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  • ホンダF1「後退と復活」は文化?繰り返される浮き沈みの歴史

    ホンダF1「後退と復活」は文化?繰り返される浮き沈みの歴史

    2026年シーズン序盤、アストンマーティンとホンダの新体制は厳しいスタートを強いられている。フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは開幕から後方に沈み、完走すら難しいレースが続いている。

    しかし、こうした苦戦はホンダにとって初めての出来事ではない。過去にも同様の低迷を経験しながら、そのたびに競争力を取り戻してきた歴史がある。現在の状況は、その“後退と復活”のサイクルの一部に過ぎないのか――。

    「一度落ちてから戻る」ホンダのサイクル
    元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、アストンマーティン・ホンダにフェルナンド・アロンソというスペイン人ドライバーが所属している現状にも触れつつ、モータースポーツにおけるスペイン勢の存在感を語った。

    「これはスペイン人にとっては痛いことだろう。ただ、彼らは非常に強い存在だ。カルロス・サインツもいるし、MotoGPではグリッドのほとんどがスペイン人だ。モータースポーツでの存在感は非常に大きい」

    そのうえで本題に入り、ホンダの現状について次のように続けた。

    「アストンマーティンに話を戻すと、ホンダがどうしてここまで厳しい状況にあるのかは正直分からない」

    「おそらく旧レギュレーションの段階でプロジェクトを止めて、人員を入れ替え、ゼロからやり直したのだと思う」

    「ゼロからのスタートというのは、すべてを学び直すことを意味する」

    旧体制との断絶 新チームによる再出発
    現在の苦戦について、シュタイナーは組織構造の変化にも言及する。

    「レッドブルとともに4度のタイトルを獲得した体制があったが、あのチームはすでに別の場所にある」

    「以前のスタッフはレッドブル側に残り、新しいチームが立ち上がり、新しい技術に取り組んでいる」

    「紙の上では大きな違いがないように見えても、このプロセスは決して簡単ではない」

    MotoGPでも見られた浮き沈み
    さらにシュタイナーは、ホンダの浮き沈みが他カテゴリーでも見られると指摘する。

    「MotoGPでも同じことが起きた。マルク・マルケスとともにすべてを勝ち取ったあと、一気に競争力を失った」

    「外から見ると非常に奇妙に感じる」

    「日本の組織は外部からは見えにくい部分が多い」

    そのうえで、ホンダの本質についてこう語った。

    「だが彼らは挑戦を続ける。そして最終的には必ず競争力を取り戻す」

    「ホンダは毎回、一度後退してからまた上がってくる。それを繰り返している」

    「おそらくこれは彼らの文化の一部なんだろう」

    ホンダ F1 本田技研工業

    マクラーレン後の復活が示す再現性
    シュタイナーは過去の具体例として、マクラーレンとの決別後の流れを挙げた。

    「マクラーレンがホンダと別れたとき、誰も彼らを欲しがらなかった」

    「だがどうなった?2年後にはチャンピオンになっていた」

    「これは本当に驚くべきことだ」

    そして、現在の状況にも同じ構図が当てはまると示唆する。

    「彼らは必ず戻ってくる。ただし、それを簡単にはやらない」

    問われるのは時間とプロセス
    アストンマーティンにとって現状は厳しく、結果も伴っていない。しかしその裏側には、組織再編と技術刷新という不可避のプロセスがある。

    ホンダはこれまでも、後退と復活を繰り返してきた。その歴史を踏まえれば、現在の苦戦もまた同じサイクルの中にある可能性がある。今回も同様に“戻る”のかどうか――その答えは、時間と開発の積み重ねの中で示されることになる。

  • ジャン・トッドが断ったレッドブルF1加入 F1勢力図を変えた可能性

    ジャン・トッドが断ったレッドブルF1加入 F1勢力図を変えた可能性

    2008年、フェラーリでの黄金時代に区切りをつけたジャン・トッドに、F1の勢力図を大きく変え得るオファーが届いていた。レッドブル創業者ディートリッヒ・マテシッツが、チームとモータースポーツ活動全体の指揮を託そうと接触していた事実が明らかになった。

