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  • F1エンジン評価は出力のみ FIAの複雑基準をメーカーが拒否

    F1エンジン評価は出力のみ FIAの複雑基準をメーカーが拒否

    FIA(国際自動車連盟)が検討していたF1エンジンの評価方式について、より複雑な基準がメーカー側の反対によって見送られていたことが明らかになった。

    現在導入が進められている追加開発機会(ADUO)は、遅れているメーカーに開発余地を与える制度だが、その評価は極めてシンプルな形にとどまる見通しだ。

    The Raceのジョン・ノーブルによると、FIAは2025年の段階で、エンジン性能を単純な出力だけでなく複数の要素を組み合わせて評価する案を提示していたが、パワーユニットメーカー側がこれを拒否していた。

    メーカーが拒否した“複雑な評価基準”
    FIAは2025年の時点で、単純な出力比較ではなく、より多面的な要素を含めた評価方法をメーカー側に提案していた。

    具体的には、ターボの圧力やサイズ、プレナム温度の運用といった設計・運用要素を含めてエンジン性能を評価する案である。

    ニコラス・トンバジスはこの議論について次のように説明している。

    「エンジンのパワーが単一の数値ではないことは明らかに分かっていた。我々は2025年春にメーカーとかなり長い議論を行った」

    「ターボ圧やターボ径、プレナム温度の運用などを考慮するかどうかを提案した」

    しかし、この案に対してメーカー側は明確に反対した。

    「当時のパワーユニットメーカーの共通した立場は“シンプルにすべきだ”というものだった。そのため、内燃エンジンの馬力という現在の指標が最初から受け入れられていた」

    結果として、現在のADUO評価はICE出力のみを基準とするシンプルな形に落ち着いている。

    国際自動車連盟 フォーミュラ1エンジン

    フェラーリの設計思想は評価対象外
    一方で、現場ではこのシンプルな基準に対する疑問も出ている。

    例えば、フェラーリのようにドライバビリティを優先して小型ターボを採用するケースや、排気の流れを利用したエキゾースト設計などは、純粋な出力値を犠牲にする可能性がある。

    ある関係者は次のように指摘する。

    「パワーが不足しているのはエンジンではない。ラップタイムを最適化するための車両側の搭載方法がエンジン性能を制約している」

    こうした要素を考慮しなければ、公平な比較にならないという見方もあるが、現時点でFIAはこれらを評価対象に含めない方針を維持している。

    評価の難しさとFIAの本音
    レッドブルF1のローラン・メキースも、この評価作業の難しさを認めている。

    「誰がどの位置にいるのかを評価するのは非常に難しい。ICEとバッテリーの関係や、ターボサイズ、排気の使い方など、複雑な要素が絡んでいる」

    ただしトンバジス自身は、むしろ評価をより複雑にする余地があると考えている。

    「個人的にはパラメータをもっと複雑にすることには前向きだ。ただし、その議論は1年以上前に行われ、結論は出ている」

    つまり現在のシンプルな方式は“最適解”ではなく、あくまでメーカー間の合意による妥協点であることが示唆されている。

    ADUOは勢力図を変えるのか
    ADUOは遅れているメーカーに追加開発の機会を与える仕組みとして注目されているが、その影響についてトンバジスは冷静な見方を示している。

    「ADUOはパフォーマンス調整(BOP)のようなものではない。燃料流量を増やしたり、重量を変えたりするわけではない」

    「我々が与えるのは開発機会が少し増えるということだ。それは重要だが、最終的には最高のエンジンを作らなければ勝てない」

    つまり、ADUOはあくまで“追いつくための余地”を広げる制度であり、勢力図を劇的に変える仕組みではないという位置付けだ。

    最終的なエンジン序列は数週間以内に発表される見通しであり、その結果は2026年の開発競争の方向性を大きく左右することになる。

  • FIA「メーカーの人質にはなれない」F1次期エンジン規則で主導権確保へ

    FIA「メーカーの人質にはなれない」F1次期エンジン規則で主導権確保へ

    FIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスは、将来のF1パワーユニット規則について、メーカー側の意向に左右されすぎるべきではないと強調した。

    2026年F1レギュレーションで導入された内燃機関と電動要素の50対50配分は、当時の自動車業界における電動化の流れを反映したものだったが、開幕から数戦を経た段階で早くも次世代規則の議論が始まっている。

    F1では今週末のマイアミGPから小規模なルール修正が適用される一方、2031年以降を想定した次のパワーユニット規則では、持続可能燃料を前提にV8エンジンへ回帰する案にも勢いが出ている。

