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  • メルセデスF1 トト・ヴォルフ 新F1レギュレーション支持「純粋なレーシング」

    メルセデスF1 トト・ヴォルフ 新F1レギュレーション支持「純粋なレーシング」

    2026年F1シーズン序盤、メルセデスは開幕から3連勝を記録し、新レギュレーション下で圧倒的な競争力を示している。こうした状況の中で、チーム代表のトト・ヴォルフは現在のF1の方向性を強く支持する姿勢を明確にした。

    エネルギーの回収とデプロイが勝敗を左右する今季のレースは、従来とは異なる攻防を生み出しており、特にストレート上での速度差がオーバーテイクの形を大きく変えている。メルセデスがこの領域で優位に立つ中、ヴォルフはこの変化を「純粋なレーシング」と評価している。

    ヴォルフ「純粋なレーシング」への強い肯定
    トト・ヴォルフ(メルセデス)はSky Deutschlandの取材に対し次のように語った。

    「フォーミュラ1は変わりつつあり、純粋なレーシングになりつつある。あるドライバーがエネルギーを回収し、もう一方がそれを使うのを見るのはとてもエキサイティングだ」

    「これは発展しつつあるレースの科学であり、それはドライバーの手に委ねられている。だが、おそらくマックスや他のドライバーたちは昨年のルールを好んでいたのだろう。あのときの鈴鹿では、ほとんどオーバーテイクが見られなかった」

    冷ややかな反応と“伝統派”への言及
    ヴォルフはさらに、周囲のジャーナリストに対して現行F1の魅力について問いかけた。

    「レースの美しさが欠けていると不満を言うことは誰にもできない。君たちはどう思う?同意するか?」

    しかし明確な同意は得られず、沈黙が返る形となった。これに対しヴォルフは次のように述べた。

    「保守的な人々や伝統主義者、そして過去に生きている人たちだけが気に入らないのだろう」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    予選フォーマットには改善余地
    一方で、すべてに満足しているわけではない。ヴォルフは今後の調整の必要性にも言及している。

    「私にとってレース自体は問題ではない。我々は予選について取り組む必要があり、それは4月9日にロンドンで行う予定だ」

    エネルギー運用が主導する2026年F1の本質
    現在のF1は、エンジン出力だけでなく電力マネジメントが競技の中心となっている。回収と放出のタイミングによってストレート速度に大きな差が生まれ、従来のブレーキング勝負とは異なる戦略性が求められている。

    その一方で、こうした特性はドライバー間でも評価が分かれている。速度差の急激な変化による“ヨーヨー現象”や安全性への懸念が指摘される中で、レースの見応えと競技としての整合性のバランスが問われている状況だ。

    ロンドンで予定される議論では、こうした課題を踏まえた調整が検討される見通しであり、2026年F1の方向性を左右する重要な局面となる。

  • メルセデスF1 ラッセル表彰台逸の原因は電気系バグ「スーパークリップ発生」

    メルセデスF1 ラッセル表彰台逸の原因は電気系バグ「スーパークリップ発生」

    メルセデスのジョージ・ラッセルは2026年F1日本GP決勝を4位で終えたが、チームはその原因が電気系システムの不具合にあったと説明した。レース終盤に発生したエネルギー関連の問題が致命的となり、表彰台圏内から脱落した形だ。

    鈴鹿サーキットで行われた決勝では、チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリが優勝。これによりラッセルはランキング首位の座も明け渡す結果となった。

    トト・ヴォルフ「電気系のバグで減速が発生した」
    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、ラッセルのレースを左右した問題について次のように説明した。

    「彼にアドバンテージを与えるためのソフトウェアに、電気系のバグがあった」

    「その結果、スーパークリップが発生してマシンが減速してしまった。この影響でルクレールにポジションを失うことになった」

    「ジョージのレースに関しては、我々はうまくやれなかったと言わざるを得ない」

    ラッセルはセーフティカー明けのリスタート時点で3番手につけていたが、ルイス・ハミルトンに抜かれた後、数周後のスプーンカーブでのエネルギートラブルによりシャルル・ルクレールにも先行を許した。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ ジョージ・ラッセル

