タグ: F1

  • ルイス・ハミルトン フェラーリF1で再び見つけた“ボノのような存在”

    ルイス・ハミルトン フェラーリF1で再び見つけた“ボノのような存在”

    ルイス・ハミルトンは、バルセロナ・カタルーニャGPでのフェラーリ移籍後初勝利の背景として、新たなレースエンジニアであるカルロ・サンティとの強い信頼関係を挙げた。

    2025年に苦戦したリカルド・アダミ体制から一転し、サンティとの新たなパートナーシップが機能し始めたことで、ハミルトンはメルセデス時代にピーター・ボニントンと築いた関係に近い感覚を取り戻しつつあるという。

    ハミルトン初勝利を支えたエンジニア交代
    バルセロナ・カタルーニャGPでハミルトンは、メルセデス勢を打ち破る見事な3ストップ戦略を成功させ、フェラーリ移籍後初となるグランプリ優勝を飾った。

    この勝利は、直前の2戦連続2位に続く結果であり、2025年の移籍時に期待されたタイトル争いへの本格参戦を印象付けるものとなった。

    その裏で重要な役割を果たしているのが、新レースエンジニアのカルロ・サンティだ。

    2025年にコンビを組んだリカルド・アダミとは無線交信でぎこちないやり取りが度々話題となったが、フェラーリは今年1月にアダミの離任を発表。プレシーズンテストではサンティが後任としてハミルトンの担当に就いていた。

    サンティは過去にキミ・ライコネンのパフォーマンスエンジニアやレースエンジニアを務めた経験を持つが、2025年にハミルトンが加入した当時はファクトリー勤務が中心で、レース現場に常駐する立場ではなかった。

    ボニントン以来となる強い信頼関係
    ハミルトンは表彰台でサンティと喜びを分かち合ったことについて、長年コンビを組んだピーター・ボニントン以来の特別な関係だと明かした。

    「彼が表彰台に上がれたのは素晴らしいことだった」

    「今年、彼は代役として飛び込んできて、僕と一緒に深く仕事をしてくれている。お互い何も知らない状態だったし、話したこともなかった」

    「でも会った瞬間からうまくいった。以前のようなエンジニアとのつながりを再び築けたのは本当に素晴らしいことだ」

    ハミルトンは2013年からメルセデスでボニントンとコンビを組み、6度のワールドチャンピオン獲得を共に成し遂げた。しかし現在ボニントンはキミ・アントネッリを担当している。

    「ボノとは本当に長い時間を過ごした。だからその感覚を失っていたんだ」

    「今こうして彼とあの舞台を共有できるのは本当に素晴らしい。彼は本当に静かな人なんだけどね」

    互いの情熱を呼び覚ますパートナーシップ
    ハミルトンはサンティとの仕事が、自身だけでなくサンティにも良い影響を与えていると考えている。

    「彼は感情を表に出すのが得意なタイプではない。でもいつも笑顔なんだ」

    「僕は彼を抱きしめて感謝を伝えている」

    さらにハミルトンは、サーキット現場で働く情熱をサンティが再発見できたのではないかと語った。

    「僕との仕事が、彼のエンジニアとしての情熱を再び燃え上がらせたと思いたい。そして彼もまた、ドライバーとしての僕の情熱を取り戻してくれた」

    バスール代表が強調したチーム全体の成果
    一方でフェラーリ代表のフレデリック・バスールは、サンティとハミルトンの良好な関係を認めながらも、今回の勝利を特定の個人の功績として語るべきではないと強調した。

    「カルロを特別扱いしたいわけではない」

    「これはチーム全員による大きな努力の成果だ。カルロはそのプロセスの一部であり、ルイスとの相性も非常に良い」

    さらにバスールは、成功も失敗もチーム全体で受け止めるべきだと語る。

    「悪い時は私が責任を引き受けてチームを守ろうとしている」

    「今日の結果についても、特定の部署や個人を前面に出したくはない。結果が出ているのは、全員が一丸となって良い仕事をしているからだ」

    フェラーリにとって2024年10月以来となるグランプリ優勝は、マシン開発や戦略面の進歩だけでなく、ハミルトンとサンティが築き上げた新たな信頼関係の成果でもある。

    長年ボニントンと共に成功を重ねてきたハミルトンにとって、新たな環境で再び深い信頼関係を築けるエンジニアを見つけたことは大きな意味を持つ。フェラーリがタイトル争いに本格参戦するうえで、このコンビの結束は今後さらに重要な武器となりそうだ。

