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  • ホンダPU苦戦の中 アストンマーティンF1売却説をストロールが完全否定

    ホンダPU苦戦の中 アストンマーティンF1売却説をストロールが完全否定

    アストンマーティンF1がホンダ製パワーユニット導入初年度で苦戦を強いられる中、チーム売却の憶測が再燃している。しかし、オーナーのローレンス・ストロールはその噂を明確に否定した。

    ホンダPUへの疑問、プロジェクトの立ち上がりへの不安が広がる中でも、ストロールは「私はどこにも行かない」と強調。F1と市販車事業の双方に長期的に関与する姿勢を鮮明にしている。

    ローレンス・ストロールは、アストンマーティンの名称をF1で使用する完全かつ恒久的な権利を確保し、市販車ブランドとレーシング部門の結びつきをさらに強めた。

    それでも2026年の新たなホンダ時代が困難なスタートとなったことで、チーム売却の可能性を巡る憶測が広がっていた。

    「数億ポンドを投じ、最高の新しいF1キャンパスを建設し、400人もの優秀な従業員を雇っておいて、ビジネスから撤退するつもりだと思うか?」とストロールはニューヨーク・タイムズに語った。

    「売却? そんな話は事実から最も遠い。私はこのチームの筆頭株主であることをやめるつもりは長い間ない。同じことは自動車会社にも言える」

    「私はどこにも行かない。これらのビジネスを今後何年も運営するつもりだ。どちらもまだ道の始まりにいる」

    一方、サーキット上では課題が浮き彫りになっている。特に焦点となっているのはホンダの新パワーユニットだ。

    フェルナンド・アロンソはプロジェクトへの信頼を問われると、シャシーとエンジンを明確に切り分けた。

    「そうだ。特にシャシー側については自信がある」とアロンソは語った。

    「パワーユニットは少し難しい。レギュレーションをまだ十分に理解できていないし、何が必要なのかも完全には把握できていない」

    アロンソは同時に、デザイン責任者エイドリアン・ニューウェイを擁護した。

    「エイドリアンが30年以上このスポーツを支配してきたのに、1年で全てを忘れるはずがない」

    「今は100%でなくても、すぐに100%になる。僕たちはパワーユニットの問題を修正する」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    しかし、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、ホンダとアロンソの関係に再び緊張が生じる可能性を指摘した。

    マクラーレン時代の「GP2エンジン」発言を引き合いに出し、過去の経緯が影を落とす可能性を示唆した。

    「彼らはあの経験を忘れていないと思う。ああいうことは傷として残る」とシューマッハはスカイ・ドイツランドに語った。

    「当時のフェルナンドは非常にオープンで、かなり厳しい批判をした。彼は若く、より衝動的だったかもしれないが、日本の人々はああいうことを忘れない」

    さらにシューマッハは、近年レッドブルと成功を収めてきたホンダが苦戦していることに驚きを示した。

    「ホンダがこんな困難に直面するとは誰が想像しただろうか」

    「彼らは電動パワーの比率を高めることを特に望んでいた。そしてまさにその部分で最大の問題を抱えている」

    シューマッハは最後に、ホンダが主導的に状況を説明すべきだと訴えた。

    「ホンダは主導権を握り、『これは大きな失敗だった。ミスをした。これだけ時間が必要で、チームにはこれだけの忍耐が必要だ』と明確に示すべきだ」

  • エイドリアン・ニューウェイの挑戦 アストンマーティン・ホンダF1の現在地

    エイドリアン・ニューウェイの挑戦 アストンマーティン・ホンダF1の現在地

    2026年F1プレシーズンテストで、アストンマーティン・ホンダは厳しい現実に直面した。新ワークス体制の船出は順調とは言えず、信頼性とパフォーマンスの両面で不安を残す結果となった。

    だが、その中心にいるのはエイドリアン・ニューウェイだ。かつてホンダを世界王座へ導いた設計者はいま、再び困難なプロジェクトの舵を握っている。アストンマーティン・ホンダF1の「現在地」を整理する。

    苦しい船出となった2026年テスト
    バーレーンでのプレシーズンテストは、アストンマーティン・ホンダにとって厳しい内容となった。走行距離は限られ、ストップも発生。開幕前から懸念が広がる形となった。

