タグ: F1

  • F1 2027年エンジン変更案は“メルセデス潰し”? 開発現場に混乱も

    F1 2027年エンジン変更案は“メルセデス潰し”? 開発現場に混乱も

    FIA(国際自動車連盟)が進める2027年F1パワーユニット規則の見直しについて、元Wシリーズドライバーで現在はSky Sports F1の解説者を務めるナオミ・シフが「メルセデスを罰することになるかもしれない」との見解を示した。

    現在検討されている案では、2026年に導入される新世代PUの“電動50%:内燃50%”という構成から、2027年には“内燃60%:電動40%”へ移行する方向で議論が進められている。

    FIAは電動出力を50kW削減し、その分を内燃エンジン側で補うことで、ドライバーにとって「より自然で直感的なドライビング」を実現したい考えだ。

    ナオミ・シフ「メルセデス時代を潰す可能性もある」
    ナオミ・シフは『Up To Speed』ポッドキャストで、今回の変更案には技術面だけでなく政治的側面も絡んでいると指摘した。

    「この件には本当にいろいろな要素が絡んでいると思います。政治的側面もあります。メルセデスは現在エンジン面で先行していて、自分たちのパフォーマンスにも満足しているはずです」

    「だから、“これは彼らを罰することになるのでは?”と言う人もいます。もしかしたら、またメルセデスの支配時代になるはずだったのかもしれません。でも実際には、多くのことが変わろうとしています」

    シフは特に、現在の電動比率ではバッテリー効率に限界があり、ドライバーのエネルギーマネジメント負担が大きすぎる点を問題視した。

    「現状のバッテリーは十分に効率的ではありません。そのせいでドライバーは延々とマネジメントを強いられています」

    「もし60:40へ変更すれば、バッテリー管理は減ると思います。バッテリーの持続性が改善され、より効率的になるからです」

    燃料タンク変更でシャシー設計にも影響
    一方で、シフはこの変更が単なるPU調整では済まない可能性も警告した。

    内燃機関側の比率が増えれば、当然ながら燃料消費量も増加する。その結果、一部チームではより大容量の燃料タンクが必要になり、シャシー全体の再設計につながる可能性があるという。

    「ただし、それはより多くの燃料を燃やすということでもあります」

    「そして燃料が増えるということは、一部のチームでは新しい燃料タンクが必要になるかもしれません。すべてのチームではありません。どこまで燃料セルを限界まで小型化しているかは分かりませんから」

    「でも新しい燃料タンクが必要になれば、シャシーに劇的な変更が必要になる可能性があります」

    2027年変更案が各チームの開発計画を混乱させる可能性
    シフはさらに、各チームがすでに2027年マシン開発をかなり進めている時期であることにも言及した。

    「チームはすでに来季マシンの設計をかなり進めている段階だと思います」

    「風洞用モデルの製作プロセスに入っているチームもあるはずです。通常、風洞モデルを投入する期限は6月頃になります」

    「となると、今からまた設計をやり直すのか? どうやってスケジュールを維持するのか? という話になります」

    2026年レギュレーションは、アウディやレッドブル・フォード、キャデラックF1など新規・新体制メーカーの参入を前提に長期間かけて策定された経緯がある。それだけに、導入からわずか1年後に大幅な方向転換を行えば、PUメーカー間の勢力図だけでなく、各チームの車体開発スケジュールそのものにも大きな影響を及ぼす可能性がある。

  • アストンマーティンF1スポンサーJCB 水素エンジンで世界最速挑戦

    アストンマーティンF1スポンサーJCB 水素エンジンで世界最速挑戦

    アストンマーティンF1のスポンサーを務める英国メーカーのJCBが、水素燃焼エンジンを搭載した専用車両で陸上速度記録に挑戦する。舞台は米ユタ州のボンネビル・ソルトフラッツで、FIAが公式に記録挑戦を認定する。

    JCBにとっては、2006年にディーゼル車両「ディーゼルマックス」で世界記録を樹立して以来、20年ぶりの記録挑戦となる。今回の新型車「ハイドロマックス」には、JCBが開発した水素内燃エンジン技術が投入される。

