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  • ウィリアムズF1 カルロス・サインツJr.がBスペックに懐疑「なぜ急に速くなる?」

    ウィリアムズF1 カルロス・サインツJr.がBスペックに懐疑「なぜ急に速くなる?」

    ウィリアムズF1は2026年シーズン後半に大規模アップグレードを投入する計画だが、カルロス・サインツJr.はその効果に懐疑的な見方を示した。

    チーム代表ジェームズ・ボウルズは、アゼルバイジャンGPで投入予定のマシンを実質的な「Bスペック」と表現し、大幅な性能向上に期待を寄せている。しかし、サインツJr.はこれまでの開発成果を踏まえ、「まずは現在のアップグレードが機能しない理由を理解する必要がある」と冷静な姿勢を崩さなかった。

    ウィリアムズF1はバクーで“Bスペック”投入へ
    シルバーストンでジェームズ・ボウルズ代表は、アゼルバイジャンGPで投入するアップグレードについて、実質的に新型マシンと呼べるレベルになると説明した。

    「一番分かりやすく言えば、Bスペックカーだ」

    「新しいシャシーと、それに伴う新しいパーツが投入される」

    さらに、スパ・フランコルシャンとハンガリーでは小規模な改良を行い、その後ザントフォールトで軽量化を含むアップデートを導入すると説明した。

    「そして実際には、バクーではほぼ完全に新しいクルマになる」

    「間違いなく大きな改善になる」

    サインツJr.「今まで良くならなかったのになぜバクーだけ?」
    しかし、カルロス・サインツJr.はその見通しに疑問を呈した。

    サインツJr.は今季を通じてウィリアムズの開発停滞に懸念を示しており、自身の将来を巡る憶測も続いている。

    「バクーでは最低重量に到達できるはずだけど、シーズン開幕からすでにかなり軽量化は進めてきた」

    「アップグレードも投入してきた。でも残念ながら、これまで持ち込んだものが前進になっていない以上、なぜバクーのパッケージだけが大きな前進になるのか、それを示すものは今のところ何もない」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    課題は空力開発の方向性
    サインツJr.は、まず現在のアップグレードが期待通りの性能を発揮していない原因を突き止めることが先決だと指摘した。

    「まずは、これまで持ち込んできたアップグレードがなぜ機能していないのかを理解し、その上でバクーへ持ち込む必要がある」

    「重量面では大きな前進になるだろう。でも最終的に重要なのは空力性能だ。その部分については、引き続き答えを探していかなければならない」

    今季のウィリアムズは軽量化では着実な成果を上げている一方、空力アップデートが期待した効果を発揮できていない状況が続いている。チームはバクーで投入するBスペックマシンを巻き返しの切り札と位置付けるが、サインツJr.は原因究明なくして大幅な性能向上は望めないとの考えを示しており、シーズン後半の開発がチームの将来を占う重要な試金石となりそうだ。

  • メルセデスF1の予選新テクニック 0.05秒と失格リスクは紙一重

    メルセデスF1の予選新テクニック 0.05秒と失格リスクは紙一重

    F1イギリスGPでメルセデスが披露した予選での新たなエネルギーマネジメント手法が、ライバルたちの注目を集めている。

    ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリが実践したこのテクニックは、計測ライン直前で一瞬アクセルを戻すという異例の操作によって約0.05秒のタイム短縮を実現するものだ。しかし、その効果の裏には、操作を誤れば予選失格につながりかねない大きなリスクも潜んでいる。

    メルセデスが見つけた新たな抜け道
    この手法の鍵となるのは、2026年から導入された複雑なエネルギーマネジメント規則だ。

    現在のF1では、ストレートでバッテリーを使い切る際に「ランプダウンレート」と呼ばれる制限が設けられている。これは、350kWから突然0kWへ出力を落とすことを防ぐための規定で、出力は1秒あたり最大50kWずつしか減らせない。

    この規則が設けられた理由は、ストレート終盤で前方のマシンが急激に減速することを防ぎ、安全性を確保するためだ。

    しかし、本来であれば計測ラインまで350kWを維持できる区間でも、ラインまでの距離が十分でない場合は途中から300kW、250kW、200kWと段階的に出力を落とさなければならず、最高速の伸びが制限される。

    メルセデスはここに着目し、ドライバーが完全にアクセルを戻した場合はランプダウンレートの適用対象外となる規定を利用。計測ライン直前まで350kWを維持し、アクセルオフと同時に電力供給を終了させることで、通常より早く高い最高速へ到達できるようにした。

