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  • ホンダF1 「現時点での我々のパフォーマンスと信頼性には満足していない」

    ホンダF1 「現時点での我々のパフォーマンスと信頼性には満足していない」

    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、2026年第2回F1バーレーンテスト最終日を終え、アストンマーティンとの取り組みについて「現時点でのパフォーマンスと信頼性には満足していない」と率直に語った。

    アストンマーティンは最終日、ランス・ストロールがインスタレーションを含めてわずか6周で走行を打ち切り、「本日のプログラムは完了した」と発表。午後の大半をガレージで過ごす結果となった。

    前日にはフェルナンド・アロンソのマシンにバッテリー関連の問題が発生。ホンダはパワーユニット関連パーツの不足を考慮し、周回数を大幅に制限した限定的な走行プランへと変更していた。第2回テスト全体でも総周回数は最少にとどまり、開幕前の準備状況に不安が残る。

    その状況を受け、HRC F1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は次のように語った。

    「今週のテストにおける我々の主な目標は、パワーユニットの走行距離を積み重ね、エンジンの信頼性を確認し、データを収集することでした。データの収集自体は成功しましたが、目標としていた累積走行距離には到達できませんでした」

    「木曜日にパワーユニットの問題を特定し、テスト最終日にかけて我々全員が解決策を見つけるために取り組んできました。夜通し、そして本日も、HRCさくら、シルバーストンのAMRTC、そしてバーレーンのクルーが協力し、パーツ不足を考慮したうえで共同で合意した限定的な走行プランを実施しました」

    「全体として、現時点での我々のパフォーマンスと信頼性については満足していません」

    データ取得という成果はあった一方で、走行距離不足と信頼性の課題は依然として残されたままだ。開幕戦オーストラリアGPまでにどこまで改善できるかが焦点となる。

    ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

  • ホンダF1 パワーユニット関連パーツの不足で最終日の周回数を大幅に制限

    ホンダF1 パワーユニット関連パーツの不足で最終日の周回数を大幅に制限

    ホンダは、2026年F1バーレーンテスト2日目の走行中に発生したトラブルについて声明を発表した。

    アロンソは2日目に合計68周を走行。午後のセッションではホンダがパワーユニット関連の問題を確認したことを受け、予防措置としてチームはマシンを停止させた。車両は安全にガレージへ戻され、さらなるチェックとメンテナンスが行われている。

    ホンダによると、フェルナンド・アロンソのマシンにバッテリー関連の問題が確認され、アストンマーティンとのテスト計画に影響が出ているという。

    ホンダは声明で「昨日2/19(木)バーレーンテスト2、2日目の走行中にフェルナンド・アロンソ選手のマシンにバッテリー関連の問題が発生し、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワン・チームとのテスト計画に影響が出ています」と説明。

    「それ以降、HRC Sakuraにてトラックサイドと同時並行でテストベンチでの確認と分析を実施しています」

    「本日の走行プランについては、パワーユニット関連パーツの不足により周回数を大幅に制限し、短いスティントのみで構成する走行プランに変更しています」と走行プログラムを大きく縮小せざるを得ない状況であることを示した。

    開幕戦オーストラリアGPを前に、2026年の新レギュレーション下での信頼性確保は各陣営にとって重要課題となっており、ホンダとアストンマーティンにとっても早期の原因究明と対策が求められる。

    ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

  • アストンマーティン・ホンダF1に再び問題 アロンソ走行中にPU異常でストップ

    アストンマーティン・ホンダF1に再び問題 アロンソ走行中にPU異常でストップ

    バーレーンで行われている2026年F1プレシーズンテストで、アストンマーティンに再びトラブルが発生した。フェルナンド・アロンソが走行中にマシンを停止させ、チームは赤旗の下で回収作業を行う事態となった。

    開幕戦を前に周回数の積み上げを目指すなかでのアクシデントは、苦戦が続くプレシーズンにさらなる不安を投げかける出来事となった。

    アストンマーティンの苦境は木曜日も続いた。フェルナンド・アロンソは2日目の走行を担当し、68周を消化していたが、ターン3を回った直後にマシンのペースを落とした。

    そしてターン4に差しかかったところで状況はさらに深刻化した。エンジン回転数が突如として大きく跳ね上がり、マシンは走行不能となった。

    アロンソはAMR26から降り、自力でピットレーンへと戻った。その後、赤旗が提示され、アストンマーティンのメカニックがマシン回収のためにコースへ向かった。

    アストンマーティンは今季プレシーズンを困難な状況で迎えている。バルセロナでの最初の3日間のシェイクダウンテストを欠席し、その後も走行距離の確保に追われる状況が続いてきた。

