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  • フェルナンド・アロンソにアルピーヌF1復帰説 「多くのシナリオにオープン」

    フェルナンド・アロンソにアルピーヌF1復帰説 「多くのシナリオにオープン」

    フェルナンド・アロンソに2027年のアルピーヌ移籍説が浮上している。スペインGPのパドックで広がった噂についてアストンマーティンは即座に否定したが、アロンソ自身は「多くのシナリオにオープンだ」と語り、将来の可能性を完全には否定しなかった。

    一方でフランスのAUTOHebdoは、アロンソがアストンマーティン残留、引退、そしてアルピーヌ移籍という3つの選択肢の間で将来を見極めていると報じている。

    パドックで浮上したアルピーヌ移籍説
    スペインGPの週末、Sky Italiaのロベルト・チンチェロは、アロンソが2027年にアルピーヌへ移籍し、フラビオ・ブリアトーレと再びタッグを組む可能性があるとの見方を紹介した。

    チンチェロは「ガスリーは残留するが、コラピントの将来はアロンソに何が起きるかにも左右される」と語り、ドライバー市場への影響を指摘した。

    アルピーヌは2026年からメルセデス製パワーユニットを使用しており、さらに高級ブランドのグッチとの提携も発表。チームの将来性に期待する声もある。

    しかし、この報道に対しアストンマーティンは即座に反応した。

    チームの広報担当者はSoy Motorに対し、「事実ではない。ただのパドックの噂だ」と否定している。

    アロンソ「多くのシナリオにオープン」
    それでもアロンソ本人は、自身の将来について明確な断言を避けた。

    アストンマーティン以外の選択肢について問われると、次のように答えている。

    「分からない。僕は多くのシナリオにオープンだ」

    また、将来的なチーム運営やマネジメント職についても可能性を否定しなかった。

    「まだ考えてはいない。でも未来がどうなるかは分からない」

    「僕は20年、25年にわたってこのスポーツに関わってきた。そうした経験がいつか役に立つ時が来ると思う」

    AUTOHebdoが指摘する『3つの選択肢』
    こうした状況についてAUTOHebdoは、アロンソが現在「三叉路」に立たされていると分析している。

    選択肢は、

    ■ アストンマーティン残留
    ■ F1引退
    ■ アルピーヌ移籍

    の3つだという。

    報道によると、アロンソはアストンマーティンに対してAMR26の大規模アップデート投入を強く求めているとされる。

    当初は夏休み明けのマドリードGP前後と見られていたが、最近ではベルギーGPでのAMR26B投入説も浮上している。

    アロンソにとって重要なのは、そのアップデートがどれだけ競争力を改善できるかだ。

    苦戦するアストンマーティンが将来判断の鍵
    アロンソは今季の苦境について率直な言葉も口にしている。

    「同じ話の繰り返しだ」

    「僕たちは非常に悪いエンジンを抱えている。最悪だ。パワーデリバリーも悪いし、ギアボックスや空力にも問題がある」

    「それらすべてを改善しようとしているし、シーズン後半には変化が起きることを期待している」

    AUTOHebdoによれば、アロンソはアップデート後のマシンやシミュレーターでの評価次第では、残留ではなく引退を選ぶ可能性もあるという。

    一方で、ブリアトーレが率いるアルピーヌが競争力を高め続ければ、F1キャリア最後の挑戦として移籍を決断する可能性も完全には排除できない状況だ。

    現時点でアストンマーティンは移籍説を否定しているものの、アロンソの将来が今季後半のチームの進歩に大きく左右されることは間違いなさそうだ。

  • エステバン・オコンが明かすハースF1での重要任務 小松礼雄代表との信頼関係

    エステバン・オコンが明かすハースF1での重要任務 小松礼雄代表との信頼関係

    エステバン・オコンは、将来を巡る憶測が再び浮上するなか、自身がハースF1で果たしている重要な役割について語った。経験を活かしてチームの改善点を見極め、限られたリソースをどこに集中すべきかを示すことが自らの使命だと説明している。

    オコンとチーム代表の小松礼雄は、先月のカナダGP前に一部メディア報道から広がった不仲説への対応を余儀なくされた。両者はモントリオールで揃ってその噂を否定し、「でたらめだ」と強く反論していた。