    その結果、約0.05秒のラップタイム短縮効果が得られるという。

    一度封じられたアイデアを別の方法で復活
    実はシーズン序盤にも、メルセデスとレッドブル・レーシングは似た発想のテクニックを使用していた。

    当時はMGU-Kを「緊急停止」させることでランプダウンレートを回避していたが、日本GPではその影響でコース上で減速・停止するマシンが現れた。

    これを受けてFIAは、MGU-Kの緊急停止機能は本当の緊急時以外には使用できないと各チームへ通達。この手法は事実上使用できなくなった。

    そこでメルセデスは、MGU-K停止ではなく「アクセルオフ」という別の例外規定を活用し、同様の効果を得る方法を開発した。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    最大の難関はドライバーの操作精度
    一見すると単純なアクセル操作に見えるが、実際には非常に高度なテクニックが要求される。

    重要なのは、バッテリー残量が0%になる前にアクセルを戻すことだ。

    もしバッテリーを完全に使い切った瞬間にMGU-Kが停止すると、出力が一気にゼロとなり、ランプダウンレート違反になる可能性がある。

    その場合は技術規則違反と判断され、予選結果の抹消や最後尾スタートにつながる恐れもある。

    しかも、ドライバーは毎周同じ場所でアクセルを戻せばよいわけではない。

    バッテリー消費量は周回ごとに変化するため、その時点の残量に応じてアクセルを戻す位置も毎回変わる。距離看板や広告看板などを目印にできるものではなく、常にバッテリー残量を把握しながら操作する必要がある。

    シミュレーターと音声システムで成功率を高める
    『The Race』によると、メルセデスはイギリスGP前にラッセルとアントネッリへシミュレーターで繰り返し練習を行わせ、この操作を体に覚え込ませていた。

    さらに、バッテリー残量が設定値まで減少すると、ドライバーのイヤホンへ音声信号を送るシステムも導入。この合図を受けてアクセルを戻すことで、毎周ほぼ最適なタイミングで操作できるようにしていたという。

    ライバルチームもこの手法の存在を把握しており、今後はハンガロリンクなどエネルギーマネジメントの重要性が高いサーキットを中心に導入を検討するとみられる。

    ただし、約0.05秒というメリットを得られる一方で、タイミングがわずかに遅れるだけで技術規則違反となる危険もある。メルセデスが編み出したこのテクニックは、2026年F1におけるエネルギーマネジメント競争の新たな武器となる一方、極めて高いリスクと隣り合わせの戦略でもある。

  • マックス・フェルスタッペン 2026年F1規則を嘆く「スパもモンツァも同じ」

    マックス・フェルスタッペン 2026年F1規則を嘆く「スパもモンツァも同じ」

    2026年F1レギュレーションへの批判が、イギリスGPでも一段と強まっている。元F1ドライバーのハインツ=ハラルド・フレンツェンは予選後に「F1よ、目を覚ませ」と訴え、現役ドライバーたちも現在のマシンがレースの魅力を損ねていると不満を口にした。

    シルバーストンでは、高速コーナーで限界まで攻める走りや大胆なオーバーテイクが難しくなったとの声が相次ぎ、マックス・フェルスタッペンは「スパやモンツァでも同じ状況になる」と警鐘を鳴らした。

    フレンツェン「F1よ目を覚ませ」
    元F1ドライバーのハインツ=ハラルド・フレンツェンは、イギリスGP予選後に自身のSNSへ「F1よ、目を覚ませ」と投稿し、現行レギュレーションへの危機感をあらわにした。

    シルバーストンでは複数のドライバーが、高速コーナーで限界まで攻める楽しさや、思い切ったオーバーテイクが失われたと指摘。現在のマシンではサーキット本来の魅力を十分に引き出せないとの見方を示した。

    アロンソ「ドライバーの要素が消えた」
    以前から現行レギュレーションに批判的だったフェルナンド・アロンソは、問題は開幕当初から予想していたものだと語った。

    「シーズンの最初から、このレギュレーションではこういうレースになると言っていた」

    「コーナーで限界まで攻めたり、アウト側から思い切って仕掛けたり、最後に飛び込んで遅くブレーキをかけたり、そういうドライバーの要素はほとんどなくなってしまった」

    現在のオーバーテイクについても次のように説明した。

    「前のマシンより多くバッテリーを使って、ボタンを押して追い抜くだけ。それが今のF1だ」

    「好き嫌いはあるだろう。ドライバーの重要性は以前より小さくなったかもしれない。でも文句を言っても仕方がない」

    「チームとFIAがこれを最善だと考えた。だから今はこのマシンで勝つ方法を見つけ、次のレギュレーションを待つしかない」

    「これが今のF1であり、その中でベストを尽くすだけだ」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    フェルスタッペン「スパもモンツァも同じ」
    フェルスタッペンも今季を通じてF1とFIAにレギュレーション変更を求めており、一部の改善策は2027年に導入されることが決まっている。