    トンバジスは、自動車業界の政治的・経済的な状況が変化したことを認めつつ、F1はメーカーの参入・撤退に脆弱な構造であってはならないと語った。

    電動化前提で決まった2026年F1規則
    2026年F1パワーユニット規則は、内燃機関とMGU-Kによる電動要素の出力配分をほぼ50対50に近づける方向で設計された。この変更は、自動車業界全体で電動化への圧力が強かった時期に合意されたものであり、アウディのF1参入を促す狙いも大きかった。ホンダも、この新しい規則を前提として正式復帰を決断した。

    しかし、新世代パワーユニットは期待されたほど成功しているとは言い難く、すでに次の規則セットに向けた議論が進んでいる。理論上、次の大きな変更は2031年まで導入されないが、パワーユニット開発には長いリードタイムが必要となるため、FIAは早期の議論が不可避だと見ている。

    トンバジスは月曜日に、当時と現在では状況が変わったと認めた。

    「まず第一に、政治的な状況が変わったのは事実だ」

    「現在のレギュレーションを議論していた当時、自動車メーカーは非常に深く関与していて、彼らはもう二度と新しい内燃機関を作ることはない、と我々に言っていた」

    「内燃機関を段階的に廃止し、何年までには完全に電動化する、というような話だった。もちろん、それは起こらなかった。世界的に電動化が重要であることを軽視するわけではないが、私が言ったほどには進まなかった」

    持続可能燃料は成果として評価
    トンバジスはその一方で、2026年F1規則によって完全持続可能燃料に移行した点は、見えにくいながらも重要な成果だと語った。

    「第二に、あまり頻繁に議論されない話だと思う。目に見えるものではないからだが、我々は完全持続可能燃料へ進んだ。そして、それはかなり良い成果だったと思う」

    F1はこれまで、ロードカーとの関連性を理由に電動化比率を高めてきた。しかし現在は、電動化への一方向の流れが以前ほど強くなくなり、持続可能燃料を軸に内燃機関へ再び重点を置く可能性が現実的な選択肢として浮上している。

    「メーカーの人質にはなれない」
    トンバジスは、将来のF1規則がメーカーの希望だけで形作られるべきではないと強調した。メーカーはF1にとって重要な存在だが、参入と撤退を繰り返す存在でもあるため、競技全体がその判断に依存しすぎることは避けなければならないという考えだ。

    「将来どこに向かいたいのかという点では、我々は世界のマクロ経済状況からこのスポーツを守る必要がある」

    「つまり、自動車メーカーが我々のスポーツに参加するかどうかを決めることの人質にはなれない、ということだ」

    「我々は彼らにこのスポーツの一部でいてほしい。それは間違いない。そのために、新しいメーカーを参加させるべく懸命に取り組んできた」

    「しかし、彼らが参加したくないと決めた場合に、我々が突然脆弱な立場に置かれるような状況にもなってはならない。そして、コスト削減にも取り組み続ける必要がある」

    この発言は、2026年F1規則がアウディやホンダといったメーカーの参入・復帰を促す一方で、競技側が長期的にメーカー主導の規則設計から距離を取る必要性を示している。

    国際自動車連盟 フォーミュラ1エンジン

    次期規則の議論は「すぐに始める必要がある」
    トンバジスは、2026年F1シーズンが始まってまだ数戦しか経っていない段階で将来の規則を議論することは奇妙に見えるかもしれないとしながらも、パワーユニット開発の時間軸を考えれば自然な流れだと説明した。

    「次のサイクルに向けて何かを変えるのであれば、我々は非常に早く議論を始める必要がある」

    「パワーユニットやエンジンなどを作るには、かなり長い時間がかかるからだ」

    「だから、始まって数レースしか経っていない段階でこうした問題を議論するのは少し奇妙に聞こえるかもしれないが、それが議論を行うべき自然なサイクルなのだ」

    2031年以降のF1パワーユニット規則では、V8エンジンへの回帰、持続可能燃料のさらなる活用、コスト削減、メーカー依存からの脱却が主要な論点になりつつある。

    大音量の内燃機関復活に懸念なし
    トンバジスは、V8時代の最終年だった2013年以降にF1を見始めた新しいファンが、より大きなエンジン音に慣れていないことを懸念しているかと問われると、問題にはならないとの見方を示した。

