タグ: フェラーリ

  • フェラーリF1発案の「エキゾーストウイング」 2027年から禁止へ FIAが規則改定

    フェラーリF1発案の「エキゾーストウイング」 2027年から禁止へ FIAが規則改定

    フェラーリが2026年シーズンに先駆けて導入した「エキゾーストウイング」が、2027年からF1で禁止されることが正式決定した。

    FIAは技術規則を改定し、排気口周辺にウイングを設置する設計を不可能にする新たな「エキゾースト除外ゾーン」を導入。オーストリアGPではフェラーリが早くもこのパーツを取り外した状態で走行テストを実施しており、将来を見据えたデータ収集を進めている。

    FIAが技術開発競争の激化を未然に防止
    フェラーリが考案したエキゾーストウイングは、ギアボックスとクラッシュストラクチャーを独自に配置することで、テールパイプ後方に小型ウイングを装着する設計だった。

    このデバイスはディフューザーの実質的な長さを拡大するとともに、リアウイングへ流れる気流を整え、リアダウンフォースを増加させる効果があった。

    ライバルチームは同じレイアウトを採用するにはホモロゲーション済み部品の再承認が必要となるため、そのままコピーすることは困難だった。

    その代わり、メルセデス、マクラーレン、レッドブルなどは、レギュレーションで認められていた排気管サポートを利用し、その支持構造を空力デバイスとして活用する設計を取り入れた。

    FIAはこれらの設計が現行規則には適合していると判断していた一方、このまま放置すれば開発競争が過熱し、新たな技術競争へ発展する可能性を懸念。各チームのテクニカルディレクターとの協議を経て、2027年から全面的に禁止することで合意した。

    スクーデリア・フェラーリ

    新たな「エキゾースト除外ゾーン」を導入
    2027年規則では、排気口の外径より20mm大きい円筒状の「エキゾースト除外ゾーン」が新設され、この範囲内にはいかなる車体パーツも配置できなくなる。

    さらに、これまで認められていた排気管サポートに関する規定そのものも削除され、支持構造を空力目的で利用する余地は完全になくなる。

    これにより、フェラーリが生み出したエキゾーストウイングだけでなく、他チームが採用した類似コンセプトもすべて使用できなくなる。

    フェラーリはオーストリアGPで早くも実験開始
    こうした禁止決定が正式発表された同日に、フェラーリはオーストリアGPのフリー走行1回目で育成ドライバーのディーノ・ベガノヴィッチのマシンからエキゾーストウイングを取り外して走行させた。

    このテストは主にデータ収集が目的であり、特に低ダウンフォース仕様が求められるサーキットでは、ウイングを装着しないセットアップが有利になる可能性を評価する狙いがある。

    エキゾーストウイングを外すことで空気抵抗を減らせるほか、排気の背圧も低減できると考えられており、理論上は約10kWの出力損失を防げる可能性があるとされている。

    FIAは2027年のレギュレーション改定によって、排気周辺を利用した空力開発の余地を完全に閉ざす方針を打ち出した。一方でフェラーリは、禁止を待つことなく実戦データの収集を始めており、2026年シーズン後半の低ダウンフォース仕様に生かせるかどうかを検証していく。

  • フェラーリF1 ADUO初活用 オーストリアGPでPUアップグレード投入

    フェラーリF1 ADUO初活用 オーストリアGPでPUアップグレード投入

    スクーデリア・フェラーリは、2026年F1第8戦オーストリアGPで今季初となるパワーユニットのアップグレードを投入することを正式に発表した。また、シャルル・ルクレールはFP1を欠場し、フェラーリ育成ドライバーのディーノ・ベガノビッチが代役を務める。

    フェラーリは2026年の新パワーユニット規則導入後、ライバル勢に対して出力不足が指摘されており、今回のアップグレードはFIAのADUO(Additional Development Upgrade Opportunities)制度を活用した最初の開発トークンとなる。