    しかし、2026年シーズン中は状況が変わらないと考えており、今後の名門サーキットでも同じ問題が起きると予想した。

    「今のF1はこういうものだ。どうすることもできない」

    「スパもモンツァも、また同じようなレースになるだろう。それは残念だ。スパは本当に美しいサーキットだからね」

    「でも、このマシンではそうならない」

    さらに、現行レギュレーションでは苦しい週末になると「家に帰ることばかり考えてしまう」と率直な心境も明かした。

    アロンソ「状況を変えるため努力している」
    一方、苦戦が続くアストンマーティンに所属するアロンソは、将来が不透明な状況でもモチベーションは変わらないと強調した。

    「メディア対応以外では、自分のやりたいこと、自分の好きなことをやっている」

    「毎週チームと一緒にマシンの弱点を理解し、改善する方法を探している。そしてチームが一丸となって次のステップへ進めるよう努力している」

    「厳しいスタートだったことは何度も言っているし、同じ話の繰り返しなのは分かっている。でも僕たちは状況を変えることに集中しているし、そのために懸命に取り組んでいる」

    2026年レギュレーションへの批判はシーズン中盤を迎えても収まる気配はない。フェルスタッペンはスパ・フランコルシャンやモンツァでも同様の問題が続くと予想し、アロンソもドライバーの技量が以前ほど結果を左右しない現状を受け入れつつ、与えられた条件の中で最善を尽くす姿勢を示した。

  • マドリンクがF1開催へ始動 FIA F3が実戦テストで最終検証

    マドリンクがF1開催へ始動 FIA F3が実戦テストで最終検証

    2026年にF1スペインGPの新たな開催地となる市街地サーキット「マドリンク」が、本格的なデビューへ向けて最終準備に入る。FIAフォーミュラ3(F3)は8月に同サーキットで2日間の公式インシーズンテストを実施し、施設や運営体制を実戦形式で検証することが決まった。

    さらに9月のF3最終戦では通常の2レース制ではなく3レース制を採用。中止となったバーレーン大会の代替措置として追加レースを実施するとともに、F1開催を前にマドリンクの完成度を確認する重要なイベントとなる。

    F1初開催へ向けマドリンクを実戦検証
    F3は8月24日から25日にかけて、マドリンクで2日間のインシーズンテストを実施する。

    ドライバーにとっては新設コースの特性を把握する貴重な機会となる一方、主催者側にとってはF1初開催を前に、安全設備や運営体制、競技運営が計画どおり機能するかを実際のレース環境で確認する重要なリハーサルとなる。

    F3 CEOのブルーノ・ミシェルは次のように語った。

    「マドリンクでF3テストを実施できることを非常にうれしく思う」

    「新しい会場で開催される2026年シーズン最終戦を前に、チームとドライバーにとって、この新たな挑戦を評価する非常に価値ある2日間になる」

    最終戦は異例の3レース制へ
    F3は2026年第2戦としてバーレーン大会を予定していたが、中東情勢の悪化を受けて開催中止となった。F1、F2、F1アカデミーも同時期にサウジアラビア大会をカレンダーから外している。

    F2はマイアミとモントリオールを追加して走行機会を補い、F1アカデミーもフォーマット変更で対応した一方、F3だけは代替イベントが設けられていなかった。

    その不足分を補うため、マドリンクで開催されるシーズン最終戦では通常の2レース制から3レース制へ変更される。

    金曜日は45分間のフリー走行後に20分間の予選を2回実施。最初の予選でスプリントレースと土曜日のフィーチャーレースのグリッドを決定し、日曜日午前には2回目の予選結果を反映した追加フィーチャーレースが行われる。

    追加レースには通常どおり選手権ポイントが与えられ、タイトル争いの決着を左右する一戦となる可能性もある。

    F1開催前の重要なチェック
    スペインGPディレクターのルイス・ガルシア・アバドは、今回のテストの目的について次のように説明した。

    「私たちは当初から、グランプリ開催時にはサーキットが完全に検証され、実証済みの状態で臨みたいと考えていた」

    「マドリンクのような完全な新設プロジェクトでは、安全性、運営体制、競技運営に関わるすべての要素が計画どおり機能するかを、実際のレース環境で確認することが不可欠だった」

    さらに、F3の協力に感謝を示した。

    「ブルーノ・ミシェルとの最初の話し合いから、F3はこのテスト実施に全面的に協力してくれた。その協力のおかげで、F1デビュー前に必要な検証をすべて実施できるだけでなく、選手権に追加レースを組み込み、その結果がマドリードで決まるというスポーツ面での魅力も加えることができた」

