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  • ホンダF1 2027年PU規則変更への反対を否定 V8回帰議論にも前向き

    ホンダF1 2027年PU規則変更への反対を否定 V8回帰議論にも前向き

    ホンダは、F1が検討を進める2027年以降のパワーユニット(PU)規則見直しに反対しているとの報道を否定した。また、将来的なV8エンジン回帰の議論についても、詳細な提案を確認した上で協議に応じる姿勢を示した。

    2026年から導入された新世代PUは電動出力の比率が大幅に高められているが、ドライバーやチームからはエネルギーマネジメントへの依存度が高すぎるとの懸念が上がっている。

    一部ではホンダが規則変更に消極的だと報じられていたが、ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長はその見方を明確に否定した。

    2027年規則変更への反対報道を否定
    渡辺康治は、F1の魅力や安全性を高めるための取り組みには前向きな立場だと説明した。

    「私たちにとって最も重要なのは安全性であり、F1がファンにとって魅力的なものであり続けることです。そのため、現在の状況を改善するための取り組みには前向きです」

    「2027年規則の改訂に反対しているという報道もありましたが、それは事実ではありません。私たちはFIAの決定を尊重しています」

    FIAは新世代PUの基本理念を維持しながら、レースの質を向上させるための提案をメーカー各社に提示する見通しとなっている。

    ホンダは提案内容を精査へ
    現時点でホンダはFIAから正式な提案を受け取っておらず、内容を確認した上で評価する考えだ。

    「まだFIAの提案を見ていませんので、受け取った段階で検討します」

    「急速な変化や予測不可能な状況に対応することはF1の本質の一部であり、それこそが挑戦する価値のある理由です」

    「そうした環境の中で技術を磨くことは、創業以来のホンダの理念でもあります。私たちはそこにF1参戦の価値を見出しています」

    ホンダは2026年からアストンマーティンのワークスパートナーとしてF1に本格復帰しており、技術開発の場としてF1を引き続き重視している姿勢を強調した。

    ホンダF1(ホンダ・レーシング)

    V8エンジン回帰にも協議姿勢
    近年はFIAのモハメド・ビン・スライエム会長を中心に、持続可能燃料を使用するV8エンジンへの将来的な回帰案も議論されている。

    すでにフォード、ゼネラルモーターズ、レッドブル・フォード、メルセデスなどが検討に前向きな姿勢を示しているが、ホンダも同様に議論に参加する意向を明らかにした。

    「内燃エンジンが12気筒であろうと、10気筒、8気筒、6気筒であろうと、F1は常に最先端技術の競争であるべきだと考えています」

    「V8エンジンについては、まだ詳細な提案を受け取っていないため具体的なコメントはできませんが、議論には前向きです」

    「私たちはF1とFIAがこのスポーツにとって正しい判断を下すと信じています」

    「ファンにとってレースをより魅力的なものにする発展であれば、私たちは支持します」

    2027年の規則見直しと将来的なエンジンフォーミュラの方向性を巡る議論が本格化する中、ホンダは柔軟な姿勢を示しながらも、F1の技術的価値と競技性の両立を重視する考えを鮮明にしている。

  • ホンダF1 バルセロナで課題検証「スロットル開度でエネルギー運用に大きな差」

    ホンダF1 バルセロナで課題検証「スロットル開度でエネルギー運用に大きな差」

    ホンダは、今週末に開催されるF1第7戦バルセロナ・カタルーニャGPでパワーユニットパッケージの課題検証を進める。

    ホンダF1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、カタルーニャ・サーキットではドライバーのスロットル操作がエネルギーマネジメントに大きな影響を与えると指摘した。

    また、事前シミュレーションで検証してきた内容が実走でどのように再現されるかを見極めることが重要になるとの見通しを示した。

    2026年F1世界選手権第7戦バルセロナ・カタルーニャGPが、6月12日(金)からスペインのカタルーニャ・サーキットで開催される。大会初日はフリー走行1回目と2回目、13日(土)にフリー走行3回目と予選、14日(日)に決勝レースが行われる。

    アロンソの母国レースに挑むホンダ
    バルセロナ・カタルーニャGPは、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソにとって母国レースとなる。折原伸太郎は、ホンダにとっても特別なイベントだと語った。

