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  • メルセデスF1の予選新テクニック 0.05秒と失格リスクは紙一重

    メルセデスF1の予選新テクニック 0.05秒と失格リスクは紙一重

    F1イギリスGPでメルセデスが披露した予選での新たなエネルギーマネジメント手法が、ライバルたちの注目を集めている。

    ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリが実践したこのテクニックは、計測ライン直前で一瞬アクセルを戻すという異例の操作によって約0.05秒のタイム短縮を実現するものだ。しかし、その効果の裏には、操作を誤れば予選失格につながりかねない大きなリスクも潜んでいる。

    メルセデスが見つけた新たな抜け道
    この手法の鍵となるのは、2026年から導入された複雑なエネルギーマネジメント規則だ。

    現在のF1では、ストレートでバッテリーを使い切る際に「ランプダウンレート」と呼ばれる制限が設けられている。これは、350kWから突然0kWへ出力を落とすことを防ぐための規定で、出力は1秒あたり最大50kWずつしか減らせない。

    この規則が設けられた理由は、ストレート終盤で前方のマシンが急激に減速することを防ぎ、安全性を確保するためだ。

    しかし、本来であれば計測ラインまで350kWを維持できる区間でも、ラインまでの距離が十分でない場合は途中から300kW、250kW、200kWと段階的に出力を落とさなければならず、最高速の伸びが制限される。

    メルセデスはここに着目し、ドライバーが完全にアクセルを戻した場合はランプダウンレートの適用対象外となる規定を利用。計測ライン直前まで350kWを維持し、アクセルオフと同時に電力供給を終了させることで、通常より早く高い最高速へ到達できるようにした。

    その結果、約0.05秒のラップタイム短縮効果が得られるという。

    一度封じられたアイデアを別の方法で復活
    実はシーズン序盤にも、メルセデスとレッドブル・レーシングは似た発想のテクニックを使用していた。

    当時はMGU-Kを「緊急停止」させることでランプダウンレートを回避していたが、日本GPではその影響でコース上で減速・停止するマシンが現れた。

    これを受けてFIAは、MGU-Kの緊急停止機能は本当の緊急時以外には使用できないと各チームへ通達。この手法は事実上使用できなくなった。

    そこでメルセデスは、MGU-K停止ではなく「アクセルオフ」という別の例外規定を活用し、同様の効果を得る方法を開発した。

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    最大の難関はドライバーの操作精度
    一見すると単純なアクセル操作に見えるが、実際には非常に高度なテクニックが要求される。

    重要なのは、バッテリー残量が0%になる前にアクセルを戻すことだ。

    もしバッテリーを完全に使い切った瞬間にMGU-Kが停止すると、出力が一気にゼロとなり、ランプダウンレート違反になる可能性がある。

    その場合は技術規則違反と判断され、予選結果の抹消や最後尾スタートにつながる恐れもある。

    しかも、ドライバーは毎周同じ場所でアクセルを戻せばよいわけではない。

    バッテリー消費量は周回ごとに変化するため、その時点の残量に応じてアクセルを戻す位置も毎回変わる。距離看板や広告看板などを目印にできるものではなく、常にバッテリー残量を把握しながら操作する必要がある。

    シミュレーターと音声システムで成功率を高める
    『The Race』によると、メルセデスはイギリスGP前にラッセルとアントネッリへシミュレーターで繰り返し練習を行わせ、この操作を体に覚え込ませていた。

    さらに、バッテリー残量が設定値まで減少すると、ドライバーのイヤホンへ音声信号を送るシステムも導入。この合図を受けてアクセルを戻すことで、毎周ほぼ最適なタイミングで操作できるようにしていたという。

    ライバルチームもこの手法の存在を把握しており、今後はハンガロリンクなどエネルギーマネジメントの重要性が高いサーキットを中心に導入を検討するとみられる。

    ただし、約0.05秒というメリットを得られる一方で、タイミングがわずかに遅れるだけで技術規則違反となる危険もある。メルセデスが編み出したこのテクニックは、2026年F1におけるエネルギーマネジメント競争の新たな武器となる一方、極めて高いリスクと隣り合わせの戦略でもある。

