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  • アービッド・リンドブラッド F1オランダGPのペナルティに不満「なければ8位」

    アービッド・リンドブラッド F1オランダGPのペナルティに不満「なければ8位」

    アービッド・リンドブラッドは、2026年F1オランダGP決勝で科されたドライブスルーペナルティについて「少し厳しすぎる」と不満を示した。レーシングブルズのルーキーは12位でフィニッシュしたものの、「ペナルティがなければ8位だったことにまったく疑いはない」と自身のレースペースに手応えを示している。

    リンドブラッドはスタート直後からポイント圏内を争っていたが、マックス・フェルスタッペンのクラッシュ時に黄旗区間でピエール・ガスリーをオーバーテイクしたとしてドライブスルーペナルティを科された。

    大きく順位を落とした後は追い上げを見せ、ガスリーやニコ・ヒュルケンベルグらと激しいバトルを展開したが、最終的には12位に終わった。

    「ペナルティは少し厳しすぎる」
    問題の場面について、リンドブラッドはフェルスタッペンのクラッシュによってコース上にデブリが散乱し、周囲の状況を確認することが難しかったと説明した。

    「結局、マックスがコントロールを失って、それからコースを横切ってきて、あちこちにデブリが散らばっていた。僕にはほとんど何も見えなかった」

    「とにかく接触しないようにしていた。たしか彼のタイヤのひとつにぶつかりそうになったと思う。それで、自分のラインをキープして、何も起こさないようにまっすぐ走ることだけを考えていた」

    その後、ターン1でガスリーを抜いたことが黄旗中の追い越しと判断された。

    「それからターン1でピエールを抜いたけど、僕には旗も何も見えなかった。だから、ちょっと残念だった」

    「ペナルティも少し厳しすぎると思う。そこはみんな正直にそう言えると思う」

    「それで僕のレースは事実上終わってしまった。あのインシデントに対してはかなり重いペナルティだったと思うけど、仕方ない。決まったことだからね」

    ペナルティ後の走りは「F1でベストのひとつ」
    ドライブスルーペナルティによってポイント争いから大きく後退した一方、リンドブラッドはその後の自身のパフォーマンスを高く評価した。

    「残念なのは、ペースが本当に良かったことだ。正直、そこから先のレースについてはかなり誇りに思っている」

    「ペースという点では、おそらく今年のF1で僕が走ったレースの中でもベストのひとつだったと思う」

    「オーバーテイクへのコミットメントも良かったし、できるところではチームを助けようとした。それもかなり意味のあることだった」

    実際、リンドブラッドは後方から順位を取り戻し、ガスリーを抑えることで、先にガスリーを攻略した角田裕毅がギャップを築くことにも貢献した。

    「だから少し残念だ。僕自身もチームも、本当にいい仕事をしたと思っているし、そのことにはかなり満足している。もちろん、もっと良くできる部分はいくつかあるけど、僕たちは3周目の時点で事実上レースから外されてしまった」

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) オランダグランプリ

    「ペナルティがなければ8位だった」
    それでも、リンドブラッドにとってザントフォールトでの走りは、次戦F1イタリアGPに向けて自信につながる内容となった。

    週末序盤はレーシングブルズの競争力が十分ではなかったと認めながらも、自身がサーキットへの理解を深め、チームもマシンを改善したことで、決勝に向けて大きく前進できたと振り返った。

    「僕の側からすると、簡単な週末ではなかった。週末のスタート時点では、これまでほど競争力がなかったと思う」

    「でも、僕自身がコースに慣れていって、チームもいくつか変更を加えてくれたことで、通常フォーマットの部分では本当に競争力のあるマシンになった。スプリントの部分ではなくてね」

    「ポイントを持ち帰れなかったのは本当に残念だ。ペナルティがなければ、今日は8位だったことにまったく疑いはない」

    チーム代表のアラン・パーメインも、ペナルティ後のリンドブラッドのレースについて評価している。

    「今日は我々にとって厳しいレースだった。あのペナルティを受けた後、アービッドが挽回するのは非常に難しく、ほとんど不可能だった」

    「それでも彼はガスリーを後ろに抑える素晴らしい仕事をしてくれた。それによって、オーバーテイクを決めた角田裕毅が前でギャップを広げることができた」

    リンドブラッドにとって結果は12位とノーポイントに終わったが、ペナルティ後に見せたペースと積極的なオーバーテイクは大きな収穫となった。本人が「8位」を確信するだけの速さを示したザントフォールトを経て、レーシングブルズは2週間後のモンツァでポイント獲得を目指す。

  • アービッド・リンドブラッド F1オランダGP予選10番手「雨は助けにならなかった」

    アービッド・リンドブラッド F1オランダGP予選10番手「雨は助けにならなかった」

    アービッド・リンドブラッドは、2026年F1第12戦オランダGPの予選で10番手となり、スプリント予選に続いてQ3進出を果たした。レーシングブルズのルーキーは、最後のアタックで雨の影響を受けたことに「少し残念」としながらも、決勝に向けて好位置を確保できたことを前向きに捉えている。

    リンドブラッドはQ1、Q2を突破し、Q3では1分12秒185を記録して10番手。セッションを通じてガブリエル・ボルトレトと接近した争いを繰り広げていた。

    しかし、最後のアタックでは雨が降り始め、タイヤの準備方法についても狙っていたアプローチを採ることができなかったという。

    「少し残念だ。中古タイヤを使ったときに、ビルドアップラップでかなりうまく機能するものを見つけていたんだ」

    リンドブラッドによれば、最初のアタックで試したタイヤの準備方法に手応えを得ていたものの、雨が強まる可能性を考慮し、チームは最後のアタックでそれを採用しない判断を下した。

    「雨のことがあって、チームとしてはリスクを取りたくなかった。雨が降ってラップがウエットになってしまう可能性があったから、ビルドアップはやめて、そのままアウトラップからプッシュすることにした。でも、それは僕たちにはあまり機能していなかった」

