラがカリスマ性を評価

    開幕から3戦で3度のスタート不能という厳しい状況に直面したマクラーレンだが、チーム内部では立て直しへの兆しが見え始めている。オスカー・ピアストリの存在が、その中心にある。

    アンドレア・ステラ代表は、苦境の中でも揺るがないピアストリの姿勢とリーダーシップがチーム全体に影響を与えていると強調。マクラーレンは今後のアップグレードによって競争力の回復を目指す構えだ。

    苦境の中で際立つピアストリの存在感
    開幕戦オーストラリアGPではグリッドへ向かう途中でクラッシュを喫し、中国GPではパワーユニットの電子系トラブルにより、ランド・ノリスとともにスタートすらできなかった。

    それでも日本GPでは3番手からスタートし、序盤にトップへ浮上。ジョージ・ラッセルを抑え込む走りを見せたが、セーフティカーの影響でキミ・アントネッリに首位を譲り、最終的には2位でフィニッシュした。

    シーズン序盤の混乱の中でも、ピアストリは着実に結果を残し、チーム内での存在感を強めている。

    ステラ「チームに力を与えるカリスマ性」
    ステラはピアストリについて、その安定感と精神的な強さがチームに波及していると評価する。

    「むしろ我々が見てきたのは、彼の落ち着きと強さだ。それをチームに伝えることができている」

    「ドライバーが発揮するカリスマ性のあるリーダーシップから、チームは多くのインスピレーションを得ている。それが今回の困難な状況の中で、確実にチーム全体を押し上げている」

    「オスカーがこの状況にどう向き合ってきたかは本当に見事だ。だからこそ今度は、マクラーレンとしてランドとオスカーに勝てるマシンを提供する責任がある」

    勝利争いへ向けた課題は“数コンマ秒”
    マクラーレンが安定して勝利争いに加わるためには、まだ明確な課題が残されている。ステラはシャシー性能の底上げが不可欠だと語る。

    「将来的にこの位置に常にい続けたいのであれば、シャシーをコンマ数秒改善しなければならない」

    「それが、今後のレースに向けたアップグレードの目的だ」

    苦しいスタートを切ったマクラーレンだが、ピアストリのリーダーシップとチームの開発力が噛み合えば、シーズン中盤以降に巻き返す可能性は十分に残されている。

  • オリバー・ベアマン F1日本GPクラッシュでコラピント非難「受け入れられない」

    オリバー・ベアマン F1日本GPクラッシュでコラピント非難「受け入れられない」

    ハースF1チームのオリバー・ベアマンは、2026年F1日本GPで発生した自身の大クラッシュについて、フランコ・コラピントの防御動作が原因だったとして「受け入れられない」と非難した。

    鈴鹿のスプーンカーブで時速191マイル、50Gを記録する激しい事故を喫したベアマンは、重大な負傷を避けたものの、2026年F1レギュレーション下で拡大した速度差と、ドライバー間の守り方の変化が危険な状況を生んだと訴えている。

    ベアマン「コラピントの動きは受け入れられなかった」
    オリバー・ベアマンは、事故後初めて公の場でこのクラッシュについて語り、フランコ・コラピントの動きが危険だったと明言した。

    「それは50km/hの速度差だった。僕たちの今のレギュレーションが生んだ、本当に不運な結果だった」

    「フランコはポジションを守るために、僕の前でラインを変えた。昨年なら、限界ぎりぎりではあっても、おそらく問題はなかった。速度差は5km/hか10km/hくらいだったはずだからだ。でも50km/hの差がある状況では、彼は僕に十分なスペースを残さなかったし、僕はもっと大きなクラッシュを避けるために回避しなければならなかった」

    「彼が左に動いたのは小さな動きだった。でも、あの速度差ではどんな動きも大きい。だから接触しなかったのは幸運だった。もし当たっていたら、はるかにひどいことになっていたはずだ」

    ベアマンはさらに、その前の金曜にドライバー間で防御のあり方について話し合っていたことも明かし、その直後に同様の場面が起きたことへの不満を隠さなかった。

    「でも、もっと苛立たしいのは、金曜日に僕たち全員のドライバーでそのことを話していたことだ。お互いにもう少し敬意を持とう、と。ポジションを守るなら、もう少し早めに動くべきだ。今はこのスポーツでかつてないほど速度差が大きいのだから」

    「それなのに、その2日後にあれが起きた。僕にとっては受け入れられなかった」

    「だから、僕たちはドライバー同士で解決策を見つけなければならないし、もっと互いに敬意を持つ必要がある。僕は彼のあの行動に本当に納得していない」

    “昨年なら許容範囲”でも今年は危険領域
    ベアマンは、今回の件が単純な防御の是非ではなく、2026年F1マシン特有の速度差によって、これまで成立していた駆け引きが危険行為に変わってしまった点にあると説明した。