    「バルセロナ・カタルーニャGPはフェルナンド・アロンソ選手の母国レースであり、我々にとっても非常に特別なイベントです」

    現在のパフォーマンスは目標とするレベルには達していないと認めつつも、ドライバーたちが最大限の力を発揮できるよう取り組んでいく姿勢を示した。

    「もちろん、現状のパフォーマンスは目指しているレベルには達していませんが、ドライバーたちに最大限のパフォーマンスを提供できるよう全力を尽くします」

    総合力が試されるカタルーニャ・サーキット
    カタルーニャ・サーキットは、高速・中速・低速コーナーをバランスよく備えたレイアウトから、長年にわたりF1のテストコースとして使用されてきた。

    折原伸太郎は、このコースがF1カレンダーの多くのサーキットと共通する特徴を持っているため、マシンやパワーユニットの総合力を評価するうえで重要な舞台になると説明した。

    「カタルーニャ・サーキットは、F1カレンダーの他のサーキットと共通する特徴を多く備えているため、テスト開催地として使用されています」

    「高速・中速コーナーに加え、いくつかの低速セクションが存在し、特に中速から低速コーナーにかけては、総合力の高いPUパッケージが不可欠となります」

    ホンダF1 本田技研工業

    スロットル開度がエネルギー運用の鍵
    2026年レギュレーションでは、エネルギーマネジメントが競争力を左右する重要な要素となっている。

    折原伸太郎は、中速および高速コーナーでのスロットル操作がエネルギー運用に大きく影響すると指摘した。

    「中速および高速コーナーにおける各ドライバーのスロットル操作も重要なポイントです」

    「リフトするか、全開にするのかドライバーやマシンごとに操作が異なると想定していますが、開度によってエネルギーマネジメントに大きく差が出ます」

    ホンダはシミュレーション上でさまざまな状況を検証してきたが、今回のバルセロナではそれらの結果が実際のサーキットでどのように再現されるかを重点的に確認する。

    「シミュレーションでは様々な状況を検証してきましたが、それが実際のトラックでどう再現されるかを見極めることが重要になります」

  • ホンダF1が明かす2026年苦戦の理由 「3つの技術革命」と再建の代償

    ホンダF1が明かす2026年苦戦の理由 「3つの技術革命」と再建の代償

    ストンマーティンとタッグを組んで2026年F1新レギュレーションに挑んだホンダだが、開幕から6戦を終えた時点で厳しい戦いを強いられている。アストンマーティンは依然として下位グループでの戦いが続いており、パワーユニット性能を巡る議論もパドック内で絶えない状況だ。

    これまで苦戦の要因については様々な憶測が飛び交っていたが、ホンダは今回、その背景にある技術的課題を初めて詳細に説明した。

    2026年レギュレーションで何が変わり、なぜ開発が難航したのか――その実情が明らかになっている。

    ホンダF1プロジェクトの責任者の一人である角田哲史は、SoyMotor.comの独占取材に対し、現在の苦戦が単一の問題ではなく、2026年のレギュレーション変更によって生じた複数の技術課題の積み重ねであることを明かした。

    50:50化したERSがエネルギーマネジメントを激変
    2026年F1レギュレーションで最大の変化のひとつが、内燃エンジン(ICE)とエネルギー回生システム(ERS)の出力比率だ。