    前日にはランス・ストロールがスピンしてグラベルに飛び出す場面もあり、安定したプログラム消化ができていない。開幕戦が迫るなかでの今回のストップは、チームの懸念をさらに広げる可能性が高い。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

  • アストンマーティン・ホンダF1 苦戦続く「マシンを走らせ続けられない」

    アストンマーティン・ホンダF1 苦戦続く「マシンを走らせ続けられない」

    アストンマーティンは2026年F1プレシーズンテストで厳しい状況が続いている。トラックサイド責任者のマイク・クラックは、チームが依然として初期トラブルに直面していることを認めた。

    バーレーン・インターナショナル・サーキットで行われた先週の3日間のテストでは、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールの合計周回数は203周にとどまり、走行した11チーム中で最少だった。今週の再訪では巻き返しが期待されたが、状況はさらに悪化した。

    アロンソはパワーユニット関連の問題により午前中の大半を走れず、わずか28周に終わった。ストロールもアクティブエアロとみられる問題でターン11でグラベルに飛び出し、26周しか走行できなかった。

    マイク・クラックは“成長痛”ではないかと問われ、次のように語った。

    「それは妥当な判断だと思う」とマイク・クラックは語った。

    「信頼性が必要だ。とにかくマシンを走らせ続けなければならない。今のところ、我々は望んでいたほど走らせ続けることができていない」

    「1周ごとに学びがある。走れなかった周回があれば、その分を取り戻さなければならない。素晴らしいスタートとは言えない」

    「我々にはやるべき仕事があることを認識しているし、他のチームのレベルに達していないことも理解している」

    「しかし、すべてが新しい。ホンダとのパートナーシップ、ギアボックスやサスペンションも自分たちで手掛けている。これは大きな挑戦だ」

    「立ち上げ段階特有の問題、いわゆる初期トラブルであってほしいが、スタートが困難でも、問題を見つめて一つひとつ解決していくしかない」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    さらにマイク・クラックは、1月のバルセロナでの5日間のシェイクダウンテストで、AMR26が4日目の最終1時間までコースインできなかったことにも言及した。その際もランス・ストロールは4周後にマシントラブルで停止している。

    バーレーンでも同様の傾向が続いており、チームは「クルマのあらゆる領域で多くの小さな問題」に苦しんでいるという。

    「新しい電子系、新しいパートナー、新しいギアボックス、新しいサスペンションがある」とマイク・クラックは語った。

    「単一の原因を切り分けるのは難しい。それができれば一番簡単だ。ひとつだけの問題なら、そこに全力を注げる」

    「テストへの出遅れが信頼性面でより困難な状況を招いているのかもしれない。だが、周回を重ねなければならない。我々はトップ勢の3分の1ほどの周回数しかない。それでは後れを取る」

    「現実を受け止めて追いつくしかない。彼らは我々を待ってはくれない。我々は全力で食らいついていかなければならない」

  • フェルナンド・アロンソ、アストンマーティン・ホンダF1は「出遅れている」

    フェルナンド・アロンソ、アストンマーティン・ホンダF1は「出遅れている」

    アストンマーティンは2026年F1シーズン開幕を前に、厳しい立ち上がりを迎えている。エイドリアン・ニューウェイが設計を主導した新車AMR26はバルセロナでのシェイクダウンに遅れて登場し、十分な走行距離を確保できなかった。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)はスペイン紙の取材に対し、チームが新時代のスタートで後手に回っていることを率直に認めた。

    「僕たちは間違いなく出遅れている。まだスタート地点に立ったばかりだ。まだ本当の意味では始まっていないと思う」とフェルナンド・アロンソは語った。

    「バルセロナでは多少走ることはできたけれど、僕にとってはフィルミングデーのようなものだった。他のチームがシルバーストンで非公開で行った200キロのシェイクダウンと同じことを、僕たちはできなかった」