    「彼は僕が来るのを見て動いた。昨年なら、それでも問題なかったと思う。でも今年は違う。彼は僕が来るのに気づくのが遅すぎた」

    「僕はものすごい速度差で接近している。そうなると、その段階ではもう動くには遅すぎる。彼はミラーを見て左に動いたように見えたが、それは良くない」

    「昨年は誰もが最後の最後まで限界まで守っていた。オーバーテイクはとても難しかったし、レギュレーションも成熟していて、誰もがそのマシンの限界を理解していた」

    「でも今は新しい時代に入っていて、その限界がまだ正確には分かっていない」

    この発言は、現在の2026年F1が抱える問題を象徴している。エネルギー回生や出力制御によって直線での速度差が従来以上に開き、これまでなら成立していた“最後の一手”の防御が、深刻なリスクを伴うようになっているからだ。

    オリバー・ベアマン 日本グランプリ

    家族に無事を見せるため、すぐにマシンを降りたかった
    ベアマンは、クラッシュそのものについても振り返り、コントロールを失った瞬間に衝撃の大きさを覚悟していたと明かした。

    「制御を失った時、それが痛いものになると分かっていたのは確かだ」

    「それからもちろん、できるだけ早くマシンを降りたいと思った。外から見れば大きなクラッシュだったけど、マシンのダメージはその規模のわりには大きくなかった。シャシーも大丈夫だったし、僕もほとんど問題なかった」

    「ただ、いつも見ている家族に、自分が大丈夫だと見せるために早く降りたかったんだ」

    「外から見れば大事故だったけど、大丈夫だった。今のマシンは本当に信じられないほど安全だし、それはFIAがしている仕事の証明でもある」

    今回のベアマンの証言は、鈴鹿での50Gクラッシュが単なる一件のアクシデントではなく、2026年F1のレース基準そのものが過渡期にあることを浮き彫りにした。速度差が拡大した現在、ドライバー同士の判断基準と防御のマナーが従来のままでは通用しない現実がある。FIAの技術的議論と並行して、ドライバー側でも新時代にふさわしい共通認識を築けるかが問われている。

  • アストンマーティンF1 苦境でも団結維持 デ・ラ・ロサ「開発は止まっていない」

    アストンマーティンF1 苦境でも団結維持 デ・ラ・ロサ「開発は止まっていない」

    アストンマーティンF1のアンバサダーであるペドロ・デ・ラ・ロサは、開幕から苦戦が続くAMR26について、チームは冷静さを保ちながら開発を進めていると強調した。ホンダ製パワーユニットの振動問題やパフォーマンス不足に直面するなかでも、開発の歩みは止まっていないという。

    シーズン序盤で大きく後れを取る状況にあるが、デ・ラ・ロサは内部での進展を評価しており、数値以上に改善は進んでいると説明する。

    現状の苦境は認めつつも、チームの結束と開発体制には確かな手応えを感じているようだ。

    AMR26は全領域で課題も開発は継続
    ホンダ製パワーユニットを搭載するAMR26は、ラップあたり約4秒の遅れを抱え、グリッド後方に沈んでいる。この遅れは単一の要因ではなく、複数の問題が重なった結果だとされている。

    そのため、ホンダは振動の解消と出力向上に取り組む一方、チームはシャシーと空力の改善に注力している。軽量化だけでなく、ダウンフォースの増加とその作動域の拡大も重要なテーマとなっている。

    デ・ラ・ロサ「冷静さと団結を維持した」
    「非常に難しい状況で作業しているが、我々は冷静さと団結を保ってきた」とペドロ・デ・ラ・ロサは語った。

    「まず、今の位置にいるとは予想していなかった。本来はもっと競争力があるはずだった。だから受け入れるのは難しかった」

    「外からは分かりにくいが、実際には舞台裏で多くの作業が進んでいる。チーム全体の反応を見るのは非常に励みになった。忍耐と団結を示している」

    「開発は優れたペースで進んでいる」
    振動問題は依然として大きな課題だが、開発そのものは止まっていない。スケジュールには影響が出ているものの、アップデートはマイアミ以降のレースで投入される予定だ。

    「バルセロナのテスト以来、振動問題はかなり軽減してきた。ドライバーがマシンに乗るたびに改善している」

    「オーストラリアでは空力パッケージを投入した。それによってクルマは大きく速くなった」

    「我々は本来あるべき形で開発を続けているし、そのペースも非常に良い。振動問題によって開発の方向性を変えたわけではない」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    テスト不足が開発の足かせに
    一方で、レースの中断は開発にとってマイナス要素でもある。デ・ラ・ロサは、実戦こそが最良の開発機会だと強調する。

    「レースカーを開発する最良の方法は、実際にレースをすることだ」

    「今回の中断は我々にとって有利ではない。新しいレギュレーションのもとで学ぶ必要があるからだ」

    「我々は遅れている。これまでのレースとテストで走行距離が大きく不足している。だから毎週レースをしたいと思っている」

    「とはいえ状況は全チーム同じだ。この期間を利用して立て直し、裏での作業に集中する時間にもなる」

    巻き返しの鍵は今後2カ月の開発
    現時点でAMR26はパワーユニット、シャシー、空力のすべてに課題を抱えているが、開発自体は計画通り進行しているとチームは見ている。