    ラッセル「1周違えば勝てていた」
    ラッセル自身もレース後、この一戦を振り返り、不運が重なったレースだったと語った。

    「セーフティカーのタイミングが1周違っていれば、僕たちは勝っていた」

    「でもそれもレースの一部だ」

    「その後は問題が次々と起きた」

    「セーフティカー明けでバッテリーをチャージできず、ルイスに一気に抜かれた」

    「その後もシャルルとの場面でバッテリーの問題が起きて、全くスピードがなくて抜かれた」

    また、ピット戦略についてレース中は無線で不満を示していたものの、レース後には冷静な見方を示している。

    「まだ見直さないといけない」

    「なぜあのタイミングでピットに入ったのか正直よく分からないけど、シャルルが迫っていたのは確かだと思う」

    「もし1周遅ければ勝っていたし、もしクラッシュがなければあのタイミングで入らなかったことを後悔していたはずだ」

    「レースでは、うまくいく時もあれば、うまくいかない時もある」

    「ただ今は、ここ2戦で起きている問題がすべて自分の側に集中しているように感じる」

  • メルセデスF1フロントウイング論争 FIAが違反否定「悪意も性能影響もない」

    メルセデスF1フロントウイング論争 FIAが違反否定「悪意も性能影響もない」

    2026年F1中国GPで話題となったメルセデスのフロントウイングを巡る論争について、FIAの技術責任者ニック・トンバジスが見解を示した。問題視されたのは、本来は単一の滑らかな動きであるべき構造が、二重の動きを見せていた点だ。

    しかしFIAはこれを違反とは判断せず、スチュワード(コミッショナー)への付託も行わなかった。トンバジスは「悪意はなく、パフォーマンスへの影響もない」と明言し、問題の深刻性を否定している。

    FIAは「違反ではない」と明確化
    ニック・トンバジス(FIA技術責任者)は今回の件について次のように説明した。

    「我々は新しいレギュレーションに対処している。適応期間が存在するのは自然なことであり、すべてのチームに対して一貫したアプローチを取っている」

    今回のフロントウイングの挙動についても、不正行為とは見なしていないことを強調している。

    「小さな不規則性について議論する場合、すぐに全員をスチュワードに持ち込むのが正しいアプローチではない」

    “警告ベース”で運用するFIAの姿勢
    トンバジスは、FIAがこうしたケースにどう対応しているかについても言及した。

    「不正がないと確信できる場合、我々はチームと協力して対応し、スチュワードに持ち込むことはしない。小さな問題から大きな前例や問題を生まないためだ」

    今回の件は視覚的に分かりやすかったことで注目を集めたが、その重要性は限定的だったと説明している。

    「目に見えるものだったため皆が気づき、騒ぎになった。しかし、これほど強調されるべきものではなかった」

    また、違反の扱いについても明確な基準を示した。

    「すべてのチームは理解しているはずだが、パラメータが守られていない場合、我々はまず警告を与える。繰り返されれば、その時はスチュワードに持ち込まざるを得ない」

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    複雑化するレギュレーションの現実
    今回の問題の背景には、近年のF1レギュレーションの複雑さがあるとトンバジスは指摘する。

    「現在のF1マシンは極めて複雑であり、レギュレーションにも多くの細部が存在する。それらは時間とともに発見されていくものだ」

    さらに、すべてを厳格に取り締まった場合の現実についても率直に語った。

    「もし毎週末すべてに対して厳密に対応すれば、マシンの半分がスチュワード送りになるだろう」

    今回のメルセデスの件は、2026年レギュレーション時代における“グレーゾーン”の扱いを象徴する事例となった。FIAは厳罰主義ではなく、段階的な是正とチームとの協調を優先する姿勢を改めて示した形だ。

  • メルセデス主導説が浮上 2026年F1レギュレーションにフォーミュラE影響か

    メルセデス主導説が浮上 2026年F1レギュレーションにフォーミュラE影響か

    2026年F1レギュレーションの策定をめぐり、フォーミュラE創設者のアレハンドロ・アガグは、トト・ヴォルフ率いるメルセデスが重要な役割を果たしたとの見解を示した。電動化の比重が増した新規則に対しては、チーム、アナリスト、ファンの間で賛否が分かれている。