    「正直に言えば、懸念はない」

    「音が大きすぎる場合には、可能であれば音を下げるのは常に簡単だ。その逆、つまり音が小さすぎる場合に大きくする方がより難しい」

    「だから、過去のマシンがグランプリの日曜朝などに時折走ると、多くの人々の間にある種の感情を呼び起こす。私はそれが問題になるとは思わない」

    2026年F1規則は、電動化と持続可能性を両立させる狙いで導入された。しかし、実際の競技面ではバッテリー管理や速度低下といった課題が浮上し、マイアミGPからは修正が入る。FIAは当面の不具合に対応しつつ、次の時代に向けてF1がどの技術軸を選ぶべきかを早くも再検討し始めている。

  • アイザック・ハジャー レッドブルF1昇格の覚悟「自分が良いと思えば良い」

    アイザック・ハジャー レッドブルF1昇格の覚悟「自分が良いと思えば良い」

    アイザック・ハジャー(レッドブル)は、マックス・フェルスタッペンの隣というF1で最も難しいシートのひとつに座ることへの重圧を認めながらも、自身の能力への揺るぎない信頼を語った。

    2025年にレーシングブルズでF1デビューを果たしたハジャーは、わずか1年でレッドブルのシニアチームに昇格。開幕からの3戦でフェルスタッペンに大きく離されず、困難なRB22を相手に自身の存在感を示している。

    レーシングブルズでの1年がレッドブル昇格につながる
    ハジャーのF1キャリアは、2025年オーストラリアGPのフォーメーションラップでクラッシュするという厳しい形で始まった。当時21歳だったハジャーは、レーシングブルズを失望させただけでなく、自分自身と家族を裏切ったように感じていた。

    しかし、その苦い週末を引きずることはなかった。次戦では11位で惜しくもポイントを逃し、その次のレースで初入賞を果たすと、ルーキーシーズンの中で初表彰台にも到達した。

    「本当に楽しめた」とハジャーは語った。

    「年明けはかなりストレスを感じていた。F1での走行距離が多くないことは分かっていた」

    「これが最大の選手権で、このレギュレーションの最後の年だから、全員が全力で取り組んでいる。自分にはペースが必要だった。コンマ3秒遅れるのか?追いつくのに苦しむのか?でも実際にはそうはならなかった」

    「すぐにリズムに入れたし、本当にすごく楽しめた。自然に仕事をこなせば、そのシート、昇格を手にできると分かっていた。正直に言えば、それが年明けの目標だった」

    「『一歩ずつ進んでいく』とか、そういうことを言っていた。でも実際には、大きなルーキーシーズンを送り、レッドブルに乗る。それだけを望んでいた」

    フェルスタッペンの隣でも揺らがない理由
    レッドブルへの昇格は、F1で最も厳しい挑戦のひとつだ。チームメイトは4度のワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペン。過去にその隣のシートで苦しんだドライバーは少なくない。

    それでもハジャーは、その状況の大きさに飲み込まれていないように見える。本人は、その強さが幼少期から続くプレッシャーの中で培われたものだと説明する。

    「それはトレーニングから来ていると思うし、カートの頃からだと思う」

    「自分が『よし、今年は圧倒的なチームにいる。簡単にいける。上のカテゴリーにも楽に上がれる』と思えた瞬間は一度もなかった」

    「常にプレッシャーがあり、常に何かを証明しなければならなかった。7歳、8歳、9歳、10歳の頃から今までずっとそういう状況に慣れていると、このプレッシャーをずっと上手く扱えるようになる」

    「自分を満足させるために自分にかけるプレッシャーの方が、他の人たちが『これをやらなければならない、あれをやらなければならない』と言うものより高いと思う。自分が背負っているものに比べれば、それはずっとストレスにならない。結局のところ、自分を失望させないことが一番大きい」

    アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング

    学業とモータースポーツの両立が現在の支えに
    ハジャーは、教育を重視する家庭で育った。モータースポーツを本格的に目指すようになってからも、両親は学業をおろそかにしないよう求めた。

    「両方を高いレベルでやらなければならなかった」

    「子どもの頃はとても疲れた。カート時代のこの時期について、あまり良い思い出はない。厳しい週末を終えて日曜日に家に戻ると、月曜日の朝には試験があって、両方で良くなければならなかった」

    「でも当然、その後にそれが本物で、真剣なものだと分かってからは、少しずつ焦点を移し始めた。それでも、勉強などで規律を持っていたことは、ある意味で自分を助けてくれたと思う」

    「それは今も助けになっている。これは複雑なスポーツだと思う。1日中エンジニアと話している。それは助けにしかならない」

    「自分が良いと思えば良い」
    ハジャーは、数学者で物理学者のアイザック・ニュートンにちなんで名付けられた。父親は量子物理学者で、ハジャー自身も天文学を愛している。