  • マクラーレンF1代表が評価 フェラーリは「現時点で最高のシャシーを持つ」

    マクラーレンF1代表が評価 フェラーリは「現時点で最高のシャシーを持つ」

    フェラーリがバルセロナ・カタルーニャGPで今季初勝利を挙げたことで、F1パドックではマラネロ勢の真の競争力に注目が集まっている。マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、フェラーリ SF-26について「現時点でグリッド最高のシャシーを持つマシン」と高く評価した。

    バルセロナはマシン性能を測るうえで最も指標性の高いサーキットの一つとされており、その舞台でルイス・ハミルトンが優勝を飾ったことは、フェラーリのアップデート成功を裏付ける結果として受け止められている。

    ステラが認めたフェラーリの強み
    レース後のFIA公式記者会見でステラは、バルセロナで得られたデータがフェラーリの優位性を明確に示していると語った。

    「今回のレースは非常に明確な示唆を与えてくれたと思う。そしてその内容は、ある意味で僕たちが以前から理解していたことと一致している」

    「現時点でフェラーリはグリッドで最高のシャシーを持つマシンだと思う。特に中速コーナーでそれがよく分かる。フェラーリはコーナリングスピードが非常に高く、必ずしもストレートで最速というわけではない」

    ステラはマクラーレンとフェラーリの特性の違いについても詳しく説明した。

    「僕たちのマシンはターン3、ターン9、ターン14のような高速コーナーでは競争力がある。しかし全体的には中低速コーナーで苦戦している」

    「今回の結果は、マシンをより機敏でダイナミックなものへ進化させる必要があることを改めて示している」

    フェラーリはスペインGPで新型フロントウイングなど複数のアップデートを投入しており、その効果がコーナリング性能向上につながった可能性がある。

    オーストリアでもフェラーリ有力と予想
    ステラは次戦オーストリアGPについても、フェラーリが引き続き強力なライバルになるとの見方を示した。

    「レッドブルリンクはバルセロナとは少し異なるサーキットだ。しかしフェラーリは依然としてコーナーで最速のマシンであり続けるだろう」

    一方で、総合性能という観点ではメルセデスを高く評価している。

    「シャシーとパワーユニットの両方を考慮すると、メルセデスが予選1周のパフォーマンスでは最も優れたマシンかもしれない」

    現在の勢力図についてステラは、フェラーリがシャシー性能、メルセデスが総合性能で強みを持つ一方、マクラーレンは依然として改善の余地を抱えているとの認識を示した。

    マクラーレンは開発競争に集中
    2026年シーズンはメルセデスが開幕から圧倒的な強さを見せてきたが、バルセロナではフェラーリが待望の初勝利を獲得。さらにADUOによるパワーユニット性能調整も導入され、トップ勢の勢力図は変化しつつある。

    そうしたなかステラは、ライバルの動向よりも自チームの開発に集中する姿勢を強調した。

    「今後数戦で僕たちもアップデートを投入する予定だ。しかし競争相手たちも同じように進化してくるだろう」

    「だからこそ重要なのは自分たちの開発の軌道を維持することだ。僕たちはレースごとにマシンを改善し続けたい」

    バルセロナで示されたフェラーリの速さが本物なのか、それともサーキット特性によるものなのか。その答えは、次戦オーストリアGPから始まる連戦で明らかになっていくことになりそうだ。

  • ピレリがバルセロナでF1タイヤテストを完了 2日間で605周を走破

    ピレリがバルセロナでF1タイヤテストを完了 2日間で605周を走破

    ピレリは、2027年シーズン用スリックタイヤ開発を目的としたバルセロナ・カタルーニャ・サーキットでの2日間のテストを終了した。

    最終日はフェラーリからアーサー・ルクレールが参加し、前日に走行した兄シャルル・ルクレールに代わってマシンを担当。キャデラックでは周冠宇が引き続きテストプログラムを消化した。

    高温コンディションでC2タイヤの評価を実施
    この日の午前中は、C2コンパウンドの異なる構造仕様を比較するプログラムが行われた。まず短距離走行で基本特性を確認し、その後ロングランでデータを収集した。