    特に印象的だったのは、マシンを振り返るフェルナンド・アロンソの姿だ。2015年のマクラーレン・ホンダ時代を想起させる光景に、不安の声も少なくなかった。

    歴史を振り返れば、このようなスタートから短期間で立て直すのは容易ではない。

    ニューウェイという存在
    それでも、アストンマーティンには大きな違いがある。エイドリアン・ニューウェイの存在だ。

    ホンダが2017年末にマクラーレンと決別した後、再生の舞台となったのがレッドブルだった。2018年にトロロッソでの提携を経て、翌年から本格的にレッドブルと組むと、ホンダは急速に競争力を高めていく。

    マクラーレンとの別れから4年後、そのエンジンはマックス・フェルスタッペンの手で世界タイトルを獲得した。

    適切な環境と冷静なマネジメントがあれば、ホンダは結果を出せる。その経験を持つ人物が、いまアストンマーティンにいる。

    開発遅れという現実
    バーレーンテスト前に公開されたインタビューで、ニューウェイは2026年マシン開発がライバルより約4か月遅れて始まったと明かしている。

    「2026年は、パワーユニット規則とシャシー規則が同時に変わる初めてのケースだ」

    「完全に新しいルールであり、すべてのチームにとって大きな挑戦だが、我々にとってはより厳しい」

    「AMRテクノロジーキャンパスはまだ進化の途中で、コアウィーブ風洞が本格稼働したのは4月。私は昨年3月に加入したばかりで、正直に言えば後れを取った状態でスタートした」

    「26年型のモデルを風洞に入れられたのは4月中旬だった。他チームは2025年1月の空力テスト制限解除直後から取り組んでいたはずだ」

    「結果として研究・設計サイクルは非常に圧縮された。マシンはぎりぎりで完成し、バルセロナのシェイクダウンに間に合わせるのに苦労した」

    遅れは構造的なものであり、単純なミスではない。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム エイドリアン・ニューウェイ

    ホンダ側の課題
    ホンダ・レーシング・コーポレーション社長の渡辺康治も、早い段階で困難を認めていた。

    「すべてが非常に難しいですが、最善を尽くしています」

    2026年仕様の軽量バッテリー開発についても「簡単ではありません」と語り、これがテスト中のストップ要因のひとつとされた。

    年明けには次のように述べている。

    「正直に申し上げて、すべてが順調というわけではありませんので、多くの分野で苦戦していますが、乗り越えられない致命的な問題は起きていません」

    「この状況の中で、私たちは静かに性能と信頼性の向上に集中しています」

    「アストンマーティンはエイドリアンのビジョンを反映したマシン作りを望んでいますので、パワーユニット側としてはそれにどう適応するかを見極めることが次のステップになると考えています」

    「競争力が高まり勝利に近づくのであれば、必要なことは何でもやります」

    「率直に申し上げて、まだ時間が必要です」

    「各コンポーネントを統合しながら性能向上を段階的に評価しています。成功するものもあれば、予想外にうまくいかないものもあります」

    2021年末に正式撤退し、その後は技術支援にとどまっていたホンダにとって、2026年は事実上の再参戦だ。開発体制の再構築というハンディは避けられなかった。

    問われるのは結束と時間
    アンディ・コーウェルの退任により、チームとエンジンパートナーの関係管理におけるニューウェイの役割はさらに重要になる。

    短期的な焦りや責任の押し付け合いは、関係を損ないかねない。必要なのは、パートナーとしての一体感と長期的視点だ。

    2026年開幕時点で、アストンマーティン・ホンダF1は完成形にはほど遠い。

    だが、ホンダを再生させた経験を持つニューウェイがいるという事実は、このプロジェクトにとって最大の希望でもある。

    現在地は決して理想的ではない。

    それでも、この挑戦がどこへ向かうのかは、まだ誰にも分からない。

  • アストンマーティンF1に何が起きたのか? ニューウェイ×ホンダ体制の誤算

    アストンマーティンF1に何が起きたのか? ニューウェイ×ホンダ体制の誤算

    2026年F1シーズン開幕を前に、最も高い期待を背負っていたチームのひとつがアストンマーティンだった。

    だが、バーレーンでのプレシーズンテストを終えた今、その現実はあまりにも厳しい。マシンは最下位のペース、走行距離も最少。信頼性問題が頻発し、チーム内には動揺が広がっている。なぜここまで事態は悪化したのか。

    期待に満ちていた“完璧な布陣”
    1月末、バルセロナで初めて姿を現した新型車は、ピットレーンで注目を集めた。

    暫定のオールブラックカラーに包まれたマシンは攻撃的な印象を放ち、他チームとは明らかに異なるコンセプトを採用していた。2025年3月からアストンマーティンに加わったエイドリアン・ニューウェイが主導した設計である。

