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  • F1スペインGP戦略を左右するマドリンクの超ロングピットレーン「6kmもある!」

    F1スペインGP戦略を左右するマドリンクの超ロングピットレーン「6kmもある!」

    2026年F1スペインGPの決勝では、新設されたマドリンク特有の「極端に長いピットレーン」が戦略を大きく左右する可能性がある。

    金曜日には予想を上回るタイヤデグラデーションが確認され、一時は複数回のピットストップも想定されたが、ピットで失う時間の大きさから、最終的には1ストップが主流になるとの見方が強まっている。

    ピレリによれば、マドリンクでは1周につき約0.2~0.3秒というF1としては大きなタイヤ性能低下が確認された。通常なら2ストップを促す材料だが、ランド・ノリスが「6kmもあるみたいだ」と表現した長大なピットレーンと、コース上での追い抜きの難しさが正反対の方向に作用している。

    予想外だったマドリンクの高グリップとタイヤデグラデーション
    初開催となるマドリンクでは、新しいアスファルトにもかかわらず、F1各チームが予想していた以上に高いグリップレベルが確認された。

    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、FP1終了時点ではタイヤの性能低下があまりにも激しく、戦略担当者が冗談交じりに「6ストップ」と口にしたほどだったと明かした。

    「週末の最初は難しかった。このコースは完全に新しいアスファルトなのに、非常にグリップが高かったからだ。そして興味深いことに、我々が予想していたのとは正反対の問題に直面した」

    「最初のセッション後の状況を見ると、我々のストラテジーディレクターは『6ストップだ!』と言っていた。実際、1周あたり0.8秒ものデグラデーションがあったからだ。あんなものは見たことがない。ただ、最終的には1ストップになると思う」

    実際のデグラデーションはヴォルフが挙げた数字ほど極端ではないものの、それでもピレリの分析では、金曜日にタイヤの劣化だけで1周につき約0.2~0.3秒を失っていた。

    ピレリのチーフエンジニア、シモーネ・ベッラも、この数値は事前予測の範囲を超えていたと認める。

    「ええ、率直に言って驚きだった。各チームはパフォーマンスとロングランでのデグラデーションの最適な妥協点を見つけるため、セットアップに取り組んでいる。ただ、こうした数値になったのは間違いなく驚きだった。我々が想定していた範囲を外れている」

    フロントのグレイニングとリアの熱劣化が同時発生
    ピレリによれば、マドリンクでデグラデーションが大きくなっている原因はひとつではない。フロントタイヤのグレイニングと、リアタイヤの熱によるデグラデーションが組み合わさっている。

    「滑らかな路面と高いグリップレベルによって、グレイニングが発生している。基本的にはストレスのピークに達して、タイヤ表面が裂け始め、それがグレイニングへと発展していく」

    特に金曜日の燃料搭載量を増やしたロングランでは、左フロントのグレイニングが制約となった。

    「グレイニングは間違いなくここでの制限要因だ。ドライバーはパフォーマンスが落ちていることを感じられる。金曜日のハイフューエル走行で確認された現象のひとつで、左フロントのグレイニングによってスティントを通じてコーナー中盤でアンダーステアが発生していた」

    「一方で、リアアクスルには熱による性能低下もあった。この2つの現象が組み合わさることで、大きなデグラデーションが生まれている」

    本来なら、こうした状況はピットストップ回数を増やす方向に働く。

    ノリスが批判「ピットレーンは6kmもある!」
    ところが、マドリンクにはタイヤデグラデーションとは正反対に、ピットストップ回数を減らす大きな要素が存在する。

    極端に長いピットレーンだ。

    マドリンクのピットレーンはIFEMA施設の配置によって事実上2つの区間に分かれる特殊なレイアウトとなっている。ターン1とターン2をショートカットする形にはなっているものの、ピットストップによるタイムロスはシーズン最大級とみられている。

    予選後の記者会見でランド・ノリスは、この設計を強く批判した。

    「ピットレーンは6kmもあるみたいだ!」

    「ピットレーンを2つに分けるべきだと思う。ピットリミッターを使って、一度解除して、それからもう一度ピットリミッターを使うようにすればいい。年間で最も長いピットレーンだし、ピットストップによるタイムロスも年間最大だ」

    ノリスは、長いピットレーンが単に時間を失わせるだけでなく、戦略の多様性そのものを損なっていると指摘する。

    「これでは追い抜きがさらに難しくなる。ピットに入って違う戦略を試そうという意欲もなくなる」

    「新しいサーキットを造って、そこにこれだけのお金を使うのであれば、ピットレーンを短くすることはコースを設計するうえで最も重要な要素のひとつだと思う。そうすればピットに入りやすくなって、追い抜きも生み出せる」

