カテゴリー: ザウバーF1チーム

  • アルピーヌF1 ポール・アロンをサウバーに派遣 英・ハンガリーGPでFP1走行

    アルピーヌF1 ポール・アロンをサウバーに派遣 英・ハンガリーGPでFP1走行

    アルピーヌF1チームのリザーブドライバーであるポール・アロンが、2025年F1シーズン中の2戦でサウバーからフリー走行1回目(FP1)に出走することが正式発表された。

    サウバーとアルピーヌF1チームの間で合意が成立し、ポール・アロンはイギリスGP(シルバーストン)およびハンガリーGP(ハンガロリンク)にて、ニコ・ヒュルケンベルグに代わってマシンをドライブする。

    これはFIA(国際自動車連盟)の規定により各チームに義務付けられている年間2回のルーキードライバーによるFP1出走枠の消化の一環で、サウバーはこの2回分の枠をポール・アロンに託す形となる。サウバーではすでにガブリエル・ボルトレロが2回のルーキー枠を消化済みであり、これで全4回の出走義務を満たすことになる。

    エストニア出身で現在21歳のポール・アロンは、2023年F2選手権で上位を争った有力ドライバーで、昨年12月にアルピーヌF1チームのリザーブドライバーとして加入して以降、同チームの2025年および2026年型マシン開発において重要な役割を果たしてきた。ドライバー・イン・ループ・シミュレーターへの貢献に加え、2023年仕様のA523でのTPC(Testing of Previous Cars)プログラムでは6日間の実走行テストも行っている。

    また、昨シーズン末のアブダビで開催されたヤングドライバーテストでは、A524で初めてF1マシンをドライブし、アルピーヌでのキャリアの第一歩を踏み出していた。

    今回の合意により、ポール・アロンはサウバーC45での実戦デビューを果たすとともに、残るアルピーヌ側のルーキーFP1枠3回分についても引き続き担当予定であり、その具体的な日程は後日発表される見通し。

    アルピーヌF1チーム ポール・アロン F1 ザウバー

    ポール・アロンは「F1で貴重な走行機会を得られることをとても嬉しく思う。この合意を成立させてくれたBWTアルピーヌF1チームに感謝している」とコメント。

    「F1にフル参戦することが僕の目標であることは周知の通りであり、このような競争環境の中で走れるチャンスは重要なステップだ。アルピーヌでの成長に引き続き集中しながら、ステークF1チーム・キック・サウバーとの2回のセッションでも全力を尽くしたい。シルバーストンとブダペストでの走行を心から楽しみにしている」

    アルピーヌF1チームの事実上のチーム代表を務めるフラビオ・ブリアトーレも次のようにコメントしている。

    「我々としても若手ドライバーにできる限り多くの走行機会を与えることが重要だと考えており、ポールがシルバーストンとブダペストでFP1を走行するためにサウバーと合意できたことは良いことだ。今季は昨年のF2ドライバーたちがグリッド上でさまざまな成功を収めているが、ポールもそのカテゴリーで上位争いをしていた実力者だ。今回の出走は彼とチームの成長をさらに後押しする機会であり、彼にとっても貴重なトラックタイムになる」

    一方で、アルピーヌは当面、ピエール・ガスリーのチームメイトとしてフランコ・コラピントを起用し続ける見通しだが、ブリアトーレは「もっとパフォーマンスを上げる必要がある」と明言しており、チーム内には緊張感も漂っている。

    さらに噂レベルではあるものの、メルセデスのリザーブであり、通算10勝を挙げているバルテリ・ボッタスがコラピントの後任候補として浮上しているとの報道もある。コラピントの成績次第では、今後のドライバーラインアップに動きがある可能性も否定できない情勢だ。

  • ガブリエル・ボルトレト 待望のF1初ポイント獲得「勝つためにF1に来た」

    ガブリエル・ボルトレト 待望のF1初ポイント獲得「勝つためにF1に来た」

    ザウバーF1チームのルーキー、ガブリエル・ボルトレトが2025年F1オーストリアGPでキャリア初のF1ポイントを獲得。ニコ・ヒュルケンベルグとのダブル入賞により、チームにとって今季最高の週末となった。