    バルセロナは事実上、パフォーマンステストではなく初期システムチェックに過ぎなかったという。

    「マシンの一部は最高速域での検証ができていなかったし、ストレートでは時速280キロに制限しなければならなかった。準備が限界まで押し込まれていたことを示す一例だ」

    そのため、AMR26の競争力についての感触はまだ得られていないと明かす。

    「まだ分からない。マシンが良いのかどうか判断できる感触はない」とアロンソは認めた。

    「バーレーンが僕たちにとって本当の最初のテストであり、マシンとの最初の本格的な接触になる。バルセロナはエンジンを始動させて、すべてが機能するか確認しただけだ」

    フェルナンド・アロンソ ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    遅れはシャシーだけでなく、パワーユニット面にも及んでいる。

    「僕たちにはいくつかの課題があると認識しているし、これは僕だけが言っているわけではない。エイドリアンもそう言っている」とアロンソは述べた。

    「他チームが進めていた作業よりも数か月遅れていたと彼は考えている。同じことがホンダにも言える。エンジンについては想定よりも多くの困難があった」

    メルボルン開幕戦まで1か月を切る中、すべての問題が解決されるわけではないという見通しも示した。

    「プロジェクトの競争力に関して解決すべき課題があると僕たちは考えているが、時間は多くない」

    「いくつかの問題はオーストラリアまでに解決しないだろうし、最初の3〜4戦はそれらと付き合っていくことになる」

    それでも、ライバル陣営がアストンマーティンの動向を注視していることについては、ニューウェイの存在そのものが理由だと説明する。

    「これはニューウェイ効果だ。いつもそうだった」とアロンソは語った。

    「彼がテストでマシンを披露すれば、誰もがそのマシンを注視し、何ができるのか、何がコピーできるのかを見る。今度はそれが僕たちのライバルに起きる」

    2026年シーズンは長期戦になるとも強調した。

    「これはスプリントではなくマラソンだ」とアロンソは述べた。

    「開発競争は非常に長く続く。重要なのはスタートではなくフィニッシュだ。シーズン後半のほうが前半よりも重要になる」

  • ランス・ストロール アストンマーティンF1新車初走行「ホンダPUに慣れる段階」

    ランス・ストロール アストンマーティンF1新車初走行「ホンダPUに慣れる段階」

    ランス・ストロールは、バルセロナで行われている2026年F1シェイクダウン終盤に、アストンマーティンの新車AMR26を初めてコースに送り出した。新レギュレーション対応マシンに加え、ワークスパートナーであるホンダの新パワーユニットも初走行を迎える一日となり、チームにとって大きな節目となった。

    数週間ぶりにマシンへ戻ったストロールは、限られた周回数ながらも前向きな感触を口にしつつ、AMR26がいかに大規模かつ複雑なプロジェクトであるかを強調。

    残りのシェイクダウンでは、周回を重ねながらマシン理解とデータ収集に集中していく考えを示した。

    Q:ランス、新しいアストンマーティンがついにコースに登場しました。今日の午後、そのマシンを初めて走らせましたが、実際に走ってみてどうでしたか。

    良かった。数週間ぶりにマシンに戻れて、またクルマに乗れたのはうれしかった。今日マシンを仕上げるために、チーム全員が本当によくやってくれたと思う。メカニックも含めて、みんなが全開で準備してくれた長い一日だった。その結果、終盤に何周か走ることができたし、感触も良かった。

    ランス・ストロール アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    Q:新レギュレーションの新車に加えて、新しいホンダのパワーユニットもあります。このプロジェクトはチームにとってどれほど大きなものだったのでしょうか。そのプロセスについて教えてください。

    大きなプロジェクトだし、すごく複雑だ。とにかく膨大な時間がこのマシンに注ぎ込まれている。だからこそ実際にステアリングを握れたのはうれしかったし、新しいホンダのパワーユニットや、この新世代のマシンに慣れていく段階に入れたのは良かった。ワクワクする気持ちがある。

    Q:今回のバルセロナ・シェイクダウンで、残りの走行に向けたチームの課題は何でしょうか。

    とにかく周回を重ねて、学ぶことだ。マシンを理解して、強みと弱みを把握する。そのために、これらの新しいマシンについて、できるだけ多くの情報を集めていく。

  • アストンマーティン・ホンダF1、2026年F1マシン『AMR26』が初走行

    アストンマーティン・ホンダF1、2026年F1マシン『AMR26』が初走行

    エイドリアン・ニューウェイが初めて設計を手がけたアストンマーティン・ホンダの2026年F1マシンAMR26が、バルセロナで行われているシェイクダウンテスト4日目の木曜午後、残り1時間というタイミングでようやくコースに姿を現した。

