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  • アストンマーティン・ホンダF1大改良の全貌 重量超過AMR26とPU性能不足

    アストンマーティン・ホンダF1大改良の全貌 重量超過AMR26とPU性能不足

    アストンマーティンとホンダは、2026年シーズン後半の巻き返しに向けた具体的なロードマップを固めた。アストンマーティンは大規模改良版「AMR26」をハンガリーGPで投入し、その直後のオランダGPではホンダが新型パワーユニット(PU)を投入する計画だ。

    しかし、この巻き返し策は単なるアップデートではない。AMR26は開幕前から重量超過やダウンフォース不足に苦しみ、ホンダ製PUも性能面でライバル勢に後れを取ったことで、アストンマーティン・ホンダは2026年シーズン前半を最後尾グループで戦う厳しい状況に追い込まれた。

    ニューウェイ率いるアストンマーティンはマシンを抜本的に見直し、ホンダもPU性能向上へ向けた大型アップグレードを準備している。両者はシャシーとパワーユニットを段階的に刷新し、シーズン後半から反撃に転じる構えだ。

    AMR26はなぜ苦戦したのか
    当初、アストンマーティンは新型マシンとホンダ製PUを同時投入する構想だった。しかし、ホンダ側の開発スケジュールを考慮した結果、マシンを先行投入する方針へ変更した。

    新型AMR26は夏休み前最後のハンガリーGPでデビューする予定だ。低速コーナー主体のハンガロリンクは、新しい空力パッケージを評価するには最適なサーキットと判断されている。

    一方、高速サーキットのスパ・フランコルシャンでは、現状のPU性能ではストレート区間で苦戦が避けられないため、新型車を急いで投入する意味は小さいと判断された。

    しかし、そもそもAMR26がここまで苦戦した原因は、単なる重量超過だけではなかった。

    開幕前のバルセロナとバーレーンでのテストでは、ダウンフォース不足や重量超過に加え、ホンダ製PUとシャシーを組み合わせたことで発生した振動問題も露呈。さらにシミュレーターと実車、風洞データとの相関不足、設計・製造プロセスの未成熟など、チーム全体の開発体制にも課題が浮き彫りとなった。

    アストンマーティンのマイク・クラックは、新型車投入を前に次のように語っている。

    「トンネルの先には光が見えている。まずは現在の仕様であと2戦を戦い、その後に前進できるだろう」

    ニューウェイ主導で全面刷新
    今回のAMR26は「Bスペック」とも呼ばれているが、基本コンセプトそのものを変更するわけではない。

    シャシーやギアボックスの基本構造は維持しながら、大幅な軽量化と空力性能改善を実施。フロントサスペンションは変更せず、リアサスペンションは小変更、新設計ノーズと大幅に見直した空力パッケージを組み合わせる。

    エイドリアン・ニューウェイはチーム公式サイトで次のように説明した。

    「主要な構造は変わっていない。シャシーやギアボックスの基本設計は維持しているが、両方とも軽量化した。そのため前方シャシーは再ホモロゲーションとクラッシュテストが必要になった」

    「フロントサスペンションは変更していない。リアサスペンションは若干改良し、新しいノーズと大幅に見直した空力パーツを開発した。基本構造は似ているが、大規模な空力アップデートと大幅な軽量化を組み合わせている。目標は最低重量に限りなく近づけることだ」

    ニューウェイによれば、大胆な空力コンセプトそのものが失敗だったわけではないという。

    「空力面では私が主導して非常に大胆な方向性を選んだ。ただ、十分な時間がなく複数のコンセプトを深く検証する余裕はなかった」

    「方向性そのものが間違っていたとは思わないが、予想していなかった課題が出てきた」

    さらにニューウェイは、チームが長年使い続けてきた設計・製造システムにも問題があったことを認めている。

    「長年継ぎ足しで使われてきたシステムは限界だった。その結果、非常にフラストレーションの溜まるマシン開発になってしまった。部品の発注タイミングまで狂ってしまう状況だった」

    重量超過10~15kgが足かせに
    AMR26の問題点として最も大きかったのが重量超過だった。

    最低重量768kgに対し、およそ10~15kg重い状態だったとされ、その影響は加速性能やタイヤ摩耗、コーナリング性能などあらゆる面に及んでいた。

    ニューウェイはシーズン開幕前にはすでに全面改修を決断。現行マシンへの小規模アップデートを諦め、夏休み前に投入する新仕様へ開発リソースを集中させた。

    同時にシルバーストンのファクトリーでは、マシンだけでなく設計・生産システムそのものの改革にも着手。新型AMR26は単なるアップデートではなく、チームの開発体制そのものを立て直す第一歩という位置付けになっている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダPUも性能不足に苦戦
    アストンマーティンの低迷はシャシーだけが原因ではなかった。ホンダも2026年型パワーユニット(PU)の性能向上に苦戦していた。

    FIAが2026年から導入したADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities=追加開発・アップグレード制度)では、ホンダ製PUはベンチマークとなったレッドブル・フォード製PUとの差が4%以上あると評価され、フェラーリ、アウディと並んで2回の追加開発枠を与えられた。