    今後2カ月で投入されるアップデートがどこまで効果を発揮するかが、アストンマーティンのシーズンの流れを大きく左右することになりそうだ。

  • マックス・フェルスタッペンのF1批判にドメニカリが釘「言葉の重みを尊重せよ」

    マックス・フェルスタッペンのF1批判にドメニカリが釘「言葉の重みを尊重せよ」

    ステファノ・ドメニカリは、2026年F1レギュレーションに不満を示してきたマックス・フェルスタッペンの発言について、その懸念自体には理解を示しながらも、F1という競技に与える影響の大きさを意識するよう求めた。

    マックス・フェルスタッペンは今季の新規則について「反レース的」だと批判し、「マリオカートのようだ」「ステロイドを打ったフォーミュラEのようだ」とも表現している。

    日本GP後には、その不満の大きさから年末でF1を離れる可能性にまで言及していたが、ドメニカリは世界王者の率直な発言を尊重しつつも、その言葉が持つ重みを軽視すべきではないと釘を刺した。

    ドメニカリは対立構図を望まず
    ステファノ・ドメニカリは、フェルスタッペンとの間でこれまでも何度も話し合ってきたと明かし、双方がそれぞれの立場を理解していると説明した。

    ドメニカリは「マックスとはシーズン開幕以来、本当に何度も話をしてきた。だから我々は彼のコメントを理解しているし、私も彼のコメントを理解している。彼もまた、より大きな全体像を理解している」と語った。

    さらに、フェルスタッペンが会議の場でも積極的に提案を行っていたことを明かし、「彼は今日の会議でも非常に熱心に提案をしていた。だから、そこに対立構図を作り出そうとする罠には陥りたくない。それは私のやり方ではないし、我々が望む形でもない」と述べた。

    “最高のドライバー”の声だからこそ重い
    ドメニカリは、フェルスタッペンの意見が軽視されるべきではないとしたうえで、その発言力の大きさにも言及した。

    「我々はこれからも一緒にやっていく。彼は最高のドライバーであり、世界チャンピオンであり、何度も世界王者になっている。もちろん、彼の声には耳を傾けなければならない」とドメニカリは語った。

    その一方で、「ただもちろん、彼自身も、自分の声には重みがあることを分かっている。そして、その重みを尊重する必要がある。なぜなら時には、その言葉を誤って受け取る人たちもいるからだ。そういうことが起きるのは許すべきではない」と述べ、発言の受け止められ方に配慮すべきだとの認識を示した。

    焦点はエネルギー管理への不満
    フェルスタッペンが特に不満を抱いているのは、コクピット内でのエネルギー管理の比重が増し、バッテリー回生のために特定のコーナーでマシンの限界以下で走らなければならない点にある。

    この問題については、F1、各チーム、そしてFIAが今月の一連の会議で協議を進めている。ただし競技側は、レギュレーション全体を抜本的に変更するのではなく、最も大きな問題点に対処するための小幅な修正にとどめる考えを強調している。

    F1が与えてきた価値への敬意も要求
    ドメニカリはドライバーたちの懸念には耳を傾ける姿勢を示しながらも、F1というスポーツ自体を過度に貶めるような発言には慎重であるべきだと訴えた。

    「私が彼らに言ったのはこうだ。『いいか、我々がやっていることは、これまで一緒に正しいことをしてきたからこそ成り立っているということを忘れないでほしい』」とドメニカリは語った。

    そして「だから我々全員に素晴らしい成長の機会を与え、多くのお金をもたらし、他のスポーツでは得られないような世界的な個性を築く場を与えてくれたこのスポーツに対して、敬意を払ってほしい」と続けた。

    そのうえで、「私は彼らにそう伝えたし、それは理解されたと思っている。彼らとの会話は非常にオープンなものだし、私は彼らの意見を本当に大切にしている。彼らには関わっていてほしい」と説明した。

    勝者と敗者で異なる受け止め方
    ドメニカリは、トップを争うドライバーとそうでないドライバーとでは、現行レギュレーションに対する感じ方が異なるとの見方も示した。

    「ただもちろん、時にはある種の駆け引きも存在する。上位のドライバーたちに話を聞けば、彼らは勝っているのだから、常にとても満足しているものだ」とドメニカリは述べた。

    一方で「それ以外のドライバーたちは不満を抱くこともある。違うレースのあり方を好んでいるからでもあり、それについては私も大いに尊重している」と語り、立場によって見解が分かれる現状にも理解を示した。

    Source: ESPN

  • 2026F1年レギュレーションの欠陥をマルコが指摘 エンジン回帰で前提崩壊

    2026F1年レギュレーションの欠陥をマルコが指摘 エンジン回帰で前提崩壊

    F1は2026年レギュレーションの見直しを迫られている。レッドブルの元アドバイザーであるヘルムート・マルコは、現在の規則を「不完全」と断じ、早急な修正が必要だと主張した。