    レッドブル・リンクは、昨年F2で初勝利を挙げたボルトレトにとって相性の良いサーキット。今週末はプラクティスから速さを見せ、予選では初のQ3進出を果たして8番グリッドを獲得。メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリを上回るパフォーマンスを披露した。

    「決勝でもその順位をキープし、2度のピットストップを経てフェルナンド・アロンソとの激しいバトルを繰り広げた末、8位でフィニッシュ。アロンソはF3およびF2時代からのメンターであり、現在もマネジメントを支援している人物だ。

    「F1でこれまでで一番激しいバトルだったと思う」とボルトレトは振り返る。「アウト側、イン側、そして(周回遅れ処理の)ブルーフラッグの中でのランド(ノリス)やオスカー(ピアストリ)との対応もあり、本当にクレイジーだった。何も言うことはない。ただ素晴らしいバトルだったし、最後までフェルナンドとポイントを争えたことが嬉しい」

    キック・ザウバーは第1スティント終了後にヒュルケンベルグとボルトレトの順位を入れ替え、ルーキーにより多くのポイントを狙わせる戦略を選択。9秒差から始まったアロンソとの攻防戦は数周にわたって続いたが、アロンソが7位を死守。レース後には健闘を称えあう姿も見られた。

    ようやくのポイント獲得について問われたボルトレトは、次のように答えた。

    「自分にそれができるっていうのは分かっていた。F1にランダムで来たわけじゃないしね。ただ、やっとポイントを取れたのはチームのためにすごく嬉しい。彼らには本当にそれに値する努力があったと思う」

    「僕自身の目標は、いつか勝つこと。数ポイントを取ったくらいでは満足しない。でも、確実に1つの成果だし、小さな達成でも喜ぶべきことだ。僕らはチャンピオンになるという大きな夢に向かって、正しい方向に進んでいると思う」

    ガブリエル・ボルトレト F1 オーストリアGP ザウバーF1チームヒュルケンベルグとボルトレト、オーストリアでのザウバーのダブル入賞を喜ぶ

    一方、ヒュルケンベルグも最後方スタートから11台を抜いて9位入賞。チームに2ポイントを追加し、アストンマーティンやハースとのコンストラクターズ争いを激化させた。

    「もちろん、何台かのリタイアに助けられた部分はあるけど、それでも堅実なレースだったと思う」とヒュルケンベルグ。「最後尾からスタートしてのダブル入賞はポジティブだし、そこから多くを望むのは難しい」

    「バルセロナ以降、流れが変わってきた。今はマシンもシーズン全体に対しても、しっかりと理解が進んでいる。特にレースペースが改善されていて、まさにシーズン序盤に目指していたところに近づいている」

    「この状態を維持していきたい。簡単なことではないし、努力は必要だけど、今はとても前向きな気持ちでいる」

  • ガブリエル・ボルトレト F1オーストリアGP予選「すべてがかみ合った週末」

    ガブリエル・ボルトレト F1オーストリアGP予選「すべてがかみ合った週末」

    ガブリエル・ボルトレトは、F1オーストリアGP予選で自身初となるQ3進出を果たし、8番手というキャリアベストグリッドを獲得した。デビューから厳しい展開が続いていたルーキーにとって、大きな前進となる予選だった。

    ザウバーは近年予選で苦しむ場面が多かったが、オーストリアではチーム全体が進化を見せ、ボルトレトもそのパフォーマンスを最大限に引き出した。新人ながら安定したラップを重ね、着実にQ1・Q2を突破していった。

    「Q3に進めて本当にうれしい。ここまでの週末はすべてがうまくいっている。チーム全体でいろいろなセットアップを試して、課題と成果の両方から学びながら競争力を維持してきた」とボルトレトは語った。