  • メルセデスF1の将来に暗雲? 親会社のコスト削減で「重大な問題」

    メルセデスF1の将来に暗雲? 親会社のコスト削減で「重大な問題」

    メルセデスF1の将来に不安材料が浮上した。元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、親会社であるメルセデス・ベンツ・グループが大規模なコスト削減に直面しており、その影響が長期的にはF1活動にも及ぶ可能性があるとの見方を示した。

    メルセデスは現在もF1を代表するトップチームの一つだが、ドイツの自動車業界全体が厳しい経営環境に置かれている。シューマッハはフォルクスワーゲンやアウディだけでなく、メルセデスも同様の課題を抱えていると指摘している。

    ラルフ・シューマッハ「メルセデス親会社も重大な問題」
    ドイツの『Backstage Boxengasse』で、フォルクスワーゲンが将来的にもアウディのF1参戦を支えられるのかと問われたラルフ・シューマッハは、問題はVWグループだけではないと語った。

    「それはVWだけの話ではなく、今はすべての大企業に共通する問題だ」

    さらに、メルセデスについても厳しい状況にあると明かした。

    「僕が聞いている限りでは、シュトゥットガルトに本拠を置くもう一つの会社(メルセデス)も、この件では今かなり重大な問題を抱えている」

    続けて、メルセデス・ベンツ・グループCEOのオラ・ケレニウス氏が厳しい立場に置かれていると説明した。

    「オラ・ケレニウスは、僕が聞いている限りでは、コスト削減策を巡ってかなり批判を受けている」

    「今のドイツでは至る所で同じことが起きている。すでに2万人の製造業の雇用が失われた。信じられないほど大きな数字だ」

    メルセデス・ベンツは人件費抑制策として、賃金を据え置いたまま週労働時間を35時間から40時間へ延長する施策を打ち出しており、従業員による抗議活動も発生している。

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    F1人気は永遠ではないと警鐘
    シューマッハは、現在のF1人気やチーム価値が永続するとは考えていないという。

    「以前から言っていることだが、このブームのあとには、F1は最終的に少しずつ魅力を失っていくと思う」

    「そうなればチームの価値も大きく下がるだろう。今の評価額は現実離れしていると思う」

    「経済の実態を無視して、いつまでも成長し続けることはできない」

    現在のところメルセデスがF1撤退を検討している事実はない。しかし、親会社が進めるコスト削減やドイツ自動車業界を取り巻く経済環境を踏まえ、シューマッハは長期的な視点でF1ビジネスそのものの持続性に警鐘を鳴らした形だ。

  • メルセデスF1代表 フェラーリの開発攻勢に疑問「予算制限は大丈夫なのか」

    メルセデスF1代表 フェラーリの開発攻勢に疑問「予算制限は大丈夫なのか」

    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、2026年シーズンを通じて積極的なアップグレードを続けるフェラーリについて、F1のコストキャップ(予算上限)との兼ね合いに疑問を呈した。

    フェラーリはマイアミGP以降、SF-26に継続的な改良を投入。オーストリアGPでは、2026年の新PUレギュレーションに導入されたADUOの影響を反映した初のエンジンアップデートを含む新パッケージを投入していた。

    ヴォルフ「フェラーリは資金が尽きるはず」
    フェラーリは積極的な開発によってメルセデスとの差を縮め、前戦バルセロナ・カタルーニャGPではルイス・ハミルトンがメルセデスに今季初黒星を喫させた。

    一方、オーストリアGPではジョージ・ラッセルが優勝してメルセデスが勝利を取り戻したものの、ヴォルフはフェラーリの開発ペースに改めて言及した。

    「フェラーリがこれほど大規模なアップデートを次々と投入できることには、少し驚いている」

    ヴォルフはレッドブルリンクで日曜日のレース後、Crash.netなどのメディアに対してそう語った。

    「私の考えでは、コストキャップの予算は、そろそろ尽き始めるはずだ。なぜなら、我々にはあれだけ多くのパーツを投入できるだけの予算的な余裕がないからだ」

    「だからシーズン終盤には、彼らも新しいパーツを投入できなくなることを期待している。少なくとも理屈の上ではそうなるはずだし、その頃には我々の方がアップデートを投入していくことになるだろう」