    これは現行PUが燃焼性能や内部摩擦などの面でライバルに及ばず、性能向上の余地が大きいと判断されたことを意味する。

    一方でホンダは、シーズン中に認められた2回のホモロゲーション変更のうち、2026年は1回のみを使用する方針を決定。小規模な改良を繰り返すのではなく、多くの改善項目を一度に投入することで大きな性能向上を狙い、その後は2027年型PUの開発へ軸足を移す長期戦略を採る。

    新型PUはオランダGPでデビューへ
    ホンダは夏休み明け最初のオランダGPで新型PUを投入する計画だ。

    これまで「夏頃」とだけ説明していた投入時期について、ホンダのトラックサイド・ゼネラルマネージャーを務める折原慎太郎氏はシルバーストンで具体的な目標を明かした。

    「これまでは夏と言ってきましたが、それでは少し面白みに欠ける答えでした。ですから目標はオランダGPと言いましょう。オランダGPに新しいパワーユニットを投入できるよう、現在も開発項目を完了させるために懸命に取り組んでいます」

    なお、オランダGPはスプリントフォーマットで開催されるため、金曜日午後にはスプリント予選が始まる。新型PUに初期トラブルが発生した場合でも十分な修正時間が確保できない難しいデビュー戦となる。

    燃焼性能と摩擦低減が改良の柱
    今回のアップグレードはシャシー側の改修を必要とせず、エンジン内部のみを変更する。

    折原氏は改良内容について次のように説明した。

    「完全に内部の変更です。重点はエンジン性能の向上にあります。燃焼室形状やプレチャンバーを見直し、燃焼性能を改善するために燃焼室の設計を変更しています」

    「さらに潤滑システムを改良して摩擦を低減しています。そして当然ながら、性能を引き上げるのであれば信頼性も高めなければなりません。まだ完了させるべき項目は数多く残っていますが、オランダGP投入を目指して作業を進めています」

    また、燃焼特性の変化に伴い、ドライバビリティの改善や制御の最適化も並行して進められているという。

    大幅な性能向上を狙うも「魔法はない」
    ホンダは今回のアップデートで最高出力だけでなく、総合的な性能向上を狙っている。

    一方で折原氏は、一度のアップデートで勢力図を一変させることはできないとの認識も示した。

    「ダイノで確認した数値は把握していますが、公表はできません。我々は小さな改善ではなく、意味のある大きな前進を目指しています。ただ、F1に魔法はありません。今回の一度のアップデートだけでメルセデスやレッドブル・パワートレインズに追いつくとは考えていません」

    「性能開発は一歩ずつ積み重ねるものです。オランダGPはその第一歩です」

    後半戦へ反撃開始
    アストンマーティンは重量超過やダウンフォース不足、シミュレーション精度や開発体制の課題を抱えたAMR26を全面的に見直し、ハンガリーGPで新仕様を投入する。一方のホンダは、性能不足と評価されたPUを燃焼性能や摩擦低減を中心に大幅改良し、オランダGPで実戦投入する計画だ。

    シャシーとパワーユニットという2つの課題を段階的に刷新することで、それぞれの効果を検証しながら戦闘力の底上げを図る。タイトル争いの勢力図を一変させるほどの変化ではないとしても、アストンマーティン・ホンダにとって2026年シーズン後半の巻き返しへ向けた重要な第一歩となる。

  • アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイ「ホンダとの統合や振動対策に苦戦」

    アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイ「ホンダとの統合や振動対策に苦戦」

    2026年シーズンのアストンマーティンは、新レギュレーション初年度で大きく出遅れる苦しい戦いを強いられている。チーム代表のエイドリアン・ニューウェイは、その背景についてホンダ製パワーユニットとの統合や振動対策に苦戦し、開発全体が後手に回ったことを明かした。

    ニューウェイは、パワーユニットやギアボックスの信頼性問題に加え、重量超過や空力開発の遅れなど複数の課題が重なったと説明。

    こうした問題を受け、アストンマーティンはハンガリーGPで大規模アップグレード「AMR26B」を投入し、巻き返しを図る方針だ。

    開幕前から続いた信頼性問題が開発を妨げた
    ニューウェイは、アストンマーティンが本格的にマシンを走らせられたのはオーストラリアGPのFP3が初めてだったと明かした。

    「メルボルンが現実を突きつけられた瞬間だった。さまざまなパワーユニットの問題があり、最初にまともな走行ができたのはオーストラリアGPのFP3だった」

    「それまではバルセロナとバーレーンでのテストを通じて、パワーユニットとシャシー、ギアボックスを正常に機能させるためにガレージで多くの時間を費やしていた」

    ニューウェイは「『悪いことは重なる』ということわざがあるが、まさにその典型的なケースだった。起こり得る問題がすべて起きてしまったような状況だった」と苦しい開幕を振り返った。

    開発開始の遅れが2026年マシンに大きく影響
    ニューウェイは、2026年型マシンの開発開始そのものがライバルより数か月遅れていたことも認めた。

    「シャシー側もパワーユニット側も、最初から後手に回っていた。振り返れば、自分たちに対する期待値を高く設定しすぎていたのかもしれない。そして忘れてはいけないのは、グリッド全体のライバルたちのレベルの高さだ」

