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  • FIAがF1コストキャップ審査結果を発表 アストンマーティンのみ軽微な違反

    FIAがF1コストキャップ審査結果を発表 アストンマーティンのみ軽微な違反

    FIA(国際自動車連盟)は、2024年度のF1チームおよびパワーユニット(PU)メーカーに対するコストキャップ遵守審査の結果を公表した。

    その中で、アストンマーティンが唯一の違反チームであることが判明し、他の9チームおよび5つのPUメーカー(メルセデス、フェラーリ、ホンダ、レッドブル・フォード、アウディ)はいずれも適正と認定された。

    報告書の公表が例年より遅れたため、パドック内では「より重大な違反が発覚したのでは」との憶測が飛び交っていた。これまでの年次報告は2022年(2021年シーズン分)が10月初旬、2023年と2024年は9月に発表されており、今年の発表は異例の遅さだった。

    審査は7カ月に及ぶ複雑な手続き
    FIAは声明の中で、今回の審査プロセスは「非常に時間を要した」と説明している。

    その理由として、財務規則の複雑さに加え、「チームおよびPUメーカーが実施した開発活動における技術的側面とコスト処理を評価する必要があった」と述べた。

    審査は7カ月にわたり実施され、慎重かつ多角的な検証が行われたという。

    アストンマーティンの違反は「ごく軽微」
    FIAによると、アストンマーティンの違反は「非常に軽微なもの」だった。

    公表された「ABA(Accepted Breach Agreement/違反承認合意書)」の要約によれば、アストンマーティンは2025年3月31日の提出期限前に「署名のない版」の報告書を提出していたことが問題とされた。

    独立監査法人による署名を取得できたのは最も早くても4月15日であり、期限後となっていた。

    しかし、この遅延には「チームの管理を超えた例外的かつ予測不可能な事情」が存在していたとされ、その具体的な内容は非公表となっている。

    また、アストンマーティンがこの違反によっていかなる競技的・経済的利益も得ていないことが確認されたため、FIAコストキャップ管理部門(CCA)は制裁を科さず、ABA手続き費用の負担のみとする決定を下した。

    FIAの透明性と信頼回復の試金石
    今回の発表は、F1の財務規律に対するFIAの透明性を改めて問うものとなった。

    2021年のレッドブルのオーバースペンド違反以降、コストキャップ制度は厳格さと公平性の両立を目指して改良が進められている。

    一方で、今回のような手続き上の軽微な違反が「誤解を招かぬ形で」迅速に処理された点は、制度運用の成熟を示す兆候ともいえる。

    アストンマーティンにとっては痛手にはならなかったが、すべてのチームが提出時期や形式にも細心の注意を払う必要があることが、改めて明確になったと言える。

  • アストンマーティンF1、2024年コスト上限で軽微な手続き違反を認める

    アストンマーティンF1、2024年コスト上限で軽微な手続き違反を認める

    アストンマーティンは、2024年のF1コストキャップに関して軽微な手続き上の違反を認め、FIAと「受諾違反協定(Accepted Breach Agreement)」を締結したことが明らかになった。

    Crash.netによると、問題は2024年3月31日の提出期限までに会計書類の署名が1つ欠けていたことに起因していた。書類自体はすでに完成しており、必要な署名が整い次第、完全に監査済みの文書を再提出したという。アストンマーティンはこの手続き上の不備をFIAに逐次報告しており、状況を透明に共有していた。

    関係者によれば、署名の欠落はチームの責任外の事情によるもので、期限後にしか対応できなかったものの、形式的にはFIAの規定違反にあたる。そのためアストンマーティンは手続き違反の責任を受け入れたが、罰金やペナルティは科されない見通しだという。

    2024年のコストキャップは1億3500万ドル(約204億円)に設定されており、アストンマーティンの支出はこの上限を下回っていた。

    FIAの発表遅延が「違反疑惑」を加速
    FIAは現在、2024年のコストキャップ提出書類の審査を完了しておらず、各チームへの「遵守証明書(Compliance Certificate)」もまだ発行していない。この遅れが、いくつかのチームに「違反の可能性があるのではないか」という憶測を呼んでいる。