    マドリンク スペイングランプリ

    F3最終戦の開催地も正式決定
    今回の発表により、マドリンクが予定どおり2026年F3シーズン最終戦の舞台となることも改めて確認された。

    一部では、F1が10月初旬にバーレーンGPをカレンダーへ復帰させた場合、F3もシーズン延長する可能性が取り沙汰されていた。しかし主催者は、マドリンクでシーズンを締めくくる計画に変更はなかったと説明している。

    声明では、「2026年F3シーズンをマドリードで終えることは、カレンダー発表時から決まっていた。メルボルン大会終了後、F3がサヒールでレースを行わないことが明らかになった時点で、マドリンク最終戦を強化する作業を開始した」としている。

    マドリンクはF3による公式テストと3レース制の最終戦を通じて、本番さながらの環境で施設や運営体制を検証することになる。F1初開催を成功させるための重要な準備段階として、サーキットにとっても大きな節目となるイベントになりそうだ。

  • ルイス・ハミルトン フェラーリF1で「なぜ君の話を聞く?」から信頼獲得

    ルイス・ハミルトン フェラーリF1で「なぜ君の話を聞く?」から信頼獲得

    ルイス・ハミルトンが、2026年シーズンにフェラーリで復活を遂げた最大の理由として、チームとの「協力体制」と「信頼関係」の構築を挙げた。2025年には自身の提案が十分に受け入れられず苦戦したものの、現在は開発面でも重要な役割を担えるようになり、それがタイトル争いにつながっているという。

    ハミルトンは、フェラーリ首脳陣との関係を見直し、「敵ではなく味方」として同じ方向を向けるようになったことが、現在の好調の土台になったと語った。

    「信頼」を築くまでの長い道のり
    ハミルトンは、2026年型マシンには自身の要望が数多く反映されていると説明した。

    「一番大きいのは、自分が開発に深く関わったマシンになったことだ」

    「例えばフロントサスペンションは昨年から要望していたもので、シミュレーター用に製作してテストも行っていた。今年になってようやく望んでいたブレーキも導入された。これはかなり強く求めていた部分だった」

    さらに、自身のレースエンジニアを含むパーソナルチームの体制変更や、フェラーリ本部との連携強化も大きな転機だったという。

    「自分のチーム体制を見直し、チーム全体との連携も改善した」

    「さらに組織の上層部とも関係を築き直した。同じ方向を向き、敵同士ではなく味方として仕事ができるようになった」

    「今ではその関係が非常に良い状態になっている。そのおかげでチーム全体が同じ方向へ進めるようになった」

    「なぜ君の話を聞く必要がある?」
    ハミルトンは、結果が伴わなかった2025年には、自身の意見が受け入れられにくい状況だったことも率直に明かした。

    「昨年は毎週末が本当に苦しかった。当然、そういう状況では周囲も耳を傾けなくなる」

    「『そんな結果しか出せていないのに、なぜ君の話を聞く必要があるんだ?』という空気になるものだ」

    だからこそ、現在の信頼関係を築くまでには時間が必要だったという。

    「その信頼を築くには長い時間がかかった。でも今ではその信頼がある。僕が求めたことは実際に形になっている」

    「もちろん一方通行ではない。お互いに刺激し合いながら前へ進んでいる。ようやく本当の意味で協力体制が築けた。それが一番重要なことだと思う」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    フェラーリは再び革新者へ
    ハミルトンは、2025年に未勝利に終わったフェラーリが、わずか1年でタイトル争いを演じるまでに復活したことを「驚くべき変貌」と評価した。

    「昨年の状況から再びトップ争いができるようになったのは、本当に素晴らしい変化だ」

    「チームのみんなを誇りに思っている。毎週末、新しいパーツを投入し続け、常に進化している」

    昨年はフェラーリの開発姿勢にも疑問を感じていたという。

    「昨年、僕が何度も投げかけていたのは『イノベーションはどこにあるんだ?』ということだった」

    「フェラーリはF1で最も偉大で成功してきたチームだ。誰もがフェラーリを追いかける存在であるべきなんだ」

    その変化はすでにライバルにも影響を与えているとハミルトンは説明する。

    「例えばリアウイングを見てもそうだし、排気系のアイデアも今では他チームが採用している。そういう姿を見るのは本当にうれしい」

    「素晴らしい人たちが懸命に働き、僕たちを前進させてくれている。僕が望むのは、その小さな積み重ねを続けることだけだ」

    2025年には結果不足から発言力を得られず、「なぜ君の話を聞く必要があるのか」と見られる状況だったと明かしたハミルトン。しかし2026年は、開発への貢献とチームとの信頼関係を築いたことで、フェラーリは再びタイトル争いを演じる強豪へと返り咲いた。ハミルトンは、その最大の要因はマシン性能以上に「協力」と「信頼」の確立だったと強調している。