    しかし走行開始直後に現実は牙をむいた。

    初日はわずか4周でストップ。ピットレーン入口でマシンは動かなくなった。その後も状況は好転せず、テスト最終日までに最も遅く、最も走れなかったチームとなった。

    オーナーのローレンス・ストロールはバーレーンのパドックを険しい表情で歩き、怒りと落胆を隠せなかった。

    マシンは断続的にしか走れず、ドライバーにとって扱いづらく、不安定な挙動を示している。

    表向きチームとホンダは多くを語らない。しかし内部では問題の深刻さを誰も隠していない。解決には時間が必要だと理解している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    “成功の方程式”は本当に揃っていたのか
    紙の上では、これ以上ない布陣だった。

    ■ エイドリアン・ニューウェイ加入(2024年9月発表)
    ■ ホンダとのワークス提携
    ■ 最新鋭ファクトリーと風洞設備
    ■ サウジ資本を含む強力なスポンサー体制
    ■ フェルナンド・アロンソという世界王者

    2026年はF1史上最大級のレギュレーション変更。ニューウェイは過去にも規則変更時に革命的マシンを生み出してきた。

    1998年のマクラーレン、2009年と2022年のレッドブルがその例だ。

    今回も同じことが起こると期待された。

    だが状況はそれほど単純ではなかった。

    F1において成功は“安定”の上に築かれる。しかしアストンマーティンにはここ数年、安定が欠けている。

    ■ 技術責任者エンリコ・カルディレが長期ガーデニング休暇を経て2025年7月に合流
    ■ 2024年10月にCEO就任したアンディ・コーウェルが1年余りで事実上の降格
    ■ ニューウェイとの路線対立

    コーウェルは現在、日本でホンダ支援に多くの時間を割いている。

    リーダーシップの入れ替わりが続く中で、開発の一貫性は保たれていなかった。

    さらに重要なのはタイミングだ。

    2026年空力レギュレーションは2025年1月2日に正式公布。ニューウェイが正式に働き始めたのはその2か月後の3月。

    実際には各チームはそれ以前から開発を進めていた。

    関係者によれば、ニューウェイは着任直後にマシンの再設計を指示したという。つまり現在の車は、他チームより数か月遅れている可能性が高い。

    彼自身、このマシンを「より極端な解釈のひとつ」と表現している。

    だが現時点では未成熟で、遅く、不安定だ。開発余地がある可能性は残るが、ホンダの問題が解決しない限り真のポテンシャルは測れない。

    ホンダはなぜここまで苦戦しているのか
    状況は2015年の悪夢を想起させる。

    当時、ホンダはマクラーレンと組んでF1復帰したが、パワー不足と信頼性問題に苦しんだ。

    今回も似た構図だ。

    ホンダは2021年末でF1撤退を発表し、2023年5月にアストンマーティンとの復帰を発表した。

    説明としては、その間にF1部門が事実上解体され、エンジニアが他部署へ配置転換されたという。

    しかしホンダは完全に離れていたわけではない。

    レッドブル2チームは2025年末までホンダ製PUを使用。開発凍結期間中でも信頼性向上名目での改良は可能であり、実際どのメーカーもその枠を利用して性能向上を図っていた。

    もしホンダがそれを行っていなければ、2022〜2025年に大きく後退していたはずだが、そうはなっていない。

    さらにホンダは新PUレギュレーション策定会議にも参加していた。

    それでも現状は大きく出遅れている。

    「なぜここまで遅れたのか」という明確な説明は出ていない。

    レッドブル・パワートレインズもゼロからPU部門を立ち上げたが、タイムラインは大差ない。

    それでも差は明白だ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム フェルナンド・アロンソ

    フェルナンド・アロンソ、再び試練の十字路へ
    新車、ホンダとの提携、信頼性問題、そしてアロンソ。

    この組み合わせは10年前を思い出させる。

    2015年、アロンソはフェラーリを離れ、ホンダの可能性を信じてマクラーレンへ移籍した。しかし成功は2020〜21年まで訪れず、その時にはすでに両者は決別していた。