    最後に証明書の発行が9月を越えたのは2022年で、その年はレッドブルとアストンマーティンがいずれも違反と認定された。レッドブルは当時の上限1億4500万ドルを超過したため700万ドルの罰金と空力試験制限を受け、アストンマーティンは手続き上の違反で45万ドルの罰金を科された。

    現在も複数のチームが調査対象になっているとの報道があり、中には「重大な違反」があるとのうわさもある。FIAは声明の中で次のように述べている。

    「FIAのコストキャップ管理部門は、チームおよびパワーユニットメーカーから提出された2024年分の書類審査を最終段階に入っています。結果は近日中に公表される予定です」

    「FIAは特定のチームやパワーユニットメーカーの個別の提出内容についてはコメントしません。全ての審査が完了・確定した段階で、結果を公式に発表します」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 国際自動車連盟

    分析:透明性確保と信頼回復のバランス
    今回のアストンマーティンの件は、FIAのコストキャップ制度における「軽微な手続き違反」がどのように扱われるかを示す一例といえる。支出自体は上限内であり、意図的な隠蔽や不正はなかったことから、ペナルティなしでの終結は妥当な判断といえるだろう。

    一方で、FIAが依然として全チームの審査を終えていない点は、ファンやメディアの間で「再び違反があるのではないか」という疑念を招いている。特に2022年の“レッドブル超過事件”以来、コストキャップの信頼性は常に注目の的だ。

    今後、FIAがどのタイミングで遵守証明書を発行し、どのように透明性を確保するかが、制度への信頼回復の鍵を握る。

  • FIA、F1コストキャップ違反の噂に声明「チームごとの申請にはコメントしない」

    FIA、F1コストキャップ違反の噂に声明「チームごとの申請にはコメントしない」

    FIA(国際自動車連盟)は、2024年シーズンにおける複数のF1チームがコストキャップ(支出制限)規則に違反しているとの噂が広まる中、声明を発表した。メキシコシティGPのパドックでは、「小規模な手続き上の違反」と「より深刻とされる違反」の2件があるとの憶測が飛び交っている。

    コストキャップ制度は2021年に導入され、チームが1年間に支出できる金額の上限を定めている。

    ベース額は1億3500万ドルとされているが、インフレ調整を加えると実際の上限はおよそ1億5000万〜1億6000万ドルに達する。

    この制限にはスポーツおよび技術的領域、つまりパフォーマンス関連の支出のみが含まれ、ドライバーと上位3名の高給スタッフの報酬は対象外だ。マーケティング費用などもキャップ外の扱いとなる。

    FIAは声明の中で、次のように説明している。

    「FIAのコストキャップ管理部門は、現在チームおよびパワーユニットメーカーから提出された2024年の申請書類の審査を最終段階で進めています。その結果はまもなく発表される予定です」

    「特定のチームまたはパワーユニットメーカーの個別申請について、FIAはコメントを行いません。すべての申請の審査が完了し最終的に確定した時点で、レビュー結果を公表します」

    過去にも同様の事例があり、2021年シーズン分の監査ではレッドブルとアストンマーティンが違反と認定された。後者は手続き上の違反により45万ドルの罰金を科され、一方のレッドブルは「軽微な金銭的超過」(コストキャップの5%未満)として700万ドルの罰金と、風洞テストおよびCFD(数値流体力学)シミュレーション時間の10%削減という制裁を受けた。

    再び“コストキャップの影”がF1を覆う
    今回のFIA声明は、具体的な違反チーム名を挙げない中立的なものだが、タイミングは非常に示唆的だ。過去のレッドブルやアストンマーティンの事例が示すように、わずかな超過でも厳しい制裁が科される可能性があるため、各チームの関係者は神経を尖らせている。

    特に、今季は多くのチームが開発競争を激化させており、アップグレード頻度の多い上位勢ほど支出圧力が大きいとみられている。もし“重大な違反”が存在するなら、コンストラクターズ選手権の勢力図に影響を及ぼす可能性もある。