    アガグは、メルセデスがフォーミュラEで得た経験をF1へ持ち込んだと主張している。

    ただし、彼が強調したのは純粋な技術移転というより、レギュレーションの方向性に対する発想と戦略だった。2026年F1パワーユニット規則はメルセデスだけで決まったものではなく、フェラーリ、ホンダ、アウディ、レッドブル、当時のルノーに加え、FIA、FOM、各チームも交えた協議を経て2022年にまとめられた経緯がある。

    フォーミュラEで得た経験をF1へ
    フォーミュラE創設者のアレハンドロ・アガグは、メルセデスが電動カテゴリーで得た知見をF1へ持ち込もうとしていたと語った。

    メルセデスは2018年から2022年にかけてフォーミュラEに参戦した。初年度はトト・ヴォルフが出資するHWAとの協力体制で活動し、その翌年からはワークス体制と自社開発の電動パワートレインで正式参戦した。

    メルセデスは自社名義で3シーズンを戦い、2020-21年と2021-22年にはコンストラクターズタイトル2回、ドライバーズタイトル2回を獲得した。王者となったのはニック・デ・フリースとストフェル・バンドーンだった。その成功の後、メルセデスは同選手権から撤退した。

    その一方で、F1のメルセデスは2021年までの支配的な時代を経て、グラウンドエフェクト時代に入ると苦しい局面を迎えていた。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ フォーミュラE

    アガグ「主な発想源はメルセデスとトト・ヴォルフ」
    アガグによれば、メルセデスがフォーミュラEを離れたのは、そこで起きていたことをF1で再現する狙いがあったからだという。2026年の規則変更ではパワーユニットに占める電気エネルギーの比重が大きく高まり、メルセデスは開幕2戦で2勝を挙げている。

    フォーミュラEでの経験が、この新時代への準備に役立ったのかと問われたアガグは、技術そのもの以上に、構想と戦略の面で優位性があったとの見方を示した。

    「メルセデスがフォーミュラE選手権を去ったのは、フォーミュラEで起きていたことを再現し、それをF1へ持ち込みたかったからだ」とアガグはスペイン紙『マルカ』に語った。

    「今のF1で起きていることの主な発想源は、メルセデスとトト・ヴォルフだ」

    「トトはそこにいて、何が起きていたかを見ていた。そして『これをF1へ持ち込み、F1とフォーミュラEを近づける』と言った。その考えがあったからこそ、彼らはいま優位に立っていて、その差が他との差として表れている」

    もっとも、この発言は2026年エンジン規則が複数の関係者による協議の末に成立したという事実を十分に踏まえたものではない。規則は2022年に発表され、メルセデスのほか、フェラーリ、ホンダ、アウディ、レッドブル、当時のルノー、さらにFIA、FOM、各チームが関与していた。

    「F1はV8に戻るべきだ」
    アガグは現在のF1の方向性に批判的な見方も示した。

    「これはF1にとって良くないと思う」とアガグは述べた。

    「F1は、もっと内燃機関寄りに戻るべきだ。V8エンジンへ戻り、もっと音を取り戻すべきだ。そしてフォーミュラEを電動選手権として位置づけるべきだ。今のF1はその中間にいる。どっちつかずなんだ」

    フォーミュラEは将来的にF1より速くなるのか
    アガグは、現在のF1とフォーミュラEはかなり似ているとも語った。

    「私はこのF1を理解できる。なぜなら、私はフォーミュラEのレースを見ているし、実際のところ今のF1レースを見るのと同じだからだ」

    「スーパーコンデンサーのようなシステムがどう機能するかも完璧に理解している。エネルギーを蓄え、放出する仕組みだ。我々はここでそれを12年間やってきた」

    さらにアガグは、フォーミュラEの将来についても強気な見通しを語った。中期的には、完全電動シリーズがF1より速くなる可能性があるという。

    「それは世界最速の選手権になる」とアガグは語った。

    「来年のGen4マシンはすでにF1にかなり近づく。そして第5世代か第6世代ではF1より速くなるだろう。私はその成長が続くと思っている」

  • メルセデスF1 日本GPで“ウルフ仕様” Y-3コラボのスーツ&ヘルメット公開

    メルセデスF1 日本GPで“ウルフ仕様” Y-3コラボのスーツ&ヘルメット公開

    メルセデスF1が2026年F1日本GPに向けて発表した特別デザインが、大きな話題を呼んでいる。今回の主役はマシンだけでなく、Y-3とのコラボレーションによるレーシングスーツとヘルメットだ。