    水素エンジンで挑む“次の速度記録”
    JCBのハイドロマックスは全長32フィートの専用車両で、生産ベースのJCB製水素燃焼エンジンを2基搭載する。合計出力は1,600bhpに達し、5年間で1億ポンドを投じて進められてきたJCBの水素プログラムの一環として開発された。

    ステアリングを握るのは、アンディ・グリーン空軍中佐。グリーンは地上で音速の壁を破った唯一の人物であり、2006年8月にはJCBディーゼルマックスを駆り、350.092mphのFIA世界ディーゼル陸上速度記録を樹立した。この記録はいまも破られていない。

    FIAが認定する歴史的な挑戦
    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、この挑戦を「スピード、技術、革新にとって歴史的な瞬間」と位置づけた。

    「JCBが水素による陸上速度記録挑戦のためにボンネビル・ソルトフラッツへ戻ることは、決定的な章になる。これは空力、エンジニアリングの卓越性、人間の勇気の限界を押し広げる試みであり、野心と革新が結びついたときに何が可能になるかを示すものだ」

    「ブルーバードからスラストSSC、そして新たなJCBハイドロマックスまで、FIAにはこうした歴史的瞬間を認定してきた誇るべき歴史がある。これらの車両は、未来の革新者、科学者、エンジニアに刺激を与える。この水素車両は単に世界記録を破ろうとするだけでなく、高速で持続可能なモビリティの未来そのものを形づくることになる」

    英国でのテストを経てボンネビルへ
    チームはまず英国でテストを開始し、その後、世界有数の陸上速度イベントであるボンネビル・スピードウィークへ向かう。記録挑戦はFIAレギュレーションの下で行われ、正式に認定される世界記録を目指す。

    FIAスポーツ担当副会長のマルコム・ウィルソンも、JCBの復帰が持つ意味を強調した。

    「JCBがボンネビル・ソルトフラッツへ戻ることは、非常にエキサイティングな瞬間だ。同社がディーゼルマックスで成し遂げた過去の成功だけでなく、このプロジェクトが記録挑戦というものが今もエンジニアリングと革新の限界を押し広げ続けられることを示しているからだ」

    JCB会長「これはスピードだけの話ではない」
    JCB会長のアンソニー・バンフォードは、今回の挑戦を英国の技術力を示す機会と位置づけた。

    「英国には速度記録を樹立してきた誇るべき伝統があり、英国企業として、水素を使って新たな記録に挑戦できることをうれしく思う」

    「これは単にスピードだけの話ではない。英国にある世界水準のエンジニアリング人材と、我々の新しい水素エンジンの堅牢性を世界に示すためのものだ」

    アストンマーティンF1のスポンサーでもあるJCBにとって、今回の挑戦はモータースポーツの枠を超えた技術発信の場となる。20年前にディーゼルで築いた記録の歴史を、今度は水素燃焼エンジンで更新できるかが注目される。

  • 2027年F1に“レース短縮案”浮上 60/40新PU構想に深刻な壁

    2027年F1に“レース短縮案”浮上 60/40新PU構想に深刻な壁

    FIA(国際自動車連盟)が2027年F1レギュレーションに向けて推進する“60/40”パワースプリット構想が、新たな現実的問題に直面している。

    現在の2026年規則では、内燃エンジン(ICE)と電力の出力比率は「50対50」が大きな柱となっている。しかし、実走データの分析が進むにつれ、エネルギー不足による“失速問題”や不自然なドライビングが懸念材料となり、FIAとメーカー陣営は早くも方向転換を模索している。

    その結果として浮上したのが、ICE側を強化した“60/40”構成への変更案だ。しかし、The Raceによると、その実現にはシャシー設計、燃料搭載量、ADUO(追加設計・アップグレード機会)制度など、多数の障害が存在しているという。

    FIAとメーカーは“原則合意” しかし詳細は未定
    今回、FIAと各メーカーが合意したのは、あくまで「50/50構造を見直す」という方向性に過ぎない。

    具体的には、燃料流量を増加させることでICE出力を50kW引き上げる一方、電力側のデプロイメントを50kW削減する案が検討されている。

    さらに議論の対象には以下も含まれている。

    ■ エネルギー回生上限の引き上げ(現行350kW以上)