    その情熱は、レーシングヘルメットの背面に描かれた物理方程式にも表れている。カート時代からその要素はあった。

    「カートでは白いヘルメットだった。でも、すでに方程式のステッカーは貼ってあった」

    その方程式はいま、レッドブルのヘルメットに描かれている。ハジャーはF1わずか1年で昇格し、多くのレッドブル育成出身者が苦しんできたシートで、ここまで順応を見せている。

    フェルスタッペンの隣に座ることに不安はなかったのか。ハジャーは率直に認めた。

    「もちろん、ある意味ではあった。マックスのチームメイトたちとのギャップを見ると、『これは奇妙だ』と思うからだ」

    「でも同時に、僕は現実的だ。新しいレギュレーションだ。僕たちは同じクルマに乗っている。自分が良いと思えば、僕は良い。それで話は終わりだ」

    「結局、最初の3レースについては、すべてが自分がある程度予想していた通りに進んでいる」

    難しいRB22でもフェルスタッペンに接近
    開幕3戦でハジャーは印象的な走りを見せた。オーストラリアでは予選3番手を獲得。現在のレッドブルはパフォーマンス面で後退し、ハジャーとフェルスタッペンは中団での戦いを強いられているが、比較対象がフェルスタッペンであることを考えれば、ハジャーが近い位置にとどまっていることは大きな意味を持つ。

    「そうだね、サンプルは小さい」

    「クルマはいまの位置にある。運転するのはとても難しい。でも僕はそれほど離されていないし、自分がどう走れているか、この最初の3レースで自分の下にあるクルマを使ってどう走ったかには満足している。最大限を出した。全体としてはかなり良い」

    ハジャーはマイアミGPを前にトレーニングキャンプに向かい、再びレースに戻ることを楽しみにしている。

    「とても興奮している。自分のキャリアで初めて、大きなチームと大きなプロジェクトを始めているからだ」

    「昨年は加入した時点で、このレギュレーションの最後の年だった。だからチームに対して、レーシングカーをどう改善するかについて良い方向性や良い手がかりを与えるようなインプットはなかった」

    「今年はいわば、大きな、大きな挑戦の始まりだ。だから、クルマのパフォーマンスが上がっていくと分かっているのは、とてもワクワクする」

    Source: Formula1.com

  • ホンダF1 さくらで“24時間開発”続行 マイアミGPへ総力対応

    ホンダF1 さくらで“24時間開発”続行 マイアミGPへ総力対応

    ホンダF1が、日本GP後も開発の手を緩めていない。ホンダ・レーシング(HRC)とアストンマーティンは、日本のさくら研究所で連携し、問題解決に向けた対策作業を継続している。

    次戦マイアミGPを前に、現状の改善には時間がかかることを認めつつも、現場は“24時間体制”で開発を進めている。ホンダ側の技術責任者がその舞台裏を明かした。

    さくらで続く“24時間体制”の対策開発
    ホンダF1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、現在の開発状況について次のように説明した。

    「みなさんご存知の通り、バーレーンGPとサウジアラビアGPは延期となりましたが、それでも作業が止まったわけではありません」

    「日本GPの後、アストンマーティン・アラムコF1チームのメンバーとホンダ・レーシングは、日本のさくらにあるHRC研究開発センターで共同作業を続けています」

    「東京から約3時間の場所にあるこの施設で、私たちは対策強化に向けて24時間体制で取り組んでいます」

    ホンダ(本田技研工業) メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    改善には時間も マイアミGPへ継続対応
    折原伸太郎は、現状の課題が短期で解決するものではないとしながらも、チームとしての取り組み姿勢を強調した。

    「この問題の解決には時間がかかることは理解していますが、私たちは引き続き協力して懸命に取り組んでいきます」

    「次のF1レースであるマイアミでお会いしましょう。2回目のスプリントウィークエンドとなる“サンシャインステート”でお会いできるのを楽しみにしています。ではまた」

  • F1歴史を刻んだ実使用パーツが出品 ウィリアムズFW25やバトンのサイン品

    F1歴史を刻んだ実使用パーツが出品 ウィリアムズFW25やバトンのサイン品

    F1の名場面を刻んだ実使用パーツやサイン入りアイテムが、BUDDSの最新オークション「レーシング・レボリューション:モータースポーツ・タイムド・オークション」に出品されている。レースで実際に使用されたパーツやウェア、伝説的ドライバーのサイン入りアイテムなど、コレクターにとって価値の高い品々が並ぶ。