    「シーズン当初から、このチームのポテンシャルを信じていたし、ついにQ3進出という形で報われたことは本当に誇りに思う。けど、仕事はまだ終わっていない。明日に向けて集中して、この結果を初ポイントにつなげたい」

    チーム代表のジョナサン・ウィートリーも「ラスベガス2023以来のベスト予選結果」と称賛し、「Gabiは予選を通して素晴らしいパフォーマンスを積み重ねてきた」と高く評価した。

    明日の決勝では、ボルトレトにとって念願のF1初ポイント獲得がかかる。好位置からのスタートを生かし、実力を証明するレースとなるか注目だ。

    ガブリエル・ボルトレト F1 オーストリアGP ザウバーF1チーム

  • ガブリエル・ボルトレト F1オーストリアGP初日8番手「Q3進出を本気で狙う」

    ガブリエル・ボルトレト F1オーストリアGP初日8番手「Q3進出を本気で狙う」

    ガブリエル・ボルトレトは、F1オーストリアGP金曜フリー走行2回目で8番手タイムを記録し、キャリア最高の週末へ向けて好スタートを切った。ザウバーが投入した新型フロアの効果もあり、初のQ3進出に現実味が帯びてきている。

    「今日は本当にポジティブな一日だった」とボルトレトは語る。「アップグレードは正しい方向に進んでいるし、クルマに乗るたびに快適さが増している。ここはF4、F3、F2のすべてで結果を出してきた好きなサーキットで、走り出しから良いフィーリングだった」

    FP1では1分5秒874で6番手、午後のFP2では1分5秒411で8番手と、両セッションとも安定したパフォーマンスを発揮。今季ここまでQ2止まりが続いていた中で、ついに上位進出の可能性が現実のものとなりつつある。

    「もちろん、まだ金曜日なので課題もあるけれど、今週末は一歩ずつしっかり積み重ねている感覚がある。今のペースを維持できれば、Q3進出は本気で狙える。今日得られたフィードバックをもとに作業を進めて、明日はもっと上を目指したい」と意気込みを語った。

    ガブリエル・ボルトレト ザウバーF1チーム オーストリアグランプリ

    チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグはセットアップの方向性が裏目に出て、FP2では1分5秒918の19番手と苦戦。「今日はすべてがうまくかみ合ったとは言いがたい。新しいフロアを試していくつかのセットアップを試したが、期待したような改善にはつながらなかった。グリップもバランスも不安定だった。だが金曜日は学びの場だ。今夜じっくりデータを分析して、明日にはもっとパフォーマンスを引き出したい」と振り返っている。

    週末を通して気温が上がる見込みであることもあり、ザウバーにとってはタイヤのマネジメントと戦略判断が重要な鍵となる。チーム全体としてアップグレードの効果を最大化できれば、ボルトレトが自身初のQ3進出、さらには日曜の入賞を狙える可能性も十分にある。

  • ザウバーF1チーム 連続入賞で存在感 C45の進化と“ピーキーさ”の克服

    ザウバーF1チーム 連続入賞で存在感 C45の進化と“ピーキーさ”の克服

    2025年のF1シーズンを通じて、「平均スーパ―タイム(supertimes)」で最も遅いマシンとされてきたザウバーF1チーム。しかし、スペインGPでニコ・ヒュルケンベルグがルイス・ハミルトンを最終リスタートでオーバーテイクし、フェラーリを上回って5位という驚異的な結果を残すと、続くカナダGPでも8位入賞を果たし、2戦連続でポイントを獲得した。

    スペインでは、ヒュルケンベルグがザウバーとして3年ぶりのトップ5入りを果たし、「これでミッドフィールド争いの中でチームの存在感が高まった」とコメント。

    この好結果はスペインGPに投入された大規模なアップグレードパッケージの効果によるものだ。

    幸運にも恵まれた。セーフティカー中のピットストップで唯一新品ソフトタイヤを履いていたことで、アイザック・ハジャーとハミルトンを抜き、さらにマックス・フェルスタッペンのペナルティによりもう1つ順位を上げた。しかし、オーストラリアGPのようにインターミディエイトへのタイムリーな交換で順位を得た展開とは異なり、今回はすでに自力でポイント圏に位置していた。キミ・アントネッリのリタイア時にはすでに8位につけていた。