    従来よりも電動化の比重が大幅に高まり、ICEとERSの出力割合は事実上50:50となった。

    角田哲史は、この変化がパワーユニット運用を根本から変えたと説明した。

    「ICEとERSの比率が50:50となり電動化が進んだことで、特にエネルギーマネジメントに関する運用は著しく複雑になりました」

    単純に高効率なエンジンを開発するだけでは不十分となり、どのタイミングでエネルギーを回収し、どれだけ蓄え、いつ放出するかがパフォーマンスを左右する時代になった。

    2026年型パワーユニットでは、このエネルギーマネジメント能力そのものが競争力の核心になっている。

    圧縮比変更で燃焼コンセプトを全面刷新
    ホンダが直面した2つ目の大きな課題は、内燃エンジンの圧縮比変更だった。

    2025年世代では約18:1だった圧縮比が、2026年には16:1へ変更された。

    数字だけを見ると小さな変化に見えるが、実際には燃焼効率や燃焼特性そのものに大きな影響を及ぼす。

    角田哲史は次のように説明する。

    「圧縮比や燃料に関する大幅なレギュレーション変更により、エンジンの燃焼コンセプト全体を見直す必要がありました。これは非常に大きな挑戦でした」

    2026年のパワーユニットは外見上こそ同じ1.6リッターV6ターボハイブリッドだが、内部では従来とはまったく異なる考え方で設計されている。

    100%持続可能燃料がさらなる難題に
    3つ目の要因は、2026年から導入された100%持続可能燃料だ。

    この新燃料は従来の燃料とは燃焼特性が異なり、エンジン開発に大きな影響を与えた。

    圧縮比変更と新燃料導入が同時に行われたことで、ホンダは燃焼設計をほぼゼロから再構築しなければならなかった。

    結果として、同じV6ターボハイブリッドという形式を維持していても、その実態は2025年のパワーユニットとは別物になったという。

    ホンダF1 本田技研工業

    ホンダは2026年開発競争への出遅れも認める
    ホンダは技術的な難しさだけでなく、自社の体制面にも課題があったことを認めている。

    2021年末にF1活動を終了した際、ホンダはさくらの施設にあるHRCのエンジニアリング体制を縮小した。

    その後、2023年5月にアストンマーティンとの提携を発表してF1復帰を決定したが、その時点で開発組織の再構築が必要だった。

    角田哲史は次のように語った。

    「ホンダの場合、2021年のF1撤退後にHRC Sakuraの開発体制を縮小しました。その後、2023年5月の復帰発表以降に開発組織を再構築する必要がありました」

    「その再建に時間を要したことで、一部のライバルよりも新パワーユニット開発に使える時間やリソースが少なくなりました」

    これは以前からパドック内で指摘されていた見方を裏付けるものだ。

    例えばアウディは2022年から本格的な2026年プロジェクトを進めていた一方、ホンダは開発組織の再整備と並行して開発を進めなければならなかった。

    アストンマーティンとの新体制とPU予算制限も重荷に
    2026年はシャシーとパワーユニットの両方が全面刷新された特別なシーズンでもある。

    さらにF1史上初めてパワーユニット開発にも予算上限が導入された。

    その中でホンダは、新たなワークスパートナーとなるアストンマーティンとの協業体制も同時に構築しなければならなかった。

    角田哲史はこう説明する。

    「2026年はシャシーとパワーユニット双方のレギュレーションが大きく変更されました。さらに初めてパワーユニットに予算上限が導入されています」

    「そのような非常に厳しい環境の中で、ホンダとアストンマーティンは初めて協力関係を築くことになりました。多くの面で大きな挑戦だったと言えます」

    ホンダが直面したのは一つの失敗ではない
    現在、アストンマーティンとホンダの苦戦はしばしば「パワー不足」という一言で語られる。

    しかし今回の角田哲史の説明から見えてくるのは、単なる出力不足ではなく、2026年レギュレーションがもたらした複数の技術革命への対応に苦しんでいる姿だ。

    電動化の大幅強化、燃焼コンセプトの刷新、100%持続可能燃料への適応、開発組織の再建、予算制限、そしてアストンマーティンとの新たなパートナーシップ構築――。

    ホンダが直面している課題は一つではなく、それらが同時に重なった結果として現在の状況が生まれていることを、今回の説明は示している。

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  • ホンダF1のPU不足は40馬力未満? ADUO評価とストロール発言が示す実態

    ホンダF1のPU不足は40馬力未満? ADUO評価とストロール発言が示す実態

    2026年F1シーズンのパワーユニット勢力図に新たな見方が浮上している。複数の海外メディアが報じたFIAのADUO(追加開発・アップグレード機会)評価によれば、レッドブル・フォードが現時点で最も高性能な内燃エンジンを搭載していると判断されたという。

    さらにアストンマーティンのランス・ストロールは、ホンダ製パワーユニットの不足分について「20~30キロワット」と発言。これまで広く語られてきた「約100馬力不足」という見方とは大きく異なる数字を明かした。

    FIAのADUO評価でレッドブル・フォードが基準に
    ADUOは、新レギュレーション初年度にメーカー間の性能差が固定化されることを防ぐために導入された制度だ。