    さらに、コース上では雨脚が徐々に強まっており、先にアタックしたボルトレトよりも条件が厳しくなったと感じている。

    「ギャビー(ガブリエル・ボルトレト)が最初だったと思う。雨のせいだったとは言わないけど、彼のラップのほうが間違いなく雨は少なかった。そこを言い訳にするつもりはないけど、助けにならなかったのは確かだ」

    「その2つが重なったのは少し残念だった。セッションを通して僕たちは彼とかなり近かったと思う。Q2では彼のほうがほんの少し上だったと思うけど、僕たちはビルドアップでかなりうまく機能する方法を見つけていて、それなら前に出られるだけのものがあったと思う」

    しかし、最後のアタックでは狙ったグリップを得ることができず、10番手で予選を終えることになった。

    「最後のラップではグリップがなかったから残念だけど、それでも明日に向けて本当にいいスタート位置だ」

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) オランダグランプリ

    Q3で思い通りのアタックができなかった悔しさは残るものの、リンドブラッドは週末全体を見れば結果をポジティブに評価している。

    「もちろんだ。どんなドライバーでもそうだと思うけど、僕も少し残念に感じている。でも、大きな視点で見れば本当にいい結果だ。またQ3に進めたし、チームにとってもまたいい一日になった」

    また、予選に向けてレーシングブルズが施したセットアップ変更は、リンドブラッドが予想していた以上に大きな効果をもたらしたという。

    「セットアップ変更は僕が予想していたよりもはるかに大きな効果があった。予選仕様のマシンにとっては、ほとんど効きすぎたくらいだった。でも、明日に向けては本当にいいところにいると思う」

    10番グリッドから迎える決勝ではポイント獲得が現実的な目標となる。リンドブラッドはレーシングブルズのスタートの良さにも期待を寄せている。

    「全体としては間違いなく、またいい結果だった。明日は戦える位置にいるし、僕たちはスタートがいいことも分かっている。何ができるか見てみよう」

  • アービッド・リンドブラッド F1オランダGPスプリント10位「ペースは予想以上」

    アービッド・リンドブラッド F1オランダGPスプリント10位「ペースは予想以上」

    アービッド・リンドブラッドは、2026年F1第12戦オランダGPのスプリントを10位で終えた。ポイント獲得には届かなかったものの、初めて走るザントフォールトで24周のレースを経験し、「ペースは正直、予想以上だった」と手応えを語った。

    レーシングブルズのリンドブラッドは、金曜日のスプリント予選でSQ3に進出して10番グリッドを獲得。土曜日のスプリントでもそのポジションを守って10位でチェッカーを受けた。

    アービッド・リンドブラッドは、2026年F1第12戦オランダGPのスプリントを10位で終えた。ポイント獲得には届かなかったものの、初めて走るザントフォールトで24周のレースを経験し、「ペースは正直、予想以上だった」と手応えを語った。

    レーシングブルズのリンドブラッドは、金曜日のスプリント予選でSQ3に進出して10番グリッドを獲得。土曜日のスプリントでもそのポジションを守って10位でチェッカーを受けた。

    10位フィニッシュも「かなりポジティブ」
    オーバーテイクが難しいザントフォールトということもあり、リンドブラッドにとってスプリントは大きな順位変動のないレースとなった。

    レース後、「あまりエキサイティングなスプリントには見えなかった」と問われたリンドブラッドも、その点を認めた。

    「そうだね。でも最近のスプリントレースやザントフォールトのことを考えれば、おそらく最もエキサイティングなレースにはならないだろう。だから正直、僕から話すことはそれほど多くない」

    それでも、週末全体を考えれば今回の24周には大きな意味があったとリンドブラッドは強調する。

    「実際、かなりポジティブに捉えている。僕にとって新しいサーキットで、さらに20~25周を経験できた。週末の残りに向けて、とても役に立つと思う」

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) オランダブランプリ

    「ペースは正直、予想以上だった」
    リンドブラッドが特に前向きに評価したのは、レーシングブルズのレースペースだった。

    「ペースは正直、予想していたよりよかったと思う」

    レーシングブルズは予選に比べて決勝で苦戦する傾向があるとしながらも、今回は前を走るマシンについていくことができたという。

    「僕たちは通常、予選よりもレースの方で少し苦戦する。それに、予選ですでにそれほどよかったわけではなかったことを考えると、かなり競争力があって、前の2台についていくこともかなり楽にできた。悪くなかったと思う」

    リンドブラッドの前では、8位のピエール・ガスリー(アルピーヌ)と9位のガブリエル・ボルトレト(アウディ)が最後のポイントを争っており、リンドブラッドもその後方で大きく離されることなくレースを進めた。

    「僕自身からもまだ引き出せる」
    初めてのザントフォールトで金曜日から走行を重ね、スプリント予選ではSQ3進出、スプリントでは10位。リンドブラッドはまだ改善できる部分が残されていると考えている。

    「週末の残りがどうなるか見てみよう。でも、僕たちはさらに一歩前進できることが分かっているし、僕自身からもまだ引き出せるものがある」

    「だから正直、かなりポジティブな感触だ」

    ポイントこそ獲得できなかったものの、初めてのザントフォールトで貴重なレース距離を経験し、予想以上のペースも確認できたリンドブラッド。午後の予選に向けて、マシンと自身の双方にさらなる伸びしろがあるとの手応えを得てスプリントを終えた。

  • アービッド・リンドブラッド F1オランダGPでSQ3「マシンからすべてを引き出せた」

    アービッド・リンドブラッド F1オランダGPでSQ3「マシンからすべてを引き出せた」

    アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)は、2026年F1第12戦オランダGPのスプリント予選で10番手を獲得した。ザントフォールト初走行、さらにスプリントフォーマットという限られた準備時間のなかでSQ3進出を果たし、初日を「ポジティブ」と振り返った。

    レーシングブルズにとっても難しい条件だった。リンドブラッドは初めてのザントフォールトを学びながら走り、チームメイトの角田裕毅は8カ月ぶりのF1実戦で、2026年世代のマシンを実走するのはこの日が初めて。