    水曜夜にスペイン入りしたマシンを走らせるため、アストンマーティンのメカニックたちは深夜まで、さらに木曜の大半の時間を費やして準備を進め、テスト終盤日の走行にこぎ着けた。

    最終1時間のみの走行とブラックカーボン仕様
    AMR26が実際に走行できたのは、木曜のセッション最終1時間のみだった。マシンは全面ブラックのカーボンカラーで、ステアリングを握ったのはランス・ストロールだった。

    サーキット外から撮影された画像では、アグレッシブなアンダーカット形状のサイドポッド、興味深いエンジンカバーの処理、エアボックス下に大きな空間を持つ構成が確認された。スポンサーのロゴは一切なく、ノーズ側面にアストンマーティンのロゴがあるのみだった。

    3日間欠場とニューウェイ主導の開発
    アストンマーティンは、今週のバルセロナ・シェイクダウンの最初の3日間を欠場していた。各チームは最大3日間しか走行できないため、実質的に1日分の機会を失った形となる。

    その背景には、新車AMR26の製作を最終段階まで詰めていた事情がある。このマシンは、ニューウェイがチームに加入して以降、初めて設計を主導したF1マシンとなる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    遅れの理由とニューウェイの権限
    テスト初日を欠場した公式な理由は明かされていないが、ニューウェイがホンダ製パワーユニットを搭載する新車の設計において、極限までスケジュールを攻めた結果だとの見方も出ている。

    ニューウェイは今季、アストンマーティンのマネージング・テクニカル・パートナーに加え、チーム代表も兼任している。これにより、前チーム代表兼CEOのアンディ・コーウェルが一時的に別の役割へ移行した後、ニューウェイがチーム運営全体を掌握する体制となった。

    ホンダPUへのスイッチと厳しいスタートの覚悟
    アストンマーティンは2026年の新レギュレーション時代に向け、パワーユニットをホンダへ切り替えている。ただし、新エンジンパートナーであるホンダ側も、シーズン序盤が容易なものにならないことを認めている。

    今月初めに行われたホンダのエンジンローンチイベントで、ホンダ・レーシング・コーポレーションの渡辺康治社長は次のように語っている。

    「難しい。チャレンジングだ。だからこそ我々は取り組みたい。現在、さくらの施設でも信頼性テストとベンチテストを懸命に進めており、実車テストにつなげたいと考えている。非常にタイトなスケジュールだが、万全の準備を整えたい」

  • アストンマーティン・ホンダF1、タイトル連覇を掲げる“BHAG”構想

    アストンマーティン・ホンダF1、タイトル連覇を掲げる“BHAG”構想

    2026年からホンダのワークスチームとして新時代に挑むアストンマーティンF1が、明確な目標を掲げた。チーム代表兼CEOのアンディ・コーウェルは、「頂点に立ち、そこに居続ける」というビジョンのもと、“BHAG(Big Hairy Audacious Goal)”としてタイトル連覇を目指すと語った。

    エイドリアン・ニューウェイとエンリコ・カルディーレの加入により技術体制を刷新した同チームは、新ファクトリーと風洞設備の完成を経て、本格的な王者プロジェクトを始動。

    コーウェルの言葉どおり、アストンマーティン・ホンダF1は“挑戦者”から“王者志向チーム”へと進化を遂げようとしている。

    コーウェルが語る“頂点に立ち、そこに居続ける”ビジョン
    アストンマーティンF1のアンディ・コーウェルは、将来的に“連続タイトル獲得”というチーム目標を達成できると確信していると語った。「頂点に立ち、そして頂点に居続ける」という明確なビジョンを共有したかたちだ。

    かつてレーシングポイントとして戦ってきたチームは2021年にアストンマーティンへと生まれ変わり、その後、体制強化を進めてきた。マネージングテクニカルパートナーのエイドリアン・ニューウェイ、チーフテクニカルオフィサーのエンリコ・カルディーレなど、著名エンジニアが次々と加入。また、シルバーストンの新ファクトリーも稼働し、2025年には新風洞が本格運用を開始している。