    オークションはすでに開始されており、5月5日まで実施される。

    F1の歴史を象徴する瞬間に触れられる希少な機会として、注目すべき出品アイテムの中から5点が紹介されている。

    ウィリアムズ最後のタイトル候補車を物語るフロントウイング
    2003年シーズンは、少なくとも現時点では、ウィリアムズがF1ワールドタイトルを本格的に争った最後のシーズンだった。

    ミハエル・シューマッハとフェラーリが支配していた時代の真っただ中で、ウィリアムズBMW FW25は強力な挑戦者として台頭した。ラルフ・シューマッハは初夏に2連勝を飾り、そのポテンシャルを示したが、より強烈な印象を残したのはチームメイトのファン・パブロ・モントーヤだった。モントーヤは残り3戦の時点で、チャンピオンシップリーダーのミハエル・シューマッハに1ポイント差まで迫った。

    その後、タイヤ規則の厳格化がウィリアムズのサプライヤーであるミシュランに、フェラーリのパートナーであるブリヂストン以上の影響を与え、さらにインディアナポリスでのペナルティも重なったことで、モントーヤのタイトル獲得のチャンスは消えていった。それでも2003年は、ウィリアムズの近代史における象徴的なシーズンとして残っている。

    ウィリアムズBMW FW25

    今回出品されているフロントウイングとノーズの一体アセンブリーは、その時代を記憶するうえで非常に貴重なアイテムといえる。

    ジェンソン・バトンのサイン入りヘルメット
    2009年F1ワールドチャンピオンであるジェンソン・バトンが、2015年に使用したヘルメットデザインの限定レプリカに自らサインを入れたアイテムも出品されている。

    2015年は、バトンにとってF1フル参戦としては最後から2番目のシーズンとなった。マクラーレンとホンダの再タッグは期待を大きく下回るスタートとなり、フラストレーションや多数のグリッド降格に見舞われたシーズンだった。

    ジェンソン・バトン F1 ヘルメット

    それでもバトンは、モナコでパッケージ初ポイントとなる8位入賞を果たし、オースティンではシーズン最高成績となる6位を記録するなど、苦境の中で光る瞬間を生み出した。サイン入りヘルメットは、その困難な時代を象徴する記念品として価値を持つ。

  • アレクサンダー・アルボン F1新規則を評価も課題指摘「すべては解決しない」

    アレクサンダー・アルボン F1新規則を評価も課題指摘「すべては解決しない」

    2026年F1レギュレーションの調整を受け、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンがその効果について見解を示した。エネルギーマネジメントやスーパークリッピングを巡る議論が続く中、F1は4月のレース間インターバルを利用して複数の修正を実施している。

    こうした変更はオーバーテイクの増加や安全性の改善を狙ったものだが、ドライビングの本質が変化しているとの指摘も根強い。

    アルボンは前向きな評価を示しつつも、現行規則が抱える根本的な問題について慎重な見方を示した。

    エネルギー管理と安全性を巡る課題
    新世代マシンではエネルギーマネジメントの重要性が大きく増しており、ドライバーは単純に限界まで攻めるだけでは最速ラップを刻めなくなっている。

    特に速度差の拡大は深刻な問題とされており、鈴鹿でのオリバー・ベアマンのクラッシュはその危険性を象徴する出来事となった。低速車両を回避する中でコントロールを失い、バリアに激突する事故は、現在のレギュレーションがもたらす副作用のひとつとされている。

    こうした状況を受け、F1はブースト出力を+150kWに制限し、速度差の抑制を図る対策を導入した。

    スーパークリッピング対策の具体的変更
    予選で「全開で攻められない」というドライバーの不満にも対応が行われた。最大エネルギー回収量は7メガジュールに制限され、スーパークリッピングの発生時間を短縮する狙いがある。

    同時に最大出力は350kWへと引き上げられ、エネルギーの再充電時間短縮も図られた。スーパークリッピングとは、フルスロットル中にMGU-Kが回収モードへ切り替わり、パワーを吸収する現象を指す。

    これによりラップ中のエネルギー運用はよりシンプルになることが期待されているが、完全な解決には至っていない。

    アルボンの評価「正しい方向だが限界もある」
    アルボンは今回の修正について一定の評価を示している。

    「それは確かにポジティブだし、間違いなく正しい方向に進んでいる」

    一方で、すべての問題が解消されるとは考えていない。

    「すべての問題を解決できるのか?おそらくそうではない。でも、どれだけ解決できるかが重要だ」

    さらに、ドライビングの本質が変化している点にも言及した。

    「僕たちはカート時代から、とにかくできるだけ速く走ることをしてきた。でも今年は明らかに違う。アクセルを緩めた方が速くなる場面がある。そういう意味では、純粋なレースからは少し離れてしまっている」