    ADUOを活用した最初の一歩
    フェラーリはレッドブル・リンクで内燃エンジン(ICE)の改良版を投入する。

    ただしチームは、今回のアップデートによって即座に大幅な性能向上が得られるとは考えていない。むしろ開発プログラムで得られた成果を実戦投入する第一歩と位置付けている。

    フェラーリのパワーユニット技術責任者エンリコ・グアルティエリは次のように説明した。

    「ファクトリーのチーム全体は現在、ADUO制度によって与えられた追加開発機会を最大限活用するため、計画された開発ロードマップに沿って精力的に作業を続けている」

    「シュピールベルクに持ち込むアップデートは比較的小規模なものだ。ここ数週間で開発プログラムから得られた改善を実戦に反映した成果でもある」

    「継続的な改善、迅速な対応、そして得られた成果を可能な限り早く投入するという、このスポーツの本質を体現するものだ」

    フェラーリは性能差縮小を目指す
    フェラーリのパワーユニットは、メルセデスやレッドブル・フォードと比較して出力面で不利な状況にあるとみられている。

    今回のアップグレードはその差を縮めるための第一弾であり、今後もADUO制度を活用した追加開発が続く見通しだ。

    チーム内部では、今回の改良だけで勢力図が大きく変化するとは考えられていないものの、シーズン後半へ向けた重要な基盤になると評価されている。

    ルクレールに代わりベガノビッチがFP1出走
    オーストリアGPのFP1では、ルクレールに代わってフェラーリ育成ドライバーのディーノ・ベガノビッチがSF-26をドライブする。

    ベガノビッチは第7戦スペインGPでもルイス・ハミルトンのマシンでFP1を担当しており、今回が今季2度目の公式セッション出走となる。

    フェラーリにとっては、シーズン中に4回実施が義務付けられているルーキードライバー起用規定の半分を消化することになる。

    ベガノビッチにとっても、将来的なF1昇格へ向けて貴重なアピールの機会となりそうだ。

    【関連】
    ・F1オーストリアGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)

  • フェラーリF1 メルセデス追撃へ方針転換か 小型ターボ放棄を検討

    フェラーリF1 メルセデス追撃へ方針転換か 小型ターボ放棄を検討

    フェラーリが、2026年型パワーユニット「SF-26」の象徴だった小型ターボチャージャーを放棄する可能性が浮上した。メルセデスとの出力差を縮めるため、より大型のターボへの変更を検討しているという。

    フェラーリは、FIAのADUO(追加開発・アップグレード機会)制度によって認められた2回の開発トークンを活用し、シーズン後半までにメルセデスとの「出力同等化(パワーパリティ)」を実現したい考えだ。

    フェラーリはオーストリアGPで最初のPUアップグレード投入へ
    フェラーリは2026年レギュレーションへの対応で、メルセデスほど優れたエンジンを開発できなかったことを認識している。

    FIAはADUO制度の評価で、フェラーリ、アウディF1、ホンダの内燃エンジン(ICE)がベンチマークより4〜10%劣っていると判断。それぞれ2回の開発トークンを認めた。一方、メルセデスは約2%差と評価され、1回のアップグレードが許可されている。

    ただし、ベンチマークとされたのはレッドブル・フォードのICEであり、レッドブルは「実際にはメルセデスの方が優れている」としてFIAの判断に異議を申し立てている。

    フェラーリはすでに最初のアップグレード計画を進めており、次戦オーストリアGPで改良版パワーユニットを投入する見通しだ。この仕様は高温条件への対応力向上も目的としている。