    アストンマーティンの“BHAG”──ニューウェイ体制で現実味は増すか
    コーウェルは2024年10月にCEOとして加入し、2025年1月からチーム代表も兼任。チーム公式YouTubeのインタビューで「大きな、大きなゴール」について語った。

    「正直であること、過剰に約束しないこと、そして焦点をひとつに絞ること──それはレースカーだ。すべてはレースカーに帰結する。全員が『そのレースカーのために何をするのか』と考えるべきなんだ」

    「大きく、みんなが“不可能だ”と思うような目標を掲げ、それを可能にする。それがチームワークだ。頂点に到達し、そこに居続けるというビジョン。私は“BHAG”と呼んでいる。Big Hairy Audacious Goal(大きく、大胆で、無謀に見える目標)だ」

    その“BHAG”とは何かと問われると、コーウェルは明確に答えた。

    「複数のタイトルを、連続で獲得することだ」

    それは実現すると信じているのかと追及されると、彼は迷いなく言い切った。

    「我々はそのために努力している。そう、実現する」

    さらに「偉大さとは何か」についても触れた。

    「チームワークだ。工学ビジネスとして、チームで働き、レースカーのために尽くすということだ」

    成功を急ぎたいスタッフもいるはず、という質問にはこう返した。

    「そのハングリーさを持とう。私自身にもそれがある。達成したと感じる日は一日もない」

    現在、アストンマーティンはコンストラクターズランキング7番手(69ポイント)。6番手レーシングブルズとはわずか3ポイント差と、ミッドフィールドは混戦となっている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    アストンマーティンの“連覇宣言”の真意
    アストンマーティンは明らかに「トップチーム化の第2フェーズ」に入っている。ニューウェイとカルディーレの獲得、新施設の本格稼働、そしてコーウェルの指揮。単なる上位争いではなく、「王者文化の構築」が合言葉だ。

    “BHAG”という表現は、内部マネジメントにおける“文化スローガン”の色合いが強い。ただし、目標を“連覇”と明言した点は、現場とファン双方への強烈なコミットメントでもある。アストンマーティンが中長期的にチャンピオンチームへと変貌するための、方向性の明確化ともいえるだろう。

    現実的障壁:2026年PU時代と競合勢力
    2026年にホンダとのワークス体制が本格化するものの、その過程には依然として多くの未知数が存在する。新世代パワーユニット(PU)規定の下で性能バランスがどのように変化するのか、レッドブル、メルセデス、フェラーリといったトップ勢との技術競争をどこまで拮抗できるのか、さらに急速な組織拡大に伴うオペレーション面での課題をどう克服するかが大きな焦点となる。コーウェルが掲げる“連覇”のビジョンを現実のものとするには、まず単発的な勝利ではなく、安定して勝利を重ねられる体制づくりが不可欠だ。

    評価:野心は本物、時間軸が鍵
    アストンマーティンは現在、「挑戦者」から「王者志向チーム」へと明確に進化を遂げつつある。しかし、頂点に到達し、そこに居続けるためには、継続的な技術革新に加え、フェルナンド・アロンソとランス・ストロール以降を見据えたドライバーラインアップの安定、そしてチームマネジメントの成熟が求められる。現時点ではやや強気にも映るコーウェルの発言だが、その裏にはチーム全体の士気を高め、組織をひとつにまとめ上げるための明確なリーダーシップ戦略がある。野心の方向性は正しく、あとはそれを実現へと導く時間軸のマネジメントが問われることになる。

  • ホンダF1 アストンマーティンと挑む“第5期”「継続的にF1で戦い続ける覚悟」

    ホンダF1 アストンマーティンと挑む“第5期”「継続的にF1で戦い続ける覚悟」

    ホンダがF1の新たな時代へと歩み出す。1965年のメキシコGPで初優勝を挙げた伝説のマシン「RA272」が再びサーキットを走り、角田裕毅がそのステアリングを握った。創業者・本田宗一郎が掲げた「世界の頂点で戦う」という理念は、60年の時を経て現代に受け継がれようとしている。

    2026年、ホンダはアストンマーティンとタッグを組み、“第5期”として完全ワークス体制でF1に復帰する。

    三部敏宏CEOと渡辺康治HRC社長が掲げるのは「継続的にF1で戦い続ける覚悟」。過去の栄光と撤退を繰り返してきた歴史を乗り越え、ホンダは再び“挑戦するDNA”を胸に、新たな章を切り開く。