    メルセデスは今回の日本GP仕様について、「Unique race suits. Unique helmets. Unique collaboration. Presenting our look for Suzuka, with Y-3」と発信。ファッションブランドY-3との共同プロジェクトとして、これまでにないビジュアルを打ち出した。

    ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリが着用するスーツとヘルメットには、“狼の目”をモチーフとしたデザインが取り入れられ、マシンのフロントウイングと完全にリンクした世界観を形成している。静かで支配的な存在感を放つビジュアルは、いわゆる“アルファ”を想起させる仕上がりだ。

    この演出は、チーム代表トト・ヴォルフの冷静かつ強力なリーダー像とも重なり、ファンの間では「トト・コード(Toto-coded)」といった表現で語られている。

    開幕から好調を維持するメルセデスは、ここまで2戦で2度の1-2フィニッシュを達成。ドライバーズおよびコンストラクターズランキングで首位に立っており、そのパフォーマンスとともにブランド表現でも主導権を握っている。

    ■“アルファウルフ”ミーム再燃
    今回のデザイン公開を受け、SNS上では“アルファウルフ”ミームとの関連付けが急速に拡散した。狼の目を強調したビジュアルが「支配的な存在」や「孤高の強さ」と結びつき、“主役感”や“頂点”を象徴する表現として受け止められている。

    一方で、日本文化において狼は守護や神聖さの象徴でもあり、単なる攻撃性ではなく、精神性や強さを表現するモチーフとしても解釈できる。

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    ■各チームも日本仕様で参戦
    日本GPに向けては他チームも特別仕様を展開している。

    ハースF1チームは東宝とのコラボにより“ゴジラ”をテーマにした特別リバリーを採用。白・黒・赤を基調としたデザインで“怪獣王”を表現している。

    レーシングブルズは書道家・青柳美扇とのコラボレーションにより、F1のスピード感と日本の伝統文化を融合。F1マシンには「日本」「チェリーエディション」などの筆致が取り入れられている。

    各チームが日本文化をテーマに個性を打ち出す中、メルセデスはY-3とのコラボによる“ウルフ仕様”で強烈な存在感を示した。ビジュアル面でも主導権争いは激しさを増している。

  • メルセデスF1に新疑惑 フロントウイング“2段階制御”をFIA調査

    メルセデスF1に新疑惑 フロントウイング“2段階制御”をFIA調査

    2026年F1シーズン序盤、メルセデスのマシン「W17」に搭載されたフロントウイングの挙動がパドックで大きな議論を呼んでいる。中国GPで確認された動きは、レギュレーションの“意図”を回避している可能性があるとして、FIAによる精査が進められている。

    発端となったのは、フロントウイングの開閉が単一動作ではなく“2段階”で行われているように見える点だ。フェラーリはすでにFIAへ照会を行ったとされ、合法性の判断が今後の勢力図を左右する可能性もある。

    2段階で動くフロントウイングの仕組み
    技術分析によれば、メルセデスのフロントウイングは通常のように一気に閉じるのではなく、2つのフェーズに分かれて動作しているとみられている。

    最初のフェーズでは、およそ400ミリ秒の高速動作でウイングが中間位置まで移動する。この段階はFIAのセンサーが“完全閉鎖”と認識する範囲内に収まっている。

    その後、より遅い動きで最終的な空力ポジションへと移行するが、この動作は監視対象の時間枠外で行われる可能性がある。

    中国GPの映像でも、ウイングが一度中間角度に移動した後、遅れて最終位置に到達する様子が確認されており、この“分割動作”が規則の抜け穴になっているとの見方が強まっている。