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    「他チームはペースを落としている」
    メルセデスはカナダGPで今季初の大規模アップグレードを投入し、オーストリアGPではフロントサスペンションの改良に加え、近戦で課題となっていたバッテリー信頼性を改善するアップデートを導入した。

    コストキャップの制約下で開発を続ける難しさについて問われたヴォルフは、フェラーリだけが例外的な開発ペースを維持していると指摘した。

    「開発ペースを落としていないのはフェラーリだけだ」

    「我々はモントリオールで大きなアップデートを1回投入した。その間にも小さな改良は続けている」

    「レッドブルもマクラーレンも同じような状況だと思う。しかしフェラーリだけは、まるで制限がないかのように見える」

    さらに、オーストリアGPで投入されたADUO関連のエンジンアップデートにも言及した。

    「しかも彼らはADUOへの対応を見越して、新しいエンジンまで投入してきた。ということは、その開発は少なくとも6か月前には始めていたはずだ」

    フェラーリはオーストリアGPでは苦戦し、ハミルトンが5位、シャルル・ルクレールが8位に終わった。それでもヴォルフは、ライバルの積極的な開発姿勢が今後のタイトル争いに影響を与える可能性があるとの見方を示している。

  • メルセデスF1 ラッセルとアントネッリが給水装置故障「過酷な暑さとの戦いだった」

    メルセデスF1 ラッセルとアントネッリが給水装置故障「過酷な暑さとの戦いだった」

    ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリは、2026年F1第8戦オーストリアGP決勝で、ともにドリンクシステム(給水装置)が故障するトラブルに見舞われながらレースを走り切っていたことを明かした。

    オーストリアGPは、ヨーロッパを襲った熱波の影響で厳しい暑さの中で開催され、FIAは週末前から「Heat Hazard(高温危険)」レースに指定。決勝時の気温は35度に達し、31度を超えた場合に適用される高温時の安全規則の対象となった。

    猛暑の中で給水装置が作動せず
    この規則では、ドライバーは体温上昇を抑えるための冷却キットを使用できるが、水分補給も過酷なレースを乗り切るうえで重要な要素となる。

    しかし、優勝したラッセルはレース後のチーム無線で、給水装置が故障していたことを報告した。

    「ドリンクシステムが壊れた。このレースで壊れるなんてね……。ちょっと喉が渇いたよ!」

    さらに、決勝を3位で終えたチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリも、レース後のクールダウンルームで、自身のW17でも同じトラブルが発生していたことを明かした。

    2台そろって給水できないまま、71周に及ぶ猛暑のレースを戦い抜いていたことになる。

    なお、2位のマックス・フェルスタッペンも「飲み物というより温かいお茶みたいだった」と冗談交じりに語っており、高温によってドリンク自体も熱くなっていたことを示唆した。

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    ラッセル「自分にはまだできると証明できた」
    厳しいコンディションを乗り越え、今季2勝目、自身通算7勝目を挙げたラッセルは、レース後に勝利の喜びを語った。

    「再びトップに立てて本当に素晴らしい。少し間が空いていたので、今夜はこの勝利をしっかり味わいたい」

    「チームのみんなが僕たちを再び競争力のある位置に戻すために本当に努力してくれた。一時期は難しい時期もあった」

    「今週末のマックスとレッドブルは本当に速かった。彼らには敬意を表したい。毎周プッシュし続けなければならなかったし、後ろの速さも分かっていた」

    「キミも今シーズンは驚くほど速かったから、毎周タイミングモニターを見ていた。最後のピットストップは早めだったので長いスティントになると分かっていたけれど、チームが完璧なタイミングで判断してくれた」

    ラッセルはさらに、ここ数戦の苦戦を乗り越えたことで精神的にも大きな自信を得たと語った。

    「苦しいレースは精神的にも試される。この2週間は、自分にはまだやれるということを思い出させてくれる、本当に重要な時間だった」

    「今週末は予選でもレースでもとても強かった。僕のスタイルに必ずしも合うサーキットではなかったけれどね。シルバーストンへ向かうのが今から楽しみだ」

    今回のオーストリアGPでは、メルセデス勢が2台そろって給水装置のトラブルを抱えながらも、ラッセルが優勝、アントネッリが3位を獲得。猛暑という過酷な条件の中で、両ドライバーは高いパフォーマンスを維持し、チームにダブル表彰台をもたらした。