    しかしトッドは、その誘いを受け入れなかった。後にFIA会長となる彼は、キャリアの転機において「競争の最前線」ではなく、別の道を選択していた。

    フェラーリ退任直後に届いたレッドブルからのオファー
    1993年から2007年までフェラーリを率いたジャン・トッドは、コンストラクターズタイトル7回、ドライバーズタイトル6回という圧倒的な成功を築き上げた。その後2008年にチームを離れた直後、思いがけない誘いが舞い込む。

    「2008年に、自分は何かを社会に還元する時期だと決めた」とトッドは語った。

    「フェラーリを離れたとき、ディートリッヒ・マテシッツが私を迎えたいと考えていたのを覚えている。彼はパリの自宅に来て、2度ランチをともにした」

    当時のレッドブルは、まだタイトル争いの常連とは言えない発展途上のチームだった。そこにフェラーリ黄金期を築いたトッドが加わる可能性は、まさにF1の勢力図を塗り替えかねない構想だった。

    「この章は終わった」トッドが下した決断
    提示された役割は単なるアドバイザーではなく、チーム運営とモータースポーツ部門全体の統括だった。

    「チームを率い、レッドブルのモータースポーツ活動を指揮する役割だった。しかし私は断った。自分にとって、その章は終わっていたからだ」

    フェラーリで頂点を極めた後、同じ舞台でさらに上を目指す理由はなかったとトッドは振り返る。

    「象徴的なブランドを率い、成功を収めていた。ある意味で、それ以上は望めない。そして私は別のことに取り組みたかった」

    この決断は、レッドブルの将来だけでなく、F1全体の流れにも少なからず影響を与えた可能性がある。もしトッドが加入していれば、その後のタイトル争いの構図は全く異なるものになっていたかもしれない。

    競争の外に見出した新たな価値
    トッドの選択は単なるキャリア判断にとどまらず、人生観の変化を反映していた。

    「競争やお金が絡む世界では、人は大切なことを忘れてしまうことがある」

    「だからこそ、貧困や医療にアクセスできない人々、公共交通を利用できない人々を実際に見て、少しでも手を差し伸べることが重要だ」

    「世界を変えていると言うのはおこがましいかもしれないが、困っている人々の笑顔を見ることができれば、それもひとつの勝利だ。違う形の勝利だが、とても重要なことだと思う」

    フェラーリでの成功、レッドブルからの大型オファー、そしてその辞退。トッドの選択は、F1という競争の世界の外に、もうひとつの価値軸が存在することを示している。

  • ナオミ・シフが007出演を告白 スカイスポーツF1解説者がスタント担当

    ナオミ・シフが007出演を告白 スカイスポーツF1解説者がスタント担当

    ナオミ・シフ(スカイスポーツF1の解説者)は、映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にスタントドライバーとして参加していたことを明かした。

    同作で007の後任「ノーミ」を演じたラシャーナ・リンチの運転シーンをすべて担当していたという事実は、F1ファンにとっても意外性の高いエピソードだ。放送の第一線で活躍する一方で、映画業界でも重要な役割を担っていたことが浮き彫りとなった。

    F1解説者が担った“007の裏側”
    ナオミ・シフは2021年公開の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』において、ラシャーナ・リンチのスタントダブルを務めた。作中でリンチが運転するシーンは、すべてナオミ・シフによるものだったという。

    同作はダニエル・クレイグにとって最後のジェームズ・ボンド作品であり、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス、ベン・ウィショーらが出演する大作として知られている。その中で、ナオミ・シフはアクションの中核を担う役割を果たしていた。

    「ダニエル・クレイグを轢くかもしれないと思いました」
    ナオミ・シフはラジオ番組で当時を振り返り、緊張の瞬間を明かした。

    「ジェームズ・ボンドでラシャーナ・リンチが運転しているシーンは、すべて私が運転しています」

    「スタントのリハーサルをする時間はあまりありませんでした。『ダニエルを入れる』と言われて、“どういう意味ですか?”と思いました」

    「基本的には彼の足元ギリギリでクルマを止めなければならなかったんです。リハーサルは一度だけで、手のひらは汗だらけでしたし、頭の中では『レーシングドライバーがダニエル・クレイグを轢いてしまう』という見出しが浮かんでいました」

    「幸いなことにダニエル・クレイグは無事です。轢くことはありませんでしたし、この仕事をきっかけに『ジュラシック・ワールド』の仕事もいただくことができました」

    レースと映像の両分野で広がるキャリア
    レーシングドライバーとしての経験を持つナオミ・シフは、現在はスカイスポーツF1で解説者・プレゼンターとして活動している。その一方で、今回明かされたように映画スタントという分野でも実績を残している。