    狙いはブレーキング時の空力バランス制御
    このシステムの本質は、単なる空力効率ではなく“挙動の安定化”にあると考えられている。

    通常、ブレーキング時には荷重が前方へ大きく移動し、空力バランスもフロント寄りに偏る。その結果、リアのグリップが低下し、不安定な挙動を招きやすい。

    メルセデスのW17はこの問題に対し、段階的なウイング制御で対応している。

    ブレーキング開始時にはリアのアクティブエアロが即座にオフになる一方、フロントは完全には閉じず、中間ポジションに留まることでフロントダウンフォースの急激な増加を抑制する。

    その後、減速が進むにつれてフロントウイングが徐々に閉じ、空力バランスが段階的に前方へ移行することで、ドライバーはより自然にターンインへ移行できる。

    この挙動は上海のヘアピン(高速域からの強い減速が必要なコーナー)で特に効果を発揮するとされ、コーナーごとに動作特性を変えている可能性も指摘されている。

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    コーナーごとに異なる制御の可能性
    短いブレーキング区間では、ウイングはより素早く閉じられ、即座にフロントの安定性を確保する。

    一方で長い減速区間では、段階的な動作によりリア寄りのバランスを維持しつつ、徐々に理想的な姿勢へと移行する。

    この制御がどのように行われているかは依然として不明で、GPSなどを用いた能動制御の可能性や、空力負荷や速度に応じた受動的な仕組みの可能性も議論されている。

    FIAの判断は“合法か抜け穴か”
    問題となるのは、ウイングの開閉が400ミリ秒以内に完了しなければならないというレギュレーションとの整合性だ。

    技術的には、最初の動作が規定時間内に収まっていれば“合法”と解釈される余地がある一方で、全体として800ミリ秒近い動作時間となる場合は、規則の趣旨から逸脱している可能性もある。

    現時点でFIAは最終的な判断を下しておらず、詳細なデータ解析を進めている段階にある。

    ただし、これほど視認性の高いシステムをあえて違法状態で運用するとは考えにくく、メルセデスが巧妙に規則の範囲内で最大限の効果を引き出している可能性も否定できない。

    この可変エアロの挙動が正式に認められるのか、それとも規制の対象となるのか。今後の裁定は、2026年F1シーズンの技術戦争に大きな影響を与えることになりそうだ。

  • メルセデスF1 日本GPで“狼柄”特別リバリーを投入「野獣を解き放つ」

    メルセデスF1 日本GPで“狼柄”特別リバリーを投入「野獣を解き放つ」

    メルセデスF1は2026年F1日本GPに向け、特別リバリーを公開した。レーシングブルズ、TGRハースF1チームに続く鈴鹿仕様となり、W17には大胆な“狼”のパターンがあしらわれている。

    メルセデスは火曜日にソーシャルメディアを通じてレンダリング画像を公開し、「野獣を解き放つ」をテーマにした新デザインをお披露目した。このリバリーは、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリのマシンに装着され、鈴鹿での金曜プラクティスから使用される。

    鈴鹿で3連勝を狙うメルセデスF1
    2026年シーズンのメルセデスはここまで開幕2戦で好調を維持しており、日本GPでは開幕からの3連勝を狙う週末となる。

    そうしたなかで投入される今回の特別リバリーは、シルバーアローのイメージに“狼”のモチーフを重ねたものとなった。鈴鹿ではすでに複数チームが特別カラーリングを発表しており、メルセデスもその流れに加わった形だ。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ日本グランプリ

    “野獣を解き放つ”新デザインを披露
    公開されたW17の特別リバリーは、マシン全体に大胆な狼柄を取り入れたデザインが特徴となっている。

    メルセデスはこの日本GP仕様について、「野獣を解き放つ」というキャッチコピーとともに発信。鈴鹿の週末で、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリの2台がこの特別カラーで走行する。