  • メルセデスF1代表 ジョージ・ラッセル残留明言「現体制を変えるつもりはない」

    メルセデスF1代表 ジョージ・ラッセル残留明言「現体制を変えるつもりはない」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、ジョージ・ラッセルが2027年シーズンもチームに残留することを明言し、マックス・フェルスタッペン獲得の可能性を事実上否定した。

    近年はフェルスタッペンとメルセデスを巡る憶測が絶えず、ラッセルの去就にも注目が集まっていた。しかし、ヴォルフはオーストリアGPのフリー走行後、現在のドライバーラインアップを変更する考えはないと強調し、ラッセルとキミ・アントネッリのコンビに強い信頼を示した。

    ヴォルフ「ラインアップを変えるつもりはない」
    2026年シーズンのメルセデスはコンストラクターズ選手権をリードしており、ここまでわずか1戦しか勝利を逃していない。そのため、トップドライバーにとって魅力的な移籍先とみられており、フェルスタッペンとの関係もたびたび取り沙汰されてきた。

    アントネッリは現在の契約が2026年末までとなっている一方、ラッセルは2027年末まで契約を結んでいる。それでも、フェルスタッペン加入が実現した場合にはラッセルがシートを失うのではないかとの見方があった。

    しかし、ラッセルが「来年も間違いなくメルセデスにいる」と発言したことについて質問されたヴォルフは、『Sky Sports F1』で次のように語った。

    「そうだ。我々はラインアップを変えたいとは思っていないし、そのことはジョージにも伝えている」

    「このラインアップは我々にとって非常に良いものだと思っている。2人とも本当に満足している」

    一方で、フェルスタッペンが2027年に向けてマクラーレンと水面下で接触したとの報道も浮上している。ただし、現時点では市場の状況を探っている段階とみられている。

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    ラッセルへの揺るがぬ信頼
    ラッセルは開幕戦オーストラリアGPで圧倒的なパフォーマンスを見せたものの、その後は優勝から遠ざかっている。

    しかし、その要因はセーフティカーのタイミングや信頼性トラブルによる不運が大きく、自身のパフォーマンスが問題だったケースは少ない。こうした状況でも、ヴォルフはラッセルへの評価はまったく変わっていないと説明した。

    「彼はうまく対処している」

    「ここ1日半は難しい状況だったが、最終的にはFP3で最速だった」

    「本当に僅かな差の世界だ。大切なのは自信を持ち続け、自分のドライビングを信じ、セットアップについてメカニックと下した判断を信頼することだ」

    「そして多くの場合、それだけで十分なんだ。ただ走ればいい」

    「彼は誰かに自分の速さを証明する必要はない。我々は彼にスピードと能力があることを知っている」

    今回のヴォルフの発言により、少なくともメルセデスは2027年に向けて現在のラッセルとアントネッリの体制を維持する方針を明確にした。フェルスタッペンを巡る移籍の噂は続いているものの、メルセデスが獲得に動く可能性は現時点では大きく後退した形となった。

  • メルセデスF1 オーストリアGPヒートハザード宣言でバッテリーの信頼性に懸念

    メルセデスF1 オーストリアGPヒートハザード宣言でバッテリーの信頼性に懸念

    メルセデスは2026年シーズンのF1で両選手権をリードしているものの、シーズンを通じてパワーユニットの信頼性問題に苦しんでいる。そして、FIAがオーストリアGPを対象に「ヒートハザード(高温警戒)」を宣言したことで、その懸念はさらに大きくなりそうだ。

    レッドブル・リンクは高速レイアウトが特徴で、理論上はストレート性能に優れるメルセデスに有利なサーキットと考えられている。

    また、高地に位置するため、小型ターボを採用するフェラーリは標高の影響を受け、パフォーマンス向上が制限される可能性もある。

    しかし、メルセデスも決して安心できる状況ではない。チームが抱える信頼性問題は、シュピールベルクの厳しい環境でより深刻になる恐れがある。

    バッテリー問題に高温が追い打ち
    メルセデスのパワーユニットで最も深刻な課題となっているのはバッテリー関連のトラブルだ。

    元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは、メルセデスには「根本的な電気系統の問題」があると指摘している。