    限られたリハーサルで精密なドライビングを要求される現場は、F1に通じる集中力と技術が求められる領域だ。放送、モータースポーツ、そして映像作品という異なる舞台を横断する彼女のキャリアは、F1関係者の新たな可能性を示すものとなっている。

  • マクラーレンF1 フェラーリの“マカレナ”リアウイングに疑問「合法なのか」

    マクラーレンF1 フェラーリの“マカレナ”リアウイングに疑問「合法なのか」

    マクラーレンは、フェラーリが投入した革新的な“マカレナ”リアウイングを目の当たりにした瞬間、まず「それは本当に合法なのか」という疑問を抱いたことを明かした。プレシーズンテストの段階で注目を集めたこの可動式ウイングは、2026年F1レギュレーションの解釈を巡る象徴的な事例となっている。

    一方で、FIAはこの設計に対して明確に問題なしとの見解を示しており、各チームが想定していた以上に設計自由度が残されている現実も浮き彫りとなった。結果として、今季のマシン開発は“収束”ではなく“分岐”へと進んでいる。

    「それは合法なのか?」マクラーレンが抱いた第一印象
    マクラーレンのチーフデザイナーであるロブ・マーシャルは、フェラーリのリアウイングを初めて見た際の率直な反応を明かした。

    「我々は今回のレギュレーションがかなり規定的なものになると思っていた」

    「昔は数値ベースの単純なボックス制約だったが、今は複雑なCADモデルで制御されている。一見すると自由度は低く、マシン形状はほぼ決まってしまうように見える」

    「だが実際に最初のイベントに来てみると、他チームのマシンにはまったく異なる解決策がいくつもあった」

    「フェラーリのリアウイングを見たとき、誰もが『なるほど…でもこれ本当に合法なのか?』と思ったはずだ」

    「そして答えは『合法だ』だった。だから『よくやった』ということになる」

    この“マカレナ”ウイングは、フラップが約270度回転する構造を持ち、ストレートでは航空機の翼のように揚力を生み出して最高速を高める設計とされる。従来のDRSとは異なる思想であり、空力概念そのものを拡張するアプローチだ。

    マクラーレン vs スクーデリア・フェラーリ

    レギュレーションは“収束”ではなく“多様化”を生んだ
    2026年F1レギュレーションは、当初は設計の自由度を大きく制限し、各チームのマシンが似通うと予想されていた。しかし現実には、マーシャルの証言が示すように、その逆の現象が起きている。

    「すべてのマシンに、我々がまったく考えていなかった要素が何かしらある」

    フロントウイング形状もチームごとに大きく異なり、「同じものになる」という予測は完全に外れた。フェラーリはリアウイングだけでなく、エキゾースト出口でも独自の解決策を採用しており、設計競争はむしろ活発化している。

    アウディとアストンマーティンも独自路線を提示
    マーシャルはフェラーリ以外にも、複数のチームの設計に言及している。

    「グリッド全体を見渡すと、特に興味深いのはアウディのサイドポッドだ」

    「誰もが無難な設計になると思っていたが、彼らは明確に異なるアプローチを採っている」

    さらにアストンマーティンについても言及し、サスペンション設計における独創性を評価した。

    「アストンマーティンのサスペンションは非常に興味深い。リアはかなり野心的で、フロントもまた興味深い構造だ」

    「我々が昨年採用したコンセプトに近い部分もある」

    “抜け道”ではなく“解釈勝負”の時代へ
    今回のフェラーリの事例が示しているのは、レギュレーションの“抜け穴”を突いたというよりも、“解釈の幅”を最大限に活用した設計競争への移行だ。

    FIAが即座に合法と判断したことは、今後も同様の革新が各チームから登場する余地を残していることを意味する。結果として2026年F1は、規則による均質化ではなく、創造性による差別化が勝負を分けるシーズンになりつつある。

  • F1 50対50配分は限界か 2027年にPU規則見直しへ 60対40転換案浮上

    F1 50対50配分は限界か 2027年にPU規則見直しへ 60対40転換案浮上

    F1は、2026年F1レギュレーションで導入された内燃エンジンとバッテリーの「50対50」に近い出力配分を見直す可能性について、早くも協議を始めている。対象は2027年、または2028年で、現行マシンが抱えるエネルギー不足と予選での全開アタック不足を根本的に解決する狙いがある。