    1ストップと2ストップの純粋なレースタイムはほぼ同じ
    興味深いのは、ピレリのシミュレーションでは1ストップと2ストップの純粋なレースタイムに大きな差がないことだ。

    通常なら、これは戦略が分岐する理想的な状況となる。タイヤを長く使ってトラックポジションを守るか、新しいタイヤによるペースを利用して追加のピットストップを行うか、チームによって判断が分かれるためだ。

    しかしマドリンクでは、長大なピットレーンによるロスタイムが1ストップを強く後押ししている。

    さらに問題となるのが追い抜きの難しさだ。

    ベッラは「チームと話をすると、ここでは追い抜きがかなり難しいようだ」と説明する。

    「トラフィックに入るとかなりパフォーマンスを失うし、タイヤも傷めてしまう。ダウンフォースを失い、温度が上昇するからだ」

    「つまりトラフィックには大きな悪影響があり、それも1ストップへと向かわせる要因になっている」

    新品タイヤによるアンダーカットが先頭集団で成功すれば、ライバルが反応して2回目のピットストップに向かう可能性はある。しかし、コース上で抜き返すことが難しい以上、トラックポジションを手放す判断には大きなリスクが伴う。

    基本戦略はミディアム→ハード
    こうした要素を踏まえ、ピレリが基本戦略として想定しているのはミディアムからハードへつなぐ1ストップだ。

    金曜日終了時点では2ストップも有力視されていたが、土曜日には1ストップ寄りへ予測が修正された。

    ただし、マドリンクではセーフティカーや赤旗が戦略を一変させる可能性も高い。壁が近い区間を持つ新コースであり、FP2ではアービッド・リンドブラッドのクラッシュによって走行が中断された。この影響で各チームが十分なロングランデータを収集できなかったことも不確定要素になっている。

    「決勝で何が起きるかは、すでに大きなクエスチョンマークだ。どんな状況も除外したくない」とベッラは語った。

    フェラーリは新品ソフトを決勝用に温存
    各チームはセーフティカーや赤旗によるレース中断も見据え、タイヤの残し方にも工夫を凝らしている。

    その代表例がフェラーリだ。

    フェラーリ勢は予選Q1をミディアムで突破したことで、決勝に向けて新品ソフトを温存することに成功した。通常の展開ならミディアムからハードへの1ストップを基本としながら、終盤にセーフティカーなどが入った場合には新品ソフトへ交換できる。

    ピレリのモータースポーツ責任者ダリオ・マラフスキは、この判断について次のように説明した。

    「彼らは少し余裕を持っていると思う。私の考えでは、ニュートラリゼーションの可能性を考えた選択だった。つまり、新品ソフトを1セット残しておけば、ニュートラリゼーションが発生した場合に最後のスティントで使える」

    「通常のレースになれば、我々の推奨はミディアムからハードだ。しかし終盤にニュートラリゼーションが起きれば、新品ソフトを持っている。それは大きなアドバンテージになる。もっとも、ここではいずれにしても追い抜きは難しいがね」

    タイヤより「トラックポジション」が優先される決勝に
    マドリンクのF1初開催は、高いデグラデーションだけを見れば複数回のピットストップが期待できる状況にある。しかし、年間最大級のピットロスと追い抜きの難しさによって、戦略の方向性はむしろ1ストップへ傾いている。

    基本線はミディアム→ハードの1ストップ。そこからアンダーカット、タイヤのグレイニング、トラフィック、そしてセーフティカーや赤旗のタイミングによって戦略が分岐することになる。

    タイヤを交換すれば速く走れるとしても、長いピットレーンを通ってトラックポジションを失えば、その新品タイヤを生かせない可能性がある。予想外に大きなデグラデーションと「6kmもある」と揶揄されるピットレーン。その相反する要素への対応が、初開催となるF1スペインGP決勝の勝敗を左右する重要なポイントになりそうだ。

  • マドリンクにF1ドライバー興奮 ガスリー「クレイジー」ラッセル「ぶっ飛んでる」

    マドリンクにF1ドライバー興奮 ガスリー「クレイジー」ラッセル「ぶっ飛んでる」

    F1初開催を迎えるマドリンクに、ドライバーたちから期待と興奮の声が相次いでいる。シミュレーターで新コースを体験したピエール・ガスリーは「クレイジー」と表現し、ジョージ・ラッセルも「ぶっ飛んでる」と、その独特なレイアウトに強烈な印象を受けたことを明かした。

    スペインの首都マドリードでF1が開催されるのは45年ぶりとなる。

    公道区間と新設された常設区間を組み合わせたマドリンクは、全長5.416km、22コーナーで構成され、なかでもターン12の全長550m、最大24%のバンクを持つモニュメンタル(La Monumental)が最大の特徴となる。

