タグ: メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

  • メルセデスF1 モナコGP再審請求撤回を説明「スポーツの利益にならない」

    メルセデスF1 モナコGP再審請求撤回を説明「スポーツの利益にならない」

    メルセデスF1は、ジョージ・ラッセルへのペナルティを巡って提出していた2026年F1モナコGPの再審請求(ライト・オブ・レビュー)を撤回した理由を説明した。

    チームはFIAおよびFOMとの協議を経て、問題の再検証と改善に取り組む姿勢が示されたことから、「これ以上の追及はチームにもスポーツにも利益をもたらさない」と判断したとしている。

    ガスリーの処分取り消しが再審請求のきっかけに
    モナコGPでのペナルティ問題は、ピエール・ガスリーに科されていたピットレーン速度違反のペナルティが覆されたことで再び注目を集めた。

    FOMは速度違反を判定するための測定距離に77cmの誤差があったことを認め、アルピーヌの再審請求を受理。その結果、ガスリーのタイムペナルティは取り消された。

    ガスリーはレース中にペナルティを消化していなかったため結果修正の対象となったが、他の多くのドライバーはすでにペナルティを消化済みであり、失ったポジションを取り戻すことはできなかった。

    ラッセルは追加ペナルティでポイント圏外へ
    その中で最も大きな影響を受けたのがジョージ・ラッセルだった。

    ラッセルはピットレーン速度違反によるペナルティを受けた後、その消化方法に問題があったとして追加のドライブスルーペナルティを科された。結果的にポイント圏外へ後退し、大きな痛手となった。

    こうした状況を受け、レッドブル・レーシングとマクラーレンがモナコGPの結果に対して異議申し立てを行う中、メルセデスはラッセルへの処分に焦点を当てた再審請求を提出した。

    チーム代表のトト・ヴォルフは当時、成功の可能性は高くないと認めながらも、「ジョージのために行動する必要があった」と説明していた。

    メルセデスが撤回理由を説明
    その後、FIA文書によってメルセデスが再審請求を取り下げたことが確認された。

    メルセデスの広報担当者は声明で次のように説明した。

    「モナコGPでジョージ・ラッセルが受け、消化したペナルティに関するライト・オブ・レビュー申請を撤回したことを確認する」

    さらにチームは、ガスリーのペナルティ取り消しを受けてラッセルのレース結果への影響を検証するため、利用可能なあらゆる選択肢を検討する必要があったと明かした。

    「ガスリーのタイムペナルティが取り消された後、ジョージのピットレーン速度違反ペナルティがレース結果に与えた影響について、利用可能なあらゆる選択肢を検討することが重要だった」

    また、スペインGP週末中に再審請求を提出した理由についても説明した。

    「バルセロナのレースウイーク中にライト・オブ・レビューを申請できる時間は限られており、その権利を確保するために申請を行った」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1 モナコGP

    FIAの改善姿勢を評価
    その後の協議を通じて、FIAとFOMが今回の問題を真剣に受け止めていることが確認できたという。

    「その後のFIAおよびF1との建設的な協議により、モナコGPで発生した特殊な状況を見直し、その原因となった要素に積極的に対処しようとする強い意思が示された」

    そしてメルセデスは、再審請求を続ける必要はないとの結論に達した。

    「こうした明確な姿勢を踏まえ、ライト・オブ・レビュー申請をこれ以上追及することはチームにもスポーツにも利益をもたらさないと判断し、申請を撤回した」

    今回の決定により、ラッセルのモナコGP結果の見直しを求めるメルセデスの法的手続きは終了した。一方で、FIAとFOMは今回の混乱を招いた計測および運用上の問題について引き続き検証を進める見通しとなっている。

  • メルセデスF1が危機感 アントネッリ故障で信頼性改善へ徹底調査

    メルセデスF1が危機感 アントネッリ故障で信頼性改善へ徹底調査

    アンドレア・キミ・アントネッリの今季初リタイアを受け、メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフは、再発防止に向けて徹底的な原因究明を行う考えを明らかにした。バルセロナ・カタルーニャGPで発生したトラブルは、チームにとって今季の信頼性面で新たな課題を浮き彫りにした。