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1残留は“ハンガリーGP次第”を否定

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1残留は“ハンガリーGP次第”を否定

    フェルナンド・アロンソは、アストンマーティンがハンガリーGPで投入予定の大型アップグレードが自身のF1キャリアの去就を左右するとの見方を否定した。チームの技術責任者エイドリアン・ニューウェイは「非常に重要」と位置づけていたが、アロンソは「判断材料のひとつに過ぎない」と冷静な見解を示している。

    今季限りでアストンマーティンとの契約が満了するアロンソには、アルピーヌ復帰の噂も浮上している。

    去就に注目が集まるなか、本人はマシン性能だけでなく、チームの将来性やF1そのものへの考え方など、複数の要素を総合的に判断すると語った。

    ニューウェイ「ハンガリーGPは非常に重要」
    アストンマーティンはハンガリーGPでAMR26の大規模アップグレードを投入する計画だ。

    エイドリアン・ニューウェイはチーム公式コンテンツ『Undercut』の中で、このアップグレードがアロンソの将来にも影響を与える可能性があるとの見方を示した。

    「非常に重要だ。フェルナンドはアップグレードをとても楽しみにしているし、それが期待どおりの成果を出せば、来季も彼がコクピットに座ってくれることを願っている」

    一方で、2026年シーズンのアストンマーティンは苦戦が続いている。ニューウェイ設計のAMR26は期待されたパフォーマンスを発揮できず、アロンソはここまでわずか1ポイント獲得にとどまり、チームも新規参戦のキャデラックを上回る順位に位置しているだけだ。

    アロンソ「判断はマシンだけではない」
    しかし、アロンソ本人はニューウェイの見解に同意しなかった。

    シルバーストンでPlanetF1.comなどのメディアに対し、次のように語っている。

    「それが本当に直結しているとは言えない。クルマが良くても悪くても、考えなければならない要素は他にもある」

    さらに、マシン性能だけで去就を決めるわけではないと説明した。

    「クルマがすごく良くても、このスポーツが望まない方向へ進んでいると感じるかもしれない」

    「逆にブダペストで大きく改善しなくても、その後に別のアップグレードがあるかもしれないし、来年に向けたまったく新しいコンセプトがあるかもしれない。チームの雰囲気が変われば、さらに数年続けようと思う可能性もある」

    そのうえで、ハンガリーGPの結果が無意味ではないと認めた。

    「もちろん助けにはなる。8月初めに休暇へ入る前にブダペストで良いレースができればうれしい。でも、それだけが判断材料ではない」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    アルピーヌ復帰説とF1引退後の構想
    複数の関係者によれば、アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレと、2027年からタイトルスポンサー就任が見込まれるグッチが、アロンソの獲得を後押ししているとされている。

    一方、アロンソはF1を離れた場合についても具体的なプランは決まっていないと明かした。

    「分からない。本当に分からない」

    ただし、モータースポーツで挑戦したい目標は依然として多いという。

    「これからもいくつか挑戦したいことがある。そのほとんどはモータースポーツに関するものだ」

    最大の目標として挙げたのがダカール・ラリー制覇だ。

    「ダカールで勝ちたい。以前から何度も言ってきたし、耐久レースにももう一度挑戦したい。もしマックス(フェルスタッペン)が一緒にやりたいと言うなら、なおさら面白い」

    また、現役を退いた後もアストンマーティンに貢献したい考えを示した。

    「現役を引退したとしても、このチームで別の役割を担い、力になりたいと思っている」

    「F1にはもう26年間いる。チームの中でも2番目か3番目に経験が豊富な人間だと思う。その経験はチームに役立つはずだし、家でテレビを見ているより、その知識をチームのために使いたい」

    今回の発言からは、アロンソの去就がハンガリーGPのアップグレードだけで決まるわけではないことが明確になった。マシンの競争力に加え、チームの将来像や自身のモータースポーツ人生全体を見据えたうえで、2027年以降の進路を慎重に判断していくことになりそうだ。

  • アウディF1代表 ADUO制度見直し訴え「本来の目的から外れている」

    アウディF1代表 ADUO制度見直し訴え「本来の目的から外れている」

    2026年から導入されたF1の新パワーユニット(PU)規則に合わせて設けられた「追加開発・アップグレード機会(ADUO)」制度について、アウディF1プロジェクトを率いるマッティア・ビノットが、評価方法の見直しをFIAに求めた。