    ホンダ、F1復帰へ──過去へのオマージュと未来への布石
    ホンダはメキシコシティでの特別な週末を通じて、モータースポーツの原点と未来をつなぐ姿勢を鮮やかに示した。1965年のメキシコGPで初優勝を飾った伝説のマシン「RA272」が60年の時を経て再びサーキットに姿を現し、角田裕毅がそのステアリングを握ったのだ。創業者・本田宗一郎の「世界の頂点で勝負する」という精神が、2026年のアストンマーティンとのワークス復帰という新たな挑戦へと受け継がれている。

    日曜の朝、Autódromo Hermanos Rodríguezに響き渡ったのは、往年のホンダV12の咆哮。ピットレーンの一角で、白地に赤い日の丸をあしらったRA272が火を吹き、フェラーリのメカニックたちまでもがスマートフォンを構えた。角田裕毅が小さなコクピットに収まると、エンジンが短く唸りを上げ、60年前と同じコースを再び走り出した。

    1965年メキシコGP──ホンダ初勝利の原点
    1965年の最終戦メキシコGPは、1.5リッター時代最後のレースだった。すでにタイトルはジム・クラークに決まっており、いくつかのチームはやや気の抜けた状態で臨んでいた。しかしホンダは違った。標高2200メートルを超える高地に挑むべく、早朝6時から9時まで追加の練習走行を重ね、燃料混合やインジェクションの最適化に没頭した。

    その成果は圧倒的だった。リッチー・ギンサーとロニー・バックナムは予選で快走を見せ、ギンサーはクラーク、ダン・ガーニーに次ぐ3番手を獲得。決勝ではスタート直後に2人を抜き去り、終始トップを独走。ガーニーの猛追を振り切って、2.89秒差でホンダに初優勝をもたらした。

    レース後、チームマネージャーの中村良夫は東京の本社に「Veni, vidi, vici(来た、見た、勝った)」という電報を送った。ニューヨーク・タイムズは「ホンダの勝因は綿密なセッティング」と報じ、「小柄で陽気なギンサーは、これで真のチャンピオン候補になった」と称えた。だがそれは彼にとって最初で最後の勝利でもあった。

    ホンダ F1 本田技研工業

    本田宗一郎の理念──“世界の頂点で戦う”という夢
    「ホンダがまだとても小さな会社だったころ、創業者の本田宗一郎は“存在感を持つにはトップカテゴリーで戦う必要がある”と考えました」と語るのは、現ホンダCEOの三部敏宏氏だ。

    ホンダは1959年にマン島TTレースで二輪の世界に挑み、翌1961年には初勝利。四輪では1962年にF1参戦を決断し、まだ市販車さえ発売していなかった時代に、モータースポーツの頂点へと歩みを始めた。「誰もが驚きました。従業員も驚きました」と三部氏は笑う。「そして翌年、ここメキシコで初勝利を挙げました」

    2026年、ホンダは再び“ワークスチーム”としてF1に復帰する。ただし、そのカラーは赤ではなく“グリーン”──つまりアストンマーティンとの提携による新時代の幕開けだ。

    「第5期」への決意──ホンダのDNAを未来へ
    ホンダのF1参戦は波のように繰り返されてきた。マクラーレンと組んだ2015年の復帰から、レッドブルとの黄金期、そして2021年の撤退を経て、再び完全ワークス体制に戻る。

    「次の参戦を“第5期”と呼んでいます」と三部氏は語る。「これまでの各期の社長は“レースは金がかかる”として撤退を決めたこともありました。しかしホンダの社員は皆、レーシングDNAを持っています。だからこそ、もう一度安定した参戦を目指すことにしました」

    HRC社長の渡辺康治氏もこう続ける。「目標は“第6期をつくらない”ことです」と笑う。「つまり、撤退を繰り返さず、継続的にF1で戦い続ける覚悟です」

    コストキャップ時代の挑戦──技術と持続性の両立
    三部CEOは「F1は世界で最も金のかかるレースです」と語る。コストキャップ(予算上限)への対応は不可避であり、HRCはパフォーマンス部門を強化しながら、効率的なリソース管理を模索している。

    「ハイテク分野であるF1では、単純に削減はできません。新しい技術開発を続けるためにはバランスが必要です。コストキャップを守りつつ競争力を維持することが新たな挑戦になります」と三部氏は言う。