    ■ バッテリー容量拡大(4MJ→5MJ案)

    FIAとしては「より自然な速度プロファイル」を取り戻し、予選やレースで発生する極端なエネルギー不足状態を解消したい考えだ。

    最大の問題は“燃料タンク”だった
    しかし、燃料流量を増やすということは、その分だけ燃料消費量も増えることを意味する。

    通常なら翌年用シャシーで燃料タンクを大型化すれば済む話だが、2027年には特殊事情が存在する。

    2026年の完全新規レギュレーション導入によって、各チームはすでに莫大な開発費を投じており、コストキャップ下では2027年の出費抑制を望む声が強い。

    The Raceによると、複数チーム――場合によってはグリッドの半数近く――が「2026年型シャシーを2027年も継続使用する」ことを検討していたという。

    しかし、燃料タンク大型化が必要になれば、その構想は成立しなくなる。

    “レース距離短縮”という衝撃案
    その結果として、現在3つの解決策が浮上している。

    1つ目は、FIAがコストキャップ特例を認め、新型シャシー開発を許可する方法。

    2つ目が、最も議論を呼びそうな“レース距離短縮案”だ。

    報道では、50kW増加を実現するには燃料流量を約10%増やす必要があるとされており、その場合、燃料消費量を合わせるために「レース距離を約10%短縮する必要がある可能性」が指摘されている。

    現在のF1は305km前後が標準距離となっているため、実施されれば約30kmの短縮になる計算だ。

    これはF1の伝統そのものに関わる問題であり、ファンやチームの反発も予想される。

    予選だけ“60/40化”する折衷案も
    もう1つの現実的選択肢として浮上しているのが、“予選のみ燃料流量アップ”という案だ。

    土曜日だけICE出力を強化し、日曜日の決勝では現行水準へ戻すことで、燃料消費問題を回避する構想である。

    これにより、予選で問題視されている“エネルギー不足による失速”を改善しつつ、レース距離や燃料タンク設計への影響を最小限に抑えられる。

    FIA内部では、この案を2028年完全移行への“橋渡し”として活用する可能性も検討されているという。

    ホンダ救済措置との衝突
    さらに複雑なのが、ADUO制度との整合性だ。

    ADUOは、性能で出遅れたPUメーカーに追加開発時間や予算を与える“救済制度”であり、現在ホンダが最大恩恵を受ける立場にある。

    しかし、燃料流量増加によってPU設計そのものが再構築される場合、既存のADUO優遇を維持すれば、一部メーカーだけが“再設計済みPU”をより長く開発できる不公平状態が生まれる。

    そのため、一部メーカーからは「2027年開始時点でADUOを完全リセットすべき」という声も出始めている。

    ただし、それを実施すれば、振動問題や信頼性不足に苦しむホンダにとっては極めて厳しい状況になる。

    FIAが会合後の声明で「原則合意(in principle)」という慎重な表現に留めた背景には、こうした政治的対立の深さがある。

    今後、詳細技術会議が本格化することで、“60/40化”が本当に2027年から実施可能なのか、その現実性が問われることになる。

  • デンマークF1開催構想が再始動 約790億円サーキット計画

    デンマークF1開催構想が再始動 約790億円サーキット計画

    デンマークで、再びF1開催構想が動き出した。

    かつて頓挫したコペンハーゲン市街地レース計画に代わり、今度は南ユトランド地方パドボーに新サーキットを建設する「Circuit of Denmark」プロジェクトが浮上。製薬大手ノボ・ノルディスク創業家の資金支援を背景に、総額5億ドル(約790億円)規模とも報じられる大型計画だ。

    F1開催を最終目標に掲げる一方で、関係者からは“立地問題”や“国家レベルの規制”を懸念する声も上がっている。

    頓挫したコペンハーゲン計画から6年
    2020年には、デンマーク首都コペンハーゲンでのF1市街地レース構想が大きく報じられた。当時はFIAの支援もあり、著名サーキットデザイナーのヘルマン・ティルケもレイアウト案を承認していた。