    FIAは開幕から5戦分のデータを分析し、性能面で不利なメーカーに追加開発の機会を与える仕組みを採用している。

    まだFIAによる公式発表は行われていないものの、各メーカーにはすでに結果が通知されたと報じられている。

    その評価では、レッドブル・フォードが最も高性能な内燃エンジンを持つメーカーと判断されたという。

    さらにメルセデスが基準値から2%超の差で続き、フェラーリ、アウディ、ホンダが4%以上の差を持つグループに分類されたと伝えられている。

    この結果により、レッドブル・フォードは性能向上を目的としたエンジン改良が認められない一方で、メルセデスには1回、フェラーリ、アウディ、ホンダには2回の性能改善機会が与えられる見通しとなった。

    ADUOは内燃エンジンのみを評価
    今回の評価で重要なのは、ADUOが内燃エンジン部分のみを対象としている点だ。

    MGU-K、バッテリー、エネルギーマネジメント、回生効率などの電動システムは評価対象外となっている。

    そのため、レッドブル・フォードが最も強力な内燃エンジンを持っているとしても、パワーユニット全体で見た場合に最も競争力が高いとは限らない。

    実際には電動システムの性能が総合力を大きく左右するため、メルセデスが依然として最も完成度の高いパッケージを持っている可能性もある。

    ホンダF1 本田技研工業

    ストロールが明かした「20~30キロワット不足」
    こうした中、ランス・ストロールの発言は大きな注目を集めている。

    ストロールはモナコGP週末にmotor.esを含むメディアの取材に応じ、ホンダPUについて次のように語った。

    「トップチームに対して20~30キロワットを取り戻さなければならない」

    20~30キロワットは馬力換算でおよそ27~40馬力に相当する。

    これまでパドックでは、ホンダPUはトップ勢から約100馬力遅れているとの見方が広がっていた。しかしストロールの発言が事実ならば、内燃エンジン単体の差はその半分以下ということになる。

    ホンダの課題は電動システムか
    ホンダはプレシーズン段階から、最大の課題は電動側にあることを認めてきた。

    そのため現在の性能不足は、内燃エンジンそのものではなく、MGU-Kやバッテリー、エネルギー回生・展開システムに起因している可能性が高い。

    今回のADUO評価でもホンダは追加開発の対象となったが、実際にどこまで性能改善が認められるのかは今後のFIA判断次第となる。

    またADUOでは開発回数だけでなく、ベンチテスト時間の追加枠や予算上限の特例措置も与えられる。

    特に電動システムの改善余地が大きいとみられるホンダにとっては、これらの優遇措置がシーズン後半の巻き返しにつながる可能性がある。

    現時点でFIAはADUO評価結果を公式発表していない。しかし複数の報道が事実であれば、2026年F1のエンジン勢力図は、これまで考えられていたものとは大きく異なる姿を見せ始めている

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  • ホンダF1 モナコGPで今季初ポイント獲得「チームと共に努力を続けた結果」

    ホンダF1 モナコGPで今季初ポイント獲得「チームと共に努力を続けた結果」

    アストンマーティン・ホンダF1は、2026年F1モナコGPでフェルナンド・アロンソが10位に入り、今季初ポイントを獲得した。

    モンテカルロ市街地コースで開催された第6戦モナコGPは、セーフティカーや赤旗が絡む波乱の展開となった。そのなかでアロンソは粘り強いレースを展開し、最終的に10位でフィニッシュ。一方、ランス・ストロールはレース終盤のアクシデントにより完走を果たせなかった。

    ホンダ「結果は努力の積み重ね」
    ホンダF1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、レース後に週末を振り返った。

    「昨日の予選を終えてから、レース中のあらゆるシナリオに備えてAston Martin Aramco Formula One Teamとディスカッションを重ねました。実際に、今日のレースでは様々な状況への対応が求められ、チームと密に連携しながら、各場面に応じた適切なPUモードのオプションをドライバーに示せるよう努めました」

    モナコではレース中に複数回のセーフティカーや赤旗が発生し、戦略面でも難しい判断が求められた。ホンダはアストンマーティンと連携しながら状況ごとに最適なパワーユニット運用をサポートしたという。