    アロンソは2013年5月を最後に勝利から遠ざかっている。現在44歳。

    だがそのパフォーマンスは依然として高水準であり、グリッド内の評価も極めて高い。

    ニューウェイとのタッグは、キャリア最後の希望だった。

    「すべては直せる」とアロンソは語る。

    「短期的にも中期的にも、修正不可能なものはない」

    「オーストラリアまでに直せる部分は直す。その後の数戦でも可能な限り修正する。でないと選手権では遅すぎる」

    「僕は楽観的だ。解決策はあると思っている」

    だが時間は限られている。

    パートナーのメリッサ・ヒメネスは3月末に第一子を出産予定だ。

    今季が厳しいものになるのはほぼ確実。その先も続けるのか、それともここで区切りをつけるのか。

    ニューウェイは巻き返せるかもしれない。

    だがホンダは間に合うのか。

    そしてアロンソは、もう一度賭けに出るのか。

    アストンマーティンの2026年は、まだ始まったばかりだが、すでに重大な分岐点に立たされている。

    Source: BBC

  • ホンダF1に迫る3月1日ホモロゲーション期限 アストンマーティン危機の真相

    ホンダF1に迫る3月1日ホモロゲーション期限 アストンマーティン危機の真相

    2026年F1シーズン開幕を目前に控え、アストンマーティンとホンダが深刻な状況に直面している。バーレーンテストで露呈した信頼性問題は、単なる不調ではなく、パワーユニットとシャシー双方にまたがる複合的な危機へと発展している。

    3月1日のホモロゲーション提出期限まで残された時間はわずか1週間。さくらのホンダ本拠地では24時間体制で対策作業が続けられている。

    バーレーンで露呈した“最少周回”の衝撃
    バーレーンでのプレシーズンテストは、アストンマーティンにとって悪夢の6日間となった。AMR26はグリッドで最も信頼性に欠けるマシンとなり、ロングランはおろか12周を超える走行すら実施でず、スタートも一度も行われなかった。

    最終日はわずか6周で走行を打ち切り、予定を早めて撤収。全11チーム中最少走行距離という結果は、現状の遅れを如実に示している。同じく2026年から参入して1チーム供給のアウディ(941周)と比較しても、ホンダのF1パワーユニットは394周と半分にも見らない。

    問題はバッテリー関連とされるが、エンジン冷却不足の可能性や、内燃機関の振動、さらにはギアボックスへの波及も指摘されている。直線での電力制限はエンジン保護のためとの見方もあり、電動出力比重が増した2026年レギュレーション下では致命的だ。

    さくらで続く24時間体制の緊急開発
    スペイン・バルセロナのシェイクダウン初日から兆候はあった。現在は日本・さくらのダイナモ施設で昼夜を問わず検証が行われ、根本原因の特定と応急解決策の確立が急がれている。

    焦点は冷却とバッテリー性能の安定化だ。仮にこの部分が解消されればパフォーマンスは即座に向上する可能性があるが、他の副次的問題が表面化するリスクも否定できない。

    開幕戦オーストラリアまで残り13日。中国、日本(鈴鹿)までのタイムラインも視野に入るが、誰も確実な復旧時期を断言できない状況だ。

    3月1日ホモロゲーションという壁
    2026年F1パワーユニットは、3月1日までにホモロゲーション資料をFIAへ提出しなければならない。提出後14日以内に適合性が承認されるが、承認後の変更は厳格に制限される。

    性能向上目的の改修は基本的に認められず、信頼性向上や安全性確保を証明できる場合のみ例外が検討される。ホンダに残された猶予は極めて短い。

    さらに、アストンマーティンはカスタマーチームを持たない単独供給体制であるため、フェラーリやメルセデスのような複数チームからのデータ収集ができない。この点も不利に働いている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    ADUOという“最後の保険”
    仮にホモロゲーション後も競争力不足が明らかになった場合、FIAはADUO(追加開発・アップグレード機会)を用意している。

    開幕から特定の期間(第1〜6戦、第7〜12戦、第13〜18戦)で性能が最上位から2〜4%遅れていれば1回、4%以上であれば2回の追加開発が認められる仕組みだ。

    ただし、これはあくまで救済措置であり、開幕時点での大幅な遅れを意味する。エイドリアン・ニューウェイ体制で新時代を迎えたアストンマーティンにとって、ADUOに頼る展開は理想とは程遠い。

    メルボルン完走すら危うい現実
    現在の状態が続けば、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはメルボルンで完走できない可能性すらある。

    バーレーンの気温は約26度と極端な高温ではなかった。それでも一定の周回数と出力域を超えると破損が発生する。開幕戦でさらに厳しい条件になれば、状況は悪化する可能性もある。