    FIAが「まもなく結果を発表する」と明言したことから、正式な認定と処分発表はメキシコGP〜ラスベガスGPの間に行われる見通しだ。再びF1を揺るがす“コストキャップ問題”が、今シーズン終盤戦の焦点のひとつとなりそうだ。

  • FIA会長選 モハメド・ビン・スライエムが無投票再選へ 対立候補が撤退表明

    FIA会長選 モハメド・ビン・スライエムが無投票再選へ 対立候補が撤退表明

    FIA(国際自動車連盟)の会長モハメド・ビン・スライエムが、12月に予定されている次期会長選挙で対立候補が不在となり、2期目を無投票で迎える見通しとなった。アメリカ人候補ティム・メイヤーが立候補を断念したことで、現職のスライエム会長が唯一の候補者として残る形となった。

    メイヤーは15年間にわたってFIAの上級スチュワードを務めてきたが、昨年11月に解任。その後、他2名の候補とともにスライエムへの挑戦を表明していた。

    しかし、FIAの規約により、会長候補者は世界6地域からそれぞれ1名ずつ、副会長候補を指名しなければならない。このうち南米地域の代表であるファビアナ・エクレストン(元F1代表バーニー・エクレストンの妻)がすでにスライエム支持を表明しており、メイヤー陣営はリストを完成できなかった。

    その結果、メイヤー、元レーシングドライバーのローラ・ヴィラーズ、ベルギーのジャーナリストであるヴァージニー・フィリポら3名はすべて立候補資格を失うこととなった。

    「民主主義の幻想」メイヤーがFIA選挙制度を批判

    ティム・メイヤーはF1アメリカGPの開催地オースティンで記者会見を開き、立候補断念を発表。「FIAの会長選挙はもはや民主的なプロセスではない」と強く批判した。

    「今回の選挙では、もはや投票すら行われない。意見を比較する議論も、ビジョンを競う場も、リーダーシップを検証する場もない。候補者は1人、現職だけだ。これは民主主義ではなく、民主主義の幻想だ」とメイヤーは語った。

    さらに、「選挙が投票前に決まってしまうのは民主主義ではなく演劇だ。加盟クラブに実質的な選択肢がないのなら、彼らは参加者ではなく観客にすぎない」と続けた。

    メイヤーは選挙過程における倫理的違反の可能性について、FIAに正式な抗議を提出している。

    ティム・メイヤー

    FIAが声明を発表「公正な手続きを保証している」

    これに対し、FIAはCrash.netを通じて声明を発表し、選挙の公正性と透明性を強調した。

    「FIA会長選挙は、公平性と誠実さを確保するために構造化された民主的プロセスである。2025年選挙の要件や締切日、適格基準はFIA規約および内部規定で明確に定義されており、すでに6月13日から公式ウェブサイトで公開している」と説明。
    「副会長の地域代表要件は新しいものではなく、過去の選挙でも適用されてきた」と付け加えた。

    F1界への影響:スライエム体制の継続が意味するもの

    スライエム会長は2021年末に就任して以降、FIAの構造改革やコストキャップ問題、ハミルトンらとの対立など、F1を取り巻く多くの論争の中心に立ってきた。今回の無投票再選により、2026年以降の新レギュレーション期も現体制が続くことが確定的となる。

    特にFIAとFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)との権限分配を巡る緊張関係が続く中で、スライエム体制の継続は政治的安定をもたらす一方、内部の透明性や改革の停滞を懸念する声も上がっている。

    彼の再選は、F1のガバナンス構造における「変化の停滞」を象徴する出来事とも言えるだろう。

  • FIA会長選に女性候補2人目 元モデルのヴァージニア・フィリポが出馬

    FIA会長選に女性候補2人目 元モデルのヴァージニア・フィリポが出馬

    33歳のモータースポーツジャーナリストで元モデルのヴァージニア フィリポ(Virginie Philippot/ヴィルジニー・フィリポー)が、FIA(国際自動車連盟)会長選挙に立候補を表明した。これにより、2025年12月に行われる選挙に出馬する2人目の女性候補者となる。彼女の発表は、史上初の女性候補者としてローラ・ヴィラールが出馬を表明してから2週間も経たないうちのことだった。