    それでもリンドブラッドはSQ2で1分12秒785を記録して9番手で突破し、SQ3では1分12秒737で10番手となった。

    ザントフォールト初走行でSQ3進出
    リンドブラッドにとって、バンクを備えた独特のザントフォールトを実際に走るのは今回が初めてだった。通常のグランプリ週末とは異なり、スプリントフォーマットではFP1の1セッションを終えると、すぐにスプリント予選を迎える。

    経験を積む時間が限られるなか、リンドブラッドはFP1からスプリント予選にかけて前進を実感したという。

    「ポジティブな金曜日だった。ザントフォールトを走るのは初めてだから、簡単ではなかった。特にスプリント週末だからね。チームがいい仕事をしてくれて、今朝と比べてすでにいくつか前進できた」

    SQ1を突破すると、SQ2では1分12秒785を記録。SQ3進出ラインとなった10番手ガブリエル・ボルトレト(アウディ)をわずか0.001秒上回る9番手で、最終セッションへの切符をつかんだ。

    「SQ2は本当に良かった。マシンからすべてを引き出せた。ラップには本当に満足している。SQ3に進めたのはすごく良かった」

    リンドブラッドは、この週末のレーシングブルズがサマーブレイク前までと比べてやや競争力を欠いていると感じていたこともあり、そのなかでSQ3へ進めたことをポジティブに受け止めた。

    「なぜか今週末は少し競争力が低いから、そのなかでSQ3に進めたのは本当に良かった」

    SQ3には不満「確認することがいくつかある」
    一方、リンドブラッドは最終的な10番手という結果に全面的に満足しているわけではない。

    SQ3では1分12秒737を記録したが、8番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)、9番手のボルトレトには届かなかった。スプリントではポイント圏内となるトップ8のひとつ後ろの列からスタートする。

    「SQ3については、それほど満足していない。明日に向けて確認しなければならないことがいくつかある」

    リンドブラッドは、ドライバー側だけでなくチーム側にも改善できる部分が残されていると説明した。

    「正直に言えば、今週はなぜか全体的に少し後れを取っていると思う。でも、一晩かけて確認して、明日に向けて前進する」

    レーシングブルズはサマーブレイク前まで中団で高い競争力を発揮し、7戦連続で少なくとも1台がポイントを獲得していた。リンドブラッドは今回もSQ3まで進んだものの、これまでの週末ほどライバルに対するアドバンテージは感じていない。

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    ガスリーとボルトレトを追う「スタートで1台は狙える」
    10番グリッドからスタートするスプリントでは、ポイント獲得には少なくとも2台を抜いて8番手以内へ入る必要がある。

    リンドブラッドの前方には、8番手ガスリーと9番手ボルトレトが並ぶ。ともに今週末は速さを見せているが、リンドブラッドはレーシングブルズのスタートの良さを生かして、まず発進直後にポジションを奪うことを狙っている。

    「僕たちはスタートがいいことは分かっているから、明日はスタートで間違いなくどちらか1台を抜けるように狙えると思う。その後どうなるかだね」

    ただし、オーバーテイクが難しいザントフォールトだけに、簡単なレースになるとは考えていない。

    「現実として、このコースはかなりオーバーテイクが難しいし、2人とも今週は速い。これまでの週末ほど僕たちにアドバンテージがあるとは思わない。それでも、得られるチャンスはすべて生かしていく」

    スプリントでポイントが与えられるのは8位まで。10番手スタートのリンドブラッドにとっては、序盤でガスリーやボルトレトとの差を詰められるかがポイント獲得への鍵となる。

    土曜朝は雨の可能性「ウエットのスプリントもあり得る」
    もうひとつの不確定要素が天候だ。金曜朝のザントフォールトも路面が濡れた状態から始まっており、リンドブラッドは土曜朝にも雨が降る可能性を認識している。

    「朝が一番微妙そうだね。今朝も到着したときはかなり濡れていたし、明日の朝も少し雨が降る予報だと思う。だから、スプリントがウエットになる可能性はある」

    雨になれば、オーバーテイクが難しいザントフォールトでの勢力図やレース展開が大きく変化する可能性もある。

    一方、スプリント後に行われるグランプリ予選と日曜日の決勝については、ドライコンディションになるとの見通しを示した。

    「予選とレースはドライになると思う。でも、いずれにしても今日はいい一日だった。僕自身にもチームにも取り組むべきことはいくつかあるけど、明日に向けてもう一歩前進できると思う」

    初めて走るザントフォールトで、FP1の1セッションしかコースを学ぶ時間がないなかSQ3進出を果たしたリンドブラッド。SQ2のラップには手応えを得た一方、SQ3とマシンの競争力には改善の余地があるとみている。10番手から迎えるスプリントでは、持ち味とするスタートと変わりやすい天候をチャンスにつなげ、ポイント圏内の8番手を狙う。

  • アービッド・リンドブラッド F1で叶えた幼少期の夢「5歳の自分のために走っている」

    アービッド・リンドブラッド F1で叶えた幼少期の夢「5歳の自分のために走っている」

    アービッド・リンドブラッドは、F1デビューからわずか半年ながら、すでにその存在感を示している。

    18歳の英国人ドライバーは、王者経験者たちとコース上で渡り合い、たびたびQ3へ進出。着実にポイントを積み重ね、レーシングブルズをコンストラクターズランキング5位へ押し上げる原動力のひとつとなっている。

    F1.comのインタビューで、リンドブラッドはルーキーシーズン前半を振り返り、F1という夢の舞台で走る喜び、プレッシャーとの向き合い方、チームとの関係構築、そして後半戦への思いを語った。その根底にあるのは「5歳の自分のために走っている」というシンプルな気持ちだ。

    「夢」が現実になったF1デビュー
    2021年、イタリアで行われたカートイベントで、当時のリンドブラッドはランド・ノリスのもとへ駆け寄り、こう宣言していた。

    「僕のことを覚えておいて。5年後に会おう」

    それから5年。リンドブラッドはF4、F3、F2で勝利を重ね、フォーミュラ・リージョナルではタイトルを獲得。そして2026年、ノリスと同じF1グリッドに並ぶという言葉を現実のものにした。