    昼休憩後は、複数のC2コンパウンド仕様について長距離走行を中心に評価を継続。路面温度は最高58℃、気温は36℃まで上昇し、タイヤ開発には厳しい条件となった。

    2027年の新世代マシン導入に向け、ピレリは構造とコンパウンドの両面から開発を進めており、今回のテストもその重要なプロセスの一環となる。

    タイヤ F1

    アーサー・ルクレールは141周を走破
    アーサー・ルクレールは141周、657kmを走行し、ベストタイムは1分17秒430を記録した。

    一方の周冠宇は130周、605kmを走破。ベストタイムは1分19秒321だった。

    今回のバルセロナテストには初日にアストンマーティンも参加しており、2日間合計では605周、2817kmの走行距離が記録された。

    次回テストはシルバーストンで開催
    ピレリの次回タイヤ開発テストは、F1イギリスGP終了直後の火曜日と水曜日にシルバーストンで実施される予定だ。

    このテストにはメルセデスとウィリアムズが参加し、今回と同様に2027年仕様のスリックタイヤ開発が続けられる。各チームの協力を得ながら、ピレリは新レギュレーション時代に向けたタイヤ性能の最適化を進めていく。

  • アイザック・ハジャー 「フェルスタッペンのチームメイト問題は僕には起こらない」

    アイザック・ハジャー 「フェルスタッペンのチームメイト問題は僕には起こらない」

    アイザック・ハジャーは、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして戦うことで、なぜオランダ人ドライバーがF1の基準とされているのかを改めて実感していると語った。

    今季、レッドブル・レーシングでフェルスタッペンのチームメイトとなった21歳のハジャーは、F1で8人目の僚友となった。過去には多くのドライバーがフェルスタッペンとの比較に苦しんできたが、ハジャーはここまで競争力を維持している。

    モナコGPでは自身初の表彰台を獲得したものの、その後ピエール・ガスリーの控訴が認められたことで結果的に表彰台を失った。それでもハジャーはトップ争いの環境に徐々に適応している。

    トップ争いへの手応えと自信
    ハジャーはViaplayの取材に対し、自身のここまでの歩みを振り返った。

    「時々振り返ってみると、『かなりうまくやれているな』と思うことがある」

    「一方で、『こここそ僕がいるべき場所だ』と感じることもある」

    フェルスタッペンと同じガレージで戦う最大のメリットとして、ハジャーはデータを共有できることを挙げた。

    フェルスタッペンのどこが最も印象的かと問われると、即座にこう答えた。

    「すべてのコーナーだ」

    「もしどこか一つのコーナーでマックスより速かったら、それだけでもかなり良い仕事をしていることになる」

    フェルスタッペンは別格の存在
    フォーミュラ4、F3、F2、そしてF1と数多くの才能あるチームメイトと戦ってきたハジャーだが、フェルスタッペンはこれまで経験した誰とも違うという。

    「どのチームメイトにも弱点はあるし、週末を通して自分の方が速いコーナーがいくつかあるものだ」

    「でもマックスは違う。すべてが安定していて、そのレベルが非常に高い」

    「それは本当に印象的だ」

    『僕には起こらない』と断言
    ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレス、リアム・ローソンなど、多くのドライバーがフェルスタッペンのチームメイトとして苦戦してきた。

    ハジャーはそうした前例についても十分認識しているが、不安を感じたことはなかったと明かす。

    「むしろ、なぜそうなったのか興味があった」

    7戦を終えた時点でその答えが見つかったかと問われると、笑顔でこう返した。

    「答えは見つからなかった」

    「でも一つだけ分かっていることがある。それは僕には起こらないということだ」

    レッドブル・レーシングへの信頼
    またハジャーは、フェルスタッペンがチーム内で特別扱いされているとの見方も否定した。

    「僕たちのマシンが同じである限り、問題ないと分かっている。今もそうだからね」

    さらに、今後も同等のマシンが与えられると考えているかとの質問には次のように答えた。

    「もちろんだ。それがチームというものだからね。ここはレッドブル・レーシングだ」

    「彼らは2台のマシンを速く走らせる方法を知っている」

    ハジャーの発言からは、フェルスタッペンという圧倒的な存在を認めながらも、自らは過去のチームメイトたちと同じ道を歩まないという強い自信がうかがえる。モナコでの快走を経て、レッドブル・レーシング内での評価をさらに高めつつある若手ドライバーは、今後もフェルスタッペンに最も近い位置で戦う存在となりそうだ。

    【関連】
    ・フェルスタッペン レッドブルF1残留明言せず 契約解除条項が再び焦点に

  • ニコ・ロズベルグがメルセデスF1を批判「ラッセルを守りすぎて勝利を逃した」

    ニコ・ロズベルグがメルセデスF1を批判「ラッセルを守りすぎて勝利を逃した」

    メルセデスF1の2026年バルセロナ・カタルーニャGPでの戦略判断について、2016年F1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグが厳しく批判した。

    ロズベルグは、アンドレア・キミ・アントネッリの方がレースペースで優れていたにもかかわらず、チームがジョージ・ラッセルを優先して対応したことで勝利の可能性を自ら狭めたと指摘している。