    メルセデスはレース終盤まで2位・3位走行という好結果を手中に収めていたが、アントネッリのリタイアによって大量得点の機会を失った。

    タイトル争いをリードするチームにとって、速さだけでなく信頼性の確保が重要なテーマとなっている。

    アントネッリが終盤に無念のストップ
    バルセロナ・カタルーニャGPでメルセデスは、ルイス・ハミルトンがフェラーリ移籍後初優勝を飾るなか、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリによる2位・3位フィニッシュが期待されていた。

    しかしレース終盤、アントネッリは60周目にラッセルをオーバーテイクして2番手へ浮上した直後、ターン5出口でマシンが失速。そのままマシンを止め、今季初のリタイアとなった。

    この結果によりアントネッリは大量得点の機会を逃したものの、ドライバーズランキングでは依然として首位を維持。ハミルトンに41ポイント差、ラッセルに50ポイント差をつけている。

    原因は未特定も症状は過去のトラブルと類似
    レース後、トト・ヴォルフは現時点で故障原因を特定できていないと説明した。

    「まだ何が原因だったのかは分かっていない」

    「これまで発生したトラブルの多くはバッテリー関連だったが、それぞれ異なる故障だった。同じ問題が繰り返されていたわけではない」

    「ただし症状はかなり似ている。モントリオールでジョージに起きた時と同じように、マシンが突然シャットダウンしてしまった」

    ヴォルフは今回のリタイアが単発の問題なのか、それともシステム全体に潜む弱点なのかを慎重に見極める必要があるとの認識を示した。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    オーストリアGPへ向け信頼性向上が最優先課題
    2026年シーズンのメルセデスは圧倒的な速さを見せている一方で、モントリオールでのラッセルのトラブルに続き、今回のアントネッリのリタイアによって信頼性面への懸念が浮上した。

    ヴォルフは再発防止を強く誓っている。

    「同じことが二度と起きないよう、徹底的に掘り下げて調査していく」

    次戦オーストリアGPでは、フェラーリで勢いを増すハミルトンに対抗し、メルセデスが再び王者候補としての強さを示せるかが注目される。

    タイトル争いを左右する信頼性
    今回のアントネッリのリタイアは、メルセデスのパフォーマンスそのものを疑問視する内容ではない。しかし、シーズンが進むにつれて信頼性がタイトル争いを左右する重要な要素になることを改めて印象づけた。

    アントネッリはここまで安定した成績でランキング首位を守っているが、今後は1回のノーポイントがチャンピオンシップ全体に大きな影響を与える可能性がある。メルセデスが今回のトラブルから何を学び、どのような対策を講じるのかが、今後の選手権の行方を占う重要なポイントとなりそうだ。

  • メルセデスF1 モナコGPの再審請求を取り下げ FIAが正式確認

    メルセデスF1 モナコGPの再審請求を取り下げ FIAが正式確認

    モナコGP決勝後の裁定を巡り、メルセデスが申し立てていた再審請求(Right of Review)を取り下げたことをFIAが正式に確認した。

    今回の騒動は、アルピーヌのピエール・ガスリーがモナコGPで獲得した3位表彰台を巡る一連の裁定が発端となった。

    ジョージ・ラッセルは決勝中に2件のペナルティを受けていた。1つ目はピットレーン速度違反で、FOMが管理する計測システムのタイミングループ不具合により複数のドライバーへ科されたものだった。

    さらにメルセデスは、この5秒ペナルティを正しく消化しなかったと判断され、追加でドライブスルーペナルティを受けた。これによりラッセルは14位まで後退していた。

    一方で、アルピーヌに科された2件の5秒ペナルティはレース後に加算されたため、チームは再審請求を行う余地があった。しかし、メルセデスのペナルティはレース中に裁定が下されており、覆すことは極めて難しい状況とみられていた。

    当初、メルセデスが証拠を提示する最初の審理は6月20日に予定されていた。しかしFIAは19日に声明を発表し、メルセデスが申し立てを取り下げたことを明らかにした。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    FIAのスチュワード声明には次のように記されている。

    「スチュワードは、メルセデスAMGペトロナスF1チームから、2026年モナコGPにおける63号車のFIA F1規則B1.6.3a条違反に関する裁定について提出していた再審請求を取り下げる旨の通知を受けた」