    さくらの24時間体制が実を結ぶのか。それとも新レギュレーション初年度から出遅れが確定するのか。3月1日という期限が、ホンダとアストンマーティンの命運を大きく左右する。

  • ホンダF1 アストンマーティンの惨状で蘇る“マクラーレンの悪夢”

    ホンダF1 アストンマーティンの惨状で蘇る“マクラーレンの悪夢”

    アストンマーティンの2026年F1プレシーズン準備は、期待とは裏腹に深刻な混乱の中で幕を閉じた。バーレーンでの最終日、マシンはほとんど走行できず、関係者の表情がその状況を物語っていた。

    ホンダにとっても、この展開は決して他人事ではない。かつての悪夢を想起させる内容であり、開幕戦を前に不安が広がっている。

    バーレーンの建物テラスでは、エイドリアン・ニューウェイ、エンリコ・カルディレ、ランス・ストロール、そしてオーナーのローレンス・ストロールの姿が捉えられた。

    ストロールがマシンの挙動を説明する中、ニューウェイは大きくため息をついたと伝えられている。プレシーズンテストは劇的な形で終わりを迎えた。

    スタート自体は決して悪くなかった。バルセロナでは到着が遅れたものの、マシンは極めてアグレッシブなコンセプトを示していた。

    ニューウェイは極端な空力ソリューションを採用し、ホンダ製パワーユニットとの組み合わせは競争力を持つと多くが予想していた。両者が有する設備環境を踏まえれば、その期待は自然なものだった。

    しかし、その構図は急速に崩れた。

    フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは何度もコースオフを喫し、マシンは深刻な信頼性問題に見舞われた。

    特に懸念されたのは、テスト終盤に発生したバッテリー関連の問題だった。内燃エンジンが突然最大回転数まで吹け上がる現象が起き、金曜日の大半を失う結果となった。

    ホンダ側も状況を把握しきれていないと伝えられている。複雑な構造を持つ新型エンジンは十分なパワーを発揮できておらず、信頼性も不安定だという。

    金曜日時点で使用可能なバッテリーは1基のみだったとされ、3回のテスト合計周回数は400周未満にとどまった。対照的にメルセデスは1,204周を記録している。

    ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    2015年マクラーレンとの悪夢を想起
    この状況は、ホンダとフェルナンド・アロンソにとって痛みを伴う記憶を呼び起こす。

    11年前、マクラーレンとのパートナーシップ初年度も、プレシーズンテストは問題続きだった。

    当時のアロンソとジェンソン・バトンは、あらゆる局面でトラブルに直面し、極端に遅いマシンに苦しんだ。

    開幕戦オーストラリアGPでは、バトンがトップから2周遅れで完走。アロンソはテスト中の不可解なクラッシュにより、開幕戦出場すら叶わなかった。

    その協力関係は最終的に成功することなく、ホンダはトップとの差を埋められないまま2017年限りで袂を分かった。

    その後、ホンダはトロロッソ、そしてレッドブルと提携し、マックス・フェルスタッペンとともに大きな成功を収めることになる。

    今回のアストンマーティンとのプロジェクトが同じ道を辿るかは、まだ誰にも分からない。

    しかし明らかなのは、現時点の問題が一夜にして解決する類いのものではないという事実だ。ホンダにとって、シーズン開幕は大きな試練となる可能性が高い。

  • アストンマーティンF1 2021年アブダビGPで物議を醸したセーフティカーを販売

    アストンマーティンF1 2021年アブダビGPで物議を醸したセーフティカーを販売

    2021年F1アブダビGPで使用されたアストンマーティンのセーフティカーが、市場に出品された。対象は2021年から2023年にかけてF1でセーフティカーを務めたアストンマーティン・ヴァンテージで、販売価格は59万9,990ポンド(約1億2,500万円)とされている。

    当該車両はF1のセーフティカードライバーであるベルント・マイランダーがドライブし、F1のみならずF2やF3などのサポートカテゴリーでも使用された1台だ。

    販売車両は車台番号「SC02(VIN N00045)」で、2021年から2023年にかけて20戦のグランプリに登場。テスト走行やレース出動を含め、合計4,280kmを走破したという。販売はシルバーストンを拠点とするチーム経由で行われ、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールのサインが入っていることも明かされている。

    このSC02は、物議を醸した2021年F1アブダビGPでも使用された。レース終盤、ニコラス・ラティフィのクラッシュによりセーフティカーが導入。当初はそのままセーフティカー先導でレース終了とみられていた。