    アントネッリはラッセルの後方で足止め
    バルセロナ・カタルーニャGPでは、アントネッリがラッセルに追いつきながらもオーバーテイクできず、長時間にわたってチームメイトの後方を走行する展開となった。

    アントネッリはレース後、「もしもっと早くラッセルを抜いていたら、違うレースになっていた」と振り返った。

    一方、チーム代表のトト・ヴォルフは「タイトルを争う2人のドライバーがいる状況で戦略的な判断を下すのは簡単ではない」と説明し、チームとして難しい選択だったことを認めている。

    ロズベルグ「チームの勝利を優先すべきだった」
    しかしロズベルグは、メルセデスの判断は慎重すぎたと考えている。

    ドイツメディア『Motorsport Aktuell』に対し、ロズベルグは次のように語った。

    「メルセデスはジョージのことを考えすぎたし、守りすぎた」

    「チームが勝利を失うリスクを抱えた時点で、個人ではなくチームの成功を優先すべきだ。そしてメルセデスはもっと早くそうするべきだった」

    ロズベルグは、アントネッリの方が明らかに速かったと評価し、レース中の序列を早い段階で見直すべきだったとの見解を示した。

    予選では互角でも決勝では差があると分析
    ロズベルグは今季の両ドライバーの特徴についても言及した。

    「アントネッリは今回もレースでラッセルより速かった」

    「予選ではラッセルはトップ勢と戦える。しかし決勝では何かが足りない」

    2026年シーズン序盤はラッセルがチームのエースとしてスタートしたが、モナコGPで初優勝を飾ったアントネッリはその後も高い競争力を維持している。

    バルセロナでもレースペースの優位性を示したことで、メルセデス内部の力関係やチームオーダーのあり方を巡る議論は今後さらに活発になりそうだ。

    勝利を優先するのか平等を維持するのか
    今回のロズベルグの指摘は、単なるレース戦略への批判にとどまらない。

    メルセデスは現在、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリという2人の優勝候補を抱えている。チーム内の公平性を維持することは重要だが、その結果として勝利を逃せば本末転倒となる。

    特にアントネッリがモナコGP以降、決勝で安定してラッセルを上回るパフォーマンスを見せている現状を考えれば、今後は状況に応じてより柔軟な判断が求められるだろう。

    バルセロナでの戦略判断は、メルセデスがドライバー間のバランスとチーム全体の利益をどう両立させるのかという課題を改めて浮き彫りにした。

  • ウィリアムズF1代表がADUO支持 レッドブル・フォード最強説は「驚きではない」

    ウィリアムズF1代表がADUO支持 レッドブル・フォード最強説は「驚きではない」

    FIAが2026年から導入したADUO(追加開発機会制度)の初回評価で、レッドブル・フォードのV6エンジンがグリッド最強と認定されたことが話題となっている。

    この結果に驚きの声も上がるなか、ウィリアムズF1代表のジェームス・ボウルズは「驚きではなかった」と語り、制度そのものについても支持を表明した。

    ボウルズ「レッドブルは開幕前から印象的だった」
    ADUOは、性能面で後れを取るパワーユニット(PU)メーカーに追加開発の機会を与えるためにFIAが導入した制度だ。

    初回評価ではレッドブル・フォードのV6エンジンが最も高い性能を持つと判断され、メルセデスに対して2%以上、フェラーリに対して4%以上の優位性があるとされた。一方、アウディとホンダの正確な差は現在も精査が続いている。

