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  • フェラーリF1が大胆策 バーレーンで“疑似ビームウイング”投入

    フェラーリF1が大胆策 バーレーンで“疑似ビームウイング”投入

    スクーデリア・フェラーリは2026年F1第2回バーレーンテストの初日午前、SF-26に新たな空力パーツを投入し、パドックの注目を集めた。これまで“スペックA”仕様を中心に走行を重ねてきたが、今回は開幕戦オーストラリアGPに向けたアップデートの一部とみられる改良が姿を現した。

    その中でも最も目を引いたのが、エキゾースト直後に配置された新しいフリックアップ形状のウイングだ。

    外観は小型かつ簡素なビームウイングのように見える。ビームウイングは前世代マシンで広く用いられたが、2026年レギュレーションではリアのビームウイングは原則として禁止されている。

    今回のパーツは、理論上ボディワークの制約が厳しいリアテール周辺に設置されているが、リアウイングのパイロンに関するレギュレーションの許容範囲を巧みに活用し、規則に適合させている可能性が高い。

    この新要素は主に2つの効果を狙っているとみられる。

    ひとつは、排気ガスの流れを活用し、リアウイング周辺の気流との相互作用を最適化すること。

    もうひとつは、ディフューザーの気流を拡張する役割を担い、ダウンフォース増大を狙うことだ。

    今年の設計思想において重要だったのは、前世代で一般化していたビームウイングの禁止である。フェラーリのこのアプローチが、その“代替解”となるのかが焦点となる。

    スクーデリア・フェラーリ

    ディフューザー中央部の改良と気流の接続
    今回のテストでは、いわゆる“小さな”開発項目が各チームで目立ち始めている。

    フェラーリの場合、ディフューザー中央部のトレーリングエッジ高さを増す小型ベーンのサイズを拡大した。

    先週仕様との違いはわずかな増加にとどまるが、これによりビームウイング相当の気流と接続し、リアクラッシュ構造周辺の気流を改善。その結果、ディフューザー中央の“ボート”エリアの流れを最適化する狙いがある。

    一方で、このパーツがエキゾースト流に与える影響については未知数だ。

    レギュレーションでは、排気口の位置はリアアクスル中心線を基準に390mmから400mmの範囲(許容幅10mm)に定義されており、最低高さは350mmと規定されている。これは排気流を利用して空力パーツ上に過度な高流速気流を発生させることを防ぐための措置である。

    それでも、この解決策が“ブローン・ビームウイング”と“ディフューザー”を組み合わせた新解釈の始まりだと見る向きもある。

    最終的な判断はFIAの見解次第だが、2026年F1の空力戦争は、すでに水面下で激しさを増している。

  • フェラーリF1 SF-26 可動式フロントウイングの油圧制御をシャシー内に配置

    フェラーリF1 SF-26 可動式フロントウイングの油圧制御をシャシー内に配置

    フェラーリは2026年F1マシン「SF-26」において、可動式フロントウイングを作動させる油圧システムをノーズ内部ではなく、シャシー前端部にオーバーハング配置するという解決策を採用したことが明らかになった。

    新レギュレーション下で導入された可動式フロントウイングは、事故や接触時にピットレーンで素早くノーズ交換が可能でなければならない。そのため、油圧アクチュエーターの配置方法が技術的な焦点となっていた。

    ロイック・セラ率いる技術陣は、ステアリングコラムをフロントサスペンションのロワアーム後方へ移設することで生まれたスペースを活用。従来ステアリングボックスが占めていた領域に、フラップを作動させるオン・オフ式油圧アクチュエーターを搭載した。

    この設計には二つの明確な利点がある。

    まず安全面だ。衝突時にノーズが損傷しても、油圧系統からの漏れリスクを低減できる。

    さらに重量配分の面でも有利となる。より重心寄りに質量を配置できるため、マシンが最低重量に到達した段階でフロントウイング側に有効なバラストを追加し、理想的なバランスを追求する余地が生まれる。

    現時点で詳細が確認できていないのは、航空機由来のクイックリリース式油圧コネクターの具体的な形状だ。ノーズとシャシーを固定する機械的アンカーと同様に、油圧接続部も迅速かつ確実な脱着が可能な位置に設計されているとみられる。