    しかし当時のレースディレクターであるマイケル・マシが、ルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンの間にいた周回遅れ車両のみ周回を回復させる判断を下し、レースは再開。新品タイヤを装着していたフェルスタッペンがハミルトンをオーバーテイクし、初のワールドチャンピオンを獲得した。

    アストンマーティンは2025年シーズン終了をもってF1公式セーフティカーおよびメディカルカーの供給契約を終了。2026年以降はメルセデスが再び独占供給を担う体制となっている。

    アストンマーティンは声明で次のように述べた。

    「F1へのブランド復帰を強調する役割を果たせたことに感謝している。過去5年間にわたり、この重要な役割を担い成功を収めたパートナーシップに誇りを持っている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    今後もF1のセーフティカーはメルセデスAMG GTブラックシリーズが務め、メディカルカーはメルセデスAMG GT 63 S 4MATIC+が担当する。

    メルセデスAMGモータースポーツ責任者のクリストフ・ザゲミュラーは次のように語っている。

    「安全は我々のブランドと製品にとって絶対的に中核となる価値だ。1996年からFIA公式のセーフティカーとメディカルカーを供給してきた」

    「2026年シーズンから、FIA F1オフィシャルカーはすべてのイベントで再びスリーポインテッドスターを掲げる。モータースポーツ最高峰カテゴリーの安全性に引き続き積極的に貢献していく」

    「メルセデスAMGにとってF1は単なるスポーツの舞台ではない。極限状態の中で、我々の車両のパフォーマンス、信頼性、安全性が可視化される場でもある」

  • ホンダF1 “Bスペック”エンジン急ピッチ開発 アストンマーティン巻き返しへ

    ホンダF1 “Bスペック”エンジン急ピッチ開発 アストンマーティン巻き返しへ

    アストンマーティンは2026年F1プレシーズンテスト終盤を迎えても苦境から抜け出せず、バーレーンでの最終局面でもトラブルに見舞われた。2026年レギュレーション下で投入されたホンダ製パワーユニットは、パドック内でチーム最大の弱点と見なされている。

    テストは連日問題に見舞われ、十分な走行距離も確保できないまま終了が迫っている。

    チームアンバサダーのペドロ・デ・ラ・ロサは、スペインの放送局に対し厳しい状況を認めた。

    「とても難しい一日だった。特に、まだ試せていない項目が多く、非常に野心的なプログラムを組んでいたからだ」とデ・ラ・ロサは語った。

    「最終的にはパワーユニットの問題だった。何が起きたのかはまだ調査中だが、これも仕事の一部だ」

    さらに状況を冷静に受け止めようとした。

    「今はここバーレーンでのテストもレースのような扱いになる。パワーユニットに問題が起きれば、すぐにプレスリリースを出さなければならないような雰囲気だ。以前は誰も気にしなかった。ただ仕事の一部だった」

    最終日のフェルナンド・アロンソの走行は特に大きく制限された。

    「残念だ。今日はフェルナンドにとって最後の日だった。明日は圧縮された、野心的な一日になる。我々は多くの未解決事項を抱えたままオーストラリアへ向かうことになる」

    未消化の課題には、C4コンパウンドでの走行ゼロ、適切な予選シミュレーションの未実施、そして十分なスタート練習ができなかったことが含まれている。

    「最終的に目指すのは、両ドライバーをできる限り万全の状態でオーストラリアへ送り出すことだ。しかし今日はフェルナンドにそれを提供できなかった」と認めた。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    一方で、舞台裏では巻き返しに向けた動きも始まっている。

    スペインの解説者アントニオ・ロバトは、ホンダがさくらで改良型「Bスペック」エンジンの準備に全力で取り組んでいると伝えた。

    「ホンダはすでにさくらで、そのBエンジン仕様の準備に取り組んでいる」とロバトは述べた。

    FIAのバランス・オブ・パフォーマンス規定に基づき、トップのパワーユニットに対して2%以上の差が確認されれば、第7戦という早い段階で改訂仕様が導入される可能性もある。

    また、アストンマーティン内部で役割変更が取り沙汰されていたアンディ・コーウェルは、現在日本に渡りホンダを直接支援していると報じられている。

    「彼は役割を変え、日本でホンダの作業を支援している。この新エンジンがアストンマーティンにとってより競争力のあるものになるようにだ」とロバトは明かした。

    さらに、メルボルンに持ち込まれるマシンは、バーレーンで走らせた仕様とは大きく異なる可能性があるという。

    「オーストラリア用のマシンはまったく別物になる。このマシンとはほとんど共通点がない。エイドリアン・ニューウェイは、かなり大きな解決策を投入する準備をすべて整えている」とロバトは主張した。