    実走データが存在しないため、金曜日のフリー走行では全チーム、全ドライバーがほぼ同じ条件からコース攻略を始める。

    サインツJr.「感情的な週末になる」
    マドリード出身のカルロス・サインツJr.にとって、母国、それも故郷で開催されるF1スペインGPは特別な意味を持つ。

    サインツJr.はマドリンクのアンバサダーも務めており、建設途中にはロードカーでコースを走った最初のF1ドライバーとなった。その際には「これほど流れるようなレイアウトで、これほど幅が広いとは思っていなかった」と印象を語っている。

    今度はF1マシンで故郷のコースを走ることになる。

    「間違いなく、ものすごく楽しむつもりだ」

    「忙しい週末になると思うけど、感情的な週末にもなる。できる限り楽しみたい。コースには個性があって、いろいろなタイプのコーナーがある。すごく特徴的なサーキットに見える」

    アロンソ「マドリードで勝つことには大きな意味がある」
    フェルナンド・アロンソは25年以上に及ぶF1キャリアを持つが、新たな母国グランプリへの期待は大きい。

    「とても素晴らしい週末になると思う。今年はスペインで2回レースができるという特権があって、しかもマドリードでは初めてだ。特別だよ」

    「新しいコースでもあるから、フリー走行でできるだけ早くコースを覚えるというチャレンジが全員に加わる。僕にとってはスペインだから二重に特別だ」

    「マドリードは世界でも最高の都市のひとつだと思う。ここでグランプリを開催して、F1を迎えられるのは素晴らしいことだ。レーシングドライバーなら誰にとっても、マドリードで勝つことには大きな意味があると思う」

    シミュレーターで走ったマドリンクについて、アロンソはドライバーにとって刺激的なコースになると予想している。

    「すごくテクニカルで、縁石をかなり使うことになる。高速セクションもいくつかあって、そこでウォールにかなり近づかなければならない。それはドライバーにとって魅力的だし、アドレナリンもかなり高くなる。ジェッダに近いところがある」

    ガスリー「見たことがないレイアウト」
    ピエール・ガスリーは、シミュレーターで体験したマドリンクに特に強烈な印象を受けたひとりだ。

    「シミュレーターで見たコースはクレイジーだった」

    「走っていてすごく楽しかったし、テクニカルでツイスティなコーナーがたくさんある。聞いている限りでも、本当にユニークなものになると思う。大きなチャレンジだけど、全員にとってすべてが新しい、こういう週末は楽しみだ」

    マドリンクには高速から低速まで幅広いコーナーがあり、高低差やバンクも組み込まれている。ガスリーは、その多様性こそが攻略を難しくすると考えている。

    「ドライビング面でのチャレンジを過小評価するべきじゃないと思う。コーナーは本当にクレイジーだ。アップダウンがあって、バンクがあって、90度コーナーも180度コーナーもある。低速も高速もある。考えられるものが少しずつ全部入っている感じだ」

    「エキサイティングだよ。ドライバーとしては、ラップのいろいろな場所で小さなゲインを積み重ねられるチャンスがたくさんありそうに感じる。こういうレイアウトは今まで見たことがない。マシンの中ではものすごいアドレナリンになると思う」

    マドリンク F1 スペインGP

    コラピント「F1でここを走るのは夢」
    フランコ・コラピントにとってもマドリードは特別な場所だ。ジュニアカテゴリー時代、ヨーロッパでキャリアを築き始めたころにマドリードで生活していた経験がある。

    「スペインに戻ってこられて本当にうれしい。特にこれまでの経験や、僕がヨーロッパでキャリアを始めた経緯を考えると、マドリードはホームに一番近い場所だと思う。僕はここ、マドリードから始めたんだ」

    「ここでF1のレースをするのは夢がかなったようなものだ。マドリードのような大都市がカレンダーに戻ってくることは、このスポーツにとってもすごくいいと思う」

    「すごくエキサイティングなコースを作ってくれた。走っていてかなりいいコースになりそうだし、楽しみだ」

    ペレスは「本物のサーキット」 ベアマンも歓迎
    他のドライバーからも、新しいマドリンクへの好意的な反応が聞かれた。

    キャデラックのセルジオ・ペレスは新コースを簡潔に「本物のサーキットだ」と評価。一方、ハースのオリバー・ベアマンも「新しいコースは僕たちにとっていつだってものすごく楽しい」と語った。

    過去のデータやセットアップの蓄積がない新設コースでは、ドライバーとチームが短時間でどれだけ適応できるかが重要になる。特にウォールが近い区間では、限界を探りながらミスを避ける必要があり、中団チームにとっては波乱をポイント獲得につなげるチャンスにもなり得る。