    その後のモナコGPでは、オコンは17番手スタートから9位まで順位を上げる安定した走りを披露。混乱の多いレースを巧みに乗り切り、存在感を示した。

    しかし先週末のバルセロナ・カタルーニャGPでは、『Auto Motor und Sport』がフェラーリ育成ドライバーでFIA F2を戦うラファエル・カマラについて、将来的にオコンのシート獲得を狙っていると報じた。

    それでもオコンは、自身の将来に対して揺るぎない自信を見せている。『Motorsport Week』の独占インタビューでは、自身がチームにもたらしている価値について次のように説明した。

    「僕の仕事は、チームがどこを改善すべきかを正確に示し、それをできるだけ早く前進させることだと思っている」

    「F1では部門ごとに役割が分かれていて、優先順位の高いこともあれば、そうでないこともある。でも僕たちが話し合う課題のなかには、非常に重要で、できるだけ早く解決しなければならないものがある」

    「その点で礼雄は大きな助けになっている。問題が見つかったときに、できるだけ早く結論を出して次戦までに改善するために動いてくれる人物なんだ」

    「僕が加入して以来、素早く解決できた問題はたくさんある。ただ、その一方で根本的な課題として残っているものもあり、それらは多くのリソースを必要とするため時間がかかっている」

    「だからこそ僕の役割は、本当に重要な課題が何なのかを示し、それを前進させることなんだ」

    小松礼雄代表の技術的視点を高く評価
    オコンは、小松礼雄が持つ技術者としてのバックグラウンドがチームに大きな利益をもたらしているとも語った。

    近年のF1では、小松礼雄、アラン・パーメイン、ジェームズ・ボウルズ、エイドリアン・ニューウェイのように、技術部門出身者がチーム代表へ昇格するケースが増えている。

    オコンはその利点について次のように説明した。

    「チームに何が必要なのかを理解している人物がいるのは、とても前向きなことだと思う」

    「礼雄は以前チーフエンジニアとしてチームで働いていたから、可能な限りあらゆる議論に関わっている」

    「どこに力を注ぐべきか、その取り組みがチームにどれだけの効果をもたらすかという全体像を理解している。それは非常に価値のあることだ」

    10年以上続く信頼関係
    オコンと小松礼雄の関係は、2014年にオコンがロータス(後のルノー)でF1キャリアをスタートさせた頃まで遡る。当時、小松礼雄はロマン・グロージャンのレースエンジニアを務めていた。

    その後、小松礼雄は2016年のハース創設時にチームへ加入。両者は10年以上にわたって関係を築いてきた。

    オコンは不仲説を改めて否定するとともに、小松礼雄から受けている支援への感謝を口にした。

    「もちろんだ。あの件は礼雄が僕を支えてくれていることを示していたと思う」

    「数年前から、礼雄はいつも最初に連絡をくれる人のひとりだった」

    「僕がチーム加入について話し合っていたときも、礼雄は真っ先に声をかけてくれた。彼は2014年に僕がF1で最初に関わったレースエンジニアでもある」

    「もうかなり前の話だけど、そういうサポートを受けられるのは本当に素晴らしいことだ」

    ハースはF1でも有数の低予算チームながら、2026年シーズンは安定して中団争いを展開している。オコンの発言からは、ドライバーとしての速さだけでなく、開発の方向性を定める“経験豊富な評価役”としての存在価値がチーム内で高く評価されていることがうかがえる。今後も移籍の噂は続くとみられるが、少なくとも現時点ではオコンと小松礼雄の信頼関係は極めて強固なようだ。

  • フェラーリF1がADUO初弾投入へ オーストリアGPで5馬力向上を計画

    フェラーリF1がADUO初弾投入へ オーストリアGPで5馬力向上を計画

    フェラーリが、FIAの新たなパワーユニット補正制度「ADUO」を活用した最初のアップグレードを、早ければ今週末のオーストリアGPで投入する見込みだ。

    スペインGPでルイス・ハミルトンが移籍後初勝利を挙げたフェラーリだが、タイトル争いにおいては依然としてメルセデスが最大のライバルと目されている。マラネロではさらなる戦闘力向上に向けて開発作業が進められている。

    オーストリアGPでADUO初アップデート投入か
    イタリアの専門メディア『AutoRacer.it』によると、フェラーリはADUO制度で認められた開発枠のうち最初の1回をオーストリアGPで使用することを目指しているという。

    ADUOは、性能面で先行するパワーユニットメーカーとの差を縮めるため、一定条件を満たしたメーカーに追加開発を認める制度だ。フェラーリはこの制度の対象となっており、シーズン中に2回の性能向上アップデートを行えるとみられている。