    実際、カナダGPではジョージ・ラッセルが首位争いの最中にバッテリーが故障。続くスペインGPではアンドレア・キミ・アントネッリも同様のトラブルに見舞われ、レース終盤にリタイアを喫した。

    この問題はワークスチームだけにとどまらない。メルセデス製パワーユニットを使用するカスタマーチームにも影響が及んでおり、マクラーレンではランド・ノリスがカナダGPとモナコGPでメカニカルトラブルによりリタイアしている。

    そうした状況の中、FIAはオーストリアGPで気温およびヒートインデックスが基準値を超える見通しとなったことから、週末に「ヒートハザード」を宣言した。

    高温の路面環境は冷却系やバッテリーへの負荷をさらに高めるため、メルセデスとカスタマーチームにとっては、さらなるメカニカルトラブルのリスクを抱えることになる。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    性能と信頼性の難しいバランス
    メルセデスにとって、オーストリアGPでエンジントラブルを再発させる余裕はない。

    一方のフェラーリは今週末にパワーユニットのアップグレード投入を予定しており、もしメルセデスが信頼性問題でポイントを失えば、両チャンピオンシップ争いでライバルとの差は一気に縮まる可能性がある。

    さらに厄介なのは、現時点でメルセデスが決定的な解決策を見いだせていないことだ。バッテリーの信頼性を確保するためにパワーユニットの出力を抑えれば、今度は最高速やレースペースが犠牲になる可能性がある。

    シュピールベルクの暑さは、メルセデス製パワーユニットにさらなる負荷を与えることになる。冷却性能の確保とバッテリー管理を両立できなければ、今季序盤に築いた優位性が揺らぐ週末となるかもしれない。

    メルセデスは高速サーキットとの相性では優位に立つとみられているが、FIAのヒートハザード宣言によって最大の課題は信頼性へと移った。オーストリアGPでは純粋な速さだけでなく、高温環境を乗り切る耐久性が結果を左右する重要な要素となりそうだ。

  • メルセデスF1 トト・ヴォルフ「反撃が必要」 オーストリアGPでアップデート投入

    メルセデスF1 トト・ヴォルフ「反撃が必要」 オーストリアGPでアップデート投入

    ルイス・ハミルトンが前戦スペインGPでフェラーリ移籍後初優勝を飾り、メルセデスの開幕6連勝が止まった。2026年シーズン序盤を支配してきたメルセデスだが、ライバル勢の巻き返しを受け、チーム代表トト・ヴォルフはオーストリアGPでの反撃を誓っている。

    コンストラクターズランキングでは依然として72ポイント差で首位を維持し、ドライバーズランキングでもアンドレア・キミ・アントネッリがハミルトンに41ポイント差をつけてトップに立っている。

    しかしヴォルフは、現在の状況に危機感を抱いている。

    バルセロナで突き付けられた現実
    前戦スペインGPは、メルセデスにとって今後の課題を浮き彫りにする週末となった。

    ヴォルフは、ライバル勢の急速な進歩を認め、チームもさらなる改善が必要だと語った。

    「バルセロナは現在のパフォーマンスを測るベンチマークとなった。開幕から6連勝したあとだっただけに、現実を突き付けられる結果になった」

    「ライバルたちは急速に差を縮めてきており、私たちも対応しなければならない。両タイトルを争う立場にあるが、シーズン終了時に頂点に立つためには改善が必要だ」

    一方で、今季のメルセデス最大の課題は信頼性だ。ここまでマシントラブルによって43ポイントを失っており、これは全チーム中で最多となっている。

    カナダGPではジョージ・ラッセルが勝利目前でリタイアを喫し、スペインGPでは2位走行中だったアントネッリもマシントラブルで18ポイントを失った。

    ヴォルフは次のように続けた。

    「ここまでの最大の弱点は信頼性だ。ここ数戦で両マシンとも多くのポイントを失ってしまった。クリーンな週末をまとめられなければ、ライバルたちは喜んでその隙を突いてくるだろう」

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    オーストリアGPで新アップデート投入
    メルセデスは巻き返しに向け、オーストリアGPへ新たなアップデートを投入する。