    レッドブルのジュニアプログラムからレーシングブルズへ昇格したリンドブラッドは、開幕戦オーストラリアGPから強烈な印象を残した。予選でQ3に進出すると、決勝ではスタート直後に一時表彰台圏内まで浮上し、最終的に8位でチェッカーを受けた。

    その後も7回のQ3進出を果たし、モナコGPからハンガリーGPまでは6戦連続でポイントを獲得。F1マシンへの適応力と安定感を示している。

    「間違いなく、想像していた以上だよ」とリンドブラッドはシーズン前半について語る。

    「こんな短い期間なのに、すでに素晴らしい瞬間がたくさんあった。チームは本当に素晴らしくて、すごく温かく迎えてくれたし、僕が早く慣れるために本当に助けてくれた」

    「これまでも何度も言っているけど、今年は自分の夢を生きているんだ。ずっと実現してほしいと願っていたことだから、本当に楽しいし、特別だよ」

    なかでも忘れられないのが、F1デビュー戦となったメルボルンだ。

    「やっぱりメルボルンが一番特別だった。初めてのグランプリだったし、週末全体の流れも含めてね。レース前には少し感情的になった」

    上海や鈴鹿でも、子どものころにゲームで走ったコースを本物のF1マシンで走っているという事実に感動したという。

    「上海や鈴鹿みたいに、僕にとって新しいサーキットでは、走りながら『これは本当にすごい。F1ゲームで何度も走った場所を、今は本物で走っているんだ』と思った。実際のコースはF1ゲームよりずっと狭いけどね!」

    そして母国イギリスGPも特別な瞬間になった。

    「次に本当に感傷的になったのはシルバーストンだった。家であのレースを何度もテレビで見てきたからね。グリッドに立って、自分がそのレースの一部になっていると気づいて、『うわ、本当に起きているんだ』と思った」

    憧れのハミルトンとF1で直接対決
    オーストラリアGPでは、リンドブラッドは序盤からノリスやルイス・ハミルトンらトップドライバーと争った。

    特にハミルトンは、幼少期のリンドブラッドが応援していた存在だった。

    「去年、シルバーストンでレッドブルから初めてFP1に出たときのことを覚えている。クールダウンラップを走っていたら、エンジニアから『後ろからハミルトンがプッシュしている』と言われたんだ」

    「初めてその言葉を聞いたとき、『これはかなりすごいな』と思った」

    そして2026年のメルボルンでは、憧れのドライバーと同じ舞台で競うところまでたどり着いた。

    「メルボルンでルイスと同じコースを走って、サイド・バイ・サイドでレースをした。週末前の記者会見でも隣に座って、話をすることができた」

    「彼は僕が子どものころに憧れていた人で、一番応援していたドライバーだった。だから、5歳の自分にとって本当に特別なことなんだ」

    「誰かのためではない。5歳の自分のため」
    F1では、ドライバーの一挙手一投足が世界中から注目される。特にレッドブルの育成プログラムを経てF1へ進んだ若手には、大きな期待がつきまとう。

    しかし、リンドブラッドはそれを「プレッシャー」とは捉えていない。

    「正直に言えば、うまく対処できていると思う。もちろん緊張するよ。みんな緊張するものだと思う。うまくやりたいと思っていて、それが自分の大好きなことなら、始まる前に少し緊張することはある」

    「でも、それをプレッシャーとは呼ばないかな。そういう緊張の多くは自分の内側から来るものだと思っている」

    特別なメンタルトレーニングを積んできたわけでもないという。

    「僕はこれまで、どのカテゴリーでも外からのプレッシャーをあまり感じたことがない。今年もそれは変わっていない」

    その理由を説明する際、再び「5歳の自分」という言葉が登場する。

    「僕は5歳のころからF1に出ることを夢見ていた。カートからカテゴリーを上がっていくなかで、そのとき、そのときに集中して学んできたけど、頭の中心にはずっとF1があった」

    「今年は、最初にその夢を持った5歳の自分のためにやっている。ソファで初めてF1を見ていたときや、シルバーストンのマゴッツとベケッツでF1を見ていたころの自分だ。それを覚えている」

    「ここまで助けてくれたすべての人には本当に感謝している。でも、誰かに借りを返すためにやっているわけじゃない。誰かのためにやっているわけでもない。5歳の自分のためにやっている。だから、あまりプレッシャーを感じないんだ」

    F1で直面した「ドライビング以外」の難しさ
    もちろん、F1参戦初年度だけに学ぶべきことは多い。

    ドライビング面では、2026年から導入された新世代パワーユニット、とりわけバッテリーを含めたエネルギーマネジメントが課題のひとつだという。

    「純粋なドライビングという意味では、理解はしているけど、まだ完全には習得できていないのがエンジンだと思う。バッテリーを含めて最大限に引き出す方法だね。少し違ったテクニックが必要になる」

    一方、それ以上に大きな変化だったのがチーム規模だ。

    「マシンの外では、チームとの仕事の仕方がまったく違う。F2やF3では部屋にエンジニアが4人か5人くらいだったけど、今はサーキットに30人いて、さらにオフィスには500人いる。まったく違うダイナミクスなんだ」

    少人数のチームなら率直に要求できたことでも、F1では言葉ひとつが多くのスタッフへ伝わる。

    「悪いセッションのあとにエンジニアへ『ここを改善してほしい、あそこも改善してほしい』と言うとする。部屋に数人しかいなければ問題ないけど、大勢が聞いているとなれば、また違うスキルが必要になる」