    「2026年マシンの本格的な開発に着手したのは2025年3月中旬で、風洞模型が完成したのは4月中旬だった。ライバルより数か月遅れており、その差を埋めるのは非常に難しかった」

    重量超過と空力コンセプトにも課題
    ニューウェイは、現在のマシンが重量超過であることを認め、その一因としてホンダ製パワーユニットとの統合や振動対策を挙げた。

    「シャシーはかなり重量超過になっている。その一部はホンダとの統合作業や振動問題への対応によるものだが、自分たち自身も軽量化で十分な仕事ができなかった」

    「急いで設計すると最初に犠牲になるのが重量だ。細部まで最適化する時間がなかった」

    さらに空力面についても、自ら主導した大胆なコンセプトが十分な検証を経られなかったと説明した。

    「時間がなかったため、複数のコンセプトを十分に比較検討できなかった。この方向性が根本的に間違っているとは思わないが、予想していなかった課題が出てきた」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    AMR26Bで巻き返しへ ハンガリーで大規模アップグレード投入
    こうした状況を受け、チームは個別改良ではなく、一度に大規模アップグレードを投入する方針を決断した。

    ニューウェイは「現状を受け入れた後、チーム全体は非常に前向きにまとまった」と語る。

    「目標は2つだった。まず夏休み前に大規模アップデートで現状を立て直すこと。そして将来に向けた基盤をしっかり築くことだ」

    今回のアップグレードは大幅な空力改良に加え、大規模な軽量化も柱となる予定で、ハンガリーGPで初投入されることが決まっている。

    組織改革も推進 「苦境を成長の機会に変えた」
    ニューウェイは、この苦戦を組織改革の契機として前向きに捉えている。

    「この苦しい時期を、働き方そのものを見直す機会にした」

    現在はAMRテクノロジー・キャンパスで内製化を積極的に進めており、ギアボックスケースやフロアなど、これまで外注していた部品の多くを自社生産へ切り替えているという。

    「コスト管理だけでなく、柔軟性や品質管理、設計から製造までのフィードバック速度も大きく向上する」

    また、自身の健康問題によってサーキットへの帯同が制限されたことも認めた。

    「今はもう大丈夫だが、昨年は100%の状態ではなかった。健康と仕事のバランスを慎重に取らなければならなかった」

    それでもチームとの連携には支障はなかったとし、「エンジニアとの関係は維持できていたし、チーム全体が非常に柔軟に対応してくれた」と感謝を示した。

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  • アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイ「AMR26Bは大幅な軽量化と新空力」

    アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイ「AMR26Bは大幅な軽量化と新空力」

    アストンマーティンF1のエイドリアン・ニューウェイ代表は、苦戦が続く2026年型マシン「AMR26」に投入する大型アップグレードの詳細を明らかにした。アップデートはF1第9戦ハンガリーGPで2台同時に導入され、空力性能の大幅な刷新と軽量化を柱としたパッケージとなる。

    今季のアストンマーティンはここまで1ポイント獲得にとどまり、コンストラクターズランキング最下位からは脱したものの、純粋な戦闘力ではグリッド最後尾に沈んでいる。

    オーストリアGP予選ではフェルナンド・アロンソが最下位から2番目だったバルテリ・ボッタスより約1秒遅れるなど厳しい状況が続いていた。

    ハンガリーGPで大型アップグレード投入
    他チームが小規模な改良を積み重ねる中、アストンマーティンは開発リソースを一つの大型パッケージに集中させる戦略を採用してきた。

    ニューウェイ代表はチームの『Aston Martin UNCUT』で、ハンガリーGP投入を正式に認めた。

    「ハンガリーで2台ともアップグレードを導入する予定だ」

    さらに、新車と言えるほどの変更なのか、それとも大幅な進化版なのかと問われると、次のように説明した。

    「主要な構造部分は同じままだ。シャシーやギアボックスのアーキテクチャは基本的に変わらない。しかし、その両方を軽量化したことで、前方シャシーは再ホモロゲーションとクラッシュテストが必要になった」

    「フロントサスペンションは変更していない。リアサスペンションはわずかに見直している。新しいノーズを開発し、空力面も大幅に改良した。そのため基本構造は似ているが、大規模な空力パッケージに加え、大幅な軽量化も実施している。目標は最低重量制限に限りなく近づけることだ」

    シミュレーション環境の改善も進行
    近年はフェラーリやレッドブル・レーシングが大型アップグレードによって戦闘力を向上させた例もある。しかしアストンマーティンは後方との差が大きく、ミッドフィールド争いへ復帰するには相当な効果が求められる。

    ニューウェイ代表は期待を示しつつも、現時点で数値目標を語ることには慎重な姿勢を見せた。

    「大きな前進になると予想している。しかし、シミュレーションツールはまだ十分に成熟しておらず、実車との相関も理想的ではないので、具体的な数字を示すことには慎重でいたい」

    「このチームは歴史的に、エンジニアリング用シミュレーションツールへの投資が十分ではなかった。プロジェクト管理システムだけではなく、物理演算そのものを扱う中核ツールも含めてだ。現在はそこへ投資を進めているが、そうしたツールは一夜にして作り直し、検証できるものではない。実車との相関を適切に取るにも時間がかかる」