    カナダGPで導入した大型アップデートをさらに発展させたもので、W17の性能向上と信頼性改善の両面を狙っている。

    ヴォルフは次のように説明した。

    「私たちは立ち止まるつもりはない。今週末のオーストリアでは、パフォーマンスと信頼性の両方を改善することを目的としたアップデートをいくつか投入する」

    レッドブル・リンクは1周が短く、わずかなタイム差が予選・決勝の結果を左右するサーキットだ。高地特有の厳しい条件も重なり、マシン性能だけでなく信頼性も重要な勝負の鍵となる。

    ヴォルフは最後に、完璧な週末をまとめる必要性を強調した。

    「タイム差は非常に小さく、シュピールベルクではラップタイムが短いだけに、その差はさらに縮まる。ここ数戦よりも良い週末をまとめなければならない。しかし、自分たちの力を最大限に発揮できれば、勝利を争うことは十分可能だ」

    メルセデスはフェラーリやマクラーレンの追い上げを受けるなか、オーストリアGPで投入するアップデートによって巻き返しを狙う。性能向上だけでなく、今季最大の課題となっている信頼性の改善も実現できるかが、タイトル争いの行方を左右する重要なポイントとなりそうだ。

    【関連】
    ・フェラーリの問い合わせでFIAが動く メルセデスF1のディフューザーに規制強化か

  • メルセデスF1とアディダスが特別コレクション発表 伝説のブルーワンダー復活

    メルセデスF1とアディダスが特別コレクション発表 伝説のブルーワンダー復活

    メルセデスF1とアディダスは、2026年F1イギリスGPに向けた特別コレクション「Blue Wonder Collection(ブルーワンダー・コレクション)」を発表した。

    1955年にメルセデスが使用した伝説的な高速輸送車「ブルーワンダー」に着想を得たこのコレクションは、チームの歴史と伝統を称えるとともに、シルバーストンでのホームレースを彩る特別デザインとして展開される。

    1955年の伝説的輸送車をモチーフに採用
    ブルーワンダー・コレクションは、1955年シーズンにメルセデスのレーシングカーをサーキットへ運搬するため製作された高速輸送車「ブルーワンダー」からインスピレーションを得ている。

    チーム本拠地のブラクリーおよびブリックスワースに最も近いレースであるシルバーストンを舞台に、メルセデスの歴史的遺産を現代的なモータースポーツアパレルとして再解釈した。

    コレクション全体は輸送車を象徴する鮮やかなブルーを基調とし、当時の車両に使用されていたホワイトのレタリングを思わせるディテールを採用。伝統と革新を融合させたデザインとなっている。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ラッセルとアントネッリがイギリスGPで着用
    コレクションはジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリをはじめ、メカニックやエンジニアなどチーム全員がイギリスGP週末に着用する予定だ。

    中心となるドライバーズジャージーはブルーをベースに、伝統的な雰囲気を演出するフェードピンストライプを採用。ホワイトのロゴや肩、襟、袖口のアクセントによって統一感のあるデザインに仕上げられている。

    さらにジャケット、パンツ、シューズ、アクセサリーまで展開され、チームスタッフからファンまで楽しめるフルコレクションとなっている。

    「すべての夢にはチームが必要だ」
    ドライバーズジャージーには「Every Dream Needs a Team(すべての夢にはチームが必要だ)」というメッセージが添えられている。

    これはガレージからレース現場まで、すべての成功がチームワークによって支えられていることを表現したものだ。

    また、英国の伝統的なハリントンジャケットもラインアップに加えられ、ブルーワンダーをイメージしたカラーリングとタータンチェックの裏地によってホームレースとの結び付きを強調している。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ イギリスグランプリ