    パッケージの内容は、新しいフロア、エンジンカバーおよびコークボトル形状の改良、そしてフロントウイングだった。最大の目的はダウンフォースの向上ではなく、ドライブしやすいマシンの実現だったとスポーティングディレクターのイナキ・ルエダは語る。

    「ピークダウンフォースの点では大きな改善は期待していない。今回の改良の最大の狙いは、ドライバビリティを向上させることだった」

    今季のC45は空力的にピーキーで、特に乱流に弱い特性が指摘されてきた。ルエダは「ダウンフォースを増すにつれてマシンの特性はピーキーになるのが一般的で、それが難しい条件下では扱いづらくなる」と説明した。

    今回のアップグレードは、スペインGPから導入されたフロントウイングの柔軟性に関するテクニカルディレクティブ(TD)への対応も含まれていたが、それは全体の10%程度で、主なパフォーマンス向上の要因ではなかった。

    スペインGP金曜フリー走行では、ヒュルケンベルグが新仕様、ガブリエル・ボルトレトが旧仕様を使用し、0.367秒の差が確認された。これは新パッケージによる改善度合いを示すと見られている。ヒュルケンベルグは最終セクターでタイヤマネジメントの安定性が大きく改善された。

    予選ではボルトレトがQ2で12番手、Q3進出まで0.145秒に迫るタイムを記録。ヒュルケンベルグはQ1敗退だったが、マシン性能としてはQ2上位、あるいはQ3進出の可能性もあると考えられた。

    ザウバーF1チーム

    カナダGPでは、ヒュルケンベルグが11番手スタートから9位に浮上。ターン8でアレックス・アルボンとフランコ・コラピントが接触しかけた隙を突いて順位を上げた。

    「1周目はまずまずだった。ポジションをほぼ維持して、フランコとアレックスがターン8と9で争っていて、2台とも少しワイドに行ったから、その出口でうまく抜けた。それがレースの鍵だったと思う。そこからはタイヤを管理して、レースをまとめるだけだった」とヒュルケンベルグは振り返った。

    19周目にピットインして1ストップ戦略を完遂。終盤にはマクラーレン勢の接触によるセーフティカー導入も追い風となり、8位でフィニッシュ。4ポイントを獲得した。

    ヒュルケンベルグは「バルセロナでのアップグレードが、ここで結果につながっている」と評価。「過去数カ月、6カ月にわたる作業が報われた。これは報いるに値する努力の成果だ」と語った。

    一方で、予選では依然として課題が残っている。スペイン、カナダともにQ3進出はならず、「予選よりも決勝の方がパフォーマンスが出ているように感じる」と述べた。

    「バルセロナでは高速コーナーが多かったから、アップグレードの効果がより出やすかったかもしれない。カナダは低速が多くてバンピーだから、まだパッケージを最適化しきれていない部分もある。まだやるべきことはたくさんあるし、改善の余地は大きい」と分析。

    オーストリアGPに向けても「Q2中位、うまくいけばトップ10に滑り込めるかもしれないけど、週末の展開次第だね」と慎重ながらも期待を込めた。

    チーム代表ジョナサン・ウィートリーも「これはチームの士気にとって非常に大きい。これまでの努力が報われた瞬間だ。ここから勢いに乗っていきたい」と語る。

    ザウバーF1チーム C45

    そして、元F1テクニカルディレクターのゲイリー・アンダーソンも、今回のアップグレードの本質的な意義を次のように解説している。

    「誰もが自分のクルマが最も乱流に弱いと感じるものだが、風洞での完璧な環境に最適化された空力は、現実のサーキットでは逆に剥離を引き起こしやすい。しかも、それはマシン後方の空力にも連鎖的な悪影響を及ぼす」