    背景には、電動化一辺倒だった開発思想からの変化がある。内燃エンジンが持続可能燃料によって再評価されるなか、F1の方向性そのものが揺らぎ始めている。

    電動化前提で設計された規則の限界
    マルコは、現在のレギュレーションが策定された当時の前提条件に問題があったと指摘する。

    「いくつかの点が見落とされていたが、当時は電気自動車が唯一の選択肢だという考え方が支配的だったことを忘れてはならない」

    「しかしその後、状況は大きく変わった。CO2を排出しない新しい燃料によって、内燃エンジンが環境的にも再評価されている」

    この発言は、2026年規則の根幹にある“電動化50%”という設計思想そのものが、すでに時代とズレ始めている可能性を示唆している。

    「理論と現実の乖離」 エネルギー配分の問題
    マルコは、電動と内燃エンジンの出力を50対50とするコンセプト自体には理解を示しつつも、実際のレースでは機能していないと断言する。

    「理論上は電動と内燃エンジンの50対50の配分は素晴らしく聞こえる。しかし実際には機能していない」

    「バッテリーは充電が必要だが、サーキットには十分な充電ゾーンが存在しない」

    この問題は、いわゆる“スーパークリッピング”やストレートでの失速現象を生み、レースの質そのものに影響を与えている。

    50km/h差が示す安全リスク
    さらにマルコは、安全面での懸念も強調した。

    「速度差が50km/hに達した。まるで相手のマシンが止まっているように感じた。このような状況は避けるべきだ」

    エネルギー回生と放出のタイミングによって極端な速度差が生まれる現状は、ドライバーの体感だけでなく実際のリスクとしても無視できない段階に来ている。

    F1の本質との乖離「それは本当のオーバーテイクではない」
    マルコは、現在のレースがF1本来の姿から逸脱していると強く批判する。

    「ルイス・ハミルトンが言うように、エネルギー管理がうまい者が有利になるのは事実だ。しかしそれはF1とはかけ離れている」

    「F1とは最速のドライバーが最速のマシンで勝つ競技だ」

    「ソフトウェアを最適化したエンジニアが勝敗を左右するべきではない」

    「バッテリーが満充電のマシンと空のマシンの差で抜くような状況は、本当のオーバーテイクではない。ただの通過に過ぎない」

    この指摘は、ドライバー主体の競技であるべきF1が、過度にエネルギー管理競争へと傾いている現状を端的に表している。

    ロズベルグは冷静姿勢「重要なのはバトル」
    一方で、2016年のワールドチャンピオンであるニコ・ロズベルグは、現状に対してより慎重な見方を示している。

    「多くの視聴者にとって奇妙に見えるのは理解できる。画面越しに見れば、この場面では全開で走るべきだと感じるだろう」

    「これらは世界最速のレーシングカーであるべきだからだ」

    「しかし私は比較的冷静に見ている。ドライバー同士の素晴らしいバトルが見られるのであれば、それが最も重要だ」

    揺らぐ2026年F1の方向性
    2026年レギュレーションは、持続可能性とパフォーマンスの両立を目指した野心的な試みだった。しかし実際には、エネルギー管理の複雑化や安全性、そして競技の本質に関わる問題が浮き彫りとなっている。

    内燃エンジンの再評価という外部環境の変化も加わり、F1は今、技術的にも哲学的にも大きな転換点に立たされている。今後の議論と修正が、このカテゴリーの未来を大きく左右することになる。

  • F1中東GP中止で収益1億ユーロ減か レーシングブルズ代表が再開催に言及

    F1中東GP中止で収益1億ユーロ減か レーシングブルズ代表が再開催に言及

    レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインは、バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止を受け、F1がシーズン後半での代替開催を依然として模索していると明かした。一方で、チーム財政への影響はすでに現れ始めており、再開催の可否は中東情勢に大きく左右される状況にある。

    両グランプリはカレンダーから外れたものの、特にサウジアラビア側からは再開催への圧力が強まっているとされ、年末開催の可能性も取り沙汰されている。

    しかし現実には、物流やスケジュールの制約に加え、コスト面の問題も深刻化している。

    年末再開催の可能性と現実的な障壁
    パーメインは、シーズン後半での代替開催に一定の期待を示しながらも、現時点では不透明な状況であると認めた。

    「我々はカレンダーを注視しており、これらのレースのどちらか、あるいは両方を年内の後半に再スケジュールできる可能性に非常に期待している」

    「ただし何も分かっていない。中東の状況が落ち着かない限り、実現することはないだろう」

    「もし実現すれば、シーズン終盤は非常に過密な日程になる可能性がある」

    こうした背景には、既存のカレンダーの密度に加え、輸送や人員配置の再調整といった実務的な課題がある。特に12月開催となれば、他カテゴリーとの競合や冬季テストとの兼ね合いも無視できない。

    高額開催地の消失がもたらす収益減
    財政面では、今回の中止がF1全体の収益構造に直接的な打撃を与えている。

    「2つのグランプリが中止になったことは、チームの予算に大きな影響を及ぼしている」

    「確かに、これらのレースが開催されなければ、スタッフを派遣する必要がなくなるためコストは削減できる。フライトやホテル、輸送費もかからない」

    「しかし全体の収支は依然として赤字になる。それは良くないニュースだ」

    報道によれば、バーレーンとサウジアラビアという高額開催権料を支払うイベントの消失により、F1全体で約1億ユーロ規模の収益減が見込まれている。このうち約半分がチームに分配される構造であるため、各チームにとっても無視できない打撃となる。