    マイアミGPに向けてはすでに一連の規則修正が合意されているが、パドック内では、それだけで問題が完全に解決するわけではないとの見方が強い。

    関係者のひとりは、今回の修正で対応できたのは最終的に必要な対策の「約20%」にすぎないと示唆している。

    50対50配分では予選全開アタックの完全復活は困難
    F1首脳陣とパワーユニットメーカーは、現在のターボV6エンジンと4メガジュールのバッテリーが、ドライバーに各ラップを全開で攻めさせるだけの出力とエネルギーを本来は備えていると考えている。

    ただし、現状では内燃エンジンとバッテリーの出力配分が50対50に近い形になっていることで、運用上の制約が大きくなりすぎている。この配分はメーカー参入を促すうえで重要な要素とされてきたが、実際の走行ではエネルギー不足が表面化している。

    そのため、内燃エンジン側の出力を燃料流量の増加によって引き上げ、同時にバッテリー側の最大出力を下げることで、マシンをより自然に最大性能へ近づけられるのではないかという考え方が浮上している。

    450kW対300kW案で60対40へ転換する可能性
    現在検討されている案のひとつは、内燃エンジン側を50kW引き上げ、バッテリー側を50〜100kW引き下げるというものだ。

    現行の出力配分はおおむね内燃エンジン400kW、バッテリー350kWで、F1が掲げた50対50に近い構成となっている。これを450kW対300kW程度に変更すれば、比率はおよそ60対40となり、より内燃エンジン寄りのバランスになる。

    一方で、決勝ではオーバーテイクを助けるために350kWのデプロイを引き続き認める案もあり、その場合は実質的に55対45に近い形となる。

    ただし、2026年シーズン中に内燃エンジン出力を増やすことは不可能とされている。現在のエンジンは既定の出力を前提に設計されており、燃料流量を増やして馬力を引き上げれば、部品寿命が変わり信頼性問題を引き起こすためだ。

    フォーミュラ1エンジン F1レギュレーション

    変更にはメーカー4社以上の賛成が必要
    こうした見直しには、パワーユニットメーカー側のスーパーマジョリティが必要になる。つまり、5メーカーのうち4社に加え、FIAとFOMの支持が必要となる。

    メルセデスは現在の競争優位を持つ立場にあるため、必ずしも変更に前向きとは限らない。しかし、メルセデス単独では改定を阻止できない。

    マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、長期的な視点ではハードウェア変更を検討すべきだと語った。

    「より長期的には、いくつかのハードウェア変更を検討すべきだと思う。そうすることで、シャシー面やドライビング面で必要とされる妥協を減らせるような位置に、パワーユニットの作動点を置くことができる」

    「我々はそれが可能だと考えているし、すべての関係者が貢献する意思を持ってこの議論に臨むべきだと考えている」

    レッドブルのローラン・メキース代表も、次の段階にはハードウェア変更が必要だとの見方を示した。

    「次のステップに進むにはハードウェア変更が必要だという点で、我々はアンドレアに同意している」

    「マイアミに向けた変更は良い一歩だ。正しい方向に進んでいる。誰もそれですべてが解決するとは言っていないが、良い一歩だ。そして、ドライバーたちがコース上で全開で走れるようにするため、我々は今後さらに進むことを確実に支持する」

    アウディも50対50に固執せず
    50対50の電動化比率は、アウディをF1に引き込んだ要素のひとつと見られてきた。しかし、アウディ側は必ずしもその配分に縛られているわけではない姿勢を示している。

    アウディのプロジェクトリーダーであるマッティア・ビノットは、アウディ参入の決め手は別の部分にあったと説明している。

    「アウディが参入を決めたのは、高効率エンジン、持続可能燃料、電動化の大きな比率、そしてMGU-Hの廃止があったからだ。アウディは、その知識が既存メーカーにとって競争上の優位になっていたと考えていた」

    「しかし、アウディは50対50の議論には関与していなかった」

    関係者によれば、2027年からこの見直しを導入するのであれば、メーカーが新設計に着手できるよう、今後数週間以内に決定を下す必要があるという。

    F1はマイアミGPで短期的な修正を試みる一方で、すでにその先の根本的な見直しにも目を向けている。2026年F1レギュレーションの象徴だった50対50配分は、導入からわずか1年で再検討の対象となる可能性が出てきた。