    スクーデリア・フェラーリ

    今回確認されたアクチュエーターはオン・オフ方式で、フロントウイングは「開」か「閉」かの二択動作となる。ギアボックスやクラッチ制御のような比例バルブは必要としない構造だ。

    ノーズ内部には高圧配管2本のみが通され、シャシー側から供給される作動圧を左右の可動フラップへ伝達するレイアウトとなっている。

    フェラーリは2025年、SF-25のミュールカーを用いたピレリの開発テストにおいて、いち早く可動式フロントウイングを実戦投入していた。ピレリは前荷重変化に関する重要なデータを収集し、異なる空力設定下でのタイヤ挙動を把握。一方フェラーリも油圧制御システムの実用経験を積み重ね、今回のSF-26の完成形へとつなげた形だ。

    ステアリング配置変更と油圧制御の統合というパッケージング戦略は、2026年F1マシン設計における一つの解答を示している。

  • フェラーリF1代表 ハミルトンのエンジニア騒動を一蹴「個人の問題ではない」

    フェラーリF1代表 ハミルトンのエンジニア騒動を一蹴「個人の問題ではない」

    フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールは、ルイス・ハミルトンのレースエンジニア変更について過度に騒ぎ立てるべきではないと強調した。

    ハミルトンはマラネロでの2年目を迎えるが、リカルド・アダミが別の役割に就くことが決まり、一時的にカルロ・サンティが後任として起用される。ハミルトン自身はこの変更について「自分にとってはマイナスだ」と認めていた。

    「シーズン序盤の数戦だけだとしても、その後また変わることになるし、新しい人との仕事を学ばなければならない。だからそれも自分にとっては不利になる」とハミルトンはメディアに語った。

    この件について問われたフレデリック・バスールは、次のように述べた。

    「それは我々が話した内容とは正確には違う」とフレデリック・バスールは語った。

    「チームとルイス、そしてピットウォールの協力関係は非常に良好だ。私はルイスを見て、チームがコミットしていないと感じたことはない。むしろ自信に満ち、関係についてとてもオープンだった。私の感触は非常にポジティブだ。我々は今後も改善を続けていく」

    「我々のメンタリティは、今日よりも明日より良い仕事をすることだ。改善できる分野があるなら、そちらに向けて努力を続ける。ルイスはこの件について非常に良いマインドセットで臨んでいる」

    ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ

    それでもなお質問が続くと、バスールは語気を強めた。

    「どうかこの話はやめてほしい。22台のマシンがあり、毎年6人か7人の新しいエンジニアがいる。同じことがチーム代表にも言える。おそらく最も長く在任しているのはトト・ヴォルフだが、それでも毎年3人か4人はチーム代表が変わっている。それでチームが終わるわけではない」

    そして最後にこう強調した。

    「今日のチームはおよそ1500人規模だ。レースエンジニア1人の問題ではない。ピットウォールに座っている人物は、6人のスタッフを率いてマシンを担当している。F1は個人の問題ではない。常にチームの問題であって、個人の問題ではない」

  • フェラーリF1 2026年F1勢力図を静観「誰も我々を語らないのは好都合」

    フェラーリF1 2026年F1勢力図を静観「誰も我々を語らないのは好都合」

    スクーデリア・フェラーリは2026年F1シーズンに向けた準備を静かに進めている。バーレーンでの最初のプレシーズンテストを終えた段階で、最有力候補とまでは見られていないが、上位グループに位置するとの評価は受けている。

    チーム代表フレデリック・バスールは、今はあえて注目の中心に立たないことを歓迎している。2025年の経験がまだマラネロの記憶に残る中、落ち着いて作業できる環境を重視している。

    「とてもポジティブなのは、誰も我々について話していないことだ。私はこの状況が好きだ。すでに自分たち自身に集中できる」

    「まだ誰も分かっていない。メルセデスの実力も分からない。20キロなのか、40キロなのか、60キロなのかも分からない。それはマシン間の差よりも大きいことだ。だから最善の在り方は、黙って自分たちに集中することだ」

