カテゴリー: ザウバーF1チーム

  • ニコ・ヒュルケンベルグ F1ベルギーGP予選のストロールとの接触で戒告処分

    ニコ・ヒュルケンベルグ F1ベルギーGP予選のストロールとの接触で戒告処分

    ニコ・ヒュルケンベルグは、F1ベルギーGP予選中に発生したランス・ストロールとのピットレーンでの接触により、スチュワードから戒告処分を受けた。

    Q1開始前、複数のマシンがピット出口に列をなす中で、ヒュルケンベルグのザウバーはまだファストレーン内に位置しておらず、車両の一輪をファストレーンに入れて優先権を得ようとした。

    しかしその直後、前方の車列が動き始めた際に、アストンマーティンのストロールが進路を譲らず、両者は低速で接触。ヒュルケンベルグはエンドプレートを損傷し、フロントウイングの交換を余儀なくされた。

    一方、ストロールはそのまま走行を続行。インシデントはセッション後に審議対象となった。

    スチュワードの裁定では、ヒュルケンベルグとザウバーチームは「ストロールに優先権がある状態でファストレーンに進入した」件について違反と認定され、この件で戒告が科された。一方、接触そのものについては「いずれのドライバーも主たる責任はない」と判断され、追加の処分は行われなかった。

    以下は、スチュワードが発表した裁定理由の全文である。

    「レースディレクターのノートには、次のように記されている:『セッション開始前にピットレーンの端に走行して到達したマシンは、ファストレーンに一列に整列し、到着順に発進しなければならない。ファストレーンに入ったと見なされるのは、タイヤがファストレーンと内側レーンを隔てる白線を完全に越えたときである。ここで「越える」とは、タイヤ全体がその白線の遠側を超えている状態を指す』今回のケースでは、27号車(ヒュルケンベルグ)のタイヤはセッション開始前にこの条件を満たしておらず、このため18号車(ストロール)に優先権があったと見なされる。よって、27号車は『適切なギャップ』がある場合にのみ列に合流すべきであったが、この時点でそのようなギャップは存在しなかった」

    「また、27号車のドライバーは常にチームの指示(無線またはチームメンバーの手信号)に従って行動していた」

    「このため、27号車は競技規定第34.8条に違反しており、ペナルティはチームに適用される」

    「その後に発生した接触については、両車がほぼ同時にチームの指示で動き出し、結果的に偶発的な接触が発生した。いずれのドライバーも完全または主としての責任はないと判断されるため、『接触の原因』に関しては追加措置を取らない」

  • ガブリエル・ボルトレト F1ベルギーGP スプリント予選「トップ10は励みになる」

    ガブリエル・ボルトレト F1ベルギーGP スプリント予選「トップ10は励みになる」

    キック・ザウバーは、2025年F1第13戦ベルギーGPのスプリント予選で明暗が分かれた。

    ルーキーのガブリエル・ボルトレトは今季2度目となるスプリント予選でのトップ10入りを果たし、10番グリッドを獲得。対照的に、ニコ・ヒュルケンベルグは2つの不運に見舞われ、SQ1敗退を喫した。

    「今日はSQ3に進出できて本当に嬉しかった。これはスプリント予選だけど、やっぱり突破できたときの気持ちは格別だ」とボルトレトはコメント。

    「セッションを通してクルマの感触は良くて、SQ3でもう少し絞り出せたかもしれないと思うくらいだった」

    「全体としては力強い予選パフォーマンスだったし、トップ10入りは大きな励みになる」

    「クルマの仕上がりは良さそうなので、あとは明日のレースでペースがどこまで持つかを見極めたい」

    「すべてが噛み合えば、同じようなポジションで戦えるはずだ」

    チーム代表のジョナサン・ウィートリーもボルトレトの活躍を称賛した。

    「GabiはSQ1で非常にクリーンな走りを見せて通過し、SQ2では素晴らしいラップを決めた。ノリスからわずか0.5秒差で、1分41秒901というスパにおけるザウバー史上最速のタイムだった。SQ3では最終的に思うようなタイムが出なかったが、それでも10番手はスプリントに向けて非常に良いポジションだ」とウィートリーはコメント。