    燃料コスト高騰が追い打ち
    さらに問題を複雑にしているのが、中東情勢に起因する燃料コストの上昇だ。

    「具体的な数字はまだ出ていないが、シーズン後半には燃料価格の上昇によってチームのコストは確実に増加する」

    「すでに燃料費は上がっており、航空機についても同様のことがすぐに起きるだろう」

    「これらすべてがF1チームに影響を与える。なぜなら、こうしたコストはすべてコストキャップの対象だからだ」

    輸送費やエネルギーコストの上昇は、開発リソースの制約にも直結する。結果として、単なるレース中止にとどまらず、シーズン全体の競争力バランスにも影響を及ぼす可能性がある。

    終盤での代替開催が実現すればカレンダーは過密化し、実現しなければ収益減とコスト増の二重苦が残る。今回の中止は、2026年シーズンの運営と競争環境の両面に長期的な影響を及ぼす分岐点となりつつある。

  • ホンダF1計画を断った1999年の悲劇 ヨス・フェルスタッペンの分岐点

    ホンダF1計画を断った1999年の悲劇 ヨス・フェルスタッペンの分岐点

    1999年4月15日、F1界は最も優れた技術者のひとりを失った。ハーベイ・ポスルスウェイトの急死は、ホンダが進めていたワークス参戦計画に決定的な打撃を与え、その余波はヨス・フェルスタッペンのキャリアにも及ぶことになった。

    この計画は、ホンダが単なるエンジンサプライヤーとしてではなく、自らシャシーを開発してF1へ復帰しようとしていた時期のものだった。

    テストでは有望な速さも示していたが、中心人物を失ったことでプロジェクトは急速に失速し、ついにはグランプリ出走を果たさぬまま幕を下ろした。

    ホンダがコンストラクター復帰を目指した背景
    物語は1991年シーズン末にさかのぼる。当時のホンダはエンジンサプライヤーとして絶頂期にあり、1986年から1991年にかけてウィリアムズとマクラーレンとともに6度のコンストラクターズ選手権を獲得していた。

    だが、その支配的な成功こそが、当時のホンダ社長だった川本信彦に「F1はもはや自社のエンジニアにとって十分な技術的挑戦ではない」と考えさせる要因になった。この判断は重みを持ち、ホンダは1992年限りでF1から撤退した。

    その後、日本のメーカーはエンジニア陣を再活性化し、創業者・本田宗一郎への敬意を示す意味も込めて、自社のシングルシーター用シャシー開発へと軸足を移した。

    最初のシャシーであるRC100は成功しなかったが、開発は止まらず、1993年レギュレーションに合わせた新バージョンが作られた。

    これらのシャシーのテストは、ホンダがコンストラクターとしてF1へ復帰するのではないかという憶測を呼んだ。RC101はFIAのクラッシュテストにも合格し、グランプリ参戦が可能な状態にあった。

    その後継となるRC101Bはさらに注目を集めたが、ローランド・ラッツェンバーガーとアイルトン・セナの死亡事故、さらにその後のレギュレーション変更を受けて改修が必要となった。

    1998年デビュー計画から2000年参戦へ
    ホンダが公にF1復帰の意思を示したのは1995年になってからだった。

    川本は当初、1998年のデビューを目標にしていた。1997年にブリヂストンがF1タイヤサプライヤーとして参入することもその判断に影響しており、同社はRC100をテストシャシーとして使用していた。

    ホンダはまた、無限ホンダV10エンジンを使って独自のF1構想を進めていた日本のドームの経験も取り込もうとしていた。

    しかし、計画された復帰時期は2000年へと後ろ倒しされた。ホンダは、自社がまだ準備不足だと認めていたためだ。ドーム支援やティレルへの出資が噂される時期もあった。

    一方で、無限ホンダはジョーダン・グランプリへエンジン供給を開始しており、これは広くホンダ復帰への布石と受け止められていた。

    1998年末になると、ホンダが少なくとも5年間、ワークスチームとしてF1に参戦するというニュースは正式なものとなった。

    目標は野心的だった。2000年の時点で表彰台争い、そして3年以内の勝利だった。年間予算は2億ドルと報じられたが、その数字には異論もあり、プロジェクト規模を巡る社内の温度差も示していた。

    ティレル人脈とポスルスウェイトの存在
    不透明さを抱えつつも、チームの形は整い始めていた。ホンダは、ティレルがブリティッシュ・アメリカン・レーシング(BAR)へ移行する流れのなかで、同チームから積極的に人材を集めた。

    技術部門の中心に据えられたのがポスルスウェイトだった。彼には、新生BARに残ることを望まなかった元ティレルスタッフも加わった。

    この体制は、ホンダが単なる実験ではなく、本気でF1復帰を目指していたことを示していた。

    ホンダ F1

    ヨス・フェルスタッペンが託した復帰への道
    同じ頃、ホンダはテストドライバー探しを進めていた。当初の候補は野心的で、ジャック・ビルヌーブや高木虎之介の名が挙がっていた。アレッサンドロ・ザナルディやジョニー・ハーバートも候補として検討された。