  • 鈴鹿で野宿した少年がF1へ メルセデス日本人エンジニア桑原克英の軌跡

    鈴鹿で野宿した少年がF1へ メルセデス日本人エンジニア桑原克英の軌跡

    ジョージ・ラッセルのパフォーマンスエンジニアを務める桑原克英は、2026年F1日本GPを迎える鈴鹿で、かつて16歳の少年としてグランドスタンドの下に段ボールを敷いて一夜を明かした思い出を振り返った。

    いまではメルセデスの一員としてF1パドックに立つ桑原克英だが、その道のりは日本の学生フォーミュラ、スーパーGT、トヨタの耐久レース活動、そして欧州転身を経て築かれたものだった。鈴鹿は、そんなキャリアの原点と現在をつなぐ特別な場所となっている。

    16歳の鈴鹿で過ごした忘れられない一夜
    2005年の日本GP。予選を終えたファンが日曜の決勝を楽しみにサーキットを後にするなか、16歳だった桑原克英には帰るつもりがなかった。

    「ホテルのような宿泊先を取るお金があまりなかったんです」と桑原克英は振り返った。

    「だから土曜の朝に現地へ行って、第1コーナーのグランドスタンドの下で段ボールの上に寝て、そのまま一晩過ごしたんです」

    「16歳で体力が無限にあるような時期なら気にならないんです。そうしていたのは僕だけじゃなかったので、別に平気でした」

    その翌日、桑原克英は当時を代表する名勝負のひとつをはっきりと見届けた。キミ・ライコネンが17番グリッドから追い上げ、最終ラップで首位を奪って優勝した2005年日本GPだった。

    2026年はメルセデスの一員として鈴鹿へ
    2026年、桑原克英は再び日本に戻ってくる。ただし、グランプリを見るために鈴鹿で夜を明かす必要は、もうない。

    「2024年の日本GPは、ジョージと本格的に仕事をするようになった初期のレースのひとつでした。2023年にも何戦か一緒に仕事をしていました。2024年のイモラから、彼のガレージ側でフルタイムで働くようになりました」

    日本GPは1980年代からF1カレンダーの常連だが、日本人が継続的にパドックで存在感を示してきたわけではない。桑原克英は、その状況を少しずつ変えつつある存在だ。

    「世界のこちら側で生まれると簡単じゃないんです。チャンスはかなり限られています」と桑原克英は語った。

    「僕は26歳になるまで海外に出たことすらなかったので、乗り越えなければならない壁がたくさんありました」

    横浜の大学で始まったモータースポーツ人生
    さらに時間をさかのぼると、桑原克英のモータースポーツへの道は横浜の大学時代に本格化した。

    「出発点はフォーミュラ・スチューデントでした。あれによって、レーシングカーを作って走らせるには何が必要なのかを知ることができました。いろいろな意味で、あれが自分のプロとしてのキャリアの始まりだったと思っています」

    当時の桑原克英にとってF1はまだ遠い存在だったが、日本国内には進むべき選択肢がいくつもあった。

    「幸運にも、トヨタのスーパーGTプログラムの一員として仕事を得ることができました。本当にうれしかったです」

    現場を拠点とした桑原克英の仕事は信頼性に重点を置くもので、フォーミュラ・スチューデント時代に学んだことを実践しながら、業界のなかで成長を続けていった。

    そして日本各地を回り、F1日本GP開催経験のある3つのサーキットも訪れた。富士、TI英田(現・岡山)、そしてもちろん鈴鹿だった。

    欧州行きで開けた新たな道
    やがて、欧州から声がかかった。

    「2015年に向けて、当時のトヨタの耐久レースプログラムに関わるため、マネージャーが僕をヨーロッパへ行かせることに決めてくれました」と桑原克英は語る。

    「それはF1以外のキャリアのなかで、自分にとって最大のステップでした。ヨーロッパで現場の人たちがどう働いているのかを見ることができました」

    「当時、そのシリーズはかつてないほど強力で、LMP1にはポルシェ、トヨタ、アウディ、日産といった大きな名前が参戦していました」

    まだF1ではなかったが、グリッドにはF1との強い結びつきがあった。パフォーマンスエンジニアとなっていた桑原克英は、その中心にいた。

    「セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、そしてフェルナンド・アロンソもそのプログラムに関わっていました。僕は彼らとも仕事をすることができました」

