フェラーリF1 ADUO第2弾投入もパワー不足 バスール「純粋な馬力が足りない」

フェラーリF1 ADUO第2弾投入もパワー不足 バスール「純粋な馬力が足りない」

フェラーリは、2026年F1イタリアGPでADUO制度に基づく2度目のパワーユニット(PU)アップグレードを投入したものの、依然としてメルセデスに対して「純粋なパワー」が不足している。チーム代表のフレデリック・バスールが認めた。

高速サーキットのモンツァではPU性能の差が顕著に表れ、フェラーリは予選でシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンが2列目に並んだ一方、フロントロウはメルセデスPUを搭載するアルピーヌのピエール・ガスリーとメルセデスのジョージ・ラッセルが占めた。

ADUO第2弾でも埋まらなかったメルセデスとの差
フェラーリはホームレースとなったモンツァで、FIAのADUO制度を利用した第2弾のPUアップグレードを投入。SF-26には新しい仕様のエンジンが搭載された。

しかし、パワーがラップタイムを大きく左右するモンツァでは、メルセデスとの差が依然として明確だった。

決勝ではルクレールが序盤に約60Gの大クラッシュを喫してリタイア。ハミルトンも6位にとどまった。

バスールは、フェラーリが抱えている問題について、エネルギーのデプロイメントではなく、根本的な出力不足だと説明した。

「詳細を話すつもりはないが、純粋なパワーが不足している場合、それを補うためにストレートのどこかでデプロイメントを調整し始めることになる」

「だが、ある場所でより多く使えば、当然ながら別の場所では少なくなる。戦っているときにそれをやろうとすると、悪循環に陥ってしまう」

「正直なところ、デプロイメントの問題ではない。デプロイメント自体はまずまずだったと思う。マクラーレンでさえ金曜日と土曜日の午前中には少し調整していた」

「結局のところ、我々には純粋なパワーが足りない」

モンツァではメルセデスとの差が「2倍」に
バスールによれば、フェラーリPUとメルセデスPUの性能差は、コース特性によってラップタイムへの影響が大きく変化する。

特に長い全開区間を持つモンツァでは、その弱点がザントフォールト以上に顕在化したという。

「現実として、ザントフォールトでXだけ不足していれば、0.2~0.3秒を失うことになる」

「モンツァではXより少し小さい不足だったとしても――数字を推測されるから文字を使っているが――メルセデスとの差は2倍になる」

つまり、ADUOによる改良でフェラーリPU自体の性能差が縮小していたとしても、モンツァのようにエンジン出力への依存度が高いサーキットでは、ラップタイム上の損失がより大きく表れるということだ。

スクーデリア・フェラーリ

ADUOは即効性のある特効薬ではない
2026年から導入されたADUOは、PUメーカー間の性能差を縮小するため、一定の基準に応じて追加開発を認める制度である。

フェラーリはアウディ、ホンダとともに2026年と2027年にそれぞれ2回のアップグレードが認められている。一方、メルセデスは各年1回。内燃エンジン(ICE)で最高評価を受けたレッドブル・パワートレインズには追加アップグレードが認められていない。

ただし、バスールはADUOによって短期間で大幅に性能差を縮められるわけではないと強調する。

「エンジンについては、プロセスが非常に長い。部品のリードタイムが長いし、コストキャップへの対応も簡単ではない」

「シーズンに必要なエンジンを生産しなければならない。その状態ですでにかなり手いっぱいだ。そこから開発を始めようとすれば、新しいエンジンのバッチを生産する必要があり、非常に難しい」

フェラーリとしても、ADUOの1回目、2回目だけでメルセデスとの差を一気に取り戻せるとは考えていなかったという。

「ADUO 1やADUO 2で追いつけるとは期待していなかった。我々は小さなステップを重ねている」

「ただ、覚えておかなければならないのは、エンジンで小さな一歩を踏み出し、たとえ数馬力でも向上させることができれば、グリッド上ではそれが大きな一歩になるということだ」

フェラーリは2027年PUでメルセデス追撃へ
フェラーリが本格的な巻き返しのターゲットとして見据えているのは2027年だ。

ADUOによる段階的な改良を続けながら、次世代仕様のPUでメルセデスとの差をさらに縮めることを目指している。

「来年には新しいエンジンがある。もちろん目標は追いつくこと、それも可能な限り早く追いつくことだ」

「だが、2カ月でメルセデスとの差を取り戻せるとは思っていなかった」

モンツァで投入したADUO第2弾によってフェラーリPUは着実な改善を遂げたものの、高速サーキットでは依然としてメルセデスとの差が露呈した。バスールが認めた「純粋なパワー不足」をどこまで解消できるかが、2027年に向けたフェラーリの大きな課題となる。