    「どうすれば人から最大限を引き出せるか、人間関係をどう理解するかということだ。それは簡単じゃなかった」

    「単に仕事だから僕のために働くのではなく、僕のために働きたいと思ってもらえるようにする。それが一番大きく学ばなければならなかったスキルだと思う」

    ローソンとの健全なライバル関係
    チームメイトのリアム・ローソンとの関係も、ルーキーイヤーを支える重要な要素になっている。

    両者は予選でも決勝でも接近したパフォーマンスを見せ、お互いを押し上げながらレーシングブルズの競争力向上につなげてきた。

    「正直、僕たちはいい関係だと思う。オンとオフをうまく切り替えられるような関係を、一緒に築けていると思う」

    「コース上ではお互いに相手を倒したい。それがスポーツだからね。でもマシンを降りれば、本当にいい関係だし、チームのなかにもいい雰囲気がある。それが楽しくしてくれている」

    「僕たちはお互いをかなりプッシュしているし、それは2人にとっていいことだと思う。チームにとってもそうだ。お互いにプッシュすればするほどパフォーマンスを引き出せるし、それが結果にも表れている」

    マシン開発を進めてきたチームの働きも評価している。

    「チームはマシンにパフォーマンスをもたらし続けるために素晴らしい仕事をしてくれた。それが最近の数戦で僕たちが競争力を発揮できている理由だ。でも、僕とリアムが毎週末お互いをプッシュしていることも、その助けになっていると思う」

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    F1を忘れる時間はファッションとスケートボード
    ハンガリーGPではレーシングブルズが今季5度目のダブル入賞を果たし、アルピーヌを抜いてコンストラクターズランキング5位へ浮上した。

    夏休みに入ったリンドブラッドにとって、F1から離れる時間も重要だ。

    「僕にとってスイッチを切るということには、サーキットにいるときと、サーキットから離れているときの2種類がある」

    F1の週末は朝から夜まで長時間に及ぶ。実際にマシンを運転する時間は限られていても、ミーティングやメディア対応などが続くため、意識的に休む時間を作っている。

    「朝9時30分に来て、夜7時に帰る。1日に運転するのは2時間だけだけど、サーキットにいる時間は長い。普通の仕事なら9時から5時だからね。ちゃんとスイッチを切れるようにしないと、本当に消耗してしまう」

    サーキットを離れたときに楽しんでいるのが、ファッションとスケートボードだ。

    「ファッションとスケートボードは結構好きだね。スケートボードは本当に別物で、まったく違う世界なんだ」

    「レッドブルではスケートボードがカルチャーの大きな一部になっているから、僕はすごく恵まれている。住んでいるところからそれほど遠くない場所にいるレッドブルのアスリートとも何人か知り合った。友達と呼べる人も何人かできて、それが楽しくしてくれている」

    「完全にレースのことを忘れられる。そういう時間が必要なときもあるんだ」

    ただし腕前について聞かれると、笑いながらこう答えた。

    「全然うまくないよ! オーリーはできるけど、キックフリップを覚えたい。今年の終わりにパドックでキックフリップができたら最高だと思う」

    後半戦も「一戦ずつ」
    夏休み明けのオランダGPから、リンドブラッドのF1ルーキーシーズン後半戦が始まる。

    シンガポールや、バーレーンGPの代替開催地となるマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットなど、初めて経験する舞台も待っている。

    「まずはすごく楽しみだね。子どものころにF1ゲームでこういうコースを全部走っていたから、実際に経験できるのが楽しみだ」

    「F1で使われるサーキットの大半は毎年同じで、新しく加わるとしても1つか2つくらいだ。新しいコースを初めて走れる機会は一度しかない。だから、その瞬間をしっかり味わって、初めて走る経験を楽しみたい」

    特にシンガポールは完全な未知の世界だ。

    「シンガポールは走ったことがない。そもそもシンガポールに行ったことすらないんだ! 暑さと湿度でかなり厳しいレースになるのは分かっているから、レースが近づいたら暑さに特化したトレーニングを増やしていくつもりだ」

    2026年からスペインGPの舞台となるマドリードの新市街地コース「MADRING」についても期待を寄せる。

    「カルロス(サインツJr.)のラップは見たけど、まだ全部をちゃんと見たわけじゃない。近いうちにシミュレーターに入ると思うから、そこで何周か走ってみる」

    「素晴らしいイベントになると思う。マドリードの大学に通っている友達がいて、すごく楽しい街で、雰囲気もすごくいいと言っている。最初のレースだから、大きなイベントになるはずだ」

    では、好調な前半戦を終えた今、後半戦に具体的な目標を設定しているのか。

    リンドブラッドの答えは、これまでと変わらない。

    「今のところ、まだ一戦ずつということに集中している。これまでやってきたように、それぞれの週末を個別に考えて、自分自身に集中して、できる限り最高の仕事をすることだけを考えている」

    「僕はもともと、あまり先を見るタイプじゃない。今この瞬間に集中しているときが、一番いいパフォーマンスを発揮できるといつも感じている。マシンに乗るたびに最大限を引き出すことだけを考えているんだ」

    「今年、その考え方を変えるつもりはない」

    F1という夢を実現した18歳は、その先にあるものを急いで見ようとはしていない。幼いころに憧れた舞台で一戦、一戦を最大限に楽しみながら結果を積み重ねる。それが「5歳の自分」のために走るリンドブラッドが、F1ルーキーイヤー後半戦でも貫こうとしているスタンスだ。

  • アービッド・リンドブラッド F1定番のモナコ移住を拒否「富の象徴に抵抗」

    アービッド・リンドブラッド F1定番のモナコ移住を拒否「富の象徴に抵抗」

    F1ドライバーにとって”聖地”ともいえるモナコ。しかし、2026年にF1デビューを果たしたレーシングブルズのアービッド・リンドブラッドは、その魅力に惹かれていないことを明かした。

    現在のF1グリッド22人のうち13人がモナコに居住、または不動産を所有しているが、リンドブラッドは「普通の18歳として暮らせる場所」を望んでおり、将来的にも静かな海辺の街で生活したいという考えを語っている。

    F1ドライバーがモナコを選ぶ理由
    モナコはF1モナコGPの開催地であるだけでなく、税制面でのメリット(フランス人を除く)や高い治安、ヨーロッパ各地へのアクセスの良さから、多くのF1ドライバーが拠点としている。