    シーズン序盤はメルセデス勢が圧倒的な強さを見せていることから、この結果を意外視する声もあった。しかし、ボウルズはそうは考えていない。

    「驚きはなかった」

    「バーレーンテストの時点で、レッドブルが最もパワフルなエンジンを持っているように見えた。彼らは僕たちにはできないようなことをやっていたからだ」

    「プレシーズンテストから本当に印象的だった。すべてのサーキットで常にというわけではないが、シーズン開幕から非常に強力だった」

    「それが1%なのか2%なのかは外から正確に判断するのは難しい」

    最強エンジンと最強PUは別問題
    ボウルズは、今回の評価結果を理解するためにはV6エンジンとPU全体を分けて考える必要があると説明する。

    ADUOが評価しているのは内燃エンジン部分のみであり、ハイブリッドシステム全体の性能を示すものではない。

    「重要なのは2つの要素があるということだ。内燃エンジンと電気システムだ」

    「ADUOが対象としているのは内燃エンジンだけだ」

    「電気系についてはメルセデスが非常に良い仕事をしていると思う。だから僕たちは他メーカーよりも長くエネルギーを展開できている可能性がある」

    今季のF1ではメルセデスが選手権をリードしているが、その背景には電動システムやエネルギーマネジメントの優位性があるとボウルズは見ている。

    レーシングブルズとの比較で見えた差
    ボウルズがレッドブル・フォードの優位性を感じた理由のひとつが、同じ中団グループで争うレーシングブルズとの比較だ。

    ウィリアムズはメルセデスPUを搭載し、レーシングブルズはレッドブル・フォード系PUを使用している。

    「データを見て最初に驚いたのは、レッドブル陣営のほうがメルセデスよりも電力カットが少なかったことだ」

    「それがヒントになった。優位性は電気系ではなく内燃エンジン側から来ているのだと思った」

    「僕はVCARB(レーシングブルズ)と戦っている立場だが、その部分で少し差があると感じている」

    現在のF1ではバッテリーエネルギーを使い切った後の出力低下が大きな影響を与えるため、内燃エンジン性能の差はストレートスピードやレースペースにも直結する。

    ボウルズはADUO制度を高く評価
    今後はメルセデス、フェラーリ、ホンダ、アウディが追加開発によって性能差を縮められる可能性がある。

    もっとも、開発から実戦投入までには時間がかかり、さらに年間4基に制限されるV6エンジンの運用ルールもあるため、即効性は期待できない。

    それでもボウルズは制度の存在自体を歓迎している。

    「メルセデスHPPがシーズン後半に性能向上を実現できれば、大きな違いになるだろう」

    「フェラーリやホンダにとっても、この制度は選手権のために良いものだと思う」

    「本当にチャンピオンシップを戦わせたいのであれば、すべてのメーカーに戦うチャンスを与えるべきだ」

    「ホンダも復帰に向けて非常に大きな投資をしている」

    「現状では完全に理にかなっていると思うし、正しい考え方だ。知的にも合理的なアプローチだと思う」

    ADUOが示した2026年PU勢力図
    今回のボウルズの発言は、レッドブル・フォードがV6エンジン単体で優位に立ちながらも、メルセデスが電動システムやエネルギーマネジメントで強みを発揮しているという現在の勢力図を裏付けるものとなった。

    FIAによる追加検証が進められているものの、少なくともボウルズはプレシーズンからのデータを踏まえ、レッドブル・フォードが基準値と評価されたことに違和感は抱いていない。

    そして何より、各メーカーが開発によって差を縮められるADUO制度こそが、将来的により接戦のチャンピオンシップを実現するための重要な仕組みだと考えている。

  • アルピーヌF1がウーゴ・ウゴチュクウを極秘テスト F3王者候補が初F1走行

    アルピーヌF1がウーゴ・ウゴチュクウを極秘テスト F3王者候補が初F1走行

    現在FIA F3選手権のランキング首位を走るウーゴ・ウゴチュクウが、モンツァで実施されたアルピーヌのTPC(旧型F1マシンによるテスト)に参加し、キャリア初となるF1マシンでの走行を経験したことが明らかになった。

    元マクラーレン育成ドライバーである19歳のウゴチュクウは、2026年シーズンにCamposからF3タイトル争いをリードしている注目株だ。

    今回のテストは、独立ドライバーとして歩み始めた若きアメリカ人ドライバーにとって、将来的なF1昇格へ向けた重要な一歩となる可能性がある。

    モンツァで極秘実施された初F1テスト
    ウーゴ・ウゴチュクウはモンツァでアルピーヌの2024年型マシン「A524」を使用したTPCに参加した。

    前日からモンツァのパドックで目撃されていたものの、多くの関係者はアルピーヌとの育成プログラム加入に向けた接触だと考えていた。マクラーレンが同じテストでレオナルド・フォルナローリとジャック・スティーブンスを走らせていたこともあり、ウゴチュクウがF1マシンをドライブするとの見方はほとんどなかった。

    しかし、アルピーヌのマシンに装着された銀色のヘルメットが確認されたことで、実際にF1テストへ参加していたことが判明した。

    今回の走行では、アルピーヌのリザーブドライバーであるポール・アロンが実施していたTPCプログラムのデータや手順を参考にしながら走行を進めたとみられている。

    マクラーレン離脱後に急浮上
    ウゴチュクウは、ナイジェリア出身のスーパーモデルであるオルチ・オンウェアグバと、イタリア人ファッションデザイナーのルカ・オルランディを両親に持つ。