    フロントウイングの変更自体は控えめだった。モナコでは大きめのGurneyフラップが装着されていたが、バルセロナではこれが小型化された。しかし、これはサーキット特性によるものであり、FIAのTDに合わせた構造強化が主眼と見られる。

    より大きな進化はサイドポッドにあった。以前は上部の気流が中央へ流れるよう設計されていたが、今回の変更で「バスタブ形状」の外縁を途中で下げ、気流がより自然にコークボトルエリアに流れるようになった。これにより、サイドポッド前方のアンダーカットから引き込まれる気流も安定し、フロントウイング、フロア外縁、エクストラクションベーンの性能すべてが安定化した。

    「理想的な条件下では小さな改善かもしれないが、実戦環境ではこの一貫性が非常に大きな差になる」とアンダーソンは述べている。

    ザウバーは依然として2025年シーズン平均では最も遅いマシンだが、スペインとカナダで連続ポイントを記録し、コンストラクターズ選手権では8位に浮上。ルエダが「年内にさらに大きなアップグレードが予定されている」と明言した通り、今後のさらなる躍進に向けて、確かな布石を打った形だ。

  • ガブリエル・ボルトレト F1ルーキーイヤーで最も難しいのは「メディア対応」

    ガブリエル・ボルトレト F1ルーキーイヤーで最も難しいのは「メディア対応」

    2024年F2王者であり、今季キック・ザウバーからF1デビューを果たしたガブリエル・ボルトレトが、自身のルーキーシーズンにおける最大の挑戦は予想外にも「メディア対応」であると明かした。

    弱いパッケージとされる現行マシンに苦しみながらも、ボルトレトは複数回のQ2進出を果たし、堅実なスタートを切っている。しかし、経験豊富なチームメイトのニコ・ヒュルケンベルグがすでにポイントを獲得しているのに対し、ボルトレトにはまだ入賞歴がない。

    そんな中でもヒュルケンベルグは、特に初めて走るサーキットにおいて重要なデータと経験を提供する貴重な存在だとボルトレトは評価している。だが、彼にとって最大の試練は別のところにあった。

    「正直に言って、これまでのところはかなり順調だと思う」とボルトレトは語った。「新しいサーキットにも適応できているし、強力なチームメイトがいることで多くのことを学べている。ただ、ルーキーにとって本当に難しいのは、新しいサーキットそのものじゃない」

    「もっと複雑な要素がある。たとえば、メディア対応だ。F2ではこんなことはなかった」

    F2時代には、木曜日にサーキット入りしてエンジニアと話し、自由時間もあり、レースのことだけを考えていればよかったという。しかしF1では事情がまったく異なる。

    「F1では、スポンサーやメディア対応など、多くの義務がある。悪いことではないけれど、他のカテゴリーに比べて明らかに時間を取られる」とボルトレトは続けた。

    「僕は6歳からレースを始めて、ほぼ15年間こんなことは一度もなかった。F1に来てまだ数か月だけど、これだけのメディア対応やスポンサーとの時間のやりくりに慣れなければならない。そのうえで、なおかつトラック上でベストなパフォーマンスを出さなければならない。これがルーキーにとって最大の課題だと思う」

    F1におけるルーキーとしての挑戦は、走行そのもの以上に、メディアや外部対応という“見えないレース”とも言えるプレッシャーとの戦いであることを、20歳のブラジル人ドライバーは身をもって体感しているようだ。

  • ニコ・ヒュルケンベルグはまだF1“シリーシーズン”のキープレーヤー?

    ニコ・ヒュルケンベルグはまだF1“シリーシーズン”のキープレーヤー?