    ベルギーグランプリ F1 ザウバーF1チーム

    一方、ベテランのニコ・ヒュルケンベルグは、2度にわたる不運によって予選最初のセッションで姿を消すこととなった。まず、ピットレーンでリアム・ローソンの進路に出てしまったが、これはスチュワードによる調査対象とはならなかった。その後のアタックでも、再びタイミングが合わずトラフィックに巻き込まれた。

    「スプリント予選にはいつも独特の難しさがある。短いフォーマットでタイヤは1セットしか使えないし、最初のラップがすべてを左右する」とヒュルケンベルグはコメント。

    「最初のアタックは計画通りにはいかなかった」

    「2回目の走行では、ウォームアップラップの終盤でトラフィックに引っかかってしまって、リアムのすぐ後ろを走る形になってしまい、ラップが台無しになった」

    「その時点でタイヤの状態も理想的ではなかったので、全体的に十分な結果にはならなかった」

    「明日の決勝予選に向けてやるべきことはたくさんある。FP後にいくつか変更を加えたが、進むべき方向性は見えてきた」

    「まだクルマから引き出せるポテンシャルはあるはずなので、データをしっかり分析して、スプリントを最大限に活かしていきたい」

    ウィートリーもヒュルケンベルグの状況をこう総括した。

    「ニコは時間との戦いの中で、2回目のアタックで前方のクルマとの距離が近すぎて、本来のパフォーマンスを発揮することができなかった。その結果、17番手という順位に終わってしまった」

  • ザウバー 2025年にピットストップで飛躍 F1最速クルーの一角に浮上

    ザウバー 2025年にピットストップで飛躍 F1最速クルーの一角に浮上

    ザウバーF1チームが2025年のF1シーズンで静かにピットストップ能力を進化させ、昨年の苦戦から一転、グリッドでも有数の迅速なクルーの仲間入りを果たしている。

    スイスに本拠を置く同チームは今季序盤、フェラーリとマクラーレンに次ぐ公式ピットストップランキング3位に躍進。シルバーストンでの珍しいミス──ニコ・ヒュルケンベルグの左フロントに4.6秒のロスを生んだ──があったものの、彼は自身初のF1表彰台を獲得した。

    「ちょっと緊張する瞬間だったに違いない」と語るのはチーム代表のジョナサン・ウィートリー。「でも彼らは今季ずっと安定しているよ」

    実際、この進化は大きな飛躍だ。2024年にはホイールハブの冬季再設計が失敗し、繰り返し不具合が発生していた。

    「今では装備が安定している」とスポーティングディレクターのイナキ・ルエダは独『Auto Motor und Sport』に語った。「昨シーズン序盤はそこが問題点だったが、シーズンを通じて改善された。

    それによって、冬の間にピットストップトレーニングの良い計画を立てることができた。メカニックたちは本当によく頑張ったよ」

    その努力は実を結び、ザウバーはマイアミとバルセロナで全体最速のピットストップタイムを記録した。

    「ピットストップの時間はどんどん短くなっている」とルエダは認める。「でも、我々の目標は“とにかく速いストップ”じゃない。安定性を保ち、遅いストップを避けることがすべてなんだ。