    レーシングポイントを経てメルセデスへ
    こうしてF1とのつながりは確かなものとなり、次の一歩を踏み出す時が来た。

    ドイツからイギリスへ。そしてトヨタからレーシングポイントへ。最初にF1を夢見てから20年、桑原克英はついにその舞台へたどり着いた。

    「2020年にはシミュレーターテストエンジニアでした。そこに3年間いて、そのあとメルセデスで働くために応募しました。アンドリュー・ショブリンとリキ・ムスコーニからオファーをもらえたのは本当に幸運でした」

    こうして桑原克英はF1パドックにしっかりと根を下ろした。そこにはハースF1チームの小松礼雄、そしてレッドブル・レーシングの角田裕毅といった日本人の姿もある。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ 桑原克英

    次の世代へのメッセージ
    では、モータースポーツの仕事を目指す次世代の日本のファンに、どんな助言を送るのか。

    「自分には絶対に無理だとずっと思っていました。でも、このスポーツを心から愛していて、その方向をしっかり見ていれば、チャンスはあります」と桑原克英は語った。

    「最初の仕事からF1に飛び込む必要はありません。そこに至るまでの道を積み上げていけばいいんです。特に日本には素晴らしいレースカテゴリーがたくさんありますから」

    「目標に集中し続ければ、実現する可能性はあります」

    鈴鹿は原点であり、特別な場所
    桑原克英の物語は、多くのF1関係者と同じように、ひとつの円を描くように原点へ戻ってきた。2013年に初めて鈴鹿を訪れた彼は、2026年にはジョージ・ラッセルのパフォーマンスエンジニアとしてその場所に立つ。

    鈴鹿は、さまざまな意味で特別なサーキットだ。

    「もちろん僕はひいき目があります。でもF1に入るまでは、チームやドライバーが外向きに鈴鹿について語ることが、本当にその通りの気持ちだとは分かっていませんでした」と桑原克英は語った。

    「誰もが、最高のサーキットで最高のファンがいると言いますし、周りの人たちと話してみても、本当にその通りのようです」

    「高速で流れるようなコーナーが続くレイアウトは、ドライブするうえでも本当に魅力的です」

    「それに歴史を見ても、あそこで多くの記憶に残るタイトル決定の瞬間が生まれてきました」

    「いまは桜の季節に開催が移って、見た目には本当に素晴らしいです。ただ、個人的には少し寂しいところもあります。僕の誕生日は10月13日で、以前はちょうどその頃にレースが行われていたので」

  • メルセデスF1代表「政治的な刃が向けられる」 支配的スタートに警戒

    メルセデスF1代表「政治的な刃が向けられる」 支配的スタートに警戒

    メルセデスは2026年F1シーズン開幕から圧倒的な強さを見せ、オーストラリアGPと中国GPで2戦連続のワンツーフィニッシュを達成した。ジョージ・ラッセルが開幕戦メルボルンで優勝し、中国ではアンドレア・キミ・アントネッリがF1初勝利を挙げるなど、完璧に近いスタートを切っている。

    こうした状況の中で、チーム代表のトト・ヴォルフは、今後はトラック外での「政治的な戦い」が激化する可能性に言及し、ライバル勢からの圧力に警戒感を示した。

    「現時点では勝てるマシンがある」とトト・ヴォルフは語った。

    「だが、これから数週間、数か月のうちにどんな“政治的な刃”が出てくるか見ていこう」

    メルセデスを取り巻く主な政治的争点
    ヴォルフは具体的な内容には踏み込まなかったが、現在のF1パドックではいくつかの重要な議論が進行している。

    そのひとつが、2026年の新レギュレーションに関する見直しだ。エネルギーのデプロイメントや回生に関する調整が議論されているが、短期的な大幅変更は予定されていない。

    さらに、6月1日から導入予定の圧縮比規制の強化も焦点となっている。これはパワーユニットを高温・低温の両条件でテストするもので、ライバル勢はメルセデスがレギュレーションの解釈を利用して優位性を得ていると主張している。ただし、メルセデスはその見方を否定している。