    メルセデスが再審請求を取り下げたことは大きな驚きではない。チームが再審手続きの初期段階を突破できるだけの新証拠を提示できる可能性は低いと見られていたためだ。

    それでも今回の動きは、たとえ成功の可能性が低くても、F1チームが自らの立場を守るために利用可能な法的・競技的手段を最後まで追求する姿勢を示した事例となった。

  • メルセデスF1 ついにチームオーダー導入示唆 ヴォルフ「興味深い議論になる」

    メルセデスF1 ついにチームオーダー導入示唆 ヴォルフ「興味深い議論になる」

    メルセデスF1が長年貫いてきた「自由競争」の方針に変化の兆しが見えてきた。チーム代表のトト・ヴォルフは、バルセロナ・カタルーニャGPでジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリを戦わせた判断を振り返り、今後はチームオーダーの導入も視野に入れる考えを示した。

    レースではアントネッリの方が速いペースを持ちながらもメルセデスは介入せず、その間にルイス・ハミルトン(フェラーリ)が逆転勝利を達成。

    ヴォルフは「興味深い議論になる」と語り、勝利を争う場面でのドライバー運用について再検討する可能性を認めた。

    ヴォルフ「結果には満足していない」
    メルセデスはバルセロナ・カタルーニャGPでジョージ・ラッセルが2位表彰台を獲得したものの、キミ・アントネッリは終盤にバッテリートラブルでリタイア。ルイス・ハミルトンに今季初勝利を許す結果となった。

    レース後、ヴォルフはまず信頼性問題への不満を口にした。

    「満足できる内容ではない。モントリオールでコンストラクターズ選手権の25ポイントを失い、今日もまた25ポイント、あるいは18ポイントを失った。勝つためにはまず完走しなければならない」

    「信頼性こそ我々が最優先で解決しなければならない問題だ。誰も満足していないし、原因究明のためにあらゆる可能性を調査する」

    メルセデスはカナダGPに続き、2戦連続でパワーユニット関連のトラブルに見舞われており、ヴォルフはこの状況を重く受け止めている。

    アントネッリの方が速かったと認める
    ヴォルフは今回のレースで、ラッセルよりもアントネッリの方が速かったことを認めた。

    「ジョージはレース序盤に信じられない走りを見せた。まるで後続が止まっているかのようだった」

    「だがその後はペースが落ちた。第1スティント終盤から、その後のスティントでは明らかにキミの方が速かった」

    それでもメルセデスは両ドライバーの争いに介入しなかった。

    「我々はこれまで常にドライバー同士を自由に戦わせてきた。そのため今回も介入しなかった」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    チームオーダー導入の可能性を示唆
    しかしヴォルフは、今後も同様の状況が発生した場合は対応を見直す可能性があると明かした。

    「今後については検討する必要がある。両ドライバーと話し合い、ペース差がある状況をどう扱うべきか考えなければならない」

    「もし勝利を争っている状況で、そのまま戦わせることで勝利を失うリスクがあるならばどうするのか。それは非常に興味深い議論になるだろう」

    さらにヴォルフは、どのような決定を下す場合でもチーム内で透明性を保つことを強調した。

    「すべてはチームの利益を最優先にし、完全に透明性を持って行われる」

    メルセデスは2026年シーズン開幕からドライバー同士の自由なレースを認めてきたが、フェラーリの戦闘力向上によって状況は変わりつつある。タイトル争いが激化するなか、これまでの方針を維持するのか、それともチームオーダーという選択肢を本格的に導入するのか。バルセロナでの敗戦は、その転換点になるかもしれない。

  • メルセデスF1 モナコGP裁定に異議 ガスリー表彰台復活で救済措置を要求

    メルセデスF1 モナコGP裁定に異議 ガスリー表彰台復活で救済措置を要求

    ピエール・ガスリーのモナコGP表彰台が復活したことを受け、メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、ジョージ・ラッセルの結果についてもFIAが何らかの救済措置を検討すべきだと主張した。

    アルピーヌが提出した再審査請求(ライト・トゥ・レビュー)が認められたことで、ガスリーに科されていた2件の5秒ペナルティは取り消され、3位表彰台が復活した。一方で、この決定に対してマクラーレンとレッドブル・レーシングは控訴の意向を示している。