    ラッセル「ぶっ飛んでる。予選が重要になる」
    メルセデスのジョージ・ラッセルも、マドリンクの第一印象を強烈な言葉で表現した。

    「かなりワイルドなコースに見える。ぶっ飛んでるよ。でも実際に走るのが楽しみだ。本当に大きなチャレンジになるし、予選が重要になると思う」

    「F1にいる全員のレベルはものすごく高い。ここは自信が必要になるサーキットだと思う。すごくチャレンジングで、高速コーナーがたくさんあって、縁石もアグレッシブだ。間違いなく特別な経験になる」

    そして、初日のアプローチについては慎重さも必要だと強調した。

    「とにかくウォールに当てないようにして、少しずつペースを上げていくよ」

    シミュレーターで準備を重ねてきたとはいえ、実際の路面状況やバンプ、グリップレベル、ウォールとの距離感は走ってみなければ分からない。全チームが手探りでスタートするF1初開催のマドリンクでは、金曜日のFP1からドライバーの適応力が試されることになりそうだ。

  • F1初開催マドリンクでF2炎上クラッシュ 燃料タンク破裂で赤旗

    F1初開催マドリンクでF2炎上クラッシュ 燃料タンク破裂で赤旗

    F1スペインGPが初開催されるマドリンクで9月11日(金)、F2のフリー走行中にタサナポル・イントラプワサクが激しいクラッシュを喫し、マシンが炎上。セッションは赤旗中断となった。

    新設されたマドリンクではF3に続いてF2も初めてコースを走行。だが、セッション開始からわずか数分で大きなアクシデントが発生し、消火とコース清掃のため長時間の中断を余儀なくされた。

    ターン19でスピン、後方からバリアに激突
    F3のフリー走行終了後、シングルシーターのステップアップカテゴリーであるF2のマシンがコースイン。ドライバーたちにとって、今回が新設マドリンクを実際に走る最初の機会となった。

    しかし、走行開始からわずか数分後、イントラプワサクがターン19でスピン。マシンはリア側から激しくバリアに衝突した。

    衝撃の直後、燃料タンクが破裂してマシンは炎に包まれた。イントラプワサクはすぐにマシンから脱出したものの、コースサイドのマーシャルが炎を完全に消し止めるまでには時間を要した。

    この事故によってセッションは赤旗となり、現場では消火作業に加えて長時間の清掃作業が必要となった。

    F2ドライバーにとってはさらに厳しい状況となる。このフリー走行は、この日の後半に行われる予選を前にマドリンクを習熟できる唯一のセッションだからだ。

    マドリンクではこの日2度目の赤旗
    イントラプワサクのクラッシュは、この日のマドリンクで2度目の赤旗となった。

    直前に行われたF3のフリー走行でも、セッション終盤にニコラ・ラコルテがバリアに接触。赤旗が提示されていた。

    初開催のF1スペインGPを迎えたマドリンクでは、F1の走行開始を前にジュニアカテゴリーで相次いでアクシデントが発生。特にF2では炎を伴う大クラッシュとなり、新設コースの難しさを改めて印象づけるスタートとなった。

  • F1スペインGP初開催マドリンクに“マシンキラー”警告 F3テストで赤旗19回

    F1スペインGP初開催マドリンクに“マシンキラー”警告 F3テストで赤旗19回

    2026年F1第14戦スペインGPで初開催を迎えるマドリンクに、“マシンキラー”との警告が発せられている。8月に行われたFIA F3の2日間のテストでは、実に19回もの赤旗が出され、複数のマシンが大きなダメージを負った。

    ウィリアムズF1のチーム代表ジェームス・ボウルズは、F3テストで発生した事故の多さを指摘。新設されたマドリードの市街地コースが、ドライバーだけでなくマシンにとっても過酷な舞台になる可能性があると警戒している。

    F3テストで赤旗19回「マシンを壊すサーキット」
    マドリンクでは8月24~25日にFIA F3の公式テストが実施され、30人のドライバーと10チームが新コースを走行した。

    しかし、4セッションを通じて合計19回もの赤旗が提示された。10人のドライバーがウォールに接触したとされ、ジェームス・ボウルズによれば、3台のシャシーと6本のサスペンションが破損したという。

    スペインのSPORTの報道として、ボウルズはF3テストの状況について次のように語った。

    「F3のテストでは19回の赤旗が出て、3台のシャシーが壊れ、サスペンションも破損した」

    「もちろん、彼らはF3のドライバーだ。だが、ここはマシンを壊すサーキットだ」

    F3テストでは特定の1カ所だけで事故が集中したわけではなく、複数のコーナーでマシンがウォールの餌食になった。特に高速で進入するシケインやブラインドとなる区間では、わずかなミスが大きなクラッシュにつながる可能性が示された。