    今回投入予定とされる改良版ICE(内燃エンジン)は、シーズン3基目のエンジンとして導入される見通しで、出力は約5馬力向上すると報じられている。

    メルセデス追撃へ第一歩
    フェラーリ副会長のピエロ・フェラーリは先日、パワーユニット開発の余地が生まれたことについて前向きな見解を示していた。

    「エンジンに手を入れられるなら、あらゆるサーキットでメルセデスに挑みやすくなるかもしれない」

    バルセロナ・カタルーニャGPで長い勝利の空白期間を終わらせたフェラーリだが、レッドブルリンクはメルセデスが得意とする高速サーキットのひとつと見られている。アンドレア・キミ・アントネッリも、オーストリアではメルセデスが強力なライバルになるとの見方を示している。

    そのため今回のアップデートは、単なる性能向上以上に、今後のタイトル争いを占う重要な一歩となる可能性がある。

    シェルの新燃料も投入予定
    今回の改良はエンジン本体だけではない。

    報道によると、フェラーリの燃料パートナーであるシェルも新仕様のガソリンを準備しており、改良型ICEと同時に投入される可能性が高いという。

    近年のF1では燃料開発による性能向上も無視できない要素となっており、エンジン側の改良との相乗効果が期待されている。

    今回の5馬力増加は比較的小規模なアップデートとみられるが、フェラーリ陣営はさらに大きな効果が見込まれる第2弾のADUO開発も計画しているとされる。オーストリアGPでその第一歩がどの程度の成果を示すのか、大きな注目が集まりそうだ。

  • ウィリアムズF1がFW48の空力開発を終了 2027年型へ開発シフト

    ウィリアムズF1がFW48の空力開発を終了 2027年型へ開発シフト

    ウィリアムズは、2026年シーズンの苦戦を受けて開発方針を見直し、すでに2027年マシンの開発へ本格的に軸足を移していることを明らかにした。

    チーム代表のジェームズ・ボウルズによると、現行FW48の空力開発は事実上完了しており、エンジニアリングリソースの大部分は次世代マシンへ振り向けられているという。

    一方で、カルロス・サインツJr.とアレクサンダー・アルボンが今季残りを戦うFW48への改良が打ち切られるわけではない。軽量化パーツの投入は引き続き行われ、シーズン終盤までパフォーマンス向上を目指す方針だ。

    期待を下回った2026年シーズン序盤
    ウィリアムズは2026年シーズン開幕前、コンストラクターズランキング5位圏内の維持と上位勢への接近を目標に掲げていた。しかし実際には期待した成果を得られず、シーズン序盤から苦戦を強いられている。

    ボウルズは現在の状況について率直に失望を認めた。

    「進歩には満足しているが、シーズン序盤の段階で僕たちは望んでいた位置にはいなかった。冬の間に後退し過ぎてしまった」

    それでも、現在のウィリアムズには問題を素早く修正する能力が備わっていると強調する。

    「嬉しいのは、ウィリアムズが変わったことを外部からも見てもらえている点だ。もし4年前と同じ状況だったら、最後尾に沈んだまま抜け出せなかっただろう」

    「しかし今は非常に速いスピードでマシン性能を改善できる。ここバルセロナでも新たな進歩があり、シーズン終了までさらに改良を続ける予定だ」

    空力開発は終了 重点は2027年マシンへ
    ボウルズによれば、FW48の軽量化プログラムに関する設計作業はすでに完了している。今後は既存パーツの交換タイミングに合わせて軽量部品を順次投入していく段階に入っているという。