    FIA会長選挙は2025年12月12日にウズベキスタンで実施される。当初は現職のモハメド・ビン・スライエム会長と、元レーススチュワードでアメリカ人のティム・メイヤーによる一騎打ちと見られていた。

    9月29日(月)、フィリポーはInstagramの投稿を通じてFIA会長選への出馬を明らかにした。投稿のキャプションで、彼女はモータースポーツ統括団体に対する自身のビジョンを示し、最初の女性候補ではなく(その立場はヴィラールが獲得したが)、自分が最後にならないようにしたいと述べた。

    「私はFIA会長選に立候補します。『初めて』になるためではなく、私が最後にならないようにするためです。モータースポーツは現実の世界を映し出すべきです。大胆で、多様で、そして一体となって。グローバルなビジョンと深いルーツを持つ女性として、長い間閉ざされてきた扉を開けたいと思います。すべての声、すべての物語、すべての情熱を包み込む真に包括的なFIAを共に築きましょう。未来へのレースは今始まります」と33歳のフィリポーは記した。

    ヴィルジニー・フィリポーは1992年2月11日にベルギーのウッセルで生まれた。ブリュッセルのECSヨーロピアン・コミュニケーションズ・スクールでコミュニケーションを学んだ。彼女はテレビ司会者やモータースポーツジャーナリストとして活動し、レッドブル・レーシングなどのブランドのイベントを取材した経験もある。

    また彼女はフランスのリアリティ番組『シークレット・ストーリー』のシーズン6に出演したことがあり、今年7月にはミス・ユニバース・コンゴ民主共和国大会に出場したが、のちに辞退した。

    フィリポーはコンゴ民主共和国の問題について積極的に声を上げてきた。彼女のNGO「Drive for Hope」は孤児の支援や教育援助を行っている。2025年3月には、東部での武力紛争により避難を余儀なくされた人々を支援するため、GoFundMeで募金活動を開始した。こうしたコンゴへの関心は、母親が東アフリカのタンガニーカ出身であることに由来するようだ。

    フィリポーのFIA会長選出馬表明は、モータースポーツにおける女性の役割強化と、より包括的な組織を目指すという点で、ライバル候補のヴィラールの主張とも響き合うものだった。

    28歳で史上最年少のFIA会長候補となったローラ・ヴィラールは、モータースポーツ界の影響力ある女性たちについて言及した。『Motorsport-Total』のインタビューで彼女は次のように語っている。

    「私は常に女性のために闘ってきました。そして、F1アカデミーで活動したスージー・ヴォルフのような女性を本当に尊敬しています。過去には偉大なドライバーだったミシェル・ムートンもそうです。障壁を打ち破ってきたすべての女性を尊敬しています。そして現代において、特に女性として、また若者として、障壁を打ち破るべき時が来たと思っています」

    さらにヴィラールは「FIAを女性や新しい世代に開かれた存在にしたい」とも強調した。彼女が出馬を表明した際、FIAはスイス人ドライバーであるヴィラールから正式な立候補の届け出はまだ受け取っていないと述べている。

  • FIA会長ビン・スライエム F1暴言規制を擁護「モハメド・アリを見習え」

    FIA会長ビン・スライエム F1暴言規制を擁護「モハメド・アリを見習え」

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、レース中や記者会見でのF1ドライバーによる暴言について、自制を求める姿勢を改めて強調した。彼はドライバーたちに「自分の舌をコントロールする」よう求め、決して罵らなかったボクシング界の伝説モハメド・アリを手本にすべきだと語った。

    2025年F1シーズンを前に、FIA(国際自動車連盟)は2024年に導入された規定を拡大し、ドライバーが暴言を吐いた場合により厳しい処分を科すスポーティングコードの改訂を実施。

    3回の違反で「1か月の出場停止および選手権ポイントの剥奪」といった罰則が科される可能性がある。

    この規定はF1パドックで物議を醸し、グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)が決定に関与していなかったとの報道や、BBCによると多くのFIA関係者も反対していたとされる。

    しかしビン・スライエムはスイス紙『Expressen』のインタビューで、この方針を改めて擁護した。

    「暴言は一つのメッセージだ。それを自分のプラットフォームでやるのは彼らの自由だが、私はこう聞きたい。史上最高のアスリートの一人であるモハメド・アリが、罵るのを聞いたことがあるか?」