    第2弾アップグレードはザントフォールトまたはモンツァか
    『The Race』によると、フェラーリは第2弾アップグレードの準備も並行して進めている。

    最初の改良はオーストリアGPで投入される予定だが、2回目のアップデートは夏休み明け最初のオランダGP、あるいは母国イタリアGPでの投入が有力視されている。

    フェラーリはモンツァに向けて、メルセデスと同等の出力を実現した状態でホームレースを迎えることを目標としている。

    小型ターボという武器を捨てる可能性
    その目標達成のため、フェラーリは今季の特徴だった小型ターボを放棄する可能性まで検討しているという。

    2026年レギュレーションではMGU-Hが廃止されたため、多くのメーカーがターボレスポンスや出力特性の最適化に苦戦した。

    フェラーリはライバルよりも約10mm小さいターボを採用することで、プレシーズンテストから優れた発進加速を披露。MGU-H廃止による影響を最小限に抑え、スタート性能で優位に立っていた。

    しかしシーズン開幕後、ライバル勢が改善を進めたことでその優位性は薄れつつある。

    今年5月時点では、フェラーリはシーズンを通して小型ターボを維持する方針と報じられていた。しかし現在は方針転換の可能性が浮上している。

    大型ターボを採用することで追加出力を得られると考えられており、小型設計による損失は最大7馬力に達するとされる。

    メルセデスとの差は約30馬力か
    報道によると、フェラーリの2026年型パワーユニットは現状でメルセデスに対し約30馬力劣っているとされる。

    しかし、オーストリアGPで投入予定の最初のアップグレードだけでも約20馬力分の改善が期待されており、さらに第2弾アップデートと大型ターボ導入が実現すれば、その差をほぼ解消できる可能性がある。

    フェラーリはルイス・ハミルトンのバルセロナ・カタルーニャGP優勝によって勢いを取り戻したが、タイトル争いへ本格的に加わるためには、依然としてパワーユニット性能の向上が不可欠だ。

    今後のADUO開発が、2026年勢力図を左右する重要な要素となりそうだ。

  • フェラーリF1がADUO初弾投入へ オーストリアGPで5馬力向上を計画

    フェラーリF1がADUO初弾投入へ オーストリアGPで5馬力向上を計画

    フェラーリが、FIAの新たなパワーユニット補正制度「ADUO」を活用した最初のアップグレードを、早ければ今週末のオーストリアGPで投入する見込みだ。

    スペインGPでルイス・ハミルトンが移籍後初勝利を挙げたフェラーリだが、タイトル争いにおいては依然としてメルセデスが最大のライバルと目されている。マラネロではさらなる戦闘力向上に向けて開発作業が進められている。

    オーストリアGPでADUO初アップデート投入か
    イタリアの専門メディア『AutoRacer.it』によると、フェラーリはADUO制度で認められた開発枠のうち最初の1回をオーストリアGPで使用することを目指しているという。

    ADUOは、性能面で先行するパワーユニットメーカーとの差を縮めるため、一定条件を満たしたメーカーに追加開発を認める制度だ。フェラーリはこの制度の対象となっており、シーズン中に2回の性能向上アップデートを行えるとみられている。

    今回投入予定とされる改良版ICE(内燃エンジン)は、シーズン3基目のエンジンとして導入される見通しで、出力は約5馬力向上すると報じられている。

    メルセデス追撃へ第一歩
    フェラーリ副会長のピエロ・フェラーリは先日、パワーユニット開発の余地が生まれたことについて前向きな見解を示していた。

    「エンジンに手を入れられるなら、あらゆるサーキットでメルセデスに挑みやすくなるかもしれない」

    バルセロナ・カタルーニャGPで長い勝利の空白期間を終わらせたフェラーリだが、レッドブルリンクはメルセデスが得意とする高速サーキットのひとつと見られている。アンドレア・キミ・アントネッリも、オーストリアではメルセデスが強力なライバルになるとの見方を示している。