    35歳のドイツ人ドライバー、ニコ・ヒュルケンベルグが、今後のF1“シリーシーズン”において主役の一人となる可能性がある。

    2019年末にルノーのシートを失ったことで、ヒュルケンベルグのF1キャリアは終わったかに思われた。その後、2020年から2022年にかけては代役として断続的にレース出場し、2023年と2024年にはハースからフルタイムでF1復帰を果たした。

    ハースでのパフォーマンスにより、ザウバーの新オーナーであるアウディの目に留まり、ヒュルケンベルグは同チームと「複数年契約」を締結したと発表された。なお、アウディへのブランド変更を控える現在のザウバーはグリッド後方に沈んでいるが、ヒュルケンベルグは最近のバルセロナGPで5位入賞を果たし、注目を集めた。

    この走りにはパドック全体から称賛の声が上がり、レッドブルのヘルムート・マルコもかつてヒュルケンベルグを起用候補として検討していたことを認めた。

    元F1ドライバーで同じくドイツ出身のラルフ・シューマッハは、スペインGPにおけるヒュルケンベルグのパフォーマンスについて「スーパーな速さを見せた」とSky Deutschlandに語った。

    「特にアウディにとっては、2026年に向けた新車開発の方向性が少なくとも見えたという意味がある」とラルフ・シューマッハは述べた。

    ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ F1

    さらに、今後のF1界で繰り広げられるであろう“シリーシーズン”において、ヒュルケンベルグが再び重要な存在となり得ると指摘した。

    「すべてはこの先に何が起きるか次第だ。ルーキーたちは皆、現状に留まるのだろうか? フラビオ・ブリアトーレは何を考えているのか? まあ、彼はおそらくもっと若いドライバーを探しているとは思うけどね」

    シューマッハはさらにこう続けた。

    「でもドライバー市場の動きというのは、時に説明のつかないダイナミズムがある。もし彼が今後もこのような結果を出し続ければ、きっと長くF1に残るだろう。彼にはまだスピードがある」

  • ザウバーF1チーム復活の兆し ウィートリー新体制で再建に手応え

    ザウバーF1チーム復活の兆し ウィートリー新体制で再建に手応え

    昨年、F1コンストラクターズランキングで最下位に沈み、最終戦まで無得点が続いたザウバーF1チーム。しかし2025年、元レッドブルの敏腕オペレーション責任者ジョナサン・ウィートリーをチーム代表に迎えて以降、明確な復調の兆しが見えてきた。

    先週末のF1スペインGPではニコ・ヒュルケンベルグが15番手スタートから驚異の5位フィニッシュ。これは2022年イモラでバルテリ・ボッタスが記録して以来のベストリザルトであり、レース中にはフェラーリを駆るルイス・ハミルトンをオーバーテイクする場面もあった。

    ウィートリーはF1 Nationポッドキャストで、「チームとして非常に高いレベルでのパフォーマンスを発揮できた」と語る。

    「ファクトリーとの会話や戦略、そしてクルマ自体も全タイヤコンパウンドでペースがあった。ニコも予選の雪辱を果たす意気込みだった」

    「また純粋にレースができて、競争力を感じられることが嬉しい。予選でも2台ともQ2進出の可能性はあった。特にこのサーキットはエアロ依存度が高いからね。クルマがシミュレーション通りのパフォーマンスを発揮してくれたのは大きな前進だ」

    ウィートリーは就任からわずか8週間で7戦を経験。「ずっと地に足がつかないような感覚だった」と述べながらも、内部の状況を理解し始めていると話す。

    「いくつかのコミュニケーション手法を見直した。今は正しい方向に向かっているという実感がある」

    特に昨年大きな課題だったピットストップも、劇的に改善された。

    「ピットストップはチームスピリットの象徴だ。今回の2.1秒のストップは誇りに思っている。2台のフェラーリを追っている状況を見るのは、奇妙だけど素晴らしい光景だった」

    ザウバーF1チーム

    “ドライブしやすい”新車に手応え 期待集まる新パッケージ
    今季のザウバーはヒュルケンベルグに加え、ルーキーのガブリエル・ボルトレトという新たなラインアップで戦っている。ブラジル人ジャーナリスト、ジュリアンヌ・セラソリはボルトレトについてこう語る。