    ビノットは現行制度ではPU本来の性能を正確に評価できず、本来救済されるべきメーカーとは異なる結果を生む可能性があると指摘。制度の目的である「性能収束(コンバージェンス)」に立ち返るべきだと訴えている。

    ADUO制度とは何か
    2026年からF1では、内燃機関と電動システムの出力比率が50対50となる新世代パワーユニットが導入された。開発難度が大幅に高まることを受け、FIAは競争力が不足するメーカーに追加開発を認める「Additional Development and Upgrade Opportunities(ADUO)」制度を創設した。

    対象となったメーカーは通常より多くの開発機会を得られる一方、その判定は主にV6エンジンの実戦パフォーマンスを基準として行われる。

    その結果、今季最も競争力の高いPUを持つと見られるメルセデスもADUOの対象となった一方、フォードとの共同開発による初年度PUを投入したレッドブル・レーシングは対象外となった。この判断に対しレッドブル・レーシングは異議を申し立てたものの、FIAは認めなかった。

    一方、ザウバーを引き継いで今季からワークス参戦しているアウディは、ADUOの適用対象となっている。

    ビノット「マシン性能がPU評価を歪める」
    ビノットは『Motorsport.com』の取材に対し、現行制度はマシン全体の競争力がPU評価に影響を及ぼしてしまうと指摘した。

    「私の考えでは、限界は実際のコース上のパフォーマンスだけを測定していることだ。マシン全体に優位性があれば、パワーユニットの性能を限界まで引き出す必要はない」

    「例えばメルセデスは、実際にはさらに高い性能を持つエンジンを搭載していても、シャシーに十分な優位性があるため限界まで使う必要がなかった可能性がある。もしそうなら、そのメーカーは追加の開発余地まで得ることになる」

    「だから私は、この点について規則を見直す必要があると考えている。ADUOの本来の目的は、本当に遅れているメーカーを支援することであり、パワーユニットの真の性能を判断しづらい状況を生み出すことではなかった」

    アウディ F1 ADUO

    「本来の目的は5年間の格差固定を防ぐこと」
    ビノットは一方で、制度を設計したFIAの取り組み自体を否定するものではないと強調した。

    「結果についてFIAの仕事を疑っているわけではない。FIAは評価に必要なデータと手段を持っているし、どのような測定方法にも限界があることは理解している」

    そのうえで、制度創設時の理念を忘れてはならないと訴えた。

    「重要なのは、ADUO本来の目的を思い出すことだ。当初この制度が議論された際には、一種のセーフティネットという考え方だった」

    「もし規則サイクルの序盤であるメーカーが大きく遅れ、しかも規則がほぼ凍結されて開発余地も限られていれば、その不利を5年間引きずることになってしまう」

    「そこで生まれたのが性能収束という考え方だ。遅れているメーカーに追いつく機会を与えるというもので、これはシャシーや空力で採用されている考え方と同じだ」

    「ランキング下位のチームほど風洞使用時間が多く与えられる。同じように、パワーユニット性能で遅れているメーカーにも、より多くの開発機会を与え、チャンピオンシップ全体の競争をより均衡させるべきだ」

    現行のADUO制度は導入初年度から判定基準を巡る議論が起きている。ビノットは制度そのものを否定しているわけではなく、当初掲げられた「性能差の是正」という目的をより正確に実現するため、評価方法の改善が必要だとの考えを示した。

  • メルセデスF1代表 ラッセルの苦戦認める「まだマシンと噛み合っていない」

    メルセデスF1代表 ラッセルの苦戦認める「まだマシンと噛み合っていない」

    ジョージ・ラッセルは2026年F1第9戦イギリスGPで2位表彰台を獲得した。しかし、メルセデスF1のトト・ヴォルフ代表は、この結果がラッセルの抱える問題を覆い隠すものではないと明かし、依然としてマシンとの相性に苦しんでいることを認めた。

    ラッセルはシルバーストン週末を通じてチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリに後れを取った。

    アントネッリはスプリント優勝とポールポジションを獲得した一方、ラッセルはスプリント予選、決勝予選とも4番手に終わった。それでも決勝では終盤のセーフティカーを活かした戦略が奏功し、母国レースで2位を手にした。

    ヴォルフ「まだマシンと噛み合っていない」
    ヴォルフ代表はSky Sports F1に対し、ラッセルが現在もマシンに十分な自信を持てていないと説明した。

    「今日一番うれしかったのは、ジョージとチームのためだった。彼はここ数戦、とても難しい週末が続いていた」

    「彼はどういうわけか、まだマシンとうまく噛み合っていない。昨日も一昨日もストレートスピードの問題があった」

    「ドライバーはマシンに安心感を持てることが重要だが、彼はまだそう感じられていない。それでもシルバーストンで2位を獲得したことは、本当にうれしく思っている」

    戦略が奏功してハミルトンを逆転
    決勝ではラッセルにスローパンクチャーが発生するトラブルもあった。

    しかし終盤のセーフティカー中、メルセデスはラッセルをコース上に残す戦略を選択。他車がピットへ向かったことで順位を上げ、ルイス・ハミルトンを逆転して2位を確保した。