    ガスリー裁定の覆りが新たな波紋
    モナコGPでガスリーはピットレーン速度違反により2度の5秒ペナルティを受け、レース後に3位から降格していた。

    しかしアルピーヌは他チームから提供された追加証拠をもとに再審査を申請。その結果、スチュワードは当初の裁定を覆し、ガスリーの表彰台を復活させた。

    この決定により、当初3位となっていたアイザック・ハジャーは4位へ後退。さらにマクラーレンとレッドブル・レーシングは裁定取り消しに対して控訴手続きに入ったと報じられている。

    ラッセルのモナコGPは無得点に終わる
    一方、メルセデスにとってモナコGPは大きな痛手となった。

    ジョージ・ラッセルはレース中にガスリーと同様のペナルティを受けたが、チーム側の処理ミスにより適切なタイミングで消化できず、赤旗再開後にドライブスルーペナルティを受けることになった。

    その結果、ラッセルは13位まで後退してノーポイントに終わり、タイトル争いでも大きなダメージを受けた。

    ヴォルフは、この問題はレース当日に突然発生したものではなかったと指摘した。

    「非常に不運な状況だった。日曜日に突然起きたことではない。ピークレングス速度違反に関する問題は以前から指摘されていた」

    「チームにとっても、特にジョージにとっても大きな影響があった。予選では苦戦したが、彼はポジションを取り戻していた。ペナルティがなければ、そして我々が適切に処理できていれば、レース結果は全く違ったものになっていただろう」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    メルセデスは法的可能性を検討
    ヴォルフは、ガスリーの裁定変更がラッセルのケースにどのような影響を与えるかを現在も検討していると明かした。

    「我々は今まさに、ガスリーのケースがジョージにどのような意味を持つのか評価している」

    「ガスリーの結果に対して控訴するつもりはない。しかしFIAには、ジョージのレースに対してどのような救済措置があり得るのか検討してほしい」

    さらに、すでにメルセデスの法務チームと協議していることも認めた。

    「我々は弁護士と電話で話し、ジョージのために何ができるか検討している」

    「ドライブスルーペナルティはレース終盤であれば約20秒のタイム損失に相当する。その20秒が結果にどんな影響を与えたのかを計算している」

    逆転の可能性は低いとの見方
    ただしヴォルフ自身も、結果が覆る可能性は極めて低いと認めている。

    「現実的に結果を覆せる可能性があるかと言われれば、そうは思わない」

    「だが、もし1ミリでも可能性があるなら試すべきだ。計算によって本来の順位に戻せる余地があるなら、その可能性を追求したい」

    ガスリーの表彰台復活によってモナコGPの裁定問題は新たな局面を迎えた。マクラーレンとレッドブル・レーシングの控訴に加え、メルセデスもラッセル救済の道を模索しており、モナコGPの最終結果を巡る議論は今後もしばらく続きそうだ。

    【関連】
    ・ピエール・ガスリー表彰台復活に異議 レッドブルとマクラーレンが控訴手続き

  • メルセデスF1 史上初の年間売上高10億ドル突破へ 王者返り咲きで現実味

    メルセデスF1 史上初の年間売上高10億ドル突破へ 王者返り咲きで現実味

    メルセデスF1が、F1チームとして史上初となる年間売上高10億ドル(約1600億円)突破に近づいていることが明らかになった。

    公開された2025年会計報告によると、同チームの売上高は6億3338万ポンド(約8億4600万ドル、約1354億円)に達しており、今季の好調な成績と大型スポンサー契約の効果によって、早ければ2026年にも大台到達が現実味を帯びている。

    売上高は過去最高水準を維持
    2025年12月31日までの会計年度で、メルセデスの売上高は6億3338万ポンドを記録した。前年の6億3211万ポンドからの増加幅は約130万ポンドと小幅だったが、依然としてF1チームとしては圧倒的な規模を維持している。

    収益の大部分を占めたのはスポンサーシップやライセンス収入などの商業収益で、総額4億1500万ポンドに達した。チームは近年、グローバルブランドとの提携拡大を積極的に進めており、安定した収益基盤を築いている。

    一方で売上の伸びが限定的だった背景には、F1特有の賞金分配システムがある。コンストラクターズ選手権の賞金は翌年に支払われるため、2025年の収益には2024年シーズンの成績が反映された。