    「PU性能を反映した結果ではない」
    アロンソの10位は今季最高順位となったが、折原伸太郎は今回の結果を冷静に分析している。

    「アロンソ選手の10位という結果は今シーズン最上位ですが、これはモナコ特有の状況によるものであり、必ずしもPUのパフォーマンスを反映した結果ではありません。しかし、この順位は、チームおよびドライバーと共に努力を続けた結果だと捉えています」

    開幕から苦戦が続くアストンマーティン・ホンダF1だが、今回の1ポイントはチームにとって大きな意味を持つ結果となった。

    ホンダF1 本田技研工業

    ストロール車の課題分析を継続
    一方で、ストロールは厳しい週末を過ごした。

    「残念ながらストロール選手はアクシデントに見舞われました。週末を通してドライバビリティの課題に直面しており、コーナー進入時の減速フェーズにおいて顕著に表れていました。引き続きHRCさくらの施設のサポートのもと、チームと共に原因の特定と改善に向けた分析を継続していきます」

    アストンマーティン・ホンダF1は依然として厳しい状況に置かれているものの、モナコで獲得した今季初ポイントを足掛かりに、巻き返しを目指すことになる。

  • ホンダF1 モナコGP初日で見えた課題 折原伸太郎「ドライバビリティ改善に注力」

    ホンダF1 モナコGP初日で見えた課題 折原伸太郎「ドライバビリティ改善に注力」

    2026年F1第6戦モナコGPがモンテカルロ市街地コースで開幕し、ホンダのパワーユニットを搭載するアストンマーティンは、フリー走行1回目と2回目を通じて予選と決勝に向けた準備を進めた。

    モナコはシーズンの中でも特殊なサーキットのひとつであり、狭い市街地コースではドライバーの自信とマシンへの信頼感がラップタイムを大きく左右する。ホンダは初日の走行で多くのデータを収集しながら、週末に向けた最適化作業を進めた。

    限られた走行時間で幅広いプログラムを消化
    ホンダ F1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、モナコでは走行時間そのものが重要な意味を持つと説明した。

    「モナコでは、ドライバーに自信を持って走ってもらうこと、そしてエンジンパフォーマンス最適化のためのデータ収集という観点から、走行時間が非常に重要になります。本日も多くの周回を重ね、さまざまなデータを収集することができました」

    市街地コースでは路面状況の変化も大きく、限られた走行時間の中で効率よく情報を集めることが求められる。ホンダは初日の2回のセッションを通じて、さまざまな条件下でのパワーユニットの挙動を確認した。

    予選と決勝を見据えたエンジンマッピングを評価
    ホンダは単純な性能確認だけでなく、週末全体を見据えた複数の運用パターンをテストした。

    「また、明日の予選および日曜の決勝に向けて、連続プッシュラップ、ロングラン、アタックラップなど複数のシナリオでエンジンマッピングを試しました」

    モナコでは予選順位の重要性が他のサーキット以上に高い。そのため、一発の速さを引き出す予選モードと、決勝で安定したパフォーマンスを発揮するための運用の両立が重要なテーマとなる。

    初日に実施された各種プログラムは、そのバランスを探るための重要な作業だった。

    ホンダF1 本田技研工業

    焦点はドライバビリティの向上
    初日の走行を終えた段階で、ホンダが特に重視しているのはドライバビリティの改善だ。

    折原は現状について、コーナーでドライバーが十分な自信を持てていない部分が残っていると明かした。

    「今晩からは、ドライバビリティを改善する作業にフォーカスしていきます。現時点ではコーナーでドライバーの自信がやや不足しているため、予選までに改善を重ねていきます」

    モナコでは壁との距離が極めて近く、わずかな挙動の変化でもドライバーのアタックに影響を及ぼす。最高出力だけでなく、スロットルレスポンスやコーナー出口での扱いやすさといった細かな特性がラップタイムに直結する。

    予選で問われる仕上がり
    アストンマーティンは初日の走行を通じて必要なデータ収集を完了し、ホンダも予選へ向けた改善ポイントを明確にした。

    モナコではわずかなパフォーマンス差がグリッド順位を大きく左右する。ホンダは収集したデータを分析しながら、ドライバーが限界まで攻められるドライバビリティの実現を目指してセットアップを煮詰めていくことになる。