    サインツJr.「シミュレーターで走った中でも最も難しい」
    ウィリアムズのカルロス・サインツJr.は、5月にロードカーでマドリンクを走行したほか、F1スペインGPに向けてシミュレーターでも入念な準備を進めている。

    実際にF1マシンを想定して走行した印象について、サインツJr.は予想以上に難しいコースだったと明かした。

    「シミュレーターで初めて本格的に走ったけど、とんでもなくチャレンジングなコースだと言わざるを得ない」

    「僕がこれまでシミュレーターで走ったコースの中でも、最も難しいコースのひとつだ。ドライバーにとって厳しいものになると思う」

    サインツJr.はマドリンクの特徴について、ジェッダやバクー、そしてシンガポールを組み合わせたようなものだと表現している。

    「ジェッダとバクーの特徴が混ざっていると思う。この2つはドライバーにとっておそらく最も難しいコースで、そこに少しシンガポールも入っている」

    「シミュレーターで走ってみると、かなり個性のあるコースだと思う」

    マドリンク F1 スペイングランプリ

    最大の注目は24%バンクの「ラ・モヌメンタル」
    マドリンクを象徴するセクションとなるのが「ラ・モヌメンタル」だ。バンク角は勾配24%に達し、F1カレンダーでも異例の長いバンク区間となる。

    ボウルズは、この区間では約4.5秒にわたって高いGが持続すると説明しており、ドライバーだけでなくマシンや各システムにも大きな負荷がかかるとみている。

    「バンクで持続するGの大きさには驚かされた。約4秒半続く。それはマシンだけでなく、システムにとってもチャレンジになる」

    「現在のカレンダーには、これと同じものはない」

    サインツJr.も、ラ・モヌメンタルについて当初想像していたよりはるかに難しいと認めている。

    「僕が思っていたよりも難しい。最初は簡単に全開で抜けられる、単純な加速区間のようなコーナーだと思っていた」

    「でも実際には、少なくともシミュレーターではずっと難しかった。いい意味でね。あれだけのバンクがあって、その中でマシンをコントロールすることになる。大きなチャレンジになる」

    ボルトレトは「危険」 ペレスはジェッダ以上とは考えず
    アウディのガブリエル・ボルトレトも、前戦F1イタリアGPでマドリンクについて質問され、「危険」という言葉を使って第一印象を語っていた。

    「とても面白そうなコースだし、危険なコースにも見える。でも同時に、とてもチャレンジングだ。こういう新しいコースでレースをするのは楽しいと思う」

    一方、キャデラックのセルジオ・ペレスは危険性に対する懸念を過度に強調する必要はないとの考えを示している。

    「正直、ジェッダより危険だとは思わない」

    F3テストで赤旗19回、3台のシャシーと6本のサスペンションが破損したマドリンク。F3とF1ではマシンの性能もドライバーの経験も異なるため、その結果をそのまま当てはめることはできないが、初開催となるF1スペインGPでは金曜日のフリー走行からウォールとの距離を探る慎重な作業が求められる。

    “マシンキラー”という警告がF3だけのものだったのか、それともF1マシンにも牙をむくのか。未知のマドリンクで迎える最初のF1週末は、ドライバーの速さだけでなく、ミスなくマシンを生き残らせることも重要な要素になりそうだ。

  • F1スペインGP初開催迫るマドリンクで窃盗事件 電気ケーブル300mなど被害

    F1スペインGP初開催迫るマドリンクで窃盗事件 電気ケーブル300mなど被害

    2026年F1スペインGPの開催を2週間後に控えたマドリンクで、約300メートルに及ぶ電気ケーブルが盗まれる事件が発生した。スペイン国家警察が捜査を開始しており、F1初開催に向けて最終段階に入っている準備に思わぬトラブルが生じている。

    9月11~13日に開催されるスペインGPは、今週末のF1イタリアGPに続く連戦となる。サーキット本体はすでに完成しており、現時点でグランプリ開催への影響はないとみられているが、盗まれたケーブルを補うため新たな資材が緊急搬入される。

    約300メートルのケーブルを盗難 国家警察が捜査
    スペインメディア『ABC』によると、盗難は日曜未明にマドリンク周辺で発生し、約300メートルのケーブルが持ち去られた。スペイン国家警察が犯人の特定に向けて捜査を進めているが、現時点で逮捕者は発表されていない。