    レース後、ラッセル自身は「今日の自分は表彰台に立つに値する走りではなかった」と振り返っていたが、この結果によってランキング首位のアントネッリとの差は25ポイントまで縮まった。アントネッリは決勝でマシントラブルにより無得点に終わっている。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    タイトル争いへ「信じ続けることが大切」
    ヴォルフ代表はラッセルのタイトル争いについても前向きな見方を示した。

    「彼はしっかり踏みとどまっていると思う。2人とも今季は運にも不運にも恵まれてきた。今回はキミが2度目の不運に見舞われ、ジョージにも以前そういうことがあった」

    「シーズンはまだ長い。彼は自分ならできると信じ続ける必要がある。そして今マシンに潜んでいる、小さな問題を見つけ出さなければならない」

    ベルギーGPへ向けて態勢を立て直す
    ヴォルフ代表はF1 TVで、ベルギーGPとハンガリーGPの連戦へ向けてチームを立て直す考えを語った。

    「一度リセットし、しっかり回復することが大切だ。週末は1戦空くので、その後のベルギーとハンガリーの2連戦を力強く戦いたい」

    ラッセルは母国GPで2位という好結果を残したものの、メルセデス内部では依然としてマシンとの相性やストレートスピードに課題が残っていると認識されている。ヴォルフはタイトル争いはまだ十分可能と考えており、ベルギーGP以降の巻き返しに期待を寄せている。

  • レッドブルF1 アイザック・ハジャーに追い風?フェルスタッペン離脱なら主役への道

    レッドブルF1 アイザック・ハジャーに追い風?フェルスタッペン離脱なら主役への道

    マックス・フェルスタッペンのレッドブル離脱の可能性が取り沙汰される中、その影響を最も受ける存在のひとりとしてアイザック・ハジャーに注目が集まっている。

    フェルスタッペンがマクラーレン移籍や休養、さらにはF1引退まで噂される状況となる一方で、現在レッドブルで急成長を見せるハジャーにとっては、チーム内で主役へと躍り出る絶好の機会になる可能性がある。

    フェルスタッペン離脱なら最大の恩恵はハジャー?
    F1 Oversteerは、フェルスタッペンがレッドブルを離れた場合、チームはもちろんF1全体にとっても大きな損失になるとしながらも、「静かに喜ぶ人物がいるとすれば、それはアイザック・ハジャーだ」と伝えている。

    2026年シーズン、ハジャーはフェルスタッペンのチームメイトとして健闘を続けている。予選ではすでに3回フェルスタッペンを上回り、平均予選タイム差も0.241秒にとどまるなど、歴代のレッドブルのチームメイトと比較しても高い競争力を示している。

    また、ここまでチーム獲得ポイントの42%以上をハジャーが稼いでいる一方、昨年の角田裕毅はシーズンを通してチームポイントの6.7%しか獲得できなかったことも紹介されている。

    しかし、ハジャーがフェルスタッペンを上回るたびに話題となるのは、ハジャーの活躍ではなく「フェルスタッペンに何が起きたのか」という点だ。

    シルバーストン予選でハジャーが5番手、フェルスタッペンが7番手だった際も、注目はフェルスタッペンの不調に集まり、ハジャーの走りは十分に評価されなかった。

    そのため同メディアは、フェルスタッペンがチームの絶対的中心である限り、ハジャーの実力は正当に評価されにくい状況が続くと指摘している。

    本人は「プレッシャーはむしろ少ない」
    一方で、当のハジャー本人はフェルスタッペンとのコンビを前向きに捉えている。

    スペイン紙『Diario AS』のインタビューでは、4度のワールドチャンピオンをチームメイトに持つことについて、周囲が考えるほど大きなプレッシャーは感じていないと語った。