    SF-26はここまで高い信頼性を示し、多くのデータ収集を可能にしている。新レギュレーション下でゼロからスタートする今季において、まずは走行距離の確保が最優先事項だ。

    「このような、昨年とは完全に異なる新しいマシンを手にしたときの最初の目標は、走行距離を稼ぐことだ。昨年は以前のマシンという基準があった。比較ができた。今年はゼロからのスタートだ」

    「この状況で最も重要なのは、距離を重ね、多くの周回をこなし、データを集めることだ。ファクトリー、風洞、そしてサーキットで見ているものの間に良い相関があるかを確認する。そのためには信頼性が必要だ。ガレージに留まっていては、データを集める最良の方法ではない」

    「これまでのところ、我々にとってはかなりうまくいっている。6日間で約4,500キロを走った。予想以上でポジティブだ。ただし、この面で良い仕事をしていることと純粋なパフォーマンスを混同してはならない。それは別の話だ」

    2026年型パワーユニットでは、350kWのMGU-Kによるエネルギー使用と回生が大きなテーマとなる。しかしバスールは、それだけに焦点を当てるのは危険だと警鐘を鳴らす。

    「昨年、スプリント予選と通常予選の間で、時にはコンマ6〜7秒の差があったことを思い出すべきだ。3年から4年使ってきたマシンでも、アウトラップ次第でそれだけ変わった」

    「これは今後も続く。2回のアタックラップの違い、異なるコンパウンドのタイヤ準備による違いは残るだろう」

    「過去にやってきたことを忘れ、エネルギーマネジメントだけに集中してはならない。確かにそれは重要で、ラップタイムにとって不可欠だ。しかしF1とレースのすべてのパラメータは今も存在し、同じ重要性を持つ。それを忘れるのは誤りだ」

    「レギュレーションが新しいからといって、新しい要素だけが重要というわけではない。空力は重要であり、タイヤは重要であり、ドライビングも重要であり、ピット戦略も重要だ。我々はそれを心に留めておかなければならない」

    スクーデリア・フェラーリ

    マックス・フェルスタッペンが新世代F1を「ステロイドを打ったフォーミュラE」と評したことについても、バスールは冷静だ。

    「2022年にも同じようなコメントがあったと思う。そして2022年から2025年の期間は、おそらくF1にとって最高の時代だった」

    「バーレーンに来て前年より少し遅いと、最初の反応はもっと速いものを運転したいという気持ちになるだろう。しかし半セッション、あるいは1セッションもすれば、彼らの焦点は他より速く走ることだけになる。1分31秒か1分35秒かは問題ではなく、他が何秒かということだ。それは彼らのDNAであり、すべてのチームのDNAだ。今回は違うということはないはずだ」

    最後に、SF-26の現状については多くを語らなかったが、ひとつ強調したのはシミュレーションとの相関だ。

    「昨年、悪い相関があったわけではない。ただマシンを開発できなかっただけだ」

    「これまでのところ相関は良い。しかしまだ理解すべきことは非常に多い。集めているものを消化する最善の方法は、マシンをコースに出し続け、可能な限り多くの距離を走り、セッション間でうまく作業することだ。だが今のところ、相関は良好だ」

  • フェラーリF1「新PU均衡システムは悪用できない」グアルティエリが自信

    フェラーリF1「新PU均衡システムは悪用できない」グアルティエリが自信

    フェラーリのパワーユニット部門責任者エンリコ・グアルティエリは、2026年F1レギュレーションで導入される新たなエンジン均衡システムについて「十分に規定されており、悪用は難しい」との見解を示した。

    FIAは2026年の新ハイブリッド時代に向け、特定メーカーが大きく抜け出す事態を防ぐため「追加開発・アップグレード機会(ADUO)」と呼ばれる仕組みを導入する。これは、一定のパフォーマンス差が生じた場合に遅れを取ったメーカーへ追加の開発機会を与える制度だ。

    パドックでは、意図的にパフォーマンスを抑えて制度を利用する「サンドバッギング」の可能性を指摘する声もあるが、グアルティエリはそうした懸念を否定した。

    「シーズン中に追加のアップグレードや開発機会を得るためのADUOメカニズムについてだが」とグアルティエリは語った。

    「これは我々全員にとって新しいプロセスだ。FIAにとっても新しく、パワーユニットメーカーにとっても新しい。だが、許可される内容の定義において、かなり明確に規定されていると感じている」