    内部では強気な見通しも語られている。

    「エイドリアン・ニューウェイは、6戦、7戦、あるいは8戦後には、空力面でグリッド最高のシャシーになると確信している」

  • アストンマーティン・ホンダF1 “250kWすら回生できず” PU問題の深層

    アストンマーティン・ホンダF1 “250kWすら回生できず” PU問題の深層

    アストンマーティンは2026年第2回F1バーレーンテスト最終日、ランス・ストロールがわずか6周で走行を終え、テストプログラムを打ち切った。その背景として浮上しているのが、ホンダ製パワーユニットのエネルギー回生性能に関する深刻な課題だ。

    BBCによれば、アストンマーティンのチーム代表エイドリアン・ニューウェイは今週のF1委員会で、ホンダ製パワーユニットが下限である250kWの回生すら達成できず、350kWの目標値には到底届いていないことを明かしたという。

    この問題は単なる出力不足ではない。2026年レギュレーション下では電動出力の比重が大きく、回生とデプロイメントの最適化は競争力の根幹を成す。250kWを安定して回収できない場合、エネルギーマネジメント全体が成立しなくなる可能性がある。

    実際、バーレーンでのテストは信頼性問題に翻弄された。初日はギアボックスの不具合により、ストロールが26周、フェルナンド・アロンソが28周にとどまった。

    2日目にはバッテリー関連のトラブルが発生し、その影響は最終日まで尾を引いた。ストロールはインスタレーションを含めて6周のみで走行を終了している。

    限られた周回の中で、AMR26は挙動面でも安定を欠いた。ターン4で強いアンダーステアに見舞われてエイペックスを外し、その後に急激なオーバーステアへ転じる場面も確認された。

    アストンマーティンは2026年に向け、自社製ギアボックスを開発し、ホンダとのワークス供給体制を構築するという大きな決断を下している。しかし、パワーユニット側の根幹部分で想定通りの性能が得られていない現実は重い。

    「我々はバーレーンでのテストプログラムを終えたが、主な課題は信頼性問題への対処であり、それが走行時間を制限した」とチーフトラックサイドオフィサーのマイク・クラックは語った。

    「その結果、冬季テストで通常行うべき作業のすべてを完了できず、シーズン開幕に向けて後手に回っている」

    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は次のように説明している。

    「今週のテストにおける主な目標は、パワーユニットの走行距離を積み重ね、エンジンの信頼性を確認し、データを収集することでした」

    「データ収集自体は成功しましたが、目標としていた累積走行距離には到達できませんでした」

    「木曜日にパワーユニットの問題を特定し、最終日に向けて全員で解決策を見つけるために取り組みました」

    「夜間および本日にかけて、HRCさくら、シルバーストンのAMRテクノロジーキャンパス、そしてバーレーンのクルーが連携し、パーツ不足を考慮した限定的な走行プランを共同で策定しました」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    6日間のテストで、ストロールとアロンソの合計周回数は334周にとどまった。これは他チームと比べて大幅に少ない数字である。

    「必要なのは信頼性であり、まずはクルマを走らせ続けることだ」とクラックは述べた。

    「まだ望むほどクルマを走らせることができていない。1周ごとに学びがあるが、走れない周回はすべて後追いになる。理想的なスタートとは言えない」

    ストロールも現状を率直に認めている。

    「パフォーマンス面でクルマが望んだ位置にないことは明らかだし、今後数週間、数か月で多くの作業が必要だと分かっている」

    「長いシーズンが待っているし、さらなるパフォーマンスを引き出すために全力で取り組み続ける」

    「これまでの取り組みに対して、現地とAMRテクノロジーキャンパスのすべてのメンバーに感謝したい」

    「今は望んだ状況ではないが、このチームがどれだけ強い決意を持っているかは分かっている。団結し、挑戦に立ち向かい、クルマを本来あるべき位置に持っていくまで努力を続ける」

    ホンダ製パワーユニットの回生性能という根幹部分に課題を抱えたまま、アストンマーティンは開幕戦オーストラリアGPを迎えることになる。250kW未達という事実が意味するものは小さくない。新時代のF1において、その遅れはシーズン全体を左右しかねない。