    しかし、政治的支援を失ったことで計画は崩壊。元デンマーク閣僚ヘルゲ・サンダーが主導していたプロジェクトは、実現目前で消滅した。

    今回浮上した「Circuit of Denmark」は、その失敗とは異なるアプローチを取る。

    舞台となるのは、ドイツ国境に近いパドボー。元F1ドライバーのアレックス・ブルツが設計を担当する近代的サーキット建設構想であり、将来的なF1招致を視野に入れている。

    英『Ekstra Bladet』紙は、「すべてが順調に進めば、数年以内にパドボーでF1開催の可能性がある」と報じている。

    “北欧に足りないもの”を埋める計画
    現時点では、計画はまだ初期段階にある。ただし、すでに政治家へのプレゼンテーションは行われているという。

    プロジェクトディレクターのレベッカ・スティーラは、デンマークサッカー協会やFCコペンハーゲンでの経歴を持つ人物だ。

    「北欧に欠けているのは、ヨーロッパ全体を引き寄せる国際的な推進力です」

    「我々には、国内の莫大な才能を解き放つ“モータースポーツの本拠地”がありません」

    「私たちは、その空白を埋めようとしているのです」

    当初のサーキット仕様はF1開催基準(ホモロゲーション)を満たさない見通しだが、長期的にはF1開催可能な施設への発展を目指している。

    “市長が前向きでも建設できるとは限らない”
    かつてのF1計画責任者ヘルゲ・サンダーも、新プロジェクトに期待感を示した。

    「この記事を読んだとき、私は小躍りしたよ。実現してほしいと思っている」

    一方で、実現までの困難さも熟知している。

    「ただ、自分の経験から言えば、これは非常に大きなプロジェクトだ。完成までの道のりは長い」

    サンダーは今後、F1側へ直接コンタクトを取り、現時点でどれほど本気の関心があるのか確認する意向も示している。

    さらに彼は、サーキット建設には自治体だけでなく国家レベルの厳しい規制が存在すると警告した。

    「完全新設なのか、既存アスファルトを利用するのかで、まったく別のプロジェクトになる」

    「モータースポーツ施設には、自治体だけでなく国からの厳しい制限も存在する」

    「市長がどれだけ前向きでも、どこにでも建てられるわけではない」

    F1が求める“デスティネーション都市”とのズレ
    現在のF1は、単なるレース開催地ではなく、“都市型エンターテインメント”としての価値を重視している。

    ラスベガス、マイアミ、シンガポールのように、観光・ナイトライフ・高級ホスピタリティを組み合わせた「デスティネーション都市戦略」が近年のF1拡大路線の中心だ。

    その視点で見ると、パドボーという立地には疑問符も残る。

    サンダーも、「世界最高の場所とは言えないかもしれない」と認めている。

    「願わくば、“良い話だけ”で終わらないことを祈っている」

  • 元F1ドライバーのティモ・グロック ニュル24時間で失格&ライセンス剥奪

    元F1ドライバーのティモ・グロック ニュル24時間で失格&ライセンス剥奪

    元F1ドライバーのティモ・グロックが、2026年ニュルブルクリンク24時間レースで失格処分を受け、ノルドシュライフェ・ライセンスを剥奪された。

    ティモ・グロックは、ミハエル・シューマッハの1995年ベネトンカラーを再現した#69 マクラーレンをドライブしていたが、夜間スティント中に重大な違反を犯した。

    コード60区間で112km/hを記録
    レースコントロールによると、ティモ・グロックはコード60区間を112km/hで通過。安全確保のため厳格な速度制限が設けられている区間での違反と判断された。

    しかも今回が2度目の違反だったことで、厳しい処分が科されることになった。

    スチュワードは声明で次のように説明している。

    「ティモ・グロックは2度目のペナルティを受けた」

    「追加で2点のペナルティポイントが科された結果、ノルドシュライフェ・ライセンスを失うことになった」

    「同時に失格処分となる」

    再取得には再申請と講習受講が必要
    ティモ・グロックは今後、ライセンス再取得のために再申請を行い、義務付けられたeラーニング講習を再受講しなければならない。