    モータースポーツは他の競技と違い、ファンがドライバーとチームの無線交信を聞くことができる点が特徴だ。そのため、アドレナリンが高まった状況で暴言が飛び出すことも多い。規制導入当初から、この特殊な事情がドライバーを不利にしているとの声もあがっていた。

    この点について問われると、ビン・スライエムは次のように答えた。

    「時速320キロで走るマシンをコントロールできるなら、自分の舌もコントロールできるはずだ。もし私が『無線を使うのをやめよう』と言えば、みんな『やめないでくれ』と言うだろう。では今はどうだ?」

    国際自動車連盟 F1

    「ばかげている」──FIAによるフェルスタッペン処分
    2024年9月、FIAはシンガポールGP前の木曜記者会見でマックス・フェルスタッペンが「クルマはf*****だ」と発言した件で処分を下した。スチュワードは精査の末、フェルスタッペンに「社会奉仕活動」を命じた。

    27歳のレッドブルドライバーはこの判断に不満を示し、その週末の会見では回答を制限し「ばかげている」と批判した。ただし会見室外のメディア対応には応じた。

    その後、FIAはシーズン終了後に具体的な処分内容を発表。

    「フェルスタッペンは来週ルワンダ・キガリで開催されるFIA総会の一環として行われるFIA表彰式に出席し、4年連続のF1ワールドチャンピオントロフィーを受け取る。その際、ルワンダ自動車クラブ(RAC)が主催する草の根育成プログラムに参加し、若手競技者と活動する」と声明を出した。

    フェルスタッペンは式典前にプログラムに参加し、このような育成活動の重要性を強調した。

    規則の一部緩和へ
    2025年5月、エミリア・ロマーニャGPを前に、FIAはレース中の極限状態で思わず不適切な言葉が出てしまう懸念に対するドライバー側の声を受け、新たに導入したスポーティングコードの規定を一部緩和した。

  • FIA会長選 女性初の挑戦者ローラ・ヴィラールが出馬表明

    FIA会長選 女性初の挑戦者ローラ・ヴィラールが出馬表明

    ローラ・ヴィラールが次期FIA会長選に立候補する3人目の候補者となった。

    ヴィラールはプレスリリースでの発表によると、史上初の女性候補であり、現職のモハメド・ビン・スライエム会長や元FIAスチュワードのティム・メイヤーとともに、2025年12月12日にウズベキスタンのタシュケントで行われる選挙で争うことになる。

    「FIAは再びクラブとライセンス保持者のための連盟でなければならない」と、起業家でありレーシングドライバーでもあるヴィラールは述べた。

    「私の目標は、より民主的で、より透明性があり、より責任あるガバナンスを実現すること、そして女性や新世代に開かれた組織にすることだ。

    モータースポーツが世界中の若い世代にインスピレーションを与え続けるためには、多様性とイノベーションが必要だと私は強く信じている」

    スイス人候補のヴィラールは、出馬を発表した後、明確な選挙公約を打ち出した。

    ヴィラールの公約
    ■ 定期的な協議と参加型ガバナンスを通じてクラブを強化する
    ■ 財務と意思決定の透明性を強化する
    ■ サステナビリティのリーダーシップを認証する「FIAエコ・パフォーマンス」ラベルを導入する
    ■ 「ウィメン・イン・モータースポーツ」プログラム(Girls on Track、メンタリング)を強化し、「FIAヤング・リーダーズ・アカデミー」を設立する
    ■ FIAを持続可能なモビリティと道路安全の世界的な基準とする

    ヴィラールは28歳で、フォーミュラ3やフォーミュラ4をベースにしたシングルシーターを含む多様なカテゴリーで競技経験を積んできた。現在はリジェ・ヨーロピアン・シリーズに参戦しており、入門用スポーツプロトタイプであるJS P4をドライブしている。