    2026年決算で大幅増収の可能性
    メルセデスは2024年シーズンをコンストラクターズランキング4位で終えていたため、2025年決算ではその影響を受けた。

    しかし2025年シーズンはランキング2位で終えており、その賞金増額分は2026年の会計年度に反映される見通しだ。さらに今季はコンストラクターズタイトル獲得の有力候補となっており、優勝となれば商業権収入はさらに大きく増加する。

    そのため2026年決算では賞金収入だけでも大幅な上積みが期待されている。

    ハミルトン離脱とスポンサー拡大が利益を押し上げる
    利益面でもメルセデスは好調だった。

    営業利益は前年の1億5615万ポンドから1億6671万ポンドへ増加した。

    その要因のひとつがドライバー人件費の削減だ。ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍に伴い、高額契約が終了したことに加え、2025年にF1デビューしたアンドレア・キミ・アントネッリの起用によって人件費負担が軽減された。

    さらにスポンサー収入も拡大した。アディダス、Meta AI、ナスダックなどが新たにパートナーに加わり、メルセデスのプレミアムグローバルブランドは24社体制となった。

    2026年にはマイクロソフトとの大型契約も締結。この契約だけで年間約6000万ドル(約96億円)規模と推定されており、今後の売上拡大に大きく貢献するとみられている。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    10億ドル突破への最後の条件
    年間売上高10億ドル到達は目前に迫っているが、最終的にはチームがコントロールできない要素も存在する。

    そのひとつが中東ラウンドの開催状況だ。今季はバーレーンGPとサウジアラビアGPが中止となっており、シーズン終盤のカタールGPとアブダビGPについても不透明な状況が続いている。

    これらの開催料はF1全体の商業権収入に直結しており、各チームへの分配額にも大きな影響を与える。中東ラウンドに関連する収入は数千万ドル規模に及ぶとされており、10億ドル達成の可否を左右する重要な要素となりそうだ。

    それでも、コンストラクターズタイトル争いをリードする現在の勢いとスポンサー収入の拡大を考慮すれば、メルセデスがF1史上初の「年間売上高10億ドルチーム」となる日は近いとみられている。

  • メルセデスF1 ラッセルのモナコGP失策を説明「複雑なSC対応が原因」

    メルセデスF1 ラッセルのモナコGP失策を説明「複雑なSC対応が原因」

    メルセデスF1は、ジョージ・ラッセルがモナコGPで5秒ペナルティを消化できず入賞を逃した経緯について説明した。チームはセーフティカー中の複雑な状況とコミュニケーションミスが重なったことが原因だったとしている。

    ラッセルはレース中最初のタイヤ交換時にピットレーン速度違反を犯し、5秒のタイムペナルティを科された。しかし、その後のセーフティカー中のピットストップでペナルティを消化しないままタイヤ交換を行ったため、結果的に無得点に終わった。

    アントネッリ優先の戦略が混乱を招く
    メルセデスのトラックサイド・エンジニアリング責任者アンドリュー・ショブリンは、チームが置かれていた状況が非常に複雑だったと説明した。

    当時、レースをリードしていたアンドレア・キミ・アントネッリがラッセルを周回遅れにしており、セーフティカー導入時にはまずアントネッリを優先してピットへ呼び戻す計画だったという。

    「キミがジョージを周回遅れにした直後だったので非常に複雑な状況だった。セーフティカーが出た時の計画はキミをピットへ入れることだった」

    「ジョージについては、ペナルティを消化し、さらにキミの作業を待った場合でもアイザック・ハジャーの前に出られるか計算した。その結果、前には出られないと判断し、ステイアウトを指示した」

    しかし、その後の状況がさらに混乱を招いた。

    「最初の周回ではキミのピットストップに間に合わなかったが、次の周回にはチャンスがあったので呼び戻した。その時にセーフティカーがピットレーンを通過するという通知が出た」

    「キミは予定通り作業を受けていたが、ジョージにはファストレーンに留まるよう伝えることができなかった」

    ラッセルはタイヤを見てピットイン
    セーフティカー中だったため、チームは複数の戦略に対応できるようタイヤを準備していた。ラッセルはそのタイヤを見て自身がピットインするものだと判断したという。