    これにより、将来的にノルドシュライフェのレースへ再び参戦するためには、改めて出場資格を回復する必要がある。

    なお、チームメイトのマルティン・キルヒホーファー、ベン・ドール、ティモ・シャイダーはレース続行を許可されており、#69 マクラーレンはティモ・グロック抜きで24時間レースを戦うことになった。

    【関連】
    ・元F1ドライバーのティモ・グロック ニュル24時間失格を受け入れ「自分の責任」

  • エステバン・オコン ハースF1途中離脱の可能性 小松礼雄との関係悪化説

    エステバン・オコン ハースF1途中離脱の可能性 小松礼雄との関係悪化説

    エステバン・オコン(ハースF1チーム)の2026年シーズンに暗雲が漂っている。開幕から苦戦が続くなか、チーム代表の小松礼雄との関係悪化説まで浮上し、海外では「シーズン途中でシートを失う可能性がある」との見方が報じられた。

    2025年末にアルピーヌF1チームを離脱したオコンは、2026年からハースへ加入。しかし、新天地でも流れを変えられず、ここまで獲得ポイントはわずか1点。チームメイトのオリバー・ベアマンが17ポイントを獲得している状況と比較され、厳しい立場に追い込まれている。

    マイアミGP後に関係悪化説が浮上
    報道によると、小松礼雄とオコンはマイアミGPの週末に関係が悪化したとされている。オコンは再びポイント獲得に失敗し、チーム内での評価低下がさらに進んでいるという。

    ブラジル人ジャーナリストのジュリアン・セラソリは『UOL Esporte』に対し、現在のオコンの状況について次のように語った。

    「小松礼雄はオコンのことを好んでいません。明らかに気に入っていないですし、現在のパフォーマンスにも満足していません」

    「実際のところ、オコンがシーズンを最後まで戦えるのか分からないという話も聞いています。ですので、はっきり言えば、現在のオコンの状況はまったく良くありません」

    オコンは2025年シーズンにもベアマンに苦戦する場面が多かったが、2026年はさらに差が広がっている。予選、決勝ともにベアマンが優位に立つレースが続き、チーム内での立場にも影響を与えているとみられる。

    小松礼雄(ハースF1チーム)

    2025年にも相次いだシーズン途中交代
    F1では近年、シーズン途中でドライバーが交代するケースが珍しくなくなっている。

    2025年には、リアム・ローソンがレッドブルでわずか2戦のみの出走となり、その後は角田裕毅が昇格した。一方でローソン自身はレーシングブルズへ戻ったため、グリッドから完全に姿を消したわけではなかった。

    また、ジャック・ドゥーハンはアルピーヌF1チームで6戦を戦った後にシートを失い、フランコ・コラピントへ交代となった。今回の報道では、オコンも同様の状況に陥る可能性があるとの見方が出ている。

    後任候補には平川亮やドゥーハンの名前
    もしハースF1チームがシーズン途中でオコンを交代させた場合、複数の候補が存在する。

    有力候補のひとりとして名前が挙がっているのがジャック・ドゥーハンだ。ドゥーハンはアルピーヌのレギュラーシートを失った後、ハースのテスト兼リザーブドライバーとしてチームに加入している。

    さらに、トヨタとの関係が深い平川亮も候補のひとりとみられている。平川亮はこれまでハースでFP1出走を重ねており、チームとの関係を深めている状況だ。

    また、フェラーリとの提携関係を利用し、F2から若手を昇格させる可能性もある。ラファエル・カマラとディーノ・ベガノビッチは2026年F2で好スタートを切っており、将来的な起用候補として名前が挙がっている。

    小松礼雄体制のハースF1が重視するもの
    現在のハースF1チームは、中団争いのなかで限られたリソースを最大限に活用する体制を敷いている。

    小松礼雄はこれまで一貫して、ドライバーに対して「結果」と「チームへの貢献」を求める姿勢を示してきた。そうしたなかで、ベアマンが安定してポイント争いに絡んでいる一方、オコンは結果を残せていない。