    2021年からマクラーレン育成プログラムの一員だったが、PREMAで戦ったF3シーズンの苦戦もあり、4年間所属したプログラムを離脱した。

    その後は独立した立場を選択し、レッドブルとの結び付きが強いCamposへ移籍。2026年シーズンは大きく飛躍し、現在は58ポイントでF3ランキング首位に立っている。チームメイトのテオフィル・ナエルを抑え、タイトル獲得の有力候補となっている。

    F1昇格へ向けた重要な第一歩
    ウゴチュクウはランド・ノリスと同じマネジメント体制に所属しており、今回のテストはF1昇格を見据えたプロジェクトの第一段階と考えられる。

    アルピーヌ側から正式な発表は行われていないものの、F3ランキング首位のドライバーにF1テストの機会を与えたことは高く評価している証拠と言えるだろう。

    F3王者候補として評価を高めるウゴチュクウが、このままF2、そしてF1への階段を駆け上がることができるのか。今回のモンツァでの初走行は、その将来を占う重要なマイルストーンとなりそうだ。

    若手市場で存在感を高めるウゴチュクウ
    近年のF1では、アントネッリやアービッド・リンドブラッドなど10代後半から20歳前後の若手ドライバーが急速に台頭している。

    その中でウゴチュクウは、一度はマクラーレン育成を離れながらも、自らの実力でF3タイトル争いの中心へ返り咲いた。今回のアルピーヌでのF1テストは、単なる走行機会ではなく、F1関係者に対して自身の価値を示す重要なアピールの場だったと考えられる。

    まだアルピーヌとの長期的な関係は明らかになっていない。しかし、F3首位という結果を伴いながら初のF1テストを実現したことは、ウゴチュクウのキャリアが新たな段階へ進み始めたことを示している。今後のF2昇格やF1チームとの提携動向にも注目が集まりそうだ。

  • フェルスタッペン レッドブルF1残留明言せず 契約解除条項が再び焦点に

    フェルスタッペン レッドブルF1残留明言せず 契約解除条項が再び焦点に

    マックス・フェルスタッペンの将来を巡る憶測が再び加熱している。オランダ紙『De Telegraaf』のエリック・ファン・ハーレン記者によると、フェルスタッペンは先日行われたレッドブル首脳陣との会談でも、契約満了までチームに残留する意思を明確には示さなかったという。

    2028年末まで契約を結んでいるフェルスタッペンだが、2026年シーズンのレッドブル・レーシングは苦戦が続いており、将来に関する不透明感は依然として払拭されていない。

    ザルツブルク会談でも残留保証はなし
    フェルスタッペンは先週、共同オーナーのチャルーム・ユーウィッタヤ氏や最高経営責任者(CEO)のオリバー・ミンツラフらレッドブル首脳陣とザルツブルクで会談した。