    「現時点でも改善は進んでいるが、その取り組みの本当の成果が現れるのは、もう少しシーズン後半になってからだ」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソ残留にも重要なアップデート
    フェルナンド・アロンソは今後について、夏休み前までに方向性を決めたい考えを示している。一方で、自身はドライバーとしてでなくても将来的にアストンマーティンでF1世界王者を目指したいとの考えも明かしている。

    ニューウェイ代表は、ドライバー陣の不満は理解できるものだと語った。

    「2人のドライバーともフラストレーションを抱えており、それが時にはメディアでの発言にも表れている。しかし、それは理解できることでもある。彼らは勝負師であり、前方で戦いたいと思っている」

    「私は2人とも何度も話をしてきた。チームの現状と、これから向かう方向について説明している」

    さらにアロンソの去就について問われると、その重要性を強調した。

    「非常に重要だ。フェルナンドは今回のアップグレードを本当に楽しみにしている。そして、私たちが期待するような性能を示せれば、彼は来季もコックピットに座ることになるだろう」

    「彼の経験、マシンを感じ取る能力、開発を導く力はチームにとって非常に大きな財産だ。しかし彼が求めているのは、明確で目に見える進歩だ。私たちが正しい方向へ力強く前進していることを示すことができれば、彼は間違いなくドライバーとして走り続けることに全力で取り組んでくれるだろう」

  • アストンマーティン・ホンダF1 「現状では前のマシンと戦うのは難しい」

    アストンマーティン・ホンダF1 「現状では前のマシンと戦うのは難しい」

    アストンマーティンF1のマイク・クラック最高サーキット責任者(Chief Trackside Officer)は、2026年F1第8戦オーストリアGPを振り返り、現在のマシンではライバルと戦うだけの競争力が不足していることを認め、「前を走るマシンと戦うのは難しい状況だった」と語った。

    アストンマーティンにとってオーストリアGPは厳しい週末となった。フェルナンド・アロンソは18位で完走したものの、トップから3周遅れとなり、レース終盤にはピットレーン速度違反によるタイムペナルティも科された。

    一方、ランス・ストロールは46周目にERSトラブルが発生し、リタイアを余儀なくされた。

    チームは今季投入予定の大型アップデートを待ちながら苦しい戦いが続いており、ホームレースとなる次戦イギリスGPを前に、現状の厳しさを改めて認める形となった。

    「最大限を引き出すことに集中した」
    クラックは、オーストリアGPではポイント争いは現実的ではなく、限られたパッケージの中で最大限のパフォーマンスを引き出すことを目標にしていたと説明した。

    「暑いコンディションの中で行われたオーストリアGPだった。我々は前を走るマシンと競り合うのが難しいことを理解した上で、現在のマシンから最大限のパフォーマンスを引き出すことに集中していた」

    また、レース序盤から中盤にかけては2台が接近したペースで走行していたことにも触れた。

    「ランスとフェルナンドはレースの大半で非常に接近した位置を走っていた。2台はほぼ隊列を組んで周回を重ねていた」

    しかし、その戦いもストロールのトラブルによって終わりを迎えた。

    「46周目にランスのマシンにERSの不具合が発生した疑いがあり、マシンをリタイアさせることになった」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アップデート投入まで耐える時間
    今回のコメントではクラック自身はアップデートについて詳しく触れなかったものの、ドライバー2人は現状の苦しい状況を認めながらも、改善への期待を口にしている。

    アロンソは「厳しい週末だったが予想していたことでもあった」と振り返り、完走によってデータを収集できたことを前向きに評価した。

    「レースを完走し、データを集め、オペレーション面を改善し続けられたことは価値があった。ここ数戦でそうした部分は前進しているし、アップグレードが投入される時に備えられるよう改善を続けたい」

    一方のストロールも、現状では上位争いは難しいと認めながら、開発陣への信頼を示した。

    「今日は誰かと大きく戦える状況ではないことは分かっていた。それでもタイヤマネジメントは良く、フェルナンドとのレースは楽しめた」

    「今はチーム全員にとって非常に厳しい時期だが、誰もがマシンのアップグレード投入に向けて懸命に働いている。もう少し辛抱すれば、数戦後には再び中団グループで戦えるようになることを期待している」

    ホームレースで反撃を目指す
    アストンマーティンは2026年シーズン序盤から苦戦が続いており、現在は大型アップデートの投入を待ちながらデータ収集とセットアップの最適化を進めている段階にある。

    オーストリアGPでは競争力不足に加え、ストロールのERSトラブルも発生し、チームにとって厳しい週末となった。それでもクラックは現有戦力でできる限りの仕事は果たしたとの認識を示しており、チームはホームレースとなるイギリスGPで少しでも前進を果たすことを目指している。

    大型アップデートの投入が近づく中、アストンマーティン・ホンダが苦境を脱し、中団争いへ復帰できるかが今後数戦の大きな焦点となりそうだ。

  • アストンマーティン・ホンダF1 オーストリアGP予選「現在の競争力を反映」

    アストンマーティン・ホンダF1 オーストリアGP予選「現在の競争力を反映」

    アストンマーティンは2026年F1オーストリアGP予選で苦戦を強いられ、フェルナンド・アロンソが21番手、ランス・ストロールが22番手に終わり、最後尾グリッドを占めた。

    チーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラックは、この結果は現在のチームの競争力を反映したものだと認めつつも、限られたパッケージの中で最大限のパフォーマンスを引き出す姿勢を強調した。

    アストンマーティンは週末を通じて冷却面の問題にも苦しみ、予選ではキャデラック勢と争うこともできなかった。それでもクラックは、限られたパッケージの中で可能な限りのパフォーマンスを引き出そうとしていると強調している。

    クラック「現在の競争力を反映した結果」
    クラックは予選を振り返り、現在の戦闘力がそのまま結果に表れたと率直に認めた。

    「今日の予選結果は、現在の私たちの競争力を反映したものだ」

    一方で、チームとしてできる限りの仕事は続けていると語り、両ドライバーの働きを評価した。

    「それでも私たちは、現在のパッケージを最大限に活用しようと努めている。ドライバーたちは、いつもどおりその力を発揮してくれた」

    決勝については厳しい展開を予想しながらも、引き続きマシンから最大限のパフォーマンスを引き出す考えを示した。

    「決勝は厳しい戦いになるだろう。しかし私たちは、マシンから可能な限りのパフォーマンスを引き出し、学びを積み重ね、オペレーション面でも強さを発揮できるよう集中していく」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソ「進歩には満足している」
    21番手となったフェルナンド・アロンソは、順位自体は想定どおりだったとしながらも、マシンのフィーリングには改善があったと語った。

    「結果は予想していたとおりだが、今週末ここまでで僕たちは前進できたと感じている。昨日のFP1から、マシンの予測しやすさや一貫性は改善された」

    「チームは改善できる部分に懸命に取り組んでくれたし、明日の決勝に向けても作業を続ける。厳しいレースになるだろうが、ここまでの進歩には満足している」

    ストロール「もう少し良い結果も可能だった」
    22番手に終わったランス・ストロールは、Q1最後のアタックでのミスが影響したと説明した。

    「今日の予選は、もう少し良い結果を出せたかもしれない。Q1最後のラップでターン4でロックアップしてしまい、そのラップを中止せざるを得なかった」

    さらに、シーズン開幕から抱える課題は変わっていないとしながらも、改善への取り組みを続けると語った。

    「シーズン開幕から乗っているのと同じマシンなので、自分たちの立ち位置は分かっている。それでもチーム全員が改善に向けて努力を続けているし、今はそこに全力を注いでいる。明日何ができるか見てみたい」

    アストンマーティンは厳しい予選結果に終わったものの、チームは現状を冷静に受け止めながら改善を続け、決勝で少しでも多くの成果を持ち帰ることを目指す。

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  • アストンマーティンF1 AMR26Bでアルピーヌ超えへ「中団首位を目指す」

    アストンマーティンF1 AMR26Bでアルピーヌ超えへ「中団首位を目指す」

    アストンマーティンは、エイドリアン・ニューウェイが主導して開発を進める「AMR26B」に大きな期待を寄せている。

    現状ではグリッド最後尾に沈んでいるものの、チームは新型マシンによって中団グループの先頭に立つことを目標に掲げており、現在その位置を占めるアルピーヌに追いつき、追い越すことを目指している。

    チームのトラックサイド・オペレーション責任者であるマイク・クラックは具体的な性能目標について慎重な姿勢を崩さなかったが、7月のベルギーGPまたはハンガリーGPで投入予定のAMR26Bが、今季の流れを大きく変える転機になるとの期待を隠さなかった。

    AMR26Bでポイント争い復帰を目指す
    現在のアストンマーティンは、多くのサーキットでトップ勢から1周あたり3〜4秒遅れる厳しい状況に置かれている。一方で、ニューウェイは小規模なアップデートを積み重ねるのではなく、大規模改良版であるAMR26Bの完成に開発資源を集中させる戦略を選択した。

    モナコGPではフェルナンド・アロンソが貴重な1ポイントを獲得し、コンストラクターズランキングでキャデラックを上回った。しかし現行AMR26で同様の結果を再現するのは難しいとみられており、その役割を担うのがAMR26Bとなる。

    クラックは投入時期について次のように説明した。

    「全員が最大限の力で取り組んでいる。できるだけ早く完成させたいと思っているし、準備が整い次第投入するつもりだ」

    一方で、新車の性能については慎重な見方を示した。

    「実際に走らせてみなければ分からない」

    「現在もあらゆるデータをマッピングし、シミュレーションを分析している。サーキットごとの数値を正確に示すのは難しいし、ドライバビリティのような要素も影響する」

    「ラップタイムを正確に予測することは非常に難しい。最終的には辛抱強く見守る必要がある」

    それでもポイント獲得は譲れない目標だという。

    「皆さんも私もポイントを獲得したいと思っている。中団争いは非常に接戦だ。そのグループとの差を縮めなければならない。そして、そのグループに加われたなら、最終的にはその先頭に立ちたいと思っている」