    “純粋な速さ”と現代F1のギャップ
    今回のレギュレーション調整は、安全性と競争のバランスを取るための現実的な妥協とも言える。

    ただし、アルボンの指摘が示すように、現代F1は「いかに速く走るか」ではなく「いかに効率的に走るか」へと軸足を移しつつある。

    この方向性が長期的にファンやドライバーに受け入れられるのか──今回の修正は、その是非を占う過渡的なステップとなりそうだ。

  • 角田裕毅 F1復帰に現実味 アルピーヌでコラピント去就が焦点

    角田裕毅 F1復帰に現実味 アルピーヌでコラピント去就が焦点

    角田裕毅に再びF1グリッドへ戻るチャンスが浮上している。現在レッドブルのリザーブドライバーを務める角田裕毅だが、2027年に向けたドライバー市場の不透明感が、その可能性を広げている。

    アルピーヌとハースがそれぞれドライバー体制の見直しを検討しているとされ、特にフランコ・コラピントとエステバン・オコンの将来に疑問符がつき始めていることが、角田裕毅にとって追い風となり得る状況だ。

    motorsport.comイタリア版は、コラピントとオコンの将来について不透明感が増していると報じている。

    アルピーヌF1チームのシートが現実的な選択肢に
    報道によると、アルピーヌF1チームは今季ここまでのパフォーマンスに満足しておらず、フランコ・コラピントの去就は「確定的ではない」とされている。

    この不確実性の中で、角田裕毅は有力な後任候補の一人として名前が挙がっている。両者はこれまでも関係性が取り沙汰されており、チーム側・ドライバー側の双方が関心を持っている点も現実味を高めている。

    また、ピエール・ガスリーとの良好な関係性もあり、ラインアップとしての相性面でもポジティブに見られている。

    ハースF1チームも依然として有力候補
    一方で、ハースF1チ-ムも角田裕毅にとって無視できない選択肢だ。

    エステバン・オコンは今季、チームメイトのオリバー・ベアマンと比較して見劣りするパフォーマンスが指摘されており、その立場は決して安泰ではない。

    さらに、チーム代表の小松礼雄との関係性もあり、ハース側が角田裕毅獲得に動く可能性は以前から指摘されている。2026年の移籍はレッドブルの判断で実現しなかったが、2027年に向けては状況が変わる可能性がある。

    角田裕毅 F1復帰の現実味 アルピーヌF1チームとハースF1チームで浮上する“交代シナリオ”

    鍵を握るのは他ドライバーのパフォーマンスと市場の流動性
    現時点で角田裕毅ができることは限られている。重要なのは、フランコ・コラピントやエステバン・オコンといった現役ドライバーのパフォーマンスが今後どう推移するかだ。

    両者が現状の不振を引きずる場合、アルピーヌまたはハースがドライバー変更に踏み切る可能性は高まる。そのとき、既に候補として名前が挙がっている角田裕毅が有力な選択肢となる構図だ。

    さらに現在のF1は、複数のトップドライバーの将来が不透明な状態にあり、市場全体の流動性が高まっている。フェルナンド・アロンソ、ルイス・ハミルトン、マックス・フェルスタッペンといったベテラン勢の動向が、各チームの判断に大きく影響している状況だ。

    その中で角田裕毅は即戦力として評価されるポジションにあり、空席が生まれた場合に現実的な選択肢の一人となる。

    レッドブルは完全に扉を閉ざしてはいないものの、レースシート復帰にはチームを離れる必要があると見られており、他チームへの移籍が現実的なルートとなる。

    2027年に向けたF1ドライバー市場は連鎖的にシートが動く可能性があり、角田裕毅の去就もその流れの中で決まっていくことになる。今後数か月のパフォーマンスと各チームの判断が、その行方を大きく左右することになりそうだ。

  • ジョージ・ラッセル 新F1レギュレーションを擁護「ポジティブな要素は多い」

    ジョージ・ラッセル 新F1レギュレーションを擁護「ポジティブな要素は多い」

    2026年F1シーズンに導入された新レギュレーションとマシンをめぐり、ドライバー間で評価が大きく分かれている。その中で、メルセデスのジョージ・ラッセルは、批判的な声に対して一定の距離を取りつつ、現行F1のポジティブな側面を強調した。