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  • ホンダF1 PU改善はFIAのADUO評価待ち「何を改善すべきかはその後に分かる」

    ホンダF1 PU改善はFIAのADUO評価待ち「何を改善すべきかはその後に分かる」

    ホンダ・レーシングのチーフエンジニアを務める折原慎太郎は、FIAがパワーユニット性能差是正制度「ADUO」に関する正式な評価結果をまだ公表していないため、ホンダは改善計画の最終決定を行えない状況にあることを明らかにした。

    2026年F1シーズンから導入された新パワーユニット規則では、競争力に大きな差が生じた場合にメーカーへ開発機会を与えるADUO制度が導入されている。カナダGPで最初の評価期間は終了したが、FIAによる分析作業は現在も続いている。

    ホンダはFIAの正式判断を待つ段階
    ADUO制度では、基準となる最も競争力の高いパワーユニットに対して一定以上の性能差が認定されたメーカーに改善が認められる。

    しかし現時点では、FIAが各メーカーへ正式な評価レポートを配布しておらず、ホンダも最終的な開発方針を確定できていない。

    折原慎太郎は現状について次のように説明した。

    「現在の状況としては、FIAの判断を待っているところです」

    「その結果を受け取れば、何を改善する必要があるのかが明確になりますし、実施しなければならない項目のリストも手に入ります。しかし現時点では、その決定を待っている状態です」

    ホンダは自らのパフォーマンス状況を把握しているものの、正式な評価が出るまでは認められる改善範囲を確定できない。

    アップグレード投入にはまだ時間が必要
    一方で、FIAの判断が今後下されたとしても、すぐに新仕様のパワーユニットを投入できるわけではない。

    折原慎太郎は開発プロセスの複雑さについて説明した。

    「新しいエンジンを投入するプロセスには長期的な開発が必要です。まずCFDによる解析を行い、単気筒エンジンでの試験も必要になります」

    「我々はすでに初期段階の開発には着手しています」

    「次の段階ではV6エンジン全体の性能評価と信頼性試験を実施する必要があります。しかし、それには数週間かかります。短期間で終わる開発作業ではありません」

    実戦投入時期について尋ねられると、折原慎太郎は次のように答えた。

    「おそらく夏になると思います。ただ、どちらの夏かは分かりません。イギリスの夏なのか、日本の夏なのかは言えません」

    この発言からは、アップグレード投入が少なくとも数か月先になる可能性が示唆されている。

    ホンダF1 / ホンダ・レーシング

    最大の課題は燃焼性能
    FIAから正式な評価結果が出ていないとはいえ、ホンダは現状の弱点を把握している。

    折原慎太郎は、今後の開発の中心が内燃エンジン側になることを認めた。

    「現行技術を改善する分野もあります。しかし、主に改善しなければならないのは燃焼です」

    また、性能向上への近道は存在しないと強調した。

    「魔法のような解決策はありません。我々は燃焼性能を改善し続けています」

    「奇跡はありません。引き続き懸命に取り組んでいます。性能向上というのは、多くの小さな改善を一歩ずつ積み重ねていくことなのです」

    アストンマーティンの反撃も夏以降か
    ホンダ製パワーユニットを搭載するアストンマーティンは、2026年シーズン序盤から最高速や加速性能で苦戦している。

    今回の折原慎太郎の説明からは、ホンダ側も問題の中心が燃焼効率にあると認識していることがうかがえる。しかし、改善策の実戦投入には依然として時間が必要であり、性能向上が本格的に現れるのは早くても夏休み前後になる可能性が高い。

    そのため、アストンマーティンとホンダにとって2026年シーズン前半戦は、引き続き我慢の戦いになることが予想される。

  • ホンダF1 モナコGPへDiLシミュレーターで専用対策「エネルギーマネジメントが鍵」

    ホンダF1 モナコGPへDiLシミュレーターで専用対策「エネルギーマネジメントが鍵」

    ホンダF1は、2026年F1第6戦モナコGPに向けたプレビューを発表した。モナコGPは6月5日(金)にモンテカルロ市街地コースで開幕し、初日にFP1とFP2、6月6日(土)に公式予選、6月7日(日)に決勝レースが行われる。