    さらに空力開発も終了しており、今後投入されるアップデートは既に開発済みのものが中心となる。

    「2026年型を改善するのか、それとも2027年型へ集中するのかと言われれば、その両方だ」

    「ただし現時点では空力面に関して2027年マシンが最優先事項になっている。私のエンジニアリングチームの大部分はすでにそこへ集中している」

    「なぜなら、このFW48から余分な重量を取り除くためのエンジニアリング作業はすでに終わっているからだ」

    軽量化は“無料のラップタイム”
    ボウルズは、残された開発項目の中でも軽量化が極めて効率的なパフォーマンス向上策であると説明した。

    「今は未来に目を向けている。そして重量面の問題はシーズン終了まで大きなパフォーマンス向上をもたらしてくれる」

    「だからこそ注力する価値がある。私はこれを“無料のラップタイム”と呼んでいる」

    もちろん実際にはコストが発生するため完全に無料ではないものの、空力開発のような副作用やトレードオフが少ない点が大きな利点だという。

    「もちろん本当に無料ではない。お金はかかる。しかし言いたいことは分かるだろう」

    2027年へ向けた体制強化も進行
    ボウルズは単に新車開発へ移行するだけではなく、組織そのものの競争力向上にも取り組んでいると説明した。

    「同時に、ウィリアムズをさらに前進させなければならない」

    「そのためにはチームそのものを成長させ、将来的により優れた成果を生み出せる技術や手法を確立する必要がある」

    「だから両方を進めている。ただし今年のマシンに関するエンジニアリング作業は、製造を除けばほぼ完了している」

    2026年シーズンの巻き返しを図りながらも、ウィリアムズはすでに2027年の大規模レギュレーション変更を見据えた戦いへ踏み出している。ボウルズは短期的な結果よりも、中長期的な競争力向上を優先する姿勢を鮮明にした。今後の軽量化アップデートがどこまで効果を発揮し、2027年プロジェクトへどのようにつながるのか注目される。

  • セナ最後のマクラーレンF1マシンが復活 グッドウッドで33年ぶり公開走行へ

    セナ最後のマクラーレンF1マシンが復活 グッドウッドで33年ぶり公開走行へ

    マクラーレンは2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(7月9日〜12日)の展示計画を発表し、アイルトン・セナとジェームス・ハントがドライブした歴史的マシンを公開することを明らかにした。

    なかでも最大の注目は、セナが最後にドライブしたマクラーレン「MP4/8B」だ。このマシンは1993年にクライスラー・ランボルギーニ製V12エンジンを搭載してテストされた特別仕様車で、一般公開されるのは実に33年ぶりとなる。

    セナ最後のマクラーレンが33年ぶりに姿を現す
    グッドウッドは毎年F1やモータースポーツ界の名車が集結するイベントとして知られているが、今年のマクラーレンは特に豪華なラインアップを用意した。

    現役F1王者ランド・ノリスは2023年型MCL60をドライブする予定で、リザーブドライバーのレオナルド・フォルナローリも同車で走行を担当する。

    さらに1976年にジェームス・ハントをワールドチャンピオンへ導いたM23も登場。ハントのタイトル獲得50周年を記念した特別展示となる。

    また、1993年オーストラリアGPでセナにF1最後の勝利をもたらしたMP4/8もヒルクライムに参加する。

    幻のMP4/8Bが一般公開へ
    今回の目玉となるMP4/8Bは、マクラーレンが1994年シーズンに向けてランボルギーニV12エンジン採用を検討していた際に開発されたテストカーだ。

    白一色のカラーリングが特徴で、1993年9月にポルトガル・エストリルで行われたテスト以降、公の場に姿を現していない。

    このテストではアイルトン・セナとミカ・ハッキネンがステアリングを握っており、MP4/8Bは結果的にセナが最後にドライブしたマクラーレンとなった。

    マクラーレン首脳「モータースポーツファンへの特別な贈り物」
    マクラーレン・レーシングのチーフ・マーケティング・オフィサーであるルー・マキューエンは、今回の展示について次のように語った。

    「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは、モータースポーツファンが素晴らしいマシンと走行を間近で体験できるイベントであり、今年も参加できることを嬉しく思っています」

    「今年はジェームス・ハントの世界タイトル獲得から50周年となるため、チャンピオンマシンであるM23を持ち込むことは欠かせませんでした」

    「MP4/8の優勝車両もヒルクライムを走ります。これはアイルトン・セナが1993年オーストラリアGPで優勝した際のマシンです」

    「特にMP4/8Bを公開できることを楽しみにしています。アイルトン・セナとミカ・ハッキネンが1993年にエストリルでテストして以来、初めて一般公開されることになり、すべてのモータースポーツファンにとって特別な機会になるでしょう」

    ブルーノ・セナも走行を担当
    走行ドライバーにはランド・ノリス、レオナルド・フォルナローリに加え、アイルトン・セナの甥であるブルーノ・セナとロブ・ガロフォールも参加する。

