F1初開催を迎えるマドリンクに、ドライバーたちから期待と興奮の声が相次いでいる。シミュレーターで新コースを体験したピエール・ガスリーは「クレイジー」と表現し、ジョージ・ラッセルも「ぶっ飛んでる」と、その独特なレイアウトに強烈な印象を受けたことを明かした。
スペインの首都マドリードでF1が開催されるのは45年ぶりとなる。
公道区間と新設された常設区間を組み合わせたマドリンクは、全長5.416km、22コーナーで構成され、なかでもターン12の全長550m、最大24%のバンクを持つモニュメンタル(La Monumental)が最大の特徴となる。
実走データが存在しないため、金曜日のフリー走行では全チーム、全ドライバーがほぼ同じ条件からコース攻略を始める。
サインツJr.「感情的な週末になる」
マドリード出身のカルロス・サインツJr.にとって、母国、それも故郷で開催されるF1スペインGPは特別な意味を持つ。
サインツJr.はマドリンクのアンバサダーも務めており、建設途中にはロードカーでコースを走った最初のF1ドライバーとなった。その際には「これほど流れるようなレイアウトで、これほど幅が広いとは思っていなかった」と印象を語っている。
今度はF1マシンで故郷のコースを走ることになる。
「間違いなく、ものすごく楽しむつもりだ」
「忙しい週末になると思うけど、感情的な週末にもなる。できる限り楽しみたい。コースには個性があって、いろいろなタイプのコーナーがある。すごく特徴的なサーキットに見える」
アロンソ「マドリードで勝つことには大きな意味がある」
フェルナンド・アロンソは25年以上に及ぶF1キャリアを持つが、新たな母国グランプリへの期待は大きい。
「とても素晴らしい週末になると思う。今年はスペインで2回レースができるという特権があって、しかもマドリードでは初めてだ。特別だよ」
「新しいコースでもあるから、フリー走行でできるだけ早くコースを覚えるというチャレンジが全員に加わる。僕にとってはスペインだから二重に特別だ」
「マドリードは世界でも最高の都市のひとつだと思う。ここでグランプリを開催して、F1を迎えられるのは素晴らしいことだ。レーシングドライバーなら誰にとっても、マドリードで勝つことには大きな意味があると思う」
シミュレーターで走ったマドリンクについて、アロンソはドライバーにとって刺激的なコースになると予想している。
「すごくテクニカルで、縁石をかなり使うことになる。高速セクションもいくつかあって、そこでウォールにかなり近づかなければならない。それはドライバーにとって魅力的だし、アドレナリンもかなり高くなる。ジェッダに近いところがある」
ガスリー「見たことがないレイアウト」
ピエール・ガスリーは、シミュレーターで体験したマドリンクに特に強烈な印象を受けたひとりだ。
「シミュレーターで見たコースはクレイジーだった」
「走っていてすごく楽しかったし、テクニカルでツイスティなコーナーがたくさんある。聞いている限りでも、本当にユニークなものになると思う。大きなチャレンジだけど、全員にとってすべてが新しい、こういう週末は楽しみだ」
マドリンクには高速から低速まで幅広いコーナーがあり、高低差やバンクも組み込まれている。ガスリーは、その多様性こそが攻略を難しくすると考えている。
「ドライビング面でのチャレンジを過小評価するべきじゃないと思う。コーナーは本当にクレイジーだ。アップダウンがあって、バンクがあって、90度コーナーも180度コーナーもある。低速も高速もある。考えられるものが少しずつ全部入っている感じだ」
「エキサイティングだよ。ドライバーとしては、ラップのいろいろな場所で小さなゲインを積み重ねられるチャンスがたくさんありそうに感じる。こういうレイアウトは今まで見たことがない。マシンの中ではものすごいアドレナリンになると思う」

コラピント「F1でここを走るのは夢」
フランコ・コラピントにとってもマドリードは特別な場所だ。ジュニアカテゴリー時代、ヨーロッパでキャリアを築き始めたころにマドリードで生活していた経験がある。
「スペインに戻ってこられて本当にうれしい。特にこれまでの経験や、僕がヨーロッパでキャリアを始めた経緯を考えると、マドリードはホームに一番近い場所だと思う。僕はここ、マドリードから始めたんだ」
「ここでF1のレースをするのは夢がかなったようなものだ。マドリードのような大都市がカレンダーに戻ってくることは、このスポーツにとってもすごくいいと思う」
「すごくエキサイティングなコースを作ってくれた。走っていてかなりいいコースになりそうだし、楽しみだ」
ペレスは「本物のサーキット」 ベアマンも歓迎
他のドライバーからも、新しいマドリンクへの好意的な反応が聞かれた。
キャデラックのセルジオ・ペレスは新コースを簡潔に「本物のサーキットだ」と評価。一方、ハースのオリバー・ベアマンも「新しいコースは僕たちにとっていつだってものすごく楽しい」と語った。
過去のデータやセットアップの蓄積がない新設コースでは、ドライバーとチームが短時間でどれだけ適応できるかが重要になる。特にウォールが近い区間では、限界を探りながらミスを避ける必要があり、中団チームにとっては波乱をポイント獲得につなげるチャンスにもなり得る。
ラッセル「ぶっ飛んでる。予選が重要になる」
メルセデスのジョージ・ラッセルも、マドリンクの第一印象を強烈な言葉で表現した。
「かなりワイルドなコースに見える。ぶっ飛んでるよ。でも実際に走るのが楽しみだ。本当に大きなチャレンジになるし、予選が重要になると思う」
「F1にいる全員のレベルはものすごく高い。ここは自信が必要になるサーキットだと思う。すごくチャレンジングで、高速コーナーがたくさんあって、縁石もアグレッシブだ。間違いなく特別な経験になる」
そして、初日のアプローチについては慎重さも必要だと強調した。
「とにかくウォールに当てないようにして、少しずつペースを上げていくよ」
シミュレーターで準備を重ねてきたとはいえ、実際の路面状況やバンプ、グリップレベル、ウォールとの距離感は走ってみなければ分からない。全チームが手探りでスタートするF1初開催のマドリンクでは、金曜日のFP1からドライバーの適応力が試されることになりそうだ。