    さらに、マイアミGP後にはチーム内部の空気悪化まで報じられる状況となった。

    2026年シーズンはまだ序盤とはいえ、F1では流れを失ったドライバーが短期間で立場を失うケースも少なくない。ハースF1チームが今後どのような判断を下すのか、オコンの去就に注目が集まっている。

    Source: F1 OVERSTEER

    【追記】
    本記事で引用したブラジル人ジャーナリストのジュリアン・セラソリは、その後自身のSNSで発言内容について補足を行った。

    セラソリは「2027年のハースF1チームにおけるラファエル・カマラの状況について話していた」と説明。そのうえで、「小松礼雄がエステバン・オコンを公に批判した件に触れただけであり、マイアミGPでの衝突や内部トラブルについては何も聞いていないし、その件についてコメントもしていない」と投稿している。

    一方で、番組内では実際に「小松礼雄はオコンを気に入っていない」「現在のパフォーマンスに満足していない」「オコンがシーズンを最後まで戦えるか分からないという話も聞いている」といった趣旨の発言も行っていた。

    ただし、これらはあくまで番組内での現地ジャーナリストによる見解やパドック内の空気感に基づくコメントであり、ハースF1チームや小松礼雄、エステバン・オコン本人が公式に認めたものではない。

    そのため、本記事内で触れている“関係悪化説”や“途中離脱の可能性”については、現時点で公式に確認された情報ではなく、今後の状況次第で見方が変化する可能性がある。

  • トヨタ幻のF1マシン「TF110」 ミュンヘンのF1エキシビジョンで一般公開

    トヨタ幻のF1マシン「TF110」 ミュンヘンのF1エキシビジョンで一般公開

    トヨタが2010年F1参戦用に開発しながらも実戦投入されなかった幻のマシン「トヨタ TF110」が、5月にドイツ・ミュンヘンで開催される「F1 Exhibition」に展示されることが明らかになった。

    F1 Exhibitionは公式SNSを通じて、TF110を「F1における“もしも”の存在」と紹介。2010年の新レギュレーションに合わせて開発されたマシンだったが、トヨタが2009年末にF1撤退を決断したことで、レースを走ることなく歴史に埋もれた1台となった。

    今回の展示では、通常は見ることのできないエンジンカバーを外した状態で公開される予定となっており、来場者は内部構造を間近で確認できるという。

    展示はトヨタ・モータースポーツの協力のもと実現。F1 Exhibitionは「ぜひ間近で見てほしい」と来場を呼びかけている。

    F1 Exhibitionは2026年5月20日にミュンヘンで開幕予定。会場となる「Pineapple Park」では、約3000平方メートル規模の展示エリアを使い、F1の歴史や技術革新、名場面をテーマ別に紹介する。

    ドイツでの開催はオーバーハウゼンに続く2都市目となり、これまでにロンドン、マドリード、メルボルン、メキシコシティなど世界各地を巡回。累計来場者数は130万人を超えている。

    会場では、ミハエル・シューマッハとニコ・ロズベルグがドライブしたメルセデス W02や、マックス・フェルスタッペンが初のF1王座を獲得したRB16Bなども展示される予定となっている。

    【関連】
    ・幻のF1マシン:トヨタ TF110 “優勝を狙えるポテンシャルがあった”

  • アイザック・ハジャー F1マイアミGPでの激昂にピケJr.「少し子供っぽい」

    アイザック・ハジャー F1マイアミGPでの激昂にピケJr.「少し子供っぽい」

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)に対する批判が、F1パドック内でさらに広がっている。

    2026年F1マイアミGPでクラッシュを喫したアイザック・ハジャーは、マシンを降りる前から無線で激しい怒りを露わにし、コクピット内でステアリングを叩く姿も映し出された。週末を通してマックス・フェルスタッペンとの差に苛立ちを見せていたハジャーにとって、マイアミはフラストレーションの募る一戦となった。

    その感情的な反応については、すでにギュンター・シュタイナーやジェームス・ヒンクリフらが懸念を示していたが、今度は元F1ドライバーのネルソン・ピケJr.も厳しく批判。精神面での未熟さに疑問を投げかけた。