    それさえできれば、速いピットストップは自然についてくる」

    ルエダはまた、レッドブル時代に記録的なピット作業を築いたことで知られるウィートリーの存在が、ヒンウィルの現場に静かに良い影響を与えているとも認めた。

    「ジョナサンが来る前から、ピットストップの傾向は良い方向に進んでいた」とルエダは言う。「でももちろん、彼の専門知識はプロセスのさらなる改善に役立っている。

    ただ、それはすぐに導入できるようなものではない。ジョナサン自身も、“チームAでうまくいったことがチームBでも通用するとは限らない”ということを理解している。

    だからこそ、我々にとってどう適応し、彼の経験を活かしていくかがカギなんだ」

  • ジョナサン・ウィートリー レッドブルF1離脱のきっかけは「マイアミでの報道」

    ジョナサン・ウィートリー レッドブルF1離脱のきっかけは「マイアミでの報道」

    ザウバーのチーム代表ジョナサン・ウィートリーは、昨年のF1シーズン中に起きた“ある出来事”が、自身のレッドブル離脱を決意させるきっかけになったと明かした。

    ウィートリーは2024年8月、ザウバーの新代表として就任。2026年にアウディとしてF1に本格参入する同チームの変革を率いる立場となった。58歳のウィートリーは、それ以前までレッドブルでスポーティング・ディレクターを務めており、エイドリアン・ニューウェイらと共に2024年にチームを離れた“人材流出”の一員だった。

    今シーズンは苦戦していたザウバーの中団争いへの浮上を導き、先日のイギリスGPではニコ・ヒュルケンベルグが自身初のF1表彰台を獲得するなど、成果を見せ始めている。

    ウィートリーは、昨年春の報道が転機になったと次のように語った。

    「正直に言うと、昨年のマイアミである記事が出たんだ。それで私は納得がいかなかった」とウィートリーはRacingNews365に語った。

    「当時、私は意図的に非常に低いメディア露出を保っていた。でも突然、私の名前があらゆる新聞に載った。それが職場での立場を難しくしたんだ」と

    「ただ、それによっていろんなアプローチが来るようになった。『ああ、皆が自分に関心を持っているんだな』って思い始める。そこから転職について考えるようになったんだ」

    ただし、その時点ではすぐに動くつもりはなかったという。

    「当時はロックイン契約を結んでいたし、私はそれを最初から最後まで誠実に果たすつもりだった。私は、ちょっと条件のいい話が来たからといって、契約を抜け出そうとするような人間じゃない。チームにコミットすると決めたら、その覚悟で臨んでいる」

    「ベネトン/ルノーで16年、レッドブルで19年。そして今のザウバー(アウディ)でも、ここを離れるつもりはまったくない。だからこそ、多くのチームと話をする機会も生まれたんだ」

    ジョナサン・ウィートリー F1ウィートリーは、2026年にF1参戦を果たすアウディの初代チーム代表として、体制構築の陣頭指揮を執る

    「アウディのプロジェクトは別格だった」──決断の決め手は“興奮”

    現在ウィートリーは、ザウバーからアウディへの移行を主導しており、スイス・ヒンウィルの本拠地拡張や、英ビスター・モーションにおける新技術センターの稼働を進めている。これにより、アウディは3拠点体制でF1参戦を行う見通しだ。

    ウィートリーは、他チームとも話をしたものの、最終的にアウディの将来構想に最も心を動かされたと語る。

    「キャリアを伸ばすために英国を離れる必要はなかったけど、それでもアウディのプロジェクトほどワクワクするものはなかった」

    「今でも興奮してるよ。来年、自分たちのチームが完全に変わるって考えると、まさに夢のようなんだ。見た目も雰囲気もまったく違うものになる」

    「そしてまた、前回(レッドブルでのスタートアップ期)のように最初からその旅に関われるんだ。どれだけ興奮してるか言葉では言い表せないよ。他のどんなチームも太刀打ちできなかった」

  • サウバーF1 2025年も攻めの姿勢貫く「2026年のアウディ体制に影響なし」

    サウバーF1 2025年も攻めの姿勢貫く「2026年のアウディ体制に影響なし」

    ザウバーF1のチーム代表ジョナサン・ウィートリーは、2025年のF1シーズンにおけるパフォーマンス向上への取り組みが、アウディ体制となる2026年に向けた準備に悪影響を及ぼすのではないかという懸念を否定した。

    今季からヒンウィルのチームに加わったウィートリーは、アウディのワークスチーム化を控えるサウバーにおいて、現在のC45マシンの開発と長期的な計画は並行して進められており、どちらかが他方を損なうようなことはないと主張している。