  • F1とFIA、抗議金の大幅引き上げを検討 レッドブルの抗議が議論の導火線

    F1とFIA、抗議金の大幅引き上げを検討 レッドブルの抗議が議論の導火線

    F1とFIA(国際自動車連盟)は、抗議・上訴・再審請求にかかる保証金の大幅な引き上げを検討している。これは7月23日(水)にロンドンで開催されたF1コミッションの会合で正式に議題として取り上げられたもので、抗議制度が戦略的に乱用されているとの懸念を受けた動きだ。

    会議はF1 CEOのステファノ・ドメニカリとFIAシングルシーターディレクターのニコラス・トンバジスが主導し、現行の保証金額──抗議にはわずか2000ユーロ──では、根拠のない抗議を抑制するには不十分だとの認識が共有された。

    レッドブルの抗議が議論の導火線に
    今回の検討の引き金となったのは、レッドブルがメルセデスのジョージ・ラッセルに対して起こした2件の抗議だ。

    1件目はマイアミGPで、レッドブルはラッセルが黄旗下で十分に減速しなかったと主張したが、FIAはこれを却下。
    2件目はカナダGP後に提出されたもので、ラッセルがセーフティカー中に不安定な走行を行ったと訴えたが、これも退けられた。

    こうした一連の抗議が、「現状では費用負担が少なすぎるため、戦略的な嫌がらせとして抗議が乱発されかねない」との不安をチーム関係者や関係筋の間で強める結果となった。

    FIAは公式声明の中で、次のように言及している。

    「抗議、上訴および再審請求の保証金について、金額の見直しを前提とした評価を行うことで合意された。さらに、調査開始に対する料金の導入についても議論された」

    F1 国際自動車連盟(FIA)

    ザク・ブラウン「言うなら金を出せ」
    マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは、メルセデスのトト・ヴォルフとともに、制度改革の必要性を強く訴えている一人だ。

    PlanetF1のインタビューでブラウンは、レッドブルを名指しすることなく、「あるチームが、実体のない訴えを競争妨害の手段として用いている」と指摘した。

    「FIAの貴重な時間とリソースが無駄にされている。われわれのような競技団体が、FIAにそんなことをさせている場合じゃないと思う」と語る。

    その上で、抗議は本質的に必要な制度であるとしつつ、軽率な申し立てを抑制するために金銭的なハードルを設けるべきだと強調した。

    「もし他チームに何か言いたいなら、もちろん構わない。ただし、しかるべきプロセスに従って、相応の金を出すべきだ。その金額は簡単には無視できない額であるべきだし、コストキャップの中に含まれるべきだ」

    「もし疑いが事実と判明すれば、その金は返還される。しかし、根拠がなかったり、軽率だったと判断されれば、金は返ってこないし、コストキャップにも影響する」

    「チームが『この抗議に2万5千ドル、あるいは5万ドルかかるけど、単なる嫌がらせのためだけにそれだけ払うか?』と悩むようになれば、その金はむしろ新しいフロントウイングかリアウイングの開発に使った方がいいと思うはずだ。現状は行き過ぎている」

    ブラウンはさらに、FIAに対して誠実でない行動を取るチームに対しては厳しい対応が必要だと訴えた。

    「FIAに対して不誠実な態度をとったり、根拠のない主張をするようなことは、見過ごされてはならない。本当に他チームに不正があると信じているなら、構わない。でも、言うなら金を出せ、ということだ」

  • F1がV8回帰で得るかもしれない利益とは? FIA会長スライエムの構想

    F1がV8回帰で得るかもしれない利益とは? FIA会長スライエムの構想

    F1が再び自然吸気エンジンに回帰する可能性が、今、静かに議論され始めている。

    FIA(国際自動車連盟)会長モハメド・ビン・スライエムは、次世代パワーユニットにV8エンジンの導入を検討すべきだと提言しており、この動きがF1にとって思いがけない追い風となる可能性がある。

    EV万能論からの揺り戻し
    自動車業界では長らく「完全電動化」が潮流とされてきたが、最近ではその勢いに陰りも見え始めている。高額な価格、充電インフラの未整備、そして一部消費者の心理的な抵抗感──こうした要因が、内燃機関の再評価を促しているのだ。とりわけ欧州では、中国から流入する安価なEVに対抗する術を模索する中で、従来型エンジンへの依存を完全に断ち切ることのリスクも再認識されつつある。