    アディダス初のモータースポーツ向けトレフォイル
    今回のコレクションでは、アディダスの象徴的なトレフォイルロゴが全アイテムに採用された。

    アディダスによると、トレフォイルロゴが現代のモータースポーツコレクションで全面的に使用されるのは今回が初めてだという。

    アディダスのモータースポーツ部門ゼネラルマネージャー、マイケル・バッツは次のように語った。

    「街からパドックまで、すべてを青で染め上げるコレクションを作り上げた。現代のモータースポーツでトレフォイルを採用する初めての試みとなる」

    「伝統、革新、チームワークを称えながら、1955年の高速輸送車を現代的なアパレルとフットウェアとして再解釈した」

    一方、メルセデスF1のチーフ・コマーシャル・オフィサーであるリチャード・サンダースは次のようにコメントした。

    「サーキットで成功するためにはチーム全員の力が必要だ。アディダスとともに、その精神を体現するコレクションを作り上げた」

    「このコレクションはジョージのホームレースとチーム、そして毎年シルバーストンを埋め尽くす何万人ものファンやマーシャル、さらに世界中の視聴者を結び付ける存在になる」

    「私たちの歴史を象徴する一台を称えると同時に、その背景にある革新と協力の精神を表現している。イギリスGPでスタンドやパドックが青く染まる光景を見るのが楽しみだ」

    ブルーワンダー・コレクションは6月16日から販売が開始されており、2026年F1イギリスGPではメルセデスF1チーム全体が着用する予定となっている。

  • メルセデスF1が“えこひいき説”を一蹴「まるで別の言語を聞いているようだ」

    メルセデスF1が“えこひいき説”を一蹴「まるで別の言語を聞いているようだ」

    2026年F1タイトル争いが激しさを増すなか、メルセデスのテクニカルディレクターであるジェームズ・アリソンが、チーム内で特定ドライバーを優遇しているとの憶測を強く否定した。

    ジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリのコンビを擁するメルセデスでは、近ごろファンの間で「ラッセルが優遇されている」「いやアントネッリこそチームの本命だ」といった議論が活発化している。しかしアリソンは、そうした見方はチーム文化とは相容れないものだと強調した。

    ラッセル派とアントネッリ派の論争が過熱
    メルセデスは公式コンテンツ『Nu Silver Arrows Radio Show』の中で、この話題を異例の形で取り上げた。

    発端となったのは、バルセロナ・カタルーニャGPでのチームメイト同士のバトルだ。ラッセルとアントネッリが争う間にタイムを失い、その隙を突いたフェラーリのルイス・ハミルトンが勝利を手にしたことで、チームのマネジメント方針に注目が集まった。

    しかしチーム代表のトト・ヴォルフは以前から、両ドライバーに平等な機会を与えていると説明しており、チームオーダーを検討するのは外部のタイトル争いのライバルが明確な脅威となった場合だけだと語っている。

    アリソン「優遇という発想自体が異質」
    アリソンはチーム内優遇説について、極めて明確な言葉で否定した。

    「ファンは応援するドライバーに強い思い入れを持っていて、自分が支持するドライバーに成功してほしいと願うものだ」

    「だが、その考え方がチームの中でどのように受け止められているか知りたいなら、実際にチームで働いてみる必要がある」

    「もしチームで働けば、その文化を理解するだろう。そして、そうした考え方がチームの誰にとってもいかに異質なものか分かるはずだ」

    「私たちがそうした話を耳にすると、まるで別の言語を聞いているような感覚になる」

    アリソンの発言からは、ドライバーごとに待遇差を設けているという見方に対する強い違和感と苛立ちがうかがえる。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    メルセデスが重視するのはコンストラクターズ王座
    アリソンによれば、F1チームにとって最も重要なのはドライバーズタイトルではなくコンストラクターズ選手権だという。

    「我々にとって最も重要なのは、両ドライバーが成功することだ」

    「正直なところ、どちらが上回るかにはこだわっていない。毎レースで1-2フィニッシュを達成したいだけで、その順番は問題ではない」

    さらに、チームがどちらか一方を優先するのは極めて限定的な状況だけだと説明した。

    「一方のドライバーにタイトル獲得の可能性がなくなり、もう一方が他チームのドライバーと選手権を争っている場合、その時になって初めてチームとして意見を持つ権利が生まれる」

    「しかし、それまでは両ドライバーに常に上位を走ってほしいと考えている」

    アリソンは、チームの報酬や評価はコンストラクターズランキングによって決まることを指摘し、「えこひいきは我々にとって何の意味もない」と断言した。

    タイトル争いが本格化するまで方針は不変
    アントネッリがランキング首位を走り、ラッセルも依然としてタイトル圏内に位置するなか、ファンの間では「メルセデスはどちらを優先するのか」という議論が今後も続きそうだ。