    バルセロナでその件について質問されたフェルスタッペンは詳細を語らなかった。

    「他人が気にすることじゃない」

    「もともと予定されていたものだ。モナコの後に突然決まったわけじゃない」

    しかしファン・ハーレンによれば、この会談でレッドブル首脳陣が望んでいたような明確な残留表明は得られなかったという。

    「レッドブル経営陣にとって理想的なのは、マックスが『残る』と言うことだ」

    「そうなればチームに平穏が戻り、新たな人材獲得もしやすくなる。スポンサーにとっても魅力的になる」

    「フェルスタッペンはレッドブルにとって最も重要な人物だ。事実上、彼がチームを支えている」

    バルセロナで露呈したレッドブルの限界
    今回の憶測の背景には、2026年シーズンのレッドブル・レーシングの競争力低下がある。

    バルセロナ・カタルーニャGP後、フェルスタッペン自身もレッドブルを「4番手チーム」と表現した。

    ファン・ハーレンは、バルセロナがレッドブルの弱点を浮き彫りにしたと分析する。

    「レース後の彼の反応には諦めにも似たものがあった」

    「バルセロナはあらゆるタイプのコーナーを備えた総合力が試されるサーキットだ。どのコーナーでも彼らは遅かった」

    メルセデス、フェラーリ、マクラーレンが前方争いを展開する一方で、レッドブルは全体的なパフォーマンス不足に苦しんでいる。

    夏休み前の契約条項が重要な分岐点
    将来の鍵を握るのは、フェルスタッペンの契約に含まれているとされる離脱条項だ。

    ファン・ハーレンは次のように説明する。

    「フェルスタッペンは今年初めてこの条項を発動できる可能性がある」

    「夏休み期間中に評価のタイミングが設けられている」

    現在フェルスタッペンはドライバーズランキング7位につけており、シーズン前半の結果は期待を大きく下回っている。

    「彼が突然ランキング2位まで浮上するとは思えない」

    「今後数週間でフェルスタッペンは真剣に将来について考え始めるだろう。当然ながら移籍先の選択肢も必要になる」

    さらにファン・ハーレンは、フェルスタッペンが内部的にも残留保証を与えていないと指摘した。

    「彼はチーム内部に対しても残留を保証する意思表示はしていない」

    メルセデス移籍説とフェラーリ待望論
    元F1ドライバーのロバート・ドーンボスは、現在のドライバー市場はフェルスタッペンの決断待ちの状態だとみている。

    「メルセデスでは両ドライバーが1年契約だ」

    「最も優れた者が残ることになるだろう」

    「マックスの状況を考えると、もう一人のドライバーに席が残るかどうか分からない」

    「今後数か月は非常に興味深いものになる」

    一方、同じく元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースは異なる見解を示した。

    「彼はどこへでも行ける」

    「ヨス・フェルスタッペンは私の意見に賛成しないかもしれない」

    「だが私ならあと1年レッドブルで走り、2028年にフェラーリへ移籍する」

    「そして史上最高のドライバーであるミハエル・シューマッハの後を追うだろう」

    フェルスタッペンの決断がF1市場全体を左右
    フェルスタッペンの将来は単なる一人のドライバーの去就にとどまらない。現F1グリッドで最も価値の高いドライバーの動向は、メルセデス、フェラーリを含むトップチームのドライバー市場全体に連鎖的な影響を与える可能性がある。

    特にレッドブルがオーストリアGPで投入予定の軽量化パッケージの成否は、フェルスタッペンが2027年以降もチームに将来性を見いだせるかどうかを判断する重要な材料となりそうだ。

    現時点でフェルスタッペンは残留も移籍も明言していない。しかし、レッドブル首脳陣が求める「残留保証」が得られていないという報道は、2026年シーズン最大級のストーブリーグの火種となりつつある。

  • マクラーレンF1 ミカ・ハッキネンの銅像を公開 1000戦目の節目を祝福

    マクラーレンF1 ミカ・ハッキネンの銅像を公開 1000戦目の節目を祝福

    マクラーレンは、チームの1000回目のF1グランプリ参戦を記念するイベントの一環として、伝説的ドライバーのミカ・ハッキネンを称えるブロンズ像を英国ウォーキングのマクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)で公開した。

    英国人アーティストのポール・オズが制作したこの銅像は、ハッキネンが1998年の日本GP鈴鹿で自身初のF1ワールドチャンピオン獲得を決めた瞬間の歓喜を表現したものだ。

    「フライング・フィン」の愛称で知られるハッキネンは、1998年と1999年にマクラーレンで2年連続のワールドチャンピオンを獲得。今回の除幕式では57歳となった本人も出席し、銅像と並んで当時を思わせる笑顔を見せた。

    今回のイベントは、ハッキネンの功績を称えるだけでなく、マクラーレンにとって大きな節目となるF1参戦1000戦目を祝う場でもあった。

    MTCには歴代の名車が展示され、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリを含むチームスタッフ全員が集結。パパイヤカラーに身を包んだメンバーたちは巨大なグループセルフィーを撮影し、チームの歴史と未来を祝福した。

    マクラーレンは今回のセレモニーを通じて、F1を前進させるのは最先端の技術やエンジニアリングだけではなく、ハッキネンのようなドライバーたちが生み出した象徴的な瞬間や、それを支える人々の情熱であることを改めて示した。

    1000戦という偉業を達成したマクラーレンは、その輝かしい歴史を振り返るとともに、新たな時代への歩みを続けていく。

    マクラーレン F1 ミカ・ハッキネン

  • FIAとアウディF1が対立か V8エンジン回帰でターボ存続を巡る攻防

    FIAとアウディF1が対立か V8エンジン回帰でターボ存続を巡る攻防

    FIA(国際自動車連盟)が推進する2030年以降の次世代F1パワーユニット構想を巡り、新たな対立構図が浮かび上がっている。

    モハメド・ビン・スライエムFIA会長は自然吸気のV型8気筒エンジンへの回帰を強く支持している一方で、アウディはターボチャージャーの継続採用を主張しており、両者の考え方の違いが鮮明になった。

    2026年から導入される新世代パワーユニットは重量増加や複雑化が批判されているが、FIAはすでに2027年と2028年に内燃機関の比率を引き上げる方向へ舵を切っている。そして2030年または2031年からは、さらにシンプルなV8ハイブリッドへの移行を目指している。