    サウバーはここ最近、大きな勢いを見せており、スペインGP以降は立て続けにアップグレードを投入。その結果、競争力は劇的に向上している。

    ニコ・ヒュルケンベルグはシルバーストンで初表彰台を獲得し、3戦連続ポイントを記録。レッドブル・リンクではダブル入賞も果たし、コンストラクターズ選手権ではサウバーを6位に押し上げ、5位ウィリアムズを射程圏内に捉えている。

    「この選手権はまだ終わっていない」
    現在のポジションに対する楽観的な見方が高まる中、ウィートリーはサウバーの目標は単に時折ポイントを獲ることではないと強調した。

    「まだ何も決まっていないし、この選手権は終わっていない。我々はまだ諦めていない」とウィートリーはシルバーストンでメディアに語った。

    「我々は数合わせをしに来ているわけではない。我々には野心があり、達成すべき目標がある」

    それでも、2026年にはF1の技術規則が大きく変わり、アウディの正式参入も控えている中、2025年にここまでリソースを注ぎ込むことが長期計画を犠牲にするのではないかという疑問も生じている。

    しかしウィートリーは、そうした考えを一蹴した。

    「今のところ、何の影響も出ていないと感じている──まあ、マッティア(・ビノット)は影響はないと言っているよ」とウィートリーは語り、CEOのマッティア・ビノットに言及した。

    「マッティアやファクトリーのチームには、クルマの進化に向けた活力があり、正しい方向に進んでいる感覚がある」

    「アブダビまでずっとこの調子が続くとは言わないが、現時点では励みになる状況だ」

    ザウバーF1チーム アウディ

    アップグレードで高まるドライバーの自信
    ウィートリーは、最近の技術的進歩により、より一貫性のある扱いやすいマシンが実現できたことを評価している。特にその兆候が見られたのはバルセロナ以降だという。

    ピーキーな挙動に悩まされていたC45は、現在ではより安定したプラットフォームとなり、ドライバーが自信を持ってパフォーマンスを引き出せるようになっている。

    「バルセロナ以降、両ドライバーに明らかに自信が戻ってきたのが分かると思う」とウィートリーは説明した。

    「あれがポイントだった──それ以前はかなりピーキーだった。予選で安定してタイムを縮めていくのが難しかったのは、皆さんもご存じのとおりだ」

    「ジェッダでは、ターン1のブレーキングですら2人とも問題を抱えていた。でも今では、そういった話題すら出ない」

    この新たな自信が結果に結びつき、ヒュルケンベルグとチームメイトのガブリエル・ボルトレトは、予選でも決勝でもより攻めの姿勢を取れるようになった。これは、マシンの作動領域が広がり、挙動が予測しやすくなったことによるものだ。

    5位を見据えつつも、地に足をつけて
    サウバーがコンストラクターズ5位を本気で狙えるかどうかについて問われると、ウィートリーは慎重な姿勢を崩さなかった。

    「地に足をつけていくよ」と彼は語った。「昨日、ドライレースだったらどうだったかと聞かれたら、まったく違う状況になっていただろうね」

    「我々は一戦一戦を楽しんでいる。今週末もまたクルマにパフォーマンスを追加してきた。スパで何が起きるか見てみよう」

    勢いに乗りつつも、アウディ・プロジェクトが静かに進行する中で、サウバーは短期的な競争力と長期的な野心の両立を実現しつつある──これは多くのチームが移行期に苦戦する部分だ。

    いまのところ、ウィートリーが発するメッセージは明確だ。目の前のポイントを貪欲に狙いつつ、未来もしっかりと見据えている。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ F1初表彰台にサインツが絶賛「常にトップ5の実力」