    「両方のタイヤセットが用意されていたのは普通のことだ。セーフティカー中は他チームの動き次第で計画が変わる可能性があるからだ」

    「ジョージにはステイアウトを指示していたが、ピットレーンを通過した際に自分用のタイヤがあるのを見て、自分のための準備だと思いピットボックスへ入った」

    「メカニックたちは彼が来ることを想定していなかったため、ペナルティを消化する準備ができていなかった。今回の件から学び、将来改善できる点は確かにある」

    レース後、ラッセルは無線で再度ピットストップを行い、見落とされた5秒ペナルティを消化するようチームに繰り返し求めたが、メルセデスは実施しない判断を下した。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    0.1km/h超過の原因は依然不明
    またショブリンは、そもそもラッセルがピットレーン速度違反を受けた理由についても完全には解明できていないと明かした。

    モナコではラッセルを含む5人のドライバーがピットレーン速度違反でペナルティを受けたが、いずれも制限速度をわずか0.1km/h上回っただけだった。アルピーヌはピエール・ガスリーに科された2件のペナルティについて再審査請求を提出している。

    「ピットレーン速度はコース上の計測ループ間の距離と通過時間から算出される」

    「モナコのピットレーンにはいくつかの曲がり角があり、ドライバーは自然とイン側を通って距離を短縮しようとする傾向がある。僕たちはそのことを認識していたので、速度リミッターの設定を下げ、ジョージにはコーナーをショートカットしないよう指示していた」

    「それでもなぜ速度違反が発生したのか完全には理解できていない。同様の問題を抱えたチームもいくつかあり、なぜ起きたのか分かっていないところもある」

    「現在も議論が続いている。この問題を解明する必要がある。ジョージのレースにとって非常に大きな代償となったことは間違いない」

  • メルセデスF1 ラッセルとアントネッリが直訴「僕たちを信頼してほしい」

    メルセデスF1 ラッセルとアントネッリが直訴「僕たちを信頼してほしい」

    メルセデスF1のジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリは、2026年F1カナダGPのスプリントで激しいバトルを繰り広げた。接触寸前の場面が続き、アントネッリが無線で不満を示したことを受け、チームはレース後に緊急ミーティングを実施した。

    その場でチーム代表のトト・ヴォルフを交えた話し合いが行われたが、両ドライバーがチームに伝えたメッセージは意外なものだった。彼らはチームオーダーや制限ではなく、「自由に戦わせてほしい」と求めていたという。

    「僕たちを信頼してほしい」 ドライバー側からの要求
    メルセデスの副チーム代表ブラッドリー・ロードは、チーム公式ポッドキャスト『Nu Silver Arrows』で、スプリント後に行われた内部ミーティングの内容を明かした。

    アントネッリはこの会議について、「校長室に呼び出されたような感じだった」と冗談交じりに表現したという。

    しかし実際の雰囲気は極めて建設的だった。

    ロードによると、ラッセルとアントネッリはチームに対して次のような姿勢を示した。

    「僕たちを互いにレースさせてほしい。それがチームが僕たちを起用した理由だし、僕たちはそれができる」

    チームが懸念していたのは、タイトル争いに向けて貴重なポイントを失う同士討ちだった。しかしドライバーたちは、自分たちなら公平かつクリーンに戦えると強調した。

    カナダGP決勝でも続いた激闘
    両者の戦いは決勝でも続いた。

    スタート直後からラッセルとアントネッリは首位争いを展開し、オープニングスティントでは何度もポジションを入れ替えた。

    この戦いが終わったのは、ラッセルのマシンにパワーユニットトラブルが発生した時だった。

    それまでは今季初めて本格的なチーム内バトルが繰り広げられ、メルセデスにとっては速さだけでなく、ドライバー管理能力も試される週末となった。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    メルセデスが求める「自由」と「責任」
    一方で、メルセデス首脳陣は全面的な自由競争を認めているわけではない。

    トラックサイド・エンジニアリング責任者のアンドリュー・ショブリンは、「ドライバーをレースさせることは重要だが、限度もある」と説明した。

    スプリントと決勝では数回にわたって危険な接近戦があり、特に一方がもう一方のリアに追突しかねない場面もあったという。

    ショブリンは「接触だけは避けなければならない」と強調しつつも、両ドライバーが互いを尊重して戦う意思を示していることを評価した。

    「彼らはレースをしたいと思っている。そして自分たちの責任も理解している。公平に戦い、リタイアにつながるようなリスクは避ける。その点について週末を通じて良い話し合いができた」