    そのため今回のアップデートは、単なる性能向上以上に、今後のタイトル争いを占う重要な一歩となる可能性がある。

    シェルの新燃料も投入予定
    今回の改良はエンジン本体だけではない。

    報道によると、フェラーリの燃料パートナーであるシェルも新仕様のガソリンを準備しており、改良型ICEと同時に投入される可能性が高いという。

    近年のF1では燃料開発による性能向上も無視できない要素となっており、エンジン側の改良との相乗効果が期待されている。

    今回の5馬力増加は比較的小規模なアップデートとみられるが、フェラーリ陣営はさらに大きな効果が見込まれる第2弾のADUO開発も計画しているとされる。オーストリアGPでその第一歩がどの程度の成果を示すのか、大きな注目が集まりそうだ。

  • マクラーレンF1代表が評価 フェラーリは「現時点で最高のシャシーを持つ」

    マクラーレンF1代表が評価 フェラーリは「現時点で最高のシャシーを持つ」

    フェラーリがバルセロナ・カタルーニャGPで今季初勝利を挙げたことで、F1パドックではマラネロ勢の真の競争力に注目が集まっている。マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、フェラーリ SF-26について「現時点でグリッド最高のシャシーを持つマシン」と高く評価した。

    バルセロナはマシン性能を測るうえで最も指標性の高いサーキットの一つとされており、その舞台でルイス・ハミルトンが優勝を飾ったことは、フェラーリのアップデート成功を裏付ける結果として受け止められている。

    ステラが認めたフェラーリの強み
    レース後のFIA公式記者会見でステラは、バルセロナで得られたデータがフェラーリの優位性を明確に示していると語った。

    「今回のレースは非常に明確な示唆を与えてくれたと思う。そしてその内容は、ある意味で僕たちが以前から理解していたことと一致している」

    「現時点でフェラーリはグリッドで最高のシャシーを持つマシンだと思う。特に中速コーナーでそれがよく分かる。フェラーリはコーナリングスピードが非常に高く、必ずしもストレートで最速というわけではない」

    ステラはマクラーレンとフェラーリの特性の違いについても詳しく説明した。

    「僕たちのマシンはターン3、ターン9、ターン14のような高速コーナーでは競争力がある。しかし全体的には中低速コーナーで苦戦している」

    「今回の結果は、マシンをより機敏でダイナミックなものへ進化させる必要があることを改めて示している」

    フェラーリはスペインGPで新型フロントウイングなど複数のアップデートを投入しており、その効果がコーナリング性能向上につながった可能性がある。

    オーストリアでもフェラーリ有力と予想
    ステラは次戦オーストリアGPについても、フェラーリが引き続き強力なライバルになるとの見方を示した。

    「レッドブルリンクはバルセロナとは少し異なるサーキットだ。しかしフェラーリは依然としてコーナーで最速のマシンであり続けるだろう」

    一方で、総合性能という観点ではメルセデスを高く評価している。

    「シャシーとパワーユニットの両方を考慮すると、メルセデスが予選1周のパフォーマンスでは最も優れたマシンかもしれない」

    現在の勢力図についてステラは、フェラーリがシャシー性能、メルセデスが総合性能で強みを持つ一方、マクラーレンは依然として改善の余地を抱えているとの認識を示した。

    マクラーレンは開発競争に集中
    2026年シーズンはメルセデスが開幕から圧倒的な強さを見せてきたが、バルセロナではフェラーリが待望の初勝利を獲得。さらにADUOによるパワーユニット性能調整も導入され、トップ勢の勢力図は変化しつつある。

    そうしたなかステラは、ライバルの動向よりも自チームの開発に集中する姿勢を強調した。

    「今後数戦で僕たちもアップデートを投入する予定だ。しかし競争相手たちも同じように進化してくるだろう」

    「だからこそ重要なのは自分たちの開発の軌道を維持することだ。僕たちはレースごとにマシンを改善し続けたい」

    バルセロナで示されたフェラーリの速さが本物なのか、それともサーキット特性によるものなのか。その答えは、次戦オーストリアGPから始まる連戦で明らかになっていくことになりそうだ。