    2026年シーズンでは、マックス・フェルスタッペン、ルイス・ハミルトン、ランド・ノリス、シャルル・ルクレールら世界のトップドライバーがモナコに居住している。

    一方で、リンドブラッドは、その華やかな環境に違和感を抱いている。

    祖父母と両親の苦労が価値観を形成
    リンドブラッドは、自身の家族の歴史が現在の価値観に大きな影響を与えていると説明した。

    「僕の祖父母は何も持っていなかった。父は食事を1日3回取ることさえ難しかった時期があって、11歳か12歳の頃にはすでに働いていた」

    「母方の家族にも特別な物語がある。祖父母はパキスタン出身で、ある時すべてを失った。本当に一夜にして、身につけていた服と持ち運べる荷物しか残らなかったんだ」

    「その後、イギリスへ移り、医師として懸命に働いて人生を築き直した。僕は努力によってすべてを勝ち取った人たちに囲まれて育った」

    「モナコは富の究極の象徴」
    そうした背景が、モナコ移住に抵抗を感じる理由だという。

    「その通りだ。モナコに住んでいる人たちは『実際には普通の生活だよ』と言う。でも僕の中では、モナコは今でも『富の究極の象徴』なんだ」

    「若い頃に父が食事にも苦労していたことや、祖父母がすべてを失ったことを思うと、そんな場所に住むことに少し抵抗を感じる」

    「もちろんモナコが悪い場所だと言いたいわけじゃない。ただ今の自分には、その考えにまだしっくりこないだけなんだ」

    「もちろん僕も普通の人間だから、たまには何か良い物を買いたくなる。そういう意味では矛盾しているかもしれない。でも、今はそう考えている」

    望むのは”普通の18歳”としての生活
    リンドブラッドは将来住みたい場所についても、自身の理想を明かした。

    「海の近くの静かな街で暮らしたい。誰にも知られず、映画館へ行ったり、散歩したり、友達と会ったり、普通の若者として生活できる場所がいい」

    「子どもの頃から僕の人生は友達とは全然違っていた。サーキットではF1ドライバーでいたい。でも家に帰れば18歳の若者でいたい。それが僕にとって本当に大切なんだ」

    現在リンドブラッドはイングランドを拠点としており、「今住んでいる場所では、それが実現できている」と語っている。

    2026年F1ドライバーの主な居住地

    ■ モナコ
    ・ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    ・マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    ・シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    ・ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    ・ランド・ノリス(マクラーレン)
    ・オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    ・リアム・ローソン(レーシングブルズ)
    ・ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
    ・ガブリエル・ボルトレト(アウディ)
    ・アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
    ・カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    ・オリバー・ベアマン(ハース)
    ・バルテリ・ボッタス(キャデラック)

    ■ スイス
    ・フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
    ・ランス・ストロール(アストンマーティン)
    ・エステバン・オコン(ハース)

    ■ イタリア
    ・ピエール・ガスリー(アルピーヌ)

    ■ イタリア/フランス
    ・アイザック・ハジャー(レッドブル)

    ■ サンマリノ
    ・キミ・アントネッリ(メルセデス)

    ■ イングランド
    ・アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)

    ■ アルゼンチン
    ・フランコ・コラピント(アルピーヌ)

    ■ マイアミ
    ・セルジオ・ペレス(キャデラック)

    F1ドライバーの多くが税制や利便性を理由にモナコを生活拠点として選ぶ一方で、リンドブラッドは家族の歴史と自身の価値観を大切にし、「普通の生活」を優先したいという姿勢を示している。彼の考え方は、F1界では少数派ながらも、18歳らしい率直な価値観として注目を集めそうだ。

  • アービッド・リンドブラッドが感じた“2ストップの匂い”がローソン8位を後押し

    アービッド・リンドブラッドが感じた“2ストップの匂い”がローソン8位を後押し

    レーシングブルズF1のアービッド・リンドブラッドは、F1ハンガリーGPで自身がレース前から「2ストップになる」と予感していたことが、結果的にチームメイトのリアム・ローソンの8位入賞につながったと明かした。

    ローソンは当初予定されていた1ストップ戦略から2ストップへ切り替え、「ベスト・オブ・ザ・レスト」となる8位でフィニッシュ。一方のリンドブラッドは1ストップ戦略を続行して10位に入り、7週連続でポイント獲得を果たした。

    レース前から「2ストップになる」と確信
    レース中盤、レーシングブルズは戦略を分け、ローソンを2ストップ、リンドブラッドを1ストップで走らせた。これはアウディF1のニコ・ヒュルケンベルグが先に2ストップへ切り替えたことを受けた判断だった。

    結果として、新しいタイヤを履いたローソンとヒュルケンベルグが前へ抜け出し、1ストップを続けたリンドブラッドとガブリエル・ボルトレトは後退。それでもリンドブラッドは10位を守り切った。

    レース後、リンドブラッドは「1ストップが成功していれば自分がヒーローになっていたかもしれない」と振り返り、戦略を分けたチームの判断には納得していると語った。

    「1ストップがうまくいかなかったのは少し残念だった。でも、チームとしてはレース前に大きな判断だったことは理解している」

    「その後、ニコが2ストップに切り替えたので、僕たちは2台で戦略を分けることにした。それは理にかなった判断だった。もしハードタイヤがもっと持っていたら、僕が8位でヒーローになっていたはずだ。でも、残念ながらそうはならなかった」

    「だから最大限に結果を引き出したのはリアムだった。1ストップが失敗したことに後悔はない。逆の結果になっていた可能性も十分あったからね」

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    「タイヤの感触」で戦略変更を予感
    リンドブラッドによれば、自身はレース前から2ストップ戦略が必要になるとチームへ伝えていたという。その予感は、暑いコンディションでのタイヤの挙動から生まれたものだった。

    「リアムが何と言っていたかは分からないけど、僕は『2ストップになると思う』と言っていた。もしかしたら、少しは彼の役にも立ったかもしれない」

    「レース前からそう感じていたんだ。直感というか、そういう“匂い”がした。FP1でもタイヤのデグラデーションは少し大きかったし、決勝はさらに20度近く暑くなる。暑いコンディションでは、このタイヤはあまり良くないと感じていた」