    「彼はこのマシンが大好きだと言っている。以前はトラフィックの中で扱いづらかったが、今はずっと乗りやすいと感じている」

    「今回のパッケージは、単にダウンフォースを増やしたのではなく、より予測可能でドライバブルな方向へと進化している」

    ザウバーは昨年末のアップグレードで周冠宇がポイントを獲得したことからも、開発の成果が着実に現れている。

    「スペインで導入した最新パッケージはうまく機能したし、夏休み前にもさらなるアップデートが控えている」とセラソリは期待を寄せる。

    スペイン人ジャーナリストのヘスス・バルセイロもF1 Nationでこう語る。

    「通常、後方チームが好成績を出すときはセーフティカーや雨、事故といった要因があるが、今回はそういった助けはなかった」

    「ヒュルケンベルグがフェラーリをオーバーテイクした事実は本当に興奮する。バルセロナはF1でもっともリファレンスになるサーキットのひとつ。そこで良い走りを見せた彼らは、今後の夏に向けてさらに期待が持てる」

  • サウバーF1代表ウィートリー FIAの裁定手順を擁護 ホーナーの批判に反論

    サウバーF1代表ウィートリー FIAの裁定手順を擁護 ホーナーの批判に反論

    サウバーF1のチーム代表であり、元レッドブルF1のスポーティングディレクターを務めたジョナサン・ウィートリーが、FIA(国際自動車連盟)のスチュワード運用について擁護の姿勢を示した。

    これは、前職の同僚であるレッドブルF1代表クリスチャン・ホーナーが最近の裁定方針に苦言を呈したことを受けての発言である。

    ウィートリーは、昨年まで18年間にわたってレッドブルF1に在籍したのち、今季よりサウバー(将来的にアウディへ移行)に加入。4月にチーム代表へ正式就任した。

    サウバーは2025年シーズン序盤に苦戦を強いられていたが、スペインGPではニコ・ヒュルケンベルグが見事なレースペースを披露し、終盤にはルイス・ハミルトンをオーバーテイクして6位を獲得。その後、マックス・フェルスタッペンがジョージ・ラッセルとの接触で10秒加算ペナルティを受けたことで、ヒュルケンベルグは最終的に5位に繰り上がった。

    この混乱のきっかけとなったリスタート直後のインシデントでは、ヒュルケンベルグがまさに間近でその一部始終を目撃していたはずだ。

    ホーナーの「先読みしなければならない」発言に対して
    フェルスタッペンがターン2でランオフエリアに飛び出した際、レッドブルF1のピットウォールはポジションを返すよう指示を出したが、最終的にこの判断は不要であったことが判明。スチュワードはこのケースに関してフェルスタッペン側の明確な違反はなかったと結論づけた。

    これに対しホーナーは、チームがスチュワードの裁定を「先読み」せざるを得ない状況にあると批判。その点について問われたウィートリーは、FIAレースコントロールの判断には十分な理解が必要だと語った。

    「スポーティングディレクターとして19年間にわたりFIAと協働してきた経験から、彼らがレースコントロールでどれほどのプレッシャーを受けているかを深く理解しようと努めてきた」とウィートリーは複数メディアに対して語った。

    「特にスタート直後は一度に複数のインシデントが発生することもあり、必ずしもそれだけを見ているとは限らない。クリスチャン(・ホーナー)が何を問題にしたのか具体的には分からないが、私は自分たちのレースに集中していた」

    ザウバーF1チーム

    「スチュワード制度は大きく進歩した」
    フェルスタッペンにポジションを返すように指示したレッドブルの判断が最終的に誤りだったとはいえ、ウィートリーは「基本的にチーム側の判断で状況に応じた対応が可能だ」とし、ホーナーの主張に対して冷静に反論した。

    「チームには常に、自分たちで判断して行動するオプションがある。F1チームは非常にプロフェッショナルであり、ピットレーンのどのチームもスチュワードからの助言をもとに状況を読んで決断していると思う」