    セナ最後のマクラーレンが33年の時を経て再びエンジン音を響かせる瞬間は、今年のグッドウッド最大級の見どころのひとつとなりそうだ。

  • メルセデスF1 モナコGPの再審請求を取り下げ FIAが正式確認

    メルセデスF1 モナコGPの再審請求を取り下げ FIAが正式確認

    モナコGP決勝後の裁定を巡り、メルセデスが申し立てていた再審請求(Right of Review)を取り下げたことをFIAが正式に確認した。

    今回の騒動は、アルピーヌのピエール・ガスリーがモナコGPで獲得した3位表彰台を巡る一連の裁定が発端となった。

    ジョージ・ラッセルは決勝中に2件のペナルティを受けていた。1つ目はピットレーン速度違反で、FOMが管理する計測システムのタイミングループ不具合により複数のドライバーへ科されたものだった。

    さらにメルセデスは、この5秒ペナルティを正しく消化しなかったと判断され、追加でドライブスルーペナルティを受けた。これによりラッセルは14位まで後退していた。

    一方で、アルピーヌに科された2件の5秒ペナルティはレース後に加算されたため、チームは再審請求を行う余地があった。しかし、メルセデスのペナルティはレース中に裁定が下されており、覆すことは極めて難しい状況とみられていた。

    当初、メルセデスが証拠を提示する最初の審理は6月20日に予定されていた。しかしFIAは19日に声明を発表し、メルセデスが申し立てを取り下げたことを明らかにした。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    FIAのスチュワード声明には次のように記されている。

    「スチュワードは、メルセデスAMGペトロナスF1チームから、2026年モナコGPにおける63号車のFIA F1規則B1.6.3a条違反に関する裁定について提出していた再審請求を取り下げる旨の通知を受けた」

    メルセデスが再審請求を取り下げたことは大きな驚きではない。チームが再審手続きの初期段階を突破できるだけの新証拠を提示できる可能性は低いと見られていたためだ。

    それでも今回の動きは、たとえ成功の可能性が低くても、F1チームが自らの立場を守るために利用可能な法的・競技的手段を最後まで追求する姿勢を示した事例となった。

  • 反たばこ団体がF1にニコチンブランド排除を要求 若年層への影響を懸念

    反たばこ団体がF1にニコチンブランド排除を要求 若年層への影響を懸念

    F1とたばこ産業の関係を巡り、新たな論争が浮上している。世界の反たばこ団体や健康関連団体162組織が、F1の商業権保有者や主要パートナー企業に対し、ニコチンパウチブランドによるスポンサー活動の禁止を求める書簡を送付した。

    対象となっているのは、フェラーリを支援するフィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「Zyn」と、マクラーレンを支援するブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の「Velo」である。

    若年層拡大戦略との矛盾を指摘
    反たばこ団体は、F1が近年進めてきた若年層ファン獲得戦略と、ニコチン製品のスポンサー活動は相容れないと主張している。

    昨年12月にはZynとフェラーリのパートナーシップが拡大され、より多くのレースでブランド露出が行われることになった。一方でVeloもドライバーのレーシングスーツやマシン、さらには特別カラーリングなどを通じてF1イベントで広く展開されている。

    書簡では、「たばこ企業はF1チームへのスポンサー活動を通じて、F1が苦労して獲得した若年層へリーチしようとしている」と批判。「F1はこうした取り組みに加担すべきではない」と訴えた。

    また、ディズニーやレゴ、ホットウィールを展開するマテルといった若年層向けブランドにも書簡が送られ、ニコチンパウチ関連スポンサーシップの禁止を求めている。

    F1人気の若年化が背景
    問題視されている背景には、近年のF1人気の若年化がある。

    2025年に公表されたデータによると、米国およびEU圏では8歳から12歳のアクティブ視聴者が約400万人に達している。

    F1はNetflixの『Drive to Survive』をはじめ、SNS戦略やディズニー、レゴ、ホットウィールとの提携によって若年層ファンを大幅に増やしてきた。

    こうした状況の中で反たばこ団体は、「ニコチン製品メーカーがスポーツを利用して若者へ接触しようとしている」と懸念を示している。

    企業側は成人向けマーケティングを強調
    これに対し、PMIとBATはともにマーケティングの対象は成人のみであると反論している。

    PMIの広報担当者は、今回の批判について「時代遅れで安易な主張だ」とコメント。F1の視聴者の大半は成人であると主張した。

    BATも、マクラーレンとの関連活動は各国の規制を順守しており、デジタル施策については年齢制限を設けていると説明している。

    F1側はロイター通信に対し、適用されるすべての法律を順守していると回答した。

    専門家もスポーツスポンサーには否定的
    一方で、ニコチンパウチを喫煙者の害低減手段として評価する専門家の中からも、スポーツスポンサー活動には否定的な意見が出ている。