    この潮流の中、F1が持つ象徴的な意味合いも変化しようとしている。現行レギュレーションでは2026年から電動化と内燃比率を50:50に設定するが、これはチームやファンからの評価が分かれている。FIAは将来的にこの比率を80:20あるいは90:10で内燃寄りに変更する案も視野に入れており、そこにV8エンジンという「折衷案」が浮上してきた。

    現実的なV8回帰のシナリオ
    かつてのV10やV12エンジンに比べ、V8は依然として多くの市販車メーカーが採用する現実的な構成だ。コスト面でも利点があり、パフォーマンスと魅力的なエンジンサウンドを維持しつつ、持続可能燃料との組み合わせによってカーボンニュートラルを実現できる可能性もある。

    こうした動きの中、ホンダ・レーシングの渡辺康治社長は、F1の将来のパワーユニット規定に関する議論について「現在は一時的に停止している」と語り、メーカーとしてはまず2026年の新レギュレーションに向けた準備に集中していると明らかにした。

    FIAは今年4月、持続可能な燃料で駆動するV10エンジンなども視野に入れた将来的な技術規定の検討に向け、各エンジンメーカーとの非公開会合を実施。その後、少なくとも2029年までは現行の持続可能性重視の方針を維持することが発表されていた。

    これを受けて渡辺氏は、日本の報道機関の取材に対し、今後の議論が完全に終了したわけではないとしつつも、当面は2026年に導入される電動化と内燃機関が半々となる新規定への対応が最優先であると述べた。

    またホンダとしては、F1が今後もモータースポーツの最高峰であり続けることを望んでおり、そのために「どのようなパワーユニットの形がふさわしいのか」を引き続き考えていく姿勢を示した。

    FIAのシングルシーター部門を率いるニコラス・トンバジスも、「持続可能性と技術の自由度のバランスを取ることは容易ではないが、コスト削減を常に最優先に考えるべきだ」と述べ、メーカー各社にも合理化の提案を求めている。

    スライエム会長はこの構想について「準備には3年かかる。2029年には導入可能な形にしたい」と語っており、実現には中長期的な調整が必要とされるが、すでにFIA内では具体的な議論が進められているという。

    モハメド・ビン・スライエム FIA(国際自動車連盟)会長

    統一部品によるコスト削減
    エンジン構造だけでなく、ギアボックスやハイブリッドシステムの標準化も議論の俎上に上っている。これにより、設計・開発・製造にかかるコストを大幅に抑えることが可能になる。過去にもECU(エンジン制御装置)の共通化が実現されており、その際に懸念された性能差や不公平は現実には起こらなかった。

    ただし、ハイブリッド関連の部品については、ブランドごとの独自性や研究投資を重視するメーカーの抵抗が予想される。とはいえ、それが観客の目に触れる技術ではない以上、コスト削減の大義が支持を集める可能性は高い。

    燃料供給の一本化とその難しさ
    さらに、スライエム会長は「燃料の一社供給」案も示している。これは持続可能燃料の高騰(現在1リットルあたり約275〜300ドル)を背景に、コスト負担の軽減を目指した提案だ。だが、燃料メーカーにとってはパフォーマンスとの結びつきがブランド訴求の要であり、反発も予想される。

    たとえばフェラーリと長年提携するシェルは、同社のV-Powerブランドの技術力をF1で実証してきた。もし燃料が他社製に置き換われば、表面上は提携を継続していても、実態との乖離がブランドイメージに影響を及ぼしかねない。

    変革の本質は「備え」にある
    F1は今、人気・商業ともに絶頂期にある。だが、スライエム会長が繰り返し強調するのは「だからこそ、今が備えるべき時だ」という視点だ。地政学的リスクや経済の先行き不透明さを踏まえれば、F1が安定性と柔軟性を兼ね備えた技術構成へと移行することは、将来への強固な布石となる。

    V8回帰の構想は、単なる郷愁ではない。コスト、サウンド、技術バランス、そして持続可能性──そのすべてを見据えた上での、戦略的な選択肢である。F1がその道を選ぶとき、かつての「熱狂」は再び現代の現実と結びつくことになるかもしれない。