    しかし少なくとも現時点でチームの姿勢は明確である。選手権の計算上、どちらか一方を支援する必要が生じるまでは、ラッセルとアントネッリの両者から最大限のポイントを獲得することが最優先課題だということだ。

    メルセデスは、タイトル争いの主役が誰であれ、まずは2台揃って勝利を目指すという原則を崩すつもりはない。

  • メルセデスF1 連続DNFの原因特定 バッテリー問題に新モジュール投入へ

    メルセデスF1 連続DNFの原因特定 バッテリー問題に新モジュール投入へ

    メルセデスF1が今季相次いで発生したリタイアの原因を特定した。ジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリを襲った痛恨のDNFは、いずれもパワーユニットのバッテリーシステムに起因する問題だったことが明らかになった。

    カナダGPでは首位を走行していたラッセルがリタイアを喫し、前戦バルセロナ・カタルーニャGPでは2番手を走行していたアントネッリも同様に戦列を離脱した。タイトル争いを続けるメルセデスにとって、大量ポイントを失う大きな痛手となっていた。

    チームのテクニカルディレクターを務めるジェームズ・アリソンは、チーム公式ポッドキャスト『Nu Silver Arrows Radio Show』で、問題の原因を突き止めたことを明かした。

    共通する原因はバッテリーシステム
    メルセデスは今季、ワークスチームだけでなくカスタマーチームでも複数の信頼性トラブルに見舞われている。しかしアリソンによれば、それらはすべてバッテリーの同じ領域に起因しているという。

    「熱心にF1を見ている人なら、今季ここまでメルセデス製パワーユニットを搭載した数台が同様の問題で止まっていることに気付いているだろう」

    「すべてがまったく同じ故障ではないが、広い意味ではバッテリーの同じ部分から発生している」

    アリソンはリスクの大半を把握しており、改良版コンポーネントの投入を進めていると説明した。

    「リスクのある領域の大部分は理解できていると思う」

    「僕たちが『モジュール』と呼んでいるバッテリーの新しい仕様をシーズン中に段階的に投入できれば、メルセデス勢全体の状況は改善するはずだ」

    「もちろん僕たちにとって非常に重要なことだ。こうしたDNFは本当に痛い」

    この問題はメルセデスだけではなく、カスタマーチームであるマクラーレンでも今季たびたび発生している電気系統トラブルとの関連が指摘されている。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    なぜテストを重ねても故障は起きるのか
    F1チームは膨大なシミュレーションとベンチテストを行っているが、それでもレース環境で初めて露呈する弱点は存在するとアリソンは説明する。

    「故障は起こり得るものだと受け入れなければならない」

    「その故障がテストやベンチ上で発生し、チャンピオンシップポイントを争う実戦で起きないよう最大限努力している」

    「だが現実には常にうまくいくわけではない。マシンがリタイアしたなら、それは僕たちのプロセスが失敗したということだ」

    アリソンによれば、問題が発覚した直後は原因が完全に判明していなくても、まずは機器への負荷を下げる保守的な運用を行うという。

    「こうした故障が起きた場合、原因が完全に解明される前の段階では、チームは少し慎重な方向へ戻る傾向がある」

    「問題を抱えている機器に余裕を持たせるため、少し負荷を下げて運用するんだ」

    その一方で、別のエンジニアリングチームが根本原因を解析し、再発しない設計へ改良を進める。

    「まずは脆弱な部分に楽をさせる応急処置を行う。その後で本当の治療法を開発する」

    「原因を突き止め、設計から問題を取り除き、十分な耐久性を持つ解決策を実現するんだ」

    オーストリアGP以降が試金石
    メルセデスは問題の原因を把握し、対策の方向性も明確になったとしている。しかし改良型バッテリーモジュールが実戦で十分な信頼性を示すまでは慎重な運用が続く見通しだ。

    次の5週間で4レースが予定されており、まずはオーストリアGPから過密日程が始まる。コンストラクターズ選手権とドライバーズ選手権の両方を争うメルセデスにとって、速さだけでなく信頼性の回復が今後の最大の課題となりそうだ。