    ノルウェー公衆衛生研究所の上級研究員カール・エリック・ルンド氏は、「ニコチンパウチは紙巻きたばこより害は少ないが、リスクがないわけではない。元喫煙者向けに限定されるべきだ」と指摘した。

    また、ミシガン大学公衆衛生学部の名誉教授ケン・ワーナー氏は、「企業はモータースポーツが多くの若者を引き付けることを理解している。今回の行動は彼らの本質を示している」と批判した。

    まとめ
    F1は近年、若年層のファン拡大に成功している一方で、その人気の高まりが新たな議論を呼んでいる。たばこ企業はニコチンパウチを紙巻きたばこより低リスクな製品として位置付けているが、反たばこ団体は依然として若者への影響を警戒している。

    かつてのたばこ広告全盛時代から脱却したF1だが、新世代のニコチン製品を巡るスポンサー問題は、今後もスポーツ界全体を巻き込む論争となりそうだ。

  • ホンダPUアップデートに遅れ? アストンマーティンF1反攻計画に誤算

    ホンダPUアップデートに遅れ? アストンマーティンF1反攻計画に誤算

    アストンマーティンF1が今季後半戦の巻き返しに向けて準備している大型アップデートに、新たな懸念材料が浮上した。英BBCによると、マシン側の大規模な空力アップデートに対し、ホンダ製パワーユニット(PU)の改良投入は大幅に遅れる可能性があるという。

    今季のアストンマーティンはグリッド後方で苦戦が続いており、チームはエイドリアン・ニューウェイ主導で事実上の“Bスペック”ともいえる大規模刷新を進めている。

    アストンマーティンは全面刷新を計画
    バルセロナ・カタルーニャGPでダブルリタイアに終わったアストンマーティンは、現行AMR26の競争力不足を認めている。

    チーフトラックサイドオフィサーのマイク・クラックはチームの方向性について次のように語った。

    「我々にはリーダーがいて、その決断にコミットしている」

    これはエイドリアン・ニューウェイが主導する開発計画を指しているとみられる。

    チーム関係者は新パッケージを“Bスペック”とは呼んでいないものの、マシンの特性を大きく変えるレベルのアップデートになるとみられている。

    チームアンバサダーのペドロ・デ・ラ・ロサも改善の必要性を認めている。

    「すべてを改善しなければならない」

    また、フェルナンド・アロンソもバルセロナで厳しい現状を率直に語っていた。

    「僕たちはエンジンが悪い。おそらく最悪だ。空力も良くないし、エネルギーマネジメントも良くない」

    空力アップデート先行 ホンダPUは8月投入か
    BBCによると、最も大規模な空力アップデートは7月のベルギーGPで投入される見込みだ。

    フロアやボディワークなどの主要な空力パーツが更新され、まずはマシン性能の底上げが図られるという。

    しかし、ホンダが開発を進めているパワーユニット側の改良については、夏休み明けのオランダGPまで投入がずれ込む可能性があると報じられている。

    その場合、ベルギーGPとハンガリーGPでは新空力パッケージのみを使用し、オランダGPでようやく完全版アップデートが揃うことになる。

    アストンマーティンは現在、下位グループでの戦いを強いられており、チーム内部ではパワーユニット性能差によるタイムロスも課題として認識されている。PU改良の投入が遅れれば、巻き返し計画にも影響を及ぼしかねない。

    ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソの決断を左右する重要な夏
    今回のアップデートは単なる性能向上策ではなく、チームの開発体制そのものを評価する試金石でもある。

    アストンマーティンは2023年や2024年にも大型アップデートを投入したが、期待した成果を得られず、一部仕様を撤回した経験がある。そのため今回のパッケージが実際に機能するかどうかは、ファクトリーとサーキットの相関性が改善されたかを示す重要な指標となる。