  • F1元スチュワードのティム・メイヤーがFIA会長選の公約の第一弾を発表

    F1元スチュワードのティム・メイヤーがFIA会長選の公約の第一弾を発表

    F1元スチュワードのティム・メイヤーは、次期FIA(国際自動車連盟)会長選への出馬を表明して以降、初の正式な選挙公約「インパクト・マニフェスト(影響重視の公約)」を発表し、現FIA体制に対して明確な対立姿勢を打ち出した。

    彼は、公約の冒頭で「我々の使命は、現FIA指導部に代わる説得力ある選択肢を加盟クラブに提供することだ」と述べ、FIAの倫理的かつ効果的な運営を強調した。

    今回発表された内容はFIA全体のガバナンス体制に焦点を当てたもので、「ガバナンス」ではなく「インパクト(影響力)」に言葉を置き換えるという演出も含まれている。プレゼン資料では「FIAのガバナンスは国際評価で継続的に低下中」と主張し、2028年までに「世界のスポーツ統治機関の上位20%」にFIAを押し上げると宣言している。

    「支配型」から「サービス型」への転換を宣言
    メイヤーの改革案は、「支配型カルチャーからサービス型カルチャーへの転換」を掲げ、いくつかの段階的マイルストーンを提示している。

    ■ 初日(Day 1):「会長の過剰な権限を撤廃」
    執行委員会や監査委員会に対する会長の即時解任権の削除を含む。

    ■ 100日以内:「会長の執行権限を再構築」
    会長はFIAの象徴的な存在とし、実務執行から距離を置く。また、各加盟クラブの成長を支援する「助成金サポート部門」や、財務監査の独立委員会を設置。「真実と和解の仕組み」を創設し、過去の内部的な圧力・倫理違反などを外部の第三者の手で調査できる体制を整えるという。

    この「真実と和解」の枠組みは「報復ではなく癒やし」を目的とし、「外部支援を伴うプロセス」として提案されている。

    F1依存の脱却と財政改革も目指す
    1年目の目標としては、FIAの経費の効率化、収益の一定割合を加盟クラブへの投資に振り向けること、そして特定カテゴリー(暗にF1)への過度な依存を減らす収益多様化戦略を掲げた。ただし、FIAは商業部門と統治部門を明確に分離する義務があるため、ここは制度上も慎重な対応が求められる部分だ。

    実際、現体制が世界ラリークロス選手権の商業権を取得すると発表した際には、競争法上の問題が浮上していた。

    選挙制度改革にも踏み込む
    2〜4年目にかけては、加盟クラブの拡大や成長支援に注力しつつ、ジャン・トッドおよびビン・スライエム体制下で導入された「現職優遇」の制度の見直しにも言及。特に、選挙直前のルール改変を抑制するため、「あらゆる規約変更は120日前に公表され、加盟クラブによる議論と理解の機会を確保すべき」としている。

    この提案は、6月の総会で選挙規定が一部改正された際に、オーストリア自動車クラブなどから「議論不十分」との批判が出たことを受けたものだ。

    副会長リストとスポーツ・モビリティ政策は未公表
    メイヤーは、「提案内容へのフィードバックを加盟クラブから募る」というオープンソース型の戦略形成を強調しているが、まだ重要な構成要素が欠けている。それが、スポーツおよびモビリティ分野に関する具体策と、副会長候補のリストだ。

    関係者によれば、副会長チームはすでに内定しているが、反対勢力による牽制や妨害を避けるため、現時点では匿名とされている。これは、2013年にデビッド・ワードがジャン・トッドへの対立候補を断念した背景として、北米のモータースポーツクラブ12団体のうち11団体がすでにトッド支持を表明していたことが教訓となっているという。

    今後、加盟クラブが支持候補を決めるにあたっては、倫理やガバナンスの理念も重要ではあるが、より実利的な「我々に何をしてくれるのか」が判断材料となる。したがって、メイヤーが提示するモビリティおよびスポーツ政策の中身こそが、今後の勝敗を左右する決定的要素となるだろう。