    セルジオ・ペレスが「誰も理解していない」と指摘するなど複雑さが議論を呼ぶ一方で、ラッセルは競技としての魅力やレース内容の進化に注目している。

    ラッセルが語る新F1の“ポジティブ”
    ラッセルはBBCのインタビューで、現在のF1に対する評価がネガティブに偏りすぎていると指摘した。

    「僕たちは物事のポジティブな面を忘れて、ネガティブな部分ばかりに目を向けがちだ。でも、この新しいレギュレーションとマシンには多くの良い点がある」

    「個人的にはこのクルマをとても楽しんでいる。パワーユニットやエンジンは大きく変わったけど、最適化には少し調整が必要なだけだ」

    「それによって、より多く戦えるようになったし、レースもずっと接近戦になっている」

    現行のエネルギーマネジメント中心のマシンは扱いが難しい一方で、バトルの増加という明確なメリットがあると評価している。

    “ヨーヨー現象”への見解
    近年議論となっている“ヨーヨー現象”(抜いても抜き返される展開)についても、ラッセルは否定的ではない。

    「ルイスも言っていたが、カートレースではコーナーで抜けば次のコーナーで抜き返される。それを誰も“マリオカート”とは呼ばない。我々はそれを純粋なレースだと呼ぶ」

    「ドライバーが意図的に遅く走っているわけではない。FIAが修正しようとしているのは非常に複雑な部分で、ファンがすべてを理解する必要はない」

    「今回の変更によって、予選ではストレートで全開走行ができるようになり、エネルギー管理のためにアクセルを戻す必要もなくなる」

    マイアミGPから導入される調整によって、現行F1の弱点とされてきた“持ち上げ走行”の改善にも期待を示した。

    過去のF1との比較で見える変化
    さらにラッセルは、過去のF1と現在のF1を比較しながら、記憶のバイアスにも言及している。

    「20年前のF1を見ていたとき、エンジン音は素晴らしかったが、オーバーテイクはほとんどなかった」

    「確かに純粋なF1だったかもしれないが、レース自体は退屈だったと思う」

    「人は過去の良い部分だけを覚えて、今の悪い部分ばかりを見る傾向がある」

    また、過去のドライバーとの会話を引き合いに出し、技術的な課題は時代ごとに存在してきたと説明した。

    「80年代や90年代のドライバーは“ブーストボタン”で300馬力を追加できたが、ストレートの終わりには燃料が尽きていたと言っていた」

    「問題は昔から常に存在していた。今は形が違うだけだ」

    新時代のF1は確かに複雑さを増しているが、その裏でレースの競り合いという本質的な魅力はむしろ強まっている。ラッセルの発言は、議論がネガティブに傾きがちな現在のF1像に対し、別の視点を提示するものとなっている。

  • アストンマーティン・ホンダF1 振動問題に光明 ニューウェイの解決策が浮上

    アストンマーティン・ホンダF1 振動問題に光明 ニューウェイの解決策が浮上

    アストンマーティンは、速さを秘めながらも深刻な振動問題に苦しんでいる。ホンダ製パワーユニットに起因するこの問題は、フェルナンド・アロンソのパフォーマンスに大きな影響を与えており、シーズン序盤の低迷の一因となっている。

    4月のインターバル期間を迎えた現在、チームはこの根本的な欠陥の解消に全力を注いでいる。エイドリアン・ニューウェイが主導する開発作業は、今後の戦力図を左右する重要な局面に入っている。

    振動が奪うパフォーマンスと信頼性
    アストンマーティンのマシンは、エンジン由来の振動がシャシー全体に伝わる構造的な問題を抱えている。この振動は単なる不快要素にとどまらず、ドライビング精度やタイヤマネジメントに直接的な悪影響を及ぼしている。

    ステアリング操作の精度低下によりコーナリングでの再現性が損なわれ、結果としてタイヤの摩耗が進行。これにより戦略の自由度が制限され、予定外のピット戦略を強いられるケースも生じている。

    さらに、振動はドライバーの身体にも負担を与え、長期的な健康リスクすら懸念されている。ニューウェイもこの問題を「根本から断つ必要がある」と認識している。

    日本で見えた“解決策”と新たな課題
    日本での走行において、ホンダは改良型ステアリングロッドを投入した。このパーツはエンジン振動の周波数を吸収し、ステアリングへの伝達を抑える設計となっていた。

    アロンソは初期走行後に「クルマが普通に感じられる」と述べており、振動が大幅に軽減されたことが確認された。ラップタイムの改善も見られ、方向性としては正しいアプローチだった。