    「もちろん信頼性も重要な要素になるが、モナコで獲得したポイントが今季最後になるとは思っていない」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ニューウェイの戦略を全面支持
    シーズン序盤の不振を受け、ニューウェイは小規模な改良を繰り返すのではなく、AMR26Bに開発を一本化する決断を下した。その結果、アストンマーティンは約4か月間、ほとんどアップデートのない苦しい戦いを強いられている。

    それでもクラックは、チーム全体がこの方針を全面的に支持していると強調した。

    「もちろんさまざまな意見はある。どのようなステップを踏むべきか、どれだけの予算を使えるのかを議論し、そのうえで最終的な決断を下す」

    「チームで仕事をしていれば異なる意見があるのは当然だ。しかし一度決断したなら、80%ではなく100%で取り組まなければならない。そのあとで不満を言うべきではない」

    さらに、現在の苦境にも前向きな姿勢を貫く必要があると語った。

    「この決断をした以上、それに沿って仕事を続けなければならない。簡単ではないが、ネガティブになったり、周囲や世界に不満をぶつけたりするのは簡単だ」

    また、ニューウェイへの信頼についても改めて強調した。

    「ここ数週間の報道を見ると、多くの専門家がこの戦略を評価してくれている。しかし私たちは粘り強く、自分たちの道を進み、チーム代表が示した方向性に従い続けなければならない。感情的になることはあるが、それは脇に置いて仕事を続けるべきだ」

    ベルギーGP投入へ残るは2戦
    現在の計画通りであれば、AMR26B投入前に現行マシンで戦うのはオーストリアGPとイギリスGPの2戦のみとなる。

    チームは7月17〜19日に開催されるベルギーGP(スパ・フランコルシャン)でのデビューを第一候補として準備を進めており、状況次第では翌週のハンガリーGPが投入時期となる可能性も残されている。

    アストンマーティンにとってAMR26Bは、単なるアップデートではなく、今季後半戦で再びポイント争いへ復帰し、中団グループの先頭を狙うための重要な切り札となる。

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  • アストンマーティンF1 フェルナンド・アロンソ残留を熱望「引退すべきではない」

    アストンマーティンF1 フェルナンド・アロンソ残留を熱望「引退すべきではない」

    アストンマーティンは、フェルナンド・アロンソの将来について初めて公の場で見解を示し、チームとして2027年以降も残留を望んでいることを明らかにした。

    アロンソは2026年末までアストンマーティンとの契約を結んでいるが、今後についてはさまざまな憶測が飛び交っている。アルピーヌ復帰説やF1引退説が報じられる一方で、本人は将来について明言を避け続けている。

    アロンソは夏休みまでに決断か
    そうした状況の中、オーストリアGPを前にアストンマーティンのチーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラックが、アロンソの去就について言及した。

    「1~2年前を振り返れば、彼はここに残ると言ってきた」とクラックはシュピールベルクで報道陣に語った。

    契約延長を正式に示す発言ではないものの、アストンマーティンが依然としてアロンソを長期プロジェクトの中心人物と位置付けていることを改めて強調する内容となった。

    一方で、最終的な判断はアロンソ本人に委ねられていることも認めた。

    「フェルナンドは夏休み頃に決断すると考えている。そして、我々はそれを受け入れるつもりだ」

    この発言によって憶測が収まるどころか、夏休みが近づくにつれてアロンソの一挙手一投足や発言が、残留、アルピーヌ移籍、あるいはF1引退を占う材料として注目されることになりそうだ。

    根強く続くアルピーヌ復帰説
    アロンソの移籍先候補として最も有力視されているのがアルピーヌだ。

    その背景には、現在アルピーヌで強い影響力を持つフラビオ・ブリアトーレとの深い関係がある。両者はルノー時代にともに2度のワールドチャンピオンを獲得しており、フランスでは両者の再タッグに向けた話し合いが進展しているとの報道も出ている。

    ただし、それらの情報が事実なのか、それともパドック内の憶測に過ぎないのかは依然として不透明だ。

    さらにアルピーヌでは、フランコ・コラピントがピエール・ガスリーと並ぶ長期的なレギュラー候補として評価を高めており、2027年以降のドライバー体制も注目を集めている。

    こうした状況が、アロンソの将来を巡る議論をさらに複雑なものにしている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アストンマーティンは現体制を維持する方針
    アストンマーティンは、今季ここまでパフォーマンス不足や信頼性の問題に苦しみ、アロンソが上位争いに加われないレースが続いている。

    スペインGPでは母国レースで予選下位に沈み、決勝でもマシントラブルによってリタイアを喫するなど、厳しい戦いが続いている。

    それでもクラックは、アロンソとランス・ストロールの両ドライバーに対する信頼は揺らいでいないと強調した。

    「我々はドライバーたちに満足している。彼らは我々とともに戦ってくれている。そして、この状況への向き合い方には本当に敬意を表したい」

    さらに次のように続けた。

    「この件については何度も話してきた。最も影響を受け、最も表に立つのはドライバーたちだ。それでも彼らの対応には頭が下がる思いだ。今後も一緒に仕事を続けられることを願っている」