    2026年はフェラーリ、メルセデス、レッドブル・フォード、ホンダ、アウディの5メーカーが参戦する。それぞれアーキテクチャが異なる中での監視体制となるが、グアルティエリは制度の堅牢性に信頼を置く。

    「もちろん結果に慣れるまでには時間がかかるだろう。しかし、このメカニズムが目指す最終的なターゲットに向けて機能するには十分に堅牢だと考えている」と述べた。

    「現時点ではこのプロセスに満足している。もちろん必要があればFIAとは常に連絡を取り合うが、今のところ我々にとって問題はない」

    スクーデリア・フェラーリ

    持続可能燃料と“分子”の視点
    パフォーマンスの政治的均衡を担うのがADUOなら、技術面での大きな変化は完全持続可能燃料の導入だ。

    2026年パワーユニットでは先進的な持続可能燃料が使用されるが、グアルティエリはエンジニアリングの観点から見ると、エンジン側の“欲求”自体は大きく変わらないと説明する。

    「新燃料、つまり先進的持続可能燃料についてだが、最終的な燃料の組成という点では大きな変化ではないと言える」と語った。

    「最終的に重要なのは分子であり、それらの分子がどのような特性を発揮できるかだ。燃料は基本的に以前とほぼ同じ考え方で設計される」

    一方で、最大の変化は性能そのものではなく、燃料の供給過程にあるという。

    「エンジンの“食欲”は大きく変わらない。つまり燃料設計は以前とほぼ似ている」と続けた。

    「本当に大きく変わったのは、供給チェーンや原料、つまり燃料がどのような原材料から作られるかという点で、持続可能性の理由から厳しい制約を満たさなければならないことだ」

    「これは従来から追求してきた性能や効率性に加えて新たに加わった要素だ。我々と燃料サプライヤーが最終的な燃料設計を定義するプロセスそのものを変えた」

    2026年F1は技術面でも政治面でも新時代を迎える。だがフェラーリは、供給網の制約からFIAの新制度までを含め、その複雑な環境を精密に乗りこなす準備が整っているとの姿勢を示している。

  • フェラーリF1 バーレーン初日は132周走破「まだ序列は語れない」

    フェラーリF1 バーレーン初日は132周走破「まだ序列は語れない」

    スクーデリア・フェラーリは2026年F1プレシーズンテスト初日をバーレーンで迎え、SF-26で合計132周を走破。大きな技術的トラブルもなく、データ収集を着実に進める一日となった。

    午前はルイス・ハミルトン、午後はシャルル・ルクレールがステアリングを握り、ともに生産的な走行を完遂したが、現時点での勢力図を語るには時期尚早だと口を揃えた。

    「マシンに戻って周回を重ねられたのは楽しかった。今日はコンディションがかなり厳しく、砂やほこりが多く、風も非常に強かった」とハミルトンは述べた。

    「我々の位置について判断するにはまだ早すぎる。この段階では全チームが異なるプログラムを実行している。だから最も重要なのは自分たちに集中し、学び続けることだ」

    それでも、フェラーリ内部の雰囲気は前向きだという。

    「非常に集中したチームだと感じている。今後数日間、段階を踏んで作業を続け、改善していく」

    スクーデリア・フェラーリ バーレングランプリ

    午後に走行し、この日3番手タイムを記録したルクレールも、初日は励みになる内容だったと語る一方で、結論を急ぐことは避けた。

    「僕にとって生産的な半日だった。大きな問題なくプログラムを完遂できたのは、この段階では常にポジティブだ」とルクレールは述べた。

    「ここはコンディションがまったく異なるので、バルセロナとはかなり感触が違った。ただ、それこそが必要なことだ。別のサーキットで経験を積み、さまざまな状況でマシンがどう振る舞うかを理解することが重要だ」

    「これまでのところ、データは概ねシミュレーションで予測していた内容と一致している。それは励みになる要素だ。今後はプログラムの継続に集中し、開幕戦に向けて可能な限り万全の状態を整えていく」