    「我々もターン1の件をしっかり分析した。もし少しでも疑念があったら違った対応をしていたかもしれないが、自信を持って判断できた」

    そのうえでウィートリーは、FIAによる裁定制度の進歩を評価した。

    「私は以前から、スチュワード制度は近年非常に進歩したと公言してきた。FIAはこの分野で本当に良い仕事をしていると思う。ただ、まだ発展途上の部分もある」

  • ザウバーF1 ウィートリー代表「ようやく本物のレースカーを手にした」

    ザウバーF1 ウィートリー代表「ようやく本物のレースカーを手にした」

    ザウバーF1チーム代表のジョナサン・ウィートリーは、スペインGPでニコ・ヒュルケンベルグが5位に入ったことについて、「チームにとって大きな安堵だった」と語り、アップグレードがついに成果を上げたことに胸をなで下ろしている。

    ヒュルケンベルグは今季の開幕戦オーストラリアGP(天候が変化する難しいコンディション)でポイントを獲得したものの、それ以降は極めて僅差のミッドフィールド争いの中で、彼もチームもポイントを加算できていなかった。

    2026年からアウディのワークスチームへと移行する予定のこのスイスチームは、今回のバルセロナで大規模なアップグレードを投入。それには再設計されたフロア、変更されたエンジンカバー、そしてフロントウイングのエンドプレートの修正などが含まれていた。

    ヒュルケンベルグとルーキーのガブリエル・ボルトレトはともに予選で一定の手応えを見せたが、ボルトレトが12番手を獲得した一方で、ヒュルケンベルグは最終セクターでタイムを失い16番手に終わった。

    しかしレースでは、ザウバーの進化が本物であることが証明された。ヒュルケンベルグは好スタートを決めて序盤にポジションを9番手まで上げ、メルセデスエンジンのトラブルでアンドレア・キミ・アントネッリがリタイアした後、さらに浮上。

    そして終盤のセーフティカー明けには、アイザック・ハジャーとルイス・ハミルトン(フェラーリ)を次々とオーバーテイクし、6位でチェッカー。さらにマックス・フェルスタッペンに科されたペナルティにより、最終的には5位に繰り上がった。

    ザウバーF1チーム

    ザウバーにとって、2022年イモラでバルテリ・ボッタスが記録した5位以来となるベストリザルトに喜びが広がる中、ウィートリー代表は何よりも「今回のレースで示された基礎的なパフォーマンスの進歩」に満足感を示した。

    「ファクトリーでは本当に多くの努力と情熱が注がれてきた。今回の結果は、そのすべてがようやく報われたような、ものすごい安堵感をもたらしてくれた」とウィートリーはオートスポーツに語った。

    「これまで自分たちに何ができるかはわかっていた。だからこそ、アップグレードが期待通りに機能して、ドライバーのフィードバックも一致していて、今日ようやく”ちゃんとしたレースカー”を持てたことが嬉しかった。私がこのチームに来て以来、初めての感覚だった。本当に素晴らしい気分だ」

    ウィートリーは、今回のバルセロナでのアップグレードが、ザウバーを今後のグランプリでもミッドフィールドの本格的なポイント争いに参戦させることを期待している。それはもはや「観戦者」ではなく、「参加者」になることを意味する。

    「我々が戦っている中では、コンマ1秒がとてつもなく大きな差になる」とウィートリーは続けた。「何度、Q2をわずか0.01秒足りずに逃したことか。マシンに加えられるどんなパフォーマンス向上も、必ず違いを生む」

    「バルセロナは、私が1991年から通っている中で常に“マシンの実力を測る真の試金石”であり、ここで速いマシンは、他の多くのサーキットでも速い傾向がある。いま、我々の“ツール”はちゃんと機能していて、相関性も取れている」

    元レッドブルのスポーティングディレクターであるウィートリーは、ボルトレトの成長ぶりにも手応えを感じており、「彼の時代はきっと来る」と断言しているが、何より賞賛を集めたのは、終盤にルイス・ハミルトンをオーバーテイクしたヒュルケンベルグの走りだった。

    「本当に自分の頬をつねりたくなるような瞬間だった。だって、あれは純粋なペースで抜いたんだから」とウィートリーは笑みを浮かべた。