    だが、それらの選択肢が消えると、ミカ・サロにも声がかかった。しかしサロはBAR加入を選び、その結果としてフェルスタッペンに道が開けた。

    スチュワート・グランプリのシートを失っていたオランダ人ドライバーは、ホンダと3年契約を結んだ。これは2000年、2001年のグリッド復帰への道筋を与えるものだった。フェルスタッペンはその機会を歓迎していた。

    「本当にうれしい。これでF1に戻る道ができたし、それもポイントを獲得できるチームにまっすぐ入る道だ」

    RA099はすぐに有望さを示した。ヘレスで行われた冬季テストでは、フェルスタッペンが最速タイムを記録し、BARのジャック・ビルヌーブより1秒以上速かった。

    数週間後のバルセロナでは、ヤルノ・トゥルーリから1.4秒差の11番手タイムを記録した。一部チームはマシンの合法性に疑問を投げかけたが、別の陣営はその速さと信頼性に感銘を受けていた。

    ポスルスウェイト急死がもたらした転機
    しかし舞台裏では緊張が続いていた。特に北米市場では、F1プログラムへの投資規模に対する懸念が強まりつつあった。

    さらに、BARがスーパーテック製エンジンに不満を抱き、無限ホンダへのスイッチに関心を示していたことも状況を複雑にした。

    これに対し、ポスルスウェイトら上層部は、ホンダのレーシング部門の60%を買い取り、独立チームとして運営する案を提案していた。

    その体制でホンダエンジンを使い続け、将来的にはホンダが原価でチームを買い戻せるようにする構想だった。

    そして転機が訪れる。

    4月14日、バルセロナでのテスト中に、ポスルスウェイトが胸の痛みを訴えた。彼はホテルへ戻ったが、その後病院に搬送され、夜のうちに心臓発作で亡くなった。

    ホンダは直ちに進行中だったテストプログラムを中止した。これが終焉の始まりとなった。

    本田技研工業

    RA099計画はなぜ消えたのか
    ポスルスウェイトの死は大きな空白を残した。ホンダ・レーシング・ディベロップメンツは計画継続を試み、その後のテストも予定し、6月からはサロをテストドライバーとして起用する契約まで進めていた。

    その一方で、ホンダ首脳部はバーニー・エクレストンやマックス・モズレーと交渉し、プロジェクトの引き取り先を探っていた。

    2000年シーズンの参戦枠を確保していたため、撤退すればFIAから多額の罰金を科され、評判も傷つく恐れがあった。ホンダは、エクレストンがチームを買い取り、別の買い手へ転売する可能性に期待していた。

    それでもテストは続けられた。5月19日のバルセロナでは、フェルスタッペンがマクラーレンのミカ・ハッキネンから1.5秒差の6番手タイムを記録した。

    ところが3日目、計画は突然打ち切られた。ホンダの取締役がサーキットに現れ、フェルスタッペンをピットへ呼び戻し、プログラムは即時終了すると通告した。

    ジョン・マクドナルドやフラビオ・ブリアトーレら複数の買い手候補も現れたが、RA099がグランプリを走ることはなかった。

    この撤退は、より広い影響も及ぼした。10年ぶりの復帰を目指していたザクスピードの計画を事実上塞ぐことになり、2000年シーズンのエントリーは11チーム、22人にとどまった。

    フェルスタッペン自身は、その後アロウズへ加入し、2000年にフルタイムのレースシートへ復帰した。彼は2003年までF1に残り、最後はミナルディでキャリアを終えた。

    RA099が残した評価と現在の位置づけ
    ホンダが開発したRA099は、実戦投入には至らなかったものの、当時のテスト関係者や他チームからはその完成度の高さを評価する声もあった。

    短期間で開発されたマシンでありながら、安定した走行と一定の速さを示していたことは、ホンダの技術的ポテンシャルを示す材料ともなっていた。

    このプロジェクトの中断は、単なる一計画の終了にとどまらず、その後のホンダのF1復帰の形にも影響を与えたと考えられている。

    ホンダF1 本田技研工業

    フェルスタッペンとホンダに残された“もしも”
    RA099の物語は、F1史に残る大きな「もしも」のひとつであり続けている。

    もしポスルスウェイトがあの致命的な心臓発作に見舞われていなければ、プロジェクトは継続していたのか。続いていたとして、潤沢な予算と技術陣を背景に、どこまで成功できたのか。

    フェルスタッペンは何を失ったのか。2000年以降、ホンダとともに自身最大の成功をつかんでいた可能性はあったのか。マシンは表彰台、あるいは勝利を狙えるだけの力を備えていたのか。

    その答えは、今も分からないままだ。

    ホンダはその後、エンジンサプライヤーとしての活動を経て、2006年にBARを引き継ぐ形でF1へ復帰した。しかし短い低迷ののち、2008年に再び撤退し、チームは象徴的な1ポンドでロス・ブラウンへ売却された。