    ニコ・ヒュルケンベルグ F1初表彰台にサインツが絶賛「常にトップ5の実力」

    ニコ・ヒュルケンベルグは、F1のライバルであるカルロス・サインツから「常にグリッド上のトップ5ドライバー」と称賛された。

    ヒュルケンベルグは先週末のF1イギリスGPで3位に入り、F1史上最多記録となっていた表彰台なしの連続出走に終止符を打った。悪天候を巧みに利用した走りで、キャリア初の表彰台をつかみ取った。

    それまでヒュルケンベルグは、F1史上最多の表彰台なしレース出走記録を保持していた。

    ヒュルケンベルグの思わぬ快挙について感想を求められたカルロス・サインツは、RacingNews365などのメディアに対して次のように語った。

    「おめでとう。きっと本当に堅実なレースをして、あそこまで行ったんだと思う」

    「正直言って、彼に表彰台がなかったことをみんなが呪ってたみたいだけど、僕にとってはまったく重要なことじゃなかった」

    「僕にとって彼は、F1にいるときは常にグリッド上のトップ5ドライバーだと思ってるし、彼の才能やレースでの実行力は本当にすごいんだ」

    ニコ・ヒュルケンベルグ F1 カルロス・サインツJr.

    ヒュルケンベルグは、いわゆる「トップチーム」でレースをしたことはなく、ドライバーズランキングでの最高位は2018年にルノーで記録した7位だった。

    その2018年、サインツはエンストン拠点の同チームでヒュルケンベルグのチームメイトを務め、彼の実力を間近で見ていた。

    「僕は彼のチームメイトだったからわかってるけど、彼に表彰台がなかったのはただの偶然であって、彼が所属していたチームによるところが大きかった」

    「今回こうして表彰台に立てて、彼を疑ってた人たちを黙らせられたことがうれしい。僕は最初から彼を疑ったことなんてなかったし、いつか必ず表彰台に立つって信じていた」

  • サウバー 13年ぶり表彰台で加速するアウディF1プロジェクト

    サウバー 13年ぶり表彰台で加速するアウディF1プロジェクト

    ジョナサン・ウィートリーは、サウバーが13年ぶりにF1表彰台を獲得した勢いを、2026年から始まるアウディF1プロジェクトに繋げていきたいと語った。

    2024年4月にレッドブルを離れてサウバーのチーム代表に就任したウィートリーは、短期間のうちにチームの競争力向上を指揮。オーストリアGPではガブリエル・ボルトレトが8位に入りF1初ポイントを獲得、さらにイギリスGPではニコ・ヒュルケンベルグが239戦目で初のF1表彰台を獲得し、サウバーにとっては2012年以来となる3位フィニッシュという快挙を達成した。

    ウィートリーは英オートスポーツ誌の取材に対し、サウバーの成長についてこう語っている。

    「正直、私が大したことを成し遂げたとは思っていない。スイスへの引っ越しがうまくいったくらいだ」

    「だが、チームと働けるのは本当に素晴らしい経験だ。明らかにマッテオ(ビノットCOO)が私の到着前から多くの準備をしてくれていて、すでに物事は動き始めていた」

    「私自身はチームの中に入り込んで、その仕組みを理解しながら、所々で少しずつ指針を示すようにしてきた。そしてシルバーストンでピットウォールに座ったとき、本当にすべてがひとつにまとまってきたと感じた」

    「私の初レースは4月の日本GPだった。それから13週間で10レースをこなしている。最初のアップグレードを投入した段階から、ドライバーたちの自信が目に見えて高まった。マシンをプッシュできるようになり、連続で予選ラップを組み立てられるようになって、我々の持っているアドバンテージを最大限に活かせるようになった」

    「私が来る前から多くの作業が進んでいたし、それを自分の手柄にするつもりはない。これは大きなチームの成果だ。設備面の改善に加え、クルーの自信を育てる取り組みもあった。ピットストップのような要素は、チームスピリットの表れでもある。リラックスしながら確実な作業ができているチームは、いい状態にあるということだ」

    ザウバー F1 アウディ

    2026年にはF1史上最大級のレギュレーション変更が控えており、アウディの正式参入とともにサウバーは新たなチャプターへと突入する。ウィートリーは、その挑戦こそが自分をレッドブルから動かした理由だったと明かす。