  • フランコ・コラピントに50万人超が熱狂 F1アルゼンチンGP復活へ機運高まる

    フランコ・コラピントに50万人超が熱狂 F1アルゼンチンGP復活へ機運高まる

    フランコ・コラピントのデモ走行が、F1に対するアルゼンチンの情熱が今も衰えていないことを証明した。約20年ぶりに同国のドライバーがF1マシンを走らせたこのイベントには、50万人を超える観客が詰めかけ、その熱狂ぶりはシリーズ側に強烈なメッセージを送るものとなった。

    チケットは数週間前に完売し、無料エリアには早朝から長蛇の列が形成された。混雑や導線の不備に不満も出たが、ファンゾーンや走行が始まると雰囲気は一変し、単なる展示イベントを超えた“国を挙げた祭典”へと変わった。

    50万人が示したF1復活への現実的な根拠
    コラピントのマネージャーであるマリア・カテリネウは、この熱狂ぶりが他のF1ドライバーにも衝撃を与えていると明かした。

    「他のF1ドライバーたちは、コラピントが受けているサポートを見て信じられないと言っている。ランド・ノリスでさえ、あれだけ多くの人に応援されるならフランコの友達になりたいと言った。これは本当に素晴らしいことだ」

    アルピーヌのパートナーエクスペリエンス責任者ルカ・マッツォッコも、この光景に驚きを隠さなかった。

    「これはクレイジーだ。信じられない。私はイタリア人だから情熱は理解しているし共有もできるが、それでも信じられない」

    30年以上F1に関わってきた同氏は、この熱狂をフェルナンド・アロンソがルノー時代にスペインで受けていた支持にしか例えられないと語る。

    「どのレースにもフランコのファンは大勢いるし、結果がどうであれ関係ない。この情熱は言葉にできない」

    歴史と現在をつないだ演出が生んだ共鳴
    イベントは単なる走行にとどまらず、アルゼンチンのモータースポーツの歴史を強く意識した構成となった。

    コラピントは2012年型のロータス・ルノーE20でドーナツターンを披露し、V8エンジンのサウンドを響かせながら観客を熱狂させた。

    さらに1950年代スタイルのヘルメットを着用し、フアン・マヌエル・ファンジオがタイトルを獲得したメルセデスW196ストリームライナーをドライブ。アルゼンチン国旗を掲げながら観客に応える姿は、過去と現在を結びつける象徴的な瞬間となった。

    観客席に近い位置でマシンを止め、ファンと交流する姿も含め、コラピントが短期間で国民的ヒーローとなった理由が明確に示された。

    フランコ・コラピント F1 アルゼンチングランプリ

    F1開催を現実に引き寄せた“証明イベント”
    最終走行ではさらに攻めた走りを披露し、大量のスモークとドーナツで観客を沸かせた。エンジンの熱でマシンが炎上しかけるハプニングすら、この日の熱量を象徴する出来事となった。

    終了後、コラピントはバスの上からファンに語りかけた。

    「今日は本当に素晴らしい一日だった。世界最高のファンだし、僕たちはF1に対してこの国がレースを開催するにふさわしいことを示している」

    このイベントは単なるデモ走行ではない。観客動員、熱量、歴史性、そして現役ドライバーの存在というすべての要素が揃った“開催可能性の実証”だった。

    アルゼンチンでのF1復活は長年議論されてきたテーマだが、今回のコラピントの走行は、その議論を一段階引き上げた。

    シリーズ側がこの熱狂を無視し続けることは、もはや難しくなっている。

  • 角田裕毅 F1トルコGP復活のイスタンブール・パーク走行映像公開

    角田裕毅 F1トルコGP復活のイスタンブール・パーク走行映像公開

    角田裕毅(レッドブルのテスト兼リザーブドライバー)が、トルコ・イスタンブールでデモ走行を行い、イスタンブール・パークを実際に走行していたことが明らかになった。

    レッドブルが公開した映像により確認されたもので、2027年からのF1トルコGP復帰発表と同じタイミングで実施されたイベントの一環とみられる。これまで公開されていた内容では市街地での走行が中心とみられていたが、新たにサーキット走行が含まれていたことが判明した。