    ケーブルが盗まれたのはサーキットのトンネル区間で、ターン17からターン18へ向かう区間である可能性が高い。また、発電機も盗難被害に遭ったとされている。

    F1サーキットでは計時システムをはじめ、コースの安全設備や通信、放送設備などを稼働させるため、コース全体に大量のケーブルが敷設される。今回の盗難は、マドリンクがF1デビューに向けた最終準備を進めているタイミングで発生した。

    ただし、サーキット本体はすでに完成しており、現在残されている作業は主に仮設設備やグランドスタンドの設置、観客やF1チームを受け入れるための最終準備となっている。

    不足した設備については新しいケーブルを緊急搬入して対応する予定で、トラブルが発生した場合に備えたバックアップシステムも用意されている。このため、現段階で盗難事件がスペインGPの開催そのものを脅かす事態には発展していない。

    F3テストでは赤旗19回 本番想定の運営体制も確認
    マドリンクではF1初開催を前に、FIA F3による2日間のテストが実施された。これが新設サーキットで初めて行われた本格的な走行セッションとなり、F1開催に向けた重要な運営リハーサルにもなった。

    F3テストでは実際にマシンを走らせることで、コース上の安全設備や各種運営システムを実走環境で確認する機会となった。

    一方、新しく舗装された路面でドライバーが限界を探るなか、ウォールへの接触も相次いだ。2日間を通じて赤旗は19回提示され、F1初開催を前にコース上の難しいポイントも浮き彫りとなった。

    マドリンク F1 スペイングランプリ

    FIA会長「ホモロゲーションは複雑だった」
    盗難事件とは別に、マドリンクはFIAによるホモロゲーションの過程でも継続的に注視されてきた。

    FIAのモハメド・ビン・スレイエム会長は、パラグアイ・ラリーを訪れた際にマドリンクの準備状況について質問され、新設されたスペインGP会場について「本当の冒険だった」と表現。ホモロゲーションの手続きが容易ではなかったことを明かした。

    「我々は注意深く監視している。ホモロゲーションのプロセスが複雑だったからだ。ただ、フィードバックは良好だし、もちろん私も現地に行く」

    一方で、初開催となるグランプリそのものについては期待感を示した。

    「スペインは非常に感情豊かで、とても情熱的な国だ。素晴らしいイベントになると確信している」

    F1初開催まで2週間 マドリンクは最終準備へ
    マドリンクでのスペインGPは9月11~13日に開催される。マドリードでF1グランプリが行われるのは1981年以来45年ぶりとなり、新設されたマドリンクがF1世界選手権の舞台としてデビューする。

    F3テストによってコースと主要な運営システムの実地確認を終えた一方、約300メートルのケーブルや発電機が盗まれるという予想外の問題も発生した。警察による捜査が続くなか、主催者は不足したケーブルを補充し、仮設設備やグランドスタンドなどの準備を進める。

    FIAも複雑だったホモロゲーションの状況を引き続き注視しているが、現時点でスペインGPの開催が危ぶまれる状況にはない。F1初開催まで残り2週間、マドリンクは最終準備の段階に入っている。

  • マドリンク F1スペインGP開催へ前進 F3テストで安全確認を完了

    マドリンク F1スペインGP開催へ前進 F3テストで安全確認を完了

    2026年F1スペインGPの舞台となる新サーキット「マドリンク(Madring)」で、FIA F3による2日間の公式テストが行われた。9月11~13日のF1開催を前に実施された重要な実走確認となり、FIAから安全要件やマーシャルの対応について問題は報告されなかった。

    マドリードに建設されたマドリンクで公式カテゴリーのマシンが走行するのは今回が初めて。FIA F3のドライバーたちは新コースの評価を行うと同時に、サーキット側にとっても安全設備や運営手順を実戦に近い環境で確認する機会となった。

    F1スペインGPを前にマドリンクで初の公式テスト
    FIA F3のテストは月曜日と火曜日の2日間にわたって行われた。2026年F1スペインGPの開催まで3週間を切るなか、マドリンクにとっては本番に向けた重要な準備段階のひとつとなった。

    今回の走行では単にFIA F3各チームがマシンのテストを行っただけではなく、コースが求められる安全要件を満たしているかについても確認が行われた。

    さらに、コース上でインシデントが発生した場合のマーシャルの反応や各種手順についてもチェックされた。Mundo Deportivoによれば、FIAからこれらの安全面や運営面に関する問題は公式には報告されていない。

    F1開催に向けて最終的な準備が続く新設サーキットにとって、実際のフォーミュラカーを使った2日間のテストを大きな問題なく終えたことは重要なステップとなる。

    スレーター「走ったことがある中で最高のサーキットのひとつ」
    ドライバーからもマドリンクには好意的な評価が寄せられた。

    FIA F3選手権リーダーで、初日のテストで最速タイムを記録したアウディの育成ドライバー、フレディ・スレーターは、月曜日の最終セッションを終えた後、FIA F3公式サイトで新コースへの強い印象を語った。