    また、新たなADUO(追加開発機会)も勢力図に影響を与える可能性がある。最初の評価はシーズン第6戦後に予定されており、他チームが巻き返す契機となる可能性がある。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    スタート手順を巡る対立も激化
    もうひとつの論点はレーススタートの手順だ。2026年のパワーユニット変更によりスタートが複雑化し、安全面の懸念からF1は5秒間の「プレスタート」手順を導入した。

    しかし依然としてさらなる調整を求める声があり、議論は続いている。

    この問題を巡ってはフェラーリが独自の解決策を開発し、実際にスタートで優位性を発揮している。シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンはともに2列目からロケットスタートを決め、レース序盤で主導権を握った。

    これに対し、ランキング首位のジョージ・ラッセルはフェラーリの姿勢を「利己的だ」と批判。一方でフェラーリ側は、すでに妥協を強いられているとの立場を取っている。

    圧倒的なパフォーマンスでシーズンをリードするメルセデスだが、その優位性は技術だけでなく、今後の政治的駆け引きによっても左右される局面に入ろうとしている。

  • メルセデスF1 ブラッドリー・ロードを副チーム代表に昇格 組織強化へ

    メルセデスF1 ブラッドリー・ロードを副チーム代表に昇格 組織強化へ

    メルセデスF1は、長年チームに在籍してきたブラッドリー・ロードを副チーム代表に昇格させた。

    これまで最高広報責任者を務めていたロードは、近年ますます表舞台に立つ機会が増えており、トト・ヴォルフが現場を離れている際には、スカイ・スポーツでチーム代表として対応したり、メディアの取材に応じたりしてきた。

    ガレージでは、ヴォルフの隣でオン・トラックの状況を見守る姿もたびたび見られており、今回の人事は、すでに実務上進んでいた役割分担を正式に反映したものとなる。メルセデスはこれを、拡大を続けるF1とチーム運営に対応するための組織強化と位置づけている。

    ヴォルフを支える新たな副チーム代表
    トト・ヴォルフは、今回の人事について次のように説明した。

    「我々のチームとF1の成長に伴い、我々のオペレーションの範囲と、それに伴う上級レベルでの責任は大きく拡大してきた」

    「したがって我々は、この機会に、実際にはしばらく前から現場で機能していた変化を正式な形にすることにした」

    「私の役割と全体的な責任は1ミリたりとも変わらないが、副チーム代表としてのブラッドリーの仕事は、我々のリーダーシップグループの能力をさらに高め、チーム代表兼CEOとしての私を引き続き支えてくれることになる」

    「ブラッドリーは我々の組織に長く在籍し、献身的に尽くしてきたメンバーであり、このチームが現代F1で最も成功したチームになるうえで重要な役割を果たしてきた。このように組織体制を整えることで、我々のリーダーシップグループはそれぞれが最も大きな価値を加えられる分野に完全に集中でき、急速に成長するこのスポーツの要求に最適化された体制になる」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ベネトン時代から続くロードのキャリア
    ブラッドリー・ロードは、2001年にベネトンのプレスオフィサーとしてF1パドックでのキャリアをスタートさせた。2008年には一時的にメディア側へ移り、『F1レーシング』の特集編集者を務めたが、2010年にルノーでコミュニケーション職として現場に復帰した。

    その後、2011年にメルセデスへ加わり、現在に至るまでチームの広報と対外対応を担ってきた。近年は単なる広報責任者にとどまらず、トラックサイドでも存在感を高めており、今回の副チーム代表就任はその延長線上にある人事といえる。

    後継体制をにらむ布石との見方も
    ヴォルフはこれまでも後継者計画の重要性をたびたび口にしてきた。今回の人事について、チーム側はあくまで「継続的な成長の中で組織を強化するためのもの」であり、後継計画そのものではないと説明している。

    ただ一方で、この昇格が将来的にヴォルフがチーム指揮から退く局面を見据えた布石になる可能性を感じさせるのも事実だ。少なくとも、メルセデスF1がトップマネジメントの層を厚くし、将来を見据えた体制整備を進めていることは明らかだ。