    さらに、その結果はフェルナンド・アロンソの将来にも関係してくる。

    BBCは、もしアストンマーティンが十分な改善を実現できなければ、アロンソが今後について再考する可能性があると伝えている。

    来月45歳を迎えるアロンソは、これまで何度もプロジェクト再建に挑んできた。しかし今季のような苦戦が続く状況を再び受け入れる考えはないとみられている。

    アストンマーティンの反攻計画、そしてアロンソの将来。その両方の行方を占う重要な夏が近づいている。

  • マドリンクの象徴「ラ・モニュメンタル」 F1史上屈指の巨大バンク誕生へ

    マドリンクの象徴「ラ・モニュメンタル」 F1史上屈指の巨大バンク誕生へ

    2026年からF1スペインGPの開催地となるマドリード市街地コース「マドリンク」で、最大の注目を集めているのが巨大バンクコーナー「ラ・モニュメンタル」だ。

    高さ10メートル、全長550メートル、そしてFIAが許可する最大24%のバンク角を備えるこのコーナーは、単なる話題作りではなく、コース全体の個性を象徴する存在として設計された。

    だが、その真価は派手な見た目だけではない。ドライバーの視界、エネルギー管理、そして追い抜きの可能性まで考慮された、現代F1ならではの挑戦的なレイアウトとなっている。

    ラ・モニュメンタルは何が特別なのか
    ラ・モニュメンタルは、進入速度が300km/h近くに達すると予想される超高速バンクコーナーだ。コーナー中央では約250km/hで2秒間にわたり4G前後の圧縮荷重が続くと見込まれている。

    しかし最大の特徴は、その出口にある。

    ドライバーはバンクを駆け上がる過程で視界を遮られ、出口付近ではアスファルトの壁しか見えない状態になる。頂点を越えた瞬間に初めて次のターン13へ向かう下り区間が現れるため、「見通せない出口」を持つ極めて珍しいコーナーとなる。

    マドリンク運営責任者のカルロス・ヒメネスは「次のコーナーへ向かう出口には死角があり、ドライバーに大きな挑戦を与える」と説明している。

    ウィリアムズのカルロス・サインツJr.も試走後に強い印象を受けた。

    「人生で見た中でも最もユニークなコーナーのひとつだ」

    「180度近いバンクコーナーを抜けると圧縮変化があり、何も見えなくなる。その後はバンクしながら下っていく。かなり大胆な設計だ」

    ザントフォールトとは似て非なる存在
    ラ・モニュメンタルはしばしばオランダGPの開催地であるザントフォールト・サーキットのバンクコーナーと比較される。

    実際、バンク角はほぼ同等だが、ヒメネスによれば「ザントフォールトに似ているが、より長い」という。

    さらにラ・モニュメンタルは約6秒間にわたって走行する超ロングコーナーであり、途中で視界が消える高低差変化も加わる。そのためドライバーが体感する負荷や感覚は、現在のF1カレンダーに存在しない独自のものになると考えられている。

    安全対策が生んだ追い抜きの可能性
    当初の設計では、ターン8~9からの下り区間を経て、そのまま全開状態でラ・モニュメンタルへ飛び込むレイアウトが検討されていた。

    しかしFIAやFOMは、あまりにも高い進入速度やタイヤへの負荷、さらにはドライバーが長時間高Gにさらされる危険性を懸念。結果としてターン10~11に緩やかな右左のシケインが追加された。

    一見すると派手さを削ぐ変更に思えるが、現代F1マシンにとってはむしろ好材料になりそうだ。

    現在のパワーユニットでは連続高速区間が続くとバッテリーが枯渇しやすく、「スーパークリッピング」と呼ばれる出力低下現象が発生する。一方でラ・モニュメンタルの手前には低速・中速コーナーが連続しており、回生によるエネルギー回収が容易だ。

    さらに安全対策として追加されたターン10~11が、バンク区間へ向けたエネルギー充電ポイントとして機能する可能性がある。

    ヒメネスは「ターン9から11の下り区間でバッテリーエネルギーを回収できる。そのため追い抜きのチャンスが生まれる区間になるかもしれない」と語っている。

    マドリンク / スペイングランプリ

    ラ・モニュメンタルだけではないマドリンクの魅力
    マドリンクはラ・モニュメンタルだけのサーキットではない。

    ターン13以降には高速コーナー区間が続き、進入が見えない高速シケイン「ザ・バンカー」も配置されている。さらに複数の低速テクニカルコーナーも組み込まれ、ドライバーがタイムを稼ぐ場所と失う場所が明確に存在するレイアウトとなっている。

    運営側は「シンガポールやラスベガスのような典型的な市街地コースではない」と強調しており、公道区間と常設サーキット的な高速セクションを融合させた複合型サーキットとして位置付けている。