    「全部が大好きだよ」

    「素晴らしいと思う。僕がこれまで走ったサーキットの中でも最高のひとつだと思う」

    スレーターは、マドリンクの特徴としてコースそのものが持つ「キャラクター」を挙げた。

    「マカオやモナコのような最高のサーキットには、どれもキャラクターがある。ここで彼らが作り上げたものの中で、それが一番特別な部分だと思う」

    「お気に入りの場所をひとつ選ぶことはできないけど、ターン5とターン6のシケインはすごく気に入っている」

    市街地コースとして独特の個性を持つマドリンクを、マカオやモナコと比較しながら高く評価した。

    マドリンク F1 スペイングランプリ

    ウゴチュクウが2日間の総合最速
    2日目となった火曜日は、カンポス・レーシングのウーゴ・ウゴチュクウが午前のセッションで1分49秒034を記録。このタイムが2日間を通じた最速タイムとなった。

    午後のセッションではトライデントのスレーターが1分49秒685でトップに立ったが、この日は午前中のコンディションの方が速く、1日の上位9タイムはいずれも午前のセッションで記録された。

    VARの山越陽悠が1分49秒227で2番手、同じくVARのエンツォ・デリニーが1分49秒501で3番手につけた。

    以下、4番手にカンポス・レーシングのエルネスト・リベラ、5番手にMPモータースポーツのトゥーカ・タポネン、6番手にVARのブルーノ・デル・ピノ、7番手にAIXレーシングのイェヴァン・デイビッド、8番手にARTグランプリのりー海夏澄、9番手に同じくARTグランプリの加藤大翔が続いた。

    スレーターのタイムはこの日の10番手だった。

    F1初開催へ実走によるチェックを完了
    マドリンクでは9月11~13日に2026年F1スペインGPが開催される。新設サーキットだけに、F1マシンが本格的に走行する前に、安全設備だけでなくマーシャルを含めた運営体制を実走環境で確認することは重要な意味を持つ。

    今回のFIA F3テストでは、ドライバーからコースレイアウトに好意的な評価が寄せられ、安全面や運営手順についてもFIAから問題は報告されなかった。

    FIA F3による史上初の公式テストを終えたマドリンクは、2026年F1スペインGP開催に向けて重要な事前確認をひとつ完了した。

  • マドリンクがF1開催へ始動 FIA F3が実戦テストで最終検証

    マドリンクがF1開催へ始動 FIA F3が実戦テストで最終検証

    2026年にF1スペインGPの新たな開催地となる市街地サーキット「マドリンク」が、本格的なデビューへ向けて最終準備に入る。FIAフォーミュラ3(F3)は8月に同サーキットで2日間の公式インシーズンテストを実施し、施設や運営体制を実戦形式で検証することが決まった。

    さらに9月のF3最終戦では通常の2レース制ではなく3レース制を採用。中止となったバーレーン大会の代替措置として追加レースを実施するとともに、F1開催を前にマドリンクの完成度を確認する重要なイベントとなる。

    F1初開催へ向けマドリンクを実戦検証
    F3は8月24日から25日にかけて、マドリンクで2日間のインシーズンテストを実施する。

    ドライバーにとっては新設コースの特性を把握する貴重な機会となる一方、主催者側にとってはF1初開催を前に、安全設備や運営体制、競技運営が計画どおり機能するかを実際のレース環境で確認する重要なリハーサルとなる。

    F3 CEOのブルーノ・ミシェルは次のように語った。

    「マドリンクでF3テストを実施できることを非常にうれしく思う」

    「新しい会場で開催される2026年シーズン最終戦を前に、チームとドライバーにとって、この新たな挑戦を評価する非常に価値ある2日間になる」

    最終戦は異例の3レース制へ
    F3は2026年第2戦としてバーレーン大会を予定していたが、中東情勢の悪化を受けて開催中止となった。F1、F2、F1アカデミーも同時期にサウジアラビア大会をカレンダーから外している。

    F2はマイアミとモントリオールを追加して走行機会を補い、F1アカデミーもフォーマット変更で対応した一方、F3だけは代替イベントが設けられていなかった。

    その不足分を補うため、マドリンクで開催されるシーズン最終戦では通常の2レース制から3レース制へ変更される。

    金曜日は45分間のフリー走行後に20分間の予選を2回実施。最初の予選でスプリントレースと土曜日のフィーチャーレースのグリッドを決定し、日曜日午前には2回目の予選結果を反映した追加フィーチャーレースが行われる。