    「ちょうど1年前の今日くらいだったと思う。ここグッドウッドからサウサンプトン空港へ向かって、アウディとの面談に向かった。あの瞬間から、このプロジェクトに惹きつけられ続けている」

    「私はアウディ・クワトロが森の中を走り抜けて、マフラーから火を噴く姿を見て育った。アウディはいつも独自のアプローチを貫いていたし、今こうしてその旅路の一部になれるのは本当に特別なことだ。これは今のF1にとって最も素晴らしいニュースのひとつであり、ファン全員がワクワクすべき出来事だと思っている」

    とはいえ、伝統的な強豪チームに挑むのは容易ではないことも理解している。

    「我々はこの挑戦に対して謙虚に臨む必要がある。既存のトップチームと同じレベルに到達するのは簡単なことではないし、それを突き破るには大きな勢いが必要だ」

    「だが私は、我々がそのレベルに到達できると確信している。すでに我々はその道を歩み始めているし、ウェットコンディションなどではチャンスを掴めるようになっている」

    「もうすぐ、私のシャツには4つのリング(アウディのロゴ)がつくことになる。それはF1で最も幸せなチーム代表の証になるだろう」

  • ホーナーのレッドブルF1代表後任候補だったウィートリー アウディで存在感

    ホーナーのレッドブルF1代表後任候補だったウィートリー アウディで存在感

    クリスチャン・ホーナーのレッドブル解任により、後任にはレーシングブルズのボスであるローラン・メキースが就任することになった。しかし、別の世界線では、もう一人の有力候補がその空席を埋めていた可能性もあった。

    その人物こそ、長年レッドブルを支えた名脇役、ジョナサン・ウィートリーだ。

    2005年のF1参戦初期からチームに在籍し、チームマネージャー、そしてスポーティングディレクターとしてレッドブルの成長を支えてきたウィートリーは、今年初めにミルトンキーンズを離れ、ザウバーのチーム代表として新天地に活躍の場を移していた。2026年から始まるアウディとの本格的なF1挑戦に向け、その準備を進めている。

    現在のレッドブルが揺れる中で、ウィートリーの評価はうなぎ上りだ。特にヨーロッパラウンドに入ってからのザウバーの目覚ましい復調が、それを物語っている。

    スペインGPでニコ・ヒュルケンベルグがチームに今季初ポイントをもたらすと、その後のカナダGPでもポイントを重ね、そしてイギリスGPでは自身初、そしてチームにとって13年ぶりとなるF1表彰台を獲得。チームの勢いは確実に高まっている。

    この結果についてウィートリーは次のように語った。

    「モメンタムがチームにとってどれだけ重要か、よく話してきた。だから今日得た最大のものは、人々が私たちを信じ始めたということだ」

    「言葉ではいくらでも言える。勢いがついてきた、タイヤにパフォーマンスを載せられるようになった、マッティア(ビノットCOO)のこれまでの努力が形になってきた…それは本当のことだ」

    「でも、私たちにはまだ長い旅が残されている。今日は、その旅路の中で大きな一歩を踏み出せた日だ」

    クリスチャン・ホーナー レッドブル F1かつてクリスチャン・ホーナーの後任候補とされていたジョナサン・ウィトリーはザウバーで存在感を示している。

    また、アウディとのF1参戦準備という複雑なプロジェクトについても触れた。

    「計画はまっすぐな一本線のように見えるかもしれないけど、実際にはヘアピンや信号、工事区間がいくつもある」

    「けれど今日は本当に素晴らしい一日だった。チームのみんなが本当によく頑張っている。まだ若くて結束力を高めている途中のチームだけど、今日は成熟したレースができたと思う」

    皮肉なことに、表彰台を獲得したヒュルケンベルグも最近「レッドブル加入にかなり近づいていた」と明かしており、それに対してヘルムート・マルコは「彼はザウバー/アウディとの長期契約がある。それは私でも手放さない」とコメントしている。