  • フェラーリF1、2026年F1エンジン規則の“サンドバッグ論”を一蹴

    フェラーリF1、2026年F1エンジン規則の“サンドバッグ論”を一蹴

    スクーデリア・フェラーリは、2026年F1パワーユニットに導入される新たな救済制度を巡り、一部でささやかれている「意図的に性能を隠す(サンドバッグ)」可能性を明確に否定した。

    2026年F1ではエンジン開発が凍結される一方で、性能面で後れを取ったメーカーに対しては、シーズン中の追加開発を認める新制度が導入される。フェラーリのエンジン責任者エンリコ・グアルティエリは、この仕組みについて「十分に定義されており、悪用される心配はない」との認識を示している。

    新制度ADUOへの評価
    FIAは2026年F1から「追加開発・アップグレード機会(ADUO)」と呼ばれる制度を導入した。これは、メルセデス、フェラーリ、レッドブル・フォード、ホンダ、アウディの5メーカーを対象に、シーズン進行率25%、50%、75%の時点で性能測定を行い、遅れが確認された場合に限り追加開発を認めるというものだ。

    この制度について、グアルティエリは次のように語っている。

    「このADUOのメカニズムは、シーズン中に追加のアップグレードや開発機会を得られるというものだ」

    「これは我々全員にとって新しいプロセスだ。FIAにとっても新しく、パワーユニットメーカーにとっても新しい。だが、何が許されているのかという定義は非常によく定められていると感じている」

    「当然、実際の結果や運用には慣れるまで時間がかかるだろう。しかし、この仕組みが最終的に目指している目的に対しては、十分に堅牢だと考えている」

    「現時点では、我々はこのプロセスに完全に納得している」

    さらに、制度の運用についてはFIAと継続的に連携していることも明かした。

    「必要であれば、常にFIAと連絡を取り合っている。ただ、今のところ特に問題はない」

    サンドバッグの懸念を否定
    この制度については、将来的な開発優遇を狙って意図的に性能を抑える、いわゆる「サンドバッグ」が起こり得るのではないかという指摘もある。しかし、フェラーリはその懸念を共有していない。

    グアルティエリの発言からは、ADUOが十分に細かく規定されており、制度を“ゲーム化”する余地は小さいという自信がうかがえる。

    スクーデリア・フェラーリ F1 エンジン

    持続可能燃料への対応
    2026年F1パワーユニットでは、電動化の拡大に加え、完全な持続可能バイオ燃料の使用が義務付けられる。これについてもグアルティエリは、フェラーリにとって本質的な変化は限定的だと説明している。

    「新しい燃料、つまり先進的な持続可能燃料について言えば、最終的な燃料組成という意味では、大きな変化ではない」

    「結局のところ重要なのは分子そのものと、その分子が持つ性質だ。燃料は従来とほぼ同じ考え方で設計されている」

    「エンジンが求める特性自体は大きく変わらない。つまり、燃料設計は以前使っていたものとかなり似ている」

    一方で、これまでとの大きな違いは供給プロセスにあるという。

    「大きく変わった点は、燃料がサプライチェーンや原料に関する制約を満たさなければならないことだ。これは持続可能性の観点から求められている」

    「性能や効率だけでなく、原材料の出所まで考慮する必要があり、それが我々と燃料サプライヤーの燃料設計の進め方を変えた」

    フェラーリは、新制度と新燃料の双方に対し、現時点では冷静かつ前向きな姿勢を示している。2026年F1のパワーユニット競争において、制度面での“抜け道”よりも、純粋な開発力が問われることになりそうだ。

  • フェラーリF1、SF-26はなぜSダクトを捨てたのか 開発の裏側

    フェラーリF1、SF-26はなぜSダクトを捨てたのか 開発の裏側

    スクーデリア・の2026年F1マシン、SF-26は、バルセロナでのシェイクダウンを経て、次なる検証の舞台となるバーレーンを待つ段階にある。

    外観上は大きな変化を誇示していないが、マラネロでは実走行データと風洞、シミュレーターとの相関が確認され、マシンの基礎性能に対する手応えが着実に積み重なっている。

    その中で注目を集めているのが、フェラーリがSF-26でSダクトを採用しなかったという技術的判断だ。かつて有効な武器として機能していたデバイスを、なぜ今になって捨てたのか。その背景には、2026年レギュレーションを見据えた冷却思想の転換と、より先を見据えた開発戦略がある。