    しかし、この新パーツは耐久性に問題を抱えていた。短時間で素材疲労が進行し、週末を通して使用できないことが判明。チームは安全面を考慮し、従来仕様へと戻す判断を下した。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ニューウェイが進める再設計
    現在、アストンマーティンのファクトリーでは、より高い耐久性を持つ素材の検証が進められている。振動を抑えつつ剛性を維持することが開発の焦点となっている。

    ニューウェイとアロンソの連携により、シャシー全体の安定性を高める方向での見直しも進行中だ。単なる部品交換ではなく、車体全体のバランスを含めた再設計が求められている。

    この問題は単なる一時的な不具合ではなく、ホンダとの統合コンセプトそのものに関わるテーマとなっている。ここで確立される解決策は、シーズン後半の競争力を左右する基盤となる。

    マイアミGPが試金石に
    チームの次なるターゲットはマイアミGPだ。ここで改良型ステアリングシステムの最終仕様を投入し、レース距離に耐えうるかを検証する計画となっている。

    新パーツが安定して機能すれば、本来の空力性能を引き出すことが可能となる。現状では振動が気流の安定性にも影響を及ぼしており、ハイダウンフォース領域での性能発揮を妨げている。

    この問題が解消されれば、アロンソは本来の競争力を取り戻し、中団上位争いへ復帰する可能性が高まる。逆に解決が遅れれば、シーズンを通じて苦戦を強いられるリスクも残る。

    アストンマーティンにとって、この数週間の開発は単なる改善ではなく、シーズンの流れを決定づける分岐点となっている。

  • セルジオ・ペレス「誰も理解していない」 2026年F1規則に困惑拡大

    セルジオ・ペレス「誰も理解していない」 2026年F1規則に困惑拡大

    2026年F1レギュレーションと、マイアミGPに向けた調整内容を巡り、ドライバーや関係者の間で混乱が広がっている。エネルギーマネジメントの変更を含む最新の調整が発表されたものの、その複雑さはむしろ増しているとの指摘が相次いでいる。

    FIAは最大回生量を8MJから7MJへ削減し、いわゆる“スーパクリップ”のピーク出力を350kWに引き上げるなどの修正を提示した。しかし、こうした変更が理解しづらい構造そのものを改善するには至っていないとの見方が強い。

    ドライバーと関係者が口を揃える「理解不能」
    元F1ドライバーのクリスチャン・クリエンは、この状況に警鐘を鳴らした。

    「これを読めばわかるが、特にFIAの英語で書かれた内容は、もはやファンには理解できないものになっている」

    キャデラックF1のセルジオ・ペレスも同様の見解を示した。

    「今のF1は間違いなくこれまでとまったく違うものだし、現実として誰も理解していない。エンジニアも、僕たちドライバーもだ」

    「昔のように楽しいクルマではなくなっているのは事実だ。前のクルマより80〜90km/hも速く走っているのに、なぜそうなっているのか分からない瞬間がある」

    さらに、マクラーレンのオスカー・ピアストリも困惑を認めている。

    「自分より賢い誰かに説明してもらう必要があると感じている」

    複雑化への懸念と“理解不要論”の対立
    クリエンは、F1が複雑になりすぎるリスクを指摘する。

    「すべてがかなり抽象的になっている。視聴者にとって複雑すぎるものにしないよう注意しなければならない」

    一方で、すべてのドライバーが問題視しているわけではない。メルセデスのジョージ・ラッセルは、こうした批判に同意しない姿勢を示した。

    「僕はまったくその意見には同意しない。個人的にはこのクルマをとても楽しんでいる」

    「これは非常に複雑な細部の話であって、正直なところファンがすべてを理解する必要はない」

    さらにラッセルは、マイアミGPでの調整が状況改善につながるとの見通しも語った。

    「このレースからは、予選ラップ中のストレートでは常にフルスロットルで走れるようになるし、エネルギー管理のためにアクセルを戻す必要もなくなる」

    マイアミでの適応時間拡大が意味するもの
    FIAは今回の変更に対応するため、マイアミGPのフリー走行1回目を90分に延長する措置も決定した。これはチーム側の適応時間を確保する狙いがあるが、裏を返せば現行のレギュレーションがいかに扱いづらいものであるかを示している。

    ドライバー自身が「理解できない」と口にする状況は異例であり、2026年F1が抱える構造的な課題は依然として解消されていない。今後の調整が、競技としての分かりやすさと魅力をどこまで取り戻せるかが問われている。

    Source: GMM