  • フェラーリF1の隠し玉 新型BBS製リアホイールがハミルトン初勝利を後押し

    フェラーリF1の隠し玉 新型BBS製リアホイールがハミルトン初勝利を後押し

    フェラーリF1がバルセロナ・カタルーニャGPで投入したアップデートは、新型フロントウイングや空力パッケージだけではなかった。ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍後初優勝の裏には、タイヤマネジメントを改善するために開発された新しいリアホイールの存在があった。

    スペインの高温コンディションではタイヤの摩耗が大きな勝負の分かれ目になると予想されていたが、フェラーリはレースを通じて優れたペースとタイヤライフを示した。

    その背景には、リア周りの熱管理を改善する技術的な進化があったとみられている。

    新型BBS製リアホイールを投入
    フェラーリはバルセロナ・カタルーニャGPで、BBS Japanが開発した新しいリアホイールを実戦投入した。

    2026年シーズンからFIAがホイール設計に関する規制を一部緩和したことで、各チームはホイールそのものをパフォーマンス向上のための開発対象として再び活用できるようになった。

    ホイールには軽量化や剛性向上だけでなく、温度管理という重要な役割がある。特にレース中のタイヤ温度や内圧の安定化は、摩耗を抑制するうえで極めて重要な要素となる。

    フェラーリは新型リアホイールによって、ブレーキシステムから発生する熱がホイールを通じてタイヤへ伝わるのを抑制することに成功したとされる。

    ブレーキ熱の遮断でタイヤ摩耗を低減
    フェラーリの技術陣はBBS Japanと共同で熱管理システムを最適化した。

    マラネロではブレーキ周辺に設置されるカーボン製のドラム内部に冷却用エアスペースを設け、専用の空気流路を設計。一方でBBS Japanは鍛造マグネシウム製ホイールの構造を見直し、熱の拡散性能を向上させた。

    これによりブレーキから発生する高温がホイールを介してタイヤへ伝達されることを抑制し、タイヤ温度と内圧の上昇を安定化させることが可能になったという。

    バルセロナでは気温31度、路面温度52度という厳しい条件だったが、フェラーリはライバル勢と比較してタイヤの劣化をうまくコントロールしていた。

    フェラーリの弱点克服へ大きな前進
    近年のフェラーリは一発の速さを見せながらも、タイヤ管理ではメルセデスやレッドブル・レーシングに後れを取る場面が少なくなかった。

    しかし今回の改良によって、高温レース向けの熱遮断仕様と、低温時にタイヤを素早く暖める仕様の両方を使い分けられる体制を整えつつある。

    技術責任者ロイック・セラは、かつてミシュランでタイヤ開発に携わった経験を持ち、タイヤ挙動への深い知識で知られる。そのノウハウがSF-26の開発にも反映され始めているようだ。

    バルセロナ・カタルーニャGPでのハミルトンの優勝は、新しい空力パッケージだけでなく、見えにくい部分で進められていた熱管理技術の進化が支えた成果だったと言えそうだ。

  • フェラーリF1圧勝で広がる疑問 FIAのADUO判定に説明求める声

    フェラーリF1圧勝で広がる疑問 FIAのADUO判定に説明求める声

    F1バルセロナ・カタルーニャGPでのフェラーリの圧倒的な勝利を受け、パドック内ではFIAのパワーユニット評価制度「ADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)」に対する疑問の声が高まっている。

    FIAは先週末のバルセロナ・カタルーニャGPを前に、2026年および2027年の追加開発枠を各メーカーへ割り当てた。

    評価の結果、レッドブル・フォードが最も優れた内燃エンジン(ICE)を持つと認定され、フェラーリ、アウディF1、ホンダには2回、メルセデスには1回の追加開発機会が与えられた。

    フェラーリの圧勝が新たな論争に
    ところが、その直後に行われたバルセロナ・カタルーニャGPではルイス・ハミルトンがフェラーリで優勝。ジョージ・ラッセルとランド・ノリスに20秒以上の差をつける完勝だった。