    バルセロナでの走行後、ゲスティオーネ・スポルティーバではロイック・セラ率いる技術陣が、SF-26の挙動を細かく分析している。サキールで行われる最初のセッションに向けては、すでに最初のアップデートパッケージが準備されており、開幕前から計画的な開発サイクルが進められている。

    ルイス・ハミルトンは、各チームが任意で3日間のみ走行可能だった5日間のカタルーニャ走行を、総合トップタイムで終えた。ただし、フェラーリがスペインで追い求めていたのはタイムそのものではない。目的は、パワーユニットとシャシーの統合における挙動を把握し、マシン全体の理解を深めることだった。

    その成果として、空力部門は実走行と風洞実験の間に良好な相関を確認している。さらに、そのデータはシミュレーターにも反映され、ドライバーが感じるフィードバックは、バルセロナでの実走行により近いものへと改善された。これは、今後の開発スピードと精度を左右する、極めて重要な収穫だ。

    Sダクトを捨てたフェラーリの選択
    SF-26は、2026年型マシンの中で唯一、非常に小型で三角形状のエアボックスを採用して登場した。この特徴は、パワーユニットの冷却システムの大部分をサイドポッド内部に集約する設計思想と深く結びついている。ラジエーターの開口部は三角形で、下部に設けられた縦スリットは、あくまで必要な空気流量を確保するためのものに過ぎない。

    取材によれば、フェラーリはSF-23で導入し、SF-24でも継続して使用していたSダクトを、SF-26では採用していない。Sダクトは、サイドポッド下部のえぐれた空間への空気の充填を改善し、フロアに向かう流れの質を高める役割を果たしていた。また、サイドポッド上部へ排出される冷却空気は、ボディ形状と組み合わさることで、抵抗を増やさずにダウンフォースを増加させる効果もあった。

    しかしSF-26では、その役割を別の形で置き換えている。現在は、ヘイローの付け根後方に設けられた排出口が、サイドポッド内部の熱を効率的に引き抜く役割を担っており、Sダクトに頼らない冷却レイアウトが構築されている。

    スクーデリア・フェラーリ

    冷却思想の転換と今後の進化
    フェラーリがこの選択を可能にした背景には、内燃エンジンの特性がある。SF-26に搭載されるエンジンは鋼製シリンダーヘッドを採用しており、より高温域での作動が可能だ。この特性により、必要とされる放熱面積をサイズ面でも重量面でも抑えることができ、サイドポッド形状の自由度が高まっている。

    その結果、今後はさらに引き締まったサイドポッド形状が投入される可能性が高い。冷却を犠牲にすることなくボディワークを攻めることができるため、空力面での伸び代も確保されている。

    SF-26は、派手な革新よりも、確実な相関と堅実な開発を重視してスタートを切ったマシンだ。Sダクトを捨てた判断は、その象徴とも言える。フェラーリF1が描く2026年の戦い方は、バーレーンでの本格検証を経て、徐々に輪郭を現していくことになりそうだ。

  • フェラーリF1、メルセデス型PUを研究 2027年仕様エンジン開発に着手

    フェラーリF1、メルセデス型PUを研究 2027年仕様エンジン開発に着手

    2026年F1レギュレーション下でメルセデスのパワーユニットが序盤から存在感を示す中、フェラーリF1が次の一手として2027年仕様エンジンの開発に着手したと報じられている。焦点となっているのは、圧縮比の挙動に関するメルセデス型の技術的アプローチだ。

    イタリアの有力コメンテーターによれば、フェラーリは短期的な対応ではなく、中長期的な視点でパワーユニットの再設計を進めているという。

    FIAの解釈を踏まえつつ、動的圧縮比を実現する独自の解決策を模索する動きが浮かび上がっている。

    2026年F1レギュレーションの導入を受け、メルセデスのパワーユニットはテスト初期から好調な走りを見せている。その背景として、ライバルチームの間では新たな圧縮アプローチの存在が噂されている。