  • アストンマーティン・ホンダF1 バーレーンテスト総括「課題は信頼性への対応」

    アストンマーティン・ホンダF1 バーレーンテスト総括「課題は信頼性への対応」

    アストンマーティンは2026年プレシーズンテストを厳しい形で終えた。バルセロナとバーレーンで実施された3回のテストを通じて、ランス・ストロールがAMR26で走行したのはわずか139周。ホンダのパワーユニット問題が走行を大きく制限した。

    前日にフェルナンド・アロンソの走行へ影響を与えたホンダのバッテリー関連の問題により、ストロールは午前セッション後半までコースインできなかった。

    ホンダはHRCさくらでテストベンチによるシミュレーションを実施。その後マシンは走行を再開したが、パワーユニット関連パーツの不足により走行プランは大幅に制限され、短いスティントのみの実施となった。

    その結果、ストロールは最終日にわずか6周を追加したのみで、テストプログラムは終了。チーム全体の総走行距離は394周にとどまり、開幕戦オーストラリアGPを前に厳しい状況に置かれている。

    「ここバーレーンでのここ数週間は厳しいものだったし、今日の限られた走行は第2回テストの締めくくりとして望んでいた形ではなかった」とランス・ストロールは語った。

    「パフォーマンス面でマシンが僕たちの望む位置にないのは明らかだし、これから数週間、数か月にわたってやるべきことが山ほどある。シーズンは長いし、さらなるパフォーマンスを引き出すために全力でプッシュし続ける」

    「ここ現場やAMRTCでこれまで取り組んできたすべての人に心から感謝したい。今は望む位置ではないが、このチームがどれだけ強い決意を持っているかは分かっている。僕たちは団結し、挑戦に立ち向かい、求めているパフォーマンスを実現するまで働き続ける」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    マイク・クラックは、今回のテストで信頼性の問題が大きな課題だったと認めた。

    「我々はバーレーンでのテストプログラムを終了したが、主な課題はコース上での走行時間を制限したいくつかの信頼性問題への対応だった」

    「その結果、通常の冬季テストで行うべきタスクをすべて完了できず、シーズン開幕に向けて後手に回る形となっている。我々は改善のためにどこに注力すべきかを理解しており、このプロジェクトに関わる全員が膨大な作業量を認識している」

    「ここ2週間、昼夜を問わず働いてくれたチームの全員に感謝したい」

  • アストンマーティン・ホンダF1 バーレーン最終日わずか6周でテスト終了

    アストンマーティン・ホンダF1 バーレーン最終日わずか6周でテスト終了

    アストンマーティンは2026年第2回F1バーレーンテスト最終日、わずか6周の走行でプログラムを打ち切った。ランス・ストロール(アストンマーティン)は午前・午後を通じて十分な走行ができず、シーズン開幕を前に厳しい状況が浮き彫りとなった。

    この日は午前の4時間セッションで、ガレージ内でのAMR26の問題対応のためほとんど走行できず、昼休み直前までコースインしなかった。ストロールは午前にインスタレーションラップを2周行ったのみだった。

    午後も状況は改善せず、ストロールは2周ずつのランを2回実施し、計4周を追加しただけで、1度もアタックラップを記録することはなかった。残り約2時間20分を残し、AMR26がガレージでスタンドに載せられた状態で、チームはこの日の走行終了を発表した。

    エンジンサプライヤーのホンダは、スペアパーツ不足により走行距離が大幅に制限される見通しであることを事前に明らかにしていた。この日の走行計画は「非常に限定的で、短いスティントのみで構成する」と説明しており、温度や連続走行によるコンポーネントへの負荷を避ける意図があった。

    しかし実際の走行は想定以上に少なく、6周という結果は、来月のオーストラリアでの開幕戦に向けてアストンマーティンとホンダに大きな課題を残す形となった。

    アストンマーティンはAMR26のテスト開始も遅れ、バルセロナでの最初のプレシーズンテストには最終日前日にようやく合流していた。その後も信頼性の問題が相次ぎ、ストロールとフェルナンド・アロンソの両名がパッケージ全体のポテンシャルに懸念を示している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    チーム代表代理のペドロ・デ・ラ・ロサは金曜日、現状について率直に認めつつも、改善すべきポイントは把握していると語った。

    「間違いなく、我々は望んでいた位置にはいない」とデ・ラ・ロサはF1TVに語った。

    「プレシーズンテストで最も周回数が少ないチームになってしまった」

    「もちろん、もっと多く走りたかった。しかし多くの周回を重ねられなかったとはいえ、オーストラリアに向けて分析し準備するための膨大なデータは手にしている」