    ホンダ F1 HRC(ホンダ・レーシング)

    2026年、アストンマーティン・アラムコ・ホンダへ
    2026年、ホンダがアストンマーティンとともに投入する新パワーユニットは、持続可能燃料と100%ハイブリッド化を両立させた新世代仕様となる。アストンマーティンはすでにエイドリアン・ニューウェイを招聘し、400,000平方フィート規模の新テクノロジーキャンパスを完成させた。

    F1史上屈指の空力デザイナーとホンダのエンジニアリングが融合するこの布陣は、レッドブル黄金期の再来を予感させる。これまでホンダはエンジンメーカーとして89勝、6度のドライバーズタイトル、6度のコンストラクターズタイトルを誇る。

    ギンサーが初優勝を飾ったRA272が象徴する「夢への挑戦」は、2026年に“アストンマーティン・アラムコ・ホンダ”として新たな章を迎える。ホンダの物語は、まだ終わらない。

    ホンダ復帰の意義とF1の新局面
    ホンダの復帰は単なるブランドイメージ回復ではない。電動化・脱炭素化を推し進める企業として、F1という「技術実験場」を再定義する意味を持つ。アストンマーティンとの提携は、従来の「エンジン供給者」という枠を超え、共同開発型のテクノロジーパートナーとしての地位を築くものになる。

    一方で、HRCの開発スピードとニューウェイ主導の車体設計との整合性、そして限られたコスト内での技術革新が鍵を握る。2026年のホンダは、60年前と同じように“未知”に挑む立場にある。

    RA272が象徴する「創造の原点」を胸に、ホンダは再び世界の頂点を目指す。60年前に始まった夢の続きが、2026年のF1で再び現実になる。

  • ホンダF1、60年の激闘史を振り返る『Honda F1 PERFECT BOOK』発売

    ホンダF1、60年の激闘史を振り返る『Honda F1 PERFECT BOOK』発売

    ホンダF1参戦60周年&2026年シーズン復帰を記念して、『Honda F1 PERFECT BOOK』が2024年12月3日(火)に発売された。

    2024年、ホンダはF1参戦60周年という節目の年を迎えた。そして、2026年からはイギリスの「アストンマーティン」とタッグを組み、パワーユニットの開発・供給を手掛け、F1に本格参戦する。

    日本におけるF1の歴史は、ホンダ・レーシングの歴史そのもの。創業者・本田宗一郎氏のDNAは脈々と受け継がれ、日本のみならず世界中のレースファンを魅了してきた。ここで、あらためてホンダF1の歴史を振り返るとともに、2026年シーズンの展望を関係者に徹底取材。ホンダF1の応援やF1観戦がもっと楽しくなる公式ファンブックをお届け。

    さらに特別付録として、ホンダのF1参戦60周年記念ロゴをデザインした、オリジナルデザインのランヤード・パスケース付き。F1観戦のおともにぴったりのアイテムだ。

    ■ 本誌独占取材
    ・ 現役日本人F1ドライバー 角田裕毅

    ・ ホンダ・レーシング代表取締役社長 渡辺康治

    ・ 同エクゼクティブ・チーフエンジニア F1PU開発総責任者 角田哲史

    ・ レーシングドライバー 佐藤琢磨

    ・ アストンマーティン エイドリアン・アトキンソン

    ・ F1解説者 森脇基恭

    ・ F1ジャーナリスト 川井一仁

    ・ F1解説者 浜島裕英

    ・ 特別寄稿 “F1大好き俳優” 田辺誠一

    ■ コンテンツ
    ・ ホンダF1激闘の60年を振り返る

    ・ 4期にわたる活動を支えた戦士たち ドライバー列伝

    ・ アイルトン・セナとホンダ 無限の可能性を高めあった朋友

    ・ 伝説の16戦15勝を生んだ5つのキーポイント

    ・ ドキュメント 本田宗一郎とホンダF1第1期 F1初挑戦の「夢」と「意地」

    ・ 2026年のF1、何が変わる? 激動の時代到来の予兆

    ・ 威信をかけた新時代の覇権争い パワーユニット開発競争の現在地 ほか

    ホンダF1
    ホンダF1 参戦60年

    ■特別付録:Honda F1参戦60周年記念ロゴ入りランヤード・パスケース
    Honda F1参戦60周年記念ロゴ入りランヤード・パスケース

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