    ラ・モニュメンタルはマドリンクの象徴となるか
    近年の新規開催地では、施設は豪華でもコースレイアウト自体が印象に残らないケースが少なくなかった。

    その代表例として挙げられるのが、かつてヨーロッパGPの舞台となったバレンシア市街地コースだ。港湾エリアという舞台は魅力的だったが、象徴的なコーナーを持たず、レースファンの記憶には残りにくかった。

    その点でラ・モニュメンタルは、マドリンクの名前を世界中のファンに印象付ける“顔”になる可能性が高い。

    高低差、長時間の横G、複数の走行ライン、そして見通せない出口。空撮映像でマシンの集団がバンクを駆け抜ける姿は、間違いなく新スペインGPの象徴的なシーンになるだろう。

    ただし本当に重要なのは、ラ・モニュメンタル単体ではなく、それを活かす前後のコーナー構成にある。もし設計通りに機能すれば、マドリンクは単なる話題先行の新設コースではなく、現代F1でも屈指のレース向きサーキットへ成長する可能性を秘めている。

    Source: The Race / Jon Noble

  • FIA会長「V8は決定事項。決断は下された」 F1次世代エンジン構想が前進

    FIA会長「V8は決定事項。決断は下された」 F1次世代エンジン構想が前進

    FIA(国際自動車連盟)のモハメド・ビン・スライエム会長が、F1の将来のパワーユニット規則について「V8は決定事項だ。すでに決断は下された」と明言した。2026年から導入される新世代パワーユニットへの懸念が高まるなか、2030年または2031年からのV8エンジン回帰に向けた議論が大きく前進した形だ。

    FIAは現在の複雑で高コストなパワーユニットから脱却し、より軽量でシンプルなエンジン規則への移行を目指している。今回の発言は、その方向性をFIA首脳自らが改めて強調したものとして注目を集めている。

    「V8は決定事項だ」
    ル・マン24時間レースの会場で複数のメディアに対して語ったビン・スライエム会長は、V8エンジンへの回帰がすでに既定路線であることを強調した。

    「V8は決定事項だ。すでに決断は下された」

    現在のF1は2026年から新たなパワーユニット規則を導入するが、重量増加や複雑なエネルギーマネジメントに対してはドライバーや関係者から懸念の声も上がっている。

    そうした状況を受け、FIAはすでに2027年と2028年に内燃機関の比率を引き上げる方向でルール改定を進めており、その先にはV8を中心とした新たなエンジン規則を見据えている。

    高騰する開発費に危機感
    ビン・スライエム会長は、現在のパワーユニット開発費が持続不可能なレベルに達していることも問題視した。

    「V8は持続可能だ。研究開発には2億ユーロ(約372億円)以上が必要だ」

    「レッドブルは現在のエンジンに13億ユーロ(約2418億円)以上を投資した。ばかげている」

    FIAはコスト削減を重要課題のひとつに位置付けており、次世代エンジンでは開発費だけでなく顧客チームが購入するエンジン価格も大幅に引き下げたい考えだ。

    ビン・スライエム会長によれば、現在約150万ユーロ(約2億7900万円)とされるエンジン価格を約70万ユーロ(約1億3020万円)まで削減することを目標としている。

    V型8気筒 エンジン 国際自動車連盟

    ターボ廃止で軽量化を目指す
    FIAが構想する新世代エンジンは、V8エンジンに軽量なハイブリッドシステムを組み合わせるものだ。

    会長はターボチャージャーについても否定的な見解を示した。

    「多くの人はターボが必要だと言う。しかしそれでは再び重量が増えてしまう」

    「ターボを搭載すればウェイストゲートやインタークーラー、配管が必要になる。それらはすべて重量であり、コストでもある」

    FIAは軽量化を重視しており、2030年代のF1マシンでは車重を約630kgまで削減する構想も描いている。

    目指すのはシンプルで魅力的なF1
    ビン・スライエム会長は、新規則の目的についても明確に説明した。

    「使命はシンプル化、コスト管理、そしてファンが喜ぶサウンドを取り戻すことだ」

    FIAの試算では、V8エンジンと約10%のハイブリッドシステムを組み合わせることで約760馬力を発生し、ハイブリッド出力を加えれば約880馬力に達するという。

    メーカーとの協議は今後も続く見通しだが、FIAトップが「決定事項」とまで言い切ったことで、2030年代初頭のF1がV8ハイブリッド時代へ向かう可能性は一段と高まった。

    2026年規則の導入を前にすでに次の時代を見据えた議論が始まっており、F1のエンジン哲学は大きな転換点を迎えようとしている。