    そして今、その言葉はジョナサン・ウィートリーにもそのまま当てはまりそうだ。レッドブルを離れたその先で、彼は確かな成功と未来を手にしつつある。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ サウバーF1チーム本拠地に初表彰台凱旋

    ニコ・ヒュルケンベルグ サウバーF1チーム本拠地に初表彰台凱旋

    2025年F1イギリスGPで悲願の初表彰台を達成したニコ・ヒュルケンベルグが、週明けにサウバーの本拠地ヒンウィルを訪問し、工場勤務のスタッフたちと喜びを分かち合った。

    シルバーストンでのレースは、ヒュルケンベルグにとって実に239戦目での初表彰台。さらにこれは、サウバーにとっても2012年のF1日本GP以来となる表彰台となった。地元の英雄ルイス・ハミルトンを抑えての3位という快挙に、現地ではパルクフェルメでの祝福とともに、ホスピタリティエリアやガレージでも歓喜のシャンパンが開かれた。

    その祝福ムードはレース翌週も続いており、ヒュルケンベルグは月曜夜にスイス・ヒンウィルのチームファクトリーを訪れた。

    「月曜の夜にヒンウィルへ行って、昨日の成功をファクトリーの皆と一緒に祝ったんだ」とヒュルケンベルグはSNSに投稿した動画で語った。

    「また大きな感動があったよ。みんなの笑顔や感情を見て、みんながどれだけの努力を注いできたかを実感した。貢献してくれたすべての人に感謝したい」

    「ファンのみんなにも本当にありがとう。これからもシーズンを通してプッシュし続けるよ。もちろん毎週こんな結果が出せるとは限らないけど、中団グループでのバトルは十分に戦える。後半戦が楽しみだよ」

    ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバーF1チーム

    サウバーは今季、週末によってはQ1突破すら難しい状況にあったが、オーストリアとイギリスで立て続けにポイントを獲得。今回の表彰台によりコンストラクターズランキングでは6位に浮上し、5位ウィリアムズとの差はわずか18ポイントとなっている。

    シルバーストンのレース後記者会見で、初表彰台の感想を求められたヒュルケンベルグは「すごく嬉しいけど、正直まだ実感が湧かない」と語った。

    「ランドがうまく表現していたけど、こういう変わりやすいコンディションの中でのレースって、ずっと壁の近くで走ってる感覚なんだ。限界を探りながらプッシュしてると、本当に常に緊張してる」

    「レース終盤にはルイスとの間接的なバトルになったけど、なんとか抑えきれて良かった。すべてが噛み合ったし、本当にホッとしてる。昨日はグリッド最後方近くで絶望的だったのに、今日は表彰台って…現実とは思えないよ」

    「まだ実感が追いついてないし、これを咀嚼するには数日かかりそうだね。幸いにも2週間あるから、しっかり祝うつもりだよ」

    次戦は7月25日(金)開幕のF1ベルギーGP。サウバーとヒュルケンベルグの勢いは、名門スパ・フランコルシャンでも続くのか注目される。

  • F1初表彰台のヒュルケンベルグ レッドブルではなくアウディとの将来は正解?

    F1初表彰台のヒュルケンベルグ レッドブルではなくアウディとの将来は正解?

    ニコ・ヒュルケンベルグは、かつてレッドブルとフェラーリの両方でF1を戦う目前まで迫っていた。

    現在F1を戦うドライバーの中で37歳のヒュルケンベルグより年上なのは、40歳の7度のワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトンと、43歳の2度の王者フェルナンド・アロンソだけだ。

    その一方で、ヒュルケンベルグは先週日曜のシルバーストンでF1参戦239戦目にすてようやくキャリア初の表彰台を獲得した。

    「私にとって、彼のパフォーマンスはF1ドライバーの中でもトップ5に入る」そう語ったのは、レッドブルのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコだ。