    イスタンブール・パーク走行が初めて確認
    角田裕毅は、2012年型レッドブルRB8をドライブし、イスタンブール市街地に加えてイスタンブール・パークでも走行を行った。

    この映像はレッドブルの公式SNSで公開されたもので、トルコ向けアカウントから発信されたものだ。これにより、これまで明確ではなかったサーキット走行の実施が裏付けられた。

    公開された動画にはオンボード映像も含まれており、V8エンジンサウンドを轟かせながら名物のターン8をF1マシンが駆け抜ける様子が確認できる。長年F1の舞台から遠ざかっていたイスタンブール・パークにおいて、実際の走行パフォーマンスを伴うデモであったことがうかがえる。

    トルコは2027年から5年間にわたってF1カレンダーに復帰することが決まっており、今回のデモ走行はその発表に合わせ、現地でF1の存在感を再び示すプロモーションの一環だ。


    現地でのイベントと文化的演出も実施
    角田裕毅はイスタンブール滞在中、ハイダルパシャ港や乙女の塔(クズ・クレシ)など市内各地を訪問。さらに、レッドブルのアスリートであるトルコ代表バレーボール選手ハンデ・バラドゥンとイスタンブール・パークで対面した。

    角田裕毅は現地での滞在について次のように語っている。

    「再びイスタンブールに来られて本当に嬉しい。前回はほとんど街を見る時間がなかったが、今回は街を回って美味しい料理も楽しめた。イスタンブール・パークは素晴らしいサーキットで、ここで走るのは本当に楽しかった」

    またイベントでは、トルコの伝統的な習慣である“車の後ろに水をまく”演出も行われ、F1復帰に向けた歓迎ムードが演出された。

    角田裕毅 F1 トルコグランプリ

    2027年復帰と重なるタイミング
    今回のデモ走行は、F1トルコGP復帰の発表とタイミングが一致している。

    角田裕毅は現在レッドブルのリザーブドライバーとして活動しており、2027年のレギュレーション変更に向けてドライバー市場が大きく動くとみられている。

    レッドブル代表のローラン・メキースは、角田裕毅の将来について「彼に別のチャンスが訪れることを願っている」と語っており、他チームでのレースシート獲得の可能性も残されている。

    今回の走行は、トルコGP復帰を象徴するプロモーションであると同時に、角田裕毅の今後を占う動きのひとつとしても注目される。

  • 元F1王者セバスチャン・ベッテル ロンドンマラソン初挑戦で3時間切りの快挙

    元F1王者セバスチャン・ベッテル ロンドンマラソン初挑戦で3時間切りの快挙

    元F1王者セバスチャン・ベッテルが、2026年ロンドンマラソンで見事な走りを披露し、目標としていた“3時間の壁”を突破した。タイムは2時間59分08秒と、アマチュアとしては極めて優れた記録だった。

    現在は社会活動に力を注ぐベッテルは、今回のレースで慈善団体への支援も実施。暑さの中での厳しいコンディションにもかかわらず、終始安定したペースを刻み、初挑戦での快挙を成し遂げた。

    初マラソンで見せた圧巻の安定ペース
    ベッテルは現地時間9時35分にスタート。序盤から一定のリズムを維持し、過酷な42.195kmを通してペースを崩すことはなかった。

    ハーフ地点は1時間29分18秒で通過。3時間切りを狙える位置につけながらも、後半での粘りが求められる展開となったが、そのまま失速することなく走り切った。

    後半の21.1kmも1時間29分50秒でまとめ、最終的に2時間59分08秒でフィニッシュ。狙い通り“3時間切り”を達成した。

    慈善活動とともに挑んだロンドンの一日
    今回ベッテルは、ブレイン&スパイン財団およびグランプリ・トラストのためにチャリティーランナーとして出場。沿道の観客に支えられながら走り抜いた。

    レース後、ベッテルは次のように語った。

    「とても長く感じたけど、初めてだったから何を期待していいかわからなかった。でも本当に素晴らしかった。コースの横にはたくさんの人がいて、みんなとても楽しそうだった。本当に素晴らしい経験だったし、まだ興奮しているし、完走できてとても嬉しい」

    「ずっとマラソンをやりたいと思っていた。普段から体は鍛えていたし、ランニングやサイクリングもしていたから、そろそろ挑戦する時だと思った。自分に野心的な目標を設定して、それを達成できた。3時間を少し切ることが目標だったから、それができて本当に嬉しい」