    一方、FIAから最強エンジンと評価されたレッドブル勢は苦戦。マックス・フェルスタッペンは4位に終わり、アイザック・ハジャーも好追い上げを見せたものの6位が精一杯だった。

    この結果について、ブラジル人ジャーナリストのジュリアンヌ・セラソリは、自身のYouTubeチャンネルでパドック関係者の間に疑問が広がっていると明かした。

    「パドックでの議論はこうだ。メルセデスが開幕から勝ち続けていたのに、なぜパワーで大きく劣ると評価されたフェラーリが突然レースを支配できたのか。そして、なぜ最良のエンジンを持つとされたレッドブルが勝てないのか、ということだ」

    FIAはあらゆるデータを検証
    セラソリによれば、FIAはADUOの評価にあたり予選タイム、決勝ペース、両ドライバーの平均データなど複数の指標を比較したという。

    「FIA関係者は『あらゆるデータを見た。予選も、ドライバー平均も、決勝結果も確認した。そのすべてがレッドブルのエンジンが最良という結論を示していた』と話している」

    しかし、その評価結果と実際のレースパフォーマンスが一致していないように見えることから、関係者の間では説明を求める声が上がっている。

    メルセデスとフェラーリへの疑念も
    さらにパドックでは、メルセデスとフェラーリがADUO制度を見越してパワーユニットを設計した可能性も取り沙汰されている。

    一部では、両メーカーが意図的にICE性能を抑えた仕様でホモロゲーションを行い、追加開発枠を獲得する戦略を取ったのではないかとの見方もある。

    セラソリは「メルセデスは規則を理解したうえでエンジンを設計していたのではないかという話も出ている。なぜこれほど大きな差が生まれたのか、多くの疑問が残っている」と語った。

    ADUO制度は2026年の新規則下で各メーカー間の性能差を縮小するために導入されたものだが、フェラーリの躍進とレッドブルの苦戦によって、その評価基準や運用方法を巡る議論は今後さらに激しくなりそうだ。

  • フェラーリF1 ディーノ・ベガノビッチをバルセロナのFP1に起用

    フェラーリF1 ディーノ・ベガノビッチをバルセロナのFP1に起用

    フェラーリは今週末のF1スペインGPで、ルイス・ハミルトンに代わって育成ドライバーのディーノ・ベガノビッチをフリー走行1回目(FP1)に起用する。

    FIAのレギュレーションでは、各チームはシーズン中にレギュラードライバーのマシンをルーキードライバーへ開放する義務があり、フェラーリはそのプログラムの一環としてベガノビッチに走行機会を与えることを決定した。

    フェラーリ育成ドライバーに再びチャンス
    フェラーリ・ドライバー・アカデミー所属のディーノ・ベガノビッチは、近年チームが将来を期待する若手ドライバーのひとりだ。