    「今年これまで2ストップになったバルセロナとレッドブルリンクも、とても暑かった。このタイヤは熱に対してあまり強くないんだ。だから自然と2ストップになる気がしていた」

    「ミディアムタイヤでは序盤からあまりペースが上がらなかったし、それでもタイヤの感触は良くなかった。21周目あたりでピットインして、その後49周近く走ることになると考えれば、『これは2ストップになる』という感覚だった」

    戦略を分けた判断がダブル入賞を実現
    今回のハンガリーGPでは、レーシングブルズがローソンを2ストップ、リンドブラッドを1ストップとする戦略分散を選択したことが奏功した。

    結果的に1ストップは最適解とはならなかったが、リンドブラッドが事前にタイヤ特性を踏まえて2ストップの可能性を指摘していたことは、チームの柔軟な判断材料となった可能性がある。ローソンは8位、リンドブラッドは10位とダブル入賞を達成し、コンストラクターズ選手権においても貴重なポイントを持ち帰る結果となった。

  • リンドブラッド F1ベルギーGPでローソン攻略「チャンスは一度だけだった」

    リンドブラッド F1ベルギーGPでローソン攻略「チャンスは一度だけだった」

    アービッド・リンドブラッドは、2026年F1ベルギーGPでチームメイトのリアム・ローソンを攻略した場面について、「チャンスは一度だけだった」と振り返った。

    7番グリッドからスタートしたリンドブラッドは、9番手スタートのローソンにオープニングラップで先行を許したものの、8周目に逆転。その後は堅実なレースを展開し、最終的に9位でフィニッシュした。

    スタート直後の混乱でローソンに先行許す
    リンドブラッドは7番手、ローソンは9番手からスタートしたが、1周目のレ・コームでローソンがアウト側からオーバーテイクに成功した。

    この場面では、前方でルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルが接触した影響により、オスカー・ピアストリが減速。その後方にいたリンドブラッドもマクラーレンへの追突を避けるためにブレーキングを強いられ、その隙を突いたローソンが前へ出た。

    レ・コーム立ち上がりではリンドブラッドもイン側から反撃を試みたが、ローソンがポジションを守り切り、レース序盤はローソンが中団グループの先頭を走行した。

    「オーバーテイクできるチャンスは一度だけ」
    リンドブラッドは、オーバーテイクボタン(オーバーテイクモード)を使えるタイミングを見極め、その一度のチャンスを逃さないことだけを考えていたと明かした。

    「デプロイメント(エネルギー展開)はあまり良くなかった。オーバーテイクボタンを押したけど、50メートルほど遅かった。それでリアムにすぐ近づかれてしまった」

    「2人ともブレーキングは遅かったけど、その先にはマクラーレンがいて、僕は完全には飛び込めなかった。そうしたらオスカーの後ろに突っ込んでしまうところだったからね」

    「リアムに先行されてしまって、その後ターン7でも仕掛けたけど抜けなかった」

    「だから数周はタイヤをいたわりながら待った。そして前の集団からリアムが離れ、僕にオーバーテイクモードが残っているタイミングが来れば、チャンスは一度だけだと分かっていた。その一度を確実に決めることができた」

    この判断どおり、リンドブラッドは8周目にローソンを攻略し、レーシングブルズ勢の最上位へ浮上した。

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    VSCで順位を失うも週末には満足
    終盤にはバーチャルセーフティカー(VSC)のタイミングでピットストップを行ったアウディのガブリエル・ボルトレトに逆転され、8位ではなく9位でレースを終える結果となった。

    リンドブラッドはその展開を悔やみながらも、アウディの戦略を称賛するとともに、自身の週末には満足感を示した。

    「もちろん少し悔しい。普通のレース展開なら、かなり余裕を持って8位だったと思う」

    「でもアウディとガビ(ボルトレト)は素晴らしい仕事をした。賭けに出て、そのチャンスをしっかり生かしたんだ」

    「僕たち自身を振り返れば、とても力強い週末だった。すべてのセッションで最大限の結果を引き出せたし、自分の仕事には満足している」

  • アービッド・リンドブラッド F1ベルギーGP予選で自己最高8番手「今年最高の感覚」

    アービッド・リンドブラッド F1ベルギーGP予選で自己最高8番手「今年最高の感覚」

    レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドは、2026年F1第10戦ベルギーGPの予選で自己最高となる8番手を獲得した。マシンに導入されたアップデートの性能を引き出し、ルーキーシーズンで「最高の感覚のひとつ」と振り返る会心の走りを披露した。

    リンドブラッドはQ3で1分45秒143を記録。ランド・ノリスがパワーユニット交換による10グリッド降格を受けるため、決勝では7番グリッドからスタートする見込みとなっている。

    リンドブラッドがF1自己最高の予選8番手
    18歳のアービッド・リンドブラッドは、これまでデビュー戦のオーストラリアGPをはじめ、カナダGPとイギリスGPで予選9番手を獲得していた。

    しかし、高速コースのスパ・フランコルシャンでは自身の最高位をさらに更新。予選Q2を余裕を持って突破し、Q3ではオスカー・ピアストリに迫るタイムを記録して8番手に入った。

    「本当にいいセッションだった。FP1からマシンの感触がよかった。正直、今年のなかでも最高の感覚のひとつだった。バルセロナやカナダ、メルボルンと並ぶくらいだ」

    「チームがいいパッケージを用意してくれた。予選の最初から感触がよくて、すぐに攻めることができた。Q2では2セット目のタイヤを使う必要がなかったと思うくらいで、僕たちにとってはかなり大きな成果だ」

    リンドブラッドはQ2を1回目のアタックで突破できるほどの速さを示した。タイヤを温存しながらQ3へ進出できたことは、レーシングブルズのマシンに十分な競争力があったことを示している。