    「それ以上に、完走できたこと、そしてこの経験を味わえたことが嬉しい。ぜひみんなにもおすすめしたい」

    F1王者の新たな挑戦が示したもの
    2022年にF1を引退したベッテルは、環境問題や社会活動に積極的に取り組んできた。その延長線上にある今回のマラソン挑戦は、競技者としての新たな一面を印象づける結果となった。

    トップカテゴリーを離れた後もなお、高い目標を掲げて挑戦を続ける姿勢は変わらない。その走りは、F1で見せた規律と持続力を別の舞台で証明するものだった。

  • インテル・マイアミCFが限定キットで登場 メッシらがアウディF1コラボ披露

    インテル・マイアミCFが限定キットで登場 メッシらがアウディF1コラボ披露

    インテル・マイアミCFは、ニューイングランド戦の試合当日に、限定仕様のキットを着用してスタジアム入りした。リオネル・メッシやロドリゴ・デ・ポールら主力選手もこの特別デザインを披露し、試合前から大きな注目を集めた。

    このキットは、アウディ・レボルートF1チームとアディダスによるマイアミ・コレクションの一環として制作されたもので、4月23日のコレクション発表直後というタイミングでの着用となった。

    F1マイアミGPを控える中、都市全体がレースウィークへと向かう流れの中で、モータースポーツとフットボールを融合させた象徴的な演出となった。

    F1とサッカーを結ぶコレクションの狙い
    今回の限定キットは、アウディのF1プロジェクトとアディダスのデザインを融合させた特別企画として位置づけられている。単なるクラブの試合用ウェアではなく、F1マイアミGPに合わせた都市型イベントの一部として展開されている点が特徴だ。

    マイアミという都市の特性もあり、スポーツとカルチャー、そしてエンターテインメントを横断するコラボレーションは年々強まっている。今回のキットはその象徴的な事例であり、F1のブランド価値をフットボールの世界へと拡張する役割も担っている。

    マイアミGP週を盛り上げるクロスオーバー戦略
    F1マイアミGPを前に、各ブランドはファッションや音楽、スポーツと連動した施策を強化している。今回のインテル・マイアミCFの取り組みもその流れに沿ったものであり、レース単体ではなく「都市イベント」としてのF1の価値を高める動きのひとつだ。

    特にメッシのような世界的スターが着用したことで、今回のコレクションはサッカーファン層にも強くリーチする結果となった。F1が持つグローバルな影響力と、フットボールの巨大市場が交差することで、両者のブランド価値を相互に引き上げる構図が鮮明になっている。

    メッシ F1 マイアミグランプリ アウディ

  • レッドブルF1「最強エンジン説」を否定 メルセデスにコンマ3秒差と認識

    レッドブルF1「最強エンジン説」を否定 メルセデスにコンマ3秒差と認識

    レッドブルF1は、自社パワーユニットが2026年F1で最強クラスにあるとの見方を否定した。チーム代表のローラン・メキースは、メルセデスが依然として大きく先行しているとし、FIAが各メーカーの性能序列を評価する作業は「良い仕事ではない」と語った。

    焦点となっているのは、追加開発機会を認めるADUOの判定だ。今後1か月以内、カナダGPからモナコGPの間に、どのメーカーが追加アップグレードの権利を得るのかが示される見通しで、各陣営のロビー活動や性能隠しの可能性にも注目が集まっている。

    メキース「メルセデスは我々の大半よりかなり先にいる」
    メルセデスのトト・ヴォルフは今週、ADUOは苦戦しているホンダだけに認められるべきだと主張した。フェラーリ、アウディ、レッドブルは近い水準にあるという見方だ。

    だがメキースは、そうした見方にはライバルによる駆け引きも含まれていると受け止めている。

    「序列を作るゲームについては、バーレーン以来ずっと聞いている。我々はそこに入らないようにしている」とメキースは今週、レッドブル・パワートレインズ訪問時に一部メディアへ語った。