    「素晴らしいことだよ。世界最高のドライバーと自分を比較できるし、その違いをデータで確認できるんだ」

    「本当に印象的だ。限界まで自分を追い込み、今まで想像もしなかったラップタイムを見つけなければならない。正直、信じられないくらい素晴らしい経験だ」

    さらに、フェルスタッペンと比較され続けることについては、次のように説明している。

    「むしろプレッシャーは少ないと思う。紙の上では世界最高のドライバーの隣にいるわけだからね」

    「だから、自分がどんな結果を出してもある程度は予想されている。でも、それで満足するつもりはない。できるだけ彼に近づいて、自分の価値を証明したい」

    「自分にはその才能もスピードもあると思っている。だから自分自身にはプレッシャーをかけているけど、周囲からのプレッシャーはあまり感じない」

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

    フェルスタッペンのデータは「使わない方が愚か」
    ハジャーはフェルスタッペンから学べる環境も最大限に活用している。

    レースウイーク中はフェルスタッペンのデータを確認しており、それを参考にすることを隠そうとはしていない。

    「前に進みたいなら、周囲で何が起きているかを知らなければならない。もう1台のマシンが何をしているのか、速いのかどうかも把握する必要がある」

    「もちろん、隣に4度のワールドチャンピオンがいて、それを活用しないなら愚かなことだ」

    フェルスタッペンから直接学びながら実力を磨いている現在の環境は、ハジャーにとって大きな財産となっている。

    一方で、もしフェルスタッペンがレッドブルを去れば、ハジャーは「若きエース」としてチーム再建の中心に据えられる可能性が高まる。フェルスタッペンの存在は最高の教材であると同時に、ハジャーが主役になれない最大の理由でもある。今後のフェルスタッペンの去就は、レッドブルだけでなくアイザック・ハジャーのキャリアにも大きな転機をもたらすことになりそうだ。

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  • マクラーレンF1の幻のマシン「MP4/8 ランボルギーニV12仕様」が初の公開走行

    マクラーレンF1の幻のマシン「MP4/8 ランボルギーニV12仕様」が初の公開走行

    マクラーレンF1 幻のランボルギーニV12搭載MP4/8が初の公開走行 セナが絶賛した伝説のテストカー

    1993年にアイルトン・セナがテストを行いながらも実戦投入されることのなかった、マクラーレンF1の幻のマシン「MP4/8 ランボルギーニV12仕様」が、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで初めて一般公開走行を果たした。

    長年にわたって「伝説のテストカー」として語り継がれてきた1台であり、セナ自身が実戦投入を望んだとされるマシンが、開発から33年を経て初めてファンの前で走行した。

    セナがテストした幻のMP4/8
    1993年シーズンのF1世界選手権を戦うために開発されたマクラーレンMP4/8は、アイルトン・セナとマイケル・アンドレッティがドライブしたマシンとして知られる。

    当時、セナは一時F1を離れる可能性もあったため、マクラーレンはチーム・ロータスからミカ・ハッキネンを獲得していた。しかし開幕直前にセナが参戦を決断したことで、ハッキネンはリザーブ兼テストドライバーとなり、イタリアGP後に成績不振だったアンドレッティに代わってレギュラーへ昇格した。

    ランボルギーニV12搭載計画
    MP4/8は当初、フォードHBD7 V8エンジンを搭載していた。しかし舞台裏では、元フェラーリの名エンジニア、マウロ・フォルギエーリが設計したランボルギーニ製V12エンジンを搭載する極秘プロジェクトが進められていた。

    約3か月に及ぶ改造により、全長が長く重量も大きいV12エンジンを搭載できるようシャシーを変更。完成したマシンはスポンサーのない真っ白なカラーリングで、シルバーストンとエストリルの2か所でセナとハッキネンによるテストが行われた。

    セナは実戦投入を希望
    テストでは信頼性に課題があり、最長走行距離は19周程度だったとされる。

    それでもセナはエンジン性能を高く評価し、この仕様でレースに出場したいとロン・デニス代表へ要望したという。

    しかしデニスはこれを認めなかった。すでに1994年からプジョー製エンジンを採用する契約を締結していたためである。

    マクラーレンは1994年にプジョーと提携した後、1995年からメルセデスとのパートナーシップを開始。この協力関係はF1史上屈指の成功を収める長期提携へと発展した。

    33年越しの初公開走行
    実戦デビューを果たすことなく開発計画が終わったランボルギーニV12仕様のMP4/8は、その存在自体が長年謎に包まれていたこともあり、多くのF1ファンの間で「幻のマクラーレン」として語り継がれてきた。

    その伝説的な1台が、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの名物ヒルクライムで初めて一般公開走行を実施。33年の時を経て、セナが絶賛した幻のマシンがついに多くのファンの前でその姿とサウンドを披露する歴史的な瞬間となった。

    セナが実戦投入を望みながら実現しなかったランボルギーニV12仕様のMP4/8は、F1史に残る「幻のプロジェクト」として語り継がれてきた。今回の公開走行は、その伝説を現代のファンが実際に目にする貴重な機会となり、マクラーレンとセナの歴史に新たな1ページを刻んだ。