    追加レースには通常どおり選手権ポイントが与えられ、タイトル争いの決着を左右する一戦となる可能性もある。

    F1開催前の重要なチェック
    スペインGPディレクターのルイス・ガルシア・アバドは、今回のテストの目的について次のように説明した。

    「私たちは当初から、グランプリ開催時にはサーキットが完全に検証され、実証済みの状態で臨みたいと考えていた」

    「マドリンクのような完全な新設プロジェクトでは、安全性、運営体制、競技運営に関わるすべての要素が計画どおり機能するかを、実際のレース環境で確認することが不可欠だった」

    さらに、F3の協力に感謝を示した。

    「ブルーノ・ミシェルとの最初の話し合いから、F3はこのテスト実施に全面的に協力してくれた。その協力のおかげで、F1デビュー前に必要な検証をすべて実施できるだけでなく、選手権に追加レースを組み込み、その結果がマドリードで決まるというスポーツ面での魅力も加えることができた」

    マドリンク スペイングランプリ

    F3最終戦の開催地も正式決定
    今回の発表により、マドリンクが予定どおり2026年F3シーズン最終戦の舞台となることも改めて確認された。

    一部では、F1が10月初旬にバーレーンGPをカレンダーへ復帰させた場合、F3もシーズン延長する可能性が取り沙汰されていた。しかし主催者は、マドリンクでシーズンを締めくくる計画に変更はなかったと説明している。

    声明では、「2026年F3シーズンをマドリードで終えることは、カレンダー発表時から決まっていた。メルボルン大会終了後、F3がサヒールでレースを行わないことが明らかになった時点で、マドリンク最終戦を強化する作業を開始した」としている。

    マドリンクはF3による公式テストと3レース制の最終戦を通じて、本番さながらの環境で施設や運営体制を検証することになる。F1初開催を成功させるための重要な準備段階として、サーキットにとっても大きな節目となるイベントになりそうだ。

  • フェラーリF1 ルクレールとハミルトンがマドリンク初走行 歴史的な第一歩

    フェラーリF1 ルクレールとハミルトンがマドリンク初走行 歴史的な第一歩

    2026年からF1スペインGPの開催地となる新設サーキット「マドリンク」で、フェラーリが現行F1マシンとして初めて走行を実施した。シャルル・ルクレールが記念すべきファーストラップを担当し、ルイス・ハミルトンも続いてコースを走行。フェラーリは新時代の幕開けを象徴する歴史的な役割を担った。

    今回の走行はF1の撮影日(フィルミングデー)として実施されたもので、走行距離やタイヤなどに制限はあったものの、新サーキットで最初に現行F1マシンを走らせたチームとして記録に名を刻んだ。

    フェラーリがマドリンクで歴史的な初走行
    フェラーリは7月9日、新たに建設されたマドリンクで現行F1マシン「SF-26」による走行を実施した。シャルル・ルクレールが最初にコースインし、マドリンクを走行した最初のF1ドライバーとなった。

    その後はルイス・ハミルトンもステアリングを握り、2026年からスペインGPの舞台となる新サーキットを体験した。

    今回の走行はF1のフィルミングデー規定に基づいて行われ、走行距離や使用タイヤには制限が設けられていた。そのため本格的なパフォーマンス評価は目的ではなく、プロモーション活動と初期確認が主な狙いだった。

    マドリンク スペイングランプリ

    2026年スペインGPの新開催地「マドリンク」とは
    マドリンクは公道区間と常設サーキット区間を組み合わせた全20コーナーのレイアウトを採用している。

    2026年9月11~13日に開催されるスペインGPでF1カレンダーに初登場する予定で、近年のF1開催地の中でも特徴的なストリート&常設複合型サーキットとして注目を集めている。

    フェラーリは走行映像や写真を公式SNSで公開し、現行F1マシンが初めてマドリンクを走る様子を世界へ発信した。

    フェラーリにとっても象徴的なイベント
    フィルミングデーでは本格的なセットアップ開発や性能比較はできないものの、ドライバーとエンジニアは路面状況やコースレイアウトの第一印象を確認する貴重な機会となった。

    フェラーリはイギリスGPでシャルル・ルクレールが優勝し、ルイス・ハミルトンも3位表彰台を獲得。好調な流れの中で迎えた今回のイベントは、2026年シーズン後半へ向けた象徴的な出来事となった。

    タイムアタックが目的ではなかったものの、フェラーリはマドリンクで現行F1マシンによる最初の走行を行ったチームとして歴史に名を刻んだ。2026年スペインGP開幕へ向け、新サーキットはここから本格的にF1の舞台として歩み始める。