    メルセデスが直面する新たな課題
    The Raceなどの分析でも指摘されているように、メルセデスにとって現在の課題は速さではなく、速い2人のドライバーをどう共存させるかになりつつある。

    カナダGPではラッセルとアントネッリが優勝を争えるだけのパフォーマンスを見せた。今後もタイトル争いに加わるなら、こうしたチーム内バトルは避けられない。

    今回のミーティングで明らかになったのは、チームがドライバーを管理したいのではなく、ドライバー自身が「管理されるのではなく信頼されたい」と考えていることだ。

    メルセデスは次戦以降もレースを許可する方針だが、その自由を維持できるかどうかは、ラッセルとアントネッリが実際に接触せず戦い続けられるかにかかっている。

  • トト・ヴォルフがメルセデスF1内紛を火消し「スター・ウォーズ風の見出しは不要」

    トト・ヴォルフがメルセデスF1内紛を火消し「スター・ウォーズ風の見出しは不要」

    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、F1カナダGPスプリントでジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリの緊張が一気に高まったことを受け、チーム内の火消しに動いた。

    土曜のスプリントでは、メルセデスのタイトル候補同士によるバトルが接触寸前まで激化。アントネッリは無線で怒りをあらわにし、事前に話し合われていたレース時の取り決めをラッセルが無視したと受け止めた。

    ラッセルの巻き返しとアントネッリの怒り
    ランキングで10代のチームメイトに20点差をつけられてカナダに入ったラッセルは、スプリント優勝に続いて決勝のポールポジションを獲得し、大きく流れを引き戻した。

    「マイアミが僕にとって少し鬼門なのは分かっている」とラッセルはコメント。

    「もちろん、カレンダーに大きな空白期間があったから、多くの人がいろいろなことを言っていた」

    「でも結局、僕はただレースに戻りたかっただけだ」

    一方のアントネッリは、スプリントでの一件に強い不満を示した。

    「こういうふうにレースをする必要があるなら、分かってよかった」とアントネッリは無線で皮肉を込めて語った。

    その後、アントネッリは「とても腹が立っていた」と認めた。

    「おそらく僕は、あのミーティングの意味を少し違う形で理解していた」とも語り、スプリント前に行われたチーム内協議を念頭に置いた。

    ヴォルフが無線で即座に介入
    アントネッリが無線で不満を続けると、チーム代表のヴォルフはすぐに介入した。

    「これで4回目だ」とヴォルフは伝えた。

    「これは内部で話し合う。無線で不満を言うことではない。運転に集中しなさい。無線で文句を言うことではない」

    レース後、ヴォルフは大きな内部危機という見方を否定した。

    「我々がどう物事を進めたいのか、あるいはどう進めたくないのかを知る、とても良い教訓だった」

    「互いに激しく争えば、どれほど早くリードを失うことがあるかを示している。常に双方に責任がある」

    「スター・ウォーズ風の見出し」は不要
    ヴォルフは、メルセデスが過剰反応するつもりはないと強調した。

    「キミやジョージに対して特別に厳しくするわけではないが、一定の境界線は設けたい」

    「そして私は、こうしたことがメインレースほど多くのポイントが懸かっていないスプリントで起きたことの方がまだいいと思っている」

    さらに、ヴォルフはこのライバル関係が早い段階でセンセーショナルに扱われることを望まないと明言した。

    「シーズン第5戦の始まりが、スター・ウォーズ風の見出しや、緊張がエスカレートしているという話とともに語られることは望んでいない」

    「そういう状況ではない」

    「キミは若いドライバーで、感情に圧倒されている。ジョージも彼の立場なら、おそらくまったく同じように振る舞うだろう」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    スプリント後の話し合いで関係は修復
    ヴォルフはその後、両ドライバーとスプリント後に話し合いを行ったことを明かし、その内容は建設的だったと説明した。