    ピアストリを上回る可能性もあったと悔しさ
    自己最高順位を喜ぶ一方で、リンドブラッドは完璧なラップをまとめていれば、さらに上の順位を狙えた可能性があったと語った。

    「最終的には本当にいい結果だった。ただ、少し悔しい部分もある。僕が完璧な仕事をしていれば、オスカーをわずかに上回れたかもしれない」

    「それでも、コース上では本当にうまく走れていたと思う。今の僕たちの実力は、だいたいこのあたりにあるということだ」

    ピアストリとの差はわずかで、リンドブラッドは中団勢のトップを争うだけでなく、上位チームのドライバーにも迫るパフォーマンスを見せた。

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    リンドブラッド車だけに新アップデートを投入
    レーシングブルズはベルギーGPで冷却効率と空気の流れを改善するアップデートを用意した。新しいサイドポッド、ロールフープ周辺、ブレーキドラムなどが含まれ、リンドブラッドのマシンだけに装着された。

    チーム代表のアラン・パーメインは週末前、イギリスGP予選でチームメイトのリアム・ローソンを上回ったことなどを踏まえ、リンドブラッドに新パーツを与える判断を下したと説明していた。

    旧仕様のマシンで予選に臨んだローソンは11番手。リンドブラッドはアップデートの効果を早い段階から引き出し、Q3進出と自己最高順位という形でチームの判断に応えた。

    ただし、今回の結果にはドライバー自身の走りも大きく影響している。リンドブラッドはフリー走行からマシンへの自信を深め、予選の各セッションで安定してタイムを伸ばした。

    決勝は7番グリッドから5戦連続入賞を狙う
    リンドブラッドはベルギーGP決勝で、5戦連続となるポイント獲得を目指す。ノリスに加えてアイザック・ハジャーもグリッド降格ペナルティを受けるため、予選順位より前方からスタートできる状況となっている。

    「今は決勝に集中している。ランドにはグリッドペナルティがあるし、アイザックも同じだと思う。だから、僕たちは予選順位より少し前からスタートすることになる」

    「自分たちのレースに集中して、何ができるかを見ていく。マシンは速いし、チームもいい仕事をしている。あとは僕たちが自分たちの仕事をきちんとこなし、基本的な部分に集中すれば大丈夫だと思う」

    レーシングブルズのアップデートを結果につなげたリンドブラッドは、スパでルーキーシーズン最高のスタート位置を手にした。決勝では上位勢からのプレッシャーを受けながら、自己最高位と連続入賞記録の更新を狙う。

  • アービッド・リンドブラッド F1デビュー後に運転免許取得へ「もう笑えない」

    アービッド・リンドブラッド F1デビュー後に運転免許取得へ「もう笑えない」

    レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドが、一般道を走るための運転免許取得に向けて初めて実車教習を受けたことを明かした。幼少期からサーキットでレーシングカーを操り、18歳ですでにF1ドライバーとなった一方、公道を運転する免許はまだ取得していない。

    リンドブラッドは学科試験には合格しており、F1のレーススケジュールに空きができたことで教習を開始したという。

    これまでは免許を持っていないことを冗談にしていたが、本人も「もう少し馬鹿げた状況になってきた」と感じているようだ。

    F1マシンは運転できても公道は走れず
    リンドブラッドはレーシングブルズからF1に参戦し、世界最高峰のマシンを高速で操っている。しかし、一般道で自動車を運転するために必要な英国の運転免許は取得していない。

    英国では17歳から自動車運転免許を取得できるが、リンドブラッドは昨季のFIA F2参戦をはじめとするモータースポーツ活動に多くの時間を費やしてきた。18歳の誕生日を迎える前には、F1参戦に必要なスーパーライセンスを取得するため、FIAから特例措置も受けている。

    サーキット上ではF1マシンを運転する資格を認められながら、公道では初心者として教習を受けなければならないという珍しい状況が続いていた。

    リンドブラッドはすでに免許取得の第一段階となる学科試験を通過。レースのない期間を利用し、教習車で一般道を走る実技練習を始めた。

    「最初は面白かったけど今は少し馬鹿げている」
    リンドブラッドは、エッジバストンで行われたイングランド対インドのワンデー国際試合を訪問。試合前にはイングランド代表選手たちと交流し、英国『Sky Sports Cricket』の実況ブースにも出演した。

    そこで、F1での実績を理由に、そのまま運転免許を発行してもらえないのかと冗談交じりに尋ねられると、笑顔で次のように語った。

    「残念ながら、それでは駄目なんだ」

    「免許を持っていないのは少し悲しいね。しばらくの間は面白い話だったけど、今ではもう少し馬鹿げた状況になってきた。だから、ちゃんと取得に向けて動いている」

    「昨日、初めて運転教習を受けた。そろそろ免許を取らないといけないね」

    F1マシンとは異なり、教習では速度制限や周囲の交通状況、標識などを確認しながら公道を走る必要がある。レースで培った運転技術があるとはいえ、一般道では通常の教習課程を修了し、実技試験に合格しなければならない。

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    新人ながら4戦連続ポイントを獲得
    免許取得を目指す一方、リンドブラッドはF1で印象的なルーキーシーズンを送っている。

    前戦イギリスGPでは自己最高位タイとなる7位に入り、4戦連続となるポイント獲得を達成した。レーシングブルズのマシンで安定して結果を残し、F1参戦初年度ながら着実に存在感を高めている。

    F2からF1へのステップアップについて、リンドブラッドはコース内外の両面で大きな変化があったと振り返った。

    「本当に最高だ」

    「F2とはまったく違う。コース上でもコース外でも、とても大きなステップアップだったけど、すべてを楽しんでいる」

    「結局のところ、F1に到達することは僕が人生を通してずっと夢見てきたことだ。今年は本当に自分の夢を生きているし、素晴らしい経験になっている」

    リンドブラッドは次戦ベルギーGPが行われるスパ・フランコルシャンに、4戦連続入賞という好調な流れを持って臨む。F1ではすでに結果を残し始めている18歳だが、サーキット外では一般ドライバーとして免許取得を目指す新たな挑戦も始まっている。