    「彼は常に明確なマシンのアドバンテージを持つドライバーを上回っている。ニコには敬意を表するしかない」

    「この表彰台は本当に待ち望まれていたものだ」

    レース後のパルクフェルメで最初にヒュルケンベルグを祝福したのは、マックス・フェルスタッペンだったが、その後グリッド中の多くのドライバーが祝福の輪に加わった。

    「彼は、ちゃんとしたマシンに乗るチャンスがなかった、グリッド上で最も優れたドライバーの1人だ」そう語ったのはアロンソだ。「本当に本当に嬉しいよ」

    カルロス・サインツJr.も同意する。

    「ニコはずっとトップ5に入るドライバーだった」

    「彼の才能とレース運びのレベルは本当に素晴らしい。正直、彼に表彰台がないってことで人々が文句を言ってたけど、それって本当に関係ないことだったと思う」

    元ハース代表のギュンター・シュタイナーは、数年前にヒュルケンベルグを現役復帰させた張本人であり、そのキャリアは今やアウディのワークスプロジェクトへとつながっている。

    「彼は本当に優れたドライバーだが、タイミングよく正しいマシンに乗る運がなかった」シュタイナーはRTLにそう語った。

    「それでもこの人が特別なのは、スター気取りになることなく、常に“人間的”であり続けたことだ。F1ドライバーとして安定したキャリアを築いてきたし、高く評価されている」

    「私が彼をチームに入れたのは、何ができるかを分かっていたからだ。チームを前進させるにはニコのようなドライバーが必要だったし、彼は実際にそれをやってのけた。F1では常に結果が求められる。彼はその期待に応え続けている」

    「日曜の走りを見れば分かるように、37歳という立派な年齢でもまだ十分な実力を持っている。見事な仕事ぶりだった」

    ヒュルケンベルグはかつて、トップチームに加入する寸前まで行ったこともある。マルコは、2021年にフェルスタッペンのチームメイトとして彼を起用しかけていたことを認めた。

    「チェコ・ペレスと契約する前の話だった。今だからこそ分かることだけどね」

    「当時はチェコが勝利していて、ニコはレースを落とすことが多かった。今のほうが彼はずっと良い」

    「年齢を重ねるほどに、彼のミスは減ってきている。だからこそ、アウディとしっかりした契約を結んでいるんだ」

    実際、もしヒュルケンベルグが2026年から始まるアウディとの長期プロジェクトにそれほどコミットしていなければ、角田裕毅の後任候補として最有力に挙げられていたかもしれない。角田裕毅は今季ここまで苦戦が続いており、過去5戦で一度もポイントを獲得できていない。加えて、20年間にわたってレッドブル帝国を率いてきたクリスチャン・ホーナーの解任は、チーム全体の競争力に影を落とす可能性がある。

    ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバーF1チーム アウディ奇しくもアウディを率いるステファノ・ドメニカリはフェラーリF1チーム代表時代にニコ・ヒュルケンベルグの獲得を望んでいた。

    Sport Bildによれば、ヒュルケンベルグはフェラーリ加入の可能性もかつて存在していたという。2013年には当時のチーム代表ステファノ・ドメニカリと「集中的な交渉」が行われていた。

    「当時ザウバーに所属していたヒュルケンベルグに対し、フェラーリは45ページにも及ぶ契約書を提示していた。それは細部まで詰められたものだった」と同誌は報じている。

    「しかしその契約は最終的に署名されることはなかった。フェラーリの当時のCEOだったセルジオ・マルキオンネが土壇場で拒否権を行使したのだ。ヒュルケンベルグ自身、いまだにその理由を知らない」

    ヒュルケンベルグは今後、アウディのF1参入初年度である2026年からプロジェクトを率いる存在となる。

    「ニコはチームのスタートを助ける存在になる」そう語るのは、元グランプリウィナーのデビッド・クルサードだ。

    「その任務はもちろん大きな挑戦だけど、彼は常に最大限の力を引き出してきた。私は彼が何でもやってのけられると信じているよ。表彰台の常連になる可能性だってある」