    市街地特有の低速コーナーとトラフィックが続くモナコでは、パワーユニットの絶対的な出力だけでなく、エネルギーマネジメント、冷却、そしてドライバビリティが重要な要素となる。ホンダF1にとっても、アストンマーティンとの連携の精度が問われる週末になる。

    モナコ特有のPU適応へDiLシミュレーターを活用
    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、モンテカルロ市街地サーキットの特殊性に合わせた準備が必要になると説明した。

    「モンテカルロ市街地サーキットは非常に特殊であり、その特性にPUを適応させるためには、専用の準備が求められます」と折原伸太郎はコメント。

    「エネルギーマネジメント最適化に向け、AMR Technology Campusで、ドライバー・イン・ザ・ループ・シミュレーター(DiL)を使ったセッションを実施しました」

    低速区間とトラフィック下で冷却が課題
    モナコは低速区間が多く、パワーユニットの冷却にも厳しい条件が突きつけられる。折原伸太郎は、クリーンエア時だけでなく、モナコ特有のトラフィック下でも安定したPU性能を確保する必要があると語った。

    「また、低速区間が多いモナコでは冷却面も課題になります」

    「クリーンエア時だけでなく、このサーキット特有のトラフィック下でも安定したPU性能を確保できるよう、Aston Martin Aramco Formula One™ Teamと連携して最適な冷却仕様を追求しています」

    ホンダF1 モナコグランプリ

    ドライバビリティ向上がラップタイムの鍵
    今週末は合計3時間のフリー走行が予定されている。ホンダF1は、その限られた走行時間の中でエネルギーマネジメントの最適化と走行プログラムを効率よく進めることを重視している。

    「今週末は合計3時間のフリー走行が予定されており、エネルギーマネジメントの最適化と、走行プログラムを効率よくこなすことが極めて重要です」

    「また、エネルギーマネジメントはドライバビリティに大きく影響するため、ドライバーからのフィードバックを得ることも最優先事項となります」

    モナコでは、わずかな挙動の乱れがラップタイムだけでなく、ドライバーの自信にも直結する。折原伸太郎は、低速コーナーが連続するコースでドライバーが最大限の自信を持って走れる状態を作ることが重要だと強調した。

    「低速コーナーが連続するモナコにおいて、ドライバーに最大限の自信を持って走ってもらえるようドライバビリティを高めることが、ラップタイム向上につながると考えています」

  • ホンダF1を知るトストが太鼓判「遅くとも2027年までに問題を解決する」

    ホンダF1を知るトストが太鼓判「遅くとも2027年までに問題を解決する」

    ホンダの2026年F1プロジェクトは厳しいスタートとなった。しかし、かつて同社がどん底から頂点へ這い上がる過程を見届けたフランツ・トストは、その復活を疑っていない。

    マクラーレンとの苦闘、トロロッソでの再建、そしてレッドブルとの世界制覇。ホンダの歩みを間近で見てきた元トロロッソ代表は、「遅くとも2027年までに問題を解決する」と断言した。

    苦境から頂点へ駆け上がったホンダ
    現在の苦戦だけを見れば、ホンダの新プロジェクトに厳しい視線が向けられるのも無理はない。

    だが、ホンダは過去にも同じような逆風を経験している。

    2015年にマクラーレンとのワークス体制でF1へ復帰したホンダは、深刻な信頼性不足とパフォーマンス不足に苦しんだ。パドックでは厳しい批判を浴び、F1参戦そのものを疑問視する声も少なくなかった。