    FIA会長「V8は決定事項」
    ル・マン24時間レースの会場で取材に応じたモハメド・ビン・スライエムは、V8エンジンへの回帰が既定路線であると明言した。

    「V8は決定事項だ。すでに決断は下された」

    FIAは現在のパワーユニット開発費が過度に高騰していることを問題視している。

    「研究開発には2億ユーロ(約372億円)以上が必要だ。レッドブルは現在のエンジンに13億ユーロ(約2418億円)以上を投資した。ばかげている」

    FIAの構想では、V8エンジンに10%程度の軽量ハイブリッドシステムを組み合わせ、持続可能燃料を使用することで十分な性能を確保できるという。

    ビン・スライエムは、ターボチャージャーを廃止することで大幅な軽量化とコスト削減が可能になると説明した。

    「ターボを搭載すればウェイストゲートやインタークーラー、配管が必要になる。すべて重量増加につながり、コストもかかる」

    「使命はシンプル化、コスト管理、そしてファンが喜ぶサウンドを取り戻すことだ」

    さらにFIAの試算では、V8と軽量ハイブリッドを組み合わせることで約760馬力を発生し、ハイブリッドシステムを加えれば約880馬力に達するとされている。加えて車重も630kg前後まで削減できる可能性があり、現在のF1マシンより大幅な軽量化が期待されている。

    アウディはターボ維持を希望
    しかし、アウディはFIAとは異なる立場を取っている。

    モナコGPの週末にアウディCEOのゲルノート・デルナーは、ターボチャージャーの継続採用を支持する考えを改めて示した。

    「効率性の観点からターボチャージャーを好んでいる」

    「アウディにとって最も重要なのは持続可能性の理念を維持し、エネルギー効率をF1規則の柱として残すことだ」

    報道によると、アウディは新型スーパーカー『ヌヴォラーリ』に採用された技術に近いツインターボ方式にも関心を示しているという。

    これは「軽量化とシンプル化」を重視するFIAと、「効率性と技術的先進性」を重視するアウディとの価値観の違いを象徴している。

    F1が持続可能燃料時代へ移行する中で、自動車メーカー各社は市販車への技術還元を重視している。特にアウディにとってターボ技術はブランド戦略の中心にあるため、今後のルール策定交渉でも重要な論点となりそうだ。

    2030年導入へ向けた駆け引き
    FIAは2030年からの新規則導入を希望しているが、自動車メーカーとの合意形成が前提となる。

    一方でビン・スライエムは、仮にメーカー側との合意が得られなくても、2031年以降はFIA主導で規則を策定する可能性を示唆した。

    「もちろん意見交換は良いことだ。FIAはパワーユニットメーカーの要望に耳を傾けている」

    「しかし私たちとしては軽量でシンプルな設計を望んでいる。変更にかかる時間も短くしたい」

    現在F1にはレッドブル・フォード、メルセデス、フェラーリ、ホンダ、アウディ、キャデラックの6メーカーが参戦または参戦予定であり、全社の利害を一致させるのは容易ではない。

    2030年からの新規則が実現するか、それとも2031年まで議論が持ち越されるかは不透明だが、次世代エンジンの方向性を決定づける重要な議論がすでに始まっている。

    ドライバーたちはV8回帰を歓迎
    興味深いことに、多くのドライバーはFIAの方向性を支持している。

    アストンマーティンのランス・ストロールは2026年マシンについて厳しい評価を下した。

    「僕に言わせれば来年にでもV8へ戻るべきだ」

    「クルマのことを知っている人なら誰でも、このマシンが運転しづらいことは分かっていただろう」

    「バッテリーや回生システムなど、重量を増やすものが増えればこうなるのは当然だった」

    さらにフェルナンド・アロンソは、FIA案よりもさらに踏み込んだ意見を示した。

    「僕は電動部分を完全になくしたい」

    「電動システムはレースそのものに大きな付加価値を与えていない」

    「フォーミュラEという完全電動カテゴリーがすでに存在する。そこで技術開発を極限まで進めればいい」

    2026年の新レギュレーションでは電動出力の比率が大幅に高まり、ドライバーの間からは重量増加やエネルギーマネジメントへの不満が相次いでいる。今回のV8回帰論争は単なる懐古主義ではなく、F1が競技として何を重視するべきかという根本的な議論でもある。

    FIAが求める「軽量・低コスト・高音質」の方向性と、アウディが重視する「効率性・技術革新・市販車との関連性」。両者の主張にはそれぞれ合理性があり、2030年代のF1エンジン規則は今後数年間にわたって激しい議論の対象となりそうだ。