    歴史が別の方向へ動いていた可能性を示す一件として、1999年4月15日は今も重い意味を持ち続けている。

    Source: RacingNews365

  • ナイジェル・マンセル フェルスタッペンのF1批判に同調「レースをしていない」

    ナイジェル・マンセル フェルスタッペンのF1批判に同調「レースをしていない」

    1992年王者ナイジェル・マンセルが、2026年F1レギュレーションを巡るドライバーたちの不満に全面的な支持を表明した。特にマックス・フェルスタッペンやランド・ノリスが指摘している「レースになっていない」という現状認識に同調し、現在のF1が本来の姿から逸脱していると強い懸念を示している。

    電動と内燃機関の出力配分によってドライバーがコーナー進入でアクセルを緩めざるを得ない状況が生まれており、これがレースの本質を損なっているとの見方だ。

    マンセルはこの流れを「競技としての侮辱」とまで表現し、FIAに対して早急な対応を求めた。

    「レースしていない」という違和感
    マンセルはシルバーストンでの取材に応じ、現代F1の状況について率直な見解を示した。

    「ドライバーたちを100%支持する。F1という“サラブレッド”が、レースの最初の数戦で実際にはレースしていないように見えるのは非常に残念だ」

    「それはファンにとっても異質だし、自分の特別なスキルを発揮しようとしているレーシングドライバーにとっても異質なものだ」

    現行レギュレーションではエネルギーマネジメントの制約が強く、全開で攻めるのではなく“リフト・アンド・コースト”を強いられる場面が増えている。マンセルはこれを、スプリント競技が“データ処理”のようなものに変質していると指摘した。

    パドック全体に広がる不満
    フェルスタッペンの強い言葉が注目を集めているが、マンセルはその不満が一部ではなく、パドック全体に広がっていると見る。

    「マックスには全面的に共感する。彼ほど強い言い方をするかどうかは別だが、ランドが言っていることも完璧だし、他のドライバーが言っていることも真実だ」

    「そして権限を持つ側も、それを聞いていると思う」

    FIAはすでに技術会合を重ねており、シーズン序盤の問題を是正するための議論が進んでいる。だがマンセルは、小手先の修正では不十分だと警鐘を鳴らす。

    「序盤の数戦で見られたような状況が今後も続かないように、十分な調整が行われることを願っている」

    マックス・フェルスタッペン

    ハミルトンへの期待と“本来のF1”
    一方でマンセルは、フェラーリで再び勢いを見せるルイス・ハミルトンにも言及。状況が改善されればタイトル争いに加わる可能性があると評価した。

    「ルイスについては少し贔屓しているが、彼は本当に素晴らしい。成し遂げてきたことは偉大だ」

    「もし戦うための条件が整えば、彼はまだ勝てる。もう一度ワールドチャンピオンになる力も十分にある。それは素晴らしいことになるだろう」

    そして最後にマンセルは、F1に求めるシンプルな結論を示した。

    「彼にはこれまで以上に闘志があると思うし、常にコーストし続ける状況が終われば、フェラーリは今年かなり良い結果を出せるはずだ」

    「F1はF1であるべきだ。必要なのは調整だけだ。それが十分であれば、すべてうまくいく」

    2026年レギュレーションを巡る議論は、単なる技術問題にとどまらず、「F1とは何か」という根本的な問いへと発展している。マンセルの言葉は、その本質的な違和感を象徴するものと言えそうだ。

  • フェルスタッペンのニュル24時間初参戦にF1セーフティカードライバーが忠告

    フェルスタッペンのニュル24時間初参戦にF1セーフティカードライバーが忠告

    マックス・フェルスタッペンが、2026年5月16日〜17日に開催されるニュルブルクリンク24時間レースに初参戦することが明らかとなった。レッドブルカラーのメルセデスAMG GT3での出場となり、ダニ・ジュンカデラ、ジュール・グーノン、ルーカス・アウアーとチームを組む。

    F1王者の参戦は大きな話題を呼ぶ一方で、過酷な耐久レース特有のリスクも伴う。

    そんな中、F1セーフティカードライバーのベルント・マイランダーが、過去の経験をもとにフェルスタッペンへ重要な助言を送った。

    「速さ」よりも「完走」 ニュル24時間の本質
    ベルント・マイランダーは、ニュルブルクリンクでのフェルスタッペンの走りを常にチェックしていると明かしたうえで、その参戦自体を歓迎した。

    「彼がニュルブルクリンクで何をしているかは全部見ている」

    「F1チャンピオンが24時間レースに出るのは素晴らしいことだ。スポーツにとっても、ファンにとっても、選手権にとってもいい」

    さらにマイランダーは、自身が2000年に優勝するまでの苦労を振り返りながら、耐久レースの本質を強調した。

    「僕はそのレースに7回勝とうとした。2回は本当に惜しかったし、一度はトップを走っている時にクラッシュした。すべてが噛み合ったのは2000年だけだった」

    「一番重要なアドバイス? 我々は完璧なチームと完璧なクルマを持っていたが、すべてのブリーフィングで同じことを言われていた。ドライバーはチームと協力しなければならないということだ」

    「クルマが良くてスピードがあると分かっているなら、フィニッシュフラッグのことを考えろ。リスクを取りすぎるな」

    ニュル特有のリスク「トラフィック」と「運」
    ニュルブルクリンク24時間では、性能差の大きいマシンが混走するため、トラフィックマネジメントが勝敗を大きく左右する。