    そして最後に、アロンソへの期待を端的な言葉で表現した。

    「フェルナンドは引退すべきではない。彼はまだ十分に速い」

    アロンソ本人は依然として将来について口を閉ざしているものの、アストンマーティンは2027年以降もチームに残ってほしいという姿勢を明確に打ち出した。一方で、アルピーヌ復帰説や引退説は依然として消えておらず、アロンソが夏休みまでにどのような決断を下すのかが、今後のF1ストーブリーグ最大の注目点の一つとなりそうだ。

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  • アストンマーティンF1 AMR26Bに予算集中も不安の声「厳しい状況になる」

    アストンマーティンF1 AMR26Bに予算集中も不安の声「厳しい状況になる」

    アストンマーティンは2026年シーズン開幕前、優勝争いに加わる有力候補のひとつとみなされていた。しかし実際にはAMR26の競争力不足と信頼性問題に苦しみ、ここまで期待を大きく下回る戦いを強いられている。

    そんななか、かつてチーム代表を務めたオトマー・サフナウアーが、チーム内部から伝わってくる情報について言及。ベルギーGPで投入が見込まれる大型アップデートについて、厳しい見通しを示した。

    アストンマーティンは大型改良版に開発を集中
    アストンマーティンは今季序盤、小規模なアップデートを段階的に投入するのではなく、大規模改良版マシンの開発にリソースを集中させてきたとみられている。

    サフナウアーは『High Performance Racing Podcast』で次のように語った。

    「彼らはシーズン序盤から、小さなアップグレードをレースごとに投入するつもりはないと言っていた」

    「フェラーリやメルセデスが行っているようなアップデートだ。メルセデスはカナダで投入し、さらに追加の改良も予定している」

    「しかし彼ら(アストンマーティン)はそうしないと言った。おそらく予算上限の資金を大規模なBスペック車に集中させるためだろう」

    現在の計画では、ベルギーGPで投入されるとみられるAMR26Bが後半戦の巻き返しの切り札となる。

    内部から聞こえる不安な声
    しかしサフナウアーによれば、その大型アップデートにも楽観論は広がっていないという。

    「スパで何が起きるか見てみよう。しかし、私が内部から聞いている限りでは厳しい状況になるだろう」

    具体的な内容については明かさなかったものの、チーム内部ではアップデートだけで現状を劇的に改善することは難しいとの見方もあるようだ。

    一方、元フェラーリのレースエンジニアであるロブ・スメドレーは、判断を下すのはまだ早いと語った。

    「私たちはこの大規模アップデートを待っているところだ」

    「彼らには疑う余地なく優秀な人材がいる。6週間後のベルギーで答えが見えるだろう」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    クラック「全員が決定を支持している」
    アストンマーティンの苦戦については、最高サーキット責任者のマイク・クラックも危機感を隠していない。

    フェルナンド・アロンソはモナコGPでセルジオ・ペレスのペナルティによる繰り上がりで1ポイントを獲得したのみで、ランス・ストロールはいまだ無得点。チーム全体に重い空気が漂っていることを認めている。

    「これは全員に重くのしかかっている。ガレージでもそれを感じるし、とりわけドライバーたちにも感じられる。非常に難しい状況だ」

    それでもクラックは、エイドリアン・ニューウェイ主導の開発方針を全面的に支持している。

    「強力なリーダーがいて、そのタイミングでアップグレードするという決定が下された。我々全員がその決定にコミットしなければならない」

    「アップグレードを待ちながら時間を過ごすだけでは意味がない。今のマシンにも改善できる部分は多く残っている」

    ベルギーGPが今季の試金石に
    アストンマーティンはホンダとの新パワーユニット体制初年度に苦戦しているが、チーム内では夏休み前後の反攻に期待がかかっている。

    しかしサフナウアーが伝えた内部情報が事実であれば、AMR26Bが即座に上位争いへ復帰させるほどの効果を発揮する保証はない。

    AMR26Bはアストンマーティンの2026年シーズンを左右するだけでなく、2027年へ向けた開発方針の正しさを測る重要な一戦となりそうだ。

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    アストンマーティンF1大改修 ニューウェイがAMR26Bに残すのはフロントサスのみ

    アストンマーティンは2026年シーズン前半を事実上“捨てる”覚悟で、大規模アップグレードパッケージの投入を待っているようだ。現在のAMR26はグリッド最後尾レベルの競争力しか示せておらず、チーム内部では今後数戦を開発のための準備期間と捉えているという。

    フェルナンド・アロンソがモナコGPで獲得した1ポイントにより辛うじてキャデラックを上回っているものの、バルセロナ・カタルーニャGPでは最後列を独占するなど、アストンマーティンの苦戦は明白となっている。

    ハンガリーGP投入予定の大型アップグレード
    Motorsport ITによると、アストンマーティンは当初予定されていたベルギーGPではなく、夏休み前最後のハンガリーGPで大型アップグレードを投入する見通しだ。

    このアップグレードは単なる改良版ではなく、チーム内では「新シーズンの始まり」と見なされるほど大規模なものになるという。

    アストンマーティンはシーズン序盤から小規模なアップデートを積み重ねるのではなく、一度に大きく性能を変える“ビッグバン方式”を選択した。そのため、現在はポイント争いよりも将来の競争力回復を優先している状況だ。