    ここ数週間、ピットレーンのエンジニアたちの間で議論されているのは、燃焼室上部のプレチャンバー点火プラグ付近から細い通路で接続された、約1立方センチメートルとされる極小の補助容積を用いる理論だ。この仕組みが、作動時の圧縮挙動に影響を与えている可能性があると考えられている。

    同様の噂は、レッドブル・フォードのパワーユニットプロジェクトにも及んでいる。こうした概念が不正にあたるのかとオーストラリアのチャンネル9から問われたクリスチャン・ホーナーは、その見方を明確に否定した。

    「それは大きな言い方だ」とホーナーは述べた。

    「F1とは限界を押し広げるものだ。レギュレーションをどう解釈するかの勝負でもある。最も保守的なチームが、最前線に立つことは決してない。常に枠を押し広げなければならない」

    スクーデリア・フェラーリ

    一方で、イタリアの著名コメンテーターであるレオ・トゥリーニは、フェラーリがすでに次の段階を見据えた動きを始めていると指摘する。ただし、その照準は2026年ではなく、さらに先の2027年に定められているという。

    トゥリーニは自身の「クオティディアーノ」コラムで、フェラーリエンジン部門責任者エンリコ・グアルティエリが、動的圧縮比の実現を狙った大幅な変更を盛り込んだ2027年仕様パワーユニットの開発を承認したと記している。

    フェラーリは、FIAがニコラス・トンバジス率いるシングルシーター部門の判断として、メルセデスのコンセプトを完全に合法と見なしたと受け止めており、それを前提にマラネロ独自の解釈を追求しているという。

    その中核となるのが、熱膨張係数の高い素材を用いた新設計のコンロッドだ。温度上昇によって生じる圧縮低下を相殺する狙いがあり、成功すればダイナモ上でのテスト開始は2026年半ばになる見通しとされている。実戦投入は、早くとも2027年以降になる可能性が高い。

    トゥリーニが見積もる性能向上は、5〜10馬力程度だ。

    2025年シーズンに苦戦を強いられたフェラーリだけに、現時点での見通しは依然として慎重だ。SF26に何を期待すべきかと問われた元フェラーリドライバーのイヴァン・カペッリは、笑いながらこう返した。

    「次の質問は?」

    しかし、さらに問い詰められると、口調はやや前向きに変わった。

    「SF26には、かなり独創的なソリューションがいくつも採用されている」とカペッリは語る。

    「新しいレギュレーションは、エンジニアに多様な道を許している。解釈は一つではない」

    そして、こう締めくくった。

    「フェラーリには競争力を持つ義務がある。トップ勢と肩を並べる存在になると期待している」

  • フェラーリ、ブレンボとの50年以上の協力関係を延長 F1とWECで協業継続

    フェラーリ、ブレンボとの50年以上の協力関係を延長 F1とWECで協業継続

    フェラーリは、ブレーキシステムの開発で世界をリードするブレンボとの長年にわたる協力関係を更新し、契約を延長したと発表した。両社のパートナーシップは50年以上に及び、2026年以降も主要な国際競技で継続される。

    今回の合意により、ブレンボは引き続きフェラーリのテクニカルパートナーとして、F1および耐久レースの両プロジェクトを支えることになる。

    この契約は、F1に参戦するスクーデリア・フェラーリに加え、FIA世界耐久選手権に参戦するフェラーリ・ハイパーカー・プロジェクトも対象としている。

    ブレンボのサポートは、2023年にデビューし、2025年には53年ぶりにマラネロへ耐久選手権のコンストラクターズタイトルをもたらしたフェラーリ499Pの競技活動にも引き続き及ぶ。

    2026年シーズンに向けて、ブレンボはF1マシンおよびフェラーリのハイパーカーに対し、油圧系および摩擦材を含むブレーキシステム一式を供給する。これらは、現代のトップレベル競技が求める極限の要求に応えるべく設計された専用ソリューションとなる。

    今回の契約更新は、フェラーリとブレンボが、革新性、品質、パフォーマンスという両イタリアブランドの技術的・競技的アイデンティティを体現する価値観を、今後も共有し続けることを示すものだ。

    スクーデリア・フェラーリ