    「彼らは、互いに必要なスペースを与えられると我々が信頼できることを示すために、もう一度チャンスを望んでいる」

    アントネッリも、関係がすぐに落ち着いたことを認めた。

    「スプリントの後、僕たちは物事を整理した」と19歳のアントネッリはスカイ・イタリアに語った。

    「ミーティングを行ったし、ああいうことが二度と起きないようにしたい」

    ビルヌーブ「精神面の大きなテスト」
    一方、1997年F1ワールドチャンピオンのジャック・ビルヌーブは、2026年シーズン序盤に驚異的なスタートを切ったアントネッリにとって、今回のプレッシャーは精神面の大きな試練になると見ている。

    「昨年のピアストリのようなものだ」とビルヌーブはル・ジュルナル・ド・モントリオールに語った。

    「前にいるときは、アプローチが同じではない」

    「彼が何でできているのか、どう作られているのかが分かる。彼は速い。今は、肉体的にも精神的にもそれを維持できるかを見なければならない」

    メルセデスにとって、ラッセルとアントネッリの速さは大きな武器である一方、同じマシンでタイトルを争う構図はリスクも伴う。カナダGP決勝で2人が再びフロントロウから並ぶことで、チームが求める「自由に戦う」ことと「互いにスペースを残す」ことの境界線が、早くも問われることになる。

  • メルセデスF1元エンジニア暴露「カスタマーPU供給には政治的判断がある」

    メルセデスF1元エンジニア暴露「カスタマーPU供給には政治的判断がある」

    メルセデスF1の元エンジニアが、カスタマーチーム向けPU(パワーユニット)の供給を巡る“政治的判断”の存在を明かした。

    2026年F1シーズン開幕後、マクラーレンはメルセデス製PUに関する情報共有の不足を示唆し、「同じ条件で戦っていない」と不満を漏らしていた。これに対し、トト・ヴォルフは「全チームを満足させることはできない」と説明していたが、今回の証言は、その背景にある“現実”を浮き彫りにしている。

    “速すぎるPU”は弱いチームへ? 元メルセデスF1エンジニアが証言
    元メルセデスF1エンジニアのホセマ・ガランは、ポッドキャスト「Minimo Comun Multiplo」で、自身が担当していたPU分析業務について詳細を語った。

    ガランは、PUの性能や信頼性を分析する役割を担っていたと説明。その中では、わずかに性能差のあるPUをどのチームへ供給するかという判断も行われていたという。

    「僕はその役割が本当に好きだった。パフォーマンスだけでなく、信頼性も含めて分析する必要があったからだ」

    「そこで常にジレンマがあった。『これは少し性能がいい。でも別の欠陥も見つかった。これをワークスに渡すのか? それともカスタマーに渡すのか?』という感じだ」

    さらにガランは、最終的な判断には“政治的要素”も存在していたと明かした。

    「通常はカスタマー側に渡していた。選手権順位に関係していたかどうかは言わないけどね」

    「ただ、その意味で政治的な判断は確実にあった。『このチームは基本的に成績が悪いから、一番いいものを渡しても我々を脅かさない』という考え方だ」

    「もちろん差は1000分の数秒レベルだ。FIAがこれを管理することはできない。これが現実の世界なんだ」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    マクラーレンF1は“知識不足”を克服?
    2026年シーズン序盤、マクラーレンは新世代メルセデスPUへの適応に苦しみ、ワークスとの差が指摘されていた。

    しかし、マイアミGPでは状況が一変。マクラーレンは大幅なパフォーマンス向上を見せ、逆にメルセデス側が「マクラーレンは何を変えたのか」を分析するためデータ確認を希望したとも報じられている。

    報道では、マクラーレンが短期間で“7分の1秒”近い改善を果たしたとの見方もあり、メルセデスにとっては警戒材料になりつつある。

    もちろん、メルセデスが意図的にマクラーレンへ“劣るPU”を供給していたと断定する材料は存在しない。現時点でそのような推測を行うのは危険だ。

    ただ、元内部関係者による今回の証言は、F1のカスタマーPU供給が単純な“完全イコール条件”ではない可能性を改めて示唆するものとなった。

    2026年F1で再燃する“ワークス優位”論争
    2026年F1レギュレーションではPU依存度が大幅に高まっており、エネルギーマネジメントやソフトウェア制御の重要性も増している。

    その中で、ワークスチームとカスタマーチームの間にどれほどの“見えない差”が存在するのかは、今後さらに大きな議論になりそうだ。