    報道では、現時点でトップチームとの差は約4秒と推定され、その原因はパワーユニットとシャシーが半々だと分析されている。

    ニューウェイが認識したシャシーの根本問題
    開幕当初、エイドリアン・ニューウェイは主にホンダ製パワーユニットの遅れが不振の原因であるとの見方を示していた。

    しかしシーズンが進むにつれ、問題はエンジンだけではないことが明らかになった。

    特にパワー依存度が低いモナコGPでアストンマーティンが予選最下位を独占したことは、車体側にも深刻な欠陥が存在することを示す決定的な証拠になったとされる。

    その結果、ニューウェイは現行マシンの設計をほぼ全面的に見直す方針を固めたという。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    唯一残されるのはフロントサスペンション
    報道によれば、ニューウェイが次期仕様車へ引き継ぐ予定なのはフロントサスペンションのみだ。

    それ以外の部分については完全に刷新される見込みで、実質的には別のマシンになるとみられている。

    ニューウェイのアストンマーティン加入が2025年3月までずれ込んだことや、ホンダ側の開発体制再編による遅れも重なり、2026年マシンは十分な準備期間を確保できなかったとされる。

    ホンダPUにもADUOによる救済措置
    一方でホンダにも改善の余地は残されている。

    2026年から導入されたADUO(性能均衡調整制度)により、ホンダは2段階の開発トークン使用が認められている。

    当初は最大支援枠の対象になる可能性も報じられていたが、FIAはホンダの性能不足がそこまで大きくないと判断し、より上位の救済措置は認めなかった。

    それでも2回のアップグレード機会を得ており、ハンガリーGPまでに最初の改良版が投入されるかが注目される。

    アロンソが「後半戦から新しいシーズンが始まる」と語っているように、アストンマーティンとホンダにとって真の勝負は夏以降になるのかもしれない。

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    アストンマーティンF1 AMR26BでホンダがADUOの2回分の改良を一気に投入か

    アストンマーティンF1は2026年シーズン前半の苦戦から脱却するため、ハンガリーGPを目標に大規模アップデート版「AMR26B」の投入を準備している。その切り札のひとつとして、ホンダがFIAのADUO(追加開発・アップグレード機会)で認められた2回分の改良を一度に投入する可能性が浮上した。

    車体とパワーユニットの双方を大幅に進化させることで、最後尾争いから脱出し、ポイント圏への返り咲きを目指している。

    ホンダがADUOの2回分改良を投入か
    Motorsport Italiaによると、ホンダは現在のパワーユニット性能不足を解消するため、ADUO制度で認められた改良を最大限活用する方向で準備を進めているという。

    2026年のパワーユニット勢力図では、ホンダはメルセデスやレッドブル・パワートレインズに後れを取っているとみられており、FIAから2回分の開発機会が認められている。

    通常であればシーズン中に段階的に投入することも可能だが、ホンダはその2回分をまとめて使用し、一度に性能向上を図る可能性があると報じられている。

    もし実現すれば、アストンマーティンにとってはシーズン最大級の戦力強化となる。

    AMR26B投入で反撃開始へ
    アストンマーティンは今季ここまで深刻な低迷に苦しんでいる。

    フェルナンド・アロンソがモナコGPで獲得した1ポイント以外に目立った成果はなく、グリッド最後尾争いを強いられているのが現状だ。

    そのためチームは現行AMR26の開発を事実上凍結し、エイドリアン・ニューウェイ主導による大幅改良版AMR26Bへ開発リソースを集中している。

    当初はベルギーGPでの投入も検討されていたが、現在は夏休み前最後のレースとなるハンガリーGPでのデビューが有力視されている。

    クラック「すべての分野で改善が必要」
    アストンマーティンのサーキット運営責任者であるマイク・クラックは、チームが抱える問題が単一の要因ではないことを認めている。

    「バルセロナの特性はモナコとはまったく違っていた。高速コーナーや中速コーナーが多く、低速コーナーはほとんどなかった。一方でモナコはその逆だった」

    「モナコではタイヤを機能させることに苦労し、スペインではタイヤを冷却しようとしていた。まったく異なる状況だったが、どちらのサーキットでも我々は遅かった。それは、すべての分野で改善が必要だということを示している」

    また、苦しい状況のなかでも学びを得ることの重要性を強調した。

    「これはチーム全体に重くのしかかっている。とりわけドライバーたちが強く感じている」

    「アップデートを待つだけだと言うのは簡単だが、今のクルマでも改善できる部分はまだ数多く残っている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ニューウェイ体制の成果が問われる
    AMR26Bは単なるアップデートカーではない。

    エイドリアン・ニューウェイを中心に、フェラーリから加入したエンリコ・カルディレ、元メルセデスのジャック・ヴィーノ、ダンカン・エリオットらが関与する新体制の成果が初めて形になるマシンとみられている。

    現行AMR26から引き継がれる部品は限られ、実質的には新車に近いレベルの改修が施される見込みだ。

    ホンダの新仕様パワーユニットとAMR26Bが同時に投入されれば、アストンマーティンにとって2026年シーズンの本当のスタートとなるかもしれない。

    チームはまず最後尾争いから脱出し、安定してポイント圏を争える位置まで浮上することを目指している。その第一歩が、ハンガリーGPで実現する可能性が高まっている。