    それでもホンダは開発を止めなかった。

    改善を重ねた末に転機となったのが、2018年から始まったトロロッソとの提携だった。

    トロロッソ時代に見せた改善力
    当時チームを率いていたのがフランツ・トストである。

    トロロッソはホンダにとって実戦開発の重要な拠点となり、レースを重ねるごとにパワーユニットは競争力を高めていった。

    トストはその過程で、ホンダが問題に直面した際の姿勢を目の当たりにしている。

    課題が見つかれば原因を徹底的に分析し、改良を積み重ねる。その積み重ねが、後の成功につながった。

    レッドブルとの成功が証明したもの
    2019年からホンダはレッドブルとの提携を開始した。

    当初はトップ争いが可能かどうか疑問視する声もあったが、ホンダは着実に性能を向上させていく。

    やがてマックス・フェルスタッペンのタイトル獲得を支えるパワーユニットへと成長し、世界選手権の頂点に立つまでになった。

    トストは、その変化を最も近くで見てきた関係者の一人だった。

    「私は日本人を知っている」
    だからこそ、現在の状況についても悲観していない。

    トストは、現在のホンダ製パワーユニットが期待されたレベルに達していないことを認めながらも、問題解決は時間の問題だと考えている。

    「彼らは期待していたようには機能していないパワーユニットを作ってしまった。しかし私は日本人を知っている。遅くとも来年には問題を解決すると確信している」

    この言葉の背景には、ホンダの技術力だけでなく組織としての粘り強さへの信頼がある。

    ホンダの歴史が支える2027年への期待
    ホンダのF1活動は、常に順風満帆だったわけではない。

    しかし過去には、厳しい批判を受けながらも改善を続け、最終的に世界王者へと上り詰めた実績がある。

    トストが「遅くとも2027年までに問題を解決する」と語るのは、その歴史を知っているからだ。

    現在の苦戦はホンダにとって新たな試練かもしれない。しかしトストの見方では、それはかつて乗り越えてきた困難の延長線上にある。

    ホンダが再び競争力を取り戻せるのか。その答えを知るにはまだ時間が必要だが、少なくともトストは過去の経験から、その復活を強く信じている。

  • ホンダF1は“中立” 2027年PU変更問題でアウディの判断が焦点に

    ホンダF1は“中立” 2027年PU変更問題でアウディの判断が焦点に

    2027年F1パワーユニット規則の見直しを巡る議論が、カナダGP週末を通じて急速に熱を帯びている。

    FIAとFOMは、2026年から導入された“50対50”の内燃機関と電動出力のバランスを見直し、2027年からより内燃機関寄りとなる“60対40”への変更を模索。しかし、メーカー間の思惑が複雑に絡み合い、正式投票にすら進めない状況となっている。

    現在、変更推進派はメルセデスとレッドブル。一方でフェラーリ、キャデラック、アウディは慎重姿勢を崩しておらず、ホンダはその中間的立場にあるとみられている。

    ホンダF1は静観姿勢
    ホンダ側は現時点で強い賛否を示しておらず、FIAの判断を見守る姿勢を取っている。

    HRCのトラックサイド・ゼネラルマネージャーを務める折原伸太郎は、カナダで次のように語った。

    「我々はFIAの決定を尊重するだけです。ですので、今は待っています」

    FIAは現在、2026年型PUで問題視されている過度なエネルギーマネジメントや“クリッピング”の改善を急いでおり、2027年に向けた仕様変更を急ピッチで進めたい考えだ。

    しかし、すべてのメーカーがすぐに対応できるわけではない。

    アウディがカギを握る構図
    特に注目されているのが、2026年から本格参戦するアウディの動向だ。

    アウディは、新規参入直後に追加コストを伴うハードウェア刷新を求められることに慎重姿勢を示している。報道では、2027年仕様へ対応するためには約1000万ドル規模の追加投資が必要になる可能性もあるという。

    一方で、パドック内では「アウディが賛成へ回ればホンダも追随する」との見方も強まっている。

    2027年変更案を可決するには、パワーユニット諮問委員会で6メーカー中4メーカーの支持が必要となる。

    現在は、

    ■ 賛成
    ・メルセデス
    ・レッドブル

    ■ 慎重・反対
    ・フェラーリ
    ・キャデラック
    ・アウディ

    ■ 中間
    ・ホンダ

    という構図になっている。

    そのため、アウディが態度を変えれば、一気に“4票”へ到達する可能性がある。

    FIAは2027年決着を望む
    FIA側は、2027年だけ暫定的に修正し、2028年に再調整するような二段階方式を避けたい考えだ。

    2031年までに予定されるV8回帰まで、現在のレギュレーションサイクルを安定させたい意向があるとみられている。

    そのため、カナダGP週末ではFIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスが各メーカーと断続的に協議を行っていた。

    現時点でホンダは静観姿勢を維持しているが、今後のアウディの判断次第では、2027年PU規則変更を巡る勢力図が大きく動く可能性がある。

    Source: The Race