    ベガノビッチは昨年のバーレーンGPとオーストリアGPでもFP1に参加しており、今回が3度目のF1公式セッション出走となる。

    バルセロナ・カタルーニャ・サーキットは現役ドライバーたちの走行データが豊富に蓄積されているため、多くのチームがルーキー起用の場として選択している。

    ベガノビッチ「昨年の経験を生かしたい」
    ベガノビッチはフェラーリからの発表で、再び赤いマシンをドライブできることへの喜びを語った。

    「赤いレーシングスーツを着て再びマシンに乗り込み、エンジニアやメカニックと一緒に仕事をするのは特別な経験だ。バルセロナが本当に楽しみだ」

    「昨年のFP1には素晴らしい思い出があるし、その経験を生かして今回はさらに良い仕事をしたい」

    「レギュレーション変更もあって、このクルマは僕にとってまだ非常に新しい存在だ。そのため、できるだけ早くペースに慣れることが最優先になる」

    「チームが求める仕事をし、有益なフィードバックを提供しながら、できる限りクルマに適応することが目標だ」

    「それができればチーム全体にとって有意義なセッションになるし、僕自身にとっても素晴らしい時間になると思う」

    ハミルトンはモナコ表彰台後の週末へ
    ハミルトンは前戦モナコGPで今季初表彰台を獲得しており、好調な流れでスペインGP週末を迎える。

    FP1を欠場するものの、残るセッションには通常どおり参加する予定であり、フェラーリはベガノビッチの走行で得られるデータを週末のセットアップ作業に活用する考えだ。

    【関連】
    ・F1バルセロナ・カタルーニャGP テレビ放送時間・配信日程

  • フェラーリF1ブレーキ問題 ハミルトンはブレンボ製ディスクを使用せず

    フェラーリF1ブレーキ問題 ハミルトンはブレンボ製ディスクを使用せず

    フェラーリF1内部で、モナコGPの週末を通じて大きな話題となったのがブレーキの問題だった。

    発端はカナダGPまでさかのぼる。シャルル・ルクレールは週末を通じてブレーキのフィーリングに不満を訴え続け、タイヤ温度との関連性についても言及していた。低温かつ低グリップの路面だったモントリオールでは、その傾向が特に顕著だった一方、チームメイトのルイス・ハミルトンは比較的快適に走行していた。

    そして母国レースのモナコでも、ルクレールの不満は解消されなかった。

    ルクレール「解決策はあるが試さなかった」
    予選後、ルクレールはブレーキに関する問題について次のように語っていた。

    「解決策があることは分かっている。ただ、ここモナコでは試したくなかった」

    しかし決勝では再びブレーキのフィーリングに苦しみ、レース中の接触後には無線で感情を爆発させた。

    「この件の責任を僕は負わない。原因はこの忌々しいブレーキだ」

    レース後もその主張は変わらなかった。

    さらにルクレールは、ハミルトンがすでに別仕様のブレーキを使用していることを明かした。

    「ルイスは3レース前から違うブレーキを使っている。僕も次のレースから使うことになると思う」

    ただし、その詳細については明言を避けていた。

    ハミルトンは日本GPから別仕様を採用
    AutoRacerによると、ハミルトンは2026年F1日本GPから自身が好むブレーキ仕様へ変更していたという。

    フェラーリのブレーキシステムは基本的にブレンボ製だが、ハミルトンのマシンではブレンボ製キャリパーを維持しながら、ブレーキディスクのみをカーボン・インダストリーズ製へ変更したとされる。

    これはハミルトンがメルセデス時代に長年使用してきたメーカーであり、フェラーリ移籍によって一度離れていた仕様だった。

    重要なのは、ブレーキシステム全体を変更したわけではないという点だ。

    現在も44号車の大部分はブレンボ製コンポーネントが使用されており、変更されたのはディスク部分のみとみられている。

    メルセデス時代から続いていたハミルトンの要望
    実はこの変更は突然決まったものではない。

    ハミルトンはメルセデス在籍時代の2025年シーズンから、カーボン・インダストリーズ製ディスクへの強い信頼を示していた。

    問題は性能そのものではなく、長年使い続けてきたことで身についたフィーリングだった。

    フェラーリは50年以上続くブレンボとの関係を重視し、従来仕様を維持していたが、ハミルトンは移籍後も変更を求め続けた。

    2026年プレシーズンテストのバーレーンで評価が行われ、その後チームを説得することに成功。日本GPから事実上の仕様変更が実施されたという。

    フェラーリは2人のドライバーで異なる方向を選択
    モナコGP終了後の発言から見えてくるのは、フェラーリが現在2人のドライバーに異なるブレーキ仕様を提供しているという事実だ。

    ハミルトンは自身が慣れ親しんだ構成へ回帰し、一定の満足感を得ている。

    一方でルクレールは、カナダGPから続くフィーリング不足に苦しみ続けている。

    モナコGP後のコメントを見る限り、フェラーリは近いうちにルクレールにも同様の仕様を試させる可能性が高い。

    母国レース後に飛び出した「ルイスと同じブレーキを使う」という発言は、単なる感情的な不満ではなく、フェラーリ内部で進行している技術的な方向転換を示唆するものだったのかもしれない。