    ネルソン・ピケJr.「少し子供っぽい」
    ポッドキャスト『Pelas Pistas』に出演したネルソン・ピケJr.は、マイアミGPでのハジャーの振る舞いについて次のように語った。

    「この出来事を引きずりすぎなければいいと思う。でも、完全に自分自身のミスだったよね」

    「他に見るべき相手もいないし、責任を押し付ける相手もいない。彼自身の問題だ」

    ハジャーはターン14のイン側ウォールに接触してサスペンションを破損。そのままターン15出口でクラッシュを喫した。ダメージ自体は不運な側面もあったが、ピケJr.はその後の感情的な反応を問題視した。

    「彼にはこれからカナダとモナコという難しいレースが待っている。カナダも簡単なサーキットじゃないし、モナコはさらに厄介だ」

    「まだそのレベルには達していないと思う。同じことがカナダでも起きて、モナコでも起きれば、彼自身も目を覚ますだろう」

    「そこで初めて、心理的にそのプレッシャーに耐えられる準備ができているのかが見えてくる」

    さらにピケJr.は、F1で生き残るドライバー像についても言及した。

    「感情的になりすぎるのは、少し子供っぽい。成熟さが足りないということだ」

    「F1のボスたちは、ドライバーが次々と入れ替わる世界を見続けてきている。結局、最後に前方で戦い続けるのは冷静なドライバーたちなんだ」

    「頭に血が上らないタイプのドライバーだよ」

    レッドブル内でも試練の時期
    ハジャーは2026年シーズン序盤、開幕戦では速さを見せた一方で、ここ数戦はフェルスタッペンとの差に苦しんでいる。本人もマシンバランスやシャシー面への不満を口にしており、精神的な苛立ちが無線でも目立つようになってきた。

    レッドブル・レーシングはこれまでにも、セカンドドライバー側がマシン適応に苦戦するケースを繰り返してきた。そうした中で、ハジャーがプレッシャーの中でも冷静さを保てるかは、今後の評価を左右する重要なポイントになりそうだ。

  • FIA会長「我々にファンは必要ない」発言が波紋 F1統治を巡る緊張が再燃

    FIA会長「我々にファンは必要ない」発言が波紋 F1統治を巡る緊張が再燃

    FIA(国際自動車連盟)のモハメド・ビン・スライエム会長が、批判の高まりにも動じない姿勢を鮮明にした。

    統治問題や政治的対立、F1関係者との摩擦などを巡って就任以来たびたび物議を醸してきたビン・スライエムだが、米Forbesのインタビューでは「我々にファンは必要ない」と語り、FIAの役割は人気取りではなく公平性にあると主張した。