    「ルールやコード60の状況には常に少しの運が絡む。ああいう場面でペナルティを受けることもある」

    「でも最も重要なのはコース上に留まることだ。トラフィックこそが僕にとって最大の学びだった。イン側で無理をしすぎるな」

    さらにマイランダーは、長年の経験から“速さだけでは勝てない”現実を強調する。

    「過去30年を見ても、どれだけ速いクルマでもリスクを取りすぎれば完走できない」

    「2000年にもリスクを取りすぎるドライバーがいて、我々は抑えなければならなかった。『落ち着け、安全にいけ』とね。ポールポジションでも、最初のコーナーでトップに立つ必要はない」

    “1周目ではなく50周目” 耐久レースの時間軸
    スプリントレースとは異なり、24時間レースでは長期的な視点が不可欠だとマイランダーは語る。

    「レースは信じられないほど長い。1周目でトップでなくても、50周目にはトップかもしれない。その可能性は常にある」

    「重要なのは、クルマを無傷のまま保つことだ」

    フェルスタッペンは先月のニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS2)で一度は優勝を手にしたものの、タイヤ違反により結果を剥奪されている。そうした経験も踏まえ、今回の24時間レースでは“速さ”だけでなく“状況判断”が問われることになる。

  • パストール・マルドナド 現代F1に物申す「ドライバーが主役ではない」

    パストール・マルドナド 現代F1に物申す「ドライバーが主役ではない」

    パストール・マルドナドは現在もF1の熱心なファンであり続けているが、現在のレギュレーションに対しては強い疑問を抱いている。2012年スペインGPでの劇的な勝利で知られる元F1ドライバーは、スポーツの進化を認めつつも、その方向性には納得していない。

    特にエネルギー管理やチーム指示に依存する現在のレーススタイルについて、「ドライバーが自由に戦う余地が減っている」と指摘し、F1本来の魅力が損なわれていると語った。

    2012年スペインGPの勝利がもたらした転機
    マルドナドにとって最大のキャリアのハイライトは、2012年スペインGPでの優勝だった。ウィリアムズにとっても予想外の勝利であり、彼の人生を大きく変える出来事となった。

    「今の時代に勝つのは難しい。でも、当時は勝てるマシンではない中で勝つのはもっと難しかった」とマルドナドは振り返る。

    「戦略と完璧な走りがあれば勝てると分かっていた。チャンスは毎日来るわけじゃない。だからこれは人生で最も特別な機会のひとつになると思った。1レースにすべてを懸けた」

    「自分は落ち着いていた。トップで戦うこと、勝つことには慣れていたからね。むしろ10位や12位を争う方が慣れていなかった。それが人生を変えた。アスリートとしても、人としても」

    現代F1への不満「ドライバーが主役ではない」
    現在のF1についてマルドナドは、特にパワーユニットとエネルギー管理の複雑さに懸念を示す。

    「気をつけなければならない。F1で最も重要なのはドライバーだが、誰も満足していない。僕たちは自分の力を発揮して、誰が一番速いかを示せるマシンでレースをしたい」

    「90年代ならミナルディのドライバーでもポイントを取ることができた。でも今はそれが難しい」

    さらに2014年のハイブリッド導入時を振り返り、その影響の大きさを強調する。

    「2014年を思い出すと、シーズンの半分はまともにレースができなかった。バッテリーが何をしているのか完全には分かっていなかったし、チームの管理も完璧ではなかった。それは普通のことだったが、F1とドライバーは大きな影響を受けた」

    ハイブリッド否定と“F1らしさ”の喪失
    マルドナドは現在のハイブリッド路線そのものにも否定的な見解を示している。

    「ハイブリッドはタクシーや輸送には合っている。でもこのスポーツでは歴史を守る必要がある。今はそれが失われている」

    「フェラーリやマクラーレンといった名前は残っているが、レギュレーションの方向性が最善とは思えない」

    「ドライバーにレースをさせろ」現行ルールへの違和感
    タイヤ戦略やチームオーダーの在り方についても、現在のF1は制約が多すぎると指摘する。

    「僕の時代はタイヤが終わったからピットに入った。好きなだけプッシュできたし、マネジメントはドライバー次第だった」

    「今はマニュアルに従い、チームの指示に従う。クルマの比重が大きくなり、ドライバーの影響はどんどん小さくなっている」

    またトラックリミットやペナルティの運用にも疑問を投げかけた。

    「トラックリミットはフェアではない。なぜランオフをアスファルトにする?芝生にすれば誰も出ない」

    「人工芝も見たが、はみ出した瞬間にグリップを失う。そしてペナルティを受ける。理解しがたい」

    「もうドライバーに自由にレースをさせていない」

    現在のF1はテクノロジー主導の方向へと進んでいるが、マルドナドの指摘はその裏で失われつつある“ドライバー主体の競技性”を浮き彫りにしている。ドライバーが限界まで攻め合う純粋なレースという原点をどう取り戻すのか――その問いは、2026年のレギュレーション議論とも重なり、今後のF1の方向性を左右する重要な論点となっている。

    Source: GPblog