    「それが難しい仕事であることは認識している。我々は単に、自分たちが見ているものを伝えているだけだ」

    「我々が見ているのは、メルセデスが我々の大半よりかなり先にいるということだ。そしてその通り、特にひとつの陣営、つまりホンダが後ろにいる」

    「他の陣営はおそらく我々にかなり近い。フェラーリとアウディだ。そして当然、ホンダはもう少し苦しんでいる」

    「チーム間で公平に正しい内燃エンジン性能を抽出するのは非常に難しい。全体の結果が、おそらく最も公平で、全員がどこにいるのかを示す最良の絵になると思う」

    レッドブルが見るメルセデスとの差「コンマ3秒」
    パドックでは、レッドブルの内燃エンジンがメルセデスに近い、あるいは上回っているとの見方も出ている。しかしメキースは、レッドブル内部のデータはそれを裏付けていないと明言した。

    メルセデスとの差について、メキースは「我々は内部的にコンマ3秒差と見ている」と語った。

    その差の大部分は、ADUO判定の基準となる内燃エンジン側にあるという。

    「差を見るのは非常に難しい」

    「先ほど話した差については、我々はより内燃エンジンに起因すると見る傾向がある。電気側の出力はパワー面で上限が決められているからだ」

    「ラップタイムのような大きな差、つまりコンマ単位の実質的なラップタイム差について言えば、それは主に内燃エンジンによって生まれている」

    レッドブル・レーシング

    ADUO判定は「良い仕事ではない」
    一方でメキースは、FIAが各パワーユニットの性能を正確に比較することの難しさも認めている。ターボのサイズ、排気の使い方、背圧の違いなど、各メーカーの設計思想が異なるためだ。

    「我々はそのゲームから距離を置こうとしていると信じたい」

    「だから冬のテストでも、我々は自分たちがどこにいると感じているかを単純に伝えた」

    「現時点で、誰がどこにいるのかを評価する客観的な難しさは高い。非常に高い」

    「それを正しく把握しようとする客観的な複雑さは大きい。内燃エンジン対バッテリーの問題もあるし、根本的な選択もある。小さいターボ、大きいターボ、排気ブローあり、排気ブローなし。つまり背圧あり、背圧なしだ。これをやらなければならないのは、良い仕事ではない」

    性能を隠してADUOの可能性を高めようとする陣営があるかと問われると、メキースはこう答えた。

    「そうは思わない。つまり、メルセデスはかなり大きなアドバンテージを持っているから、誘惑されるかもしれない。それは理解できる」

    「だが、それ以外の全員には選択肢がない」

    「それ以外の全員は、ポイント圏内の位置をかけて戦っている。ただしアーキテクチャが異なるなかで、これらすべての理由により、内燃エンジンの出力を他の陣営と公平な基準で評価するのは非常に難しいかもしれない」

    早期アップグレードには慎重な姿勢
    ADUOが認められれば、理論上は判定直後のレースから大規模アップグレードを投入できる。しかしメキースは、レッドブルがすぐにその道を選ぶ可能性は低いと見ている。

    2026年シーズンに使用できるパワーユニットは4基に限られており、投入時期を慎重に選ぶ必要があるためだ。

    「理論上は、判定の直後のレースからそれを行う権利を得ることになる。だが、我々はそれを行う準備ができているのか? おそらくそうではない。シーズン中に4基のエンジンを扱う必要があるからだ」

    「レギュレーションは、投入する瞬間を選ばせる。だから、それらをまとめて、十分に大きなステップにしようとする必要がある」

    「現実的には、少なくとも我々については、シーズン前半にそれを見ることはないと思う。だが確かにシーズン後半には、2027年のウインドウの前に何かを狙うことになる。2027年には、いずれにしてもアップグレードできるからだ」

    「パワーユニットの亡霊は消えた」
    メキースはメルセデスとの差を認めながらも、レッドブル・パワートレインズの出発点は当初の想定を明確に上回っていると語った。

    新たに自社エンジン製造へ踏み出したプロジェクトにとって、最初から大きく後れを取るリスクは深刻だった。だがその懸念は、現時点では取り除かれたという。

    「明らかに期待を上回っている。非常に明確にだ。我々は、もっと遠い出発点になることを想定して準備していた」

    「競争の世界であり、最強の陣営と比べればコンマ2秒でさえ大きな違いを生む。それでも、それはプロジェクトを2年、3年にわたって大きなリスクにさらしかねないものだった。今、パワーユニットの亡霊は消えた」

    「我々には我々の問題がある。このコンマを取り戻す必要がある。マシンで修正すべきものを修正する必要がある。我々はそれをどうやるか分かっている。それは起きる。マイアミではないが、起きる」

    Source: The Race