    「FIAはF1だけではない」
    モハメド・ビン・スライエムは、FIAが単なるF1統括団体ではなく、世界規模のモータースポーツ連盟であることを強調した。

    「人々はFIAを理解していない」とビン・スライエムは語った。

    「FIAは連盟だ。149か国に245のメンバーがいる。FIAはF1だけではない」

    さらに、F1は数ある選手権のひとつに過ぎないと説明した。

    「F1はFIAの下にある世界選手権だ」

    「我々にはカートがあり、ラリーがあり、クロスカントリーがあり、GTがあり、フォーミュラEがある。本当に多くの選手権を運営している」

    「我々に必要なのは人気ではなく敬意」
    ビン・スライエムは、FIAの使命は“公平性”であり、その結果として不人気になることは避けられないとの考えを示した。

    「我々の使命は何か? すべての人に対して公平であり、このスポーツにとって最善を尽くすことだ」

    「私は決してファンを得られないだろう」

    その理由として、スチュワードの裁定に対する反発を挙げた。

    「我々のレフェリーであるスチュワードが、ドライバーのミスに対して5秒ペナルティを科せば、人々は怒る」

    そのうえで、FIAにとって人気は重要ではないと断言した。

    「我々はファンを得るために存在しているわけではない。我々はすべての人に公平であるために存在している」

    「我々に必要なのはファンではない」

    「必要なのは敬意だ。公平性と透明性が必要なんだ」

    F1との力関係にも言及
    ビン・スライエムは、リバティ・メディアや各F1チームとの間で続く権限争いについても、FIAの優位性を強調した。

    「F1からFIAがなくなれば、F1そのものが消える」

    「とても単純な話だ。FIAがなければF1は存在しない」

    さらに、商業権保有者やチーム、会長職は移り変わっていく存在だと語った。

    「プロモーターは変わる可能性がある。チームは現れては消え、ドライバーも同じだ」

    「会長も入れ替わる。しかしFIAは常に存在し続ける」

    「私を排除してもF1は残る。しかしFIAを取り除けばF1は存在できない。それだけ単純なことだ」

    FIA(国際自動車連盟)

    統治姿勢への反発は今後も続く可能性
    モハメド・ビン・スライエムは再選を果たした一方で、近年のFIAはチームやドライバー、さらにはファンとの関係悪化がたびたび指摘されている。

    特にペナルティ運用や政治的発言、F1商業側との主導権争いは2026年に入っても火種となっており、今回の「ファンは必要ない」という発言は、FIAの統治姿勢を象徴するコメントとしてさらに議論を呼びそうだ。

  • カルロス・サインツJr. F1スペインGP新サーキット「マドリンク」を初走行

    カルロス・サインツJr. F1スペインGP新サーキット「マドリンク」を初走行

    カルロス・サインツJr.が、2026年からF1スペインGPの開催地となる新サーキット「マドリンク」を初走行し、その印象を語った。

    マドリンクは、これまでスペインGPを開催してきたバルセロナ=カタルーニャ・サーキットに代わり、2026年9月にF1スペインGPを開催予定。一方、従来の会場は「バルセロナ=カタルーニャGP」と名称を変更し、6月開催へ移行する。

    市街地と常設区間を融合した新レイアウト
    全長5.4km、22コーナーで構成されるマドリンクは、一部が市街地区間、後半が専用設計の常設区間という特徴的なレイアウトを採用している。

    現在も建設作業は続いており、月末にはFIAによる査察を控えている。F1開催に向けた準備は最終段階に入っている。

    ウィリアムズのドライバーであり、サーキットのアンバサダーも務めるカルロス・サインツは、F1が公開した映像内で次のように語った。

    「本当に楽しかった。新しいサーキットを走るときのワクワク感を思い出した」

    「正直、ここまで楽しいとは思っていなかった。こんなに流れるようなレイアウトで、しかも道幅も広くて、長い時間マシンに荷重をかけ続けられるとは予想していなかった」

    「特にオープンセクションは印象的だったし、自分たちがどれだけ速く走っているかを実感した。このクルマでこれだけ速いなら、F1マシンならどれほどのスピードになるのか想像してほしい」

    カルロス・サインツJr. スペイングランプリ

    “別世界”へ切り替わるセクションを高評価
    サインツは、お気に入りの区間としてターン7出口からターン8への区間を挙げた。

    このエリアは、高低差を伴うブラインドコーナーからハードブレーキングへつながるレイアウトとなっており、視界が大きく制限されるという。

    「とてもタイトで、市街地サーキットのような区間から、突然何も見えないブラインドコーナーへ入っていく」

    「そして突然コースが開ける。まるでスクリーンを通り抜けて、別の世界へ入るような感覚だ」

    「このサーキットには完全に異なる2つの性格がある。市街地区間から、一気にオープンで幅広い区間へ切り替わるところが気に入っている」

    F1新時代の“スペインGP”として注目
    2026年のF1は新レギュレーション導入に加え、開催地やカレンダーにも変化が続いている。その中でマドリンクは、スペインGPの新たな象徴として大きな注目を集める存在となりそうだ。

    特に近年のF1では、市街地と高速常設区間を組み合わせたレイアウトが増加傾向にあるが、サインツのコメントからは、単なる“イベント型市街地サーキット”ではなく、ドライバーが本格的に攻められるコースとして期待している様子がうかがえる。

    FIA査察を経て正式承認が下りれば、マドリンクは2026年後半戦の重要な一戦として初開催を迎えることになる。