    【関連】
    ・ルクレールの“原因はブレーキ”発言にブレンボが反論 フェラーリF1に新たな火種

  • フェラーリ初EVルーチェをピエロ・フェラーリが擁護「運転すれば考えは変わる」

    フェラーリ初EVルーチェをピエロ・フェラーリが擁護「運転すれば考えは変わる」

    フェラーリ副会長のピエロ・フェラーリは、同社初の完全電動スーパーカー「ルーチェ」に対する批判について、実際に見て、運転してから判断すべきだと反論した。

    フェラーリは数日前、ブランド史上初となる完全電動ロードカーを発表した。伝統の内燃エンジンを搭載しない一方で、最高出力は最大1050馬力、0-100km/h加速は2.5秒、0-200km/h加速は6.8秒、最高速は310km/hに達する。航続距離はWLTP基準で530kmとされているが、最終的なホモロゲーション手続きはまだ進行中だ。

    航続距離はWLTP基準で530kmとされているが、最終的なホモロゲーション手続きはまだ進行中だ。

    モンテゼーモロが「神話を壊す危険」と批判
    完全電動フェラーリの登場は、当然ながら大きな議論を呼んでいる。多くの愛好家は、バッテリー駆動のモデルがイタリアの名門ブランドの精神を本当に体現できるのか疑問を呈している。

    その中でも強い批判を示したのが、元フェラーリ会長のルカ・ディ・モンテゼーモロだった。モンテゼーモロは、このプロジェクトに対する反対姿勢を隠さず、フェラーリが世界で最も有名な自動車ブランドのひとつを傷つける危険があると警告した。

    「本当に思っていることを言えば、非常に不快なことを言うことになるので、コメントしないでおきたい。ただ、誰かがあのクルマから跳ね馬を外してくれることを願っている。神話を破壊する危険があり、それを非常に残念に思っている。少なくともこれは、中国メーカーがコピーしないクルマだろう」

    ピエロ・フェラーリ「運転すれば考えは変わる」
    これに対し、ピエロ・フェラーリは新型ルーチェを擁護した。フェラーリ副会長は、同社が電動化時代に踏み出したことへの批判に反論し、意見は実際に体験してから形成されるべきだと主張した。

    「批判したい人は自由に批判すればいい。しかし私の答えはこうだ。まず見に行って、それから運転してほしい。実際にステアリングを握れば、おそらく考えは変わるだろう」

    ルクレールとハミルトンもルーチェに驚き
    フェラーリのF1ドライバーであるシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンも、新型フェラーリ・ルーチェの第一印象を語った。ルクレールは、従来のフェラーリと比べてキャビンがほぼ無音であることが最も大きな違いのひとつだと認めた一方、パフォーマンスモードで生成される人工サウンドについては、クルマとの一体感を保つ助けになると評価した。

    また、ルクレールは車両全体に組み込まれた革新的な技術にも触れ、完全電動プロジェクトはフェラーリにとってまったく新しい挑戦だと位置づけた。

    一方のハミルトンは、ルーチェが路面にしっかりと吸い付くような感覚に特に感銘を受けた。7度のF1ワールドチャンピオンは、安定性、低重心、コーナーでの少ないロールを評価し、従来の内燃エンジンがない中でもドライバーの関与を保つ革新的な機能として、疑似ギアシフトシステムにも言及した。

    ルクレールは最後に、フェラーリを運転する際に伴う特徴的な感覚は、電動化への移行によって失われていないと強調した。28歳のモナコ人ドライバーによれば、フェラーリはまったく新しいセグメントに進みながらも、ブランドを定義してきた特別な感覚を維持することに成功している。